JP6480015B2 - 脱窒装置および水生生物飼育システム - Google Patents

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Description

本発明は、脱窒装置および水生生物飼育システム、より詳しくは、水生生物を飼育するために飼育水を好気条件下で効率的に脱窒処理するための脱窒装置、および、当該脱窒装置と、飼育水の硝化処理を行う硝化装置とを備える水生生物飼育システムに関する。
水生生物を飼育する際、飼育する水生生物の代謝によりアンモニア態窒素(NH−N)が排出される。アンモニアの水生生物への毒性は高いため、アンモニアの除去が水生生物を健康に飼育するためのキーポイントの一つである。自然界では、アンモニア態窒素は自然脱窒により窒素ガスになり大気中に放出される。すなわち、アンモニア態窒素は、硝化細菌により酸化されて、亜硝酸態窒素(NO−N)、さらに硝酸態窒素(NO−N)となる。その後、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素は脱窒細菌により還元されて窒素ガス(N)となり、大気中に放出される。
しかしながら、閉鎖循環系では、自然脱窒のための環境を整えることが困難である。そこで、従来は、好気的条件下で硝化反応が起こる硝化槽と、嫌気的条件下で脱窒反応が起こる脱窒槽を用いてアンモニアを除去していた(例えば特許文献1参照)。
特開2006−136775号公報
脱窒反応は、脱窒細菌の働きにより硝酸態窒素や亜硝酸態窒素を窒素ガスに還元する反応であり、一般的には嫌気状態で起こると言われている。一方、水生生物を飼育する飼育水槽では好気的条件が必須である。そのため、硝酸を除去するためには嫌気的脱窒槽を好気的な飼育水槽および硝化槽とは別に設ける必要がある。しかしながら、労力や経費、危険性(硫化水素の発生の恐れ等)を考慮すると、嫌気的脱窒槽と、好気的な飼育水槽および硝化槽とを長期にわたり並行して作動させることは大変困難であり、嫌気的脱窒槽は普及していない。
脱窒槽を設けない場合、飼育水槽内に硝酸が蓄積されることとなる。蓄積された硝酸は、飼育水のpHを低下させたり、弱いながらも生物への慢性毒性を有する。したがって、脱窒槽を設けない場合は飼育水を頻繁に交換する必要が生じ、結果として水生生物の飼育コストが上昇するという問題があった。
本発明は、上記の技術的認識に基づいてなされたものであり、その目的は、好気条件下で効率的に水生生物の飼育水の脱窒処理を行うことが可能な脱窒装置および水生生物飼育システムを提供することである。
本発明に係る脱窒装置は、
水生生物の飼育に用いられる飼育水の脱窒装置であって、
飼育水槽に貯留された飼育水が供給される濾過槽と、
前記濾過槽内に収容されており、前記飼育水中の硝酸態窒素を還元する脱窒細菌を定着させる濾材と、
前記濾過槽に溜まった前記飼育水を前記飼育水槽に放出して前記濾材を暴露させる酸素取込動作を間欠的に行う間欠放水部と、
を備えることを特徴とする。
また、前記脱窒装置において、
前記濾過槽内に収容されており、前記濾過槽に供給される前記飼育水中のアンモニア態窒素を酸化する硝化細菌を定着させる別の濾材をさらに備えてもよい。
また、前記脱窒装置において、
前記濾材および前記別の濾材は、前記濾過槽内に上下に配置されているようにしてもよい。
また、前記脱窒装置において、
前記濾材および前記別の濾材は、それぞれ異なるメッシュ袋に収容されているようにしてもよい。
また、前記脱窒装置において、
前記間欠放水部は、前記濾過槽内の飼育水を前記飼育水槽内に移動させるサイフォンにより構成されていてもよい。
また、前記脱窒装置において、
前記濾過槽および前記間欠放水部は樹脂製であるようにしてもよい。
また、前記脱窒装置において、
前記間欠放水部は、前記濾過槽内の飼育水を前記飼育水槽内に放出する流路を有する管路部と、前記管路部に設けられ、前記管路部の流路を間欠的に開閉するバルブとを有してもよい。
また、前記脱窒装置において、
前記濾材は、多孔質セルロースを含んでもよい。
本発明に係る水生生物飼育システムは
水生生物を閉鎖循環系で飼育するための水生生物飼育システムであって、
水生生物を飼育するための飼育水を貯留する飼育水槽と、
硝化槽と、前記硝化槽内に収容された第1の濾材とを有し、前記飼育水中のアンモニア態窒素を前記第1の濾材に定着した硝化細菌により酸化する硝化装置と、
脱窒槽と、前記脱窒槽内に収容された第2の濾材と、前記脱窒槽に溜まった前記飼育水を前記飼育水槽に放出して前記第2の濾材を暴露させる酸素取込動作を間欠的に行う間欠放水部と、を有し、前記飼育水中の硝酸態窒素を前記第2の濾材に定着した脱窒細菌により好気条件下で還元する脱窒装置と、
