JP2003047969A - オゾンガスによる養殖場用水の殺菌方法 - Google Patents

オゾンガスによる養殖場用水の殺菌方法

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JP2003047969A JP2001241005A JP2001241005A JP2003047969A JP 2003047969 A JP2003047969 A JP 2003047969A JP 2001241005 A JP2001241005 A JP 2001241005A JP 2001241005 A JP2001241005 A JP 2001241005A JP 2003047969 A JP2003047969 A JP 2003047969A
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aquaculture
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JP2001241005A
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English (en)
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Masaru Chiyomaru
勝 千代丸
Toshiyuki Ota
利行 大田
Takayoshi Hamada
高義 濱田
Hiroshi Sentokuin
博 専徳院
Kazuki Mishima
和貴 三島
Hiromi Abe
裕巳 安部
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MISHIMA KK
Ryomei Engineering Co Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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MISHIMA KK
Ryomei Engineering Co Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量の用水および循環水を殺菌することがで
き、かつ殺菌後の用水および循環水の殺菌性をすみやか
に消滅させることができるオゾンガスによる養殖場用水
の殺菌方法を提供する。 【解決手段】 養殖場における養殖槽6から取水した循
環水60を脱窒処理槽3にて脱窒処理した後、該循環水
60にオゾンガス20を溶解させオゾン水40をつく
り、これを殺菌処理槽4中で反応させた後、オゾン分解
塔5を通して、残留オゾンを除去してから該循環水60
を該養殖槽6に供給することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オゾンガスによる
養殖場用水の殺菌方法に関し、詳しくは、魚介類等の養
殖場の水槽、輸送用活魚水槽、水族館の水槽などにおけ
る用水または循環水の殺菌、特に、冷水病を予防するこ
とができるオゾンガスによる養殖場用水の殺菌方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、養殖場の養殖槽では、主に、循環
水中の固体浮遊物を砂ろ過またはフィルター等でろ過し
ていたが、養殖槽内で冷水病等の病原菌が増殖すること
により、養殖魚の発病が確認されている。一般に、細菌
類の繁殖温度は20〜24℃であるため、養殖槽の温度
を20℃未満に管理することで、細菌の繁殖を防いでい
たが、冷水病は15℃でも発生する。そこで、次亜塩素
酸やオゾンガスを養殖槽内に直接投入することによっ
て、殺菌処理を行っている。
【0003】次亜塩素酸による殺菌処理は、水道水の殺
菌処理にも用いられている一般的な殺菌方法であり、次
亜塩素イオンが病原菌の体内に入り込み、細胞と反応し
て菌を死に至らすものである。この殺菌処理は、長期間
の殺菌効果を有する反面、養殖槽内に長期間に渡り塩素
が残留するため、殺菌処理をした後に、稚魚の養殖や魚
の輸送、魚の飼育をする場合、対象魚に悪影響を与える
といった問題がある。
【0004】オゾンガスを養殖槽に直接投入する殺菌方
法は、先ず、用水または循環水をフィルターでろ過して
浮遊物を除去し、このろ過水を養殖槽に供給する。そし
て、オゾンガスを直接養殖槽に導入し、養殖槽内の細菌
類をオゾンガスにより殺菌する。しかし、この殺菌方法
