JP2015016837A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】氷雪路性能をより一層向上しつつ、耐偏摩耗性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部2に、横溝4で区分された第1ブロック12を具えた空気入りタイヤ1であって、第1ブロック12は、踏面12Sと、ブロック壁面13と、エッジ14とを含み、エッジ14は、第1エッジ15と、第1エッジ15の一端15Aに連なる第2エッジ16と、第1エッジ15の他端15Bに連なる第3エッジ17とを含むジグザグ状部分18を含み、他端15Bは、一端15Aよりも第1ブロック12の重心側に位置し、ブロック壁面13は、第1壁面19と、第2壁面20と、第3壁面21と、第1壁面19と第3壁面21との間に配された第4壁面22とを含み、第4壁面22は、第1壁面19をのびる第1縁22Aと、溝底23をのびる第2縁22Bと、第3壁面21をのびる第3縁22Cとに囲まれた略三角形状である。
【選択図】図3

Description

本発明は、トレッド部に、複数の横溝で区分されたブロックを具えた空気入りタイヤに関する。
従来、トレッド部に、複数のブロックを具えたトレッドパターンが採用された空気入りタイヤが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。前記ブロックの踏面のエッジは、例えば、氷路面に対する摩擦力を高めるために、ジグザグ状部分を含んでいる。
特開2012−218651号公報
しかしながら、前記ブロックのエッジのジグザグ状部分は、前記ブロックの重心側に凹む凹部の剛性が低い。このため、前記ブロックは、凹部付近の変形が大きく、そこに偏摩耗が生じ易いという傾向があった。
本発明は、以上のような実状に鑑みなされたもので、氷路面での走行性能をより一層向上しつつ、耐偏摩耗性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部に、複数の横溝で区分された少なくとも1つの第1ブロックを具えた空気入りタイヤであって、前記第1ブロックは、踏面と、ブロック壁面と、これらの間をのびる少なくとも1つのエッジとを含み、前記少なくとも1つのエッジは、タイヤ軸方向に対して傾斜している第1エッジと、前記第1エッジの一端に連なりかつ前記第1エッジと逆方向に傾斜している第2エッジと、前記第1エッジの他端に連なりかつ前記第1エッジと逆方向に傾斜している第3エッジとを含むジグザグ状部分を含み、前記第1エッジの他端は、前記第1エッジの一端よりも前記第1ブロックの重心側に位置し、前記第1ブロックの前記エッジからタイヤ半径方向内側にのびるブロック壁面は、前記第1エッジからタイヤ半径方向内側にのびる第1壁面と、前記第2エッジからタイヤ半径方向内側にのびる第2壁面と、前記第3エッジからタイヤ半径方向内側にのびる第3壁面と、前記第1壁面と前記第3壁面との間に配された第4壁面とを含み、前記第4壁面は、前記第1壁面をのびる第1縁と、前記横溝の溝底をのびる第2縁と、前記第3壁面をのびる第3縁とに囲まれた略三角形状であることを特徴とする。
本発明に係る前記空気入りタイヤは、前記第1縁と前記第3縁とが交わる第1交点は、前記第1エッジの前記他端に位置しているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤは、前記第1縁と前記第2縁とが交わる第2交点は、前記第1エッジの前記一端から前記溝底にのびる第1縦縁に位置しているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤは、前記第2縁と前記第3縁とが交わる第3交点は、前記第3エッジの前記第1エッジの反対側の端部から前記溝底にのびる第3縦縁に位置しているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤは、前記第1ブロックの前記踏面には、前記第2壁面から前記第2エッジに直交する向きにのびる少なくとも1本の第1サイプが形成されているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤは、前記第1ブロックの前記踏面には、前記第2エッジに平行な向きにのびる複数の第2サイプが形成されているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤは、前記トレッド部は、最もタイヤ赤道側に区分されたクラウン陸部と、最もタイヤ軸方向外側に区分されたショルダー陸部と、前記クラウン陸部と前記ショルダー陸部との間に区分されたミドル陸部とを含み、前記ミドル陸部は、複数のミドル横溝で区分された複数のミドルブロックを含み、前記ミドルブロックは、前記第1ブロックを少なくとも1つ含んでいるのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤでは、第1ブロックの第1エッジの他端側に凹部が形成されるが、この部分は、ブロック壁面の第1壁面と第3壁面との間に配された第4壁面により補強され、剛性が高められる。従って、第1ブロックの第1エッジの他端側での変形が抑制されて、そこでの偏摩耗が抑制される。
本発明の空気入りタイヤでは、第1縁乃至第3縁に囲まれた略三角形状の第4壁面により、第1エッジの他端付近において、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性がバランス良く高められる。従って、第1ブロックのエッジが確実に接地でき、氷路面での旋回性及び制動性が共に高められ、タイヤの氷雪路性能が向上する。
本発明の一実施形態の空気入りタイヤのトレッド部の展開図である。 図1の第1ブロックの部分拡大図である。 第1ブロックの斜視図である。 第1ブロックのブロック壁面の一部が拡大された斜視図である。 (A)及び(B)は、他の実施例のブロック壁面の斜視図である。 (A)及び(B)は、他の実施例のブロック壁面の斜視図である。
以下、本発明の実施の一形態が、図面に基づき説明される。
図1には、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」と記載される場合がある)1のトレッド部2の展開図が示されている。本実施形態のタイヤ1は、例えば、乗用車用のスノータイヤとして表されている。但し、本発明は、重荷重用など、種々のカテゴリーのタイヤに適用されるのは言うまでもない。
図1に示されるように、タイヤ1は、例えば、非対称のトレッド部2を具え、車両への装着の向きが指定されている。車両への装着の向きは、例えば、タイヤ1のサイドウォール部(図示省略)に、文字等で表示される。
本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2に、例えば、タイヤ周方向に連続してのびる複数本の主溝3と、主溝3からのびる複数本の横溝4とが設けられている。
本実施形態の主溝3は、タイヤ周方向に沿った直線状又はジグザグ状であるのが望ましい。主溝3が直線状の場合、溝内の水膜をタイヤ回転方向の後方へスムーズに排出することがき、優れた排水性能を発揮できる。一方、主溝3がジグザグ状の場合、タイヤ軸方向のエッジ成分が高められ、氷路面での駆動、制動時の摩擦力を高めるとともに、溝容積が増加し、雪路において、大きな雪柱せん断力を発揮することができる。
主溝3は、例えば、タイヤ赤道Cよりも車両外側に配された外側クラウン主溝3A、タイヤ赤道Cよりも車両内側に配された内側クラウン主溝3B、外側クラウン主溝3Aよりも車両外側に配された外側ショルダー主溝3C、及び、内側クラウン主溝3Bよりも車両内側に配された内側ショルダー主溝3Dを含んでいる。なお、上記「車両内側」及び「車両外側」は、タイヤ1が車両に装着されたときの位置を示している。
内側クラウン主溝3Bは、例えば、ジグザグ状であるのが望ましい。タイヤ1は、旋回性能を高めるために、例えば、車両に対してハ字状、即ち、ネガティブキャンバーで装着される傾向がある。このため、タイヤ1の車両内側の接地圧は、車両外側の接地圧に比して大きい。このような観点から、ジグザグ状の内側クラウン主溝3Bは、氷路面において、駆動、制動時の摩擦力をより一層効果的に発揮でき、タイヤ1の氷雪路性能をより一層向上することができる。
