JP2004160349A - 魚介類用水浄化装置 - Google Patents

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Toyoyuki Urabe
豊之 卜部
Masako Saimoto
雅子 才本
Yoshifumi Karizume
慶文 狩集
Mariko Uchiyama
真理子 内山
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RIKUJO YOSHOKU KOGAKU KENKYUSH
Panasonic Electric Works Co Ltd
Rikujo Yoshoku Kogaku Kenkyusho KK
Original Assignee
RIKUJO YOSHOKU KOGAKU KENKYUSH
Rikujo Yoshoku Kogaku Kenkyusho KK
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

【課題】大型化する傾向のある硝化槽や脱窒槽を用いる必要なく、且つ水槽中でのアンモニアの発生量の増減に対応して容易にその処理度合いを変更して、アンモニア等の窒素成分を除去する処理を行なうことができる魚介類用水浄化装置を提供する。
【解決手段】水槽14から取り出された塩化ナトリウムを含む水のアンモニア成分濃度をアンモニア測定手段にて測定し、この水を電解処理することにより水中に活性塩素種を供給し、この処理後の水中の残留塩素濃度を塩素測定手段にて測定し、水槽14に返送する。この処理過程において、制御手段は、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を増大させるように制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚介類の養殖産業に用いる水を浄化する魚介類用水浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
養殖槽で魚介類を高密度に養殖したり、一時的に蓄養したりする場合、養殖槽内の飼育水を循環経路を通して浄化しながら循環させることが行なわれている。このような循環系の養殖装置にあって、魚介類に与える餌や残餌に起因して、また魚介類の糞や代謝物に起因して、水中にアンモニアが発生すると、このアンモニアは水が循環されているうちに蓄積されることになる。そしてこのように水中にアンモニアが蓄積されると、魚介類の摂餌に影響を与えるおそれがあり、また蓄積のレベルが高くなると魚介類にアンモニア中毒を引き起こし、死に至らせるおそれもある。
【0003】
そこで、循環経路に硝化槽を設け、アンモニアを硝化して亜硝酸、さらには硝酸へと硝酸態窒素に変換することが行われている。魚介類に対する毒性は、アンモニアや亜硝酸に対して硝酸は著しく低いので、アンモニアを硝化して硝酸態窒素にするようにしているのである。
【0004】
しかし、アンモニアが硝酸態窒素に変換されて、水中に硝酸態窒素が徐々に蓄積されると、飼育水のpH低下を引き起こし、また魚介類の摂餌にも影響を及ぼすことになる。
【0005】
このために特許文献1、特許文献2、特許文献3等では、硝化槽と脱窒槽を併用するようにしている。すなわち、硝化槽でアンモニアを硝化して硝酸態窒素にした後、脱窒槽でこの硝酸態窒素の亜硝酸や硝酸を分解して窒素ガスにし、硝酸態窒素を水中から脱窒するようにしているのである。ここで、硝化槽では、酸素を必要とする好気性の硝化菌等によってアンモニアが硝化されており、好気性条件で硝化の反応が進行し、また脱窒槽では、嫌気性の脱窒菌等によって硝酸態窒素が分解されて脱窒されており、嫌気性条件で脱窒の反応が進行している。
【0006】
【特許文献1】
特開昭63−181938号公報
【特許文献2】
特開昭64−63325号公報
【特許文献3】
特開平3−216129号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、養殖槽で魚介類を高密度に養殖する場合、魚介類に十分な酸素を与えるために、酸素を常時供給している。このために、養殖槽や循環経路の水中には溶存酸素が多量に溶け込んでおり、系の全体は好気状態になっている。
【0008】
系がこのように好気状態になっているのは、硝化槽における硝化においては都合が良いが、脱窒槽での脱窒反応は嫌気性条件でないと進行しないので、脱窒の効率が低くなるという問題が生じる。
【0009】
そして、嫌気性条件で脱窒反応を行なわせるために、脱窒槽を嫌気状態にするには、脱窒槽の容積を大きく形成しなければならないという問題もあった。すなわち、脱窒槽に流入する水にはアンモニアその他の有機物も含まれており、これらの有機物は脱窒槽内で分解され、その際に酸素が消費されるので水中の溶存酸素が少なくなるため、脱窒槽を大きくすることにより、脱窒槽内の前段で水中の溶存酸素が十分に消費され、脱窒槽内の後段を嫌気状態にする必要があったものである。このため、装置全体の高コスト化や、脱窒細菌の栄養源となる糖類、アルコール類、水素ガス等の添加量の増加による高ランニングコスト化をもたらすという問題が生じる。
【0010】
そこで本出願人らは、特願2002−86290号として、循環経路を循環する水を電気分解することによって活性塩素種を発生させて、この活性塩素種にて水中の窒素成分を除去するようにし、大型化する傾向のある硝化槽や脱窒槽を用いずに脱窒を行うようにした閉鎖循環式の養殖システムに関する出願を行ったものである。ここで、発生する活性塩素種が過大であると処理後の水中に活性塩素種が残存し、魚介類の生育に悪影響を与えてしまうおそれがあるが、このような活性塩素種の残存を防止するために、上記の本出願人らによる特許出願では、塩素中和槽により活性塩素種を中和することを提案している。また電気分解により生成される活性塩素量を予め低く設定しておくことにより活性塩素種の残存自体を防止することも考えられる。
【0011】
しかしながら、水槽内で発生するアンモニア量は常に一定であるとは限らず、このため上記のようにして活性塩素種の残存を防止したとしても、アンモニアの発生量が多い場合には処理後の水中にアンモニアが残存してしまうおそれがあった。このような事態を防止するために電気分解の度合いを変更することも考えられるが、アンモニア量の変化を見越して適宜電気分解の度合いを変更するのは非常に煩雑な手間がかかってしまうものであった。
