JP2003274796A - 閉鎖循環式養殖システム - Google Patents
閉鎖循環式養殖システムInfo
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Abstract
る必要なく、魚介類の飼育数や給餌量の急激な変動に対
応してアンモニ等の窒素成分を除去する処理を行なうこ
とができる閉鎖循環式養殖システムを提供する。 【解決手段】 魚介類を飼育する飼育水槽1の海水を循
環経路2を通して循環させながら海水中のアンモニア等
の窒素成分を除去するようにした閉鎖循環式養殖システ
ムに関する。海水中の固形物を取り除く物理的ろ過部3
と、海水を電気分解することによって活性塩素種を発生
させると共にこの活性塩素種で海水中の窒素成分を除去
する電気分解・窒素除去部4と、活性塩素種を中和する
塩素中和部5とを、海水の流れ方向に沿ってこの順に循
環経路2に設ける。
Description
水(人工海水を含む)を閉鎖系で循環させて再利用しな
がら、飼育水槽で魚介類を養殖したり一時的に蓄養した
りするようにした閉鎖循環式養殖システムに関するもの
である。
いは鑑賞用の魚介類を飼育する閉鎖式養殖システムが従
来から検討されている。この閉鎖循環式養殖システムで
は、飼育魚介類の排泄物や残餌等を飼育水槽1から除去
する処理を、周辺環境への排出希釈によることなく、シ
ステム内で行なう必要がある。このために、飼育水槽1
に循環経路2を接続し、飼育水槽1の海水を循環経路2
に通して循環させる間に、海水中の魚介類の排泄物や残
餌等を除去して浄化することが行なわれている。
すものであり、飼育水槽1に接続される循環経路2に、
沈殿槽11、スクリーンフィルタユニット12、プロテ
インスキマー13、第一硝化槽14、第二硝化槽15、
循環ポンプ16、熱交換器8、紫外線殺菌装置17がこ
の順に接続してある。そして、飼育水槽1から循環経路
2に流入した海水は、まず沈殿槽11、スクリーンフィ
ルタユニット12で固形分が除去され、次にプロテイン
スキマー13で海水中に溶解されている高分子物質が除
去される。さらに第一硝化槽14及び第二硝化槽15内
の微生物による代謝分解で海水中に溶解しているアンモ
ニア等の窒素成分が除去されるようになている。このよ
うにアンモニア等の窒素成分が除去された海水は、熱交
換器8を通過する際に温度調整され、さらに紫外線殺菌
装置17で殺菌された後、飼育水槽1に返送される。
なかでも、魚介類の排泄物から発生するアンモニアを除
去する設備は、アンモニアに魚毒性があるため最も重要
であり、従来から種々の提案がなされているが、主に硝
化細菌を用いる生物硝化処理が採用されている。生物硝
化処理は、亜硝酸菌群によりアンモニアを亜硝酸に酸化
し、生成された亜硝酸を硝酸菌群により硝酸に酸化する
ことによって行なわれるものであり、硝酸はアンモニア
に比べて魚毒性がかなり低いので、飼育海水を交換する
必要なく、長期間に亘って魚介類を飼育することが可能
になるものである。
を付着させる担体を備えて形成される場合が多く、また
アンモニア酸化に酸素が必要なため、空気を供給する曝
気装置や曝気配管を備えている。上記の図6のシステム
では、第一硝化槽14に硝化細菌を付着させた粒状の担
体を曝気装置からの多量の空気で舞い上げて浮遊させる
流動床が形成してあり、また第二硝化槽15に硝化細菌
を付着させた粒状の担体を流動せずに沈降するよう緩や
かに曝気する固定床が形成してあり、アンモニアを亜硝
酸に酸化し、さらに亜硝酸を硝酸に酸化する硝化処理が
行なわれるようにしてある。図6において18はpHメ
ーターとアルカリ剤添加装置からなるpH調整装置であ
り、負イオンである亜硝酸イオン、硝酸イオンの生成に
より起こる海水のpH低下を防ぐようにしたものであ
る。
槽15によりアンモニアを魚毒性の低い硝酸に酸化変換
することができるが、硝酸も濃度が数百mg/Lに達す
ると、飼育魚介類によってはその生育に悪影響が出てく
