JP2011188624A - Pwmインバータ装置のデッドタイム補償装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デッドタイム補償遅れ時間が変化する各相の正弦波電流の零クロス部分の電圧誤差成分を補償できる。
【解決手段】デッドタイム補償回路3は、基本的には、PWMパルス指令とインバータの出力電圧検出とが不一致であった期間だけ2つのカウンタCNT1,CNT2でカウント動作し、これらのカウント値が目標遅れ時間設定値Tdlyに一致または超えたタイミングで補正PWMパルス信号を出力する。PWM指令変化検出部3AはPWM指令のonエッジとoffエッジを検出し、差分演算部3Bはカウンタの前回のカウント値と今回のカウント値との差分を遅延時間差分として求め、補償演算部3Cは遅延時間差分で目標遅れ時間設定値Tdlyを補正し、コンパレータCMP1,CMP2とフリップフロップFFは補正した目標遅れ時間設定値Tdlyとカウンタ値とから補正PWMパルス信号を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、トランジスタやIGBTなどの電力用スイッチング素子を用いて、PWM(パルス幅変調)制御により直流と交流の電圧変換を行うインバータ装置に係り、特にスイッチング素子のドライブ信号にデッドタイム(短絡防止期間)を挿入するデッドタイム補償装置におけるスイッチング遅れの補償制御に関する。
スイッチング素子をPWM制御して直流電圧と交流電圧を相互に変換するインバータ装置のうち、電圧形インバータでは、通常は直流電源(主回路電源)に対して2つのスイッチング素子(直流リンク電圧のP側アームとN側アーム)を直列に接続し、これらの2つのスイッチング素子を交互にON(閉路)させる制御を行っている。この際、スイッチング指令に対し実際のスイッチング動作には時間遅れがあり、P側アームがONしたときにN側アームが未だON状態にあると、両スイッチング素子を通して主回路直流リンク部の電源のP側とN側が短絡状態になってしまい、スイッチング素子の破損を起こすおそれがある。
この短絡発生を回避するため、スイッチング素子のON/OFF制御信号(ドライブ信号)にデッドタイム(短絡防止期間)を挿入するデッドタイム補償回路が設けられる。このデッドタイム期間中は直列接続された2個のスイッチング素子を両方ともOFFさせる。これにより、スイッチング素子のスイッチング動作に時間遅れが存在しても、電源短絡を防止できる。
しかし、図5に示すように、スイッチング素子のスイッチング動作遅れは、デッドタイム期間の出力に電圧誤差を発生させる。同図において、PWM指令に一致する幅をもつパルスP1〜P6でスイッチング素子をドライブすると、PWM出力電圧(≒電圧検出器で検出されるパルス電圧)にはそれぞれスイッチング素子でのON遅延とOFF遅延が発生し、これらON遅延とOFF遅延が共に同じ遅延時間であればPWM出力電圧は指令値の幅に一致する(電圧誤差0)。しかし、同図のパルス電圧P1やP2に示すように、ON遅延時間がOFF遅延時間に比べて短い場合は、PWM出力電圧に斜線部で示したような各遅延時間の差分成分により電圧誤差が発生する。
つまり、電流極性によりデッドタイムTdに起因してPWM出力電圧の遅延時間が変化する現象が生じ、PWM指令に対する電圧誤差も電流極性により変化する。図5では、パルスP3のONタイミングとOFFタイミングの間に電流極性が反転するために、遅延時間の発生量、つまり電圧誤差極性が反転し、ON時もOFF時も遅延時間が短くなるため、前後で極性が反転する。その後、パルスP4以降では電流極性は正に維持されるので、この平均電圧誤差は定常誤差になる。
電流極性により誤差電圧が反転する現象は、通常、“デッドタイムによる電圧誤差成分”と呼ばれており、これを補償する方式も関連技術者にとっては公知のものである。この電流極性の切り替わり時点での電圧誤差を解消する手法として、PWM指令のPWM波形と実際に検出される出力電圧(パルス波形)との遅延時間を計測して、次回のスイッチング時間に誤差電圧成分を補正する回路を提案している(例えば、特許文献1参照)。これにより、PWM波形の1パルス程度の補償遅れが存在するものの、高速なデッドタイム補償を実現できる。
