JPH11264090A - 電解式オゾン発生装置とその停止方法 - Google Patents

電解式オゾン発生装置とその停止方法

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JPH11264090A
JPH11264090A JP10065018A JP6501898A JPH11264090A JP H11264090 A JPH11264090 A JP H11264090A JP 10065018 A JP10065018 A JP 10065018A JP 6501898 A JP6501898 A JP 6501898A JP H11264090 A JPH11264090 A JP H11264090A
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JP
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electrolytic
positive electrode
power supply
electrode
ozone
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JP10065018A
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English (en)
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Masatoshi Inatani
正敏 稲谷
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解式オゾン発生装置の電解停止時における
陽電極面のオゾン発生効率の劣化を防止することを課題
とする。 【解決手段】 一次電源停止時にアノード室4から電解
液12を除去する電解液除去機構15と、陽電極1と陰
電極5に引き続き通電するバックアップ電源17とを備
えていて、通常直流電源の停止時にはバックアップ電源
17により電解液除去機構15を稼働させると共に、陰
電極5と陽電極1とに通電する非常用制御回路18を具
備した電解式オゾン発生装置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水の殺菌浄化、生
鮮野菜の洗浄殺菌や各種汚染物質の殺菌洗浄、工業材料
の表面処理等を目的に、水を電気分解してオゾンを生成
するのに適したガス発生電極を備えた電解式オゾン発生
装置とその停止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オゾンの生成方法としては放電や紫外線
により空気中の酸素をオゾンに酸化させる方法と、水を
電気的に水素と酸素に分解し、その副生成物としてオゾ
ンを生成させる方法とがある。空気中の酸素からオゾン
を生成する方法は、空気中の約80%の窒素も同時に酸
化するため、二酸化窒素や一酸化窒素等の窒素酸化物も
生成し、処理ガスを水に吹き込み溶解させオゾン水を製
造すると同時に窒素酸化物が硝酸となるため強酸性のオ
ゾン水となる。
【0003】また、空気には80%の窒素ガスが含ま
れ、酸素濃度は20%と低く、生成する処理ガス中のオ
ゾンガス分圧は低くなり、水へのオゾンの溶解量が小さ
く、低濃度のオゾン水しか製造できない。従って、水に
高濃度でオゾンを溶かし、中性かつ純粋でクリーンなオ
ゾン水を生成するには水の電気分解による方法が好まし
い。
【0004】通常、この電気分解によるオゾンの生成に
は、イオン交換水の入った電解槽をアノード室とカソー
ド室とに固体電解質膜で仕切り、その固体電解質膜の両
側に通気性のある多孔質状の陽電極と陰電極を圧着させ
たゼロギャップ電解槽を使用する。
【0005】アノード室には電解液と接する陽電極があ
り、この陽電極にはラス材のような多孔質状の金属チタ
ンを基体とし、白金めっき層を介してβ型二酸化鉛を電
着したものを使用する。
【0006】カソード室には陰電極を配設し、陽電極と
同様に多孔質状の金属チタン基体上に白金めっき処理を
行ったものか、ニッケル発泡体か、ステンレス繊維状シ
ート等を使用する。多孔質状の電極を使用する理由は、
カソード室内で水の電気分解によってイオン交換膜と陰
電極表面との界面で生じる水素ガスを陰電極背面に順次
通過させ排出するためであり、アノード室においても同
様に固体電解質膜と陽電極との界面に水の分解によって
生じる酸素ガスやオゾンガスを陽電極背面に順次通過さ
せ排出するためである。
【0007】また、陽電極の基体材として金属チタン材
を選定し、電極基体の表面に白金や二酸化鉛を形成する
のは、陽電極の固体電解質膜の表面が強酸性となり、こ
れに接する電極膜は当然のことながら耐酸性材料でなけ
ればならないためで、対極となる陰極も比較的耐酸性を
要するため白金か、ニッケル発泡体か、ステンレスの繊
維状シート等を使用する。
【0008】さらに、陽電極の表面処理としてβ型二酸
化鉛が選ばれるのは、オゾンの生成を目的とする場合、
他の電極材料では効率面で著しく劣るからである。
【0009】陽電極の各種表面処理材とオゾン発生効率
との関係については、P.C.FollerとC.W.
TobiasがJ.Electrochem.Soc.