では、オゾンガスを養殖槽に直接投入するため、オゾン
水と養殖魚の餌である有機飼料とが反応し、オゾン水を
消費してしまうとともに、餌も酸化され、養殖魚の餌の
補集量が少なくなり成長が遅れるなど養殖魚の生育を阻
害するといった問題がある。
【0005】そこで、特開平5−328876号公報に
は、オゾンガスを導入した後、活性炭を通した用水を養
殖槽に供給する方法が開示されている。しかし、この方
法を養殖槽から取水した循環水に適用すると、オゾンガ
スと循環水中に含まれる有機飼料とが反応してしまい、
十分な殺菌ができないという問題がある。また、特開平
10−118670号公報には、気液混合手段による溶
存酸素の調整と窒素酸化物の除去の前処理をした後、オ
ゾンガスを導入し、さらに残留オゾンの除去などの後処
理をした用水を養殖槽に供給する方法が開示されてい
る。しかし、この方法は、井戸から汲み上げた水を対象
としており、前処理および後処理に時間がかかるため、
養殖槽の循環水のような大容量の殺菌には適用できない
という問題がある。さらに、国際公開WO98/041
24号には、養殖槽の循環水に対して、浮遊物等の除去
や脱窒等の前処理をした後、オゾンガスを導入し、さら
に紫外線殺菌をする方法が開示されている。しかし、こ
の方法では、循環水中に残留オゾンが残るため、魚の生
育が阻害されるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑み、多量の用水および循環水を殺菌することがで
き、かつ殺菌後の用水および循環水の殺菌性をすみやか
に消滅させることができるオゾンガスによる養殖場用水
の殺菌方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るオゾンガスによる養殖場用水の殺菌方
法は、養殖場における養殖槽から取水した循環水を、脱
窒細菌を用いた脱窒処理槽にて脱窒処理した後、該循環
水にオゾンガスを溶解させオゾン水をつくり、これを殺
菌処理槽中で反応させた後、オゾン分解塔を通して、残
留オゾンを除去してから該循環水を該養殖槽に供給する
ことを特徴とする。このように、循環水にオゾンガスを
導入する前に予め脱窒細菌により脱窒処理し、かつオゾ
ンガス導入後に残留オゾンを除去することによって、大
容量である養殖場用水に対しても、全量を十分に殺菌で
きるとともに、残留オゾンを除去することができるの
で、魚介類の養殖に適した殺菌処理を行うことができ
る。
【0008】上記養殖槽中の用水のオゾン濃度を測定
し、この測定値によって上記オゾンガスの発生量を制御
することもできる。また、この測定値によって、オゾン
ガスを発生させる機器に導入する酸素の発生量を制御す
ることもできる。これにより、養殖対象魚に最適となる
オゾン水の濃度を調整することが可能となる。上記殺菌
処理槽における未溶解のオゾンガスを上記養殖槽に導入
することもできる。これにより、養殖槽内の溶存酸素濃
度を高く維持することが可能となり、養殖対象魚の育成
を促進することができる。
【0009】上記脱窒処理槽の液レベル調整を排出管の
レベル高さで制御することもできる。このように、オー
バーフローの位置を上下に変動させることによって、循
環水の脱窒必要量に応じて脱窒処理槽の滞留時間を制御
することができるので、脱窒処理にかかる時間を短縮す
ることが可能となる。上記オゾンガスを微細気泡にして
上記殺菌処理槽中の循環水に溶解させることもできる。
これにより、循環水に対するオゾンガスの溶解の効率を
向上させることが可能となり、殺菌処理にかかる時間を
短縮することができる。
【0010】上記オゾン分解塔が複数段からなる活性炭
を備えてなり、上記殺菌処理槽中の循環水の残留オゾン
濃度を測定し、この測定値によって上記循環水を通水す
る活性炭の段数を制御することもできる。これにより、
循環水の残留オゾン濃度に応じてオゾン分解性能を調整
することが可能となるので、オゾン分解塔をメンテナン
スフリーにすることができるとともに、高分解性能を得
ることができる。
【0011】また、本発明は、上記のオゾンガスによる
養殖場用水の殺菌方法を用いた魚の養殖方法とすること
もできる。このように、養殖場用水を殺菌することによ
り、養殖対象魚の生育に悪影響を与えないばかりか、成
長を促進することもできる。また、養殖対象魚は、例え
ば、鮎などの淡水魚に限られず、フグやヒラメなどの海
水魚も、本発明によれば陸上の水槽で養殖することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一
実施の形態であって、オゾンガスによる養殖場用水の殺
