JPH08155431A - 液状無機組成物 - Google Patents

液状無機組成物

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JPH08155431A
JPH08155431A JP26290693A JP26290693A JPH08155431A JP H08155431 A JPH08155431 A JP H08155431A JP 26290693 A JP26290693 A JP 26290693A JP 26290693 A JP26290693 A JP 26290693A JP H08155431 A JPH08155431 A JP H08155431A
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water
inorganic composition
liquid
liquid inorganic
present
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JP26290693A
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Asao Shimanishi
淺男 嶋西
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 雲母系鉱物の無機酸処理物からなる含金属酸
性溶液であって、これを水に添加することにより、水中
にOHラジカルを生成しその水溶液中の有機物並びに無
機物を酸化する特性を有することを特徴とする水中有機
物並びに無機物酸化処理用液状無機組成物。当該液状無
機組成物は、黒雲母等の雲母系鉱物を必要により前処理
した後、これに硫酸等の鉱酸を作用させ、固液分離し、
必要により更に分離、精製することにより製造される。 【効果】 植物や動物の成長を促進する作用があり、ま
た、OHラジカルを生成し有機物並びに無機物を酸化す
る特性を有しているので、汚水や用水中の有機物や細菌
類を減少せしめる作用を有し、特に、脱臭、消臭、アオ
コの除去、ヘドロ処理、植物種子の発芽促進、動植物及
び魚貝類の成長促進等を中心として、農園芸分野、水産
分野、廃水処理分野、水道事業等において、種々の添加
剤の有効成分として広く利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、本品を水に添加するこ
とにより、その水溶液中にOHラジカルを生成し水中の
有機物並びに無機物を酸化する特性を有する水中有機物
並びに無機物酸化処理用液状無機組成物に関するもので
あり、更に詳しくは、黒雲母又は花崗岩の風化体である
蛭石等の雲母系鉱物の無機酸処理物からなる含金属性溶
液であり、水溶液中にOHラジカルを生成して有機物並
びに無機物を酸化する特性を有する液状無機組成物であ
って、種々の汚水もしくは用水の清浄化、細菌の除菌、
殺菌、脱臭、消臭、アオコの処理、ヘドロの処理、植物
種子の発芽促進、動植物及び魚貝類の成長促進等に好適
に利用することのできる水中有機物並びに無機物酸化処
理用液状無機組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】天然鉱物中には、カルシウム、シリコ
ン、アルミニウム、鉄等の主要金属を始め微量金属に至
るまでの種々の金属元素がミネラルとして多く含まれて
おり、これらのミネラルは、一般に、動物や植物等の生
体にとって必須の微量元素となっている。
【0003】従来、これらの金属元素は、一般に、化学
薬品として金属や塩の形で提供されているが、実際に、
生体にとって必要な量をこれらの化学薬品から摂取する
ことは難しく、また、現実に摂取したとしても、これが
生体にとって吸収されやすい状態になるとは限らず、そ
の有効な利用率は低いものでしかなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、生体にと
