JP2015019475A - モータの可変速駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルス幅延長に起因する電圧外乱を補正できるようにする。
【解決手段】電圧指令とキャリアの比較によりPWM指令を発生するPWM演算器105と、このPWM指令に従ってゲート制御され、モータ102を可変速駆動するインバータ主回路101と、前記PWM指令のパルス幅が最小の設定幅より短いときに該パルスの幅を延長させる最小パルス幅制限回路と、前記延長後のパルスの幅を、前記最小パルス幅延長による前記PWM指令およびPWM出力のパルス幅の差分と同じ分だけ補正するパルス幅補正回路とを有した最小パルス幅制限部106と、前記パルス幅延長後、PWMのスイッチング動作が長い期間休止する場合に、インバータ制御器からその休止期間に入ったことを示す信号を入力し、前記PWM指令とPWM出力のパルス幅の差分を前記電圧指令にフィードバックして、他相の電圧指令を補正する電圧指令補正部110と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、電圧形PWMインバータでモータを可変速駆動する装置に係り、特にインバータからモータまでのケーブル配線長が長い場合、PWMのスイッチング時に生じるサージ電圧でモータ巻線が絶縁劣化するのを防止する回路に関する。
(1)サージ電圧の発生原理
電圧形PWMインバータは、IGBT等の半導体パワースイッチング素子を用いて、直流電圧を高速スイッチングすることにより、出力端子にパルス状の電圧を連続して出力する。
パルス電圧はインバータとモータを接続するケーブルを通してモータ巻線へと伝播させるため、ケーブルのインダクタンスと静電容量の分布成分と、モータ巻線の端子部の静電容量成分が介在する。インバータがステップ状に変化する電圧を出力した場合に、この電圧成分がケーブルを伝播し、モータ端子で反射することによりサージ電圧が発生する。この反射現象は図11に例を示すように、インバータの直流電圧をEdとすると、サージ電圧の大きさは通常2×Edとなる。
(2)PWM出力回路
従来のPWMインバータの回路構成例を図12に示す。電圧指令演算部Aは、3相出力電圧指令を演算する。キャリア生成器Bは、三角波キャリア波形を生成する。PWM演算器Cは、3相出力電圧指令とキャリア波形を入力し、電圧指令とキャリア波形の大小関係を比較することによって3相PWM波形を出力する。デッドタイム生成器Dは、IGBT等のスイッチング素子の上下アーム短絡を防止するために、各相のPWM波形にデッドタイムを付加した、上下アームのON/OFF指令パルスを出力する。ゲート制御回路Eは、デッドタイム生成器Dより上下アームのON/OFF指令を入力し、絶縁や電圧増幅を行ってインバータ主回路Fのスイッチング素子のゲートをコントロールする。以上の回路により、各相のスイッチング素子は直流電圧EdをスイッチングしたPWMパルス電圧をモータGへ出力する。
(3)制御率が高い場合のPWM出力波形
PWM変調は電圧指令値と、通常は三角波形のキャリアとを比較して、擬似正弦波状のパルス波形を出力する。通常のPWM制御ではインバータの制御率が高い場合(電圧指令が0またはEd近傍の場合)に、例えば図13に示すようにパルス幅が極めて短い電圧を出力する。
(4)通常よりも大きなサージ電圧が発生する原理
インバータから出力するパルス電圧の伝播時間Tは、ケーブルのインダクタンスと静電容量から決まる。図14はインバータ端子電圧(太線)とモータ端子電圧(太線)の波形例である。図14において、
(a)インバータの端子電圧がEdから0に変化した場合(点線)
前述の反射の結果、時間2T後にモータ端子に−Edの電圧がかかる(点線)。
(b)時刻2Tにインバータの端子電圧が0からEdに変化した場合(一点鎖線)
さらに、時間2T後(時刻4T)に2×Edの電圧がモータ端子にかかる(一点鎖線)。
(c)上記の(a)のパルスの2T時間後に(b)のパルスが発生した場合
最初の(a)の効果によりモータ端子電圧が−Edの状態の時に、(b)のようにインバータ出力が+Edになると、モータ端子にはあたかも−Edから+Ed(電位差+2Ed)のステップ電圧が入力されたものと等価になる。そのため、反射の影響に+2Ed分だけ発生するため、モータの端子に最大3×Edの電圧が発生する。
つまり、パルス電圧のケーブルの伝播遅延時間とモータの静電容量により共振する周波数の1/2時間の和と、PWM出力のパルス幅が等しくなると、モータ端子にインバータの直流電源電圧の3倍程度の電圧が発生することになる。
このような過大なサージ電圧はモータの絶縁に過大なストレスを与え、モータの絶縁劣化が通常よりも早くなるという問題がある。
(5)従来のサージ電圧抑制方法