【0012】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、大型化する傾向のある硝化槽や脱窒槽を用いる必要なく、且つ水槽中でのアンモニアの発生量の増減に対応して容易にその処理度合いを変更して、アンモニア等の窒素成分を除去する処理を行なうことができる魚介類用水浄化装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る魚介類用水浄化装置は、魚介類を備蓄又は飼育する水槽14の水を取り出し、水中のアンモニア成分を浄化して水槽14に返送する魚介類用水浄化装置において、水槽14内又は水槽14から取り出された塩化ナトリウムを含む水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段と、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した水を電解処理することにより水中に活性塩素種を供給する浄化手段と、浄化手段にて処理された後の水中の残留塩素濃度を検出する塩素測定手段と、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0014】
請求項2に係る魚介類用水浄化装置は、魚介類を備蓄又は飼育する水槽14の水を取り出し、水中のアンモニア成分を浄化して水槽14に返送する魚介類用水浄化装置において、水槽14内又は水槽14から取り出された塩化ナトリウムを含む水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段と、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した水を電解処理して水中に活性塩素種を供給した後にこの電解処理がなされた水と、電解処理がなされていない水とを混合する浄化手段と、上記電解処理がなされていない水が混合された水中の残留塩素濃度を検出する塩素測定手段と、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0015】
請求項3に係る魚介類用水浄化装置は、魚介類を備蓄又は飼育する水槽14の水を取り出し、水中のアンモニア成分を浄化して水槽14に返送する魚介類用水浄化装置において、水槽14内又は水槽14から取り出された水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段と、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した水に対して塩素化合物を添加することにより水中に活性塩素種を供給する浄化手段と、活性塩素種が供給された水中の残留塩素濃度を検出する塩素測定手段と、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、制御手段が、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合には、アンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合であっても、浄化手段における活性塩素種の供給量を低減させるように浄化手段を制御するものであることを特徴とするものである。
【0017】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、浄化手段による処理がなされた後、塩素測定手段にて残留塩素濃度が測定される前の水のpHを制御するpH制御手段を具備することを特徴とするものである。
【0018】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、浄化手段による処理がなされた後、塩素測定手段にて残留塩素濃度が測定される前の水に活性塩素種と反応する化合物を供給する中和手段を備えることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態の第一例を示すものであり、実線矢印は水の経路を、点線矢印は制御用の信号経路をそれぞれ示している。水槽14内には魚介類を飼育又は備蓄するための水が保持されており、本実施形態では塩化ナトリウム(NaCl)を含む海水等の塩水が保持される。この魚介類が飼育又は備蓄される水槽14には循環経路15が接続してあり、循環経路15に設けた循環ポンプ4を作動させることによって、水槽14中の水を循環経路15を通して循環させるようにしてある。そしてこの循環経路15には、水の流れの方向に沿った順で、循環ポンプ4、アンモニア測定器5、電解槽1、塩素測定器2が接続してある。
【0021】
上記のように形成される魚介類用水浄化装置にあって、魚介類の排泄物や食べ残された餌によって発生したアンモニアを含む水槽14内の水は、水槽14から循環ポンプ4を経由して、まずアンモニア測定器5に送られる。アンモニア測定器5は、水槽14から取り出された塩化ナトリウムを含む水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段として設けられている。
【0022】
尚、上記アンモニア測定器5は循環経路15に設けずに、例えば水槽14内に設けて水槽14中の水のアンモニア濃度を直接測定するようにしても良い。これは、後述する実施の形態の第二例から第九例においても同様である。
【0023】
次いで、水は電気分解槽1に送られる。この電気分解槽1は、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した後の水を電解処理することにより水中に活性塩素種を供給する浄化手段(電解手段)として設けられている。
【0024】
この電気分解槽1は白金めっきチタン板などからなる電解用の少なくとも一対の電極を内装しており、例えば予め設定された時間毎に、印可される電圧の向きを逆転させて電極の極性を反転させるようにしてある。この電気分解槽1での電解動作では、制御部3により電解電圧や電解電流値が制御されるものであり、電解電圧は3〜20V程度、電解電流値は10〜20A程度の範囲で制御されることが好ましい。
