JP2000160379A - 電解式オゾン発生装置とその装置を備えた浄化水槽 - Google Patents

電解式オゾン発生装置とその装置を備えた浄化水槽

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JP2000160379A
JP2000160379A JP10332410A JP33241098A JP2000160379A JP 2000160379 A JP2000160379 A JP 2000160379A JP 10332410 A JP10332410 A JP 10332410A JP 33241098 A JP33241098 A JP 33241098A JP 2000160379 A JP2000160379 A JP 2000160379A
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anode
pump
electrolytic
cathode
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Masatoshi Inatani
正敏 稲谷
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Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バックアップ電源の容量が小さくて、電解停
止での陽極面のオゾン発生効率の劣化がない、電解式オ
ゾン発生装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 陰極5と陽極1に直流電流を通電する直
流電源9と、非常停止時用のバックアップ電源17とを
備えていて、直流電源9の停止時にはバックアップ電源
17によりアノード室4の電解液除去機構15を稼動さ
せて電解液を除去し、所定の時間、陰極5と陽極1に通
電する非常用制御回路18を備えた電解式オゾン発生装
置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カップ式飲料自動
販売機の飲料水タンクや、金魚水槽、または食品冷却水
槽などの水に溶けている有機物の分解を行って殺菌と脱
臭と汚濁防止を目的とする電解式オゾン発生装置とその
装置を備えた浄化水槽に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カップ式飲料自動販売機の飲料水
タンクとして設置されている浄化水槽の汚濁防止には塩
素発生装置が一般に用いられていた。この塩素発生装置
による浄化水槽の浄化方法とは、浄化水槽内に陰極と陽
極を対とする電極を浸漬し、水を電気分解することによ
り浄水中に不純物として含まれる塩素イオンを陽極面上
で酸化させ、塩素を生成させ、その塩素と塩素が水に溶
けることにより生じる次亜塩素酸とで殺菌消毒を行う方
法である。
【0003】確かに塩素は安心して使える消毒剤とし
て、従来より主に水道水の消毒に用いられ、有効残留塩
素濃度は0.1ppm以上あれば殺菌力を持つとされて
いる。よって、この塩素発生装置においても塩素イオン
を陽極面上で酸化させ、残留塩素濃度が約0.5ppm
になるように塩素の生成を設定している。塩素が水道水
の殺菌に用いられる理由は塩素が残留性に優れているた
めであり、水道水のように浄水場から各家庭に届くまで
殺菌消毒効果を維持させるには残留性に優れている塩素
による処理が好ましい。
【0004】しかし、カップ式飲料自動販売機の飲料水
タンクとして設置されている浄化水槽の汚濁防止には塩
素の消毒殺菌は大きな問題が生じる。すなわち生成した
塩素が残留するために塩素特有の臭いを発し、又、塩素
または次亜塩素酸が各種清涼飲料成分と反応し、塩素化
合物を形成し、味や匂いを変質させるため、おいしい飲
料の供給ができないという致命的な問題点があった。
【0005】又、塩素の発生量は供給される水道の水質
により変化し、水に含まれる陽イオンや塩素イオン等の
陰イオンの濃度に大きく影響され、設置場所と時期によ
り変化するため、定期的に予備実験を行い電解時間を設
定する必要がある。さらに、電極への堆積物の影響など
により生成量は不安定となり一定の濃度に設定するのは
困難である。
【0006】さらに、近年においては塩素と水道水中に
含まれる微量の有機物とが反応し、発癌性を有するトリ
ハロメタンを生成させる可能性が指摘され、塩素殺菌に
ついては見直しが必要となっている。
【0007】そこで、近年では特開昭61−14739
3号公報に示されているように、カップ式飲料自動販売
機の飲料水を貯留する水リザーバーに対してオゾナイザ
を付設し、このオゾナイザで生成したオゾンガスを水リ
ザーバ内の貯留水中に供給溶解して水の殺菌消毒を行
い、これにより飲料水の水質維持を図るようにしたもの
が知られている。
【0008】オゾンは塩素に比べ残留性がなく、比較的
早く安全な酸素に分解するため、食品の味を変質させた
り異臭をつけることがないので、水道水と違い持続性を
必要としない食品の加工やカップ式飲料自動販売機の飲
料水タンクとして設置される浄化水槽の殺菌消毒用とし
ては好適である。
【0009】オゾンの生成方法としては特開昭61−1
47393号公報に示されるように放電式のオゾナイザ
で空気中の酸素をオゾンに酸化させる方法と、特公平2
−44908号公報や特公平6−76672号公報に示
されるように水を電気分解して水素と酸素とを生成する
とき、その酸素発生時の副生成物としてオゾンを得る方
法とがある。
【0010】空気中の酸素からオゾンを生成する方法
は、空気中の約80%の窒素も同時に酸化するため、二
酸化窒素や一酸化窒素等の窒素酸化物も生成し、処理ガ
スを水に吹き込み溶解させオゾン水を製造すると、同時
に窒素酸化物も水に溶け込むため硝酸が形成され、強酸
性のオゾン水となる問題がある。
【0011】また、80%の窒素ガスが含まれ、酸素濃
度が20%と低いと言うことは、処理ガス中の生成オゾ
ンガス分圧は低くなり、水へのオゾンの溶解量が小さ
く、低濃度のオゾン水しか製造できないばかりか、水に
溶け切らない余剰オゾンが多量に発生しやすくなる。特
開昭61−147393号公報に示されるように余剰オ
ゾンを別の水槽の汚濁防止に使用することも考えられる
が、さらに濃度が薄くなるため有効な殺菌効果を確保で
きない問題がある。
【0012】よって、効率的にオゾンを水に溶かし、中
性でクリーンなオゾン水を生成するためには、純粋で高
濃度で湿潤オゾンが得られる水電解式のオゾン生成方法
が推奨される。
【0013】通常、この水の電気分解によるオゾンの生
成には、特公平2−44908号公報に示されるように
陰極に空気極を、陽極にオゾン発生極を配し、電解質に
パーフルオロカーボンスルフォン酸の高分子イオン交換
膜でできた固体電解質膜を用い、固体電解質膜を挟み陰
極と陽極とを圧着させたゼロギャップ電解セルを使用し
ている。
【0014】通常、電解液と接する陽極はラス材やエキ
スパンド状の金属チタンを基体とし、白金めっき層を介
して固体電解質膜と接する界面はβ型二酸化鉛を電着し
たものを使用する。
【0015】固体電解質膜への陰極である空気極の圧着
はカーボン粉末に白金触媒を担持させた粉末とフッ素樹
脂結着剤との混合物をホットプレスし、集電体として金
属チタン基体上に白金めっき処理を行ったもの、ニッケ
ル発泡体,ステンレス繊維状シートを使用する。多孔質
状の電極を使用する理由は、外気より送り込まれる空気
中の酸素と水の電気分解により生成した水素イオンと電
子とがイオン交換膜と陰極の表面との界面で反応し水蒸
気として陰極の背面に順次通過させ排出するためであ
り、陰極室においても同様に固体電解質膜と陽極との界
面に水の分解で生じる酸素ガスやオゾンガスを陽極の背
面に順次通過させ排出するためである。
【0016】また、陽極の基体材として金属チタン材を
選定し、電極基体の表面に白金や二酸化鉛を形成するの
は、陽極の固体電解質膜表面が強酸性となり、これに接
する電極膜は当然のことながら耐酸性材料でなければな
らないためで、対極となる陰極も比較的耐酸性を要する
ためカーボン粉末、及び、白金か、ニッケル発泡体、ス
テンレスの繊維状シートを集電体として使用する。
【0017】さらに、陽極の表面処理としてβ型二酸化
鉛が選ばれるのは、オゾンの生成を目的とする場合、他
の電極材料では効率面で著しく劣るからである。
【0018】陽極の各種表面処理材とオゾン発生効率と
の関係については、P.C.FollerとC.W.T
obiasがJ.Electrochem.Soc.の
129巻506頁に電流密度とオゾン電流効率との関係
として1982年に発表されている。
【0019】通常、このβ型二酸化鉛を金属チタンのラ
ス材に表面処理する方法は硝酸鉛のめっき浴での電着に
より陽極析出され、また白金の表面処理は白金酸塩のめ