前記飼育水槽に貯留された飼育水を取水して前記硝化槽および前記脱窒槽に注水するポンプと、
を備えることを特徴とする。
また、前記水生生物飼育システムにおいて、
前記間欠放水部は、前記脱窒槽内の飼育水を前記飼育水槽内に移動させるサイフォンにより構成されていてもよい。
また、前記水生生物飼育システムにおいて、
前記脱窒槽および前記間欠放水部は樹脂製であってもよい。
また、前記水生生物飼育システムにおいて、
前記第2の濾材の体積は、前記第1の濾材の体積よりも大きいようにしてもよい。
また、前記水生生物飼育システムにおいて、
前記第1の濾材の体積と前記第2の濾材の体積との比率は、1:3〜5であるようにしてもよい。
また、前記水生生物飼育システムにおいて、
前記第1の濾材の体積と前記第2の濾材の体積との比率は、1:4であるようにしてもよい。
また、前記水生生物飼育システムにおいて、
前記硝化装置は、前記硝化槽に溜まった前記飼育水を前記飼育水槽に放出して前記第1の濾材を暴露させる酸素取込動作を間欠的に行う別の間欠放水部をさらに有してもよい。
本発明によれば、好気条件下で効率的に水生生物の飼育水の脱窒処理を行うことが可能な脱窒装置および水生生物飼育システムを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る水生生物飼育システム1の概略的な構成を示す図である。 硝化装置10のみを作動(間欠濾過)させた場合における、飼育水中の各種窒素濃度の時間変化を示すグラフである。 脱窒装置20のみを作動(間欠濾過)させた場合における、飼育水中の硝酸態窒素濃度の時間変化を示すグラフである。 硝化装置10と脱窒装置20を同時に作動(間欠濾過)させた場合における、飼育水中の各種窒素濃度の時間変化を示すグラフである。 硝化装置10と脱窒装置20を同時に作動(通常濾過)における、飼育水中の各種窒素濃度の時間変化を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る水生生物飼育システム1Aの概略的な構成を示す図である。 アコヤガイ飼育水中の各種窒素濃度の時間変化を示すグラフである。 イシガキダイ飼育水中の各種窒素濃度の時間変化を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る水生生物飼育システム1Bの概略的な構成を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る水生生物飼育システム1について、図1を参照して説明する。
水生生物飼育システム1は、水生生物を閉鎖循環系で飼育するための水生生物飼育システムである。水生生物は、水中または水辺に生息する生物のことであり、例えば、魚介類、エビ、蟹等である。なお、ここでいう「水」は、海水または淡水であり、どちらか一方に限定されるものではない。
水生生物飼育システム1は、図1に示すように、飼育水槽2と、ポンプ3と、エアレーション4と、硝化装置10と、脱窒装置20とを備えている。
飼育水槽2は、水生生物が飼育される水槽であり、水生生物を飼育するための飼育水を貯留する。ポンプ3は、飼育水槽2に貯留された飼育水を取水して、後述の硝化槽11および脱窒槽21に連続的に注水する。なお、このポンプ3は、例えば、図1に示すように飼育水槽2内に配置された水中ポンプである。エアレーション4は、飼育水槽2に貯留された飼育水に空気を供給する。また、脱窒槽21への飼育水の注水は、連続的な注水に限らず、間欠的な注水であってもよい。
硝化装置10は、飼育水槽2の上方に配置された硝化槽11と、硝化槽11内に収容された濾材12と、間欠放水部13とを有する。この硝化装置10は、硝化槽11に供給される飼育水中のアンモニア態窒素、亜硝酸態窒素を濾材12に定着した硝化細菌により酸化する。濾材12は、例えば、角形セラミック濾材、多孔質セラミックキューブである。なお、濾材12のことを、硝化反応基質、あるいは単に硝化基質ともいう。
間欠放水部13は、硝化槽11に溜まった飼育水を飼育水槽2に放出して濾材12を暴露させる酸素取込動作を間欠的に行う。この間欠放水部13は、後述の脱窒装置20の間欠放水部23と同様に、例えばサイフォンにより構成される。なお、硝化装置10の間欠放水部13は必須の構成ではない。しかし、間欠放水部13により濾材12が間欠的に空中に暴露されるため、硝化細菌に高濃度の酸素を供給することができ、好気条件下で起こる硝化反応を促進することができる。