【0025】
この電気分解槽1では、NaClを含む水が電気分解され、陽極付近に次のような反応で、次亜塩素酸等の活性塩素種が生成される。
【0026】
陽極: Cl+2OH → ClO+H
そしてこのように生成した次亜塩素酸等の活性塩素種は、水中に含まれるアンモニアと反応して次のような反応でクロラミンを生成し、さらにこのクロラミン同士が反応して窒素を遊離し、塩素イオンに戻るという一連の反応が起こり、この遊離された窒素が窒素ガスとしてシステム外へ排出されることによって、水中のアンモニアなどの窒素成分が除去されるものである。ここで、アンモニアは亜硝酸に酸化されることなく窒素に変換されるので、魚介類に対する毒性が強い亜硝酸を生成してしまうようなことがなくなる。
【0027】
クロラミン生成: NH +ClO → NHCl+H
窒素遊離 : 2NHCl+2OH → N+2Cl+2H
水の電解分解で発生する上記の次亜塩素酸は漂白剤として知られているように脱色作用があり、また殺菌剤でもあることから、脱色作用や殺菌作用も奏することとなる。
【0028】
このように、電気分解槽1でアンモニア等の窒素成分が除去され、さらに脱色や殺菌がされた水は、塩素測定器2に送られる。この塩素測定器2は、浄化手段にて処理された後の水中に残留する活性塩素種の濃度(残留塩素濃度)を検出する塩素測定手段として設けられている。この塩素測定器2によって残留塩素濃度が測定された後の水は、水槽14に返送される。
【0029】
上記のアンモニア測定器5は水中のアンモニア濃度に応じた信号や、この信号を増幅した信号を制御部3に伝送するものであり、適宜のアンモニア測定用のセンサにて構成することができるが、例えばガス透過膜法を利用したアンモニア測定用のセンサを適用することができる。また塩素測定器2は水中の活性塩素種の濃度に応じた信号や、この信号を増幅した信号を制御部3に伝送するものであり、適宜の遊離塩素測定用のセンサにて構成することができるが、例えば電極によるポーラログラム法を利用した遊離塩素測定用のセンサを適用することができる。
【0030】
上記の制御部3はIC等から構成されるものであり、アンモニア測定器5にて測定される水中のアンモニア濃度及び塩素測定器2にて測定される水中の残留塩素濃度に基づき、電気分解槽1における電解条件を変更する制御を行うものであり、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段として設けられている。すなわちアンモニア測定器5にて測定されるアンモニア濃度が所定の基準濃度を超える場合には、電気分解槽1における電解電流の通電量を増大させるように電気分解槽1を制御し、塩素濃度測定器2にて測定される水中の残留塩素濃度が所定の基準濃度を超える場合には、電気分解槽1における電解電流の通電量を低減し、或いは電解電流の通電を停止するように制御を行うようにするものである。このときのアンモニアの基準濃度及び遊離塩素の基準濃度は、適宜設定されるが、例えばアンモニアの基準濃度を2ppm、残留塩素濃度の基準濃度を1ppmとするものである。また電解電流の通電量を増大させ、或いは低減させる場合の通電量の増大量や低減量も適宜設定されるものであるが、例えばアンモニア測定器5にて測定されるアンモニア濃度が所定の基準濃度を超えることが検知されるごとに通電量を1Aずつ増大させ、また塩素濃度測定器2にて測定される水中の残留塩素濃度が所定の基準濃度を超えることが検知されるごとに通電量を2Aずつ低減するものである。
【0031】
このようにアンモニア濃度と残留塩素濃度に基づいて電気分解槽1における電解条件を制御すると、水槽14から取り出される水中のアンモニア濃度が変動する場合でも、このアンモニア濃度が高くなった場合には電解度合いを向上させてアンモニアの処理効率を向上し、水槽14における魚介類の生息環境を良好な状態に維持することができ、またアンモニア濃度が低くなってアンモニアと反応しない活性塩素種の量が多くなり、水槽14に返送される水の残留塩素濃度が高くなった場合には電解度合いを低減し、或いは電解を停止して、水槽14中の残留塩素濃度が高くなることを防止し、水槽14における魚介類の生息環境を良好な状態に維持することができるものである。
【0032】
また制御手段は、塩素測定手段にて測定された塩素濃度が所定の値を超える場合には、アンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合であっても、浄化手段における活性塩素種の供給量を低減させるように浄化手段を制御することが好ましく、すなわち、塩素測定器2にて測定される残留塩素濃度が上記の所定の基準濃度を超える場合には、アンモニア測定器5にて測定されるアンモニア濃度が上記の所定の基準濃度を超えている場合であっても、制御部3は電気分解槽1における電解電流の通電量を低減するように制御を行うようにすることが好ましい。塩素測定器2にて測定される残留塩素濃度が高い場合には、電解処理前のアンモニア濃度が高くても電解処理後にはアンモニア濃度が十分に低減されているものであり、またたとえ電解処理後のアンモニア濃度が高いとしても、アンモニアよりも活性塩素種の方が魚介類に対する毒性が高いため、残留塩素濃度の増大を優先的に抑制するものである。
【0033】
図2は本発明の実施の形態の第二例を示すものであり、実線矢印は水の経路を、点線矢印は制御用の信号経路をそれぞれ示している。上記第一例と同様に水槽14内には魚介類を飼育又は備蓄するための水として、NaClを含む海水等の塩水が保持される。この魚介類が飼育又は備蓄される水槽14に循環経路15が接続してあり、循環経路15に設けた循環ポンプ4を作動させることによって、水槽14中の水を循環経路15を通して循環させるようにしてある。
【0034】
この循環経路15には、水の流れの方向に沿った順で、循環ポンプ4、アンモニア測定器5、混合槽6、塩素測定器2が接続してある。循環経路15にはアンモニア測定器5と混合槽6との間から分岐して混合槽6へと接続される分岐経路16が設けられており、この分岐経路16に電気分解槽1が接続されている。
【0035】