本実施形態の横溝4は、直線状又はジグザグ状にのびるのが望ましい。横溝4が直線状の場合、ブロック5のタイヤ周方向の剛性を大きく維持するのに役立つ。一方、横溝4がジグザグ状の場合、その溝容積が増加し、雪路における雪柱せん断力が大きくなり、氷雪路性能の向上に役立つ。
横溝4は、例えば、一方側の溝壁が直線状であり、他方側の溝壁がジグザグ状であってもよい。前記一方側の直線状の溝壁は、排水の流れをスムーズにして排水性能を高める他、ブロック5の剛性を高めるのに役立つ。また、前記他方側のジグザグ状の溝壁は、タイヤ軸方向のエッジ成分を増加して氷路性能を高める他、雪柱せん断力を高め、氷雪路性能の向上に役立つ。
横溝4は、例えば、外側クラウン主溝3Aと内側クラウン主溝3Bとの間を継いでのびる複数本のクラウン横溝4Aと、外側クラウン主溝3Aと外側ショルダー主溝3Cとの間を継いでのびる複数本の外側ミドル横溝4Bと、内側クラウン主溝3Bと内側ショルダー主溝3Dとの間を継いでのびる複数本の内側ミドル横溝4Cと、外側ショルダー主溝3Cとトレッド端Teとの間を継いでのびる複数本の外側ショルダー横溝4Dと、内側ショルダー主溝3Dとトレッド端Teとの間を継いでのびる複数本の内側ショルダー横溝4Eとを含んでいる。
本実施形態の内側ミドル横溝4Cは、例えば、タイヤ赤道C側からトレッド接地端Te側へジグザグ状にのびている。内側ミドル横溝4Cは、例えば、横溝4の中で、溝幅が最も大に形成されている。このような内側ミドル横溝4Cは、旋回時にも大きな雪柱せん断力を発揮でき、氷雪路性能をより一層向上させる。
これらの主溝3及び横溝4により、トレッド部2には、複数のブロック5が区分されている。本実施形態のブロック5は、クラウンブロック7、外側ミドルブロック8、内側ミドルブロック9、外側ショルダーブロック10及び内側ショルダーブロック11を含んでいる。
クラウンブロック7は、クラウン陸部において、外側クラウン主溝3A、内側クラウン主溝3B及びクラウン横溝4Aにより区分されている。外側ミドルブロック8は、外側クラウン主溝3A、外側ショルダー主溝3C及び外側ミドル横溝4Bにより区分されている。内側ミドルブロック9は、内側クラウン主溝3B、内側ショルダー主溝3D及び内側ミドル横溝4Cにより区分されている。外側ショルダーブロック10は、外側ショルダー主溝3C、外側のトレッド端Te及び外側ショルダー横溝4Dにより区分されている。内側ショルダーブロック11は、内側ショルダー主溝3D、内側のトレッド端Te及び内側ショルダー横溝4Eにより区分されている。
内側ミドルブロック9には、大きな接地圧が作用するため、特に偏摩耗が生じ易い傾向にある。このような観点から、本実施形態では、少なくとも1つの内側ミドルブロック9が本発明に係る第1ブロック12として形成されている。本実施形態では、全ての内側ミドルブロック9が、第1ブロック12で形成されている。
図2には、図1の第1ブロック12(内側ミドルブロック9)付近が拡大された部分拡大図が示されている。図3には、第1ブロック12(内側ミドルブロック9)の斜視図が示されている。図2及び図3に示されるように、第1ブロック12は、踏面12Sと、ブロック壁面13と、これらの間をのびるエッジ14とを含んでいる。
エッジ14には、内側ミドル横溝4Cのジグザグ状に応じた凹部が形成されている。エッジ14は、タイヤ軸方向に対して傾斜している第1エッジ15と、第1エッジ15の一端15Aに連なりかつ第1エッジ15と逆方向に傾斜している第2エッジ16と、第1エッジ15の他端15Bに連なりかつ第1エッジ15と逆方向に傾斜している第3エッジ17とを含むジグザグ状部分18を含んでいる。第1エッジ15の他端15Bは、第1エッジ15の一端15Aよりも第1ブロック12の重心(図示せず)側に位置している。
図3に示されるように、第1ブロック12のエッジ14のジグザグ状部分18からタイヤ半径方向内側にのびるブロック壁面13は、第1エッジ15からタイヤ半径方向内側にのびる第1壁面19と、第2エッジ16からタイヤ半径方向内側にのびる第2壁面20と、第3エッジ17からタイヤ半径方向内側にのびる第3壁面21と、第1壁面19と第3壁面21との間に配された第4壁面22とを含んでいる。