上記のようなサージ電圧を抑制するため、相電圧の波高値近傍で出力電圧のパルス幅が狭くなる期間では、パルス幅がより広くなるように制限し、さらにこの制限したパルス幅においても出力電圧の変化を従来とほぼ同じにするために当該相の上アームまたは下アームをPWM演算の1周期の間オンさせる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、サージ電圧を抑制する他の方法として、特許文献2に記載の方法が提案されている。
特開2004−129405号公報 特開2007−295649号公報
従来のサージ電圧抑制方法は、相電圧指令値の正負の波高値近傍でその値が大きいほうから順に複数の電圧パターンに分割し、この電圧パターンの選択信号をPWM制御ブロックに与え、この選択信号に応じて上下アームのオンパルス生成回路からのオンパルスを選択し、この選択したパルスを使ってPWM演算を行いインバータのPWMゲート信号を発生している。
この従来方法では、各相電圧が波高値近傍では相電圧に代えてオンパルス信号をPWM演算器の入力とし、波高値近傍を除く期間では相電圧をPWM演算器の入力とし、PWM演算器ではその入力とキャリア信号との比較によりPWMゲート信号を生成する。
このため、オンパルス生成回路や選択器および同期信号処理回路など複雑で高価な回路構成になる。また、選択器におけるパルス切換え動作にノイズ等が発生しやすく、このノイズで幅の狭いパルスがPWM演算器の出力として現れると、インバータの出力にサージ電圧を発生させてしまう。
この課題に対して特許文献2では、PWM演算器のPWM出力のパルス幅が最小パルス幅の設定値よりも短い場合に、単安定マルチバイブレータのような時間を計測する回路手段を利用して、パルス幅を延長させて最小パルス幅を制限することで、サージ電圧の発生を抑制し、さらに、パルス幅を延長したとき、PWM指令とPWM出力のパルス幅の差分を、パルス幅を延長した後のパルスの幅を同じ分だけ補正することで、PWM出力電圧の実効値と指令電圧をほぼ等しくする方法によって解決している。
ここで、特許文献2におけるスイッチング停止期間とその補正方式を説明する図15のように、出力電圧の過変調状態など制御率が高い場合に、ある相の正弦波状の電圧指令は頂上付近で、1周期の1/6(位相60°)程度スイッチングが停止する期間が発生する。
このスイッチング停止の直前に特許文献2の実施形態1と実施形態2の回路でパルス幅を延長した場合、電圧誤差補償用のカウンタには補正分を保持したまま位相が60°程度進んでから補正しようとする。
電圧誤差補正は短期間内に動作することにより効果があるのであって、このように補正を位相約60°も隔ててから行っても逆に電圧外乱になるだけである。
本発明の目的は、上記の課題を解決したモータの可変速駆動装置を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するため、PWM出力のパルス幅を延長したのち、PWMのスイッチング動作が比較的長い期間休止する場合に、PWM指令とPWM出力のパルス幅の差分をインバータの電圧指令にフィードバックし、他相の電圧指令を補正することで、パルス幅を延長したことによる電圧外乱を補正する。
以上のことから、本発明は以下の構成を特徴とする。すなわち、
正弦波の電圧指令と三角波キャリア信号とを比較してPWM波形のPWM指令を発生するPWM演算器と、このPWM演算器のPWM指令に従ってゲート制御されるインバータ主回路とを備え、このインバータ主回路のPWM出力でモータを可変速駆動する装置において、
前記PWM演算器のPWM指令のパルス幅が最小パルス幅の設定値よりも短いときに該パルスの幅を延長させ、前記インバータ主回路のPWM出力の最小パルス幅を制限する最小パルス幅制限回路と、前記パルス幅を延長した後のパルスの幅を、前記最小パルス幅延長による前記PWM指令およびPWM出力のパルス幅の差分と同じ分だけ補正するパルス幅補正回路とを有した最小パルス幅制限部と、
前記最小パルス幅制限部がPWM指令のパルス幅を延長したのち、PWMのスイッチング動作が長い期間休止する場合に、インバータ制御器からその休止期間に入ったことを示す信号を入力し、前記PWM指令とPWM出力のパルス幅の差分を前記電圧指令にフィードバックして、他相の電圧指令を補正する電圧指令補正部と、を備える。
制御率が高い場合はPWMスイッチングが位相60°程度起こらなくなるので、その相の出力電圧のずれを補正することができない。その場合に他相の電圧指令を補正することで、パルス幅を延長したことによる電圧外乱を補正する効果がある。
具体的には、パルス幅を延長した場合の補正分を電圧指令にフィードバックし、その相のスイッチングが比較的長く停止する場合は、他相の電圧指令を補正することによって、パルス幅を延長したことによる電圧外乱を補正することができる。
回路構成上では、PWM演算器の出力になるPWM波形に対して、少しのカウンタ回路、論理回路でパルス幅を制限する構成で済む。また、最小パルス幅制限した後のPWM指令でインバータ主回路のゲート制御信号を生成するため、PWM演算器等において幅の狭いノイズが発生した場合にもこのノイズによりサージ電圧が発生することはない。