脱窒装置20は、飼育水槽2の上方に配置された脱窒槽(濾過槽)21と、脱窒槽21内に収容された濾材22と、脱窒槽21に設けられた間欠放水部23と、を有する。この脱窒装置20は、脱窒槽21に供給される飼育水中の硝酸態窒素、亜硝酸態窒素を濾材22に定着した脱窒細菌により好気条件下で還元する。なお、濾材22のことを、脱窒反応基質、あるいは単に脱窒基質ともいう。脱窒細菌の種類は特に限定されるものではなく、一般的なものでもよい。濾材22である多孔質セルロースに固定された菌を分離したところ、複数の菌が分離され、優占種について分離同定(16SリボソーマルRNA遺伝子の配列による種の同定)を行ったところ、従来嫌気条件で脱窒反応を生じると言われていたThalassospira sp.であることが判明している。
濾材22は、多孔質セルロースを含むことが好ましく、例えば粒状、ブロック状、層状などの多孔質セルロースである。セルロースが脱窒細菌の餌になることで、脱窒細菌の数が増え、脱窒能力を向上させることができる。
間欠放水部23は、脱窒槽21に溜まった飼育水を飼育水槽2に放出して濾材22を暴露させる酸素取込動作を間欠的に行う。間欠放水部23により脱窒槽21の飼育水を間欠的に放出することで、濾材22が間欠的に空中に暴露される。空中に暴露された後、ポンプ3から注水された飼育水により濾材22は再び水没する。このように濾材22が間欠的に空中に暴露されることにより、脱窒細菌に高濃度の酸素を供給することができる。その結果、後ほど実験結果を示して詳しく説明するように、好気条件下で脱窒細菌による脱窒反応を促進し、効率的に飼育水の脱窒処理を行うことができる。
間欠放水部23は、図1に示すようにサイフォンにより構成されており、サイフォンの原理により、脱窒槽21内の高水位の飼育水を低水位の飼育水槽2内に移動させる。すなわち、所定量の飼育水が脱窒槽21内に溜まると自動的に飼育水が放出される。
間欠放水部23をサイフォンで構成することにより、動作電力やバルブの制御部を設ける必要がない。このため、間欠放水部23を低コストかつ簡易な構成とすることができる。さらに、脱窒槽21内の飼育水はサイフォンにより一気に勢いよく排水される。このため、ポンプ3により脱窒槽21内に長期間連続注水する場合であっても、水生生物の残餌や糞などの水中懸濁物が濾材22の隙間に詰まることが抑制される。その結果、脱窒槽21内を常に好気的環境に保つことができるとともに、脱窒槽21内の掃除などのメンテナンス回数を減らすことができる。
なお、脱窒槽21および間欠放水部23は、金属部分を含まず、全て樹脂製であることが好ましい。これにより、耐塩性を向上させることができ、飼育水として海水を使用する場合でも脱窒装置20の錆や腐食を防止することができる。また、硝化槽11および間欠放水部13についても、金属部分を含まず、全て樹脂製であることが好ましい。
なお、水生生物飼育システム1は、泡沫分離機(図示せず)を備えてもよい。この泡沫分離機は、元来、ナノバブルにより海水中の有機物や微生物などを除去する装置であるが、飼育水中の溶存酸素量を高く保つために使用することも可能である。
上記のように、本実施形態によれば、間欠的に濾材22を空中に暴露して脱窒細菌に高濃度の酸素を供給することにより好気条件下で起こる脱窒反応を促進し、水生生物の飼育水の脱窒処理を効率的に行うことができる。その結果、従来の嫌気的脱窒槽を設ける場合に比べて、水生生物飼育システムの低コスト化を図ることができるとともに、メンテナンス性や安全性を向上させることができる。
次に、上記の水生生物飼育システム1による実施例を説明する。
硝化槽11および脱窒槽21として、ピペット洗浄器(株式会社池田理化製、容積10リットル)を用いた。また、濾材(硝化基質)12として、角形セラミック濾材を用い、濾材(脱窒基質)22として、多孔質セルロース粒子(レンゴー株式会社製、ビスコパールA(登録商標)、直径3mm)を用いた。濾材12および濾材22はナイロン製のメッシュ袋に収容し、硝化槽11および脱窒槽21にそれぞれ装填した。
使用した飼育水槽2の容積は、200リットルである。この飼育水槽2に150リットルの人工海水(株式会社日本海水製)を張った。また、実験期間中はエアレーション4により飼育水にエアレーションを十分に行った。これにより、飼育水槽2、硝化槽11および脱窒槽21内の飼育水のいずれについても、水温22±1℃、塩分3.0〜3.2%、pH8.4〜8.6、DO(溶存酸素量)6〜8ppmに保った。なお、濾材22で使用したセルロースの分解によって炭素が供給されることから、脱窒反応に必要な炭素源としてのメタノールなどの添加は行わなかった。
ポンプ3により、飼育水槽2の海水を硝化槽11および脱窒槽21に連続的に供給した。供給水量は、硝化槽11および脱窒槽21ともに、3リットル/分であった。また、間欠濾過(酸素取込動作)は、硝化槽11および脱窒槽21ともに、約2分に1回の割合(約720回/日)で行われた。
