JP6914709B2 - ミシン - Google Patents

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Description

本発明は、上糸を横切るように糸掛合部を移動させて当該糸掛合部で上糸を補足及び牽引する天秤を備えたミシンに関する。
ミシンは、上糸の糸輪を形成し、上糸の糸輪に下糸を挿通することで、上糸と下糸を交絡させて縫い目を形成する。上糸は、糸駒から針に挿通され、下糸は、ボビンに巻かれた状態で剣先を有する釜に収納される。糸輪は、上糸が挿通した針が下死点から上昇することで形成される。釜の剣先が糸輪を捕捉し、糸輪を捕捉した状態で釜が回転し、上糸がボビンを潜ることで上糸と下糸が交絡する。なおここで、縫製作業の準備段階として、作業者が糸駒をミシンにセットし、その糸(上糸)を針への挿通を含めた糸道に設置することを上糸の掛け入れ(もしくは糸掛け)という。
水平天秤と呼ばれる装置において、糸掛合部は上糸を横切るように往動する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。水平天秤の糸掛合部はフック状を成し、往路で上糸を捕捉して、上糸をV字状に牽引する。糸掛合部は復路で上糸から離間し、以って上糸の捕捉が解かれる。これら動作により糸輪相当分含め、縫目形成に必要な上糸の緩みを生じさせ(供給)、また、必要に応じてその緩みの回収(引き上げ)を行う。
従来、操作スイッチがオフとなると、ミシンは針を上死点で停止させていた。水平天秤において針が上死点にあるとき、糸掛合部は、往路始点から上糸を通過した後の往路途中の位置に停止する。そのため、操作スイッチがオフの最中、上糸を交換すると、操作スイッチをオンにした後の第1針目の作動サイクルでは、糸掛合部は、上糸を通過した後の往路途中から往路終点に向かうことになる。
糸掛合部が上糸を通過した後の往路途中から動作すると、糸掛合部は、最初の往路において上糸を横切ることができず、最初の往路では上糸を捕捉及び牽引できない。上糸が捕捉及び牽引されなければ、上糸に緩みは生じず、糸輪相当分の供給量が不足し、剣先が上糸を捕捉できない虞が生じる。すなわち、第1針目の作動サイクルでは縫い目が形成できない所謂目飛びの虞がある。
そこで、糸掛合部が往路始点から糸道の間に位置するときに稼働停止するミシンが提案されている(例えば特許文献2参照)。このミシンでは、上糸交換後、第1針目の作動サイクルから上糸を確実に捕捉及び牽引できるので、糸輪相当分の緩みが上糸に生じ、第1針目の作動サイクルにおける目飛びが防止される。
しかしながら、第1針目の作動サイクルで作出される上糸の緩み相当分は、ミシンの押さえ足側と上糸調子器側から供給される可能性がある。布に縫い目が存在しておらず、縫い目による押さえ足側からの供給に歯止めが無い為である。押さえ足側と上糸調子器側の何れから、どの程度が供給されるかは、押さえ足と上糸調子器の上糸保持力のバランスに依る。
ユーザにより、縫製前の準備として押さえ足の底側から上糸が引き出される。この引き出し量が少なく、且つ糸掛合部の牽引によって押さえ足側から多くの上糸が糸輪相当分のために供給されることになると、針や布から上糸が抜けてしまう所謂糸抜けの虞が生じる。
また、ミシンにはハズミ車が備えられている。ハズミ車は手動操作で針を上げ下げする際に利用される。針を駆動させる機構と糸掛合部を駆動させる機構とに一部共通部分が存在し、ハズミ車の手動操作は糸掛合部の変位も生じさせる。そのため、糸掛合部が往路始点から糸道の間に位置するときにミシンを稼働停止させても、その後のハズミ車の手動操作によって糸掛合部が糸道を過ぎた位置に移動していることもある。
このハズミ車を手動操作したケースでは、結局、第1針目の作動サイクルで、糸掛合部が上糸を捕捉及び牽引できず、上糸の緩みに十分な余裕がなく、糸取りバネによる上糸の引き上げによって糸輪相当分の供給量に不足が生じ、剣先が上糸を捕捉できない。すなわち、相変わらず、第1針目の作動サイクルでの目飛びの虞は残存する。
特開平2−111392号公報 特開2002−224481号公報