菌工程を示す概要図である。図1に示すように、養殖場
は、酸素を発生させる酸素発生装置1と、オゾンガス2
0を発生させるオゾナイザー2と、循環水60の窒素分
を除去する脱窒処理槽3と、脱窒処理後の循環水60の
殺菌を行う殺菌処理槽4と、殺菌処理後の循環水60の
残留オゾンを除去するオゾン分解塔5と、養殖対象魚を
飼育する養殖槽6と、オゾン濃度を管理するオゾンモニ
ター7とを備えている。
【0013】酸素発生装置1は、大気中の窒素分を吸着
除去し、酸素のみを供給する装置である。この酸素発生
装置1の酸素供給側に、酸素の供給量を制御する流量計
11を介して、オゾナイザー2を配置する。オゾナイザ
ー2は、供給された酸素を放電により電気分解して、オ
ゾンガス20を発生させる装置である。オゾナイザー2
のオゾン供給側には、殺菌処理槽4を配置する。
【0014】養殖槽6は、25トンの用水を満たす水槽
であり、約2500匹の鮎等の養殖対象魚が飼育されて
いる。この養殖槽6の底部には、養殖槽6内の用水を取
水する配管を介して、取水した用水を循環させる水中ポ
ンプ61を設置する。水中ポンプ61の下流側には、循
環水60の流量を測定するフローメータ62を介して、
脱窒処理槽3を配置する。また、養殖槽6内には、用水
のオゾン濃度を測定するオゾンセンサー71を設置す
る。
【0015】脱窒処理槽3は、循環水60中の窒素分を
分解除去する処理槽であり、脱窒細菌を保持している。
脱窒細菌としては、特に限定されないが、BOD除去細
菌のうち無酸素状態でも増殖できる微生物群(通性嫌気
性菌)が好ましく、具体的には、Pseudomonas、Alcalig
enes、Hyphomicrobiumなどを用いることができる。ま
た、分子状酸素が存在していてもNOXを優先して消費
するPseudomonas dentificans、nitrococcus、nitrobac
terなどの好気性脱窒菌も用いることができる。脱窒素
菌の保持方法は、特に限定されないが、イオンと細菌の
接触を効率的に行うため、固定床方式を用いることが好
ましい。固定床には、ポーラスなセラミックボール担
体、比表面積の大きいプラスチック素材の担体(ミュー
ロ)等といった充填材を用いることが細菌の保持と活性
に適している。
【0016】脱窒処理槽3は、その上部に循環水60を
導入する配管を設け、下部に排出する配管を設ける。こ
の排出管には、並列に設けられた高さの異なる2つの出
口バルブ31a、31bを設置する。出口バルブ31の
下流側に殺菌処理槽4を配置する。ここで、図1では、
2つの出口バルブ31a、31bを示したが、3つ以上
の出口バルブを設けることもできる。
【0017】殺菌処理槽4は、循環水60にオゾンガス
20を溶解させたオゾン水をつくり、循環水60中の細
菌類とオゾン水を反応させ、殺菌処理をする槽である。
図2は殺菌処理槽4の概略を示す図である。図2に示す
ように、殺菌処理槽4の底部に水中ポンプ41を設置
し、水中ポンプ41の排出側に、配管47を介してオゾ
ン分解塔5を配置する。配管47内には、オゾナイザー
2から導入されるオゾンガス20を微細気泡化するエア
ストーン44を設置する。また、配管47は、オゾン水
40の水面より上の位置で、再び殺菌処理槽4の底部方
向に伸びる散気管42と分岐している。散気管42の分
岐位置の近傍にはバルブ47を設置する。ここで、図2
では、2本の散気管42を示したが、特にこれに限定さ
れず、3本以上の散気管42を設置することもできる。
オゾン水40の水深Aは、約1〜2mの範囲となるよう
に設計することが好ましく、特に約1.5mが好まし
い。
【0018】図3は、図2の殺菌処理槽4の代替例の概
略を示す図である。図2と同じ構成には同じ符号を付
し、説明を省略する。また、図4は、散気管42の先端
部を拡大した図である。図3および図4に示すように、
2本の散気管42a、42bを段違いに配置する。ま
た、散気管42a、42bの先端には、殺菌処理槽4の
外周に面した側にそれぞれスリットを設ける。そして、
散気管42a、42b内のスリット部に、オゾナイザー
2から導入されるオゾンガス20を微細気泡化するガラ
スフィルタ45をそれぞれ設置する。スリットの長さB
は、約15〜25cmが好ましい。
【0019】また、図1に示すように、殺菌処理槽4内
には、オゾン水40のオゾン濃度を測定するオゾンセン
サー72を設置する。殺菌処理槽4のオゾン水40の水
面上には、未溶解のオゾンガス20を養殖槽6内に直接
導入する配管63を設置する。この配管63にはバルブ
64を設ける。