本発明の実施形態例によるモータの可変速駆動装置の構成図。 本発明の実施形態例における最小パルス幅制限部と電圧指令補正部の詳細を示す回路図。 本発明の実施形態例によるモータの可変速駆動装置のブロック図。 本発明の実施形態例によるスイッチング休止期間を決定する方法の説明図。 本発明の実施形態例によるスイッチング休止期間を決定した電圧指令の波形図。 本発明の実施形態例における最小パルス幅制限回路の動作タイムチャート。 本発明の実施形態例におけるパルス幅補正回路の動作タイムチャート。 本発明の実施形態例において、スイッチング休止期間に電圧指令を上限に張り付けた場合の動作タイムチャート。 本発明の実施形態例において、スイッチング休止期間に入った時点の動作タイムチャート。 本発明の実施形態例において、スイッチング休止期間に電圧指令を下限に張り付けた場合の動作タイムチャート。 インバータ出力におけるサージ発生の波形図。 従来のPWMインバータの一例を示す回路構成図。 幅が短いパルスを含むPWMの波形図。 インバータ端子電圧とモータ端子電圧の波形図。 スイッチング停止期間とその補正方式の説明図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。図1は、本実施形態を示す回路構成図である。インバータ主回路101は、直流電圧Edを直流電源とし、例えばIGBTをスイッチング素子とした各スイッチのゲート制御によりU,V,W相の3相出力を得てモータ102を可変速駆動する。
電圧指令演算部103は、モータ102の速度制御系(図示省略)から与えられる速度制御指令に応じて、周波数と振幅を調節した正弦波の電圧信号を発生する。キャリア生成器104は電圧指令演算部103からの正弦波出力の数倍(例えば6倍)の周波数の三角波信号を生成する(同期PWM方式)、あるいは、通常は1〜15KHzの固定周波数の三角波を生成する(非同期PWM方式)。
PWM演算器105は電圧指令演算部103からの正弦波信号とキャリア生成器104からのキャリア信号の振幅比較によってPWM出力を得る。
最小パルス幅制限部106は、後に詳細に説明するように、PWM演算器105のPWM出力の最小パルス幅が最小パルス幅の設定値よりも短いときに該パルスの幅を延長させ、PWM出力のパルス幅がある設定幅以下にならないように制限する最小パルス幅制限回路と、前記パルス幅を延長した後のパルスの幅を、前記最小パルス幅延長による前記PWM指令およびPWM出力のパルス幅の差分と同じ分だけ補正するパルス幅補正回路とを備えている。
デッドタイム生成器107は、最小パルス幅制限部106を通したPWM信号のデッドタイムを生成する。ゲート制御回路108はデッドタイム生成器107を通したPWM信号によってインバータ主回路101の各相のゲート信号を生成および増幅して各スイッチング素子のオン・オフ制御出力を得る。
110は、前記最小パルス幅制限部106によるパルス幅の延長が行われた後、パルス幅休止期間検出器109からパルス幅の休止期間に入ったことを示す信号が入力されると、PWM指令およびPWM出力のパルス幅の差分を電圧指令の補正量として出力する電圧指令補正部である。前記電圧指令補正部110の補正出力は他の相の電圧指令を補正するためにフィードバックされる。
前記最小パルス幅制限部106内の最小パルス幅制限回路は、入力のPWM波形が変化した場合、最小パルス幅時間Tmin経過するまでその変化した状態が再度変化しないように制限する。これにより、特に電圧指令の波高値付近で発生するパルスの最小幅を最小パルス幅時間Tmin以上に広くする。
また、最小パルス幅時間はケーブルとモータにより生じる伝播時間や共振周波数の変化に応じて、可変設定できるようにしておき、最小パルス幅制限回路により電圧指令とPWMパターンが一致しない期間を最小限にするよう調整する。
前記最小パルス幅制限回路により最小パルス幅を制限した場合、パルス幅が削られる、あるいは延長されることによって、PWM出力の電圧成分が電圧指令に一致しなくなる恐れがある。つまり前記パルス幅の延長により電圧外乱を発生させてしまう恐れがあり、このパルス幅延長による誤差電圧成分を補正するために、図1の最小パルス幅制限部106はパルス幅補正回路を備えている。
ここで、出力電圧の過変調状態など制御率が高い場合に、ある相の正弦波状の電圧指令は頂上付近で、1周期の1/6(位相60°)程度スイッチングが停止する期間が発生する。
このスイッチング停止の直前に最小パルス幅制限部106の最小パルス幅制限回路がパルス幅を延長した場合、最小パルス幅制限部106のパルス幅補正回路は、前記位相が60°程度進んでから補正しようとする。
電圧誤差補正は短期間内に動作することにより効果があるのであって、このように補正を位相約60°も隔ててから行っても逆に電圧外乱になるだけである。