このように、上糸を横切って上糸を捕捉及び牽引する天秤を備えるミシンにおいては、第1針目の作動サイクルにおいて上糸の緩みが少ないことに起因した糸抜けや目飛びといった問題が生じる。本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、上糸を横切って上糸を捕捉及び牽引する天秤を備えるミシンにおいて、第1針目の作動サイクルで糸抜け及び目飛びの発生することを防止することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係るミシンは、上糸と下糸とを針と釜の協働動作によって交絡させて縫い目を形成するミシンであって、前記上糸の糸道を横断して前記上糸を捕捉し牽引する天秤と、深部に前記糸道を有し、前記上糸が掛け入れ可能な溝路と、前記溝路に介在可能に移動し前記糸道を変更するシャッターと、を備え、前記シャッターは、前記上糸の掛け入れ時に前記溝路に介在すること、を特徴とする。
縫製対象物を押圧する押さえ足と、前記押さえ足を昇降させる押さえ上げレバーと、を備え、前記シャッターは前記押さえ上げレバーの動きと連動し、前記押さえ足が上昇している間、前記シャッターが前記溝路に介在するようにしてもよい。
上糸に調子圧を与える上糸調子器を備え、前記上糸調子器は、前記上糸を挟む可動皿及び固定皿と、前記固定皿に向けて前記可動皿を移動させるアクチェータと、を備え、前記シャッターは、前記アクチュエータにより作動されるようにしてもよい。
前記上糸の掛け入れを検出するセンサを備え、前記シャッターは、前記センサで検出した結果に基づき、前記溝路への介在及び退避を行うようにしてもよい。
前記上糸の掛け入れを検出する前記センサは、前記糸道上に備えられた前記上糸の有無を検出するセンサであるようにしてもよい。
前記上糸の掛け入れを検出する前記センサは、前記押さえ上げレバーの昇降を検出するセンサであるようにしてもよい。
前記上糸の掛け入れを検出する前記センサは、前記押さえ足の昇降を検出するセンサであるようにしてもよい。
前記掛け入れは、前記上糸の糸道に前記上糸が設置されるものであればよい。
本発明によれば、上糸が掛け入れられる時点で上糸に緩みを生じさせることができるので、上糸交換後の第1針目の作動サイクルで糸抜け及び目飛びが生じる可能性が低下する。
ミシン全体の構成を示す図であり、(a)は外観を示し、(b)は内部構成の概略を示す。 天秤の詳細構成を示す斜視図である。 糸掛合部の移動軌跡を示す図である。 上糸調子器の分解斜視図である。 上糸調子器の正面斜視図である。 上糸調子器の背面斜視図である。 ミシンのコントローラの構成を示すブロック図である。 上糸を掛け入れるタイミングでのシャッターの状態を示し、(a)は上糸調子器の上面図、(b)はシャッター付近の拡大上面図である。 退避したシャッターを示し、(a)は上糸調子器の上面図、(b)はシャッター付近の拡大上面図である。 シャッター退避後の上糸の状態を示す模式図である。 ハズミ車操作後の天秤の状態を示す斜視図である。 糸取りバネが跳ね上がった状態での上糸の状態を示す側面図である。 押さえ足を示す斜視図であり、(a)は押さえ足が下がった状態、(b)は押さえ足が上がった状態を示す。 上糸調子器の他の例を示す上面図である。
(第1の実施形態)
(ミシンの全体構成)
第1の実施形態に係るミシンについて図面を参照しつつ、詳細に説明する。図1に示すミシン1は、布地100を縫製する家庭用、職業用又は工業用の装置であり、針板21に載置された布地100に対して針3を落とし、上糸200と下糸300とを交絡させて縫い目を形成する。このミシン1は、針3を先端で支持して当該針3と共に往復動する針棒31と、剣先を外周に備えて当該剣先と共に回転する釜5を備える。
針棒31は、ミシン1のヘッド部1aから針板21に対して垂直に延び、針板21側の先端で針3を支持する。上糸200は、ユーザによって、糸駒から繰り出され、ミシン1のヘッド部1aに形成された溝路41に掛け入れられ、針3に挿通され、さらに任意量引き出され、押さえ足22の底に沿って通される。溝路41の溝底は、ミシン1が備える上糸調子器8及び天秤7が作用する糸道4となっている。
