JP2003158953A - 循環式養殖装置 - Google Patents
循環式養殖装置Info
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Abstract
類の飼育数や給餌量の急激な変動に対応することができ
る循環式飼育装置を提供する。 【解決手段】 魚介類を飼育する飼育水槽1の海水を循
環経路2を通して循環させながら海水中のアンモニア等
の窒素成分を除去するようにした循環式養殖装置に関す
る。このような循環式養殖装置において、硝化細菌を付
着させた担体が攪拌流動される流動床からなる硝化槽3
と、海水を電気分解する電極のうち陽極4を備える調整
槽5とを、海水の流れ方向でこの順に循環経路2に接続
する。そして、海水を電気分解する電極のうち陰極6を
備えると共に脱窒細菌を付着させた担体が静置される固
定床を備える脱窒槽7を硝化槽3と調整槽5の間に接続
する。
Description
含む)を閉鎖系で循環させて再利用しながら、飼育水槽
で魚介類を養殖したり一時的に蓄養したりするようにし
た循環式養殖装置に関するものである。
貝類、甲殻類などの魚介類を飼育する閉鎖式の循環式養
殖装置が従来から検討されている。この循環式養殖装置
では、飼育魚介類の排泄物や残餌等の飼育水槽からの除
去処理を、周辺環境に排出したりすることなくシステム
内で行なう必要がある。
し、飼育水槽1の海水を循環経路2を通して循環させて
いる間に海水中の排泄物や残餌等を除去して浄化するこ
とが行なわれている。図3は海水を浄化するためのシス
テムの一例を示すものであり、循環経路2に沈殿槽1
1、スクリーンフィルタユニット12、プロテインスキ
マー13、第一硝化槽3a、第二硝化槽3b、循環ポン
プ14、熱交換器15、紫外線照射装置16が接続して
ある。そして沈殿槽11やスクリーンフィルタユニット
12で海水中の固形物を除去し、プロテインスキマー1
3で海水中に溶解している高分子物質を泡として取り除
き、さらに第一硝化槽3a及び第二硝化槽3bの微生物
による代謝分解で海水中に溶解しているアンモニア等の
窒素成分を分解除去するようにしてある。
魚介類の排泄物や残餌等に起因するアンモニアの除去処
理は、アンモニアが魚介類に対する毒性が強いために、
最も重要な構成要素であり、硝化細菌を用いる微生物処
理が主に採用されている。この微生物硝化処理は、硝化
細菌の亜硝酸菌群によりアンモニアを亜硝酸に酸化し、
生成した亜硝酸を硝化細菌の硝酸菌群により硝酸に酸化
することによって、アンモニア態窒素を硝酸態窒素に変
換させるようにしたものである。硝酸はアンモニアに比
べて魚介類に対する毒性がかなり低いので、このように
硝化処理した海水を飼育水槽1に返送することによっ
て、飼育海水の交換なしで、長期に亘って飼育水槽1で
魚介類を飼育することが可能になるのである。
を槽内に充填して形成されたものが一般的であり、アン
モニアを酸化するのに酸素が必要であるので曝気装置及
び曝気配管を備えている。図3のものでは、第一硝化槽
3aには硝化細菌を付着した粒状の担体を曝気装置から
の多量の空気で舞い上げて浮遊させる流動床が形成して
あり、第二硝化槽3bには硝化細菌を付着した粒状の担
体が流動せず沈降するようにゆるやかに曝気する固定床
が形成してあり、アンモニアを亜硝酸に酸化し、さらに
硝酸へと酸化する硝化処理が行なわれるようにしてあ
る。図3において17はpHメーターとアルカリ剤添加
装置からなるpH調整装置であり、負イオンである亜硝
酸イオンや硝酸イオンの生成によって海水のpHの低下
を防ぐようにしたものである。
によりアンモニアを毒性の低い硝酸に酸化変換すること
ができるが、硝酸も濃度が数百mg/Lに達すると、飼
育する魚介類の種類によっては生育に悪影響が出てく
る。このために、第二硝化槽3bの後段に脱窒槽7を設
け、第一硝化槽3a及び第二硝化槽3bで硝化された海
水の一部を脱窒槽7に移流させ、海水中の硝酸を微生物
の作用で窒素に還元して除去する脱窒処理を行なうよう
にしている。脱窒槽7には脱窒細菌を付着させた担体が
充填してあり、有機物添加ユニット18から脱窒細菌の
