JPH0646719A - 水産用養殖装置 - Google Patents

水産用養殖装置

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JPH0646719A
JPH0646719A JP4206778A JP20677892A JPH0646719A JP H0646719 A JPH0646719 A JP H0646719A JP 4206778 A JP4206778 A JP 4206778A JP 20677892 A JP20677892 A JP 20677892A JP H0646719 A JPH0646719 A JP H0646719A
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斎藤  弘
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勝二 松田
Masahiro Hayashi
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  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水棲生物の飼育 【構成】 生育環境の調整にオゾンを利用し、水性媒体
の酸化還元電位を−200mVから―600mVの間
で、海水または淡水性の生物種毎の最適値に設置して、
水棲生物を飼養する。 【効果】 収量増大、有害物の個体からの排除。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は活性の高い水棲生物を養
殖する技術に係る。
【0002】
【従来の技術】機械的電気的に制御された環境下で水棲
生物を飼育すること、水棲生物の飼育環境にオゾンを適
用することはそれぞれ公知である。しかし水棲生物それ
自体の環境要求性の多様性から、これら公知技術のみに
よっては特定水棲生物に対して再現性ある飼育技術には
完成されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水棲生物の発育環境を
調整することを通じて、その発育を促進し優れた品質の
水棲生物を収穫すること。
【0004】
【発明の構成】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明においては水棲生
物の生活媒体となる水性媒体について酸化還元電位が特
微的に少なくとも―200mVないし―600mVに維
持されるようにオゾン処理を施す。更に酸化還元電位は
海水と淡水の区別により維持されるべき範囲が異なる。
【0006】しかし、このオゾン処理もその効果が最も
大きく発揮されるためには他の条件にも配慮が必要であ
り、水性媒体を処理すること自体は公知ではあるが有効
な他の手段との組み合わせによって本発明が構成されて
いる。
【0007】第1図、第2図は本発明の実施の一例を示
す概念図であるが、そのなかで、本発明に必須の構成要
素としては水棲動植物を飼育する飼育槽、飼育槽に供給
され水棲動植物の生活の場となる水性媒体、水性媒体を
飼育槽から導出し再び飼育槽に供給する水性媒体循環設
備、水性媒体にオゾンを供給するためのオゾン供給手
段、水性媒体の酸化還元電位を測定する測定手段、その
出力信号を制御系に伝送する伝送手段、前記出力信号で
オゾンの供給量を制御する制御手段である。
【0008】上記の必須要素にさらに付加的に以下のも
のが追加されることが本発明の実施に有効である。
【0009】飼料供給設備が飼育槽に付属する。供給す
る飼料の量を自動制御する設備、さらにそのための出入
力装置もあり得る。
【0010】飼育槽に供給される水性媒体の大部分を構
成するものは海水またはその他の淡水であり、市水、泉
水、河川水などが利用され原水の性質に応じて水処理施
設が公知の技術によって組み合わされ得る。
【0011】水性媒体を循環させるための設備には、当
然に流路と移送動力手段が要素となりさらに必要に応じ
て随所に濾過手段および温度調整手段を組み入れること
が本発明の目的に好適である。また、オゾン供給手段
は、オゾンを含有する気体と水性媒体を混合するための
気液を混合する手段であり、飼育槽に直接に設けても水
性媒体循環設備に設けてもよい。この気液混合手段と濾
過手段を組み合わせることは装置全体の効率化に寄与す
る。
【0012】また気液混合手段について水性媒体循環設
備のその上流側に水供給手段を設けておくことも設備の
効用を増大させる。
【0013】水性媒体の循環設備および水供給手段にお
いて流路は樋またはパイプであり、樋ならば蓋を付随さ
せてよい。移送手段には通常のポンプを用い得る。濾過
手段には漉材、沈殿及び膜式などいずれも有効である
が、循環系または水供給手段のうちの部位に応じて目標
とされる機能が異なるのでこれに対応して型式も選択の
余地がある。さらに濾過手段にオゾン供給を組み合わせ