そこで、本実施形態例では、図1の電圧指令補正部110によって、パルス幅を延長した場合の補正分を電圧指令演算部103にフィードバックし、その相のスイッチングが比較的長く停止する場合は、他相の電圧指令を補正することによって、パルス幅を延長したことによる電圧外乱を補正する。
次にPWMのスイッチング休止期間について説明する。
図4は、三角波キャリアと3相電圧指令(Vu´,Vv´,Vw´)のタイミングチャートの一例である。三角波キャリア周波数は一般的に1〜10kHz程度、3相電圧指令の周波数は0〜200Hz程度の範囲であることが多く、キャリア周波数4kHz、電圧指令周波数50Hzあるいは60Hzであることが多い。
スイッチング休止期間は60°毎に切り替わるので、その周波数は300Hzあるいは360Hzである。キャリア4kHzと比較すると、スイッチング休止期間に、50Hzの場合は4000÷300から約13個、60Hzの場合は4000÷360から約11個、キャリアの頂点がある。
PWM出力を、電圧指令と三角波キャリアの大小比較によって作成する場合、キャリアの増加中あるいは減少中に1回PWM出力のON/OFF変化(スイッチング)が起こるため、スイッチング休止期間は11〜13回程度の長い期間スイッチングが起こらないことになる。パルス幅補正をそのような長い期間を経た後に実施することは電圧外乱になる。
スイッチング休止期間を決定する方法の1つは、出力電圧の位相に同期させることである。スイッチングを休止させる方法は、その休止する相の電圧指令を上限あるいは下限にはりつけることである。
以上をまとめて下記の表1に示す。ここではU相電圧指令の位相(θ)を基準に記述しているが、これをV相やW相に置きかえてもよい。スイッチング休止期間に応じて出力されるスイッチング休止信号も合わせて記載する。
Figure 2015019475
上記は相電圧の進み方向がU→V→Wの場合であるが、逆の場合(U→W→V)の場合は例えば下記の表2のようになる。つまり位相に対して上下が逆になる。
Figure 2015019475
図5は、図4中の電圧指令Vu´,Vv´,Vw´を見やすくするために、キャリア波形を削除したものである。
次に、図1の最小パルス幅制限部106および電圧指令補正部110をデジタル回路で構成した例を図2とともに説明する。図2は1相分の回路であり、3相の場合にはこれを3回路分実装する。
図2において、カウンタ1、D型フリップフロップ2、レジスタ3、セレクタ4、EXOR5、AND6によって図1の最小パルス幅制限部106の最小パルス幅制限回路が構成され、カウンタ11、D型フリップフロップ12、AND13、AND14によって図1の最小パルス幅制限部106のパルス幅補正回路が構成され、D型フリップフロップ31、AND32、スイッチ33によって図1の電圧指令補正部110が構成されている。
カウンタ1は、PWM出力の変化防止期間を計測するダウンカウンタであり、各端子は以下の入出力信号になる。
D:最小パルス幅時間に相当する複数bitのディジタルデータ入力端子
LD:Dのデータを内部レジスタにロードするタイミングを指令する入力端子
en:カウントダウンイネーブル入力端子
Qb=0:内部カウンタ=0の時に1を出力するレジスタ出力端子
ck:クロック入力
このカウンタ1は、以降、最小パルス幅カウンタと称することもある。
D型フリップフロップ2は、PWM出力用の波形整形用であり、前回の出力値を保持する機能もある。各端子はD:入力、Q:出力、ck:クロック入力となる。
レジスタ3は、PWM出力用の前々回値保持用D−FF(D型フリップフロップ)であり、PWMの変化を検出するための遅延を得る。各端子はD:入力、Q:出力、ck:クロック入力となる。
セレクタ4は、パルス幅の狭いPWM出力を防止するための、PWM入力とPWM出力の前回保持値を選択するセレクタである。
EXOR5は、D型フリップフロップ2およびレジスタ3の出力の変化を出力する排他的論理和である。
AND6は、セレクタ4の選択信号生成用論理積回路であり、EXOR5とカウンタ1の動作遅延にPWM指令が変化した場合、誤動作防止用の出力変化防止機能も有する。
カウンタ11は、PWM入力とPWM出力の誤差を計測および補正するためのタイマカウンタであり、以降はパルス遅延補正カウンタと称することもある。このカウンタ11は、up端子入力値が1(High)の時は内部カウンタがカウントアップし、down端子入力値が1(High)の時は内部カウンタがカウントダウンする。upおよびdown両方の端子ともに入力が0の時は内部カウンタの値を同じ値に維持する。
また、LD+端子にHigh信号が入力された時点で内部カウンタを+2(表1、表2の上限張りつけの場合)、LD−端子にHigh信号が入力された時点で内部カウンタを−2(表1、表2の下限張りつけの場合)にリセットする機能を持つ。