栄養源となる糖類、アルコール類、水素ガスを添加する
ようにしてある。脱窒槽7に移流する海水は、硝化処理
されて硝酸イオンを含み、溶存酸素が少ない状態になっ
ているが、脱窒細菌はこれらの栄養源による代謝を、酸
素供給を受けない嫌気状態で溶存酸素の代りに硝酸イオ
ンの酸素を利用することによって行なうものであり、こ
の結果、硝酸イオンは窒素に還元されることになり、窒
素を窒素ガスとして空気中に排出して脱窒することがで
きるのである。
細菌や脱窒細菌という微生物を用いた自然環境でアンモ
ニアを毒性の低い硝酸に変換することができ、さらに硝
酸を脱窒することによって硝酸の高濃度蓄積を防ぐこと
ができるものである。
種より遅いことが知られており、飼育魚介類数や、給餌
量の急激な増加に対して、硝化細菌による硝化作用の追
随性が良好でない。このため魚介類の飼育数や給餌量が
急激に増加して、アンモニアの発生量が急激に増える
と、アンモニアを亜硝酸に酸化し、さらに亜硝酸を硝酸
に酸化する硝化が不完全になって、亜硝酸が硝酸に酸化
されないまま飼育水槽1に返送されるおそれがある。亜
硝酸はアンモニアよりも魚介類に対する毒性が高く、数
mg/Lで魚介類の斃死を起す可能性がある。このよう
な危険を避けるには、魚介類の飼育数を制限するか、あ
るいは硝化槽3a,3bを大きくして多量の硝化細菌を
生育させておく必要がある。硝化槽3a,3bを大型化
する場合、ときには飼育水槽1の貯水量よりも大きな硝
化槽3a,3bを用いる必要があり、設備用地の取得、
建造費も含めた循環式養殖装置の高コスト化、魚介類生
産効率の低下による利益低減をもたらすことになるもの
であった。
の急激な増加に伴って、硝化槽3a,3bから脱窒槽7
に移流する海水中の硝酸、亜硝酸の量が増大すると、脱
窒槽7で硝酸を窒素まで還元しきれず、亜硝酸までしか
還元していない状態で脱窒槽7から排出されることがあ
る。このような場合を想定して、脱窒槽7からの海水は
飼育水槽1に直接返送せず、返送路19を経て硝化槽3
a,3bの前段、例えば図3の場合には沈殿槽11に戻
すようにしており、硝化槽3a,3bで再度硝化処理さ
れるようにしている。この場合、脱窒槽7で硝酸が還元
されて生成された亜硝酸が硝化槽3a,3bで硝酸に酸
化され、さらにこの硝酸が脱窒槽7で還元されるという
ように、脱窒効率が非常に悪い状態になっているといえ
る。このような悪循環を防ぐには、脱窒槽7も巨大化し
て脱窒能力を高めるようにせざるを得ず、装置全体の高
コスト化や、脱窒細菌の栄養源となる糖類、アルコール
類、水素ガス等の添加量の増加による高ランニングコス
ト化をもたらすことになるものであった。
あり、硝化槽や脱窒槽を大型化する必要なく、魚介類の
飼育数や給餌量の急激な変動に対応することができる循
環式飼育装置を提供することを目的とするものである。
循環式飼育装置は、魚介類を飼育する飼育水槽1の海水
を循環経路2を通して循環させながら海水中のアンモニ
ア等の窒素成分を除去するようにした循環式養殖装置に
おいて、硝化細菌を付着させた担体が攪拌流動される流
動床からなる硝化槽3と、海水を電気分解する電極のう
ち陽極4を備える調整槽5とを、海水の流れ方向でこの
順に循環経路2に接続し、海水を電気分解する電極のう
ち陰極6を備えると共に脱窒細菌を付着させた担体が静
置される固定床を備える脱窒槽7を硝化槽3と調整槽5
の間に接続して成ることを特徴とするものである。
て、調整槽5の陽極4と、脱窒槽7の陰極6との間に印
可する電圧が、直流3V以下であることを特徴とするも
のである。
する。
のであり、魚介類が飼育される飼育水槽1に循環経路2
が設けてあり、飼育水槽1の海水を循環経路2を通して
循環させるようにしてある。そしてこの循環経路2には
海水の流れ方向の順に、沈殿槽11、スクリーンフィル
タユニット12、プロテインスキマー13、硝化槽3、
調整槽5、循環ポンプ14、熱交換器15、紫外線照射
装置16が接続してあり、循環ポンプ14によって海水
を循環させるようにしてある。また硝化槽3と調整槽5
の間にバイパス経路21が接続してあり、このバイパス
経路21に脱窒槽7が接続してある。さらに硝化槽3に
はpH調整槽17が接続してある。