の129巻506頁に電流密度とオゾン電流効率との関
係として1982年に発表している。
【0010】通常、このβ型二酸化鉛を金属チタンのラ
ス材に表面処理する方法は硝酸鉛のめっき浴での電着に
より陽極析出され、また白金の表面処理は白金酸塩のめ
っき浴で陰極析出させて形成する。
【0011】しかし、この種の電解式オゾン発生装置は
運転と休止とを順次繰り返すと、オゾン製造能力が著し
く低下することが知られている。
【0012】すなわち、運転により所定のオゾン濃度が
得られている状態から、一時運転を休止し、再度運転を
開始しても当初のオゾン濃度が得られず、所定のオゾン
濃度になるまでの時間も一定でなく、一般的には休止時
間が長いと運転再開後に所定のオゾン発生量を確保する
のにかなりの運転時間が必要となる。また、休止時間の
累計が長くなるに従って、このオゾン濃度を確保するま
での時間がさらに長くなる傾向を有するものである。ま
た、休止を何度も繰り返していると最終的にはオゾンの
発生が無くなり、運転を長時間行ってもオゾン濃度が回
復しなくなる状態にまで至る。
【0013】この原因は、運転休止時において固体電解
質膜内に蓄えられた水素イオンが陽極表面のβ型二酸化
鉛に還元剤として作用し、二酸化鉛中の酸素と反応し二
酸化鉛を溶解するか、β型の結晶構造を持つ二酸化鉛を
α型の二酸化鉛に変質させるためである。
【0014】すなわち、先のP.C.Foller等の
報告によれば、α型の二酸化鉛はβ型二酸化鉛に比べオ
ゾン発生効率は50%程度しかなく、白金面においては
ゼロに近い状態であり、休止を何度も繰り返すと、二酸
化鉛の溶解が進み、下地層の白金面が露出し、オゾンの
発生がゼロとなり、運転を長時間行ってもオゾンが回復
しなくなる。
【0015】上記の問題点を解決する方法として、特公
平6−76672号公報に示されているように、通常の
運転時に陽電極と陰電極との間に印加するための高電圧
出力端子と、この高電圧出力端子の電圧の3分の1ない
しは2分の1の同極性の電圧を印加する低電圧出力端子
を設け、電源装置は高電圧出力端子と低電圧出力端子と
を切り換え連結を可能とすることにより、通常運転時間
外にもバックアップ電源として常に低電圧を各電極に働
くようにしたものが提案されている。
【0016】このように常にバックアップ電源を加えて
おくことにより、固体電解質膜には常に陽電極から陰電
極に流れる水素イオンの流れを持たせ、電極面に逆の電
流が流れないようにすることができ、オゾン選択性触媒
電極面の結晶構造の変化や二酸化鉛の溶解が防止でき
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特公平6−76672号公報に開示のように、通常運転
時間外にはバックアップ電源として常に低電圧を両電極
に印加するには、比較的大きい蓄電池が必要である。例
えば電圧4Vで、0.5Aの電流を24時間維持するに
は、12Ah以上の容量を持つ蓄電池が必要となる。1
2Ahの定格容量の蓄電池は重量と容積が大きくてコン
パクトな設計が不可能となるばかりか、価格も高くな
り、また、24時間以上の停止時にはオゾン発生効率の
低下が発生し、さらに、蓄電のためのエネルギーロスが
大きく経済的に不利となる問題点がある。
【0018】そこで本発明は前記する従来の問題点を解
消する電解式オゾン発生装置とその停止方法を実現しよ
うとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するためにアノード室に電解液除去機構と、非常停止
時用のバックアップ電源とを併設し、通常直流電源の停
止時にはバックアップ電源により電解液除去機構を稼働
させると共に、陰電極と陽電極とに所定時間通電する非
常用制御回路とを備えた電解式オゾン発生装置で、ま
た、非常停止時用のバックアップ電源での稼働時に、陰
電極と陽電極に流れる直流電流値が所定の値以下になる
と通電を停止するように直流電流値の検知機構と非常用
制御回路とを具備することとしたものである。
【0020】さらに、非常停止時用のバックアップ電源
での稼働時に、陰電極と陽電極に流れる直流電流値が電
解電流値の1/10以下、または/及び、0.01A/
cm 2 以下に低下したことを検知した後、通電を停止す
る電解式オゾン発生装置で、電解液除去機構に可逆ポン
プを使用し、カソード室に空気または酸素を送り込む吸
排気機構と陰極にガス拡散電極を使用し、ガス注入機構
に加温ヒーターを取りつけたものである。
【0021】また、電解液と、陰電極を有するカソード
室と、オゾンガス発生電極である陽電極を有するアノー
ド室と、前記カソード室とアノード室とを仕切る固体電
解質膜とを備えていて、前記陰電極と陽電極とを直流電
源にて通電し、陽電極よりオゾンを生成させる電解式オ
ゾン発生装置で、通電を停止する場合、通電しながらア
ノード室の電解液を除去し、陰電極と陽電極との電解抵
抗が増加し、電解電流値が減少した後、直流電源の通電
を停止することとしたもので、さらに停止後、再びアノ
ード室へ注水する電解式オゾン発生装置の停止方法とし
たものである。
【0022】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、電解液
と、陰電極を有するカソード室と、オゾンガス発生電極
