JP2625562B2 - 飼育装置 - Google Patents

飼育装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、魚介類などの水棲動物を人工的手段を講
じて飼育、栽培する飼育装置に関するものである。
〔従来の技術〕
わが国は周囲がすべて海で囲まれていることから、昔
から水産業が盛んである。しかし、環境汚染、乱獲や領
海の問題から、近年、漁獲量が激減し、漁場の確保も困
難な状況になってきたのは周知の通りである。
このような問題を解決するために、栽培漁業が盛んに
なりつつある。立地条件が整った静かな湾などの海域、
湖沼や河川の一部を網などで閉鎖し、給餌や薬剤投与を
計画的に行うことで効率よく生産するものである。しか
し、このような栽培漁業は、一方で環境破壊の問題を引
き起こしている。すなわち、海底などに沈降した餌の残
りが周囲の水域を汚染するとともに、高密度で栽培する
ために魚類が排泄する代謝物質による汚染が問題にな
る。
このようなことから、陸上に飼育用の水槽を設置し、
用水を引き込んで栽培する方法が一部で実用されてい
る。この方法によれば、浄化装置の設置が可能になり、
環境問題はかなり解決できる。
この考え方をさらに発展させた閉鎖系での飼育が注目
されている。これは、高度な浄化装置を設置し、飼育用
水の補給交換量を少なくして、廃水を極力出さないよう
にしたものである。この技術が開発されると、環境汚染
が解消されるばかりでなく、立地条件を問わない計画的
な生産が可能になり、新たな漁業が発展すると期待され
る。
現状で用いられている浄化装置としては、従来の水処
理技術をそのまま踏襲したものが多く、砂などによる濾
過装置を基本とし、一部で消毒装置が付加されているも
のが多い。消毒が行われている例は必ずしも多くない
が、行われる場合は塩素系薬剤による殺菌がほとんどで
あり、比較的新しい方法として紫外線やオゾンが一部で
用いられている。
第3図は、例えば「水産養殖と水」第II集、111〜112
ページに記載された従来の飼育装置を示すフロー図であ
り、図において、1は飼育水槽、2は循環ポンプ、3は
砂濾過装置、4はブロワー、5は散気装置である。飼育
動物の代謝物および餌の残渣などにより水質が低下した
飼育水槽1の飼育用水は循環ポンプ2により砂濾過装置
3に送られ、浮遊性固形物の除去、および砂表面に付着
している微生物により、有機物およびアンモニア性窒素
などが除去されて浄化され、再び飼育水槽1に戻るよう
になっている。一方、ブロワー4は魚の成育に必要な酸
素を供給するためのもので、送気された空気は散気装置
5を介して飼育水中に散気されて飼育用水に酸素供給し
ている。飼育中に新鮮水の補給は極力なくすことが理想
であるが、実際には、浄化装置の能力にもよるが、かな
りの補給が必要とされている。
このような循環式飼育装置においては、一般に飼育期
間中に相当のpH低下がみられ、そのためにpH調節装置が
付加されているものもある。pH調節の手段としては、通
常の水処理で行われているアルカリ溶液の添加や、固形
アルカリ剤を使用するものが多い。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の飼育装置は以上のように構成されているので、
飼育魚の栽培効率を低下させないように、アルカリ剤を
添加してpHを調節する必要があった。したがってpHセン
サーの信頼性確保が不可欠の条件であるが、センサー表
面の汚れが問題になり、厳密な管理なしには実用しがた
いという課題があった。さらに固形アルカリ剤を使用し
た場合には、飼育を続けるにしたがってアルカリ剤の表
面に生物が付着し、アルカリ成分の溶出が妨げられる結
果、pH調節ができなくなり、安定した飼育ができなくな
るという課題があった。
この発明は上記のような課題を解消するためになされ
たもので、飼育用水のpH調節を適切に行うことにより、
飼育魚の栽培を効率よく行うとともに、この条件を維持
することができる飼育装置を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
請求項1記載の発明に係る飼育装置は、飼育水槽から
取り出した用水を濾過する濾過装置と、この濾過装置で
濾過された用水をオゾン処理するオゾン処理装置と、こ
のオゾン処理装置でオゾン処理された用水にアルカリ成
分を溶出する固形アルカリ剤接触装置とを設け、固形ア
ルカリ剤接触装置でpH調節した用水を飼育水槽に戻すよ
うに構成することによって、飼育用水のpH調節を適切に
行うことができるようにしたものである。
〔作 用〕
請求項1記載の発明に係る飼育装置は、用水にオゾン
を接触させ、このオゾン処理された用水に固形アルカリ
剤を接触させることにより、アルカリ剤の溶出をたす