釜5は、一平面が開口した内部中空のドラム形状を有し、針板21に対して水平又は垂直に取り付けられ、円周方向に回転可能となっている。この釜5は、周面に糸輪を捕捉するための剣先を有し、下糸300を巻いたボビンを内部に収容する。
針棒31と釜5は、共通のミシンモータ6を動力源として、各々の伝達機構を介して駆動する。針棒31には、水平に延びた上軸61がクランク機構62を介して連結されている。上軸61の回転をクランク機構62が直線運動に変換して針棒31に伝達することで、針棒31は上下動する。尚、上軸61には、ハズミ車65が取り付けられており、ユーザによる手動で上軸61を軸回転させることが可能となっている。
釜5はミシン1のベッド部1b内部に備えられ、釜5には、水平に延びた下軸63が歯車機構64を介して連結されている。釜5が水平に設置されている場合、歯車機構64は、例えば軸角を90度とする円筒ウォームギアである。下軸63の回転を歯車機構64が90度変換して釜5に伝えることで、釜5は水平回転する。
このようなミシン1では、針棒31の往復動によって、針3が上糸200を伴って布地100を貫通する。この針3が下死点から上昇する時に上糸200が糸輪を形成する。釜5が剣先で糸輪を捕捉しながら回転し、下糸300を繰り出したボビンが釜5の回転に伴って糸輪をくぐる。このとき、下糸300も上糸200の糸輪をくぐり、上糸200と下糸300とが交絡して引き締められ、縫い目となる。
糸道4に作用する天秤7及び上糸調子器8は、上糸200の繰り出し、上糸200の調子制御、上糸200の緩め、更には繰り出した上糸200の引き締めを行う。これにより、上糸200の糸輪形成及び縫い目の引き締めが制御される。
(天秤)
図2に示す天秤7は、上糸200の糸道4を横切る糸掛合部71を有し、糸掛合部71の往復運動によって上糸200の捕捉、捕捉中の牽引、及び解放を繰り返す装置である。糸道4を横切る糸掛合部71は、糸道4の垂直に延びる区間を水平に横切ることが一般的であり、水平に往動運動する糸掛合部71を有する天秤7は水平天秤と呼ばれる。
上軸61には、糸掛合部71を水平運動させるための歯車機構72が設置されている。上軸61の周面に円筒ウォームギア72aが形成され、上軸61との直交軸を有する円筒ホイール72bが円筒ウォームギア72aに噛合する。この円筒ウォームギア72aと円筒ホイール72bによって歯車機構72を成す。この歯車機構72は、軸角を90度とし、垂直面上での回転運動を水平面上での回転運動に変換する。
円筒ホイール72bはクランクシャフトを兼ねる。円筒ホイール72bには、外形が卵形状のプレートにより成るクランクアーム73が連結する。クランクアーム73は、一部の周面が半径方向に膨出している。このクランクアーム73の膨出部には、鈍角に開いたブーメラン形状の天秤体74がクランクピンを介して連結されている。天秤体74は、クランクアーム73側を基端として先端側に糸掛合部71を有している。天秤体74の屈曲点には揺動リンク75がクランクピンを介して連結されている。揺動リンク75は、一端が機枠等に接続された固定端となっている。
尚、天秤体74において、クランクアーム73との連結点と糸掛合部71とは高さが異なっており、天秤体74は、水平面に沿ってブーメラン形状に屈曲する他、高さ方向に2度屈曲して段部が設けられ、連結点側と糸掛合部71側とを高さを相違させて延びている。
この天秤7によると、糸掛合部71は、揺動リンク75に規制されて、揺動リンク75の固定端を中心に水平面を円弧状に往復運動する。また、天秤体74が揺動リンク75に規制されて向きを変化させることにより、糸掛合部71は、揺動リンク75との連結点を中心に水平面に円弧状に往復運動する。図3に示すように、この両往復運動の合成により、糸掛合部71は、往路71aと復路71bで異なる軌跡を辿る。糸掛合部71は、往路前半で円弧状に膨らんだ軌跡を辿り、復路後半で円弧状に引っ込んだ軌跡を辿る。