である陽電極を有するアノード室と、前記カソード室と
アノード室とを仕切る固体電解質膜と、アノード室の電
解液除去機構と、前記陰電極と陽電極に直流電流を通電
する通常直流電源、及び、非常停止時用のバックアップ
電源とを備えていて、通常直流電源の停止時にはバック
アップ電源により電解液除去機構を稼働させると共に、
所定の時間、前記陰電極と陽電極とに通電する非常用制
御回路とを具備するもので、通常直流電源停止時には非
常停止時用のバックアップ電源により陰電極と陽電極へ
の通電が継続され、アノード室の電解液が除去されるこ
とで逆電荷を伝達する因子となる水素イオンを形成させ
る電解液を無くし、また、固体電解質膜に蓄積された水
素イオンを完全に除去することにより、逆電解の電流が
生じることなく、電極面の劣化を自動的に防止処理する
ものである。
【0023】また、請求項2記載の発明は、非常停止時
用のバックアップ電源での稼働時に、陰電極と陽電極に
流れる直流電流値が所定の値以下になると通電を停止す
るように直流電流値の検知機構と非常用制御回路とを具
備する電解式オゾン発生装置としたものであり、電解液
と水素イオンが完全に除去されたことを電解電流値で数
値化することにより、停止処理のバラツキを無くすこと
ができる。
【0024】また、請求項3記載の発明は、非常停止時
用のバックアップ電源での稼働時に、陰電極と陽電極に
流れる直流電流値が電解電流値の1/10以下、または
/及び、0.01A/cm2 以下に低下したことを検知
した後、通電を停止する電解式オゾン発生装置であっ
て、オゾンガス発生電極の溶解や劣化の防止ができ、エ
ネルギー的に適切な停止時期とするものである。
【0025】また、請求項4記載の発明は、電解液除去
機構に可逆ポンプを使用したことを特徴とする電解式オ
ゾン発生装置であって、可逆ポンプを使用することでポ
ンプ停止により汲み上げた水が自然に再度電解槽に戻
り、固体電解質膜の乾燥による劣化や破損を防止するも
のである。
【0026】また、請求項5記載の発明は、カソード室
に空気または酸素を送り込む吸排気機構と陰極にガス拡
散電極を使用したことを特徴とする請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の電解式オゾン発生装置であっ
て、カソード室に水溶液を使用しないことで、電解液除
去を行ったアノード室への影響を極力少なくしたもので
ある。
【0027】また、請求項6記載の発明は、ガス注入機
構に加温ヒーターを取りつけたことを特徴とするもの
で、固体電解質膜の水分を熱による乾燥の力を借りなが
ら除去を促進させる電解式オゾン発生装置である。
【0028】また、請求項7記載の発明は、電解液と、
陰電極を有するカソード室と、オゾンガス発生電極であ
る陽電極を有するアノード室と、前記カソード室とアノ
ード室とを仕切る固体電解質膜とからなり、前記陰電極
と陽電極とを直流電源にて通電し、陽電極よりオゾンを
生成させる電解式オゾン発生装置で、通電を停止する場
合、通電しながらアノード室の電解液を除去し、陰電極
と陽電極との電解抵抗が増加し、電解電流値が減少した
後、直流電源の通電を停止するもので、逆電荷を伝達す
る因子となる水素イオンを形成させる電解液を無くし、
また、固体電解質膜に蓄積した水素イオンをも完全に除
去することにより、電解停止後に水素イオンの還元作用
を無くすと共に、逆電解の電流が生成することを無く
し、電極面の劣化を防止するものである。
【0029】また、請求項8記載の発明は、電解抵抗が
増加し、電解電流値が減少した後、直流電源の通電を停
止し、その後、再びアノード室への注水工程を設けるこ
とにより、固体電解質膜の乾燥によるひび割れや劣化を
防止するものである。
【0030】以下本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0031】
【実施例】図1は本発明の実施例におけるオゾン発生装
置の電解槽の断面図である。図1において、1はオゾン
を発生する陽電極で、ゼロギャップ式の電解槽2内に配
設したものである。図2は同じくオゾンを発生する陽電
極を用いた電解槽2を組み込んだ電解式オゾン発生装置
3の断面図を示すものである。
【0032】電解槽2は、オゾンを発生する陽電極1を
有するアノード室4と、陰電極5を持つカソード室6と
で構成されており、アノード室4とカソード室6は固体
電解質膜7で形成する隔壁8で仕切られている。固体電
解質膜7は水素イオンの交換機能があるスルフォン酸基
を持つフッ素樹脂を主体とする膜であり、スルフォン酸
基の水素イオンが自由に出入りする性質を利用して水素
イオン伝導型の固体電解質膜7として開発されたもので
ある。この固体電解質膜7は水素イオンのみを伝達する
性質を持つ高分子物質であり、その他のイオンを伝導し
たり、透過したりすることは比較的少ない。本実施例で
使用した水素イオン伝導型膜の固体電解質膜7はデュポ
ン社からナフィオン膜との商品名で販売されているN1
17の固体高分子膜を用いた。
【0033】9は給電体10を介し陽電極1に正電位
を、集電体11を介し陰電極5に負の電位を付加する直
流電源である。
【0034】電解式オゾン発生装置3は、オゾン発生用
の電解槽2と、使用する水をイオン交換水の電解液12