ることも前記のように本発明の目的に適うので、本発明
の実施態様の一つにはそのようにつまり一部の濾過手段
にはオゾン供給手段との結合が構成されているものをも
つ。
【0014】水性媒体の理化学的組成は対象とする水棲
生物によって種々であるから、水性媒体の循環系または
水供給手段には、それぞれ水棲生物の要求に対応して前
記の外にさらに栄養要素の供給手段−例えば食塩の添加
−を付属させることが望ましい。
【0015】次に、本発明の水産用養殖装置において特
徴的役割を発揮する水性媒体のオゾン処理について説明
する。水産養殖技術におけるオゾン処理の効果を要約す
ると次の如くである。 1.オゾンによる水(海水、淡水)の滅菌、消毒。 2.有機化合物、有機金属イオン等の水中生物にとって
有害な物質の分解および沈殿除去。 3.オゾンの酸化、還元、漂白、脱臭等の作用により魚
貝類の排泄物や餌の残かすなどの有機物を分解して水の
腐敗、悪臭、藻の発生等を防止する。 4.水中のアンモニアのバクテリヤによる分解減少作用
の促進。海水中ではアンモニアを酸化して硝酸塩に変換
する。 5.亜硝酸塩硝酸塩等は極めて微量でも魚貝類に致死的
に作用するが、これらはオゾンにより迅速に分解減少す
る。pH7特に海水中で。 6.オゾンにより酸化還元電位の上昇。 7.オゾンの使用による生物学的(バイオ)な濾過作用
の促進。 8.システム等の配管に藻類やスライムの発生の抑制。 9.魚介類の生存率が高く、生存期間の延長、飼育密度
が高くとれる、オゾンにより水中の溶存酸素量(Do)
値の増加、pH(7)値の安定化。 10.発育促進効果がみられ、魚貝類が活性化し摂飼、
排泄が活発になる。特に貝類ではスナ吐き、解毒作用が
効果的、Do値で+60ppm。
【0016】なお一般的なオゾンについての知見として
は、オゾン(O3 )は普通、空気中における放電や紫外
線が酸素に作用するとき生じ、大気中にも微量に存在す
る酸素の同素体である。
【0017】オゾンは無色、特臭の気体で酸化力が強
く、漂白、殺菌、脱臭に強力な効果がある。
【0018】工業的試剤として、オゾンの第一の特徴は
酸化剤であること、および気体であることであろう。特
に酸化力は弗素につぎ塩素をしのぐ強力なものである。
ただ強すぎて困る場合もあるが、一方二重結合に対する
選択的切断反応は非常に特異なものである。ガスである
ことはガス工学に有利であるが、液接触の困難などと長
短両面ある。また原料が空気および電力のみで、分解後
の酸素以外に残さない性質も注目されてよい。
【0019】オゾンを工業的に取り出すには光化学作用
法(紫外線オゾン発生管)と無声放電法がある。
【0020】光化学作用法は所要注入量や濃度が低い場
合に用いられるが、無声放電法は従来、絶縁体としての
ガラス管の内外に電極を設け高電圧の交流を作用させオ
ゾンを発生させる。
【0021】ここで現在実用されているオゾンの工業的
利用を概観すると、 1.上水道の浄化 2.工業排水処理 3.香料合成 4.脱臭 などである。
【0022】水処理関係におけるオゾンの作用として知
られているところでは鉄イオン、マンガンイオンなど金
属イオンの沈殿促進、シアン、フェノールなど有害有機
化合物の分解などがあり、また脱臭に関する知見ではア
ンモニアには殆どオゾンが働かないようであるが、硫化
水素以外の少量で強烈な不快臭をもつメチルメルカプタ
ン、ジメチルサルファイド、ジメチルアミンなどのアミ
ン類などがオゾンによって容易に破壊されて臭気の感じ
を変えることができると言れている。
【0023】ここで本発明の水産用養殖装置において重
要な作用を及ぼすオゾンの水産養殖との関係について若
干の説明を加える。
【0024】1.窒素循環に対するオゾンの影響 オゾンは窒素循環に対して著しい影響を及ぼす。オゾン
は7を上回るpH値で酸化を行い、殊に海水中では約
8.2のpH値で有害なアンモニアを酸化して硝酸塩に
変換する。
【0025】しかしpH値7以下の範囲内にある特に淡
水中では、有害なアンモニアがオゾンによって酸化され
ることはない。したがって、この酸化段階ではバクテリ
アによる酸化が示される。特に有害な亜硝酸塩の段階
は、必ずオゾンにより硝酸塩に酸化されるが、この場
合、この反応はpH値と無関係であって、海水中におい
ても淡水中と同じような経過を示す。このことは、亜硝
酸塩が極めて微量ですら魚貝類に対して致死的に作用す
る有害性物質(魚毒)であり、これらの作用は極めて重
要である。
【0026】第6図、第7図に示すグラフから明らかな
ように、オゾンの作用力が大きければ大きいほど、それ
だけ迅速に亜硝酸塩およびアンモニアが分解減少する。
【0027】しかしながら、特にオゾンによる亜硝酸塩
酸化の場合には、水槽用水の準備に際してオゾンが単な
る補助剤でしかあり得ないことも考慮される。
【0028】急激な亜硝酸塩ピークが生じた場合には、
単にオゾン装置が完全に機能していないとするだけでは
なく、他にもその原因を追及すべき問題がある。恐ら
く、気付かれないまま死んだ動物が問題ではないの
