JP2015016125A - ミシンの糸保持機構、ミシンの糸通し装置、およびミシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】糸供給源から供給された糸を保持するミシンの糸保持機構A3であって、供給された糸の一端側を把持する糸把持部30と糸把持部30と一体的に構成され、糸把持部30と糸供給源の間に設けられた糸押え部33と、を有し、糸供給源側には、糸の他端側が掛けられる糸掛け部13aが設けられ、糸把持部30が糸掛け部13aより下側に下降されることにより、糸押え部33が糸に当接される。
【選択図】図4
Description
以下、本発明をミシンに適用した実施形態について説明する。なお、本発明は、本縫ミシンや多針ミシンなどの各種ミシンに適用することができ、従来および将来利用可能なミシンに適用することが可能である。なお、以下の説明では、ミシンに対して作業者が位置する方向を前方とし、作業者から見て左右を左右として説明する場合がある。また、上糸が供給される側を上方として説明する場合がある。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1〜3を参照して、ミシンの糸通し装置Aの全体構成について説明する。図1に示す通り、糸通し装置Aにはモータ部Bが取り付けられている。本実施形態では、糸通し装置Aは、モータ部Bに駆動されるものとして説明する。なお、糸通し装置Aの駆動機構は、モータ部Bによる駆動に限定されるものではく、他の駆動機構を用いたり、手動で駆動しても良い。
針棒支持部A1は、先端部分に針Nが取り付けられる針棒12を保持する部材である。図4〜7に示す通り、針棒支持部A1は、針棒支持体10を有する。
針棒支持体10は、針棒12、後述する糸通し軸20およびガイド軸21を、略平行となるように支持する部材である。針棒支持体10は、不図示のミシンフレームに装着されており、針棒12を上下動および布送り方向と直交する方向(左右)に揺動可能に支持している。
針棒12は、図7に示す通り、先端部分に針Nが取り付けられる棒状の部材である。針棒12は、上端側が上針棒支持部10aの針棒支持孔a1に、下端側が下針棒支持部10bの針棒支持孔b1に挿入され、上下方向の摺動が可能となるように針棒支持体10に支持されている。針棒12には、針止13およびピンストッパー14が取り付けられている。
糸通し軸部A2は、糸保持機構A3および糸通し機構A4が連結され、これらの機構を上下動および回動させる部材であり、針棒支持体10に支持されている。糸通し軸部A2は、糸保持機構A3および糸通し機構A4を、針止13近傍の高さ(待機位置)から針Nの針孔Hに糸を通せる高さ(糸通し位置)まで上下動させる。図4〜6および8に示す通り、糸通し軸部A2は、糸通し軸20、ガイド軸21、リンク部材22を有する。
糸通し軸20は、糸保持機構A3および糸通し機構A4を上下動および回動させる軸となる棒状の部材である。糸通し軸20は、図6に示す通り、上端側が軸受部10cの糸通し軸支持孔c2、下端側が下針棒支持部10bの糸通し軸支持孔b2に挿入され、上下方向の摺動および回動が可能となるように針棒支持体10に支持されている。図8に示す通り、糸通し軸20には、ピン23、レバー24、バネ25が取り付けられている。また、図5に示す通り、糸通し軸20の下端には、糸保持機構A3および糸通し機構A4が取り付けられている。
ガイド軸21は、糸保持機構A3を糸通し軸20の回動方向と逆方向に回動させるガイドとなる棒状の部材である。ガイド軸21は、図6に示す通り、上端側が軸受部10cのガイド軸支持孔c3、下端側が下針棒支持部10bのガイド軸支持孔b3に挿入され、上下方向の摺動および回動が可能となるように針棒支持体10に支持されている。ガイド軸21は、上端が糸通し軸20のレバー24に装着されており、糸通し軸20と同期して上下動および回動される。ガイド軸21の下端には、底面にガイド溝を有する、ガイド21aが取り付けられている。ガイド21aの一端には、糸通し軸20が挿入されている。ガイド21aには、リンク部材22が連結されている。
リンク部材22は、糸通し軸20の回動に連動させて、糸保持機構A3の糸通し軸20を中心として、糸通し軸20の回動方向とは逆方向に回動させるための部材である。リンク部材22は、第1のリンク板22aと、第2のリンク板22bとを含む。第二のリンク板22bから突出するピンは、第1のリンク板22aの孔を貫通して、ガイド21aのガイド溝に嵌め込まれている。第1のリンク板22aには、糸保持機構A3が、第2のリンク板22bには、糸通し機構A4がそれぞれ連結されている。
糸保持機構A3は、針棒12の糸掛け部13aに掛けられた上糸の端部側を保持する部材である。図4〜6および9〜11に示す通り、糸保持機構A3は、上下動可能に設けられ、糸掛け部13aに掛けられた糸の端部を把持する把持部30を有する。図9に示す通り、糸把持部30には、軸受孔31とピン32が形成されている。糸把持部30は、軸受孔31に糸通し軸20が固定されることにより、糸通し軸20の下部に回動可能に取り付けられている。糸把持部30は、ピン32により第一のリンク板22aと連結されている。また、糸把持部30には、糸押え部33と、板バネ34が取り付けられている。
糸把持部30は、上糸の端部を把持する部材である。図4に示す通り、糸通し軸20に固定された糸把持部30は、糸保持機構A3が待機位置にあるときに、針N側に屈曲するように糸把持面30aが設けられている。図11に示す通り、糸把持面30aには、V字状のガイド30bが形成されている。このガイド30bから連続するように、上糸を挟持できる程度の幅を有する糸掛け溝30cが切り込まれるようにして形成されている。上糸は、この糸掛け溝30cに滑りこませるように挿入されることで、糸把持部30に挟持される。糸掛け溝30cは切り込みの終端に向けて次第に幅を狭く形成して、V字状の切り込とすることで上糸をより強く保持できるようにしても良い。