って必須であるミネラルを吸収し易い形で提供すべく鋭
意研究を重ねた結果、黒雲母又は花崗岩の風化体である
蛭石等の雲母系鉱物に鉱酸を作用させると多くのミネラ
ル分が生体に吸収しやすい形で溶出すること、及びこの
ミネラル分は生体に良いばかりでなく、種々の汚水もし
くは用水の清浄化、細菌の抗菌、脱臭、消臭、アオコの
処理、ヘドロの処理、植物種子の発芽促進、動植物及び
魚貝類等の成長促進等に好適に利用し得る有用性を有す
るものであることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明は、OHラジカルを生成
し有機物並びに無機物を酸化する特性を有する水中有機
物並びに無機物酸化処理用液状無機組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
【0006】また、本発明は、脱臭、消臭資材組成物の
有効成分として有用な新規液状無機組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】また、本発明は、アオコの処理に有用であ
って、OHラジカルを生成し有機物並びに無機物を酸化
する特性を有する新規液状無機組成物を提供することを
目的とするものである。
【0008】また、本発明は、ヘドロの処理に有用であ
って、OHラジカルを生成し有機物並びに無機物を酸化
する特性を有する新規液状無機組成物を提供することを
目的とするものである。
【0009】また、本発明は、植物種子の発芽促進、動
植物及び魚貝類等の成長促進等に有用であって、OHラ
ジカルを生成し有機物並びに無機物を酸化する特性を有
する新規液状無機組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0010】更に、本発明は、種々の汚水もしくは用水
の清浄化、細菌への抗菌等に有用であって、OHラジカ
ルを生成し有機物並びに無機物を酸化する特性を有する
液状無機組成物を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明は、以下の(1)〜(3)の技術的手段から構
成されるものである。 (1)雲母系鉱物の無機酸処理物からなる含金属酸性溶
液であって、これを水に添加することにより、水中にO
Hラジカルを生成しその水溶液中の有機物並びに無機物
を酸化する特性を有することを特徴とする水中有機物並
びに無機物酸化処理用液状無機組成物。
【0012】(2)主要成分として1〜20g/リット
ルのアルミニウム、1〜20g/リットルの鉄、1〜1
0g/リットルのマグネシウム及び1〜10g/リット
ルのカリウムを含有し、その比重は1.1〜1.5、p
Hが0.1〜2.0である前記(1)記載の液状無機組
成物。
【0013】(3)金属成分として、アルミニウム、
鉄、マグネシウム及びカリウムを多量に含み、そして、
リン、チタン、カルシウム、マンガン、ナトリウム、シ
リコン、コバルト、リチウム、銅、ニッケル、亜鉛及び
バリウムからなる金属の大部分を含み、且つヒ素、鉛、
水銀、クロムを含まない前記(1)記載の液状無機組成
物。
【0014】次に、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0015】本発明の液状無機組成物は、雲母系鉱物、
例えば、花崗岩の風化体である蛭石を使用し、必要によ
り前処理した後、これに鉱酸を作用させ、更にこれを分
離することにより得られるものである。また、蛭石の前
処理は、鉱酸を効率よく作用させるために、必要により
採用されるものであり、当該前処理は、例えば、蛭石を
含む花崗岩の風化土壌を適宜のサイズに、粉砕すること
等により行われる。
【0016】当該前処理をした後の鉱酸による処理は、
鉱酸水溶液を蛭石を含む花崗岩の風化土壌に作用させ、
溶出処理すればよい。鉱酸としては、硫酸、塩酸等が用
いられるが、硫酸が最も好ましい。鉱酸処理は、必要に
より加熱温度下で行うことが好ましく、必要なミネラル
分が蛭石から溶出するまで継続する。