D型フリップフロップ12は、PWM指令を波形整形するD−FF(動作イネーブルH信号en付き)であり、以降では、PWM中間レジスタと称することもある。また、カウンタ11,D型フリップフロップ12はともに、ck端子にクロックを入力し、入力クロックのUpエッジで動作する。
AND13は、PWM指令が「H」かつPWM出力が「L」の誤差期間を検出する論理積回路である。
AND14は、PWM指令が「L」かつPWM出力が「H」の誤差期間を検出する論理積回路である。
レジスタ21はカウンタのbit数に相当するD型フリップフロップで構成されたレジスタであり、D入力にパルス遅延補正カウンタ11のカウント値Qaを入力し、キャリア頂点信号をレジスタ21のen入力とする。このレジスタ21は、以降、パルス遅延幅レジスタと称することもある。
これにより、キャリア頂点のタイミングのみでレジスタ21の出力Qは入力D、すなわちカウント値Qaを出力し、それ以外の時は値を保持する。この読み出されたカウント値Qaは図1のルートを通って、電圧指令演算部103に補正量としてフィードバックされる。また、フードバックと同時にカウンタ11のカウント値Qaをクリアして、不要な補正を行わないようにしている。
前記図1のパルス幅休止期間検出器109がレジスタ21に相当し、電圧指令補正部110がパルス幅補正量(パルス遅延幅)の読み出しと電圧指令補正およびカウンタ11のクリアを行う(clr)。
図2のD型フリップフロップ31は、スイッチング休止信号が入力端子Dに入力され、入力信号に対する前回の出力値を保持する機能をもつ。
AND32は、その反転入力端子にスイッチング休止信号が入力され、非反転入力端子にはD型フリップフロップ31のQ出力が入力される論理積回路である。
前記D型フリップフロップ31およびAND32によってスイッチング休止信号のOFF状変を検出している。
スイッチ33は、一端側がAND32の出力端に接続され、他端側がPWM入力信号のHighかLowかに応じて、カウンタ11のLD+端子又はLD−端子に切り替わるスイッチである。
前記スイッチング休止信号は、インバータ制御器から出力される、PWMのスイッチング動作が所定の休止期間に入ったことを示す信号(表1、表2)である。
次に、最小パルス幅制限部106の最小パルス幅制限回路の動作を図6のタイムチャートとともに説明する。
図6は、図2のデジタル回路の各部の信号を表しており、上段から下段にかけて、クロック信号ck、セレクタ4の入力A(PWM入力)、D型フリップフロップ2の出力Q(PWM出力)、D型フリップフロップ3の出力Q(PWM出力)、EXOR5の出力(PWM変化)、AND6の出力(セレクタ4の制御信号)、最小パルス幅カウンタ1のD端子に入力される最小パルス幅を各々示している。
t1:PWM入力も出力も「L」の状態から、PWM入力が「H」に変化
t2:D型フリップフロップ2により出力が変化
t3:PWM出力変化をEXOR5により検出、カウンタ1の内部レジスタにD入力を初期設定する。
t4:t3〜t4の期間ではセレクタ4はB入力側を選択し、t4にてカウンタ1が零になると、入力を有効にする。t4の時点では、入力信号はt1の変化以降同じ状態を維持しているので、PWM出力はt4時刻では変化しない。
t5,t6,t7:t1,t2,t3のPWM指令が「L」に変化したものに相当
t8:パルス幅の狭いパルスの最初の変化が入力
t9:t2と同様にPWM出力が変化
t10:t3と同様にPWM出力変化をEXOR5により検出、カウンタ1の内部レジスタにD入力を初期設定する。
t11:PWM入力パルスが「L」に変化。しかしSEL制御信号(AND6の出力)が「B選択」のため、PWM出力はそのまま保持されつづける。
t12:カウンタ1の出力=0になり、SEL制御信号(AND6の出力)が「A選択」になり、PWM入力が出力に反映される。t11〜t12の期間が細かいパルス幅を最小パルス幅に広げる動作に相当する。
t13、t14:t9、t10に相当し、さらに細かいパルスが発生しないように制限のためのカウンタが動作する。
最小パルス幅カウンタ1は、ダウンカウンタであり、最小パルス幅設定値をD端子に入力し、LD端子がH(High)の時のみD端子の入力値を内部カウンタの開始値に設定する。en端子がHの時のみカウント動作を行って、1クロック毎に内部カウント値Qbを1ずつ減らす。内部カウンタ値=0の時のみHを出力し、それ以外の時はL(Low)を出力する。
D型フリップフロップ2、レジスタ3はDラッチであり、クロックが入力した時のD端子入力値をラッチする。つまり、レジスタに保存する。レジスタ3は信号を1クロック遅延させるために使用している。
実際には、PWM出力のエッジ変化時にカウンタ1のQbに最小パルス幅設定値がセットされるまで1クロックかかるので、PWMのパルス幅が1クロックの場合には、この最小ONパルス制限が正常に動作しないため、これを防止するためこの1クロック間にPWM出力のエッジが変化しないように、AND回路6にEXOR5の反転信号を入力して対策している。