る。このために図6のシステムでは、第一硝化槽14及
び第二硝化槽15で硝化された海水の一部を脱窒槽19
に移流させ、硝酸を窒素に還元して除去する脱膣処理を
行なうようにしている。脱窒槽19には脱窒細菌を付着
させた担体が充填してあり、有機物添加ユニット20か
ら脱窒細菌の栄養源となる糖類、アルコール類及び水素
ガスを添加するようにしてある。脱窒細菌はこれらの栄
養源の代謝を、溶存酸素が低い状態の海水中において酸
素供給を受けない嫌気状態で、溶存酸素の代りに上記の
生物硝化によって生成された硝酸イオンの酸素を利用す
ることによって行ない、この結果、硝酸イオンを窒素に
還元させることができるものであり、この窒素を空気中
に排出することによって海水から脱窒することができる
ものである。
システムでのアンモニアを除去する技術の主流は、硝化
細菌や脱窒細菌という微生物を用いて、自然環境でアン
モニアを魚毒性の低い硝酸に変換し、さらに硝酸を脱窒
して硝酸の高濃度蓄積を防ぐようにしたものである。
種より遅く、このため、飼育魚介類の数や、その給餌量
の急激な増加に対して、追随性が良好でなく、急激な飼
育魚介類数や給餌量の増加によってアンモニアの発生量
が急激に増えると、生物硝化が不完全になり、亜硝酸が
飼育水槽1に返送されてしまうおそれがある。この亜硝
酸はアンモニアより魚毒性が強く、数mg/Lで魚介類
の斃死を起す可能性がある。そしてこのような危険を避
けるには、飼育魚介類の数を制限するか、あるいは硝化
槽14,15を大型化して多量の硝化細菌を生育させて
おく必要がある。しかし、飼育魚介類の数を制限する
と、魚介類の生産効率が低下して利益低減につながると
いう問題が生じる。また硝化槽14,15を大型化する
場合、ときには飼育水槽1の貯水量よりも大きな硝化槽
14,15を用いる必要があり、設備用地取得や建造費
を含めた閉鎖循環式養殖システムの高コスト化をもたら
すことになるという問題が生じる。
給餌量の増加に伴なって、硝化槽14,15から脱窒槽
19に移流する海水中の硝酸や亜硝酸の量が増大する
と、脱窒槽7で硝酸を窒素に還元しきれず、亜硝酸にま
でしか還元されていない状態で脱窒槽7から排出される
ことがある。図6のシステムではこのような場合を想定
し、脱窒槽19からの排出海水を飼育水槽1に直接返送
せず、返送路21によって硝化槽14,15の前段、例
えば沈殿槽11に戻すようにしており、硝化槽14,1
5で再度硝化処理がされるようにしてある。しかしこの
場合、脱窒槽19で硝酸が還元されて生成された亜硝酸
は、硝化槽14,15で再度硝酸に酸化され、この硝酸
が再び脱窒槽19で還元されるというように、脱窒効率
が非常に悪い悪循環の状態に陥るおそれがある。このよ
うな悪循環を防ぐには、硝化槽14,15と同様に、脱
窒槽19も巨大化して脱窒能力を高めるようにせざるを
得ず、閉鎖循環式養殖システム全体の高コスト化や、脱
窒細菌の栄養源となる糖類、アルコール類、水素ガス等
の添加量の増加による高ランニングコスト化をもたらす
という問題が生じる。
あり、大型化する傾向のある硝化槽や脱窒槽を用いる必
要なく、魚介類の飼育数や給餌量の急激な変動に対応し
てアンモニア等の窒素成分を除去する処理を行なうこと
ができる閉鎖循環式養殖システムを提供することを目的
とするものである。
閉鎖循環式養殖システムは、魚介類を飼育する飼育水槽
1の海水を循環経路2を通して循環させながら海水中の
アンモニア等の窒素成分を除去するようにした閉鎖循環
式養殖システムにおいて、海水中の固形物を取り除く物
理的ろ過部3と、海水を電気分解することによって活性
塩素種を発生させると共にこの活性塩素種で海水中の窒
素成分を除去する電気分解・窒素除去部4と、活性塩素
種を中和する塩素中和部5とを、海水の流れ方向に沿っ
てこの順に循環経路2に設けて成ることを特徴とするも
のである。
て、電気分解・窒素除去部4を、海水を電気分解するこ
とによって活性塩素種を発生させる電気分解槽6と、電
気分解槽6で発生した活性塩素種と海水中のアンモニア