上記の特許文献1におけるデッドタイム補償回路の例を図6に示す。同図においては、電圧指令入力に相当するPWM電圧をモータ(負荷)に出力する例で示している。ここで、実際には交流出力は三相であることが多いが、模擬的に1相分だけを示した単線図に示すように模式的に表している。
図6において、PWM信号発生部1は、電圧指令Vuvw*とキャリア信号Cryとの大小関係をコンパレータで比較して、PWM指令を出力する。この図では一般的な「三角波比較方式」と呼ばれる構成で示している。
デッドタイム発生部2は、デッドタイム補償回路3でON/OFFタイミングが補正されたPWM信号に、短絡防止期間Tdを追加して、直列接続された2個のスイッチング素子への2本のon/off信号Gu、Gxに変換して出力する。
インバータ主回路部4は、直流電源と1相当たり2個のスイッチング素子を直列接続した回路を、必要な相数だけ構成し、信号Gu、Gxと同様に各相の電圧指令に基づいたスイッチング動作によって電力増幅したPWM出力を得、このPWM出力で負荷となるモータ5を駆動する。
電圧検出部6は、上記のインバータ主回路が出力する電圧を直流電源のP側かN側のどちらの電位であるかを検出してPWM指令のon/offに相当する信号に変換する回路であり、1相あたり2値レベルを有する1本の信号を出力する。実際には検出回路や絶縁回路の遅延時間が存在するが、その値は小さいものと見なして無視し、以降では(PWM出力電圧≒電圧検出)として取り扱う。
デッドタイム補償回路3は、PWM指令と出力電圧(パルス)検出信号を入力とし、PWM指令に対するPWM電圧のon遅延時間計測用とoff遅延時間計測用の2つのカウンタCNT1,CNT2を有しており、それぞれのカウンタCNT1,CNT2はPWM電圧指令と出力電圧検出が不一致であった期間だけカウント動作する。このカウンタ値が目標遅れ時間設定値Tdlyに達したことを2個のコンパレータCMP1,CMP2によりそれぞれ検出し、この検出信号をR−SフリップフロップのR、Sトリガ信号とし、補正後のPWM信号を変化させると同時に、カウンタ値を零にリセットする。この動作をon側とoff側のカウンタCNT1,CNT2が交互に行なうことにより、補償動作を実現している。
この回路の特徴は、図5にタイムチャートで動作例を示すように、1個のカウンタにデッドタイム補償回路の補償出力信号からPWM出力電圧までの遅延時間を計測する機能(図6の6)と、PWM指令からPWM出力電圧までの時間が設定したTdlyになるように補正する機能(図6の3)の両方を有していることである。そのため、簡単な回路でデッドタイムなどに起因するスイッチング遅延時間の補償が可能となっている。
このデッドタイム補償回路の動作説明として、インバータの出力電流極性が負から正に変化した場合における各信号変化を図7で説明する。まず、PWM指令がoffからonに変化するときのカウンタの動作を説明すると、時刻t0は補償出力(PWMパルス)がONに変化した瞬間であり、同時にカウンタの値が零にリセットされる。PWM指令はonであるが出力電圧検出はまだoffであるのでカウンタイネーブル状態にあるためカウントアップを行い、時刻t1において出力電圧検出がonに変化してカウンタのイネーブル入力信号がディスエーブル状態となるまでカウントを継続する。ちょうどこのt6からt1の期間が遅延時間の補正動作に相当する。
次のPWM指令がoffからonに変化する時刻t2からカウンタは再びカウントイネーブル状態となってカウントを再開するが、設定したカウント値Tdlyに達する時刻t3において補正出力を発生すると同時にカウント値を零にリセットする。この時刻t2から時刻t3の期間が遅延時間の補正動作に相当する。この補正出力後から出力電圧検出の変化までが前回の時刻t0から時刻t1の期間と同じ遅延時間であった場合には、元のPWM指令入力から見て出力電圧検出まではTdly時間だけ遅れることになる。つまり、スイッチング時間の量に係わらず、遅延時間を一定にできる。PWM指令がonからoff側に変化する場合についても、時刻t4からt5および時刻t6からt7のように同様の動作になり、遅延時間を一定に補償できる。