に変えるイオン交換樹脂塔13と、可逆ポンプ14を主
体とする電解液除去機構15と、陰電極5と陽電極1に
直流電流を通常時に通電する直流電源9と通常用制御回
路16と、バックアップ電源17と、停電等による一次
側電源停止時にバックアップ電源17が適切に稼働する
ようにコントロールする非常用制御回路18と、イオン
交換水である電解液12が循環する循環タンク19とで
構成されている。
【0035】図3はオゾン発生電極である陽電極1と、
固体電解質膜7と、ガス拡散電極20と集電体11とか
らなる陰電極5とで構成されたゼロギャップ電極部の要
部拡大断面図である。
【0036】陽電極1は耐食性金属チタンの多孔質状の
基体21を用い、その基体21の表面はβ型の二酸化鉛
を電着によって形成したオゾン発生選択性の触媒層22
で覆われている。
【0037】本実施例の陽電極1に使用した基体21
は、びびり振動切削短繊維チタンを無酸素雰囲気で焼結
した東京製綱の金属繊維ポーラス板であり、表面積と後
加工で行う表面処理での目詰まりのことを考慮し、空隙
率60%で板厚2mmのものを使用した。
【0038】陰電極5は通気性を有する多孔性のメッシ
ュ状のものとして、表面に白金超微粒子を担持したカー
ボン粉末とフッ素樹脂粉末の混合物を加圧成形して適度
な揆水性を持たせた多孔性のガス拡散電極20と電荷を
均一に伝達する集電体11との接合体として形成されて
いる。
【0039】また、これらの陽電極1と陰電極5とも水
素イオン伝導型の固体電解質膜7を挟み密着して取りつ
けたゼロギャップ電極構成となっている。
【0040】イオン交換樹脂塔13は、殺菌処理を必要
とする源水の入ったシスターン(図示せず)と連通管2
3により連結されており、イオン交換樹脂塔13はシス
ターンの水が給水口24から水位調整力により給水する
位置に設置している。
【0041】イオン交換樹脂塔13はフィルターA25
とイオン交換樹脂26とフィルターB27で構成され
る。イオン交換樹脂塔13の排出口28は可逆ポンプ1
4を通じ、電解槽2の下部開口部29と連結されてい
る。
【0042】電解液除去機構15は可逆ポンプ14の一
方が電解槽2の下部開口部29と連結されると共に、他
方がリターン管30を通じイオン交換樹脂塔13に上層
部穴31で連通している。
【0043】循環タンク19は電解槽2の上部開口部3
2とガス排出管33により結ばれ、電解槽2の下部開口
部29とも循環パイプ34により連結されている。
【0044】35は吸入口36に取りつけられた外気を
吸入する吸入ファン37と、排気口38とからなる吸排
気機構であり、カソード室6のガス拡散電極20に酸素
を含む外気を順次送り込むものである。
【0045】39はアノード室4の電解により発生する
酸素ガスまたはオゾンガスの吐出口である。
【0046】また、通常用制御回路16は直流電源9の
電圧を制御する回路であり、吸入ファン37と電解槽2
の陽電極1と陰電極5とに所定の電圧を印加するもの
で、本実施例においては、常時、電解槽2の陽電極1と
陰電極5には2.5V、吸入ファン37には5Vを印加
した。また、シスターンのフロートスイッチ(図示せ
ず)からの給水信号があった場合には5分間の高電圧運
転とする通常用制御回路16であり、本実施例は高電圧
としては3.5Vに設定した。
【0047】また、非常用制御回路18は常にバックア
ップ電源17に充電を行うと共に、一次側電源40が停
止した時には停電検出リレー41にてバックアップ電源
17の放電運転を開始するものである。この放電運転は
可逆ポンプ14の稼働と共に、吸入ファン37と加温ヒ
ーター42と電解槽2の陽電極1と陰電極5とに所定の
電圧を印加するもので、本実施例においては、電解槽2
の陽電極1と陰電極5には3.5V、吸入ファン37と
加温ヒーター42には5Vを印加するように設定した。
【0048】尚、この放電運転は陽電極1と陰電極5に
印加する直流電流値の検知機構43によりその電流値の
変化により停止され、本実施例では電流が0.02A以
下になると停止するようにした。電解槽2の陽電極1と
陰電極5に3.5Vの電圧を初期印加した時の電流値が
2Aからすると約10分の1に低下した時の電流値であ
る。
【0049】次に、本実施例に用いた陽電極1の表面処
理工程について説明する。はじめに前処理として、多孔
質状の耐食性金属チタン材の基体21を5%の界面活性
剤の溶液で超音波洗浄により脱脂し、イオン交換水です
すいだ後、5%のしゅう酸溶液の沸騰水に5分間浸漬し
表面の酸化層を取り除き、さらに下地処理直前に1規定
の硫酸を電解研磨液とし、4A/dm2 の条件で陰極側
にて電解還元処理をした。
【0050】上記の前処理後、すなわち、塩化チタンと
塩化タンタルと塩化白金酸を各々0.1モルの濃度に調
整した塩酸混合溶液に浸漬し、40℃で15分間の予備
乾燥後、520℃で焼き付けた。この焼き付け下地処理
を3回繰り返し、約1μmの導電性複合酸化金属の下地
層44を設けた。
【0051】次に下地層44の処理面を4A/dm2
30秒間の電解還元処理を行った後、オゾン発生選択性
の触媒層22として二酸化鉛の電気めっき処理を行っ
た。
【0052】二酸化鉛のめっきは、まず、3.5規定の
水酸化ナトリウムの飽和酸化鉛溶液をめっき浴とし1.