か、水槽底面でコントロールしきれない腐敗プロセス
が進行しているのではないか、あるいは十分な酸素の
供給がされていない、したがって硝化バクテイリアが
コロニー形成し得ないフィルタが正に問題なのではない
か?特に高速フィルタの場合、当初のうちは完全に申し
分なく好気的な作動が行われるが、このフィルタによ
って濾過される汚物の量が増大するにつれて、酸素は
ますますフィルタ内部で多量に消費されることになる。
【0029】好気性の微生物は緩慢に死滅していき、つ
いにはフィルタの「転換」が生ずる。その結果として、
このフィルタは今や亜硝酸塩を減少させることなく、む
しろ逆に亜硝酸塩を発生することになるので、水中には
極めて高い亜硝酸塩ピークが生じかねない。したがっ
て、定期的にフィルタのクリーニングを行うか、あるい
はより効果的には通気式の潅注フィルタを用いることが
望ましい。
【0030】2.有機物による負荷に対するオゾンの影
響 有機物(スラッジ/汚物)による水の一般的な負荷(汚
染)については、個々の化合物に詳しく立ち入ることな
く、これを生物的な酸素需要量(BOD−値)によって
表すことができる。
【0031】このBOD−値が低ければ低いほど、水の
質は良くなる。第8図に示されたように、BOD−値を
関数として測定した有機的負荷も、やはりオゾンによっ
て低下させることが可能であり、特に水を黄濁させる有
機汚濁物質をオゾンにより除去することができる。汚濁
物質は魚貝類に対するストレス要因として作用する。オ
ゾンには水晶の如き透明な水を形成する能力がある。
【0032】3.菌含有率に対するオゾンの影響 オゾンの極めて重要な特性の1つとして、その滅菌作用
が挙げられる。オゾンは、これを極めて低濃度で用いる
ならば、ビールス、バクテリアならびにその他の病原体
に対する滅菌作用を発揮する。
【0033】しかしながら、水槽の場合にはオゾンを使
用する意義が無菌の水を得ることにあるのではないこと
はいうまでもなく、そのような状態は魚貝類および他の
下等動物にとって耐えられないものであろう。
【0034】養魚槽などの施設用に開発された本発明の
水産用養殖装置は、完全な無菌状態に達することなく病
原体などの過剰生成を抑制するように設計されている。
このような構成様式によれば、魚は衛生的でしかも生物
学的に活きた水の中で生活することができる。
【0035】4.オゾンの使用は生物学的な濾過作用を
促進する 我々の実地の経験で示されたように、オゾン使用と生物
学的濾過作用とは極めて有効な相補関係にあり、このこ
とは既に1960年にヒュックシュテット(Hucksteadt)
により以下の如く報告されている:「さらに考究されね
ばならないと思われるのは、オゾン化と生物的なバクテ
リア機能とが、どの程度まで共に作用し得るかについて
である。オゾンによって単に有害なバクテリアのみなら
ず有益なバクテリア(例えば硝化バクテリア)までもが
滅菌されかねないという恐れは尤もなことである。
【0036】しかし奇妙なことではあるが、これは事実
無根である。水中のバクテリアは、自由に動き回ること
なくその大部分が底面付近に滞留するか藻に付着してお
り、あるいはその発生(成長)率が死滅率を上回る。と
いうより、恐らくその何れもが同時に成立するのであろ
う。
【0037】ただし、硝化バクテリアが存在していたと
して、オゾンがある場合より、ない場合の方がバクテリ
アが容易に死滅することは確実である」。
【0038】この現象は次の2つの事実によって証明す
ることができる:すなわちその第1は、硝化細菌が好酸
素性のバクテリアであり、したがってオゾン処理された
水の方を好むことであり、第2は、オゾンが生物によっ
ては分解することができないか、分解できても極めて困
難な長鎖分子を酸化して短鎖化合物を変える能力を有し
ていることである。これによって有害な物質はバクテリ
アの栄養物に変換される。
【0039】5.酸化還元電位 酸化還元電位(レドックス・ポテンシャル)は、水の酸
化特性、還元特性に関する情報をもたらす測定値であ
る。還元物質は酸素を消耗する物質であって、これには
全ての有機物質、蛋白化合物、糞便、飼料、血液などが
含まれる。これらの還元物質は、極めて迅速に有害(有
毒)な化合物としてのアンモニアおよび亜硝酸塩に変換
され、腐敗を生ぜしめる傾向がある。したがってこれら
の還元物質はレドックス電位を低下させるので、水質が
悪化されることになる。
【0040】酸化物質とは、例えば酸素または、より強
力なオゾンであり、還元物質によるマイナスの作用を除
去軽減する能力を有しているので、全ての水における生
命維持にとって不可欠である。酸化還元プロセスに際し
ては必ず電子の授受(放出吸収)が行われるため、この
レッドクス・ポテンシャルはミリボルト(−mV)で測
定される。
【0041】6.酸化還元電位と滅菌 既に述べたように、オゾンは傑出した滅菌剤であり、こ
の場合、その酸化還元電位を滅菌能力の指標とすること