【0017】更に、上記鉱酸処理物は、固液分離するこ
とにより、液状物と固形分に分離される。固液分離手段
としては、例えば、フィルタープレス等が用いられ、必
要により更に分離、精製して、本発明のOHラジカルを
生成し有機物並びに無機物を酸化する作用を有する水中
有機物並びに無機物酸化処理用液状無機組成物が分取さ
れる。
【0018】この様にして得られた本発明の液状無機組
成物の性質は以下の通りである。 1.ミネラル分量:ミネラル分を塩類換算重量で20%
以上含む。 2.ミネラル分内訳: (1)アルミニウム、鉄、マグネシウム及びカリウムを
多量に含む。 (2)リン、チタン、カルシウム、マンガン、ナトリウ
ム、シリコン、コバルト、リチウム、銅、ニッケル、亜
鉛、バリウムの大部分を含む。 (3)ヒ素、鉛、水銀、クロムを含まない。
【0019】3.比重:1.1〜1.5 4.pH:0.1〜2.0 5.作用: OHラジカルを生成し有機物並びに無機物を酸化する
作用を有する。 水のクラスターを小さくする作用を有する。 脱臭、消臭作用を有する。 懸濁物質を凝集する作用を有する。
【0020】次に、本発明の液状無機組成物の有用性に
ついて説明する。 1.脱臭、消臭分野における利用 本発明の液状無機組成物を悪臭源に対して、例えば、5
0〜5,000ppm水溶液を0.1〜100ml/m
2 程度散布することにより、悪臭を除去することができ
る。本発明の液状無機組成物を有効成分とする脱臭剤、
消臭剤組成物は、溶液、固体、エアゾール等の形態で、
し尿そのもの及びトイレ、ゴミ処理場、養鶏・養豚場等
の悪臭防止に、また、冷蔵庫、靴箱、ペット飼育舎等の
消臭に、更に、口臭、ワキガ等の体臭防止等に、広く利
用することが可能である。
【0021】2.アオコ処理分野における利用 本発明の液状無機組成物をアオコの発生した水域に、例
えば、50〜5,000ppm水溶液を10〜500m
l/m3 程度散布することにより、アオコを凝集、沈澱
せしめ、アオコを除去することが可能であり、また、リ
ンや窒素を除去するので、アオコの再発生を防止するこ
とが可能である。これにより、富栄養化によって水質悪
化の進む都市近郊の湖沼や河川の水質を浄化し、また、
これを水質源として利用することを可能とするものであ
る。
【0022】3.ヘドロ処理分野における利用 本発明の液状無機組成物を用いてヘドロを処理すること
により、ヘドロ中に含まれる溶解性有機物を分解、析出
せしめ、更に懸濁物を凝集させて、固液分離させること
により、簡便にヘドロの固液分離を可能とすると共に、
ヘドロ特有の悪臭を完全、確実に除去することができ
る。ヘドロを除去した濾過液は、透明に澄んだ、無臭の
ものであり、これをそのまま河川等に放流することがで
きることから、本発明の液状無機組成物は、環境汚染の
防止に有効なものである。
【0023】4.農園芸分野(植物種子の発芽促進)に
おける利用 本発明の液状無機組成物を50〜10,000ppmの
濃度で水に溶解し、この水溶液を農作物に適用し、浸
漬、散布することにより、発芽、発根の促進、葉、茎、
枝の伸長、果実の熟成と糖度増加、樹勢強化等において
優れた作用を示す。特に、水耕栽培において、従来法と
比べ優れた作用を示す。また、本発明の液状無機組成物
は、各種ミネラルをバランス良く、しかも吸収の良い状
態で含んでいるので、ミネラルの欠乏が原因となって発
生する各種の病害から農作物を守ることが可能となる。
【0024】本発明の液状無機組成物を有利に使用でき
る農作物としては、水耕栽培、路地栽培、温室栽培、土
壌栽培を問わず、キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、
ネギ、ブロッコリー、エンドウ、インゲン、ゴボウ、カ
イワレ大根、ミツバ、ホーレン草、葉ネギ、イチゴ、ス
イカ、メロン等の野菜類;ミカン、ネーブル、ポンカ
ン、ハッサク、桃、梨、柿、イチジク、ネクタリン、ブ
ドウ、リンゴ等の果樹類;菊、バラ、デンファレ、オン
シジウム、コチョウラン、ブーゲンビリア、黒木、モン