1A/dm2 で陽極側にて20分間処理し、数ミクロン
のα型の二酸化鉛を形成した。この時の浴温は40℃と
した。
【0053】次に30w%の硝酸鉛の1規定の硝酸浴
で、4A/dm2 の条件で40分間、陽極にてオゾン発
生選択性の触媒であるβ型の二酸化鉛の触媒層22を形
成した。この時の浴温度は70℃とした。
【0054】尚、耐食性向上、歪み除去のため、浴中に
2g/リットルの酸化タンタルを分散させめっき処理す
ることによりβ型の二酸化鉛めっき層の中にタンタル粉
末45を形成させる。
【0055】さらに、片面に粘着テープを貼り、パーフ
ルオロカーボンスルフォン酸の溶液に1分間浸漬した
後、40℃で15分間乾燥後、粘着テープを剥がし片面
は二酸化鉛層を露出させ、対面の片面には表面処理樹脂
層46が形成してなる陽電極1を作成する。
【0056】以下、上記で説明した実施例の陽電極1を
有する電解式オゾン発生装置3の作用と電解槽2中の化
学反応について説明する。
【0057】まず、シスターンに源水が満たされると水
位調整力によりシスターンに通じている連通管23から
給水口24を通り、イオン交換樹脂塔13にPの水位ま
で源水が満たされる。満たされた源水は、フィルターA
25,イオン交換樹脂26,フィルターB27を通りぬ
ける間に、源水に含まれる陽イオンである金属イオンは
水素イオンに、陰イオンである塩素イオンや炭酸イオン
は水酸基イオンにイオン交換され電気伝導度が2μs以
下のイオン交換水となる。
【0058】次に電解液12となるイオン交換水は排出
口28より、通常は停止状態である可逆ポンプ14を通
り電解槽2の下部開口部29からアノード室4に流れ込
み、さらに上部開口部32よりガス排出管33より、ま
たは循環パイプ34より循環タンク19にPの水位にな
るまで注入される。すなわち、シスターンに源水を給水
すると自然にアノード室4にイオン交換水である電解液
12が満たされる。
【0059】通常、陽電極1と陰電極5には直流電源9
と通常用制御回路16により電圧が2.5Vで0.5A
の直流電流が付加されている。
【0060】陽電極1の基体21の表面材質はβ型の二
酸化鉛であり、腐食電位が高く反応酸素を含むのでオゾ
ン発生選択性の触媒層22が形成されており、電極材の
溶解は殆ど無く、陽電極1の表面においてはイオン交換
水である電解液12中の水分子を酸化し、化1ないし化
4の反応が起こる。反応式の平衡電位より化1と化4が
主体となり、陽電極1の表面から酸素ガスとオゾンガス
が発生する。
【0061】ここで、白金等のめっき表面であれば、酸
素過電圧が低くなり化1の反応のみで、オゾンの生成は
少ないが、酸素発生電位が高く、反応酸素を含むβ型の
二酸化鉛では、反応酸素が化1の反応式に触媒作用とし
て介在するため化4の反応が積極的に生じることとな
り、オゾンの生成が効率良く行われ、生成ガス中のオゾ
ン濃度は高くなる。0.5Aの電流を付加することによ
り約10mg/hrのオゾン発生量を得た。
【0062】
【化1】
【0063】
【化2】
【0064】
【化3】
【0065】
【化4】
【0066】ここでは、水素イオンの対イオンの増加は
殆ど無いため過剰となる水素イオンは水素イオン伝導型
膜である固体電解質膜7を通じてカソード室6に移動す
る。そのため、アノード室4内では水素イオン濃度の増
加は見られず、pHは源水と同じpHを維持し、源水と
して浄水を使用し、中性であれば中性を維持することに
なる。
【0067】さらに、β型の二酸化鉛の触媒層22面の
固体電解質膜7側に塗布されたフッ素樹脂系の固体電解
質膜7と同系統の表面処理樹脂層46により、触媒層2
2の面と固体電解質膜7との密着面だけでなく、表面処
理樹脂層46を形成した陽電極1の面から水素イオンが
移動することになり、全体に流れる電流値が同じでも電
流密度が小さく平均化されるため、効率良く水素イオン
の伝達ができ、局部的発熱を防止できる。
【0068】ここで、表面処理樹脂層46が陽電極1の
表面全体を覆うように形成されていると、白金表面を持
つ給電体10と表面処理樹脂層46とが接触し平衡電位
の低い化1反応が優先的に起こり、オゾン発生が抑制さ
れオゾン発生効率が低下することになる。しかし、本発
明の実施例では給電体10と接触する陽電極1の面には
表面処理樹脂層46は形成されていないため、給電体1
0の表面では化1の反応は起こりにくく、オゾン発生効
率を低下させることはない。
【0069】また、空隙率が60%の多孔質性のチタン
基体を使用したが、下地層44の処理やβ型の二酸化鉛
のオゾン発生選択性の触媒層22の処理、さらに表面処
理樹脂層46の処理を施しても陽電極1の面から発生す
る酸素やオゾンガス通過を妨げることもなく、通路は確
保される。
【0070】カソード室6の陰電極5の表面では吸排気
機構35により送り込まれてくる外気に含まれる酸素
と、直流電源9の負の電位として流れてくる電子と、ア