ができる。−200mVの酸化還元電位で100%の菌
負荷が生ずるのに対し、酸化還元電位が−200mVか
ら−300mV以上になと、菌発生率は90%ほど減少
して当初発生率の10%になる。
【0042】更にこの酸化還元電位値が−400mVに
達すると、菌発生率は当初発生率の僅か約1%にまで減
少する。
【0043】完全滅菌が達成されるのは酸化還元電位が
−700mVの値にまで高められた場合であるが、本発
明の実施にはこのように高いレッドクス電位を得る必要
がない。
【0044】以上の考察から明らかなように、水槽処理
技術の分野では最高レドックス電位値を−400mVと
すればよく、それを越える値は不要である。特に下等動
物の場合には、−300mV程度の比較的低い酸化還元
電位の方が効果的であることもある。水棲動植物の生育
の場として酸化還元電位を維持する好ましい範囲につい
ては、海水における場合には淡水におけるより稍広く−
200mVから−600mVのように設定することが好
ましい。ここに言う淡水とは食塩濃度が500ppmを
越えないような場合である。
【0045】7.酸化還元電位と藻類 このテーマに関してはまだ十分な研究がなされていない
が、高い酸化還元電位が下等藻類の発生を抑制し、緑藻
類の発育を促すということはいえる。さらに高い酸化還
元電位では、特に高等藻類、例えば葉藻類、嚢藻類、ハ
リメダ(Halimeda)種などの成育が助長される。
【0046】8.どのようにしてオゾンの正しい調量を
行うか? この問いに対しては容易に答えることができない。何故
ならば、水はそれぞれ独自の条件に基づいた異なる状態
に調整されているからである。
【0047】ここで重要な役割を果たすのは、例えば養
魚密度、飼料の種類と量および濾過システムなどであ
る。オゾン発生器のサイズと性能調整に関する大雑把な
目安として、水槽の水100リットルにつき約10mg
のオゾンを配量すればよい。この数値は経験によるもの
であって、多年にわたる体験により有効であることが実
証された値である。
【0048】ところで現代の水棲動物飼育分野には、こ
れらの事柄を正確に知らねばならず、その飼育水中動物
に適した規定の水条件を調整するために、特に彼らに奨
めたいのが本発明の水産用養殖装置に組み合わせた酸化
還元電位測定および調整装置である。
【0049】9.オゾン発生手段は容易に接続可能であ
る オゾン発生手段には例えばエアチューブを有しており、
オゾンはエアチューブを介して水中に例えば空気放出器
に接続されている。
【0050】海水の場合には浮滓除去器を介して、また
淡水の場合には空気作動式の小型フィルタを介して、そ
れぞれオゾン供給を行うことが望ましい。
【0051】オゾン発生手段には加減コントローラが装
備されており、したがってオゾンの出力には必要に応じ
て無段調整可能とすることができる。オゾン発生手段が
適正な機能で働いていることはパイロットランプの点灯
によって示すようにすることができる。
【0052】10.オゾン発生手段と酸化還元電位測定
および調整装置との組み合わせ このユニットは例えば次のような機能を有している: (1).水槽内に設けられた測定手段を介して実際値と
しての酸化還元電位を測定する。 (2).測定されたこの実際電位値を水槽管理者が任意
に設定した目標酸化還元電位値、例えば−350mVと
比較する。 (3).測定値がこの目標値に達していない場合には、
自動的にオゾン発生手段を作動させ、オゾンを供給し、
目標値(設定値)に達すると自動的にそれが停止する。
【0053】11.酸化還元電位電極 測定電極は1本のガラス柱から構成されており、その下
部には例えばプラチナ・センサーが、またその側部には
セラミック製ダイアフラムが内蔵されている。
【0054】水中の酸化還元電位に応じて、電子は水か
らダイアフラムを経て測定系内に移動する。この電極は
原則として水中に残留せしめられ、最初に使用する際に
は実際の測定値が表示されるまで約30分間は測定が継
続される。電極が実際の測定値を検出するようにするた
め、電極は流れの中に位置せしめられ、死角位置を占め
ないようにセッティングされる。
【0055】12.酸化還元電位測定装置 電極内で記録された測定値の信号はケーブルを介して電
子的な測定装置に伝送される。この測定装置は連続測定
が行えるように設計され、したがって給電(電源)部を
有している。
【0056】測定手段は例えば、各水槽毎に各別に、ま
た他の位置での水性媒体に設けることができ、それら複
数の測定手段毎に目標値調整が装備でき、これによって
装置全体について所定の目標酸化還元電位値をセットす
ることができる。
【0057】実際値が目標値を下回っている場合には、
酸化還元電位測定値によってオゾン発生手段が自動的に
接続され、実際値が目標値を上回った場合には、オゾン
発生手段がやはり自動的に遮断される。この電極におけ
る断続(切換)状態は発光ダイオードによって表示させ
る。このように測定装置を用いるならば、常に所要量の