図2及び図3に示すように、天秤7は、糸掛合部71の往路71a前半に描かれる円弧状の軌跡と上糸200の糸道4が交差するように設置される。また、糸掛合部71は、往路始端71cから糸道4を臨む側面がフック状を成している。そのため、糸掛合部71は、往路71aで糸道4を横切り、糸道4に存在する上糸200を引っ掛けるように捕捉し、往動の継続によって掻き込むように上糸200を牽引する。また、糸掛合部71は、復路71bで上糸200から離間して上糸200を捕捉状態から解放し、糸道4を回避して復路終端、すなわち往路始端71cに戻る。
(上糸調子器)
図4は、上糸調子器8の分解図であり、図5は、上糸調子器8の正面斜視図である。図4及び5に示すように、上糸調子器8は、固定皿801と可動皿802とを面を向かい合わせにして備えている。固定皿801と可動皿802は間に上糸200の糸道4を挟むように設置されている。可動皿802は、固定皿801に至るシャフト803に遊貫され、固定皿801と接離する方向にスライド可能となっている。固定皿801に可動皿802が接触すると、糸道4を通る上糸200が固定皿801と可動皿802によって挟まれ、上糸200は押圧力を受ける。この押圧力が上糸200の調子圧である。上糸200は、固定皿801に対する可動皿802の密着強さに応じた調子圧を受ける。
以下、固定皿801と可動皿802が接離する方向を皿接離方向といい、特に固定皿801に可動皿802が接触する向きを皿接触方向、固定皿801から可動皿802が離れる向きを皿離間方向という。また、皿接離方向と直交し、上軸61が延びる水平面に沿った方向を前後方向といい、特に糸道4から溝路41の入口へ向けた方向を前方向、溝路41の入口から深部の糸道4へ向けた方向を後方向という。
上糸調子器8は、可動皿802の裏面側、すなわち固定皿801を臨む面とは反対側に、可動皿802を固定皿801に向けて押し出すプッシャ804を備えている。プッシャ804は、複数の突起を可動皿802側に備え、可動皿802の全体に均等に力をかけて押し出し可能となっている。プッシャ804の裏側、すなわち可動皿802を臨む面とは反対側には、圧縮バネ807が設けられている。プッシャ804と圧縮バネ807はシャフト803に挿通され、圧縮バネ807は、皿接離方向に延在している。圧縮バネ807の先端がプッシャ804の裏面に接続されている。
圧縮バネ807の付勢力がプッシャ804を介して可動皿802を固定皿801に押し込み、圧縮バネ807の収縮量に応じた調子圧が可動皿802と固定皿801との間にかかる。この上糸調子器8は、圧縮バネ807を収縮させる調子設定ロッド808を備えている。
調子設定ロッド808は、圧縮バネ807を挟んでプッシャ804とは反対側に位置する。調子設定ロッド808は、シャフト803に遊貫された押圧板808aと、皿接離方向と直交する前後方向に延在したピン体808bとを一体化して備えている。押圧板808aは、圧縮バネ807の外径と同一又は若干広い円盤面と、この円盤面の中心から膨出して圧縮バネ807に嵌る円筒体とを有し、圧縮バネ807と嵌合している。
ピン体808bは、皿接離方向に長尺な長穴809に緩挿されており、調子設定ロッド808は長穴809でガイドされて皿接離方向に平行移動する。調子設定ロッド808は、皿接触方向に平行移動することで、押圧板808aを用いて圧縮バネ807を収縮させる。圧縮バネ807の収縮量は調子設定ロッド808の移動量で決まる。
この上糸調子器8は、調子設定ロッド808を平行移動させる回転モータ810と歯車811を備えている。回転モータ810はステッピングモータやサーボモータである。回転モータ810の回転軸と歯車811は、直接又は他の歯車を介して噛合している。歯車811の平坦面と調子設定ロッド808のピン体808bとは直交関係にある。
歯車811の第1平坦面812には、歯車811の回転中心から外周へ螺旋を描きながら徐々に拡がる螺旋溝813が形成されている。調子設定ロッド808のピン体808bは螺旋溝813内に嵌っている。歯車811はカムとなり、調子設定ロッド808はカムフォロアとなる。歯車811が回転すると、調子設定ロッド808は、長穴809に規制されつつ、歯車811の中心側から外周側へ押し出され、圧縮バネ807を皿接触方向に収縮させる。すなわち、上糸200の調子圧はモータ806の回転量に応じて制御される。