ステラ、ハイビスカス、アレカシア、黄金ガジュマル、
幸福の木、カーネーション、ガーベラ、シクラメン、サ
イネリア、ジュリアン、ベゴニア、ストック、菜の花等
の花卉類;芝、葉たばこ、茶、椎茸等が挙げられる。更
には、野菜、果物の鮮度保持、及び花卉類の保命効果に
も有用である。
【0025】5.水産養殖における利用 本発明の液状無機組成物を水槽に20〜500ppm程
度添加することにより、養殖魚類及び貝類の摂餌が良好
となり、生育が促進される等の効果が奏される。また、
生餌となるワムシ、ミジンコ等の微小動物の繁殖がさか
んとなり、また、水棲植物が迅速に繁茂する。
【0026】本発明の液状無機組成物を利用することに
よって、生育が促進される養殖魚類の例としては、銀
鮭、キングサーモン、ヤマメ、ニジマス、ウグイ、ハ
ヤ、タナゴ、鯉、鮒、うなぎ、なまず、どじょう類等の
淡水養殖魚;メジナ、メバル、ソイ、ヒラメ、鯛、カワ
ハギ等の海水養殖魚;グッピー、オスカー、エンゼルフ
ィッシュ、ネオンテトラ等の熱帯魚;オニテナガエビ、
藻エビ、蟹類等の甲殻類;アワビ、真珠貝、カキ、帆立
貝等の貝類が挙げられる。
【0027】6.汚水処理分野における利用 本発明の液状無機組成物を100〜50,000ppm
程度汚水中に添加することにより、汚水中に含まれる有
機物を分解、析出、凝集、沈降せしめ、汚水をきれいな
水に変えることが可能となる。本発明の液状無機組成物
により処理可能な汚水の例としては、水産加工廃水、家
畜屎尿、養鶏廃水、人間屎尿、化学産業廃水等が挙げら
れる。
【0028】7.用水浄化分野における利用 本発明の液状無機組成物を水道水に20〜500ppm
程度加えることにより、溶解性有機物の析出除去と、次
亜塩素酸ソーダそのもの及び塩素殺菌の際に副生成物と
して生じるトリハロメタンを分解、析出させて無毒化、
無臭化することができ、更にミネラル分が補給されるの
で、水道水を無菌状でミネラルウォーターに変えること
ができる。また、湖沼水や、河川水に本発明の液状無機
組成物を添加し、これらの水中に含まれている有機物や
微生物を分解、析出、凝集、濾過することにより安全な
飲料水とすることができる。
【0029】8.殺菌消毒分野に於ける利用 本発明の液状無機組成物を水に100〜1,000pp
m加えることにより、抗菌作用のある水溶液とすること
ができるために、例えば、風呂、温泉、プール等の湯水
の処理に有用であり、更に、現在、殺菌のために次亜塩
素酸ソーダを使用している全利用分野への応用が可能で
ある。
【0030】
【作用】本発明の液状無機組成物の作用機序は、未だ明
らかでない部分も有るが、次のように推察される。すな
わち、本発明の液状無機組成物である腐食花崗岩から鉱
酸抽出したミネラル液(商品名:シーマロックス、シマ
ニシ科研社製)を廃水に添加すると、ガスが発生し、二
相分離が起こるとともにCODが低下する。分析の結
果、発生したガスはCO2 であることが判明している。
このことは、廃水中の有機物がシーマロックスにより酸
化されたからであると考えられる。ESRによる測定結
果から、シーマロックスの添加により酸化力の強いOH
ラジカルが生成することが計測された。本発明の液状無
機組成物の上記各種作用は、当該OHラジカルの強い酸
化作用に基づくものであると推察されるが、従来、生体
外で当該OHラジカルを生成し有機物を酸化する特性を
見い出した例はなく、本発明者が見い出した新規な知見
である。
【0031】また、液状無機組成物の好適な出発原料の
1つである黒雲母は、フィロ珪酸塩に属する化合物であ
り、層状構造をなしている。そして、必要により行われ
る前処理、次いで鉱酸処理することによりこれらのイオ
ンを始めとする各種のイオンが、単純イオンの他、複イ
オン、錯イオン又は水溶性酸化物の形で溶出するものと
考えられる。フィロ珪酸塩のうち特に黒雲母が良い理由
は、黒雲母自身が他の鉱物と比べ多種類のミネラル分を
含んでおり、また、黒雲母の場合、構造的にこれらミネ
ラル分を抽出しやすいためである。また、花崗岩の風化