オゾンを水性媒体に供給すると同時に、オゾンのオーバ
ードーズ(過剰配量)を回避することができる。
【0058】13.蛋白質浮滓除去 蛋白浮滓除去の作用形式を簡単に述べると、従来のフィ
ルタにおける濾過材料が気泡に替えられたということに
なる。オゾン供給との組み合わせに関して述べれば、浮
滓除去は対抗流型浮滓除去として構成し、水は上部から
蛋白質浮滓除去器内に流入し、この除去器内を上から下
に向かって流す。他方、空気は下方で流出部材、または
インジェクタ(エアサクションノズル)によって吐出さ
れ、細かい気泡を形成し水と混合される。
【0059】供給する空気の量は、気泡流が除去器の全
横断面を満たすように設定される。
【0060】このような浮滓除去器を構成するに当た
り、除去器内における安定した静かな流れを達成すべ
く、大きな容積が得られるような寸法設計が行われた。
このことは、気泡を蛋白質化合物とスラッジ(汚物)の
種子とに接触させるために極めて重要な点である。
【0061】浮滓除去器内における激しい乱流は、視覚
的に効果があるように思われるが、実際には気泡とスラ
ッジ(汚物)種子との結合を解離させるので、浮滓除去
効果を著しく低下させる。気泡が浮滓除去器の反応パイ
プ内を通過すると、水面にまで達し、そこに溜っている
スラッジ(汚物)および蛋白化合物と結合して粘稠な泡
を形成する。
【0062】蛋白質の分子はその際にスラッジ(汚物)
種子と気泡とを架橋するブリッジを形成する。
【0063】この場合の反応は以下のような経過をたど
る: 1)表面活性な不溶性物質は水と空気との境界面に溜
り、泡として保持される。 2)非表面活性の不溶性有機化合物は、溶解した表面活
性な物質と結合して、泡内に集結される。 3)溶解したスラッジ(汚物)成分は、オゾンによって
部分的に酸化され析出(沈殿)せしめられるので、気泡
流により捉えられる。
【0064】このようにして形成されたスラッジ(汚
物)含有泡は、上方に向かう空気流により泡送りパイプ
を通って泡受け容器内に搬送される。泡送りパイプの途
中で泡は脱水され過剰の水は再び浮滓除去器内に戻さ
れ、同時にスラッジ(汚物)が集結される。
【0065】このような作用形成によれば水の損失は殆
ど生じない。泡送りパイプの終端部で泡が流出せしめら
れることはなく、泡はゆっくりとしかも乾いた状態で泡
送りパイプからでて「大きく成長」せしめられる。
【0066】14.従来の機械式フィルタに比して浮滓
除去系が著しく優れている点 1)浮滓除去系は、蛋白質化合物とその他の有機物質
(スラッジ/汚物)とが分解して有害な物質に変換され
る前に、これらを除去することができる。 2)浮滓除去系によりつき泡受け容器を別に設けてそこ
に分離された汚物と有害物質とは、飼育槽内の水および
その回路と再び接触することがない。 3)浮滓除去系を通過した水は、汚物を除去されている
と同時に、動物の生活に不可欠な酸素で富化されてい
る。
【0067】15.どのような水槽で浮滓除去系を使用
することができるか? 原則的には、塩を含有している水の場合に浮滓除去系を
用いることができる。1,000分の10の塩含有率で
僅かに約1mm直径の気泡が生ずる。
【0068】このことが極めて大きな意義を有している
のは、気泡が小さければ小さいほど汚損スラッジ(汚
物)種子に対する気泡の付着特性が向上することから明
らかである。
【0069】したがってこの浮滓除去系の機能は、高い
塩含有率の海水、例えば紅海または太平洋(1,000
分の35)においてのみならず、僅か1,000分の1
5の塩含有率しかないバルト海の水においても十分に発
揮される。
【0070】淡水ではこの浮滓除去系を用いることがで
きない。淡水の場合には気泡の直径が4〜5mmと大き
くなりすぎるからである。
【0071】しかし塩を含有している水でさえあれば、
この浮滓除去系は極めて広範囲の動物に対して最善の効
果を挙げることが可能である。つまりこの浮滓除去系
は、下等動物にも魚類にも有効であり、観賞魚の飼育、
食用魚の養殖、家庭用水槽、公開水族館などにも広く応
用することができる。
【0072】本発明の水産用養殖装置においても気液混
合装置を通じて、循環する水性媒体に導入されるオゾン
が上述の如き作用を及ぼしているであろうことは想像に
難くない。しかし、本発明の水産用養殖装置を用いて得
られる収穫物の品質の良いことと量の多いことはこれら
の作用それぞれの総和ではなく、各作用が水性媒体に及
ぼした結果を通じて水棲生物の活力を増大させた結果に
よるものと考えるべきデータが数多く得られている。
【0073】例えば飼料効率の高いことは生物本来の同
化作用が活発に行われた結果であり、有害成分の汚染が
低減された収穫物が得易いことは本来の老廃物の排泄作
用なり異化作用なりの増進の結果と推測される。
【0074】以下本発明の水産用養殖装置を構成する要
素についてその構成、機能を分説する。
【0075】飼育槽は養殖する水棲生物を水性媒体中で
成長させる容器である。材質は金属イオン例えば鉄、