け、用水のpH調節を適切に行えるようにしたものであ
る。
〔発明の実施例〕
以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
1図は本発明のシステムフロー図である。図において、
1は飼育水槽、2は循環ポンプ、3は濾過装置、4はブ
ロワー、5は散気装置、9はオゾン処理装置、10はオゾ
ン発生装置、11は散気装置、12は固形アルカリ剤接触装
置である。飼育水槽1の飼育用水は循環ポンプ2で濾過
装置3に送られる。ここで、濾過および生物処理により
水中の汚濁成分が除去され、次にその処理水はオゾン処
理装置9で、オゾン処理装置9からのオゾン化気体が散
気装置8で微細化された気泡と接触してオゾン処理され
る。オゾン処理水は次に固形アルカリ剤接触装置12に導
入される。ここで、固形アルカリ剤のアルカリ成分が溶
出して処理水のpHを上げ、飼育水槽に戻される循環を繰
り返す。オゾン処理水中には微量のオゾンおよび(また
は)酸化性のオゾン反応生成物が残留していることが必
要であり、それにより固形アルカリ剤表面での生物付着
が防止される。
実際に閉鎖循環系で飼育実験を行った結果、通常では
pHが低下して、魚が過敏になったり食欲が低下すること
があったが、本発明による装置ではpHの低下が抑制され
た。
すなわち、オゾン処理の後段にサンゴ砂を充填した槽
を設置した場合としない場合の水質は以下のようである
(本実験では実験魚としてマダイを用いたが、2つの比
較実験で飼育した魚数に差があったため、硝酸性窒素濃
度に若干の差を生じた)。サンゴ砂のない系では飼育水
中の硝酸性窒素は43mg/、pHは6.65であった。これに
対して、サンゴ砂をいれた系では硝酸性窒素が63mg/
と高かったにもかかわらず、pHは7.10に保持された。
なお、固形アルカリ剤としては珊瑚を粉砕したものを
用いたが、それに限られるものではなく、アルカリ成分
を溶出する固形物であればよい。
〔発明の効果〕
以上のように、請求項1記載の発明によれば、飼育槽
から取り出した用水を濾過した後、この用水にオゾンを
接触させるオゾン処理装置を設けた構成にしたので、用
水のpHが魚類の飼育に適した範囲に調節され、飼育効率
が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による飼育装置のフロー
図、第2図は従来の飼育装置のフロー図である。 図において、1は飼育装置、2は循環ポンプ、3は濾過
装置、9はオゾン処理装置、10はオゾン発生装置、12は
固形アルカリ剤接触装置を示す。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 利彦 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番 2号 三菱電機株式会社制御製作所内 (72)発明者 中山 繁樹 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社中央研究所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】飼育水槽と、この飼育水槽から取り出した
    用水を濾過する濾過装置と、この濾過装置で濾過された
    用水をオゾン処理するオゾン処理装置と、このオゾン処
    理装置でオゾン処理された用水にアルカリ成分を溶出す
    る固形アルカリ剤接触装置とを備えた飼育装置。
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WO1996036219A1 (fr) * 1995-05-17 1996-11-21 Jifas Corporation Installation de pisciculture
JPH0919694A (ja) * 1995-07-05 1997-01-21 Mitsubishi Electric Corp オゾン浄化装置

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JPS554376A (en) * 1978-06-12 1980-01-12 Chemithon Corp Sulfonation of alkylated aromatic hydrocarbon
JPS5615845A (en) * 1979-07-19 1981-02-16 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd Regeneration of chelate resin

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