上記のように形成される魚介類用水浄化装置にあって、魚介類の排泄物や食べ残された餌によって発生したアンモニアを含む水槽14内の水は、水槽14から循環ポンプ4を経由して、まずアンモニア測定器5に送られる。アンモニア測定器5は、水槽14から取り出された塩化ナトリウムを含む水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段として設けられている。
【0036】
次いで、水は分岐経路16の分岐点において、一部が電気分解槽1に送られ、残りが混合槽6へと送られる。この電気分解槽1と混合槽6とは、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した後の水を電解処理して水中に活性塩素種を供給した後にこの電解処理がなされた水と、電解処理がなされていない水とを混合する浄化手段を構成する。
【0037】
上記電気分解槽1では、第一例と同様に、次亜塩素酸等の活性塩素種が生成して、水中のアンモニアなどの窒素成分が除去されるものであり、そして処理後の水が混合槽6へと送られる。
【0038】
混合槽6では、上記のように電気分解槽1で電解処理が施された水と、この電解処理が施されていない水とが流入し、この二種類の水が混合槽6内で合流することにより混合される。
【0039】
次いで、混合槽6から流出した水は、塩素測定器2に送られる。この塩素測定器2は、浄化手段にて処理された後の水中に残留する活性塩素種の濃度(残留塩素濃度)を検出する塩素測定手段として設けられている。この塩素測定器2によって残留塩素濃度が測定された後の水は、水槽14に返送される。
【0040】
上記のアンモニア測定器5は水中のアンモニア濃度に応じた信号や、この信号を増幅した信号を制御部3に伝送するものであり、第一例と同様に適宜のアンモニア測定用のセンサにて構成することができる。また塩素測定器2は水中の活性塩素種の濃度に応じた信号や、この信号を増幅した信号を制御部3に伝送するものであり、第一例と同様に適宜の遊離塩素測定用のセンサにて構成することができる。
【0041】
上記の制御部3は、アンモニア測定器5にて測定される水中のアンモニア濃度及び塩素測定器2にて測定される水中の残留塩素濃度に基づき、電気分解槽1における電解条件を変更する制御を行うものであり、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段として設けられている。すなわち制御部3では、上記第一例と同様にして、アンモニア測定器5にて測定される水中のアンモニア濃度及び塩素測定器2にて測定される水中の残留塩素濃度に基づき、電気分解槽1における電解条件を変更する制御を行うものである。
【0042】
このように構成される魚介類用水浄化装置は、高循環流量(例えば200リットル/分以上)を必要とする飼育条件の魚種を飼育又は備蓄する場合に適している。すなわち、流量がある程度以上多い水を電解処理しても活性塩素種の濃度をある程度以上高くすることは難しいが、流量が少ないと電解により活性塩素種の濃度をかなりの程度高くすることができるものであり、更にこの電解処理後の水と電解処理がなされていない水とを混合することで流量を確保することができ、且つ流量が多い水を直接電解処理するよりも活性塩素種の濃度を高くすることができるものである。
【0043】
図3は本発明の実施の形態の第三例を示すものである。上記第一例及び第二例と同様に水槽14内には魚介類を飼育又は備蓄するための水が保持されているが、この水はNaClを含む海水等の塩水である必要はなく、淡水でも良い。この魚介類が飼育又は備蓄される水槽14に循環経路15が接続してあり、循環経路15に設けた循環ポンプ4を作動させることによって、水槽14中の水を循環経路15を通して循環させるようにしてある。
【0044】
この循環経路15には、水の流れの方向に沿った順で、循環ポンプ4、アンモニア測定器5、活性塩素種供給器7、塩素測定器2が接続してある。
【0045】
上記のように形成される魚介類用水浄化装置にあって、魚介類の排泄物や食べ残された餌によって発生したアンモニアを含む水槽14内の水は、水槽14から循環ポンプ4を経由して、まずアンモニア測定器5に送られる。アンモニア測定器5は、水槽14から取り出された水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段として設けられている。
【0046】
次いで、この水には、活性塩素種供給器7により活性塩素が供給される。この活性塩素種供給器7は、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した後の水に対して塩素化合物を添加することにより水中に活性塩素種を供給する浄化手段(塩素化合物供給手段)として設けられている。
【0047】
上記活性塩素種供給器7は、アンモニア測定器5と塩素測定器2との間において循環経路15に合流する添加経路17を接続し、この添加経路17の一端に塩素化合物供給器8を接続すると共に他端において循環経路15と合流させ、この経路途中にポンプ9を設けることにより構成されている。このとき塩素化合物供給器8は例えば1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液等の塩素化合物水溶液を備蓄したタンクにて構成することができ、この塩素化合物供給器8から添加経路17への塩素化合物水溶液の供給をポンプ9のオンオフで制御することができるように構成するものである。またポンプ9に代えてバルブ等を設けるようにしても良い。
【0048】
そして塩素化合物供給器8から添加経路17を介して、アンモニア測定器5と塩素測定器2との間において循環経路15に塩素化合物が流入し、アンモニア濃度が測定された後の水にこの塩素化合物が添加される。塩素化合物供給器8からは、水に溶解することにより次亜塩素酸等の活性塩素種が生成する塩素化合物が供給されるようにするものであり、例えば塩素化合物供給器8として次亜塩素酸ナトリウムを供給するものが設けられる。
【0049】
このように水中に塩素化合物が添加されて活性塩素種が供給されることにより、上記第一例と同様に水中のアンモニアなどの窒素成分が除去されるものであり、そして処理後の水が塩素測定器2に送られる。この塩素測定器2は、浄化手段にて処理された後の水中に残留する活性塩素種の濃度(残留塩素濃度)を検出する塩素測定手段として設けられている。この塩素測定器2によって残留塩素濃度が測定された後の水は、水槽14に返送される。