銅、などの溶出の少ないものがオゾンの作用性から好ま
しく、FRP、塩ビ、ステンレス、チタン、また木材、
ほうろうさらにライニングされたものなど従来公知の養
魚用の容器に用いられているものであれば、全て用いる
ことができ、機械的強度が十分発揮できる形状に構成さ
れる。
【0076】飼育槽には水性媒体を排出するための排出
口および導入するための導入部を備える。
【0077】この外に飼育槽の掃除のためなどに用いる
排水口、水性媒体の液面を所望の高さに維持するための
オーバーフロー装置、さらに水性媒体の供給およびその
停止のための液面検知手段とその信号の取り出し手段、
自動制御装置を装備してもよい給餌手段さらには水性媒
体に空気を導入するための通気手段などが付設される。
【0078】飼育槽の底部にはすのこなどのセパレータ
を設けておき底部の水性媒体だけを緩やかに飼育槽の外
へ排出し得る手段を配設しておくことは改善された水質
の維持に有効であり本発明の目的に寄与する。
【0079】飼育槽に付設する通気手段に対して単に空
気を供給するだけでなく、ここにオゾンの一部を導入す
ることも本発明の実施態様の一つであり、気液混合装置
またはレドックスタンクの負荷の低減に有効である。ま
た通気手段には、そこから排出される気体に万一過剰の
オゾンが大気中に放出され不快臭の原因となることを回
避するためにオゾンイレイサーを付加しておくことが推
奨される。
【0080】飼育槽にはさらに、水性媒体に関して任意
の理化学的性質例えば塩分濃度、カルシウム濃度、電気
伝導度、濁度、温度等を検出し監視するためのセンサー
を配設し、さらにその信号を表示装置または制御装置に
伝送する手段を布設することを妨げない。
【0081】本発明で水性媒体と呼ぶものは、所謂養殖
のための水である。淡水、海水、河川水、泉水、上水な
ど種々の給源を利用することが勿論できるが、通常は原
水の性質にしたがって適切に前処理することが必要であ
る。
【0082】しかしこれらの手段は全て公知の技術であ
り本発明の本質部分をなすものではない。水源の如何を
問わず原水取水装置、導流装置、受水装置、濾過装置、
混合装置、さらに場合によっては曝気装置などおよび移
送手段で構成され、これらからなる水性媒体の供給手段
は、下位段階において本発明の構成要件をなす気液混合
手段に接続される水供給手段に接続されることが本発明
の目的達成に好都合である。しかし必ずしもこれに限定
する必要はない。
【0083】本発明にいう循環設備とは、特許請求の範
囲で定義したとおり水性媒体を飼育槽から導出し、再び
飼育槽に供給する設備の一式であり、水性媒体のための
移送動力手段、流路設備、濾過手段および温度調整手段
を適宜組み合わせて形成される循環系を構成するが、本
発明においては実施態様の一つとしてこの循環系にレド
ックスタンクを水性媒体の流路に直列に含む。レドック
スタンク以外の前記手段も通常は流路に直列に配置され
るが、必ずしも全てが直列に配置される必要はなく、直
列と並列の任意の併用を必要に応じて採用してよい。
【0084】レドックスタンクは勿論2個以上を並列に
設けてもまた直列に設けることを妨げない。
【0085】循環設備を設ける目的は、水性媒体の水棲
生物に対する培地としての理化学的性質の回復ないしは
一定水準への維持である。
【0086】気液混合手段がレドックスタンクに連結さ
れる。
【0087】この手段は、オゾン供給源から供給される
オゾンを水性媒体に混合することが目的である。したが
って水性媒体の循環系に関して気液混合手段とレドック
スタンクをともに直列に構成することが簡便であるが、
気液混合手段の性能によっては循環系の外に配設するこ
とが本発明の装置全体の運転効率の観点から有利となる
場合もあり得る。
【0088】オゾン供給手段は気液混合手段にオゾンを
気体状で供給できるものでさえあればよく、格別形式や
製造者を問わない。要求負荷に十分耐えるものでなけれ
ば水性媒体の要求する所定の酸価還元電位が維持されず
本発明の目的が達成されず、条件が競合して水棲生物の
生存そのものにも影響する場合もある。
【0089】水供給手段は、オゾンを溶解させるための
水性媒体を供給する。循環系の水性媒体そのものまたは
その一部さらには循環系に新たに供給される水性媒体で
ある。ある水準に維持しながら、水性媒体の循環系には
温度調整手段として例えば加熱器または熱交換器を配設
することは本発明の実施上便利なことが多い。この手段
としても格別限定を要することなく、公知の技術によっ
て十分目的に適う。
【0090】飼育槽には、特に本発明においては酸化還
元電位を測定する手段を設け、その出力信号は伝送手段
を介して水性媒体に供給するオゾン量の制御に入力され
る。現在までの知見では本発明の目的に適する装置とし
て少なくとも−200mVの酸化還元電位から−600
mV程度までの範囲を検出し信号を出力し得るものであ
ればよい。
【0091】本発明の水産用養殖装置は高級魚介類たと