っき浴で陰極析出されて形成する。
【0020】しかし、この種の電解式オゾン発生装置は
運転と休止とを順次繰り返すと、オゾン製造能力が著し
く低下することが知られている。
【0021】すなわち、運転により所定のオゾン濃度が
得られている状態から、一次運転を休止し、再度運転を
開始しても当初のオゾン濃度が得られず、所定のオゾン
濃度になるまでの時間も一定でなく、一般的には休止時
間が長いと運転再開後に所定のオゾン発生量を確保する
のにかなりの運転時間経過が必要となる。また、休止時
間の累計が長くなるに従ってこのオゾン濃度を確保する
までの時間がさらに長くなる傾向を有するものである。
また、休止を何度も繰り返していると最終的にはオゾン
の発生がなくなり、運転を長時間行ってもオゾン濃度が
回復しなくなる状態にまで至る。
【0022】この原因は、運転休止時において固体電解
質膜内に蓄えられた水素イオンが陽極の表面のβ型二酸
化鉛に還元剤として作用し、二酸化鉛中の酸素と反応し
二酸化鉛を溶解するか、β型の結晶構造を持つ二酸化鉛
をα型の二酸化鉛に変質させる為である。
【0023】すなわち、先のP.C.Foller等の
報告によれば、α型の二酸化鉛はβ型二酸化鉛に比べオ
ゾン発生効率は50%程度しかなく、白金面においては
ゼロに近い状態であり、休止を何度も繰り返すと、二酸
化鉛の溶解が進み、下地層の白金面が露出し、オゾンの
発生がゼロとなり、運転を長時間行ってもオゾン発生効
率が回復しなくなる。
【0024】上記問題点を解決する方法として、特公平
6−76672号公報に示されるように、通常の運転時
に陽極と陰極との間に印加するための高電圧出力端子
と、この高電圧出力端子の電圧の3分の1乃至2分の1
の同極性の電圧を印加する低電圧出力端子を設け、電源
装置は高電圧出力端子と低電圧出力端子とを切り換え連
結可能とすることにより、通常運転時間外にもバックア
ップ電源として常に低電圧を各電極に働くようにしたも
のが提案されている。
【0025】このように常にバックアップ電源を加えて
おくことにより、固体電解質膜には常に陽極から陰極に
流れる水素イオンの流れを持たせ、電極面に逆の電流が
流れないようにすることができ、オゾン選択性触媒電極
面の結晶構造の変化や二酸化鉛の溶解が防止できる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特公平6−76672号公報に示されるように、通常運
転時間外にはバックアップ電源として常に低電圧を両極
に印加するには、低電圧といえども比較的大きい蓄電池
が必要で、例えば電圧4Vで、0.5Aの電流を24時
間維持するには、12Ah以上の容量を持つ蓄電池が必
要となる。12Ahの定格容量の蓄電池は重量と容積が
大きくコンパクトな設計が不可能となるばかりか、蓄電
池の単価も高くなり、又、24時間以上の停止時にはオ
ゾン発生効率が低下し、さらに、蓄電のためのエネルギ
ーロスが大きくて、経済的に不利となる。
【0027】又、この水の電気分解によるオゾンの生成
に、特公平2−44908号公報に示されるように陰極
に空気極を、陽極にオゾン発生極を配し、電解質にパー
フルオロカーボンスルフォン酸の高分子イオン交換膜で
できた固体電解質膜を用い、固体電解質膜を挟み陰極と
陽極とを圧着させたゼロギャップ電解セルを使用する場
合、比較的軟質のパーフルオロカーボンスルフォン酸の
高分子イオン交換膜を利用したのでは、電極で圧着され
た部分において抵抗が著しく低下しその部分に局部過電
流が流れ、膜が高温となりやけを生じ炭化する恐れがあ
った。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記する問題
点を解消するために、電解液と、陰電極を有するカソー
ド室と、オゾンガス発生電極である陽電極を有するアノ
ード室と、前記カソード室とアノード室とを仕切るゾル
−ゲル法により成形された水素イオン伝導性ガラス材の
固体電解質膜と、アノード室の電解液除去機構と、前記
陰電極と陽電極に直流電流を通電する通常直流電源と、
非常停止時用のバックアップ電源と、通常直流電源の停
止時にはバックアップ電源により電解液除去機構を稼働
させると共に、所定の時間、前記陰極と陽極とに通電す
る非常用制御回路とを備えているもので、通電を停止す
る場合、通電しながらアノード室の電解液を除去し、陰
極と陽極との電解抵抗が増加し、電解電流値が減少した
後、直流電源の通電を停止する電解式オゾン発生装置と
したものである。
【0029】又、被処理水が蓄えられた貯水槽と、被処
理水を循環攪拌させる揚水ポンプと、イオン交換樹脂塔
と、アノード室の電解液除去機構を有する電解式オゾン
発生装置とからなり、アノード室の電解液除去機構とし
てイオン交換樹脂塔の入口と揚水ポンプの排水側加圧部
とをサイフォン管で結び、電解水は前記イオン交換樹脂
塔を通過したイオン交換水とし、アノード室の生成ガス
溜り部と揚水ポンプの給水側減圧部とはガス導入管で結
び、前記アノード室内の陽極面は揚水ポンプ停止時の水
槽内水位より高い位置に固定され、揚水ポンプの稼働時
には揚水ポンプの排水側加圧パイプ内部で加圧された被
処理水がイオン交換樹脂塔を通過し、前記アノード室内
の陽極面を浸漬するもので、揚水ポンプの停止で自動的
に電解液除去機構が働き、容易に陽極の劣化を防止でき
る電解式オゾン発生装置を備えた浄化水槽としたもので
ある。
【0030】
【発明の実施の形態】この発明の請求項1に記載の発明
は、電解液と、陰極を有するカソード室と、オゾンガス
発生電極である陽極を有するアノード室と、前記カソー
ド室とアノード室とを仕切る固体電解質膜と、アノード
室の電解液除去機構と、前記陰極と陽極に直流電流を通
電する通常直流電源及び非常停止時用のバックアップ電
源とを具備し、通常直流電源の停止時にはバックアップ
電源により電解液除去機構を稼働させると共に、所定の
時間、前記陰極と陽極とに通電する非常用制御回路を設
けた電解式オゾン発生装置で、通電を停止する場合、通
電しながらアノード室の電解液を電解液除去機構で除去
し、陰極と陽極との電解抵抗を増加し、電解電流値が減
少した後、直流電源の通電を停止するもので、逆電荷を
伝達する因子となる水素イオンを形成させる電解液を無
くし、また、固体電解質膜に蓄積した水素イオンをも完
全に除去することにより、電解停止後に水素イオンの還
元作用を無くすとともに、逆電解の電流が生成する事を
なくし、電極面の劣化を防止するものである。
【0031】また、請求項2記載の発明は、固体電解質
膜をゾル−ゲル法により成形された水素イオン伝導性ガ
ラス材としたもので、電解液を除去し電解を加えてお
り、フッ素系の高分子材料では乾燥によるひび割れや過
電流によるやけが生じたが、水素イオン伝導性ガラス材
とすることで、固体電解質膜の耐乾燥性と耐熱性を改良
し、信頼性の向上を成し得たものである。
【0032】また、請求項3記載の発明は、水素イオン
伝導性ガラス材をゾル−ゲル法で製造する時に用いられ
る主成分素材をリン酸のアルコキシドとケイ素および/
又はジルコニアのアルコキシドとしたもので、リン酸は
水素イオン伝導性ガラス材に取り込まれた水分子の水素
と反応し、自由に移動する水素イオンを形成する役目を
持ち、ケイ素とジルコニアはガラス材としての成形性と
剛性を引き出す役目を持ち、ゼロギャップ電極を形成す
る固体電解質膜としての剛性を保ち、又、水素イオン伝
達機能を効率的なものとする。
【0033】また、請求項4記載の発明は、リン酸のア
ルコキシドの成分モル比は、使用される金属アルコキシ
ドの全モル量に対し0.02〜0.5の範囲内としたも
ので、モル比が0.02以下では十分な水素イオン伝達
機能が発揮できず、又、0.5以上ではガラス成形が困
難となり剛性を欠くものとなる。
【0034】また、請求項5記載の発明は、ゾル−ゲル
法により成形された水素イオン伝導性ガラス材を100
℃以上で且つ500℃以下で熱処理したもので、100
℃以下での熱処理では、固体電解質膜として電解を加え
たときのオーム損による発熱で重縮合反応が進み固体電
解質膜体が収縮変形を引き起こし、電極との密着が損な
われることになる。又、500℃以上の熱処理となると
ゾル−ゲル法にて成形された水素イオン伝導性ガラス材
に必要な空隙がなくなり、水分子の吸着量が少なくな
り、水素イオン伝導性能が著しく低下することとなる。
【0035】また、請求項6記載の発明は、被処理水が
蓄えられた浄化水槽と、被処理水を循環攪拌させる揚水
ポンプと、イオン交換樹脂塔と、アノード室の電解液除
去機構を有する電解式オゾン発生装置とからなり、アノ
ード室の電解液除去機構としてイオン交換樹脂塔の入口
と揚水ポンプの排水側加圧パイプ部とはサイフォン管で
結び、電解水は前記イオン交換樹脂塔を通過したイオン
交換水とし、アノード室の生成ガス溜り部と揚水ポンプ
の給水側減圧部とはガス導入管で結び、前記アノード室
の陽極面は揚水ポンプ停止時の水槽内水位より高い位置