あって、飼育魚介類の排泄物や、食べ残された残餌等を
含む飼育水槽1内の海水は、槽底部からまず沈殿槽11
に送られ、比較的大きな粒子が沈降分離された後、スク
リーンフィルタユニット12で浮遊性の固形物が除かれ
る。次にプロテインスキマー13で、魚の体表分泌物由
来のタンパク質等の溶解性高分子物質が泡沫として分離
される。このように処理された海水は硝化槽3及び調整
槽5で硝化処理された後、循環ポンプ14を経由して熱
交換器15に送られて、飼育水槽1で飼育される魚介類
に適した温度に調温され、さらに紫外線照射装置16で
殺菌された後、飼育水槽1に返送されるようになってい
る。また硝化槽3で硝化処理された海水の一部はバイパ
ス経路20から脱窒槽7に移流し、脱窒処理された後、
バイパス経路21を通して調整槽5に戻されるようにな
っている。
付着させた粒状の担体が充填してあり、曝気装置によっ
て硝化槽3の底部から多量の空気を吹き込んで曝気する
ようにしてある。このように多量の空気を吹き込んで曝
気することによって、粒状の担体はこの空気で舞い上げ
られ海水中に浮遊して流動する状態になっており、流動
床が形成されるようにしてある。また海水を電気分解す
るための一対の電極のうち、陽極4が調整槽5内に配置
してあり、陰極6が脱窒槽7内に配置してある。脱窒槽
7は海水が流入する側の前段室22と海水が流出する側
の後段室23とで形成してあり、陰極6は前段室22に
設けてある。脱窒槽7の後段室23内には脱窒細菌を付
着させた粒状の担体が充填してあり、この脱窒槽7には
曝気を行なわず、担体は自重で海水中を沈降して静置さ
れ状態になっており、固定床が形成されるようにしてあ
る。
ーンフィルタユニット12、プロテインスキマー13を
通過して硝化槽3に流入した海水は、硝化槽3内の曝気
された好気性雰囲気において硝化細菌による硝化作用を
受け、海水中のアンモニアは酸化される。このとき、硝
化槽3は流動床のみからなる小型に形成してあり、魚介
類の飼育数や給餌の増加によってアンモニア負荷が増大
すると、硝化細菌によってアンモニアを十分に硝化する
ことができず、硝化細菌による硝化作用は次の(1)式
のようにアンモニアが亜硝酸に酸化される段階で留まっ
ている。 NH4 ++2O2→NO2 -+2H2O (1) 従って硝化槽3で硝化処理された後、調整槽5に流入す
る海水中には亜硝酸が多く含まれているが、調整槽5内
には電気分解電極の陽極4のみが設けてあるので、陽極
4の表面での化学反応によって、亜硝酸は次の(2)式
のように酸化され、硝酸になる。 NO2 -+1/2O2→NO3 - (2) 硝化細菌の硝酸菌群は独立栄養細菌であって、既述のよ
うに増殖が遅く、アンモニア負荷の増大に対して硝化能
力を容易に追随させることができないが、電気分解の陽
極4での化学反応は印加電力をアップすることによって
容易に調整することができ、アンモニア負荷の増大に対
しても容易に追随して亜硝酸を硝酸に酸化することがで
きるものであり、調整槽5に流入する海水中の亜硝酸を
残すことなく酸化して毒性の低い硝酸に変換することが
できる。従って、調整槽5から熱交換器15と紫外線照
射装置16を通して飼育水槽1に海水を返送する際に、
亜硝酸が飼育水槽1に流入することを防ぐことができる
ものである。
圧によっては海水の電解で、塩素イオンの酸化により、
次の(3)式のように塩素活性種の生成が起こる。 Cl-+2OH-→ClO-+H2O (3) この塩素活性種は殺菌作用があり、殺菌を目的とすると
きには分解電圧を3.5〜4.5V程度に設定して塩
素、塩素酸、次亜塩素酸等の活性塩素種を生成させてい
るが、これらの活性塩素種は魚介類に対する毒性もあ
る。従って活性塩素種を発生させるときにはこれが飼育
水槽1に返送されないように中和処理や吸着処理等の塩
素除去処理を行なう必要がある。しかし本発明では殺菌
を目的とする電気分解でないので、調整槽5の陽極4と
脱窒槽7の陰極6との間に電源24から印可する電圧を
直流3V以下に設定して電気分解を行なうのが好まし
い。塩素活性種の生成反応は亜硝酸酸化反応より必要と
する起電力が高いので、このように電解電圧を3V以下
に設定することによって、塩素活性種の生成を制限しな