えば真鯛、平目、あわび、伊勢海老などの養殖において
最も高い効果を発揮することができるので、これら水棲
生物の養殖の目的のためには、前記酸化還元電位の測定
手段は少なくとも−200mV以上、好ましくは−20
0mVから−600mVの範囲で、最も好ましくは−3
00mVの近傍で±10mVの精度で変動を検出し信号
を出力することが必要である。この設定値は、水性媒体
に対する水棲動植物の密度によっても適度調節される。
【0092】実施例1.ホタテガイの養殖 北海道噴火湾沿岸で養殖されているホタテガイ(二年
齢、平均殻長88±14mm、平均重量86±10g)
を1991年11月に採取して被検ホタテガイとした。
【0093】稚貝をポンプによって海水に供給した水槽
中(強化アクリル樹脂製、120cm×200cm×9
0cm)で網籠ポケットに垂下して養殖した。水槽は三
つ用意し、その一つには北海道噴火湾沿岸豊浦町沖合2
00m、水深20mの海中から取水した海水を無処理の
まま供給し(無処理海水供給系)、他の二つには取水海
水はほぼ第1図に示した装置を用い砂濾過およびグラス
フィルター濾過した後オゾン発生装置(容量:1m3
時、ユニソイド社製、UN―60型)と冷却機を通過さ
せて供給した(処理海水供給系)。砂濾過は平均粒径2
4メッシュの海砂を洗浄後、70cmの高さに重層して
濾過床として行い、またグラスフィルター濾過は孔径5
0,10および5μmのフィルターを用いて行った。い
ずれの水槽においても海水供給量は毎時75リットルと
した。処理海水供給系の水槽の一つには毎夕時に無毒プ
ラクトン飼料として、ユーグレナ約15g宛を20日間
与えた。なお試験期間中循環海水の酸価還元電位は―3
00mVから―350mVに保った。
【0094】結果として180個体の全数が生存し、全
重量で試験開始時より、3%の増加を来した。
【0095】実施例2.ひらめの養殖 FRP製水槽(5m×5m×1.5m)に実施例1と同
様に濾過装置およびオゾン供給を行い20日間ひらめの
養殖を行った。
【0096】ただし試験期間中海水のpHは6.7から
7.2の間に、酸価還元電位は−350mVから−42
0mVの間に保った。結果として試験開始時の高い個体
密度60匹/m2 はそのまま試験終了まで維持された。
【0097】なお給餌はユーグレナ及び市販の養魚飼料
を用いた。
【0098】実施例3.ホタテガイの弱毒化 (1)被験ホタテガイ 北海道噴火湾沿岸で養殖されているホタテガイ(二年
齢、平均殻長88±14mm、平均重量86±10g)
を1991年11月に採取して被験ホタテガイとした。
なお、これらの被験貝のいずれもが出荷規制値(麻痺性
貝毒については可食部1g当たり4MU、下痢性貝毒に
ついては可食部1g当たり0.025MU)を超える貝
毒を含有することをマウス致死法によって予め確認し
た。
【0099】(2)被験ホタテガイの水槽養殖 被検貝をポンプによって海水に供給した水槽中(強化ア
クリル樹脂製、120cm×200cm×90cm)で
網籠ポケットに垂下して養殖した。水槽は三つ用意し、
その一つには北海道噴火湾沿岸豊浦町沖合200m、水
深29mの海中から取水した海水を無処理のまま供給し
(無処理海水供給系)、他の二つには取水海水を砂濾過
およびグラスフィルター濾過した後オゾン発生装置(容
量:100mg/hr、ユニソイド社製、UN―60
型)と冷却機を通過させて供給した(処理海水供給
系)。砂濾過は平均粒径24メッシュの海砂を洗浄後、
70cmの高さに重層して濾過床として行い、またグラ
スフィルター濾過は孔径50,10および5μmのフィ
ルターを用いて行った。いずれの水槽においても海水供
給量は毎時75リットルとした。処理海水供給系の水槽
の一つには毎夕時に無毒プラクトン飼料として、珪藻Ch
aetoceros spp., あるいはEuglena gracilisi (ハリマ
化成株式会社、Paramylon 71.3%含有)をいずれも
104 細胞/mlの濃度で投与し(給餌系)、また他方
の水槽は飼料無投与とした(非給餌系)。
【0100】3.被験ホタテガイからの貝毒の抽出 被験貝中腸腺からの貝毒の抽出はYASUMOTOらの方法1)
改変したKIKUCHI らの方法2)によって行った。
【0101】4.高速液体クロマトグラフィーによる貝
毒の定量 抽出貝毒の定量はOSHIMA3)およびKIKUCHI2) らの方法に
したがい高速液体クロマトグラフィーによって行った。
すなわち、抽出貝毒試料10μlを分離カラム(Develos
il C8-5, 野村化学)に負荷し、ゴニオトキシン系貝毒
については2mM 1−ヘプタンスルフォン酸ナトリウ
ム+10mMリン酸アンモニウムからなる溶離液によっ
て、またサキシトキシン系貝毒については2mM 1−
ヘプタンスルフォン酸ナトリウ+10mMリン酸アンモ
ニウム+10%アセトニトリルからなる溶離液によって
溶出した。溶出画分をアルカリ性標識液(7mM過ヨウ
素酸+50mMリン酸アンモニウム、pH9.0)と反