に固定され、揚水ポンプの稼働時には揚水ポンプの排水
側加圧パイプ内部で加圧された被処理水がイオン交換樹
脂塔を通過し前記アノード室内の陽極面を浸漬するもの
で、揚水ポンプの停止によりアノード室の電解液が自動
的に除去されることで、逆電荷を伝達する因子となる水
素イオンを形成させる電解液を無くし、また、固体電解
質膜に蓄積された水素イオンを完全に除去することによ
り、逆電解の電流が生じる事なく、電極面の劣化を自動
的に容易に防止処理するものである。
【0036】また、請求項7記載の発明は、揚水ポンプ
による揚水高さより低く陽極面を固定したもので、揚水
圧の高さにより比較的簡単に適切な電解式オゾン発生装
置の位置を決定できるものである。
【0037】また、請求項8記載の発明は、被処理水が
蓄えられた浄化水槽と、被処理水を循環攪拌させる揚水
ポンプと、イオン交換樹脂塔と、アノード室の電解液除
去機構を有する電解オゾン発生装置と、揚水を受け入れ
る高台容器とからなり、アノード室の電解液除去機構と
してイオン交換樹脂塔入口と高台容器とは水槽内水位よ
り低い位置に細孔でなる水抜き回路をもつサイフォン管
で結び、電解水は前記イオン交換樹脂塔を通過したイオ
ン交換水とし、アノード室の生成ガス溜り部と揚水ポン
プの給水側減圧部とは導入管で結び、前記陽極面は高台
容器の水位より低く揚水ポンプ停止時の水槽内水位より
高い位置に固定され、揚水ポンプの稼働時には高台容器
内水位との水圧差により加圧された被処理水がイオン交
換樹脂塔を通過したイオン交換水で前記アノード室の陽
極面が浸漬するもので、高台容器により揚水圧が一定と
なることで電解セル中の電解水の位置が安定するもので
ある。
【0038】また、請求項9記載の発明は、揚水ポンプ
の排水側加圧パイプ部のサイフォン管の取り付け部の排
水口側に排水口面積を変動させる絞り弁を設けたもの
で、絞り弁により電解液の圧力を調整でき、電解式オゾ
ン発生装置の取付位置が浄化水槽の停止水位以上であれ
ば自由に設定できるものである。
【0039】以下本発明の一実施の形態について、図面
を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は実施の形態1におけるオゾンを
効率良く発生する陽極1を使用した電解槽2の横断面図
である。図2は同じく実施の形態1におけるオゾンを発
生する陽極を用いた電解槽2を組み込んだ電解式オゾン
発生装置3の概要図を示すものである。
【0040】電解槽2は、オゾンを発生する陽極1を有
するアノード室4と、陰極5を持つカソード室6とで構
成されており、アノード室4とカソード室6は固体電解
質膜7で形成する隔壁8で仕切られている。固体電解質
膜7は水素イオンの伝導機能があるリン酸を含むゾル−
ゲル法で成形された水素イオン伝導ガラスで、ゾル−ゲ
ル法で成形されたガラスは内部に微細な空隙を有してお
り水分子を取り組みやすくなっている。又、ガラスの構
成成分となるリン酸は水分子の水素と反応し、水素イオ
ンを形成しやすく、水分子及びリン酸とが橋渡しとなり
水素イオンを移動させる性質を利用した水素イオン伝導
型の固体電解質膜7として開発されたものである。この
固体電解質膜7は水素イオンのみを伝達する性質をもつ
ガラス材であり、その他のイオンを伝導したり、透過し
たりすることは比較的少ないものである。
【0041】9は給電体10を介し陽極1に正電位を、
集電体11を介し陰極5に負の電位を付加する直流電源
である。
【0042】電解式オゾン発生装置3は、オゾン発生用
の電解槽2と、使用する水をイオン交換水の電解液12
に変えるイオン交換樹脂塔13と、可逆ポンプ14を主
体とする電解液除去機構15と、陰極5と陽極1に直流
電流を通常時に通電する直流電源9と通常用制御回路1
6と、バックアップ電源17と停電等による一次側電源
停止時にバックアップ電源17が適切に稼働するように
コントロールする非常用制御回路18とイオン交換水で
ある電解液12が循環し、生成ガスと電解液12とを分
離する循環タンク19とで構成されている。
【0043】図3は給電体10とオゾン発生電極である
陽極1と、固体電解質膜7と、ガス拡散電極20と集電
体11とからなる陰極5とで構成されたゼロギャップ電
極部の要部拡大図である。
【0044】陽極1は耐食性金属チタンの多孔質状の基
体21を用い、その基体21の表面はβ型の二酸化鉛を
電着によって形成したオゾン発生選択性の触媒層22で
覆われている。
【0045】本実施の形態1における陽極1に使用した
基体21は、びびり振動切削短繊維チタンを無酸素雰囲
気で焼結した東京製鋼の金属繊維ポーラス板であり、表
面積と後加工で行う表面処理での目詰まりのことを考慮
し、空隙率60%で板厚2mmのものを使用した。
【0046】陰極5は通気性を有する多孔性のメッシュ
状のものとして、表面に白金超微粒子を担持したカーボ
ン粉末とフッ素樹脂粉末の混合物を加圧成形して適度な
撥水性を持たせた多孔性のガス拡散電極20と電荷を均
一に伝達する集電体11との接合体として形成されてい
る。
【0047】また、これらの陽極1と陰極5とも水素イ
オン伝導性ガラス体の固体電解質膜7を挟み密着して取
りつけたゼロギャップ電極構成となっている。
【0048】イオン交換樹脂塔13は、殺菌処理を必要
とする源水の入ったシスターン(図示せず)とサイフォ
ン管23により連結されており、イオン交換樹脂塔13
はシスターンの水が給水口24から水位調整力により給
水する位置に設置している。
【0049】イオン交換樹脂塔13はフィルターA25
とイオン交換樹脂26とフィルターB27で構成され
る。イオン交換樹脂塔13の排出口28は可逆ポンプ1
4を通じ、電解槽2の下部開口部29と連結されてい
る。
【0050】電解液除去機構15は可逆ポンプ14の一
方が電解槽2の下部開口部29と連結されるとともに、
他方がリターン管30を通じイオン交換樹脂塔13に上
層部穴31で連通している。
【0051】循環タンク19は電解槽2の上部開口部3
2とガス排出管33により結ばれ、電解槽2の下部開口
部29とも循環パイプ34により連結されている。
【0052】35は吸入口36に取りつけられた外気を
吸入する吸入ファン37と、排気口38とからなる吸排
気機構であり、カソード室6のガス拡散電極20に酸素
を含む外気を順次送り込むものである。
【0053】39はアノード室4の電解により発生する
酸素ガス又はオゾンガスの吐出口である。
【0054】又、通常用制御回路16は、直流電源9の
電圧を制御する回路であり、吸入ファン37と電解槽2
の陽極1と陰極5とに所定の電圧を印加するもので、実
施の形態1においては、常時、電解槽2の陽極1と陰極
5には2.5V、吸入ファン37には5Vを印加した。
また、シスターンのフロートスイッチ(図示せず)から
の給水信号があった場合には通常用制御回路16で5分
間の高電圧運転とするものであり、実施の形態1におい
ては高電圧としては3.5Vに設定した。
【0055】又、非常用制御回路18は常にバックアッ
プ電源17に充電を行うと共に、一次側電源40が停止
したときには停電検出リレー41にてバックアップ電源
17の放電運転を開始するものである。この放電運転は
可逆ポンプ14の稼働と共に、吸入ファン37と加温ヒ
ーター42と電解槽2の陽極1と陰極5とに所定の電圧
を印加するもので、本実施の形態1においては、電解槽
2の陽極1と陰極5には3.5V、吸入ファン37と加
温ヒーター42には5Vを印加するように設定した。
【0056】尚、この放電運転は陽極1と陰極5に印加
する直流電流値検知機構43によりその電流値の変化に
より停止され、本実施の形態1では電流が0.02A以
下になると停止するようにした。電解槽2の陽極1と陰
極5に3.5Vの電圧を初期印加したときの電流値が2
Aからすると約10分の1に低下した時の電流値であ
る。
【0057】ここで、実施の形態1に用いた陽極1の表
面処理工程について説明する。はじめに前処理として、
多孔質状の耐食性金属チタン材の基体21を5%の界面
活性剤の溶液で超音波洗浄により脱脂し、イオン交換水
ですすいだ後、5%のしゅう酸溶液の沸騰水に5分間浸
漬し表面の酸化層を取り除き、さらに下地処理直前に1
規定の硫酸を電解研磨液とし、4A/dm2 の条件で陰
極側にて電解還元処理をした。
【0058】上記の前処理後、即ち、塩化チタンと塩化
タンタルと塩化白金酸を各々0.1モルの濃度に調整し
た塩酸混合溶液に浸漬し、40℃で15分間の予備乾燥
後、520℃で焼付けた。この焼き付け下地処理を3回
繰り返し、約1μmの導電性複合酸化金属の下地層44
を設けた。
【0059】次に下地層44の処理面を4A/dm2
30秒間の電解還元処理を行った後、オゾン発生選択性
の触媒層22として二酸化鉛の電気めっき処理を行っ
た。
【0060】二酸化鉛のめっきは、まず、3.5規定の
水酸化ナトリウムの飽和酸化鉛溶液をめっき浴とし1.