次に最小パルス幅制限部106のパルス幅補正回路の動作を図7のフローチャートとともに説明する。
図7は、図2のデジタル回路の各部の信号を表しており、上段から下段にかけて、PWM入力、PWM中間レジスタ12のQ出力、PWM出力(D型フリップフロップ2のQ出力)、最小パルス幅カウンタ1のQb出力、パルス遅延補正カウンタ11のQa出力を各々示している。
パルス遅延補正カウンタ11は、PWM入力とPWM出力が不一致のとき、下記のようなカウント動作を行う。
PWM入力=H&PWM出力=Lの時:カウントUp
PWM入力=L&PWM出力=Hの時:カウントDown
それ以外の状態:カウント値を保持。
尚、このカウンタ11はPWM入力が「L」で出力が「H」の時はカウントUpし、入力が「H」で出力が「L」の時はカウントDownするものでも同様に動作する。
PWM中間レジスタ12は、カウンタ11の内部レジスタの値Qa=0の時のみD型フリップフロップのen入力にデータ許可信号を出力するので、この時点でPWM中間レジスタ12の出力はPWM入力の状態に更新する。それ以外の時は前回値を保持し、その出力値を次段のPWM最小パルス幅制限回路の入力に与える。
このような補正回路を構成すると図7のように、最小パルス幅制限によってパルス幅を延長した時、入力に対する出力の遅延分をパルス遅延補正カウンタ11(Qa)でカウントし、PWM入力の次回エッジ変化時にQaによって遅延分が補正される。
短いONパルス指令を最小パルス幅制限回路によってパルス幅を延長した場合、延長している間はPWM入力が「L」で出力が「H」なのでQa(カウンタ11)はカウントダウンして誤差成分を負のカウント値として計測動作を行う。その次にPWM入力のエッジが変化する時は必ずL→Hの方向なので、カウント値Qaは0に向かってカウントアップし、前述の計測した負値の誤差時間に相当する遅延補正を行って、PWM中間レジスタ12の出力とする。
これにより、図7のパルス幅延長に相当する誤差電圧と同じ量だけ、次回のパルスの時に補正を行うことができ、PWM入力とPWM出力の平均値を同じ値になるように補正することができる。
次に、電圧指令補正部110の動作を、スイッチング休止期間とその補正方式を示す図15とともに説明する。図15の上段は電圧指令とキャリアの関係を示し、下段はPWM出力、パルス遅延補正カウンタ11の出力(Qa)、パルス幅遅延レジスタ21のデータを各々示している。
図15の毎回の三角波状のPWMキャリア頂点のタイミングにおいて、パルス遅延補正カウンタ11の値Qaをレジスタ21に読み出してCPUなどのRAMに保存した後、レジスタ21の値を零にリセットする。このCPUなどで保存した補正量分を電圧指令演算部103にフィードバックし、スイッチングする他の2相の電圧指令を補正する。
パルス幅延長によってある相のパルス幅が間引かれた場合は他の2相の電圧指令も間引き、パルス幅が足された場合は他の2相の電圧指令も足すように補正することで、出力電圧と指令電圧の絶対値を整合させる。他2相への割当補正量=パルス幅補正量(レジスタ値)÷2である。
図2のD型フリップフロップ31およびAND32は、インバータ制御器から入力されるスイッチング休止信号(表1、表2)の状態変化を検出し、スイッチ33はPWM入力信号のHighかLowかによってLD+端子かLD−端子に切り替えられる。
スイッチ33がLD+端子側に切り替えられており(上限張りつけの場合)且つスイッチング休止信号の状態が変化したとき、パルス遅延補正カウンタ11の内部カウンタは強制的に+2の値(Qa=2)にリセットされる。
また、スイッチ33がLD−端子側に切り替えられており(下限張りつけの場合)且つスイッチング休止信号の状態が変化したとき、パルス遅延補正カウンタ11の内部カウンタは強制的に−2の値(Qa=−2)にリセットされる。
キャリア頂点のタイミングのみでレジスタ21の出力Qは入力D、すなわちカウント値Qaを出力し、それ以外の時は値を保持する。この読み出し値は図1のルートを通って、電圧指令演算部103に補正量としてフィードバックされる。また、フィードバックと同時にカウンタ11のカウント値Qaをクリアして、不要な補正を行わないようにする。
次に、図2のパルス幅遅延レジスタ21のQ出力、すなわちパルス遅延幅を電圧指令演算部103にフィードバックし、他相の電圧指令を補正する全体(三相分)の構成を図3とともに説明する。
図3において、200U,200V,200Wは図2の回路を各々示しており、Setは最小パルス幅設定値が入力されるカウンタ1のD端子である。
InはPWM入力、OUTはPWM出力(D型フリップフロップ2のQ出力)である。Stopは、D型フリップフロップ31およびAND32に入力されるスイッチング休止信号である。Carはキャリア頂点信号(レジスタ21のen入力)、Compはパルス遅延量(レジスタ21のQ出力)である。