上記の2個のカウンタにより常にonとoffの遅延時間をTdly時間だけ一定になるように補償すれば、結局出力電圧はPWM指令よりTdly時間だけ時間軸を平行移動した波形となるため、PWM指令とPWM出力の間には時間差は存在するものの、on時間幅とoff時間幅の比についてはPWM指令と等しくなるため、正確な電圧出力を得ることができる。つまり、デッドタイムなどに起因する遅延時間を正確に補償することが可能になる。これが文献1の原理である。
なお、デッドタイム補償手法として2台以上の複数のインバータを並列接続した場合に拡張するものを提案しており(例えば、特許文献2参照)、他の手法として出力電圧(トランジスタの場合はVce電圧)検出回路が故障した場合でも運転を継続するための保護方法を提案している(例えば、特許文献3参照)。
このような電圧検出を使用しない方式もある。現在のインバータ装置では、高速動作が可能なスイッチング素子が開発されたため、PWM制御のスイッチング周波数(キャリア周波数)も高く設定できるようになっている。これにより、PWM制御を適用しても出力電流のキャリア周波数に起因するリプル成分の振幅が小さくなるとともに出力電流が正確に検出できるようになったため、電圧検出を使用せず電流検出を利用したデッドタイム補償方式が適用されている例もある。
しかし、高速回転するモータなどでは周波数が高いため、この電圧誤差が変化する影響が大きくなる。一般的には電流制御を適用すれば比例積分(PI)制御により電流指令に実出力電流を追従させることができるが、積分補償成分の時定数には応答限界が存在しているため、高い運転周波数で電流極性が頻繁に変化する場合には電流制御が追従できない。また、電流検出を用いた補償法も高周波電流の極性を高速にかつ瞬時に精度よく検出することは困難である。
この点、PWM出力電圧検出を利用したデッドタイム補償方式は電圧を直接検出してから計測した遅れ時間と同じ時間単位で電圧を補償するため、電流検出方式のような外乱が影響せずかつ高速な応答が可能である。
特許2782780号(特開平01−127390) 特許3496943号(特開平5−30751) 特許3480085号(特開平8−140362)
特許文献1によるデッドタイム補償回路は、厳密には実際のスイッチング遅れ時間を計測した後、次回の電圧成分にて補正を行なうという補正遅れがある。そのため、電流極性の変化にともないスイッチングの遅延時間が変化した場合には、この遅れ時間の変化量(前回との差分)に相当する電圧誤差成分が補償しきれずに残ってしまう問題がある。この電圧誤差は電流の極性により変化が生じやすい特性があるため、電流の零クロス付近において電流の波形ひずみを発生させていた。
特に、高周波数かつ高速電流制御を行うインバータ装置においては、電圧検出から出力電圧を補償するまでに1パルス分の補償遅れが問題になってくる。このターンオン・ターンオフの遅延時間の変化の影響によるPWM電圧誤差の発生原理をタイムチャートで示したものが図7の「PWM電圧誤差の波形」である。ここでは電流極性が負から正に変化する例を示しており、onからoffへの遅延時間がだんだん短くなり、逆にoffからonへの遅延時間が電流値に応じてだんだん長くなる場合を示している。
前述のように、図6で示す遅延時間計測用カウンタは、前回の遅延時間を計測し、次のスイッチング時も同じ遅延時間であると仮定して補正しているが、実際の遅延時間が電流極性により変化する。この電流極性による遅延時間の変化と、図6の回路での1パルス分の補償遅れが組合わされて図7にPWM電圧誤差の波形で示すような電圧補償しきれない電圧誤差成分が発生する。この補償しきれない電圧誤差成分は、補償遅れ時間が変化する各相の正弦波電流が正負を交差するときに発生するため、正弦波電流の零クロス部分に波形歪が生じてしまう。