【0050】
上記のアンモニア測定器5は水中のアンモニア濃度に応じた信号や、この信号を増幅した信号を制御部3に伝送するものであり、第一例や第二例と同様に適宜のアンモニア測定用のセンサにて構成することができる。また塩素測定器2は水中の活性塩素種の濃度に応じた信号や、この信号を増幅した信号を制御部3に伝送するものであり、第一例や第二例と同様に適宜の遊離塩素測定用のセンサにて構成することができる。
【0051】
上記制御部3は、アンモニア測定器5にて測定される水中のアンモニア濃度及び塩素測定器2にて測定される水中の残留塩素濃度に基づき、塩素化合物供給器8から供給される塩素化合物の供給量を制御するものであり、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段として設けられている。すなわち制御部3では、アンモニア測定器5にて測定されるアンモニア濃度が所定の基準濃度を超える場合には、塩素化合物供給器8から供給される塩素化合物量を増大させるように制御し、塩素濃度測定器2にて測定される水中の残留塩素濃度が所定の基準濃度を超える場合には、塩素化合物供給器8から供給される塩素化合物量を低減し、或いは塩素化合物の供給を停止するように制御を行うようにするものである。このときのアンモニアの基準濃度及び残留塩素濃度の基準濃度は、適宜設定されるが、例えばアンモニアの基準濃度を2ppm、残留塩素濃度の基準濃度を1ppmとするものである。また塩素化合物の供給量を増大させ、或いは低減させる場合の供給量の増大量や低減量も適宜設定されるものであるが、例えばアンモニア測定器5にて測定されるアンモニア濃度が所定の基準濃度を超えることが検知されるごとに供給量を2mlずつ増大させ、また塩素濃度測定器2にて測定される水中の残留塩素濃度が所定の基準濃度を超えることが検知されるごとに供給量を4mlずつ低減するものである。
【0052】
このようにアンモニア濃度と残留塩素濃度に基づいて塩素化合物供給器8における塩素化合物の供給量を制御すると、水槽14から取り出される水中のアンモニア濃度が変動する場合でも、このアンモニア濃度が高くなった場合には塩素化合物の供給量を増大させてアンモニアの処理効率を向上し、水槽14における魚介類の生息環境を良好な状態に維持することができ、またアンモニア濃度が低くなってアンモニアと反応しない活性塩素種の量が多くなり、水槽14に返送される水の残留塩素濃度が高くなった場合には、塩素化合物の供給量を低減し、或いはその供給を停止して、水槽14中の残留塩素濃度が高くなることを防止し、水槽14における魚介類の生息環境を良好な状態に維持することができるものである。
【0053】
また、制御手段は、塩素測定手段にて測定された塩素濃度が所定の値を超える場合には、アンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合であっても、浄化手段における活性塩素種の供給量を低減させるように浄化手段を制御することが好ましく、すなわち塩素測定器2にて測定される残留塩素濃度が上記の所定の基準濃度を超える場合には、アンモニア測定器5にて測定されるアンモニア濃度が上記の所定の基準濃度を超えている場合であっても、制御部3は塩素化合物供給器8による塩素化合物の供給量を低減するよう制御を行うようにすることが好ましい。塩素測定器2にて測定される残留塩素濃度が高い場合には、塩素化合物の添加前のアンモニア濃度が高くても、添加後にはアンモニア濃度が十分に低減されているものであり、またたとえ塩素化合物の添加後のアンモニア濃度が高いとしても、アンモニアよりも活性塩素種の方が魚介類に対する毒性が高いため、残留塩素濃度の増大を優先的に抑制するものである。
【0054】
図4乃至6は、本発明の実施の形態の第四乃至第六例を示すものであり、それぞれ上記第一乃至第三例において、循環経路15における塩素測定器2の前段にpH制御器10を設けたものである。
【0055】
すなわち、第四例では第一例において、循環経路15における電気分解槽1と塩素測定器2との間にpH制御器10を設け、第五例では第二例において、循環経路15における混合槽6と塩素測定器2との間にpH制御器10を設け、第6例では第三例において、循環経路15における活性塩素種供給器7と塩素測定器2との間にpH制御器10を設けている。
【0056】
このpH制御器10は、浄化手段による処理がなされた後の水のpHを制御するpH制御手段として設けられているものであり、例えば酸性水溶液を貯蔵するタンクと、このタンクに接続したポンプと、水のpHを測定するpH計と、測定したpHが所定の値を超えた際にポンプを運転させて前記タンクから酸性水溶液を水中に供給する制御装置とから構成することができる。これにより浄化手段による処理がなされた後の水のpHが所定の値を超えた場合に、この処理後の水にタンクから酸性水溶液を供給してpHを上昇させることができる。またアルカリ性水溶液を貯蔵するタンクと、このタンクに接続したポンプを設けると共に、測定したpHが所定の値をに満たない際に制御装置にてポンプを運転させて前記タンクからアルカリ性水溶液を水中に供給するようにすれば、浄化手段による処理がなされた後の水のpHが所定の値に満たない場合に、この処理後の水にタンクからアルカリ性水溶液を供給してpHを低減させることができる。
【0057】
水のpHが変化すると水中の活性塩素種の形態が変化して、塩素測定器2における残留塩素濃度の測定結果に誤差が生じるおそれがあるが、このようにpH制御手段を設けると、水の残留塩素濃度測定前のpHを一定の値に制御し、一定の条件にて残留塩素濃度を測定できるようにして、残留塩素濃度を正確に測定することができるようになる。
【0058】
図7は本発明の実施の形態の第七例を示すものである。ここでは第一例において、電気分解槽1と塩素測定器2との間における循環経路15に塩素中和器11を設けたものである。この塩素中和器11は、浄化手段による処理がなされた後の水に活性塩素種と反応する化合物(塩素中和物)を供給する中和手段として設けられており、アンモニア測定器5と塩素測定器2との間に混合槽19を設けると共にこの混合槽19に添加経路18の一端を接続して添加経路18を循環経路15に合流させ、この添加経路17の他端に塩素中和物供給器12を接続すると共にその経路途中にポンプ13を設けることにより構成されている。このとき塩素中和物供給器12は例えば塩素中和物の水溶液を備蓄したタンクにて構成することができ、この塩素中和物供給器12から添加経路18への塩素中和物水溶液の供給をポンプ13のオンオフで制御することができるように構成するものである。またポンプ13に代えてバルブ等を設けるようにしても良い。