応させて蛍光化し、0.5M酢酸で中和した後330n
mの波長で励起して390nmの蛍光吸収を測定し、検
出されるピーク面積から貝毒量を算出した。
【0102】1)M.Murata, M.Shimatani, M.Sugitani,
Y.Osima & T.Yasumoto:Bull. Japan. Soc. Sci. Fis
h., vol. 48, pp.549-552 (1982). 2)菊池慎太郎、安住尚也 他:日本農芸化学会誌,vo
l. 65, pp.1753-1760 (1991). 3)Y.Oshima, M.Machida, K.Sasaki, Y.Tamaoki & T.Y
asumoto:Agricultural Biological Chemistry, vol. 4
8, pp.1707-1711 (1984) 5.被験ホタテガイの養殖条件 「実験方法」に記載したように水槽供給海水の濾過処理
は粒径24メッシュの砂濾過床、ならびに孔径50,1
0,および5μmのグラスフィルターを用いて行った。
さらに、これらの濾過処理によって除去されなかった微
生物(特に細菌)の滅菌を目的として濾過後に海水をオ
ゾン処理し酸化還元電位を―350mVから―420m
Vに保った。
【0103】給餌において平均104 細胞/mlの珪藻
(Chaetoccros gracilis)あるいはEuglena gracilisを2
0リットルずつ毎夕時に投与した。一つの水槽(容量:
2160リットル)においては180個体の年齢ホタテ
ガイを養殖したので、被検貝一個体当たり一日に105
細胞の珪藻あるいはE. gracilis が飼料として投与され
たと算出される。
【0104】6.養殖に伴う貝毒量の変動 以上の養殖条件下における麻痺性貝毒量の変動を表1に
示した。
【0105】
【表1】 表に見られるごとく給餌系(処理海水供給系)ならびに
非給餌系(処理海水給食系)のいずれにおいても毒性値
は養殖の開始とともに有意に減少し始め、特にE. graci
lis 投与系においては養殖開始後僅かに二、三日で初期
毒性値の50%近くにまで減衰した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水棲生物の飼育設備の全体概念図であ
る。
【図2】本発明の水棲生物の飼育設備の全体概念図であ
る。
【図3】本発明の実施に用いる飼育槽の説明図である。
【図4】本発明の実施に用いるレドックスタンクの説明
図である。
【図5】本発明の実施に組み込んで用いることのできる
人工海水供給系の説明図である。
【図6】オゾンによるアンモニアの分解を示す図であ
る。
【図7】オゾンによる亜硝酸塩の分解を示す図である。
【図8】オゾンによる生物酸素所要量の減少を示す図。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水棲動植物を飼育する飼育槽、 飼育槽に供給されて水棲動物を収容する水性媒体、 水性媒体を飼育槽から導出し再び飼育槽に供給する水性
    媒体循環設備、 水性媒体にオゾンを供給するためのオゾン供給手段、 水性媒体の酸化還元電位を測定する測定手段1、 水性媒体に供給されるオゾン量を制御する制御手段1、 前記測定手段1の出力を前記制御手段1に導く伝送手段
    1、 のすべてを備えた水産用養殖装置。
  2. 【請求項2】 オゾン供給手段が水性媒体循環設備に設
    けられた請求項1の水産用養殖装置。
  3. 【請求項3】 オゾン供給手段はオゾン含有気体と水性
    媒体を混合する気液混合タンクである請求項1の水産用
    養殖装置。
  4. 【請求項4】 測定手段1の出力は気液混合タンクに伝
    送される請求項3の水産用養殖装置。
  5. 【請求項5】 水性媒体は2.5%以上の食塩を含み、
    測定手段1が検出する信号は酸化還元電位で―200m
    V〜―400mVである請求項1の水産用養殖装置。
  6. 【請求項6】 水性媒体は500ppm以下の食塩を含
    み、測定手段1が検出する信号は酸化還元電位で―20
    0mV〜―600mVである請求項1の水産用養殖装
    置。
  7. 【請求項7】 2.5%以上の食塩および公知の飼料成
    分を含有し、かつオゾンと接触させその酸化還元電位を
    ―200mVないし―400mVに保った水性媒体中で
    海洋性水棲動植物を飼養する方法。
  8. 【請求項8】 2.5%以上の食塩を含み、かつ水性媒
    体の酸化還元電位を―200mVないし―400mVに
    保って毒化ホタテガイを少なくとも3日以上飼養して貝
    毒を除去する方法。
  9. 【請求項9】 食塩を500ppm以下含み、かつ酸化
    還元電位が―200mVないし―600mVに保たれた
    水性媒体中で淡水性水棲動植物を飼養する方法。
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