図4には、ブロック壁面13が拡大された斜視図が示されている。図3又は図4に示されるように、第4壁面22は、第1壁面19をのびる第1縁22Aと、内側ミドル横溝4Cの溝底23をのびる第2縁22Bと、第3壁面21をのびる第3縁22Cとに囲まれた略三角形状に形成されている。即ち、第4壁面22は、ブロック壁面13の凹部とする部分のゴムボリュームを増加させる。
本実施形態のタイヤ1では、第1ブロック12の第1エッジ15の他端15B側に凹部が形成されるが、この凹部は、第1壁面19と第3壁面21との間に配された第4壁面22に補強されることにより剛性が高められる。従って、第1ブロック12の第1エッジ15の他端15B側での偏摩耗が抑制され、タイヤ1の耐偏摩耗性能が向上する。
本実施形態のタイヤ1では、第1縁22A乃至第3縁22Cに囲まれた略三角形状の第4壁面22により、第1エッジ15の他端15B付近において、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性がバランス良く高められる。従って、第1ブロック12のエッジ14が確実に接地でき、氷雪路での旋回性及び制動性が共に高められ、タイヤ1の氷雪路性能が向上する。
第4壁面22は、例えば、第1縁22Aと第3縁22Cとが交わる第1交点P1と、第1縁22Aと第2縁22Bとが交わる第2交点P2と、第2縁22Bと第3縁22Cとが交わる第3交点P3とを含んでいる。
第4壁面22は、その面積が大きいほど、上記作用をより一層効果的に発揮することができる。このような観点から、第1交点P1は、例えば、第1エッジ15の他端15Bに位置するのが望ましい。同様の観点から、第2交点P2は、例えば、第1エッジ15の一端15Aから溝底23にのびる第1縦縁24に位置しているのが望ましく、第3交点P3は、例えば、第3エッジ17の第1エッジ15の反対側の端部から溝底23にのびる第3縦縁25に位置しているのが望ましい。
本発明の他の実施形態としては、外側ショルダーブロック10又は内側ショルダーブロック11は、例えば、少なくとも1つの第1ブロック12を含んで形成されてもよい。外側ショルダー横溝4D及び内側ショルダー横溝4Eは、例えば、一方側の溝壁が直線状にのび、他方側の溝壁がジグザグ状にのびている。このため、外側ショルダーブロック10又は内側ショルダーブロック11の一方側のエッジには凹部が形成される。該凹部を補強するために、外側ショルダーブロック10又は内側ショルダーブロック11の一方側の溝壁には、第4壁面22が形成されても良い。これにより、偏摩耗が抑制されかつ氷雪路での旋回性及び制動性がより一層高められる。
図1乃至図3に示されるように、本実施形態のブロック5には、例えば、複数のサイプSが設けられている。各サイプSは、エッジ効果により、タイヤ1の氷雪路性能を向上するのに役立つ。
サイプSは、例えば、第1サイプS1と、第2サイプS2とを含んでいる。第2サイプS2は、内側ミドル横溝4Cとほぼ平行にのびかつ少なくとも一端が主溝3に連通している。このような第2サイプS2は、第1ブロック12の剛性を調整し、偏摩耗を防止するのにも役立つ。
図2又は図3に示されるように、第1サイプS1は、第1ブロック12の踏面12Sにおいて、例えば、第2壁面20から第2エッジ16に直交する向きにのびている。第1サイプS1は、第1ブロック12の第2エッジ16付近の剛性を調整するのに役立つ。第1サイプS1は、第1ブロック12のエッジ14付近における剛性差をより小さくでき、第1ブロック12の偏摩耗を抑制しかつ氷雪路での旋回性及び制動性をより一層高めることができる。
第1サイプS1の深さは、例えば、内側ミドル横溝4Cの溝深さの50%以下であるのが望ましい。第1サイプS1の深さが内側ミドル横溝4Cの溝深さの50%より大きい場合、第1ブロック12の第2エッジ16付近の剛性を過度に低下させるおそれがある。このような観点から、第1サイプS1の深さは、より好ましくは、2.5〜3.5mmである。
第1サイプS1の長手方向の長さは、第1サイプS1の深さと同様の観点から、例えば、第3エッジ17を第1ブロック12の踏面12S上に延長させた仮想線17Sよりも第1ブロック12の重心に対して外側に位置するのが望ましい。第1サイプS1の長手方向の長さは、より好ましくは、0.5〜1.5mmである。