【0059】
このような構成の塩素中和器11は、第一例におけるものだけでなく、上記第二例のものにおいて、混合槽6と塩素測定器2との間に設け、また第三例のものにおいて、活性塩素種供給器7と塩素測定器2との間に設けることもできる。
【0060】
このように構成される魚介類用水浄化装置では、第一乃至第三例と同様にして水槽14における魚介類の生息環境を良好な状態に維持することができる。
【0061】
また上記のような塩素中和器11を設けると、浄化手段にて処理された水には、塩素中和器11により塩素中和物が添加される。このときポンプ13が作動することにより、塩素中和物供給器12から添加経路18を介して、電気分解槽1と塩素測定器2の間において循環経路15に塩素中和物が流入し、浄化手段による処理後の水に塩素中和物が添加される。このとき塩素中和物供給器12からはチオ硫酸ナトリウム等の塩素中和物が供給されるようにするものであり、例えば塩素中和物供給器12としてチオ硫酸ナトリウム水溶液を供給するものが設けられる。
【0062】
このような塩素中和手段を設けると、浄化手段にて処理された後、塩素測定手段にて残留塩素濃度が測定される前の水に塩素中和物を添加することができ、浄化手段にて処理された水中に活性塩素種が残存していても、これを塩素中和物と反応させて中和することができて、魚介類に対して毒性の高い活性塩素種が水槽14中の水に供給されることを更に確実に防止することができるものである。
【0063】
また上記のような塩素中和器11を設ける代わりに、水中の活性塩素種を除去するための設備を設けても良く、例えば活性炭等を充填した吸着分離槽を設けて活性塩素種を水から分離するようにしても良い。
【0064】
図8は本発明の実施の形態の第八例を示すものであり、上記第七例において、中和手段による塩素中和物の添加量を制御手段にて制御されるようにし、制御手段は、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を低減させると同時に中和手段による塩素中和物の添加量を増大させるように制御するようにしたものである。すなわち塩素中和器11が制御部3による制御を受けて塩素中和物の供給量を調整するように制御されるものとなっており、例えばポンプ13の出力が制御部3により制御されることで、塩素中和物の供給量が制御されるものである。
【0065】
このように構成される魚介類用水浄化装置では、第七例と同様にして水槽14における魚介類の生息環境を良好な状態に維持することができる。
【0066】
また、制御部3は、塩素濃度測定器2にて測定される水中の残留塩素濃度が所定の基準濃度を超える場合に、電気分解槽1における電解電流の通電量を低減し、或いは電解電流の通電を停止するように制御を行うに際しては、これと同時に塩素中和器11による塩素中和物の供給量を増大する制御を行うようにするものである。このときの塩素中和器11による塩素中和物の供給量の増減量は適宜設定されるものであるが、例えば塩素濃度測定器2にて測定される水中の残留塩素濃度が所定の基準濃度を超えることが検知されるごとに供給量を2mlずつ増大させるものである。また制御部3は塩素濃度測定器2にて測定される水中の残留塩素濃度が所定の基準濃度に満たない場合には、塩素中和器11による塩素中和物の供給を停止するように制御することが好ましい。
【0067】
このように塩素中和物の添加量を制御すると、浄化手段による処理後の水中の残留塩素濃度が高くなった場合に塩素中和物の供給量を増大させることから、残留塩素濃度を低減させるに際しての即効性が高く、魚介類に対しての有害性が高い活性塩素種が水槽14中で増大することを更に確実に防止することができるものである。
【0068】
また、塩素測定器2にて測定される残留塩素濃度が上記の所定の基準濃度を超える場合には、アンモニア測定器5にて測定されるアンモニア濃度が上記の所定の基準濃度を超えている場合であっても、制御部3は電気分解槽1における電解電流の通電量を低減するように制御すると同時に塩素中和器11による塩素中和物の供給量を増大する制御を行うようにすることが好ましい。塩素測定器2にて測定される残留塩素濃度が高い場合には、電解処理前のアンモニア濃度が高くても電解処理後にはアンモニア濃度が十分に低減されているものであり、またたとえ電解処理後のアンモニア濃度が高いとしても、アンモニアよりも遊離塩素の方が魚介類に対する毒性が高いため、残留塩素濃度の増大を優先的に抑制するものであり、またこの場合も残留塩素濃度を塩素中和物の供給により低減させえるものであるから、残留塩素濃度を低減させるに際しての即効性が高く、魚介類に対しての有害性が高い活性塩素種が水槽14中で増大することを更に確実に防止することができるものである。
【0069】
図9は本発明の実施の形態の第九例を示すものであり、上記第八例において、循環経路15における塩素中和器11と塩素測定器2との間に、浄化手段による処理がなされた後の水のpHを制御するpH制御手段であるpH制御器10を設けたものである。これは、pHの変化によって水中の遊離塩素の形態が変化して、塩素測定器2における残留塩素濃度の測定結果に誤差が生じるため、pH制御器10により水の残留塩素濃度測定前のpHをpH制御器10により一定の値に制御し、一定の条件にて残留塩素濃度を測定できるようにしたものである。特に塩素中和器11を設ける場合には水に塩素中和物を添加することによりpHが変動しやすくなるため、このようなpH制御器10を設けることが好ましいものである。
【0070】
またこの図9に示す構成のほか、図2に示す第二例において、塩素測定器2の前段、すなわち混合槽6と塩素測定器2との間に塩素中和器11を設けると共に、更に塩素中和器11と塩素測定器2との間にpH制御器10を設けても良く、また図3に示す第三例において、塩素測定器2の前段、すなわち活性塩素種供給器7と塩素測定器2との間に塩素中和器11を設けると共に、更に塩素中和器11と塩素測定器2との間にpH制御器10を設けても良い。