等の窒素成分とを反応させる反応槽7とで形成し、物理
的ろ過部3と塩素中和槽5との間の循環流路2を一対の
分岐路9a,9bで形成すると共に、一方の分岐路9a
に電気分解槽6、海水の温度調整をする熱交換器8、反
応槽7の順に設けて成ることを特徴とするものである。
おいて、電気分解・窒素除去部4に、海水を攪拌する手
段を設けて成ることを特徴とするものである。
いずれかにおいて、電気分解・窒素除去部4に、海水の
流れを乱す手段を設けて成ることを特徴とするものであ
る。
する。
のであり、魚介類が飼育される飼育水槽1に循環経路2
が接続してあり、循環経路2に設けた循環ポンプ16を
作動させることによって、飼育水槽1中の海水を循環経
路2を通して循環させるようにしてある。そしてこの循
環経路2には、海水の流れの方向に沿った順で、沈殿槽
11、微細気泡SS分離装置25、電気分解・窒素除去
槽26、塩素中和槽5、循環ポンプ16、熱交換器8が
接続してある。請求項1の発明では、沈殿槽11と微細
気泡SS分離装置25とで物理的ろ過部3を形成し、電
気分解・窒素除去槽26で電気分解・窒素除去部4を形
成するようにしてある。
ステムにあって、飼育魚介類の排泄物や食べ残された餌
を含む飼育水槽1内の海水は、飼育水槽1の底部からま
ず沈殿槽11に送られ、比較的大きな粒子が沈降分離さ
れた後、微細気泡SS分離装置25で浮遊性の固形物が
微細気泡による加圧浮上分離により取り除かれる。微細
気泡SS分離装置25ではまた、魚の体表分泌物由来の
タンパク質等の溶解性高分子物質が泡沫として、浮遊性
固形物とともに取り除かれる。このように、沈殿槽11
と微細気泡SS分離装置25から形成される物理的ろ過
部3で物理的ろ過処理された海水は、電気分解・窒素除
去槽26に送られる。
気分解用スペース26aと、後半部の反応用スペース2
6bとからなっているものであり、電気分解用スペース
26a内には一対の電極27,27が対向させて配設し
てある。この一対の電極27,27は海水の流れと平行
の向きに配置してあり、電源装置29から直流電流が印
加されるようにしてある。電極27は白金めっきチタン
板などからなるものであり、予め設定された時間毎に、
印可される電位を逆転させて陽極と陰極を交代させるよ
うにしてある。電源装置29から印加される電解電圧は
3〜20V程度、電解電流値は10〜20A程度が好ま
しい。
分解・窒素除去槽26に送られる海水は、まず電気分解
用スペース26aに流入して反応用スペース26bへと
流れるものであり、上記のように電極27に直流電流を
印加すると、電気分解用スペース26aにおいて海水が
電気分解され、陽極の電極27の付近に次のような反応
で、次亜塩素酸等の活性塩素種が生成される。
は、海水中に含まれるアンモニアと反応して次のような
反応でクロラミンを生成し、さらにこのクロラミン同士
が反応して窒素を遊離し、塩素イオンに戻るという一連
の反応が起こり、この遊離された窒素が窒素ガスとして
システム外へ排出されることによって、海水中のアンモ
ニアなどの窒素成分が除去されるものである。ここで、
アンモニアは亜硝酸に酸化されることなく窒素に変換さ
れるので、魚毒性の強い亜硝酸を生成してしまうような
ことがなくなる。この活性塩素種と窒素成分との反応
は、電気分解用スペース26aでも起こるが、電気分解
用スペース26bにおいて主としてなされるものであ
る。
して知られているように脱色作用があり、また殺菌剤で
もあることから、脱色装置や、従来の図6のシステムの
ような紫外線殺菌装置17などを設置するような必要が
なくなるものである。
アンモニア等の窒素成分が除去され、さらに脱色や殺菌
がされた海水は、塩素中和槽5に送られる。塩素中和槽
5にはチオ硫酸ナトリウムなどの塩素中和剤が塩素中和
剤添加ユニット28から添加されており、電気分解・窒
素除去槽26で反応に消費されずに余った活性塩素種が
塩素中和剤によって中和され、活性塩素種の濃度を魚毒
性が発揮される濃度以下に抑える処理がなされる。