本実施形態のブロック5には、各々の踏面のコーナ部を斜めに切り欠いたような略三角形状の面取り部Mが設けられるのが望ましい。第1ブロック12には、例えば、内側クラウン主溝3Bと内側ミドル横溝4Cとが交差しかつ鋭角となる頂点に、面取り部M1が設けられている。該面取り部M1は、第1ブロック12の前記頂点を起点とするブロック欠けや偏摩耗を抑制するのに役立つ。
図5(A)には、本発明の他の実施形態のブロック壁面13の斜視図が示されている。
この実施形態のブロック壁面13では、第4壁面22の第1交点P1が、例えば、第1エッジ15の他端15Bのタイヤ半径方向の内側であり、第1壁面19と第3壁面21との間の縦縁25に位置している。このようなブロック壁面13では、凹部の補強効果を発揮しつつ、前記実施形態のブロック壁面13に比して、内側ミドル横溝4Cの溝容積を増加でき、より大きな雪柱せん断力を発揮し得る。
図5(B)には、本発明の他の実施形態のブロック壁面13の斜視図が示されている。
この実施形態のブロック壁面13では、第4壁面22の第3交点P3が、例えば、第3壁面21と溝底23との間の底縁26に沿ってブロック重心内側に位置している。このようなブロック壁面13は、第1ブロック12の底縁26の外端側の剛性を低下させ、例えば、底縁26の外端側に生じるクラックを抑制し得る。
図6(A)には、本発明の他の実施形態のブロック壁面13の斜視図が示されている。
この実施形態のブロック壁面13では、第4壁面22の第2交点P2が、例えば、第1壁面19と溝底23との間の底縁27に沿ってブロック重心内側に位置している。このようなブロック壁面13は、第1ブロック12の底縁27の外端側の剛性を低下させ、例えば、底縁27の外端側に生じるクラックを抑制し得る。
図6(B)には、本発明の他の実施形態のブロック壁面13の斜視図が示されている。
この実施形態のブロック壁面13では、第4壁面22の第1交点P1が、例えば、縦縁25に位置し、第2交点P2が、例えば、底縁26に位置し、第3交点P3が、例えば、底縁27に位置している。このようなブロック壁面13は、凹部の補強効果を発揮しつつ、第1ブロック12の外端側の剛性を調節し、クラックの発生を抑制するとともに、内側ミドル横溝4Cの溝容積を増加でき、大きな雪柱せん断力を発揮し得る。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示される基本パターンを有し、かつ、表1の仕様に基いてテスト用タイヤ(サイズ:195/65R15)が試作され、それらの性能がテストされた。
各テスト方法は次の通りである。
<操縦安定性能>
各試供タイヤが、リム(15×6.0J)、内圧(210kPa)にて排気量2000ccの後輪駆動車の全輪に装着され、ドライバー1名乗車により雪路のテストコースで走行された。ドライバーの官能評価により評価されたハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する特性に基づいて、雪路での操縦安定性能が評価された。結果は、比較例1を100とする指数で示される。数値が大きい程、良好である。
<制動性能>
各試供タイヤが、リム(15×6.0J)、内圧(210kPa)にて排気量2000ccの後輪駆動車の全輪に装着され、ドライバー1名乗車により氷路面で走行された。前記テスト車両を速度30km/hで走行させ、その走行中に急ブレーキがかけられ、停止するまでの距離が計測された。結果は、計測された距離の逆数に基づいて、比較例1を100とする指数で示される。数値が大きい程、良好である。
<耐偏摩耗性能>
歪ゲージを多数配した3軸方向の応力を測定しうる接地面内応力測定センサと、すべり量測定センサとからなる摩耗エネルギ測定装置が配されたテストコースにおいて、各試供タイヤが内圧(210kPa)にて全輪に装着された排気量2000ccの前輪駆動車が、ドライバー1名乗車により走行された。前記テスト車両に0.2Gの制動力が負荷された制動時に測定された接地圧力と滑り量とに基づいて、第1ブロックの先着側の摩耗エネルギEaと後着側の摩耗エネルギEbとの比(Ea/Eb)が算出された。結果は、算出された比の逆数に基づいて、比較例1を100とする指数で示される。数値が大きい程、良好である。なお、前記摩耗エネルギは、一般に接地圧力Pと滑り量Xとの積(PX)に基づいて算出することができ、タイヤ表面が摩耗エネルギ測定装置に入ってから出るまでの値を積分して求めた。