この波形歪みは、高周波数でない場合には電流のPI(比例積分)制御によって出力電流が制御されるため、基本波成分に対して比較的小さいが、高速モータのように電流制御応答に近い高い運転周波数の場合には電流歪が基本波成分に対して相対的に大きくなり無視できなくなる。
本発明の目的は、デッドタイム補償遅れ時間が変化する各相の正弦波電流の零クロス部分の電圧誤差成分まで補償できるPWMインバータ装置のデッドタイム補償装置を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、デッドタイム補償遅れ時間が変化するPWM各相の正弦波電流の零クロス部分で発生する電圧誤差成分の補償を、目標遅れ時間設定値の補正、または遅延時間計測用カウンタのカウント値の補正で行うようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
(1)PWM変調を用いた電圧型インバータと、
前記インバータの出力電圧のスイッチング状態を検出する出力電圧検出回路と
PWMパルス指令と前記インバータの出力電圧検出とが不一致の条件の場合のみスイッチング素子のon遅延時間計測用とoff遅延時間計測用の2つのカウンタでカウント動作し、これら2つのカウンタのカウント値が目標遅れ時間設定値Tdlyに一致または超えたタイミングをonタイミングとoffタイミングとする補正PWMパルス信号を出力するデッドタイム補償回路と、
前記補正PWMパルス信号にデッドタイムを挿入してインバータのPWM制御信号を発生するデッドタイム発生回路と、
を備えたPWMインバータ装置のデッドタイム補償装置において、
前記PWM指令のONとOFFの変化タイミングを、onエッジとoffエッジとして検出するPWM指令変化検出部と、
前記onエッジとoffエッジのタイミングで前記2つのカウンタのカウント値を前回のカウント値として記憶し、これら前回のカウント値と該2つのカウンタの今回のカウント値との差分を遅延時間差分としてそれぞれ求める2つの差分演算部と、
前記遅延時間差分で前記目標遅れ時間設定値Tdlyをそれぞれ補正し、前記onエッジとoffエッジに同期して更新する補償演算部を備え、
インバータ装置の主回路スイッチング素子のスイッチング遅延時間の変化などに起因して、PWM各相の正弦波電流の零クロス部分で発生する電圧誤差成分を、PWM指令パルスで1パルス遅れた次回の補正量に上乗せして補償することを特徴とする。
(2)PWM変調を用いた電圧型インバータと、
前記インバータの出力電圧のスイッチング状態を検出する出力電圧検出回路と
PWMパルス指令と前記インバータの出力電圧検出とが不一致の条件の場合のみスイッチング素子のon遅延時間計測用とoff遅延時間計測用の2つのカウンタでカウント動作し、これら2つのカウンタのカウント値が目標遅れ時間設定値Tdlyに一致または超えたタイミングをonタイミングとoffタイミングとする補正PWMパルス信号を出力するデッドタイム補償回路と、
前記補正PWMパルス信号にデッドタイムを挿入してインバータのPWM制御信号を発生するデッドタイム発生回路と、
を備えたPWMインバータ装置のデッドタイム補償装置において、
前記PWM指令のONとOFFの変化タイミングを、onエッジとoffエッジとして検出するPWM指令変化検出部と、
前記onエッジとoffエッジのタイミングで前記2つのカウンタのカウント値を前回のカウント値として記憶し、これら前回のカウント値と該2つのカウンタの今回のカウント値との差分を遅延時間差分としてそれぞれ求める2つの差分演算部と、
前記onエッジとoffエッジのタイミングで、前記遅延時間差分から該遅延時間差分を1カウントアップした値にそれぞれ切り替え、これら1カウントアップの代わりに前記2つのカウンタのカウント値をそれぞれ加算補正するカウンタ値補正演算部を備え、