1A/dm2 で陽極側にて20分間処理し、数ミクロン
のα型の二酸化鉛を形成した。この時の浴温は40℃と
した。
【0061】次に30重量%の硝酸鉛の1規定の硝酸浴
で、4A/dm2 の条件で40分間、陽極にてオゾン発
生選択性触媒であるβ型の二酸化鉛の触媒層22を形成
した。この時の浴温度は70℃とした。
【0062】尚、耐食性向上、歪み除去のため、浴中に
2グラム/リットルの酸化タンタルを分散させめっき処
理することによりβ型の二酸化鉛めっき層の中にタンタ
ル粉末45が形成させる。
【0063】さらに、片面に粘着テープを貼り、パーフ
ルオロカーボンスルフォン酸の溶液に1分間浸漬後、4
0℃で15分間乾燥後、粘着テープを剥がし片面は二酸
化鉛層を露出させ、対面の片面には表面処理樹脂膜46
が形成してなる陽極1を作成する。
【0064】次に、実施の形態1に用いた固体電解質膜
7の成形方法について説明する。まず、1モルのリン酸
トリメチルを1モルのイソプロピルアルコール中で15
0℃で1時間加熱し、室温にまで下げてから0.5モル
のテトライソプロピルジルコニアを加え、1時間攪拌し
た。この液をA液とする。次に9モルのオルトケイ酸テ
トラエチルを9モルのエチルアルコールと18モルの水
と触媒として0.04モル相当の塩酸との混合液に徐々
に添加し、1時間攪拌した。これをB液とする。次に、
B液にA液を添加し、1時間攪拌後、さらに18モルの
水を加えた後、1時間攪拌を続ける。その後、所定の寸
法の成形型に適量注入し、室温にて約2週間放置し、そ
の後、200℃の高温炉で乾燥し、水素イオン伝導ガラ
スの固体電解質膜7を得た。
【0065】次に、実施の形態1に用いた固体電解質膜
7と陰極5との接合体の製造方法について説明する。陰
極5は通気性を有する多孔性のメッシュ状のものとし
て、表面に白金超微粒子を担持したカーボン粉末とフッ
素樹脂粉末の混合物を加圧成形して適度な撥水性を持た
せた多孔性のガス拡散電極20と電荷を均一に伝達する
集電体11との接合体で形成されている。今回使用した
ガス拡散電極20はジャパンゴアテックス社の白金を触
媒として担持したカーボン繊維であるPRIMEA50
00と、拡散層としては同社のCARBELを、又、集
電体としては東レ社のカーボンペーパーに白金触媒を担
持しさらに撥水処理したものを3層にして、先に用意し
た固体電解質膜7の片面に150℃のホットプレスで5
0Kg/cm2 の圧力を加え圧着したものを用いた。
【0066】以下、上記で説明した実施の形態1の陽極
1を有する電解式オゾン発生装置3の作用と電解槽2中
の化学反応について説明する。
【0067】まず、シスターンに源水が満たされると水
位調整力によりシスターンに通じているサイフォン管2
3から給水口24を通り、イオン交換樹脂塔13にPの
水位まで源水が満たされる。満たされた源水は、フィル
ターA25,イオン交換樹脂膜26,フィルターB27
を通りぬける間に、源水に含まれる陽イオンである金属
イオンは水素イオンに、陰イオンである塩素イオンや炭
酸イオンは水酸基イオンにイオン交換され電気伝導度が
2μs/cm以下のイオン交換水となる。
【0068】次に電解液12となるイオン交換水は排出
口28より、通常は停止状態である可逆ポンプ14を通
り電解槽2の下部開口部29からアノード室4に流れ込
み、さらに上部開口部32よりガス排出管33より、又
は循環パイプ34より循環タンク19にPの水位になる
まで注入される。すなわち、シスターンに源水を給水す
ると自然にアノード室4にイオン交換水である電解液1
2が満たされる。
【0069】通常、陽極1と陰極5には直流電源9と通
常用制御回路16により電圧が2.5Vで0.5Aの直
流電流が付加されている。
【0070】陽極1の基体21の表面材質はβ型の二酸
化鉛であり、腐食電位が高く反応酸素を含むのでオゾン
発生選択性の触媒層22が形成された状態であり、電極
材の溶解は殆ど無く、陽極1の表面においてはイオン交
換水である電解液12中の水分子を酸化し、化1ないし
化4の反応が起こる。反応式の平衡電位より化1と化4
が主体となり、陽極1の表面から酸素ガスとオゾンガス
が発生する。
【0071】ここで、白金等のめっき表面であれば、酸
素過電圧が低くなり化1の反応のみで、オゾンの生成は
少ないが、酸素発生電位が高く、反応酸素を含むβ型の
二酸化鉛では、反応酸素が化1の反応式に触媒作用とし
て介在するため化4の反応が積極的に生じることとな
り、オゾンの生成が効率良く行われ、生成ガス中のオゾ
ン濃度は高くなる。0.5Aの電流を付加することによ
り約10mg/hrのオゾン発生量を得た。
【0072】
【化1】
【0073】
【化2】
【0074】
【化3】
【0075】
【化4】
【0076】
【化5】
【0077】ここでは、水素イオンの対イオンの増加は
ほとんどないため過剰となる水素イオンは水素イオン伝
導性ガラス体である固体電解質膜7を通じてカソード室
6に移動する。そのため、アノード室4内では水素イオ
ン濃度の増加は見られず、pHは源水と同じpHを維持
し、源水が浄水を使用し、中性であれば中性を維持する
ことになる。
【0078】さらに、β型の二酸化鉛の触媒層22面の
固体電解質膜7側に塗布されたフッ素樹脂系のスルフォ
ン酸基を有する水素イオン伝導性のある表面処理樹脂膜
46により、触媒層22面と固体電解質膜7との密着面
だけでなく、表面処理樹脂膜46を形成した陽極1の面
から水素イオンが移動することになり、全体に流れる電
流値が同じでも電流密度が小さく平均化されるため、効
率良く水素イオンの伝達ができる。
【0079】ここで、表面処理樹脂膜46が陽極1の表
面全体を覆うように形成されていると、白金表面を持つ
給電体10と表面処理樹脂膜46とが接触し平衡電位の
低い化1の反応が優先的に起こり、オゾン発生が抑制さ
れオゾン発生効率が低下することになる。しかし、本発
明の実施形態1では給電体10と接触する陽極1の面に
は表面処理樹脂膜46は形成されていないため、給電体
10の表面では化1の反応は起こりにくく、オゾン発生
効率を低下させることはない。
【0080】また、空隙率が60%の多孔質性のチタン