環ポンプ16を経由して熱交換器8を通過し、魚介類の
飼育に適した温度に温度調整された後、飼育水槽1に返
送される。このようにして、物理的ろ過部3で固形物を
物理的に除去し、さらに電気分解・窒素除去部4でアン
モニア等の窒素成分を除去して海水を浄化しながら、飼
育水槽1の海水を循環させることによって、飼育海水を
交換する必要なく長期間に亘って魚介類を飼育すること
ができるものである。そして、アンモニア等の窒素成分
は、海水の電気分解で生成される活性塩素種と反応させ
て除去するようにしているので、魚介類の飼育数や給餌
量の急増で海水中のアンモニア等の窒素成分が急激に増
えても、電極27に通電する電力を増大して電気分解能
力を高め、活性塩素種の生成量を増やすことによって、
容易に対応することができるものである。また、電極2
7への通電によって直ちに活性塩素種を発生させて、海
水中の窒素成分と反応させることができるので、生物硝
化を行なう場合のような微生物を活性化させるための立
ち上げ期間は、不要になるものである。
を示すものであり、この実施の形態では、沈殿槽11と
微細気泡SS分離装置25とで物理的ろ過部3を形成す
ると共に、電気分解槽6と反応槽槽7とで電気分解・窒
素除去部4を形成するようにしてある。電気分解槽6は
電極27が配置される電気分解用のスペースを有するだ
けでよいく、図1の実施の形態の電気分解・窒素除去槽
26のような反応用のスペース26bは不要であり、電
気分解・窒素除去槽26よりも小型に形成することがで
きる。また物理的ろ過部3と塩素中和槽5との間の循環
流路2は二股となった一対の分岐路9a,9bによって
形成してあり、電気分解・窒素除去部4を形成する電気
分解槽6と反応槽7は、一方の分岐路9aに、海水の流
れ方向に沿って電気分解槽6、反応槽7の順に接続して
ある。さらに熱交換器8は電気分解槽6と反応槽7の間
において一方の分岐路9aに接続してあり、熱交換器8
より上流側にはさらにサブポンプ30が接続してある。
また、他方の分岐路9は物理的ろ過部3と反応槽7とを
直接接続するものであり、一対の分岐路9a,9bを反
応槽7で合流させるようにしてある。その他の構成は図
1のものと同じである。
で固形物を取り除かれた海水は、各分岐路9a,9bに
分かれて流れる。一方の分岐路9aに流れた海水は電気
分解槽6に送られ、電気分解を受けて上記のように陽極
の電極27の付近に次亜塩素酸等の活性塩素種が生成さ
れる。このように生成された活性塩素種を含む海水はサ
ブポンプ30を通過して熱交換器8に送られ、熱交換器
8内で海水の温度調整がなされる。ここで、熱交換器8
内は一般に海水を加温するようになっているために、微
生物が繁殖し易い環境になっており、生物膜が熱交換器
8内に形成され易く、このように生物膜が形成されると
熱交換効率が低下するおそれがあるが、熱交換器8内を
通過する海水には活性塩素種が濃度高く含まれているの
で、活性塩素種による殺菌作用で、このような生物膜が
形成されることを防ぐことができ、熱交換効率の低下を
防ぐことができるものである。電気分解槽6での電気分
解条件の設定は、海水中のアンモニア濃度の他に、熱交
換器8を通過させるときの必要塩素濃度にも影響される
ものであり、水道水管理レベルである1mg/L以上に
する必要があるが、分岐路9a,9bの流量比によって
は、例えば分岐路9aの流量が分岐路9bの流量より少
ない場合はこれ以上に保つ必要がある。
海水は反応槽7に送られる。また分岐路9bを流れる海
水は反応槽7に送られて、ここで海水が合流し、熱交換
器8を通過した海水に含まれる活性塩素種が海水中のア
ンモニアなどの窒素成分と反応し、既述のように海水中
の窒素成分が除去される。次にこの海水は塩素中和槽5
で中和された後、飼育水槽1に返送される。
ものであり、電極27より海水の流れの下流側の部分に
おいて海水を攪拌することによって、電気分解で生成さ
れた活性塩素種と海水とを良く混合し、海水中のアンモ
ニアなどの窒素成分と活性塩素種とを効率良く接触さ