体である蛭石も同じことが言える。
【0032】得られた液状無機組成物に含まれるこれら
のミネラル分は、天然に徐々に溶出されるものと同じで
あるため、動植物等の生体に必須的要素であり、その成
長を促進するものと推察される。
【0033】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は何らこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0034】実施例1 黒雲母を粉砕、篩別して4メッシュ以下の粉体とした。
この粉体1m3 に25〜50%硫酸1m3 を加え、80
℃で4時間100rpm(1分間当りの回転数)で攪拌
し、次いで50rpmで1時間攪拌した。次いで、この
混合物をフィルタープレスにかけ固液分離し、精製し
て、OHラジカルを生成し有機物を酸化する作用を有す
る液状物1.5m3 を得た。得られた液状無機組成物の
pHは0.2であり、これについて組成成分を分析した
結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果から明らかなように、本発明の
液状無機組成物は、多種のミネラル分を多量に含むもの
であった。
【0037】実施例2 花崗岩の風化体である蛭石を粉砕、篩別して4メッシュ
以下の粉体とした。この粉体1m3 に25〜50%硫酸
1m3 を加え、80℃で4時間100rpm(1分間当
りの回転数)で攪拌し、次いで50rpmで1時間攪拌
した。次いで、この混合物をフィルタープレスにかけ固
液分離し、精製して、OHラジカルを生成し有機物を酸
化する作用を有する液状物1.5m3 を得た。
【0038】実施例3 実施例1で製造したミネラル液(シーマロックス)を用
いゴム工場の廃水処理を行なった結果を表2に示す。先
ず原水(COD4,240ppm)を沈澱分離(1次処
理)することによりCOD値2,810ppmとし、こ
れにシーマロックス300ppmを添加するとガスが発
生し二相分離が起こりCOD値が1,430ppmまで
低下した。更にセラミックス濾過することにより最終処
理水はCOD値18.6ppmになった。一方、BOD
値の低下割合はCOD値の場合より更に大きくなってい
る。
【0039】
【表2】
【0040】エレクトロニクス製造工場の廃水処理結果
を表3に示す。SS、COD値、n−ヘキサン抽出物と
も顕著に減少している。
【0041】
【表3】
【0042】シーマロックスの添加により排水中の溶解
有機物が酸化分解されCO2 が発生する原因を調べるた
めシーマロックスのESR測定をスピントラッピング法
で行なった。ラジカル補捉剤としてDMPO(5,5−
dimethylpyrroline 1−oxid
e)をシーマロックスの希釈液に添加し測定した。その
結果を図5に示す。図1から明らかなとおり、DMPO
−OHの特徴的な4つのピークが得られ、OHラジカル
の発生が確認された。ESRの測定は日本電子(株)製
のRE2Xによった。
【0043】実施例4 実施例1で得た液状無機組成物について、これを水道水
に添加して希釈したときのpH(水素イオン濃度)と電
導度の変化を調べた。希釈に用いた水道水は、水温18
℃、pH7.6、電導度0.148のものであった。こ
の結果を、図2及び図3に示す。
【0044】実施例5 実施例1で得た液状無機組成物について、これを水道水
に添加したときの水クラスターの変化を17O−NMRで
調べた。17O−NMRの測定条件は、次の通りである。
【0045】(測定条件) 使用機器:JEOL 日本電子 JNM−GSX400
FT−NMR 測定核種:17O 観測周波数: OBFRQ:54.10MHz OBSET:80.00KHz OBFIN:12073.8Hz 観測周波数範囲:24509.8Hz データ点数:32768ポイント パルス幅:22.0μsec 測定モード:SGNON 積算回数:500回 フィルター:12250Hz 溶媒:無溶媒 標準物質:H2 O 測定温度:25℃
【0046】水道水のみ(東京都北区王子にて採取)の