基体を使用したが、下地層44の処理やβ型の二酸化鉛
のオゾン発生選択性の触媒層22の処理、さらに表面処
理樹脂膜46の処理を施しても陽極1の面から発生する
酸素やオゾンガスの通過を妨げることもなく、通路は確
保される。
【0081】カソード室6の陰極5の表面では吸排気機
構35により送り込まれてくる外気に含まれる酸素と、
直流電源9の負の電位として流れてくる電子と、アノー
ド室4で生成されて固体電解質膜7を通過してくる水素
イオンとの3つの成分が介在し、化5の反応を起こすこ
とにより水を生成する。生成した水は固体電解質膜7に
吸着するか、蒸気となって排気口38から排出される。
【0082】又、電気分解によって陽極1の面で発生し
た水素イオンが陰極5の表面で酸素ガスと反応して水分
に変換する際、十分に反応が起こらず未反応の水素が残
存する可能性がある。この場合を想定して陰極5の固体
電解質膜7との反対面に白金触媒を担持したカーボン性
ハニカム状の集電体11を圧着させることで水素の処理
はさらに完全に行うことが可能である。
【0083】陰極5は、固体電解質膜7に密着して取り
つけることにより、外気に含まれる酸素と、陰極5を経
由し運ばれた電子と、固体電解質膜7を通過してくる水
素イオンとを白金超微粒子の触媒作用でもって円滑に反
応させることが可能となるもので、陰極5と固体電解質
膜7とを隔離すると水素イオンの移動が不導体のガス層
に邪魔されて円滑に行かず、また貫通穴が無いと外気に
接する面から固体電解質膜7への酸素の移動を陰極5自
身が遮断するため円滑な3つの成分の反応ができなくな
る。
【0084】以上のように陰極5として多孔質ガス拡散
電極20のような貫通穴を有する多孔性のメッシュ状の
ものを用い、固体電解質膜7に密着して取りつけること
により、吸排気機構35で送り込まれる酸素と、アノー
ド室4から固体電解質膜7を通過してくる水素イオンと
陰極5を経由して運ばれる電子により水分を生成するこ
とは、陰極5の表面からの水素ガスの発生をなくすこと
ができ、水素ガスによる火災や爆発の危険を除去するこ
とができる。またカソード室6には電解液,浄水,イオ
ン交換水,蒸留水,純水などを必要としないので電解水
の処理や濃度調整の管理が必要でなくなるため、非常に
電解槽の構造が簡素化でき、設備費用が削減できる。
【0085】アノード室4では主に化1と化4の反応が
生じオゾンが生成する。オゾンの酸化力を利用すれば循
環タンク19内の電解液12はオゾン水となり殺菌処理
水となるが、電解液12を殺菌水として使用するのは純
水での半導体の洗浄として有効であるが、シスターン中
の源水をすべてイオン交換水にする必要があるため、実
施の形態1においてはオゾンガスを吐出口39から取り
出し、シスターン中の源水にミキシングすることにより
殺菌する方法とした。この場合、源水の条件に左右され
る事なく電解式で得たオゾンは純粋であるから中性に近
く、人体への影響も少なく、オゾン殺菌処理した源水は
オゾン濃度として50μg/リットル以下の濃度にコン
トロールできれば飲用としても使用可能であり、排水も
公害問題に影響しないものとなる。
【0086】次に、一次側電源40が停止したときの実
施の形態1の陽極1を有する電解式オゾン発生装置3の
作用と電解槽2中の化学反応について説明する。
【0087】停電時やメンテナンスのため電解式オゾン
発生装置3の一次側電源40が通電不可となった時は、
停電検出リレー41により非常用制御回路18の制御が
作動する。
【0088】まず、可逆ポンプ14が駆動しアノード室
4,循環タンク19,ガス排出管33,循環パイプ34
の電解液12が可逆ポンプ14により吸い取られリター
ン管30を通じ、イオン交換樹脂塔13に戻される。
【0089】電解槽2の陽極1と陰極5には引き続きバ
ックアップ電源17より3.5Vの直流電圧が印加さ
れ、当初においては2Aの電流が流れる。しかし、電解
液12は存在しないため、陽極1に付着した電解液12
の残渣分が分解し、固体電解質膜7中に蓄積された水素
イオンが消費されると陽極1と陰極5との電荷移動物質
量が低下し、電解抵抗が上昇することになる。その結
果、陽極1と陰極5の電流値が低下する。
【0090】陽極1と陰極5間の電流値が所定値以下に
なると、直流電流値検知機構43が働き、放電運転が停
止し、陽極1と陰極5間の電圧の印加の停止と共に、可
逆ポンプ14も停止する。本実施の形態1においては電
流値が0.02A以下になると直流電流値検知機構43
が始動するように設定した。
【0091】放電運転が停止されると、可逆ポンプ14
も停止することになるが、逆流が可能であるため、イオ
ン交換樹脂塔13のイオン交換水が再びアノード室4,
循環タンク19に注水され満たされることになる。固体
電解質膜7がフッ素系の高分子膜であれば、乾燥状態で
収縮し脆くなり、ひび割れや劣化が進むが、本実施例の
形態1ではゾル−ゲル法により形成された水素イオン伝
導性ガラスが用いられているので、劣化や破損は抑制さ
れることになる。
【0092】従来例で説明したように、オゾン発生選択
性のあるβ型の二酸化鉛を陽極1の触媒層22として使
用した場合、電解液12が存在する状態において、電解
を停止すると、還元作用のある水素イオンの影響で、二
酸化鉛の酸素と反応し、鉛が溶出するか、β型の結晶構
造がα型に変化することによりオゾンの発生効率が低下
するが、陽極1と固体電解質膜7とを導通させている電
解液を抜き、水素イオンを消費させることで、逆電流の
発生を無くし、陽極面の劣化もなく、オゾン発生効率も
維持されることになる。
【0093】実施の形態1においては約30分で電流値
が0.02A以下になった。このときの蓄電池の容量は
可逆ポンプ14と吸入ファン37の運転容量を加えても
30分で2.5Aの電流容量で十分であり、1.25A
hの容量の蓄電池で可能となり、非常にコンパクトで低
価格の蓄電池が選定でき、さらにはそのまま長時間停止
を継続しても電極面の劣化も少ない。
【0094】又、さらに短時間での処理が必要である場
合には加温ヒーター42で陰極面から加温することによ
り20分のバックアップ電源17の通電で電流値が0.