定期的に飼育水を採水し、飼育水に含まれるアンモニア態窒素濃度(NH−N)、亜硝酸態窒素濃度(NO−N)および硝酸態窒素濃度(NO−N)をそれぞれ測定した。ここでは、水質測定用試薬セット(共立理化学研究所製、LR−NH3,LR−HNO2,LR−HNO3)を用いた。正確な数値が必要な場合には、セットに添付のマニュアルに従って分光光度計により濃度を測定した。
次に、実施した実験1〜4について説明する。
実験1 硝化装置の硝化能力
本実験では、硝化装置10の硝化能力を把握するために、硝化装置10のみを作動させて(すなわち、脱窒装置20は作動させずに)、飼育水中の窒素濃度を測定した。
まず、飼育水槽2の飼育水に塩化アンモニウムを添加して、飼育水のアンモニア濃度を所期の値に設定した。そして、ポンプ3により硝化槽11にのみ飼育水を注水しながら、12時間ごとに飼育水を採水した。採水した飼育水に含まれるアンモニア態窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度および硝酸態窒素濃度をそれぞれ測定した。測定結果を図2に示す。
図2に示すように、アンモニア態窒素濃度は時間が経過するにつれて急速に低下し、36時間後には検出されなくなった。アンモニア態窒素濃度の減少とともに、亜硝酸態窒素濃度および硝酸態窒素濃度が増加した。このことから、硝化装置10により硝化作用が起きていることが確認された。
実験2 脱窒装置の脱窒能力
本実験では、脱窒装置20の脱窒能力を把握するために、脱窒装置20のみを作動させて(すなわち、硝化装置10は作動させずに)、飼育水中の窒素濃度を測定した。
まず、飼育水槽2の飼育水に硝酸カリウムを添加して、飼育水中の硝酸濃度を所期の値に設定した。そして、ポンプ3により脱窒槽21にのみ飼育水を注水しながら、12時間ごとに飼育水を採水した。採水した飼育水に含まれる硝酸態窒素濃度を測定した。測定結果を図3に示す。なお、図3において、「1回目」および「2回目」の測定では溶存酸素量を6ppmに設定し、「3回目」の測定では泡沫分離機を作動させて溶存酸素量を8ppmに設定した。
そして、ポンプ3により脱窒槽21にのみ飼育水を注水しながら、12時間ごとに飼育水を採水した。採水した飼育水に含まれる硝酸態窒素濃度を測定した。測定結果を図3に示す。図3に示すように、いずれの濃度設定でも、硝酸態窒素濃度は時間が経過するにつれて減少していった。特に溶存酸素量を6ppmに設定した場合において、硝酸態窒素が大きく減少した。このことは、溶存酸素量が多い方が脱窒反応が促進されることを示している。
実験3 間欠濾過の場合における硝化能力および脱窒能力
本実験では、間欠濾過の場合における硝化能力および脱窒能力を把握するために、硝化装置10および脱窒装置20の両方を作動させ、飼育水中の各種窒素濃度を測定した。
まず、飼育水槽2の飼育水に塩化アンモニウムを添加して、飼育水のアンモニア濃度を所期の値に設定した。そして、ポンプ3により硝化槽11と脱窒槽21の両方に飼育水を注水しながら、12時間ごとに飼育水を採水した。採水した飼育水に含まれるアンモニア態窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度および硝酸態窒素濃度をそれぞれ測定した。測定結果を図4に示す。なお、図4において、「1回目」および「2回目」の測定では溶存酸素量を6ppmに設定し、「3回目」の測定では泡沫分離機を作動させて溶存酸素量を8ppmに設定した。
水生生物に対する硝酸の慢性毒性の影響を考慮すると、硝酸態窒素濃度および亜硝酸態窒素濃度の許容量は特に感受性の高い種でも約2ppmとされているが(Camargo et al., 2005)、間欠濾過による好気的脱窒処理により、その許容量に近づけることができた。
本実験の測定データから、水生生物飼育システム1のアンモニア除去能力は、硫黄カルシウムによる従来の嫌気的脱窒槽(DO約2ppm、20mgN/L/日)とほぼ同程度である。この理由として以下が考えられる。従来の嫌気的脱窒の場合、脱窒槽内の酸素量を抑制する必要がある。このため、飼育水の注水量を低く維持しなければならない。これに対し、脱窒装置20による好気的脱窒の場合は、このような制限がなく、飼育水の注水量を大きくすることができる。このため、脱窒装置20は、嫌気的脱窒槽に比べて容積あたりの脱窒能力は低いものの、濾過回数を多くすることができるため、総脱窒量(容積あたりの脱窒能力×濾過回数)を嫌気的脱窒槽と同等にすることができる。
なお、実験結果から、脱窒反応は硝化反応と比べて明らかに遅く進行していることが分かる。したがって、アンモニアの負荷が継続的に多く存在する場合には、硝酸の蓄積が大きくなるものと考えられる。よって、濾材(脱窒基質)22の体積は、濾材(硝化基質)12の体積よりも大きいことが好ましい。より具体的には、硝化反応によるアンモニア態窒素濃度の低下速度と、脱窒反応による硝酸態窒素濃度および亜硝酸態窒素濃度の低下速度との比較から、濾材12の体積と濾材22の体積との比率は1:3〜5であることが好ましく、より好ましくは1:4である。これにより、硝化反応の反応速度と脱窒反応の反応速度を適切なバランスにすることができる。