時の結果を、図4に、水道水に本発明の液状無機組成物
を100ppm添加したときの結果を、図5に示す。
【0047】この結果から明らかなように、水道水では
半値幅が132Hzであったのに対し、水道水に液状無
機組成物を加えた後の半値幅は74Hzとなり、水の会
合体であるクラスターが小さくなっていることが示され
た。なお、現在、クラスターの小さい水ほど良質の水、
あるいは美味い水、活性水等と言われ生体にとって有益
な水とされている。
【0048】実施例6 養殖魚に対する使用:養鰻に使用する水(井水自然)
に、100ppmの濃度で本発明の液状無機組成物を加
え、その効果を調べた。養鰻に使用する養殖槽は250
トンであり、この中で鰻の稚魚を32,000匹飼育し
た。飼育方法は、従来と全く同様に給餌して行った。
【0049】この結果、飼育開始後160〜180日で
稚魚から成魚となり、従来に比べ生育期間が大幅に短縮
された。また、飼育期間中、pHは6〜6.7で安定し
ており、溶存酸素量(DO)も多く、微生物量も平均
1.5×103 程度となった。更に、飼育水の色度が
1.4〜1.8程度となり、従来は透視度が10cm位
であったものが底まで見えるようになった。更にまた、
飼育水中のカルシウムイオン量が従来は2,600pp
m程度であったものが550〜580ppmに低下し
た。なお、飼育期間中に病害の発生は認められず、生存
率はほぼ100%であった。
【0050】実施例7 実施例1で得られた液状無機組成物を500ppmにな
るように水に溶解し、これを噴射ガス(LPG)ととも
にエアゾール容器に充填し、消臭スプレーを調製した。
この消臭スプレーを、通常の家庭の冷蔵庫に噴霧したと
ころ、冷蔵庫中の腐敗臭(悪臭)が直ちになくなった。
その効果は翌日まで持続した。また、この消臭スプレー
を悪臭のあるトイレに噴霧したところ悪臭がなくなり、
その効果は3時間持続した。また、この消臭スプレーを
歯槽膿漏の口臭で悩む人の口にスプレーしたところ、口
臭が消えその効果は30分間持続したままであった。更
に、この消臭スプレーを獣臭のある犬小屋に噴霧したと
ころ獣臭が消え、その効果は6時間持続した。
【0051】更に、悪臭源として、糞臭のある鳥かご、
幼児用おむつ、列車に付属する循環式トイレ、ゴミ処理
廃棄場、熱帯魚の水槽等を選定し、同様に処理したとこ
ろ、同様の結果が得られた。
【0052】実施例8 アオコの発生が認められる昆陽池(兵庫県伊丹市)の水
について、実施例1で得たのと同じ液状無機組成物をア
オコ除去剤として使用することにより、生活用水や飲料
水に利用できる程度に浄化できるかどうかを検討した。
【0053】試験は、鉄板製の、側面に直径約30cm
の透明アクリル製の窓を取り付けて、作業中に水槽内部
の状況を観察できるようにした角型10トン水槽に池の
水10トンをポンプで送り込み、これに薬剤自動添加装
置、浮上汚泥回収装置を設置して、実施例1で得たのと
同じ液状無機組成物によって池の水を処理し、COD、
SS、全りん、全窒素及びアオコを含む各種藻類の量の
変化を検討した。この結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】実施例9 某神社の池で数十年に亘って堆積したヘドロをスラリー
ポンプにより吸い上げて200リットル容器のポリエチ
レン製タンクに採取した。これに、蛭石(バーミキュラ
イト)由来の無機酸処理物(商品名:シーマロックス、
シマニシ科研社製)を200ml添加し、攪拌し、30
分間放置した。30分後にスラリーは上澄液100リッ
トルと濃縮スラリー100リットルに分離した。上澄水
をサイフォンにより排出して、濃縮ヘドロのスラリー
(水分30%)を得た。上澄のpHは、pH6.5であ
ったので、そのまま池に還流させた。濃縮ヘドロのスラ
リーは、肥料と混合、乾燥させ、土壌改良剤として使用
することができた。
【0056】実施例10 次に、実施例9で得られた濃縮ヘドロのスラリーに高分
子凝集剤(中性アニオン系、アコフロックA−110、