ノード室4で生成されて固体電解質膜7を通過してくる
水素イオンとの3つの成分が介在し、化5の反応を起こ
すことにより水を生成する。生成した水は固体電解質膜
7に吸着するか、蒸気となって排気口38から排出され
る。
【0071】
【化5】
【0072】また、電気分解によって陽電極1の面で発
生した水素イオンが陰電極5の表面で酸素ガスと反応し
て水分に変換する際、充分に反応が起こらず未反応の水
素が残存する可能性がある。この場合を想定して陰電極
5の固体電解質膜7との反対面に白金触媒を担持したカ
ーボン性ハニカム状の集電体11を圧着させることで水
素の処理は充分に行うことが可能である。
【0073】陰電極5は、固体電解質膜7に密着して取
りつけることにより、外気に含まれる酸素と、陰電極5
を経由し運ばれた電子と、固体電解質膜7を通過してく
る水素イオンとを白金超微粒子の触媒作用でもって円滑
に反応させることが可能となるもので、陰電極5と固体
電解質膜7とを隔離すると水素イオンの移動が不導体の
ガス層に邪魔されて円滑に行かず、また貫通穴が無いと
外気に接する面から固体電解質膜7への酸素の移動を陰
電極5自身が遮断するため円滑な3つの成分の反応がで
きなくなる。
【0074】以上のように陰電極5として多孔質ガス拡
散電極のような貫通穴を有する多孔性のメッシュ状のも
のを用い、固体電解質膜7に密着して取りつけることに
より、吸排気機構35で送り込まれる酸素と、アノード
室4から固体電解質膜7を通過してくる水素イオンと陰
極を経由して運ばれる電子により水分を生成すること
は、陰電極5の表面からの水素ガスの発生を無くすこと
ができ、水素ガスによる火災や爆発の危険を除去するこ
とができる。またカソード室6には電解液,浄水,イオ
ン交換水,蒸留水,純水等を必要としないので電解水の
処理や濃度調整の管理が必要でなくなるため、非常に電
解槽の構造が簡素化でき、設備費用が削減できる。
【0075】アノード室4では主に化1と化4の反応で
オゾンが生成する。オゾンの酸化力を利用すれば循環タ
ンク19内の電解液12はオゾン水となり殺菌処理水と
なるが、電解液12を殺菌水として使用するのは純水で
の半導体の洗浄として有効であるが、シスターン中の源
水をすべてイオン交換水にする必要があるため、本実施
例においてはオゾンガスを吐出口39から取り出し、シ
スターン中の源水にミキシングすることにより殺菌する
方法とした。この場合、源水の条件に左右されることな
く電解式で得たオゾンは純粋であるので中性に近く、人
体への影響も少なく、オゾン殺菌処理した源水は飲用と
しても使用可能であり、排水も公害問題に影響しないも
のとなる。
【0076】次に、一次側電源40が停止した時の実施
例の陽電極1を有する電解式オゾン発生装置3の作用と
電解槽2中の化学反応について説明する。
【0077】停電時やメンテナンスのため電解式オゾン
発生装置3の一次側電源40が通電不可となった時は、
停電検知リレー41により非常用制御回路18の制御が
稼働を開始する。
【0078】まず、可逆ポンプ14が駆動しアノード室
4,循環タンク19,ガス排出管33,循環パイプ34
の電解液12が可逆ポンプ14により吸い取られリター
ン管30を通じ、イオン交換樹脂塔13に戻される。
【0079】電解槽2の陽電極1と陰電極5には引き続
きバックアップ電源17より3.5Vの直流電圧が印加
され、当初においては2Aの電流が流れる。しかし、電
解液12は存在しないため、陽電極1に付着した電解液
12の残渣分が分解し、固体電解質膜7中に蓄積された
水素イオンが消費されると陽電極1と陰電極5との電荷
移動物質量が低下し、電解抵抗が上昇することになる。
その結果、陽電極1と陰電極5の電流値が低下する。
【0080】陽電極1と陰電極5間の電流値が所定値以
下になると、直流電流値の検知機構43が働き、放電運
転が停止し、陽電極1と陰電極5間の電圧の印加の停止
と共に、可逆ポンプ14も停止する。本実施例において
は電流値が0.02A以下になると検知機構43が始動
するように設定した。
【0081】放電運転が停止されると、可逆ポンプ14
も停止することになるが、逆流が可能であるため、イオ
ン交換樹脂塔13のイオン交換水が再びアノード室4,
循環タンク19に注水され満たされることになる。固体
電解質膜7は乾燥状態では収縮し脆いため、ひび割れや
劣化が進むが、イオン交換水の注水が電解停止後に速や
かに行われることにより、劣化や破損は極力抑制される
ことになる。
【0082】従来例で説明したように、オゾン発生選択
性のあるβ型の二酸化鉛を陽電極1の触媒層22として
使用した場合、電解液が存在する状態において、電解を
停止すると、還元作用のある水素イオンの影響で、酸化
鉛の酸素と反応し、鉛が溶出するか、β型の結晶構造が
α型に変化することによりオゾンの発生効率が低下する
が、陽電極1と固体電解質膜7とを導通させている電解
液を抜き、水素イオンを消費させることで、逆電流の発