02A以下になる。
【0095】又、耐食性金属基体とβ型の二酸化鉛との
密着性をあげるために、結合金属として白金を使用した
が、パラジウムでも良く、これらは最も一般的な表面処
理材であり、腐食性がなく生体への影響や廃棄公害を考
慮し選定したもので、その他の金や白金族金属であるル
テニウム,ロジウム,オスミウム,イリジイウムを使用
してもよい。
【0096】また、実施の形態1においては、触媒層2
2として二酸化鉛を使用したが、オゾン発生効率的には
現有するものの中では最適であるが、毒性等を考慮し、
二酸化スズやフェライト等の金属酸化物、または白金と
酸化チタンとの混合物も可能であり二酸化鉛に限定する
ものではない。
【0097】又、バックアップ電源の運転停止を電流値
0.02Aとしたが、電流密度が0.01A/cm2
下であれば、またはバックアップ電源17での通電初期
の電流値より10分の1以下になればオゾン発生効率の
劣化は抑制されることを多くの実験により確認した。
【0098】また、カソード室6の陰極5にガス拡散電
極20を用いたが、爆発の危険のある水の電解で生成す
る水素を水に置換でき、安全性の向上が図れ、また非常
用制御回路18でのバックアップ電源17の運転時には
固体電解質膜7への水分の影響が少なくできる点で有利
であるが、ガス拡散電極20を使用しなくても、ステン
レス等の金属で陰極5を形成し、カソード室6にも水を
介在させ水素ガスを生成し、別途、後処理で燃焼させる
方法でも実施可能である。
【0099】固体電解質膜7に用いる水素イオン伝導性
ガラスの製法として、ゾル−ゲル法により製造したが、
ゾル−ゲル法によるガラスの製法とは、各種金属アルコ
キシド溶液を加水分解し、その後、成形型に入れ重縮合
によりバルクのガラスを製造するものである。ガラスの
製造法としては高温で溶融する方法が一般的であるが、
ゾル−ゲル法は低温によりガラスの製造ができる特徴が
あり、ガラス材中に微細な空隙が形成される特徴をも
つ。また、通常の方法では作成できない新しい組成のガ
ラスが合成できる。
【0100】実施の形態1ではリン酸トリメチルとテト
ライソプロピルジルコニアとオルトケイ酸テトラエチル
の3種の金属アルコキシドを主成分素材として用いた。
リン酸とジルコニアのアルコキシドの加水分解はケイ酸
のアルコキシドに比べ加水分解の反応速度が早いため、
水とアルコールにまずオルトケイ酸テトラエチルを加え
加水分解反応を先行させた。その後、事前にリン酸トリ
メチルとテトライソプロピルジルコニアを混ぜ2つの金
属アルコキシドをなじませた混液を加えた。少量の塩酸
は加水分解の反応を円滑に行う触媒作用をもつ。
【0101】それぞれの金属アルコキシドの加水分解反
応は化6,化8,化10で示す反応式で水酸化物を形成
し、さらに化7,化9,化11の反応式によって重縮合
が進むと、金属酸化物の粒子がゾル状になり、さらに粒
子が凝集し湿潤なゲル状に変化する。その後、200℃
で乾燥すると微細な空隙を有する多孔質状のガラス材と
なる。最終的には5P2 5 ・5ZrO2 ・90SiO
2 で示される水素イオン伝導性ガラス材を生成した。
【0102】
【化6】
【0103】
【化7】
【0104】
【化8】
【0105】
【化9】
【0106】
【化10】
【0107】
【化11】
【0108】通常の溶融により製造されるガラス材であ
れば、微細な空隙の形成は少なく、シリカガラスなどは
不活性な酸化物であり、不電導体である。しかし、ゾル
−ゲル法による製法で微細な空隙を有し、リン酸を含む
成分とすることで、空隙に水が吸着され、水分子の水素
とリン酸とが反応し、水素イオンが形成する。この水素
イオンは隣の水分子やリン酸との間を自由に動き回るこ
とになり、水素イオン伝導性の機能を有するガラスとな
る。
【0109】実施の形態1ではリン酸トリメチルとテト
ライソプロピルジルコニアとオルトケイ酸テトラエチル
の3種の金属アルコキシドを主成分素材として用いた
が、その他のアルコキシドとしては硼酸トリメチル,テ
トラエチルゲルマニウム,トリメチルアンチモン,バナ
ジウム酸トリメチル,五イソプロピルタンタル,テトラ
エチルチタン等があり、それぞれゾル−ゲル法でのガラ
ス質の生成において水素イオン伝導性となるが、リン酸
のアルコキシドがもっとも水素イオン伝導性の良いガラ
ス質を形成し、また、ケイ酸とジルコニアのアルコキシ
ドがバルク状のガラス質を形成するときの成形性と剛性
を保つものであった。
【0110】又、実施の形態1ではリン酸のアルコキシ
ドの成分モル比率を0.05で形成しているが、0.0
2以下になると水素イオン伝導性が損なわれ、固体電解
質膜7として十分な役目を果たすものでなく、また、
0.5以上になるとバルクのガラス質を形成できず、ゼ
ロギャップ電極として表面に電極を圧着するには剛性が
不足するものであった。
【0111】又、本発明の実施の形態1ではゾル−ゲル
法で粒子が凝集し湿潤なゲル状に変化した後、200℃
で乾燥させたが、400℃以上では、水分子を吸着する
微細な空隙が減少し、十分な水素イオン伝導性が発揮し
なくなり、また、100℃以下では、固体電解質膜7と
して電解を加え電流を流した時、オーム損による発熱で
重縮合反応が進み、収縮変形を生じ、電極との密着性が
損なわれることとなる。特に、電解液除去機構15が働
き、固体電解質膜7から水分子が無くなって、局部的な
加熱が進むと100℃以下の乾燥処理条件では大きな変
形が生じる。
【0112】(実施の形態2)図4は実施の形態2にお
ける電解液除去機構15を有する電解式オゾン発生装置
3を取りつけた浄化水槽47の概要図である。
【0113】電解槽2内の細部構成と直流電源9と停電
等による一次側電源40停止時にバックアップ電源17
が適切に作動する非常用制御回路18については、実施
形態1と同じであり、図示せず、また説明から省く。
【0114】被処理水である源水48が蓄えられた浄化
水槽47に、源水48を循環攪拌させる揚水ポンプ49
が設置されており、モータ50の回転力で揚水ポンプ4
9の羽根51が回転し、揚水パイプ52内において源水
48の水位HからPの水位にまで汲み上げ、排水口53
から流れ出すことにより、浄化水槽47の源水48を循
環攪拌する。
【0115】イオン交換樹脂塔13は揚水パイプ52の
排水口53側となる加圧部54とをサイフォン管55で
結ばれている。イオン交換樹脂塔13の塔出口56は電
解槽2に給水口57と排出口58で液移動可能とした気
液分離管59に連結され、電解槽2内の陽極1と固体電
解質膜7との界面で水の電解反応が生じ生成する酸素と
オゾンのガスは排出口58から気液分離管59のガス溜
り部60よりガス調整バルブ61を介し再び揚水パイプ
52の揚水ポンプ49の吸水側減圧部62とガス導入管
63で結ばれている。
【0116】尚、電解槽2は源水48の水位Hから揚水
パイプ52の揚水位Pの間の高さに設置され、すなわち
アノード室内の陽極1面は揚水ポンプ49停止時の水槽
内水位Hより高い位置に固定されることになり、アノー
ド室4の電解液除去機構15として働くように取りつけ
てある。64は余分のオゾンを排出分解するオゾン分解
触媒が入ったオゾン処理装置である。
【0117】また、65は揚水パイプ52内のサイフォ
ン管55より排水口53側に取りつけられた加圧部54
の圧力を調整するための揚水パイプ内面積を自由に変え
られる絞り弁で、66は開閉可能な注水口である。
【0118】以下、上記で説明した実施の形態2の電解
式オゾン発生装置3を備えた浄化水槽47の作用につい
て説明する。
【0119】まず、浄化水槽47に源水を満たし、開放
した注水口66から誘い水を注水しサイフォン管55に
源水48を満たし、注水口66を閉じる。その結果水位
調整力によりサイフォン管55を通り源水48がイオン
交換樹脂塔13に流れ込むことになる。
【0120】流れ込んだ源水48はイオン交換樹脂膜2
6により陽イオンと陰イオンとが除去されイオン交換水
として気液分離管59の連結口67までに達する。揚水
ポンプ49が停止時には源水の水位Hの高さで停止して
いるが、揚水ポンプ49が稼働すると揚水パイプ52の
加圧部54の源水が加圧され揚水水位Pの位置まで上昇
すると共に、サイフォン管55を通じ加圧された源水4
8がイオン交換樹脂塔13から気液分離管59のPの揚
水位の高さにまで持ち上げられる。気液分離管59の水
位が上昇すると、イオン交換水となった源水48が給水
口57を通じ電解槽2内のアノード室4に侵入し、陽極