三井サイアナミット社製)を100ppm(乾量換算1
0g)添加し、攪拌して、濃縮ヘドロのスラリーをゼラ
チン状に凝集させた。
【0057】次いで、別の200リットル容量のポリタ
ンク(底から20cm高い処に格子を設け、その上に合
成繊維の濾過布を敷いた)を用意し、上記ゼラチン状に
凝集させたスラリーを入れた。これを、16時間放置し
た後、濾過脱水を行った結果、スラリー中の水分は20
%に脱水されるとともに、濾過液として、濁りのない澄
明な、且つ悪臭の除去された無臭の水が得られた。濾過
液は、そのまま池に還流させた。
【0058】更に、このスラリーを7日間天日乾燥した
結果、水分は12%迄脱水され固形状のヘドロ乾燥物が
得られた。
【0059】実施例11 本発明の液状無機組成物を50〜100ppmの濃度で
水に溶解し、この水溶液を農作物の種子浸漬及び葉面散
布などにより適用することにより、発芽、発根の促進、
葉、茎、枝の伸長、果実の熟成と糖度増加、樹勢強化等
において優れた結果を示した。特に、水耕栽培におい
て、従来法と比べ優れた結果を示した。また、本発明の
液状無機組成物は、各種ミネラルをバランス良く、しか
も吸の良い状態で含んでいるので、ミネラルの欠乏が
原因となって発生する各種の農病害から農作物を守る作
用を有することが分った。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の水中有機
物並びに無機物酸化処理用液状無機組成物は、動植物及
び魚貝類の成長を促進する作用があり、また、OHラジ
カルを生成し有機物を酸化する特性を有しているので、
汚水や用水中の有機物や細菌類を減少せしめる作用を有
し、特に、種々の汚水もしくは用水の清浄化、細菌の抗
菌、脱臭、消臭、アオコの除去、ヘドロ処理、植物種子
の発芽促進、動植物体の成長促進等を中心として、農園
芸分野、水産分野、廃水処理分野、水道事業等におい
て、種々の添加剤の有効成分として広く利用することが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液状無機組成物添加後(図中、上段は
100ppm、下段は1,000ppm添加)のESR
スペクトルを示す説明図である。
【図2】本発明の液状無機組成物の添加濃度と水素イオ
ン濃度及び導電率の関係を示す説明図である。
【図3】本発明の液状無機組成物の添加濃度と水素イオ
ン濃度及び導電率の関係を示す説明図である。
【図4】水道水の17O−NMR測定値を示す説明図であ
る。
【図5】本発明の液状無機組成物を添加した水道水の17
O−NMR測定値を示す説明図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月26日
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雲母系鉱物の無機酸処理物からなる含金
    属酸性溶液であって、これを水に添加することにより、
    水中にOHラジカルを生成しその水溶液中の有機物並び
    に無機物を酸化する特性を有することを特徴とする水中
    有機物並びに無機物酸化処理用液状無機組成物。
  2. 【請求項2】 主要成分として1〜20g/リットルの
    アルミニウム、1〜20g/リットルの鉄、1〜10g
    /リットルのマグネシウム及び1〜10g/リットルの
    カリウムを含有し、その比重は1.1〜1.5、pHが
    0.1〜2.0である請求項1記載の液状無機組成物。
  3. 【請求項3】 金属成分として、アルミニウム、鉄、マ
    グネシウム及びカリウムを多量に含み、そして、リン、
    チタン、カルシウム、マンガン、ナトリウム、シリコ
    ン、コバルト、リチウム、銅、ニッケル、亜鉛及びバリ
    ウムからなる金属の大部分を含み、且つヒ素、鉛、水
    銀、クロムを含まない請求項1記載の液状無機組成物。
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