がら、亜硝酸の酸化反応のみを起こさせることができる
ものである。電解電圧が低過ぎると、亜硝酸の酸化反応
も不充分になるので、電解電圧は2Vを下回らないよう
に設定するのが好ましい。
た海水の一部はバイパス路21から脱窒槽7に移流し、
脱窒処理されるが、脱窒槽7の前段室22には電気分解
電極の陰極6のみが設けてあるので、陰極6の表面から
(4)式のように水素が発生する。そしてこのように発
生する水素を栄養源とする水素酸化型脱窒細菌により、
脱窒槽7の後段室23で硝化槽3から流入する海水に含
まれる亜硝酸は(5)式のように窒素に還元され、窒素
がガスとして海水から除去されることによって脱窒する
ことができるものである。 2H+→H2 (4) NO2 -+2H2→1/2N2+2H2O (5) このように脱窒に必要な水素は海水を原料として電気分
解により供給されるので、脱窒槽7に水素を供給するた
めに水素の供給装置や保管装置が不要になるものであ
る。また海水からの脱窒は亜硝酸を還元することを主と
するので、(6)式のように硝酸を還元する場合よりも
効率良く脱窒することができ、脱窒槽7を小型に形成す
ることができるものである。さらに硝酸を還元する場合
は(7)式のように不完全脱窒によって硝酸から亜硝酸
が再生されることがあるが、亜硝酸を還元することを主
とするので亜硝酸が再生されることを低減することがで
きるものである。 NO3 -+3H2→1/2N2+3H2O (6) NO3 -+H2→NO2 -+H2O (7)
tの海水を収容する飼育水槽1でヒラメ稚魚を飼育し
た。そして飼育水槽1内のアンモニアを増加させてアン
モニア負荷を増大させるようにしたときの、第一硝化槽
3aと第二硝化槽3bのアンモニア濃度と亜硝酸濃度を
測定し、アンモニア濃度の測定経時変化を図4(a)
に、亜硝酸濃度の測定経時変化を図4(b)に示した。
尚、図4(a)において、第一硝化槽3aの入口で採水
したアンモニア濃度を「流動床入口NH3−N」、第二
硝化槽3bの入口で採水したアンモニア濃度を「固定床
入口NH3−N」、第二硝化槽3bの出口で採水したア
ンモニア濃度を「固定床出口NH3−N」に示した。ま
た図4(b)において、第一硝化槽3aの入口で採水し
た亜硝酸濃度を「流動床入口NO2−N」、第二硝化槽
3bの入口で採水した亜硝酸濃度を「固定床入口NO2
−N」、第二硝化槽3bの出口で採水した亜硝酸濃度を
「固定床出口NO2−N」に示した。
硝酸への酸化が第一硝化槽3aで起こっており、亜硝酸
から硝酸への酸化が第二硝化槽3bで起こっていること
がわかる。さらに、図4(b)には、アンモニア負荷の
変動に追従できず、第二硝化槽3bの出口から亜硝酸が
流出していることが示されている。このように、図3の
システムでは、アンモニア負荷が増大すると魚介類に毒
性の高い亜硝酸が飼育水槽1に返送されるおそれがあ
る。従って、立ち上げ不十分な硝化槽3a,3bを用い
て飼育を行なう場合や、魚介類の飼育数を増やして給餌
量を増大させた場合には、飼育水槽1に亜硝酸が流入
し、亜硝酸濃度や、高亜硝酸濃度にさらされる時間によ
っては、飼育魚介類の斃死を招くおそれがある。
のアンモニア濃度(NH3−N)、亜硝酸濃度(NO2
−N)、硝酸濃度(NO3−N)の測定結果を示すもの
である。図4(c)にみられるように、出口で採取した
亜硝酸濃度が入口のものよりも増加しており、脱窒槽7
で硝酸から亜硝酸が再生されていることがわかる。尚、
図4(c)において硝酸の蓄積が大きいのは、システム
の運転開始から1ヶ月経過の後に、脱窒槽7の運転を始
めたためである。そして図3のシステムでは脱窒槽7か
らの返送水は飼育水槽1ではなく沈殿槽11に戻すよう
にしているので、脱窒槽7で再生された亜硝酸により魚
介類の斃死は起こらないが、脱窒槽7と硝化槽3a,3
bとの間で亜硝酸を硝酸に変えてまた戻していることに
なり、脱窒槽7での有機物の供給が無駄になっていると
いえる。
tの海水を収容する飼育水槽1でヒラメ稚魚を飼育し
た。尚、図1の硝化槽3は図4の第一硝化槽3aの2/
3の大きさである。また陽極4は白金めっきチタンの網
状電極で、陰極6はSUSの網状電極を用い、陽極4と