実験4 通常濾過の場合における硝化能力および脱窒能力
本実験では、実験3(間欠濾過)との比較として、通常濾過の場合におけるアンモニア態窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度および硝酸態窒素濃度の測定を行った。本実験では、以下の2つの水生生物飼育システムを構成した。
一つ目のシステムでは、脱窒槽21からサイフォン(間欠放水部23)を取り外した。飼育水槽2の飼育水に硝酸カリウムを添加して、飼育水中の硝酸濃度を所期の値に設定した。その後、ポンプ3により脱窒槽21に飼育水を注水しながら(3リットル/分)、24時間ごとに飼育水を採水した。測定結果を図5(NO−N(硝酸カリウム添加))に示す。図5に示すように、硝酸態窒素濃度は、わずかに低下するにとどまった。この結果と実験3の結果から、間欠濾過が脱窒反応の促進に効果的であると言える。
二つ目のシステムでは、硝化槽11および脱窒槽21からサイフォン(間欠放水部13,23)を取り外した。また、濾材12と濾材22の体積比を1:4に調整し、硝化槽11および脱窒槽21にそれぞれ充填した。飼育水槽2の飼育水に塩化アンモニウムを添加して、飼育水のアンモニア濃度を所期の値に設定した。
ポンプ3により硝化槽11および脱窒槽21に飼育水を注水しながら、24時間ごとに飼育水を採水した。採水した飼育水に含まれるアンモニア態窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度および硝酸態窒素濃度をそれぞれ測定した。測定結果を図5に示す。図5に示すように、アンモニア態窒素濃度は低下したものの、亜硝酸態窒素濃度および硝酸態窒素濃度は上昇した。
上記2つの通常濾過システムの実験結果から、通常濾過の場合は、脱窒槽21への酸素供給量が少ないために、脱窒反応が十分に起きていないことが推察される。通常濾過の場合には、脱窒反応が全く起こらないわけではないが、その能力は非常に低いことが分かった。
これに対して、間欠濾過の場合には、濾材(脱窒基質)22が完全に空気中に暴露される時間があるため、脱窒基質に高濃度の酸素が供給される。これにより、脱窒槽21内全体を好気的に保つことができるため、脱窒能力を増大させることができる。
また、好気条件下で脱窒反応を進めるようにしたことで、従来の嫌気的脱窒反応に比べて、脱窒反応が起きるまでの時間をずっと短くすることができる。例えば水温22℃の場合、3〜4日程度で脱窒反応が起き始める。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る水生生物飼育システム1Aについて説明する。第2の実施形態と第1の実施形態との相違点の一つは、硝化装置と脱窒装置が一つに統合されていることである。第1の実施形態で説明したように、本発明の水生生物飼育システムでは、硝化反応のみならず、脱窒反応も好気的環境で進行するため、硝化装置と硝化装置を一体化させることが可能である。
図6は、第2の実施形態に係る水生生物飼育システム1Aの概略的な構成を示している。なお、図6では、第1の実施形態で説明した図1と同一の構成要素には同一の符号を付している。
水生生物飼育システム1Aは、図6に示すように、飼育水槽2と、ポンプ3と、エアレーション4と、濾過装置30とを備えている。飼育水槽2、ポンプ3およびエアレーション4については、第1の実施形態と同様なので説明を省略する。
濾過装置30は、飼育水槽2の上方に配置された濾過槽31と、濾過槽31内に収容された濾材(硝化基質)32aおよび濾材(脱窒基質)32bと、間欠放水部33とを有する。この濾過装置30は、ポンプ3により濾過槽31に供給される飼育水中のアンモニア態窒素、亜硝酸態窒素を濾材32aに定着した硝化細菌により酸化する。さらに、濾過装置30は、飼育水中の硝酸態窒素、亜硝酸態窒素を濾材32bに定着した脱窒細菌により好気条件下で還元する。
濾材32aは、第1の実施形態で説明した濾材12と同様に、例えば角形セラミック濾材または多孔質セラミックキューブである。濾材32bは、第1の実施形態で説明した濾材22と同様に、例えば粒状、ブロック状、層状などの多孔質セルロースである。