【0071】
【発明の効果】
上記のように請求項1に係る魚介類用水浄化装置は、魚介類を備蓄又は飼育する水槽の水を取り出し、水中のアンモニア成分を浄化して水槽に返送する魚介類用水浄化装置において、水槽内又は水槽から取り出された塩化ナトリウムを含む水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段と、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した水を電解処理することにより水中に活性塩素種を供給する浄化手段と、浄化手段にて処理された後の水中の残留塩素濃度を検出する塩素測定手段と、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段を備えるため、アンモニア等の窒素成分は水の電気分解で生成される活性塩素種と反応して除去されるものであり、大型化する傾向のある硝化槽や脱窒槽を用いる必要がなくなるものである。また活性塩素種は電気分解によって直ちに発生させることができ、立ち上げ期間が不要になるものであり、またアンモニアは活性塩素種との反応で、亜硝酸に酸化されることなく窒素に変換されるものであって、魚毒性の強い亜硝酸が生成されるようなことがなくなるものである。更に、魚介類の飼育数や給餌量が急激に変動するなどして水槽から取り出される水中のアンモニア濃度が変動する場合でも、このアンモニア濃度が高くなってアンモニア測定手段にて所定濃度以上のアンモニア濃度が検知された場合には水の電解度合いを向上させてアンモニアの処理効率を向上し、またアンモニア濃度が低くなってアンモニアと反応しない活性塩素種の量が多くなり水槽に返送される水の残留塩素濃度が高くなった場合には、水の電解度合いを低減して水槽中の残留塩素濃度が高くなることを防止して、水槽における魚介類の生息環境を良好な状態に維持することができるものである。
【0072】
また請求項2に係る魚介類用水浄化装置は、魚介類を備蓄又は飼育する水槽の水を取り出し、水中のアンモニア成分を浄化して水槽に返送する魚介類用水浄化装置において、水槽内又は水槽から取り出された塩化ナトリウムを含む水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段と、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した水を電解処理して水中に活性塩素種を供給した後にこの電解処理がなされた水と、電解処理がなされていない水とを混合する浄化手段と、上記電解処理がなされていない水が混合された水中の残留塩素濃度を検出する塩素測定手段と、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段を備えるため、アンモニア等の窒素成分は水の電気分解で生成される活性塩素種と反応して除去されるものであり、大型化する傾向のある硝化槽や脱窒槽を用いる必要がなくなるものである。また活性塩素種は電気分解によって直ちに発生させることができ、立ち上げ期間が不要になるものであり、またアンモニアは活性塩素種との反応で、亜硝酸に酸化されることなく窒素に変換されるものであって、魚毒性の強い亜硝酸が生成されるようなことがなくなるものである。更に、魚介類の飼育数や給餌量が急激に変動するなどして水槽から取り出される水中のアンモニア濃度が変動する場合でも、このアンモニア濃度が高くなってアンモニア測定手段にて所定濃度以上のアンモニア濃度が検知された場合には水の電解度合いを向上させてアンモニアの処理効率を向上し、またアンモニア濃度が低くなってアンモニアと反応しない活性塩素種の量が多くなり水槽に返送される水の残留塩素濃度が高くなった場合には、水の電解度合いを低減して水槽中の残留塩素濃度が高くなることを防止して、水槽における魚介類の生息環境を良好な状態に維持することができるものである。また更にこのように構成される魚介類用水浄化装置は、高循環流量(例えば200リットル/分以上)を必要とする飼育条件の魚種を飼育又は備蓄する場合に適しているものであり、すなわち、流量が少ない水に対して電解処理を施す異により活性塩素種の濃度をかなりの程度高くすることができ、更にこの電解処理後の水と電解処理がなされていない水とを混合することで流量を確保することができると共に、流量が多い水を直接電解処理するよりも活性塩素種の濃度を高くすることができるものである。
【0073】
また請求項3に係る魚介類用水浄化装置は、魚介類を備蓄又は飼育する水槽の水を取り出し、水中のアンモニア成分を浄化して水槽に返送する魚介類用水浄化装置において、水槽内又は水槽から取り出された水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段と、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した水に対して塩素化合物を添加することにより水中に活性塩素種を供給する浄化手段と、活性塩素種が供給された水中の残留塩素濃度を検出する塩素測定手段と、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段を備えるため、アンモニア等の窒素成分は水に塩素化合物が添加されることにより生成する活性塩素種と反応して除去されるものであり、大型化する傾向のある硝化槽や脱窒槽を用いる必要がなくなるものである。また活性塩素種は塩素化合物を添加することにより直ちに発生させることができ、立ち上げ期間が不要になるものであり、またアンモニアは活性塩素種との反応で、亜硝酸に酸化されることなく窒素に変換されるものであって、魚毒性の強い亜硝酸が生成されるようなことがなくなるものである。更に、魚介類の飼育数や給餌量が急激に変動するなどして水槽から取り出される水中のアンモニア濃度が変動する場合でも、このアンモニア濃度が高くなってアンモニア測定手段にて所定濃度以上のアンモニア濃度が検知された場合には塩素化合物の供給量を増大させてアンモニアの処理効率を向上し、またアンモニア濃度が低くなってアンモニアと反応しない活性塩素種の量が多くなり水槽に返送される水の残留塩素濃度が高くなった場合には、塩素化合物の供給量を減少させて水槽中の残留塩素濃度が高くなることを防止して、水槽における魚介類の生息環境を良好な状態に維持することができるものである。