【0020】オゾン分解塔5は、殺菌処理された循環水
中の残留オゾンを分解して除去する塔である。オゾン分
解塔5は、活性炭51を複数の段に充填するとともに、
最下段には砂52を充填し、活性炭ろ過と砂ろ過とを備
えている。活性炭の各段51a、51bには、殺菌処理
槽4から殺菌処理後の循環水60が直接供給される配管
を設けるとともに、配管にはそれぞれバルブ52a、5
2b、52cを設置する。図1では、活性炭51が2段
の場合を示したが、これに限定されず、3段以上設ける
ことができ、これに応じてバルブ53も設けることがで
きる。活性炭51を複数段にして設置することにより、
比較的早く寿命が来る上段部の活性炭のみを、比較的長
持ちする下段部の活性炭とは別に取り替えることができ
有利である。また、砂52はフィルターとしての役割を
果たすものである。オゾン分解塔5の底部には、残留オ
ゾンを分解処理した循環水60を再び養殖槽6に供給す
る配管を設置し、配管にはこの循環水60のオゾン濃度
を測定するオゾンセンサー73を設置する。
【0021】オゾンモニター7は、主に、養殖場の用水
及び循環水60のオゾン濃度を監視し、養殖場における
オゾン濃度の制御をする装置である。各オゾンセンサー
71、72、73は、測定したオゾン濃度のデータを送
信するためにオゾンモニター7と接続している。また、
このオゾンモニター7は、オゾン濃度に基づいて、酸素
供給量を制御するために流量計11と、オゾン分解塔6
の分解性能を調整するためにバルブ53a、53b、5
3cとに接続している。
【0022】このような構成によれば、養殖槽6から取
水した循環水60は、水中ポンプ61によって、脱窒処
理槽3に送られる。脱窒処理槽3では、循環水60中の
窒素分が、脱窒細菌により以下の反応を経て、窒素ガス
等に還元され、除去される。 (硝化反応:好気性処理) NH4 +→NO2 - NO2 -→NO3 - (脱窒反応:嫌気性処理) NO3 -→NO2 - NO2 -→N2
【0023】脱窒処理された循環水60は、脱窒処理槽
3の下部から排出され、殺菌処理槽4に送られる。ここ
で、高さの異なる2つの出口バルブ31a、31bのど
ちらを開くことで、脱窒処理槽3の滞留時間を2段階に
調整することができる。すなわち、循環水60が窒素分
を多く含む場合は、上方のバルブ31aを開き、下方の
バルブ31bを閉じて、脱窒処理槽3の滞留時間を長く
できる。一方、循環水60の窒素分が少ない場合は、上
方のバルブ31aを閉じ、下方のバルブ31bを開い
て、脱窒処理槽3の滞留時間を短くできる。また、滞留
時間が長くなり、次工程である殺菌処理槽4で循環水6
0が不足すると、殺菌反応に支障が生じるため、別途、
補給水48を殺菌処理槽4に送ることができる。
【0024】一方、酸素発生装置(PSA)1で発生さ
せた乾燥酸素は、約0.5〜2.0kg/cm2Gに加
圧され、オゾナイザー2に送られる。そして、オゾナイ
ザー2で放電により生成させたオゾンガス20は、殺菌
処理槽4に導入される。また、オゾンガス20の生成の
際、適宜、冷却水21により常温まで冷却する。殺菌処
理槽4では、散気管42等によりオゾンガス20を微細
気泡化することができるとともに、水中ポンプ41の循
環運転等により循環流46を発生させることにより、オ
ゾンガス20を効率良く循環水60に溶解できる。この
ようにして得られたオゾン水40は、循環水60中の微
生物を酸化分解して殺菌することができる。
【0025】ここで、殺菌処理槽4のオゾン水濃度に対
する養殖槽6の鮎の冷水病発現率の関係を図5に示す。
図5に示すように、冷水病の発現率を10%以下にする
ためには、オゾン水40の濃度を約1mg/L以上にす
る必要がある。ここで、殺菌処理槽4に導入されるオゾ
ン水40の流量を約80L/minとし、オゾン濃度約
10,000mg/Lのオゾンガス20をガス流量約7
L/minの条件で導入した場合、図6に示すように、
殺菌処理槽4にオゾン水40を約10分間滞留させるこ
とによって、オゾン水40のオゾン濃度を約1mg/L
以上にすることができる。これ以上の殺菌効果を得るた
めには、オゾンガス20のオゾン濃度またはガス流量を
上げるか、滞留時間を延ばせば良い。
【0026】また、殺菌処理槽4のオゾン水40の各オ
ゾン濃度について、オゾン水40の滞留時間に対する殺
菌処理槽4内の一般細菌(ビブリオ菌および大腸菌)の
生存率の関係を図7に示す。図7に示すように、殺菌処
理槽4のオゾン水濃度を3mg/Lにすることで、容易
に殺菌することができる。したがって、循環水60を約
10分間に渡り滞留させて、循環水60中の細菌類とオ