濾材32aおよび濾材32bは、濾過槽31内に上下に配置されている。例えば、まず、濾過槽31内に多孔質セルロース粒を所定の体積分充填し、その後、多孔質セラミックキューブを所定の体積分充填する。充填順序は逆でもよい。なお、濾材32aおよび濾材32bは、濾過槽31内に上下でなく左右に並置してもよい。その他、濾材32aおよび濾材32bはそれぞれメッシュ袋に収容されてもよい。例えば、多孔質セルロース粒を第1のメッシュ袋に収容し、多孔質セラミックキューブを第2のメッシュ袋に収納し、濾材を収容した第1および第2のメッシュ袋を濾過槽31内に入れてもよい。また、濾過槽31内で濾材32aおよび濾材32bを、仕切り部材により分離して配置してもよく、あるいは分離せずに濾過槽31内に混在させてもよい。
間欠放水部33は、飼育水槽2から濾過槽31に注水され、濾過槽31に溜まった飼育水を飼育水槽2に放出して濾材32aおよび濾材32bを暴露させる酸素取込動作を間欠的に行う。間欠放水部33は、図6に示すように、サイフォンにより構成されており、所定量の飼育水が濾過槽31内に溜まると自動的に飼育水が放出される。間欠放水部33により濾過槽31の飼育水を間欠的に放出することで、濾材32aおよび濾材32bが間欠的に空中に暴露される。このため、硝化細菌および脱窒細菌に高濃度の酸素を供給することができ、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第2の実施形態では、硝化装置と脱窒装置が一つの濾過装置に統合されるため、水生生物飼育システムの低コスト化および小型化を図ることができる。
次に、上記の水生生物飼育システム1Aによる実施例2および実施例3について説明する。
濾過槽31として、ピペット洗浄器(株式会社池田理化製、容積10リットル)を用いた。また、濾材(硝化基質)32aとして、角形セラミック濾材を用い、濾材(脱窒基質)32bとして、多孔質セルロース粒子(レンゴー株式会社製、ビスコパールA、直径3mm)を用いた。濾材32aおよび濾材32bはナイロン製のメッシュ袋に収容し、濾過槽31に装填した。
使用した飼育水槽2の容積は、200リットルである。この飼育水槽2に150リットルの人工海水(株式会社日本海水製)を張った。
実験期間中はエアレーション4により飼育水にエアレーションを十分に行った。また、泡沫分離機(株式会社プレスカ製、FS−002P型)を作動させて飼育水中の溶存酸素量を高く維持した。これにより、飼育水槽2の飼育水の水質を、水温22℃、塩分3%、pH8.6、DO8ppmに保った。なお、濾材32bで使用したセルロースの分解によって炭素が供給されることから、脱窒反応に必要な炭素源としてのメタノールなどの添加は行わなかった。
ポンプ3により飼育水槽2の海水を濾過槽31に供給した。供給水量は、3リットル/分であった。また、間欠濾過は、約2分に1回の割合で行われた。
次に、実施した実験5について説明する。
実験5 水生生物の飼育時におけるアンモニア除去能力
本実験では、水生生物の飼育時における水生生物飼育システム1Aのアンモニア除去能力を把握するために、濾過装置30を作動させて、飼育水中の窒素濃度を測定した。濾材32aと濾材32bの体積比を1:4に調整して濾過槽31に充填した。
2つの水生生物飼育システム1Aを用意した。一方のシステムでは、アコヤガイ9個体(殻つき湿重量約80g)を飼育し、他方のシステムでは、イシガキダイ1尾(体重約400g)を飼育した。アコヤガイおよびイシガキダイのいずれも無給餌で飼育した。
アコヤガイについては、飼育開始から1日間は濾過槽31を作動させず、アンモニア濃度の上昇が確認された2日目から濾過槽31および泡沫分離機を作動させた。ポンプ3により濾過槽31に飼育水を注水しながら、24時間ごとに飼育水を採水し、飼育水に含まれるアンモニア態窒素濃度および硝酸態窒素濃度をそれぞれ測定した。測定結果を図7に示す。図7に示すように、硝酸態窒素濃度およびアンモニア態窒素濃度は飼育開始当初は増加するものの、その後減少に転じ、硝酸態窒素濃度は約1ppm程度まで低減された。
イシガキダイについては、飼育開始から濾過槽31および泡沫分離機を作動させた。ポンプ3により濾過槽31に飼育水を注水しながら、24時間ごとに飼育水を採水し、飼育水に含まれるアンモニア態窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度および硝酸態窒素濃度をそれぞれ測定した。測定結果を図8に示す。図8に示すように、硝酸態窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度およびアンモニア態窒素濃度はいずれも、飼育開始当初から低い値に維持された。
濾過装置30として、角形の水槽(容積45リットル)を用いた。また、濾材(硝化基質)32aとして、角形セラミック濾材を用い、濾材(脱窒基質)32bとして、多孔質セルロース粒子(レンゴー株式会社製、ビスコパールA、直径3mm)を用いた。濾材32a(3リットル)および濾材32b(10リットル)をそれぞれ別のナイロン製メッシュ袋に収容し、2つのメッシュ袋を濾過槽31に入れた。