インバータ装置の主回路スイッチング素子のスイッチング遅延時間の変化などに起因して、PWM各相の正弦波電流の零クロス部分で発生する電圧誤差成分を、PWM指令パルスで1パルス遅れた次回の補正量に上乗せして補償することを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、デッドタイム補償遅れ時間が変化するPWM各相の正弦波電流の零クロス部分で発生する電圧誤差成分の補償を、目標遅れ時間設定値の補正、または遅延時間計測用カウンタのカウント値の補正で行うようにしたため、従来のデッドタイム補償方式では補償しきれなかった零クロス付近の電圧誤差の変化成分についても補償でき、PWM指令に対してより正確な電圧が出力できると共に、電流波形の零クロス部分の歪も抑制することができる。
実施形態1のデッドタイム補償回路図。 実施形態1におけるデッドタイム補償タイムチャート。 実施形態2のデッドタイム補償回路図。 実施形態2におけるデッドタイム補償タイムチャート。 デッドタイム補償が無い場合の電圧誤差発生のタイムチャート。 従来のデッドタイム補償回路図。 スイッチング遅延時間変化による電圧誤差発生のタイムチャート。
(実施形態1)
本実施形態は、スイッチング時間の差分補償機能をカウンタの目標値に補正する。
図1は、本実施形態のデッドタイム補償回路図を示し、スイッチング素子のターンオン・ターンオフのスイッチング遅れ時間が変化したことにより生ずる図6の回路における補正誤差電圧成分をさらに補正する構成としている。また、このときの動作タイムチャートを図2示す。
図1は、従来の図6回路に対し、次の3つの回路を追加したものである。
(1)PWM指令変化検出部3Aは、PWM指令のONとOFFの変化タイミングをonエッジとoffエッジとして検出するもので、D型フリップフロップによるPWMパルスの1クロック遅延回路と、その入出力PWMパルスの一方を反転させて論理積をとることでonエッジとoffエッジを検出するAND回路で構成される。これらonエッジ信号とoffエッジ信号は、遅延時間の記憶や、補正演算のタイミングに使用する。
(2)差分演算部3Bは、上記のonエッジ信号とoffエッジ信号のタイミングでカウンタCNT1,CNT2のカウント値を前回のカウント値として記憶する2つのメモリと、これらメモリで記憶する前回のカウント値と、今回(最新)のカウント値との差分を遅延時間差分としてそれぞれ求める2つの差分演算回路で構成される。
(3)補償演算部3Cは、上記の差分演算回路の出力である前回と最新の遅延時間の差分時間を用いて、目標遅れ時間設定値Tdlyをそれぞれ補正する2つの加減算回路と、これら補正した目標遅れ時間設定値Tdlyを前記onエッジとoffエッジに同期して更新して、コンパレータCMP1,CMP2の比較入力とする2つのレジスタで構成される。
これらの回路3A,3B,3Cを追加することにより、図2に示す動作タイムチャートのように、スイッチング遅れ時間の変化による差分時間に相当する補正しきれない電圧誤差成分についても、1パルス遅れた次回の補正量にこの変化分も上乗せすることにより、電圧誤差成分をさらに補正する。この動作の詳細を以下に説明する。
(作用・動作の説明)
図2に示すタイムチャートにおいて、電圧誤差e1のように、off時の遅延時間(ターンオフ時間Toff)が短くなった場合を考える。この場合には従来の図6の回路だけでは、PWM電圧誤差パルスのように負の補正遅れによる誤差電圧成分e1が発生する。そこで、PWM指令変化検出部3Aおよび差分演算部3Bにより、前回の検出電圧のoffエッジ発生時T1とこの短くなった最新の遅延時間の差分(T2−T1)を計算しておき、これを補償演算部3CでTdly(off側カウンタ)の目標値に修正を加え、(T2−T1)だけ小さくする。そうするとPWM電圧誤差において電圧誤差e1’のパルスのように正の補正誤差電圧e1’が正しい電圧e1成分を補正する効果が得られる。
この誤差電圧の補償動作は、電圧誤差e2からe2’のように順繰りに継続して補正されていく。また、電圧誤差e3,e4のように電流極性が変化してon側の遅延時間(ターンオン時間Ton)が長くなった場合にも、同様に負の誤差電圧であれば次回のon側のデッドタイム補正時に正の電圧補正を行う。