1と固体電解質膜7との界面を浸漬する。さらに排出口
58を抜け、気液分離管59の揚水位Pの高さで均衡す
る。
【0121】揚水ポンプ49が稼働すると同時に直流電
源9も稼働するので、電解液12となるイオン交換水で
浸漬された陽極1と固体電解質膜7との界面で水の電気
分解が開始される。電解槽2のアノード室4で生成され
た酸素とオゾンのガスは浮力により排出口58を通り気
液分離管59のガス溜り部60に導かれ、さらに揚水ポ
ンプ49の減圧部62に結ばれたガス導入管63により
揚水ポンプ49の羽根51の手前に導入される。導入さ
れたガスは揚水ポンプ49の羽根51で源水とミキシン
グされオゾン水となり循環攪拌される源水48中の雑菌
を殺し、または有機物を分解する。源水48に導入され
るガス量はガス調整バルブ61により調整でき、源水4
8中のオゾン濃度をコントロールすることができる。
【0122】一次側電源40が停止すると揚水ポンプ4
9が停止すると共に、Pの揚水位が源水48の水位Hに
まで低下し、水位調整力により気液分離管59のイオン
交換水及び電解槽2内のアノード室4の電解液12はイ
オン交換樹脂塔13に戻され、アノード室4の陽極1面
を浸漬していた電解液12も除去できる。
【0123】また、同時に非常用直流電源であるバック
アップ電源17が適切に作動する非常用制御回路18が
働き、所定時間の通電が継続するので陽極1及び固体電
解質膜7に付着し残った水分まで完全に除去する。
【0124】実施の形態1でも説明したように電解液1
2が存在する状態で電解を停止すると還元作用のある水
素イオンの影響を受け二酸化鉛の酸素と反応し鉛が溶出
するか、β型の結晶構造がα型の結晶構造となりオゾン
発生効率が低下することになる。その対策として、実施
の形態1では可逆ポンプ14を利用して電解停止時に強
制的に電解槽2内の電解液12を除去したが、浄化水槽
47の揚水ポンプ49の稼働時の加圧部54と電解槽2
とをサイフォン管55で連結させ、電解槽2の取付位置
を源水の水位Hより高くしておくことにより、自動的に
揚水ポンプ49が停止すると電解槽2の電解液12が除
去できることとなる。
【0125】また、揚水ポンプ49による揚水高さPが
明確になることで、揚水高さPより低い位置に電解槽2
すなわち陽極1面を固定する目安となり、確実に、揚水
ポンプ49の稼働時に陽極1面が電解液12に浸漬され
ることとなり、電解槽2の取付位置の確認が容易とな
る。
【0126】また、揚水パイプ52の排水口53の近辺
に取りつけた絞り弁65の調整により、排水口53の面
積を変化させ、揚水パイプ52内に加わる加圧部54の
水圧を変化させることで、電解槽2及び気液分離管59
の水位を自由にコントロールできるものである。
【0127】(実施の形態3)図5は実施の形態3にお
ける電解液除去機構15を有する電解式オゾン発生装置
3を取りつけた浄化水槽47の概要図である。
【0128】電解槽2内の細部構成と直流電源9と停電
等による一次側電源40の停止時にバックアップ電源1
7が適切に作動する非常用制御回路18については実施
形態1と、また揚水ポンプ49と電解式オゾン発生装置
3については実施の形態2と同じであり、説明から省
く。
【0129】68は被処理水である源水48を循環攪拌
させる揚水ポンプ49で汲み上げられる揚水を受け入れ
る高台容器であり、電解液除去機構15としてイオン交
換樹脂塔13の入口と高台容器68とは浄化水槽47内
の水位Hより低い位置に細孔からなる水抜き回路69を
もつサイフォン管70で結ばれている。
【0130】また、電解槽2内のアノード室4の陽極1
面は高台容器68の揚水位Pより低く、揚水ポンプ49
の停止時の水槽内水位Hより高い位置に固定され、揚水
ポンプ49の稼働時には高台容器68内の水位Pとの水
圧差により加圧された源水48がイオン交換樹脂塔13
を通過したイオン交換水で、アノード室4内の陽極1面
を浸漬する構造となっている。
【0131】以下、上記で説明した実施の形態3の電解
式オゾン発生装置3を備えた浄化水槽47の作用につい
て説明する。
【0132】まず、浄化水槽47に源水を満たすと、水
抜き回路69よりイオン交換樹脂塔13に源水48が流
れ込むことになる。
【0133】流れ込んだ源水48はイオン交換樹脂膜2
6により陽イオンと陰イオンとが除去されイオン交換水
として気液分離管59の連結口67までに達する。揚水
ポンプ49が停止時には源水48の水位Hの高さで停止
しているが、揚水ポンプ49が稼働すると高台容器68
に源水48が汲み上げられる。汲み上げる量は細孔から
なる水抜き回路69とオーバーフローする水71の量よ
りも大きいため、高台容器68の水位がPの位置まで上
昇する。イオン交換樹脂塔13と高台容器68を連結す
るサイフォン管70内はPの位置までの水圧がかかるの
で気液分離管59のPの高さと同じ水位までイオン交換
水が入り、同時に気液分離管59と併設された電解槽2
にイオン交換水が入りアノード室4の陽極1と固体電解
質膜7との界面にイオン交換水の電解液12が満たされ
ることになる。
【0134】以下実施の形態2と同じであるが、揚水ポ
ンプ49が稼働すると同時に直流電源9も稼働するの
で、電解液12となるイオン交換水で浸漬された陽極1
と固体電解質膜7との界面で水の電気分解が開始され
る。電解槽2のアノード室4で生成された酸素とオゾン
のガスは浮力により排出口58を通り気液分離管59の
ガス溜り部60に導かれ、さらに揚水ポンプ49の減圧
部62に結ばれたガス導入管63により揚水ポンプ49
の羽根51の手前に導入される。導入されたガスは揚水
ポンプ49の羽根51で源水とミキシングされオゾン水
となり循環攪拌される源水48中の雑菌を殺し、または
有機物を分解する。
【0135】一次側電源40が停止すると揚水ポンプ4
9が停止すると共に、Pの揚水位が源水48の水位Hに
まで低下し、水位調整力により水抜き回路69から徐々
に抜けるため、気液分離管59のイオン交換水及び電解
槽2内のアノード室4の電解液12はイオン交換樹脂塔
13に戻され、アノード室4の陽極1の面を浸漬してい
た電解液12も除去できる。
【0136】また、同時に非常用直流電源であるバック
アップ電源17が適切に作動する非常用制御回路18が
働き、所定時間の通電が継続するので陽極1及び固体電
解質膜7に付着して残った水分まで完全に除去する。
【0137】
【発明の効果】以上のように本発明の電解式オゾン発生
装置とその装置を備えた浄化水槽は、電解液と、陰電極
を有するカソード室と、オゾンガス発生電極である陽極
を有するアノード室と、前記カソード室とアノード室と
を仕切る固体電解質膜と、アノード室の電解液除去機構
と、前記陰極と陽極に直流電流を通電する通常直流電源
と非常停止時用バックアップ電源と、通常直流電源の停
止時にはバックアップ電源により電解液除去機構を稼働
させると共に、所定の時間、前記陰極と陽極とに通電す
る非常用制御回路とを備えている電解式オゾン発生装置
で、通電を停止する場合、通電しながらアノード室の電
解液を除去し、陰極と陽極との電解抵抗が増加し、電解
電流値が減少した後、直流電源の通電を停止するもの
で、逆電荷を伝達する因子となる水素イオンを形成させ
る電解液を無くし、また、固体電解質膜に蓄積した水素
イオンをも完全に除去することにより、電解停止後に水
素イオンの還元作用を無くすとともに、逆電解の電流が
生成する事をなくし、電極面の劣化を防止するものであ
る。
【0138】また、固体電解質膜をゾル−ゲル法により
成形された水素イオン伝導性ガラス材としたもので、電
解液を除去し電解を加えており、フッ素系の高分子材料
では乾燥によるひび割れや過電流によるやけが生じた
が、水素イオン伝導性ガラス材とすることで、固体電解
質膜の耐乾燥性と耐熱性を改良し、信頼性を向上したも
のである。
【0139】また、水素イオン伝導性ガラス材をゾル−
ゲル法で製造する時に用いられる主成分素材は、リン酸
のアルコキシドとケイ素および/又はジルコニアのアル
コキシドとしたもので、リン酸は水素イオン伝導性ガラ
ス材に取り込まれた水分子の水素と反応し、自由に移動
する水素イオンを形成する役目を持ち、ケイ素とジルコ
ニアはガラス材としての成形性と剛性を引き出す役目を
持ち、ゼロギャップ電極を形成する固体電解質膜として
の剛性を保ち、又、水素イオン伝達機能を効率的なもの
とする。
【0140】また、リン酸のアルコキシドの成分モル比
は、使用される金属アルコキシドの全モル量に対し0.