使用した飼育水槽2の容積は、200リットルである。この飼育水槽2に150リットルの淡水を張った。ポンプ3により飼育水槽2の淡水を濾過槽31に供給した。供給水量は、6リットル/分であった。また、間欠濾過は、約3分に1回の割合で行われた。飼育水のpHおよびDOはそれぞれ、7.6および7ppmであった。
次に、実施した実験6について説明する。
実験6 水生生物の飼育時におけるアンモニア除去能力
本実験では、キンギョ50尾(全長3〜5cm、総体重245g)に適当量の餌を毎日2,3回与え、2か月間飼育した。
濾材(脱窒基質)32bが飼育開始から約1.5ヶ月で体積が半分になったので、2リットルの脱窒基質を追加した。飼育水の水温については、飼育開始後2か月間は22℃としたが、その後、全換水して13〜14℃に低下させた。水温を低下させてから2週間、給餌しながら飼育した。その後、飼育水の水温を22℃に戻した。
飼育開始後2ヶ月(水温22℃)にわたり、アンモニア態窒素濃度が2ppm未満、亜硝酸態窒素濃度が0.2ppm未満、硝酸態窒素濃度が10ppm未満に保つことができた。低水温(13〜14℃)での飼育では、水温を下げてから最初の10日間は、アンモニア態窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度および硝酸態窒素濃度はそれぞれ5ppm、0.5ppm、20ppmに一時的に上昇した。しかし、その後は、アンモニア態窒素濃度が2ppm未満、亜硝酸態窒素濃度が0.1ppm未満、硝酸態窒素濃度が10ppm未満に維持された。
水温を低下させてから2週間後、飼育水の水温を再度22℃に上昇させると、アンモニア態窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度および硝酸態窒素濃度はそれぞれ2ppm、0.1ppm、2ppmに減少して安定した。
このように、低水温の場合でも好気条件下で硝化反応および脱窒反応が起きることが確認された。低水温下では、高水温時に比べるとアンモニア除去能力が少なくとも一時的に低下する可能性がある。しかし、低水温下ではキンギョのアンモニア排泄量も減るので、飼育水中の各種窒素濃度を低く保つことができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る水生生物飼育システム1Bについて説明する。第3の実施形態と第2の実施形態との相違点の一つは、間欠放水部の構成である。本実施形態の間欠放水部は、バルブを用いて構成されている。
図9は、第3の実施形態に係る水生生物飼育システム1Bの概略的な構成を示している。なお、図9では、第2の実施形態で説明した図6と同一の構成要素には同一の符号を付している。
水生生物飼育システム1Bは、図9に示すように、飼育水槽2と、ポンプ3と、エアレーション4と、濾過装置30とを備えている。飼育水槽2、ポンプ3およびエアレーション4については、第1および第2の実施形態と同様なので説明を省略する。
濾過装置30は、飼育水槽2の上方に配置された濾過槽31と、濾過槽31内に収容された濾材(硝化基質)32aおよび濾材(脱窒基質)32bと、間欠放水部33Aとを有する。
間欠放水部33Aは、管路部34およびバルブ35を有する。管路部34は、濾過槽31内の飼育水を飼育水槽2内に放出する流路を有する。バルブ35は、管路部34に設けられ、管路部34の流路を間欠的に開閉する。これにより、第2の実施形態と同様に、濾過装置30は、飼育水中の硝酸態窒素、亜硝酸態窒素を濾材32bに定着した脱窒細菌により好気条件下で効率的に還元することができる。
なお、本発明に係る間欠放水部は、濾過槽に溜まった飼育水を飼育水槽に放出して濾材を暴露させる酸素取込動作を間欠的に行うものであればよく、上述の間欠放水部23,33,33Aやポンプ3の構成に限定されるものではない。また、酸素取込動作として、濾過槽の濾材(脱窒基質)を飼育水で水没させた後、濾過槽に空気ポンプで空気を送り込むことにより濾材22を暴露させてもよい。
以上、本発明に係る3つの実施形態について説明した。本発明に係る脱窒装置は、例えば、陸上での畜養、観賞用魚の飼育、鮮魚の輸送等に伴う飼育水の脱窒処理に適用可能である。また、本発明に係る脱窒装置は、水生生物の飼育に用いられる飼育水以外の未処理水、例えば畜産排水や農業排水等の未処理水の脱窒処理にも適用することが可能である。
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
1,1A,1B 水生生物飼育システム
2 飼育水槽
3 ポンプ
4 エアレーション