【0074】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、制御手段が、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合には、アンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合であっても、浄化手段における活性塩素種の供給量を低減させるように浄化手段を制御するものであるため、浄化手段によりアンモニア濃度が十分に低減されている場合に活性塩素種の供給量を増大させることを防止することができ、且つアンモニア濃度の増大よりも残留塩素濃度の増大を優先的に抑制して、アンモニアよりも魚介類に対する毒性が高い活性塩素種が水槽中で増大することを抑制することができるものである。
【0075】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、浄化手段による処理がなされた後、塩素測定手段にて残留塩素濃度が測定される前の水のpHを制御するpH制御手段を具備するため、水の残留塩素濃度測定前のpHを一定の値に制御し、一定の条件にて残留塩素濃度を測定できるようにして、残留塩素濃度を正確に測定することができるようになるものである。
【0076】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、浄化手段による処理がなされた後、塩素測定手段にて残留塩素濃度が測定される前の水に活性塩素種と反応する化合物を供給する中和手段を備えるため、浄化手段にて処理された水中に活性塩素種が残存していても、これを活性塩素種と反応する化合物と反応させて中和することができて、魚介類に対して毒性の高い活性塩素種が水槽中の水に供給されることを更に確実に防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第一例を示す概略図である。
【図2】同上の第二例を示す概略図である。
【図3】同上の第三例を示す概略図である。
【図4】同上の第四例を示す概略図である。
【図5】同上の第五例を示す概略図である。
【図6】同上の第六例を示す概略図である。
【図7】同上の第七例を示す概略図である。
【図8】同上の第八例を示す概略図である。
【図9】同上の第九例を示す概略図である。
【符号の説明】
14 水槽

Claims (6)

  1. 魚介類を備蓄又は飼育する水槽の水を取り出し、水中のアンモニア成分を浄化して水槽に返送する魚介類用水浄化装置において、水槽内又は水槽から取り出された塩化ナトリウムを含む水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段と、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した水を電解処理することにより水中に活性塩素種を供給する浄化手段と、浄化手段にて処理された後の水中の残留塩素濃度を検出する塩素測定手段と、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段による活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする魚介類用水浄化装置。
  2. 魚介類を備蓄又は飼育する水槽の水を取り出し、水中のアンモニア成分を浄化して水槽に返送する魚介類用水浄化装置において、水槽内又は水槽から取り出された塩化ナトリウムを含む水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段と、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した水を電解処理して水中に活性塩素種を供給した後にこの電解処理がなされた水と、電解処理がなされていない水とを混合する浄化手段と、上記電解処理がなされていない水が混合された水中の残留塩素濃度を検出する塩素測定手段と、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする魚介類用水浄化装置。
  3. 魚介類を備蓄又は飼育する水槽の水を取り出し、水中のアンモニア成分を浄化して水槽に返送する魚介類用水浄化装置において、水槽内又は水槽から取り出された水のアンモニア成分濃度を検出するアンモニア測定手段と、アンモニア測定手段にてアンモニア成分濃度を検出した水に対して塩素化合物を添加することにより水中に活性塩素種を供給する浄化手段と、活性塩素種が供給された水中の残留塩素濃度を検出する塩素測定手段と、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を低減させ、且つアンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合に浄化手段における活性塩素種の供給量を増大させるように浄化手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする魚介類用水浄化装置。
  4. 制御手段が、塩素測定手段にて測定された残留塩素濃度が所定の値を超える場合には、アンモニア測定手段にて測定されるアンモニア濃度が所定の値を超える場合であっても、浄化手段における活性塩素種の供給量を低減させるように浄化手段を制御するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の魚介類用水浄化装置。
  5. 浄化手段による処理がなされた後、塩素測定手段にて残留塩素濃度が測定される前の水のpHを制御するpH制御手段を具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の魚介類用水浄化装置。
  6. 浄化手段による処理がなされた後、塩素測定手段にて残留塩素濃度が測定される前の水に活性塩素種と反応する化合物を供給する中和手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の魚介類用水浄化装置。
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