生を無くし、陽電極面の劣化もなく、オゾン発生効率も
維持されることになる。
【0083】本実施例においては約30分で電流値が
0.02A以下になった。この時の蓄電池の容量は可逆
ポンプ14と吸入ファン37の運転容量を加えても30
分で2.5Aの電流容量で充分であり、1.25Ahの
容量の蓄電池で可能となり、非常にコンパクトで低価格
の蓄電池が選定でき、さらにはそのまま長時間停止を継
続しても電極面の劣化も少ない。
【0084】また、さらに短時間での処理が必要である
場合には加温ヒーター42で陰電極面から加温すること
により20分のバックアップ電源17の通電で電流値が
0.02A以下になる。
【0085】また、耐食性金属の基体21とβ型の二酸
化鉛との密着性を上げるために、結合金属として白金を
使用したが、パラジウムでも良く、これらは最も一般的
な表面処理剤であり、腐食性が無く生体への影響や廃棄
公害を考慮し選定したもので、その他の金や白金族金属
であるルテニウム,ロジウム,オスミウム,イリジイウ
ムを使用しても良い。
【0086】また、本実施例においては、触媒層22と
して二酸化鉛を使用したが、オゾン発生効率的には現有
するものの中では最適であるが、毒性等を考慮し、二酸
化スズやフェライト等の金属酸化物、または白金と酸化
チタンとの混合物の使用も可能であり二酸化鉛に限定す
るものではない。
【0087】また、バックアップ電源の運転停止を電流
値0.02Aとしたが、電流密度が0.01A/cm2
以下であれば、またはバックアップ電源17での通電初
期の電流値より10分の1以下になればオゾン発生効率
の劣化は抑制されることを多くの実験より確認した。
【0088】また、カソード室6の陰電極5にガス拡散
電極20を用いたが、爆発の危険のある水の電解で生成
する水素を水に置換でき、安全性の向上が図れ、また非
常用制御回路18でのバックアップ電源運転時には固体
電解質膜7への水分の影響が少なくできる面で有利であ
るが、ガス拡散電極20を使用せずとも、ステンレス等
の金属で陰電極5を形成し、カソード室6にも水を介在
させ水素ガスを生成し、別途、後処理で燃焼させる方法
でも実施可能である。
【0089】
【発明の効果】以上のように本発明の電解式オゾン発生
装置は、電解液と、陰電極を有するカソード室と、オゾ
ンガス発生電極である陽電極を有するアノード室と、前
記カソード室とアノード室とを仕切る固体電解質膜と、
アノード室の電解液除去機構と、前記陰電極と陽電極に
直流電流を通電する通常直流電源、及び、非常停止時用
のバックアップ電源とを併設し、通常直流電源の停止時
にはバックアップ電源により電解液除去機構を稼働させ
ると共に、所定の時間、前記陰電極と陽電極とに通電す
る非常用制御回路とを有するもので、通常直流電源停止
時には非常停止時用バックアップ電源により陰電極と陽
電極への通電が継続され、アノード室の電解液が除去
し、また、固体電解質膜に蓄積された水素イオンを完全
に除去することにより、逆電解の電流が生じることな
く、電極面の劣化を自動的に防止処理する電解式オゾン
発生装置を提供するものである。
【0090】また、非常停止時用のバックアップ電源で
の稼働時に、陰電極と陽電極に流れる直流電流値が所定
の値以下になると通電を停止するように直流電流値の検
知機構と非常用制御回路とを有する電解式オゾン発生装
置であり、電解液と水素イオンが完全に除去されたこと
を電解電流値で数値化することにより、停止処理のバラ
ツキを無くすことができる電解式オゾン発生装置を提供
するものである。
【0091】また、非常停止時用バックアップ電源での
稼働時に、陰電極と陽電極に流れる直流電流値が初期電
解電流値の1/10以下、または/及び、0.01A/
cm 2 以下に低下したことを検知した後、通電を停止す
る電解式オゾン発生装置で、オゾンガス発生電極の溶解
や劣化の防止が完全にでき、エネルギー的に最適な停止
時期とする電解式オゾン発生装置を提供するものであ
る。
【0092】また、電解液除去機構に可逆ポンプを使用
したことを特徴とする電解式オゾン発生装置で、可逆ポ
ンプを使用することでポンプ停止により汲み上げた水が
自然に再度電解槽に戻り、固体電解質膜の乾燥による劣
化や破損を防止する電解式オゾン発生装置を提供するも
のである。
【0093】また、カソード室に空気または酸素を送り
込む吸排気機構と陰極にガス拡散電極を使用したことを
特徴とする請求項1から請求項3記載の電解式オゾン発
生装置で、カソード室に水溶液を使用しないことで、電
解液除去工程を行ったアノード室への影響を極力少なく
した電解式オゾン発生装置を提供するものである。
【0094】また、ガス注入機構に加温ヒーターを取り
つけたことを特徴とするもので、固体電解質膜の水分を
熱による乾燥の力を借りながら水分除去の処理時間を短
縮させる電解式オゾン発生装置が提供できるものであ
る。
【0095】また、電解液と、陰電極を有するカソード