パルス遅延量(Comp)は各相毎にメモリー201U,201V,201Wに保存され、パルス幅−電圧実効値換算器202U,202V,202Wによってパルス幅の値から電圧実効値に換算され、÷2演算器203U,203V,203Wによって半分の値とされる。
その後、例えばU相の÷2演算器203Uの出力値はV相とW相の相電圧指令に加算される。
このためU相電圧指令には、V相の÷2演算器203Vの出力およびW相の÷2演算器203Wの出力を加算器204aにより加算した値が加算器204bにおいて加算される。
V相電圧指令には、U相の÷2演算器203Uの出力およびW相の÷2演算器203Wの出力が加算器204cにおいて加算される。
W相電圧指令には、U相の÷2演算器203Uの出力およびV相の÷2演算器203Vの出力を加算器204dにより加算した値が加算器204eにおいて加算される。
前記÷2演算器203U,203V,203Wにおいて、÷2演算後の端数は切り捨てる。常時偏差の2(補正する必要がない値)がメモリーに保存されても他の2相を補正しないようにするためである。
上記構成により、ある相のパルス遅延量(Comp)は、その半分の値が他の2相の電圧指令の補正量となる。図2の回路やキャリア頂点信号は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)などの論理回路で構成され、各相電圧指令、各相休止信号、パルス遅延量を保存するメモリー(201)は例えば演算器(CPU)で構成されることが多い。加算器や÷2演算器はどちらでもよく、またメモリー(201)と÷2演算器(203)の順序は逆でもよい。
次に図1〜図3の回路の動作を図8〜図10のタイムチャートとともに説明する。これらの図において、PWM入力は図2のD型フリップフロップ12のD端子入力であり、PWM出力は図2のD型フリップフロップ2のQ出力であり、スイッチング休止期間信号はインバータ制御器からD型フリップフロップ31およびAND32に入力されるスイッチング休止信号であり、パルス遅延量はカウンタ11のQa出力であり、キャリア頂点信号はレジスタ21のen入力であり、補正量データはレジスタ21のQ出力(メモリー201U又は201V又は201Wに保存されるデータ)である。
図8〜図10は、U相、V相、W相のうちのどれか1相分のチャートである。本実施例の場合は、最小パルス幅を6クロックに設定してある場合のタイムチャートであり、PWM入力が3クロック分だけOFFしているのに対して、PWM出力は6クロック分OFFしている。また、本実施例の回路による遅延は4クロック分である。
キャリア頂点信号は、図4に示すキャリア信号が上限あるいは下限に達した時に発生する信号である。スイッチング休止期間信号は、出力電圧、位相、スイッチングを休止する相の電圧指令を上限または下限に張りつける、といった演算を実行する演算器(CPU)から、前述の表1、表2のとおりに入力される信号である。
図8はスイッチング休止期間にPWM入力がON(Highレベル)になっているため、上限張りつけの場合を示しており、時刻t1ではPWM入力とPWM出力がともにON(Highレベル)であるため、カウンタ11(パルス遅延量(Qa))は現在値(−1)を保持しているが、時刻t2ではPWM入力がON(Highレベル)、PWM出力がOFF(Lowレベル)となるためupカウントを開始し、そのupカウントはPWM入力およびPWM出力がともにONとなる時刻t3まで継続される。
次に時刻t4においてキャリア頂点信号が入力されると、レジスタ21がカウンタ11のQa値(5)を読み出し、演算器(CPU)が上限張りつけの場合のキャリア遅延量である−2を加算した値「3」が補正量データとしてメモリー(メモリー201U又は201V又は201W)に保存される。
その後、スイッチング休止期間を経て、時刻t5においてスイッチング休止期間信号がOFFすると、その直後の時刻t6において入力されたキャリア頂点信号に同期してパルス遅延量がリセットされる。
すなわち、PWM入力がON(Highレベル)であるためスイッチ33はカウンタ11のLD+端子側であるので、パルス遅延量(カウンタ11のQa値=5)は+2にリセットされる。
次にPWM入力がOFFとなった時刻t7では、PWM入力がOFF,PWM出力がONとなるためカウンタ11がdownカウントを開始し、そのdownカウントはPWM入力およびPWM出力がともにOFFとなる時刻t8まで継続される。また、スイッチング再開後の遅延は4クロックとなる。
上記のように、保存する値がキャリア遅延量−2であることと、キャリア休止期間終了時のパルス遅延量リセット値が+2であることの理由は、本回路構成によるとPWM入力に対するPWM出力の遅延が4クロックであり、回路起動時からずっと+2あるいは−2のパルス遅延量が発生し続けるからである。