ここでは、電流が負から正の場合を示したが、電流極性が正から負に変化する場合には、正の補正誤差電圧をキャンセルするように負の電圧補正を追加するようにカウンタの目標値が増加する。
したがって、本実施形態では、電圧補正誤差の変化により補償できなかった成分についても補償でき、これによりPWM指令に対してより正確な電圧が出力できると共に、電流波形の零クロス部分の歪も抑制することができる。
なお、本実施形態では、カウンタの目標値を変更するため、アップカウンタで実現する場合に好適となる。
(実施形態2)
本実施形態は、スイッチング時間の差分補償機能をカウン値に対し補正する。
図3は、本実施形態のデッドタイム補償回路図を示し、スイッチング素子のスイッチング遅れ時間の変化時の補正遅れを補正する構成としている。また、このときの動作タイムチャートを図4に示す。
図3は、従来の図6の回路に対し、次の3つの回路を追加したものである。
(1)PWM指令変化検出部3Aは、実施形態1と同様に、PWM指令のONとOFFの変化タイミングを、onエッジとoffエッジとして検出するもので、D型フリップフロップによるPWMパルスの1クロック遅延回路と、その入出力PWMパルスの一方を反転させて論理積をとることでonエッジとoffエッジを検出するAND回路で構成される。これらonエッジ信号とoffエッジ信号は、遅延時間の記憶や、補正演算のタイミングに使用する。
(2)差分演算部3Bは、実施形態1と同様に、上記のonエッジ信号とoffエッジ信号のタイミングでカウンタCNT1,CNT2のカウント値を前回のカウント値として記憶する2つのレジスタと、これらレジスタで記憶する前回のカウント値と、今回(最新)のカウント値との差分を遅延時間差分としてそれぞれ求める2つの差分演算回路で構成される。
(3)カウンタ値補正演算部3Dは、上記の差分演算回路の出力である前回と最新の遅延時間の差分時間に値1をそれぞれ加算(1カウントアップ)する2つの加算回路と、上記のonエッジとoffエッジのタイミングで加算回路の加算出力(1カウントアップした値)を上記の差分時間から切り替える2つのマルチプレクサと、これらマルチプレクサの出力でカウンタCNT1,CNT2のカウント値をそれぞれ加算補正する2つの加減算回路で構成される。
本実施形態によるデッドタイム補償動作は、実施形態1における図2の動作タイムチャートとは異なり、デッドタイム補償の目標遅れ時間設定値Tdlyは一定に固定したままである。
すなわち、図4に示す動作タイムチャートのように、遅れ時間の変化による差分時間に相当する補正しきれない電圧誤差成分をカウンタ値として、1パルス遅れた次回の補正量側にこの変化分も上乗せすることにより、電圧誤差成分をさらに補正する。この動作の詳細を以下に説明する。
(作用・動作の説明)
図4に示すタイムチャートにおいて、電圧誤差e1のように、off時の遅延時間が短くなった場合を考える。この場合には従来の図6の回路だけでは、PWM電圧誤差パルスのように負の補正誤差電圧が発生する。そこで、PWM指令変化検出部3Aおよび差分演算部3Bにより、前回の検出電圧のoffエッジ発生時とこの短くなった最新の遅延時間の差分を計算しておく。そして、通常はカウンタ値を1カウントずつカウントアップ動作させるが、PWM指令のエッジが発生したときだけ、カウンタ値補正演算部3Dにより差分演算部3Bの補正量だけ加算してカウンタ値を修正する。そのかわり、この方式では目標遅れ時間設定値Tdlyは変更せず一定に固定したとしておく。
したがって、本実施形態においても、実施形態1と同様に、誤差電圧の変化により補償しきれなかった成分までさらに補正でき、これによりPWM指令に対してより正確な電圧が出力できると共に、電流波形の零クロス部分の歪も抑制することができる。
なお、本実施形態では目標値を固定してカウント値の方を補正するので、零を目標値として固定したダウンカウンタで実現する場合に好適となる。