10 硝化装置
11 硝化槽
12 濾材(硝化基質)
13 間欠放水部
20 脱窒装置
21 脱窒槽
22 濾材(脱窒基質)
23 間欠放水部
30 濾過装置
31 濾過槽
32a 濾材(硝化基質)
32b 濾材(脱窒基質)
33,33A 間欠放水部
34 管路部
35 バルブ

Claims (14)

  1. 水生生物の飼育に用いられる飼育水の脱窒装置であって、
    飼育水槽に貯留された飼育水が供給される濾過槽と、
    前記濾過槽内に収容されており、前記飼育水中の硝酸態窒素を還元する脱窒細菌を定着させる濾材と、
    前記濾過槽に溜まった前記飼育水を前記飼育水槽に放出して前記濾材を空中に暴露させる酸素取込動作を間欠的に行い、それにより、好気条件下での前記脱窒細菌による脱窒反応を促進する間欠放水部と、
    を備えることを特徴とする脱窒装置。
  2. 前記濾過槽内に収容されており、前記濾過槽に供給される前記飼育水中のアンモニア態窒素を酸化する硝化細菌を定着させる別の濾材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の脱窒装置。
  3. 前記間欠放水部は、前記濾過槽内の飼育水を前記飼育水槽内に移動させるサイフォンにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の脱窒装置。
  4. 前記濾過槽および前記間欠放水部は樹脂製であることを特徴とする請求項3に記載の脱窒装置。
  5. 前記間欠放水部は、前記濾過槽内の飼育水を前記飼育水槽内に放出する流路を有する管路部と、前記管路部に設けられ、前記管路部の流路を間欠的に開閉するバルブとを有することを特徴とする請求項1または2に記載の脱窒装置。
  6. 前記濾材は、多孔質セルロースを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の脱窒装置。
  7. 水生生物を閉鎖循環系で飼育するための水生生物飼育システムであって、
    水生生物を飼育するための飼育水を貯留する飼育水槽と、
    硝化槽と、前記硝化槽内に収容された第1の濾材とを有し、前記飼育水中のアンモニア態窒素を前記第1の濾材に定着した硝化細菌により酸化する硝化装置と、
    脱窒槽と、前記脱窒槽内に収容された第2の濾材と、前記脱窒槽に溜まった前記飼育水を前記飼育水槽に放出して前記第2の濾材を空中に暴露させる酸素取込動作を間欠的に行う間欠放水部と、を有し、前記飼育水中の硝酸態窒素を前記第2の濾材に定着した脱窒細菌により好気条件下で還元する脱窒装置と、
    前記飼育水槽に貯留された飼育水を取水して前記硝化槽および前記脱窒槽に注水するポンプと、
    を備えることを特徴とする水生生物飼育システム。
  8. 前記間欠放水部は、前記脱窒槽内の飼育水を前記飼育水槽内に移動させるサイフォンにより構成されていることを特徴とする請求項7に記載の水生生物飼育システム。
  9. 前記脱窒槽および前記間欠放水部は樹脂製であることを特徴とする請求項8に記載の水生生物飼育システム。
  10. 前記第2の濾材の体積は、前記第1の濾材の体積よりも大きいことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の水生生物飼育システム。
  11. 前記第1の濾材の体積と前記第2の濾材の体積との比率は、1:3〜5であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の水生生物飼育システム。
  12. 前記第1の濾材の体積と前記第2の濾材の体積との比率は、1:4であることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の水生生物飼育システム。
  13. 前記硝化装置は、前記硝化槽に溜まった前記飼育水を前記飼育水槽に放出して前記第1の濾材を空中に暴露させる酸素取込動作を間欠的に行う別の間欠放水部をさらに有することを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の水生生物飼育システム。
  14. 水槽に貯留された未処理水が供給される濾過槽と、
    前記濾過槽内に収容されており、前記未処理水中の硝酸態窒素を還元する脱窒細菌を定着させる濾材と、
    前記濾過槽に溜まった前記未処理水を前記水槽に放出して前記濾材を空中に暴露させる酸素取込動作を間欠的に行い、それにより、好気条件下での前記脱窒細菌による脱窒反応を促進する間欠放水部と、
    を備えることを特徴とする脱窒装置。
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