02〜0.5の範囲内にしたもので、モル比が0.02
以下では十分な水素イオン伝達機能が発揮できず、又、
0.5以上ではガラス成形が困難となり剛性を欠くもの
となる。
【0141】また、ゾル−ゲル法により成形されてい
て、しかも100℃以上で且つ500℃以下で熱処理し
た水素イオン伝導性ガラス材を用いたもので、100℃
以下での熱処理では、固体電解質膜として電解を加えた
ときのオーム損による発熱で重縮合反応が進み固体電解
質膜体が収縮変形を引き起こし、電極との密着が損なわ
れることになる。又、500℃以上の熱処理となるとゾ
ル−ゲル法にて成形された水素イオン伝導性ガラス材に
必要な空隙がなくなり、水分子の吸着量が少なくなり、
水素イオン伝導性能が著しく低下することとなる。
【0142】また、被処理水が蓄えられた浄化水槽と、
被処理水を循環攪拌させる揚水ポンプと、イオン交換樹
脂塔と、アノード室の電解液除去機構を有する電解式オ
ゾン発生装置とを具備していて、アノード室の電解液除
去機構としてイオン交換樹脂塔入口と揚水ポンプの排水
側加圧パイプ部とはサイフォン管で結ばれ、電解水は前
記イオン交換樹脂塔を通過したイオン交換水とし、アノ
ード室の生成ガス溜り部と揚水ポンプの給水側減圧部と
はガス導入管で結び、前記アノード室の陽電極面は揚水
ポンプ停止時の水槽内水位より高い位置に固定され、揚
水ポンプの稼働時には揚水ポンプの排水側加圧パイプ内
部で加圧された被処理水がイオン交換樹脂塔を通過し前
記アノード室内の陽極面を浸漬するもので、揚水ポンプ
の停止によりアノード室の電解液が自動的に除去される
ことで、逆電荷を伝達する因子となる水素イオンを形成
させる電解液を無くし、また、固体電解質膜に蓄積され
た水素イオンを完全に除去することにより、逆電解の電
流が生じる事なく、電極面の劣化を自動的に容易に防止
処理するものである。
【0143】また、揚水ポンプによる揚水高さより低く
陽極面を固定したもので、揚水圧の高さにより比較的簡
単に適切な電解式オゾン発生装置の位置を決定できるも
のである。
【0144】また、被処理水が蓄えられた浄化水槽と、
被処理水を循環攪拌させる揚水ポンプと、イオン交換樹
脂塔と、アノード室の電解液除去機構を有する電解オゾ
ン発生装置と、揚水を受け入れる高台容器とからなり、
アノード室の電解液除去機構としてイオン交換樹脂塔入
口と高台容器とを具備していて、水槽内水位より低い位
置に細孔からなる水抜き回路をもつサイフォン管で結ば
れ、電解水は前記イオン交換樹脂塔を通過したイオン交
換水とし、アノード室の生成ガス溜り部と揚水ポンプの
給水側減圧部とは導入管で結ばれ、前記陽極面は高台容
器の水位より低く揚水ポンプ停止時の水槽内水位より高
い位置に固定され、揚水ポンプの稼働時には高台容器内
水位との水圧差により加圧された被処理水がイオン交換
樹脂塔を通過したイオン交換水で前記アノード室の陽極
面が浸漬するもので、高台容器により揚水圧が一定とな
ることで電解セル中の電解水の位置が安定するものであ
る。
【0145】また、揚水ポンプの排水側加圧パイプ部の
サイフォン管の取り付け部の排水口側に排水口面積を変
動させる絞り弁を設けたもので、絞り弁により電解液の
圧力を調整でき、電解式オゾン発生装置の取付位置が浄
化水槽の停止水位以上であれば自由に設定できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における電解槽の横断面
【図2】同実施の形態1における電解式オゾン発生装置
の概要図
【図3】同実施の形態1における陽極と固体電解質膜と
陰極との接合部の要部拡大断面図
【図4】本発明の実施の形態2における電解式オゾン発
生装置とその装置を備えた浄化水槽の概要図
【図5】本発明の実施の形態3における電解式オゾン発
生装置とその装置を備えた浄化水槽の概要図
【符号の説明】
1 陽極 2 電解槽 3 電解式オゾン発生装置 4 アノード室 5 陰極 6 カソード室 7 固体電解質膜 9 直流電源 12 電解液 13 イオン交換樹脂塔 14 可逆ポンプ 15 電解液除去機構 16 通常用制御回路 17 バックアップ電源 18 非常用制御回路 23,55,70 サイフォン管 47 浄化水槽 49 揚水ポンプ 52 揚水パイプ 53 排水口 54 加圧部 60 ガス溜り部 62 減圧部 63 ガス導入管 65 絞り弁 68 高台容器 69 水抜き回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/46 C02F 1/46 Z 4D061 1/50 510 1/50 510A 4G042 520 520B 4K021 520J 531 531R 540 540A 550 550D 560 560F 1/78 1/78 C25B 1/30 C25B 1/30 13/04 301 13/04 301 G07F 13/00 G07F 13/00 B Fターム(参考) 2B104 CA03 EF13 3E047 DA01 DC04 DC08 GA06 4D006 GA17 HA41 JA42A JA42C JA70A KB11 MA03 MB15 MC28 MC74 NA04 NA46 NA64 PB06 PB24 PC51 PC53 PC80 4D025 AA03 BB07 DA05 DA06 4D050 AA04 AB04 AB06 AB12 BB01 BB02 BD03 BD04 BD06 BD08 CA08 CA10 4D061 DA03 DA06 DB01 DB20 EA03 EB04 EB13 EB29 EB30 EB31 EB39 EB40 FA08 FA09 GA12 GA14 GC16 GC20 4G042 CA04 CB23 CC10 CE04 4K021 AA01 AB15 BA02 BC03 CA03 CA09 DB05 DB12 DB13 DB16 DB18 DB19 DB21 DB22 DB40 DB53 DC07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液と、陰極を有するカソード室と、
    オゾンガス発生電極である陽極を有するアノード室と、
    前記カソード室とアノード室とを仕切る固体電解質膜
    と、前記アノード室の電解液除去機構と、前記陰極と陽
    極に直流電流を通電する通常直流電源と、非常停止時用
    のバックアップ電源と、通常直流電源の停止時にはバッ
    クアップ電源により電解液除去機構を稼働させると共
    に、所定の時間、前記陰極と陽極とに通電する非常用制
    御回路とを備えていることを特徴とする電解式オゾン発
    生装置。
  2. 【請求項2】 固体電解質膜を、ゾル−ゲル法により製
    造された水素イオン伝導性ガラス材としたことを特徴と
    する請求項1記載の電解式オゾン発生装置。
  3. 【請求項3】 水素イオン伝導性ガラス材をゾル−ゲル
    法で製造する時に用いる主成分素材は、リン酸のアルコ
    キシドとケイ素および/又はジルコニアのアルコキシド
    としたことを特徴とする請求項2記載の電解式オゾン発
    生装置。
  4. 【請求項4】 リン酸のアルコキシドの成分モル比は、
    使用される金属アルコキシドの全モル量に対し0.02
    〜0.5の範囲内としたことを特徴とする請求項3記載
    の電解式オゾン発生装置。
  5. 【請求項5】 ゾル−ゲル法により成形されていて、し
    かも100℃以上で且つ400℃以下の温度で熱処理し
    た水素イオン伝導性ガラス材を用いた請求項2ないし4
    のいずれか1項に記載の電解式オゾン発生装置。
  6. 【請求項6】 源水が蓄えられた浄化水槽と、源水を循
    環攪拌させる揚水ポンプと、イオン交換樹脂塔と、請求
    項1ないし5のいずれか1項に記載の電解式オゾン発生
    装置とを具備していて、アノード室の電解液除去機構と
    してイオン交換樹脂塔入口と揚水ポンプの揚水パイプの
    排水口側加圧部とをサイフォン管で結び、電解水は前記
    イオン交換樹脂塔を通過したイオン交換水とし、アノー
    ド室と通じる生成ガス溜り部と揚水ポンプの給水側減圧
    部とはガス導入管で結び、前記アノード室内の陽極面は
    揚水ポンプ停止時の水槽内水位より高い位置に固定さ
    れ、揚水ポンプの稼働時には揚水ポンプの揚水パイプの
    排水口側加圧部で加圧された被処理水がイオン交換樹脂
    塔を通過し、前記アノード室内の陽極面を浸漬すること
    を特徴とする電解式オゾン発生装置を備えた浄化水槽。
  7. 【請求項7】 揚水ポンプによる揚水高さより低く陽極
    面を固定した請求項6記載の電解式オゾン発生装置を備
    えた浄化水槽。
  8. 【請求項8】 被処理水が蓄えられた浄化水槽と、被処
    理水を循環攪拌させる揚水ポンプと、イオン交換樹脂塔
    と、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電解オゾ
    ン発生装置と、揚水を受け入れる高台容器とを具備して
    いて、アノード室の電解液除去機構としてイオン交換樹
    脂塔入口と高台容器とは水槽内水位より低い位置に細孔
    からなる水抜き回路をもつサイフォン管で結び、電解水
    は前記イオン交換樹脂塔を通過したイオン交換水とし、
    アノード室に通じる生成ガス溜り部と揚水ポンプの給水
    側減圧部とはガス導入管で結び、前記アノード室の陽極
    面は高台容器の水位より低く、揚水ポンプ停止時の水槽
    内水位より高い位置に固定され、揚水ポンプの稼働時に
    は高台容器内水位の水圧差により加圧された被処理水が
    イオン交換樹脂塔を通過したイオン交換水で、前記アノ
    ード室内の陽極面が浸漬することを特徴とする電解式オ
    ゾン発生装置を備えた浄化水槽。
  9. 【請求項9】 揚水ポンプの揚水パイプの排水口側加圧
    部のサイフォン管の取り付け部の排水口側に排水口面積
    を変動させる絞り弁を設けた請求項6記載の電解式オゾ
    ン発生装置を備えた浄化水槽。
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