せ、窒素成分を除去する反応を効率良く行なわせるよう
にしたものである。
窒素除去槽26の反応用スペース26bにブロア31に
接続された散気管32を配置し、散気管32から噴出さ
れる空気で海水を攪拌するようにしてある。また図3
(b)の実施の形態では、水流ポンプ33を設け、電気
分解・窒素除去槽26の反応用スペース26bの海水を
水流ポンプ33で汲み上げて戻すことによって水流を起
させ、この水流で海水を攪拌するようにしてある。図3
(c)の実施の形態では、電気分解・窒素除去槽26の
反応用スペース26bに配置した攪拌翼34をモータ3
5で回転させ、攪拌翼34で海水を攪拌するようにして
ある。図3の各実施の形態では、電気分解・窒素除去槽
26の反応用スペース26bの海水を攪拌するようにし
たが、電気分解・窒素除去部4を電気分解槽6と反応槽
7とで形成する場合には、反応槽7に上記のような散気
管32、水流ポンプ33、攪拌翼34を設けて海水を攪
拌するようにするものである。
ものであり、電極27より海水の流れの下流側の部分に
おいて海水の流れを乱すことによって、電気分解で生成
された活性塩素種と海水とを良く混合し、海水中のアン
モニアなどの窒素成分と活性塩素種とを効率良く接触さ
せ、窒素成分を除去する反応を効率良く行なわせるよう
にしたものである。
窒素除去槽26の反応用スペース26b内に複数枚の邪
魔板36を設け、海水が直線的に流れず蛇行して流れる
ようにすることによって、海水の流れを乱すようにして
ある。また図4(b)の実施の形態では、電気分解・窒
素除去槽26の反応用スペース26bにラシヒリングな
どの多数の接触ろ材37が充填してあり、接触ろ材37
の間を海水が通過する際に海水の流れを乱すようにして
ある。図4の各実施の形態では、電気分解・窒素除去槽
26の反応用スペース26bの海水の流れを乱すように
したが、電気分解・窒素除去部4を電気分解槽6と反応
槽7とで形成する場合には、反応槽7に上記のような邪
魔板36、接触ろ材37を設けて海水を攪拌するように
するものである。
て、飼育水槽1に20tの人工海水を収容し、200〜
400gサイズのヒラメ中間魚を飼育したときの、海水
の水質変化を測定した。
成分のアンモニアと亜硝酸の濃度変化を示すものであ
り、アンモニアの蓄積がなく、またアンモニアから亜硝
酸への酸化もあまりみられず、アンモニアが脱窒されて
いることが確認される。
450nmの吸光度をAPHA白金コバルト標準法で測
定し、色度標準と比較して得られる色度の変化を示すも
のであり、図1のシステムには脱色装置を具備していな
いにもかかわらず、色度は概ね10以下に抑えられてお
り、目視的には殆ど着色を認められないものであった。
採取し、標準寒天培地(ニッスイ社製)を75%希釈人
工海水で調製した寒天培地で計数した生菌数の変化を示
すものであり、図1のシステムには紫外線殺菌装置を備
えないにもかかわらず、生菌数は10000CFU/m
L以下に抑えることができることが確認される。
鎖循環式養殖システムは、魚介類を飼育する飼育水槽の
海水を循環経路を通して循環させながら海水中のアンモ
ニア等の窒素成分を除去するようにした閉鎖循環式養殖
システムにおいて、海水中の固形物を取り除く物理的ろ
過部と、海水を電気分解することによって活性塩素種を
発生させると共にこの活性塩素種で海水中の窒素成分を
除去する電気分解・窒素除去部と、活性塩素種を中和す
る塩素中和槽とを、海水の流れ方向に沿ってこの順に循
環経路に設けるようにしたので、アンモニア等の窒素成
分は海水の電気分解で生成される活性塩素種と反応して
除去されるものであり、大型化する傾向のある硝化槽や
脱窒槽を用いる必要がなくなるものである。そして魚介
類の飼育数や給餌量が急激に変動しても、海水の電気分
解能力を追随させることによって容易に対応することが
できるものである。さらに、活性塩素種は電気分解によ
って直ちに発生させることができ、立ち上げ期間が不要
になるものであり、またアンモニアは活性塩素種との反