ゾン水40とを反応させることにより、殺菌処理、特に
冷水病の予防をすることができる。
【0027】殺菌処理された循環水60は、水中ポンプ
41によって、オゾン分解塔5に送られる。オゾン分解
塔5では、バルブ53の開閉により、任意の段数の活性
炭51に通水させることができる。すなわち、オゾン分
解塔5出口でオゾンセンサー73が所定の値より高い残
留オゾン濃度を検出した場合、バルブ53aのみを開く
ように制御し、2つの段の活性炭51a、51bに通水
させることによって、残留オゾンの分解性能を上げるこ
とができる。また、残留オゾン濃度の測定値が所定の値
以下の場合、バルブ53bのみを開くように制御して、
1段の活性炭51bに通水させることによって、適切な
残留オゾンの分解性能まで下げることができる。
【0028】オゾン分解処理後の循環水60の残留オゾ
ン濃度は、約1mg/L以下が好ましく、さらに約0.
1mg/L以下が好ましい。残留オゾン濃度が約1mg
/L以下であれば、ヒラメなど比較的耐性のある魚類に
ついて養殖することが可能であり、さらに、約0.1m
g/L以下であれば、一般の魚類を養殖することができ
る。
【0029】ここで、オゾン分解塔5の通水時間に対す
るオゾン分解容量の関係を図8に示す。オゾン分解容量
とは、単位活性炭量当たりのオゾン分解量を示し、単位
は%で表す。図8に示すように、オゾン水40の残留オ
ゾン濃度を約5mg/Lから約0.1mg/Lまで減少
させるためには、SV=35h-1で活性炭を用いること
で、十分達成することができる。SVとは空間速度(S
V: Space Velocity)をいい、単位はh-1で表す。
【0030】オゾン分解処理された循環水60は、再び
養殖槽に供給される。養殖槽6内のオゾンセンサー71
は養殖槽6内の用水のオゾン濃度を測定し、この測定デ
ータをオゾンモニター7に送信する。オゾンモニター7
では、連続的にオゾン濃度を管理しており、オゾン濃度
の変化に応じて流量計11を制御して、酸素の供給量を
変化させ、養殖対象魚に最適なオゾン濃度にすることが
できる。
【0031】また、殺菌処理槽4の未溶解のオゾンガス
20を養殖槽6に直接導入することにより、養殖槽6の
用水の溶存酸素濃度を高く維持することができ、養殖対
象魚の育成を促進することができる。ここで、温度に対
する純O2の水への溶解度の関係を図9に示す。また、
温度に対する純O3の水への溶解度の関係を図10に示
す。さらに、温度に対する空気中のO2の水への溶解度
の関係を図11に示す。図11に示すように、空気を水
に溶解させてもN2を含むため、常温である温度20〜
25℃の範囲では、溶存O2濃度は約8〜9mg/Lの
範囲で、溶解度は高くない。一方、純酸素および純オゾ
ンを水に溶解させた場合、図9および図10に示すよう
に、それぞれ温度20〜25℃の範囲では、溶存O2
度が約38〜42mg/Lと、溶存O3濃度が約13〜
20mg/Lであり、溶解度が高い。
【0032】したがって、殺菌処理槽4の不溶解オゾン
ガス20を再利用することによって、低コストでかつ養
殖槽6での溶存酸素濃度を高く維持することが可能であ
る。また、導入されるガスは、殺菌処理槽4の未溶解オ
ゾンガス20と大気であり、養殖槽6に直接導入して
も、養殖槽6内のオゾン濃度が高濃度になることはな
く、養殖対象魚への悪影響はない。
【0033】
【発明の効果】上記してきたように、本発明によれば、
多量の用水および循環水を殺菌することができ、かつ殺
菌後の用水および循環水の殺菌性をすみやかに消滅させ
ることができるオゾンガスによる養殖場用水の殺菌方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオゾンガスによる養殖場用水の殺
菌工程を示す概要図である。
【図2】本発明に係る殺菌処理槽の一実施の形態を示す
概要図である。
【図3】本発明に係る殺菌処理槽の一実施の形態を示す
概要図である。
【図4】本発明に係る散気管の先端の拡大図である。
【図5】オゾン水濃度に対する冷水病発現率の関係を示
すグラフである。
【図6】循環水の滞留時間に対するオゾン濃度の関係を
示すグラフである。
【図7】各オゾン水濃度について滞留時間に対する一般
細菌生存率の関係を示すグラフである。
【図8】通水時間に対するオゾン分解容量の関係を示す
グラフである。
【図9】温度に対する純酸素の溶解度を示すグラフであ
る。
【図10】温度に対する純オゾンの溶解度を示すグラフ
である。