図9は、U相がスイッチング休止期間に入ってからメモリー(201U)に保存した補正量データにより他のV,W相の電圧指令を補正するタイミングを表したタイムチャートである。
図9の時刻t11〜t14までは図8の時刻t1〜t4と同様の動作となり、時刻t15は、図8の時刻t4からt5(スイッチング休止期間終了時刻)になるまでの間にキャリア頂点信号が入力された時刻を表している。
図9において、スイッチング休止期間に入った次のキャリア頂点(時刻t14)で、PWM入力に対してPWM出力が間引かれた補正量データが保存されるため、さらにその次のキャリア頂点信号発生時(時刻t15)に、V,W相の電圧指令を補正する。
つまり、スイッチング休止期間に入って2つ目のキャリア頂点信号発生時(時刻t15)に、スイッチング休止期間に入った相とは別の2相の電圧指令値を、休止期間に入った相のPWM出力が間引かれた分、あるいは伸ばされた分に応じて補正する。
この補正によって、例えば図3の回路によってスイッチング休止期間開始直後にU相のパルス幅のOFF期間が延長された場合、U相の出力電圧実効値は下がるため、V相とW相の実効値も同様に下がる。
逆に図3の回路によってスイッチング休止期間開始直後にU相のパルス幅のON期間が延長された場合、U相の出力電圧実効値は上がるため、V相とW相の実効値も同様に上がる。これは、V相やW相のスイッチング休止期間開始直後の場合も同様である。
また、図10はスイッチング休止期間にPWM入力がOFF(Lowレベル)になっているため、下限張りつけの場合を示している。図8の上限張りつけの場合との違いは、補正データとして保存される値がキャリア遅延量+2であることと、スイッチング休止終了時のパルス遅延量のリセット後の値が−2であることである。
時刻t1ではPWM入力とPWM出力がともにOFF(Lowレベル)であるため、カウンタ11(パルス遅延量(Qa))は現在値(+1)を保持しているが、時刻t2ではPWM入力がOFF(Lowレベル)、PWM出力がON(Highレベル)となるためdownカウントを開始し、そのdownカウントはPWM入力およびPWM出力がともにOFFとなる時刻t3まで継続される。
次に時刻t4においてキャリア頂点信号が入力されると、レジスタ21がカウンタ11のQa値(−5)を読み出し、演算器(CPU)が下限張りつけの場合のキャリア遅延量である+2を加算した値「−3」が補正量データとしてメモリー(メモリー201U又は201V又は201W)に保存される。
その後、スイッチング休止期間を経て、時刻t5においてスイッチング休止期間信号がOFFすると、その直後の時刻t6において入力されたキャリア頂点信号に同期してパルス遅延量がリセットされる。
すなわち、PWM入力がOFF(Lowレベル)であるためスイッチ33はカウンタ11のLD−端子側であるので、パルス遅延量(カウンタ11のQa値=−5)は−2にリセットされる。
次にPWM入力がONとなった時刻t7では、PWM入力がON,PWM出力がOFFとなるためカウンタ11がupカウントを開始し、そのupカウントはPWM入力およびPWM出力がともにONとなる時刻t8まで継続される。また、スイッチング再開後の遅延は4クロックとなる。
1、11…カウンタ
2、12、31…D型フリップフロップ
3、21…レジスタ
4…セレクタ
33…スイッチ
101…インバータ主回路
102…モータ
103…電圧指令演算部
104…キャリア生成器
105…PWM演算器
106…最小パルス幅制御部
107…デッドタイム生成器
108…ゲート制御回路
109…パルス幅休止期間検出器
110…電圧指令補正部

Claims (1)

  1. 正弦波の電圧指令と三角波キャリア信号とを比較してPWM波形のPWM指令を発生するPWM演算器と、このPWM演算器のPWM指令に従ってゲート制御されるインバータ主回路とを備え、このインバータ主回路のPWM出力でモータを可変速駆動する装置において、
    前記PWM演算器のPWM指令のパルス幅が最小パルス幅の設定値よりも短いときに該パルスの幅を延長させ、前記インバータ主回路のPWM出力の最小パルス幅を制限する最小パルス幅制限回路と、前記パルス幅を延長した後のパルスの幅を、前記最小パルス幅延長による前記PWM指令およびPWM出力のパルス幅の差分と同じ分だけ補正するパルス幅補正回路とを有した最小パルス幅制限部と、
    前記最小パルス幅制限部がPWM指令のパルス幅を延長したのち、PWMのスイッチング動作が長い期間休止する場合に、インバータ制御器からその休止期間に入ったことを示す信号を入力し、前記PWM指令とPWM出力のパルス幅の差分を前記電圧指令にフィードバックして、他相の電圧指令を補正する電圧指令補正部と、
    を備えたことを特徴とするモータの可変速駆動装置。
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