応で、亜硝酸に酸化されることなく窒素に変換されるも
のであって、魚毒性の強い亜硝酸が生成されるようなこ
とがなくなるものである。
て、電気分解・窒素除去部を、海水を電気分解すること
によって活性塩素種を発生させる電気分解槽と、電気分
解槽で発生した活性塩素種と海水中のアンモニア等の窒
素成分とを反応させる反応槽とで形成し、物理的ろ過部
と塩素中和槽との間の循環流路を一対の分岐路で形成す
ると共に、一方の分岐路に電気分解槽、海水の温度調整
をする熱交換器、反応槽の順に設けるようにしたので、
電気分解槽で発生した活性塩素種を高濃度で含む海水を
熱交換器に通すことができ、活性塩素種による殺菌作用
で生物膜が熱交換器内に形成されることを防ぐことがで
きるものであり、熱交換効率の低下を防ぐことができる
ものである。
おいて、電気分解・窒素除去部に、海水を攪拌する手段
を設けるようにしたので、電気分解で生成された活性塩
素種と海水とを良く混合して、海水中のアンモニアなど
の窒素成分と活性塩素種とを効率良く接触させることが
でき、窒素成分を除去する反応を効率良く行なわせるこ
とができるものである。
いずれかにおいて、電気分解・窒素除去部に、海水の流
れを乱す手段を設けるようにしたので、電気分解で生成
された活性塩素種と海水とを良く混合して、海水中のア
ンモニアなどの窒素成分と活性塩素種とを効率良く接触
させることができ、窒素成分を除去する反応を効率良く
行なわせることができるものである。
る。
ある。
り、(a),(b),(c)はそれぞれ概略図である。
り、(a),(b)はそれぞれ概略図である。
結果を示すものであり、(a)はアンモニア及び亜硝酸
の濃度の変化を示すグラフ、(b)は色度の変化を示す
グラフ、(c)は生菌数の変化を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 魚介類を飼育する飼育水槽の海水を循環
経路を通して循環させながら海水中のアンモニア等の窒
素成分を除去するようにした閉鎖循環式養殖システムに
おいて、海水中の固形物を取り除く物理的ろ過部と、海
水を電気分解することによって活性塩素種を発生させる
と共にこの活性塩素種で海水中の窒素成分を除去する電
気分解・窒素除去部と、活性塩素種を中和する塩素中和
槽とを、海水の流れ方向に沿ってこの順に循環経路に設
けて成ることを特徴とする閉鎖循環式養殖システム。 - 【請求項2】 電気分解・窒素除去部を、海水を電気分
解することによって活性塩素種を発生させる電気分解槽
と、電気分解槽で発生した活性塩素種と海水中のアンモ
ニア等の窒素成分とを反応させる反応槽とで形成し、物
理的ろ過部と塩素中和槽との間の循環流路を一対の分岐
路で形成すると共に、一方の分岐路に電気分解槽、海水
の温度調整をする熱交換器、反応槽の順に設けて成るこ
とを特徴とする請求項1に記載の閉鎖循環式養殖システ
ム。 - 【請求項3】 電気分解・窒素除去部に、海水を攪拌す
る手段を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2に
記載の閉鎖循環式養殖システム。 - 【請求項4】 電気分解・窒素除去部に、海水の流れを
乱す手段を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至3
のいずれかに記載の閉鎖循環式養殖システム。
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---|---|---|---|
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JP2002086290A JP3887256B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 閉鎖循環式養殖システム |
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