陰極6には電源から直流3Vを印加し、電流密度は陽極
4において0.5〜1A/dm2程度に設定した。
せてアンモニア負荷を増大させるようにしたときの、調
整槽5の入口と出口の亜硝酸濃度を測定し、その測定経
時変化を図2(a)に示した。尚、図2(a)におい
て、調整槽5の入口で採水した亜硝酸濃度を「調整槽入
口NO2−N」、調整槽5の出口で採水した亜硝酸濃度
を「調整槽出口NO2−N」に示した。図2(a)にみ
られるように、調整槽5の出口では亜硝酸濃度は低く、
飼育水槽1への亜硝酸の流入は起こらないことが確認さ
れた。
調整槽5の出口の塩素活性種濃度を測定し、これを塩素
換算で示したものである。図2(b)にみられるよう
に、調整槽5内で塩素生成は多少は起こるが、魚毒性を
発揮する濃度以下に抑えられていることが示されてい
る。
環式養殖装置は、魚介類を飼育する飼育水槽の海水を循
環経路を通して循環させながら海水中のアンモニア等の
窒素成分を除去するようにした循環式養殖装置におい
て、硝化細菌を付着させた担体が攪拌流動される流動床
からなる硝化槽と、海水を電気分解する電極のうち陽極
を備える調整槽とを、海水の流れ方向でこの順に循環経
路に接続し、海水を電気分解する電極のうち陰極を備え
ると共に脱窒細菌を付着させた担体が静置される固定床
を備える脱窒槽を硝化槽と調整槽の間に接続してあるの
で、硝化槽を流動床のみからなる小型に形成して、アン
モニア負荷が急増したときにアンモニアの硝化不十分で
亜硝酸に酸化される段階で留まっていても、調整槽内の
陽極の表面での化学反応によって亜硝酸を酸化して硝酸
に変換することができるものであり、亜硝酸が飼育水槽
に流入することを防ぐことができるものである。また脱
窒槽に設けた陰極において電気分解で生成される水素を
利用して、水素を別途の設備で補給する必要なく脱窒細
菌による脱窒反応を効率良く行なわせることができるも
のであり、しかも硝化槽から脱窒槽に移流する海水の脱
窒処理は亜硝酸からの脱窒が主であって、脱窒を効率良
く行なうことができ、脱窒槽を小型化することができる
ものである。従って、硝化槽や脱窒槽を大型化する必要
なく、魚介類の飼育数や給餌量の急激な変動に対応する
ことができるものである。
脱窒槽の陰極との間に印可する電圧を、直流3V以下に
設定するようにしたので、海水の電気分解で陽極から活
性塩素種が過剰生成されることを抑えることができ、活
性塩素種が飼育水槽に返送されないように中和処理や吸
着処理等の塩素除去処理装置を設けるような必要がなく
なるものである。
る。
(a)は調整槽の入口と出口の亜硝酸濃度の経時変化を
示すグラフ、(b)は調整槽の出口の塩素活性種濃度の
経時変化を示すグラフである。
(a)は硝化槽の入口と出口のアンモニア濃度の経時変
化を示すグラフ、(b)は硝化槽の入口と出口の亜硝酸
濃度の経時変化を示すグラフ、(c)は脱窒槽の入口と
出口のアンモニア、亜硝酸、硝酸の各濃度の測定結果を
示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 魚介類を飼育する飼育水槽の海水を循環
経路を通して循環させながら海水中のアンモニア等の窒
素成分を除去するようにした循環式養殖装置において、
硝化細菌を付着させた担体が攪拌流動される流動床から
なる硝化槽と、海水を電気分解する電極のうち陽極を備
える調整槽とを、海水の流れ方向でこの順に循環経路に
接続し、海水を電気分解する電極のうち陰極を備えると
共に脱窒細菌を付着させた担体が静置される固定床を備
える脱窒槽を硝化槽と調整槽の間に接続して成ることを
特徴とする循環式養殖装置。 - 【請求項2】 調整槽の陽極と、脱窒槽の陰極との間に
印可する電圧が、直流3V以下であることを特徴とする
循環式養殖装置。
Priority Applications (1)
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JP3887214B2 JP3887214B2 (ja) | 2007-02-28 |
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