室と、オゾンガス発生電極である陽電極を有するアノー
ド室と、前記カソード室とアノード室とを仕切る固体電
解質膜とを備えていて、前記陰電極と陽電極とを直流電
源にて通電し、陽電極よりオゾンを生成させる電解式オ
ゾン発生装置で、通電を停止する場合、通電しながらア
ノード室の電解液を除去し、陰電極と陽電極との電解抵
抗が増加し、電解電流値が減少した後、直流電源の通電
を停止するもので、電解液を除去し、また、固体電解質
膜に蓄積した水素イオンをも完全に除去することによ
り、電解停止後における水素イオンの還元作用を無くす
ると共に、逆電解の電流が生成することを無くし、電極
面の劣化を防止するものであり、比較的小さな蓄電池を
利用することができ、長時間の停止とコンパクト化と低
価格化とが可能となるものである。
【0096】また、電解抵抗が増加し、電解電流値が減
少した後、直流電源の通電を停止し、その後、再びアノ
ード室への注水工程を設けることにより、さらに、固体
電解質膜の乾燥によるひび割れや劣化を防止するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における電解槽の断面図
【図2】本発明の一実施例における電解式オゾン発生装
置の断面図
【図3】本発明の一実施例における陽電極と固体電解質
膜と陰電極との接合部の要部拡大断面図
【符号の説明】
1 陽電極 2 電解槽 3 電解式オゾン発生装置 4 アノード室 5 陰電極 6 カソード室 7 固体電解質膜 8 隔壁 12 電解液 14 可逆ポンプ 15 電解液除去機構 16 通常用制御回路 17 バックアップ電源 18 非常用制御回路 20 ガス拡散電極 35 吸排気機構 42 加温ヒーター 43 検知機構 46 表面処理樹脂層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液と、陰電極を有するカソード室
    と、オゾンガス発生電極である陽電極を有するアノード
    室と、前記カソード室とアノード室とを仕切る固体電解
    質膜と、アノード室の電解液除去機構と、前記陰電極と
    陽電極に直流電流を通電する通常直流電源及び非常停止
    時用のバックアップ電源とを備えていて、通常直流電源
    の停止時にはバックアップ電源により電解液除去機構を
    稼働させると共に、前記陰電極と陽電極とに所定時間通
    電する非常用制御回路を具備することを特徴とする電解
    式オゾン発生装置。
  2. 【請求項2】 非常停止時用のバックアップ電源での稼
    働時に、陰電極と陽電極に流れる直流電流値が所定の値
    以下になると通電を停止するように直流電流値の検知機
    構と非常用制御回路とを具備することを特徴とする請求
    項1記載の電解式オゾン発生装置。
  3. 【請求項3】 非常停止時用のバックアップ電源での稼
    働時に、陰電極と陽電極に流れる直流電流値が電解電流
    値の1/10以下、または/及び、0.01A/cm2
    以下に低下したことを検知した後、通電を停止するよう
    にしたことを特徴とする請求項2記載の電解式オゾン発
    生装置。
  4. 【請求項4】 電解液除去機構に可逆ポンプを使用した
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項
    に記載の電解式オゾン発生装置。
  5. 【請求項5】 カソード室に空気または酸素を送り込む
    吸排気機構と、陰極にガス拡散電極を使用したことを特
    徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の
    電解式オゾン発生装置。
  6. 【請求項6】 吸排気機構に加温ヒーターを取りつけた
    ことを特徴とする請求項5記載の電解式オゾン発生装
    置。
  7. 【請求項7】 電解液と、陰電極を有するカソード室
    と、オゾンガス発生電極である陽電極を有するアノード
    室と、前記カソード室とアノード室とを仕切る固体電解
    質膜とを備えていて、前記陰電極と陽電極とを直流電源
    にて通電し、陽電極よりオゾンを生成させる電解式オゾ
    ン発生装置において、通電を停止する場合に、通電しな
    がらアノード室の電解液を除去し、陰電極と陽電極との
    電解抵抗が増加し、電解電流値が減少した後、直流電源
    での通電を停止することを特徴とする電解式オゾン発生
    装置の停止方法。
  8. 【請求項8】 電解抵抗が増加し、電解電流値が減少し
    た後、直流電源の通電を停止し、その後、再びアノード
    室へ注水することを特徴とする請求項7記載の電解式オ
    ゾン発生装置の停止方法。
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