1 PWM信号発生部
2 デッドタイム発生回路
3 デッドタイム補償回路
4 インバータ主回路部
5 モータ(負荷)
6 電圧検出部
CNT1,CNT2 カウンタ
CMP1,CMP2 コンパレータ

Claims (2)

  1. PWM変調を用いた電圧型インバータと、
    前記インバータの出力電圧のスイッチング状態を検出する出力電圧検出回路と
    PWMパルス指令と前記インバータの出力電圧検出とが不一致の条件の場合のみスイッチング素子のon遅延時間計測用とoff遅延時間計測用の2つのカウンタでカウント動作し、これら2つのカウンタのカウント値が目標遅れ時間設定値Tdlyに一致または超えたタイミングをonタイミングとoffタイミングとする補正PWMパルス信号を出力するデッドタイム補償回路と、
    前記補正PWMパルス信号にデッドタイムを挿入してインバータのPWM制御信号を発生するデッドタイム発生回路と、
    を備えたPWMインバータ装置のデッドタイム補償装置において、
    前記PWM指令のONとOFFの変化タイミングを、onエッジとoffエッジとして検出するPWM指令変化検出部と、
    前記onエッジとoffエッジのタイミングで前記2つのカウンタのカウント値を前回のカウント値として記憶し、これら前回のカウント値と該2つのカウンタの今回のカウント値との差分を遅延時間差分としてそれぞれ求める2つの差分演算部と、
    前記遅延時間差分で前記目標遅れ時間設定値Tdlyをそれぞれ補正し、前記onエッジとoffエッジに同期して更新する補償演算部を備え、
    インバータ装置の主回路スイッチング素子のスイッチング遅延時間の変化などに起因して、PWM各相の正弦波電流の零クロス部分で発生する電圧誤差成分を、PWM指令パルスで1パルス遅れた次回の補正量に上乗せして補償することを特徴とするPWMインバータ装置のデッドタイム補償装置。
  2. PWM変調を用いた電圧型インバータと、
    前記インバータの出力電圧のスイッチング状態を検出する出力電圧検出回路と
    PWMパルス指令と前記インバータの出力電圧検出とが不一致の条件の場合のみスイッチング素子のon遅延時間計測用とoff遅延時間計測用の2つのカウンタでカウント動作し、これら2つのカウンタのカウント値が目標遅れ時間設定値Tdlyに一致または超えたタイミングをonタイミングとoffタイミングとする補正PWMパルス信号を出力するデッドタイム補償回路と、
    前記補正PWMパルス信号にデッドタイムを挿入してインバータのPWM制御信号を発生するデッドタイム発生回路と、
    を備えたPWMインバータ装置のデッドタイム補償装置において、
    前記PWM指令のONとOFFの変化タイミングを、onエッジとoffエッジとして検出するPWM指令変化検出部と、
    前記onエッジとoffエッジのタイミングで前記2つのカウンタのカウント値を前回のカウント値として記憶し、これら前回のカウント値と該2つのカウンタの今回のカウント値との差分を遅延時間差分としてそれぞれ求める2つの差分演算部と、
    前記onエッジとoffエッジのタイミングで、前記遅延時間差分から該遅延時間差分を1カウントアップした値にそれぞれ切り替え、これら1カウントアップの代わりに前記2つのカウンタのカウント値をそれぞれ加算補正するカウンタ値補正演算部を備え、
    インバータ装置の主回路スイッチング素子のスイッチング遅延時間の変化などに起因して、PWM各相の正弦波電流の零クロス部分で発生する電圧誤差成分を、PWM指令パルスで1パルス遅れた次回の補正量に上乗せして補償することを特徴とするPWMインバータ装置のデッドタイム補償装置。
JP2010051275A 2010-03-09 2010-03-09 Pwmインバータ装置のデッドタイム補償装置 Pending JP2011188624A (ja)

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