【図11】温度に対する空気中の酸素の溶解度を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 酸素発生装置 2 オゾナイザー 3 脱窒処理槽 4 殺菌処理槽 5 オゾン分解塔 6 養殖槽 7 オゾンモニター 11 流量計 20 オゾンガス 21 冷却水 31 バルブ 40 オゾン水 41 水中ポンプ 42 散気管 43 バルブ 44 エアストーン 45 ガラスフィルター 46 循環流 47 配管 48 補給水 51 活性炭 52 砂 53 バルブ 61 水中ポンプ 62 フローメーター 63 配管 64 バルブ 71、72、73 オゾンセンサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 540 C02F 1/50 540A 4G042 560 560B 560H 560Z A01K 61/00 A01K 61/00 B B01F 1/00 B01F 1/00 A 15/04 15/04 D C02F 1/78 C02F 1/78 3/28 3/28 Z 3/34 101 3/34 101A // C01B 13/10 C01B 13/10 D (72)発明者 千代丸 勝 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 大田 利行 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 濱田 高義 広島県広島市西区観音新町一丁目20番24号 菱明技研株式会社内 (72)発明者 専徳院 博 広島県広島市西区観音新町一丁目20番24号 菱明技研株式会社内 (72)発明者 三島 和貴 島根県松江市大庭町104−10 株式会社ミ シマ内 (72)発明者 安部 裕巳 島根県松江市大庭町104−10 株式会社ミ シマ内 Fターム(参考) 2B104 BA13 EF13 4D040 AA01 AA23 AA24 BB02 BB07 BB22 BB24 BB42 4D050 AA02 AA06 AA08 AB06 BB02 BC05 BD03 BD04 BD06 BD08 CA06 CA15 CA17 4G035 AA01 AE02 4G037 BA03 BC04 BD04 BD06 4G042 CE01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 養殖場における養殖槽から取水した循環
    水を、脱窒細菌を用いた脱窒処理槽にて脱窒処理した
    後、該循環水にオゾンガスを溶解させオゾン水をつく
    り、これを殺菌処理槽中で反応させた後、オゾン分解塔
    を通して、残留オゾンを除去してから該循環水を該養殖
    槽に供給することを特徴とするオゾンガスによる養殖場
    用水の殺菌方法。
  2. 【請求項2】 上記養殖槽中の用水のオゾン濃度を測定
    し、この測定値によって上記オゾンガスの発生量を制御
    することを特徴とする請求項1記載のオゾンガスによる
    養殖場用水の殺菌方法。
  3. 【請求項3】 上記殺菌処理槽における未溶解のオゾン
    ガスを上記養殖槽に導入することを特徴とする請求項1
    または2記載のオゾンガスによる養殖場用水の殺菌方
    法。
  4. 【請求項4】 上記脱窒処理槽の液レベル調整を排出管
    のレベル高さで制御することを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか記載のオゾンガスによる養殖場用水の殺菌方
    法。
  5. 【請求項5】 上記オゾンガスを微細気泡にして上記殺
    菌処理槽中の循環水に溶解させることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか記載のオゾンガスによる養殖場用水
    の殺菌方法。
  6. 【請求項6】 上記オゾン分解塔が複数段からなる活性
    炭を備えてなり、上記殺菌処理槽中の循環水の残留オゾ
    ン濃度を測定し、この測定値によって上記循環水を通水
    する活性炭の段数を制御することを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか記載のオゾンガスによる養殖場用水の殺
    菌方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の方法を用いた魚の養
    殖方法。
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