糸押え部33は、糸掛け部13aと糸把持部30に掛けられた上糸に当接する部材である。糸押え部33は、上糸に当接することで、上糸の位置をガイドするとともに、上糸を緊張させる。すなわち、糸保持機構A3および糸通し機構A4が待機位置から糸通し位置に移動する際に、糸押え部33が上糸に当接することにより、上糸は針Nの針孔Hの前面に位置するようにガイドされる。また、糸押え部33が上糸に当接することにより、針孔Hの前面で、上糸は略水平となるように緊張される。
板バネ34は、糸把持部30に把持された上糸に張力を付与する部材であり、糸把持部30に取り付けられている。図12に示す通り、板バネ34は、ガイド30bと糸掛け溝30cを形成する上下方向において対向する面のうち、上方に位置する面側に取り付けられている。以下、上方に位置する面を上面とし、対向する下方に位置する面を下面として説明する。
糸通し機構A4は、糸掛け部13aと糸把持部30に掛けられた上糸を針Nの針孔Hに通すための部材である。図4〜6に示す通り、糸通し機構A4と、糸保持機構A3とは、糸通し軸20を介して対向するように設けられている。糸通し機構A4は、以下に説明する通り、糸保持機構A3が針Nの前面に保持する上糸を、針Nの後面から針孔Hに進入して引っ掛けた後に後退することで、針孔Hに上糸を通すことができる構成を有している。
以上のような糸保持機構A3を有する糸通し装置Aの糸通しの動作例を説明する。まず、作業者による糸掛け作業について説明する。糸掛け作業は、糸保持器機構A3および糸通し機構A4が待機位置にある状態にて行われる。
(1)針棒12の糸掛け部13aに上糸を掛ける。
(2)糸掛け部13aに掛けられた上糸の端部側を、糸把持部30に掛ける。
上記(2)において、糸把持部30の糸掛け溝30cは、切り込みの終端に向けて幅が狭く形成されているため、上糸は確実に保持される。また、板バネ34が挟まれた糸を下方に付勢するため、上糸保持の確実性が高められている。
以上のような構成を有する本実施形態の作用効果は以下の通りである。
(1)作業者は、糸掛け部13aと糸把持部30の2箇所に糸をかければ良いため、スムーズに糸掛け作業を行うことができる。
A1 針棒支持部
A2 糸通し軸部
A3 糸保持機構
A4 糸通し機構
B モータ部
B1 モータ
B2 ギア
B3 アーム
N 針
H 針孔
10 針棒支持体
10a 上針棒支持部
10b 下針棒支持部
10c 軸受部
a1、b1 針棒支持孔
b2、c2 糸通し軸支持孔
b3、c3 ガイド軸支持孔
11 バネ
12 針棒
13 針止
13a 糸掛け部
14 ピンストッパー
20 糸通し軸
21 ガイド軸
21a ガイド
22 リンク部材
22a 第1のリンク板
22b 第2のリンク板
23 ピン
24 レバー
25 バネ
30 糸把持部
30a 糸把持面
30b ガイド
30c 糸掛け溝
31 軸受孔
32 ピン
33 糸押え部
33a 押え爪
34 板バネ
40 フックホルダ
41 軸受孔
42 リンク孔
43 糸通しフック
44 案内板
Claims (8)
- 糸供給源から供給され、糸掛け部に掛けられた糸を保持するミシンの糸保持機構であって、
上下動可能に設けられ、前記糸掛け部に掛けられた糸の端部を把持する糸把持部と、
前記糸掛け部と前記糸把持部との間に設けられ、前記糸把持部と所定の位置関係を保つように設けられた糸押え部と、を有し、
前記糸把持部が前記糸掛け部より下側に下降されることにより、前記糸押え部が前記糸に当接されることを特徴とするミシンの糸保持機構。 - 前記糸押え部は、前記糸に当接する部分が、前記糸把持部の糸把持位置より水平方向において下方に設けられていることを特徴とする請求項1記載のミシンの糸保持機構。
- 前記糸押え部は、前記糸に当接する押え爪を有し、
前記押え爪は、前記糸に当接する部分に、傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のミシンの糸保持装置。 - 前記糸把持部には、糸掛け溝が切り込まれるようにして形成され、
前記糸掛け溝は、切り込みの終端に向けて次第に幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載のミシンの糸保持装置。 - 前記糸把持部には、張力付与部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項記載のミシンの糸保持装置。
- 前記張力付与部が板バネであることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項記載のミシンの糸保持装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の糸保持機構と、
針孔を有する針を保持する針棒が装着された針棒支持部と、
上下動かつ回動可能に支持された糸通し軸と、
前記糸通し軸に保持され、前記糸通し軸の回動により前記針穴に出没されるように移動する糸通し機構と、を有することを特徴とするミシンの糸通し装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の糸保持機構又は請求項7に記載の糸通し装置を備えたミシン。
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