Figure 2015016837
Figure 2015016837
表1に示されるように、実施例のタイヤは、氷雪路性能である雪路での操縦安定性能及び氷路面での制動性能と、耐偏摩耗性能とが向上されることが確認できた。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
4 横溝
5 ブロック
12 第1ブロック
13 ブロック壁面
14 エッジ
15 第1エッジ
16 第2エッジ
17 第3エッジ
19 第1壁面
21 第3壁面
22 第4壁面
22A 第1縁
22B 第2縁
22C 第3縁
C タイヤ赤道

Claims (7)

  1. トレッド部に、複数の横溝で区分された少なくとも1つの第1ブロックを具えた空気入りタイヤであって、
    前記第1ブロックは、踏面と、ブロック壁面と、これらの間をのびる少なくとも1つのエッジとを含み、
    前記少なくとも1つのエッジは、タイヤ軸方向に対して傾斜している第1エッジと、前記第1エッジの一端に連なりかつ前記第1エッジと逆方向に傾斜している第2エッジと、前記第1エッジの他端に連なりかつ前記第1エッジと逆方向に傾斜している第3エッジとを含むジグザグ状部分を含み、
    前記第1エッジの他端は、前記第1エッジの一端よりも前記第1ブロックの重心側に位置し、
    前記第1ブロックの前記エッジからタイヤ半径方向内側にのびるブロック壁面は、前記第1エッジからタイヤ半径方向内側にのびる第1壁面と、前記第2エッジからタイヤ半径方向内側にのびる第2壁面と、前記第3エッジからタイヤ半径方向内側にのびる第3壁面と、前記第1壁面と前記第3壁面との間に配された第4壁面とを含み、
    前記第4壁面は、前記第1壁面をのびる第1縁と、前記横溝の溝底をのびる第2縁と、前記第3壁面をのびる第3縁とに囲まれた略三角形状であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第1縁と前記第3縁とが交わる第1交点は、前記第1エッジの前記他端に位置している請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1縁と前記第2縁とが交わる第2交点は、前記第1エッジの前記一端から前記溝底にのびる第1縦縁に位置している請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第2縁と前記第3縁とが交わる第3交点は、前記第3エッジの前記第1エッジの反対側の端部から前記溝底にのびる第3縦縁に位置している請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第1ブロックの前記踏面には、前記第2壁面から前記第2エッジに直交する向きにのびる少なくとも1本の第1サイプが形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1ブロックの前記踏面には、前記第2エッジに平行な向きにのびる複数の第2サイプが形成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記トレッド部は、最もタイヤ赤道側に区分されたクラウン陸部と、最もタイヤ軸方向外側に区分されたショルダー陸部と、前記クラウン陸部と前記ショルダー陸部との間に区分されたミドル陸部とを含み、
    前記ミドル陸部は、複数のミドル横溝で区分された複数のミドルブロックを含み、
    前記ミドルブロックは、前記第1ブロックを少なくとも1つ含んでいる請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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