(糸取りバネ)
図4及び5に示すように、糸取りバネ816は、上糸調子器8に付設される。糸取りバネ816は、上糸200に発生する緩みに応答して糸道4の経路長を増加させ、増長させた経路長で上糸200の緩み分を吸収させる。この糸取りバネ816は、金属製線材のトーションバネであり、コイル部817とアーム818とを有する。アーム818は、コイル部817の巻軸と直交する方向に突き出して延長され、途中で幾つかの折り曲げ加工が施されている。
コイル部817は、シャフト803に挿嵌されて、固定皿801と可動皿802の対を挟んで圧縮バネ807とは反対側に位置する。本上糸調子器8の一例としては、コイル部817は、機枠を挟んで固定皿801と可動皿802の対と隣接する。
アーム818は、環状に大回りしながら皿離間方向に延びて、固定皿801と可動皿802の列を通り越し、アーム818の先端をシャフト803に架けている。アーム818は、U字の両直線腕部を真横に一直線に横切る仮想線で90度角に屈曲加工されており、コイル部817の巻回軸に沿った方向から見るとL字又はV字状を成す。アーム818の折り曲げ方向は、コイル部817の巻き込み方向と一致する。
この糸取りバネ816において、アーム818のU字湾曲部は、糸案内部819として機能する。糸案内部819には、ユーザにより上糸200が掛けられ、また糸案内部819には、コイル部817によって円弧状に跳ね上がる付勢力が与えられる。糸案内部819は、締まった上糸200に付勢されて、締まった上糸200が形成する糸道4に沿うように押し下げられる。一方、糸案内部819は、上糸200に緩みが生じると、コイル部817が蓄積する付勢力により、上糸200を引掛けながら円弧状に跳ね上がり、上糸200が形成する糸道4を屈曲させ、換言すると糸道4の経路長を増加させ、糸道4によって上糸200の緩み分を吸収させる。
また、上糸200が糸道4に糸掛けされる際、上糸200は糸案内部819と接触するようにミシン1に掛け入れられる。このとき、アーム818がV字状に折り曲げられていることにより、上糸200の掛け入れ側に、糸案内部819を正面に据えた受入口が形成されることとなり、更に糸案内部819の両脇に上糸200の外れを阻止するガイドラインが形成されることになる。
(シャッター)
図4及び5に示すように、この上糸調子器8にはシャッター820が付設されている。シャッター820は、上糸200の設置もしくは交換、つまり糸掛けの際に溝路41に介在し、溝路41の入口と糸道4との間を塞ぐ。また、シャッター820は、上糸200が掛け入れられた後、溝路41から退避する。これにより、上糸200の交換時、上糸200は糸道4に沿わずに緩みを有する。シャッター820は、クランクレバー821の片端部に延設され、溝路41の脇に位置する障壁板である。
このシャッター820は、クランクレバー821のクランクピン825を中心に円弧状に回動して溝路41内に介入する。クランクレバー821は、基部バー822と、基部バー822の一端から屈曲して延びる短尺バー823と、基部バー822の他端から屈曲して延びる長尺バー824とを一体的に有し、全体的には両端が同じ方向に屈曲した略コの字状で成る。尚、本実施形態において、長尺バー824は、基部バー822とは別体で形成され、ネジ等により基部バー822と締結されている。
短尺バー823は、端部を歯車811の第2平坦面814(図6参照)に接触させている。第2平坦部814は、螺旋溝813が形成された第1平坦部812の反対面である。基部バー822は、歯車811から皿接触方向へ、圧縮バネ807、可動皿802及び固定皿801の列を通過するまで延びており、略中央部がクランクピン825で回動可能に軸支されている。
長尺バー824は、可動皿802及び固定皿801の対の横を通って糸道4を通り過ぎ、溝路41の入口の脇まで延びる。この長尺バー824の先端は、溝路41側へ折れ曲がって延長されており、この延長部分がシャッター820となっている。尚、長尺バー824は、糸取りバネ816よりも針3側でシャッター820を溝路41に介入させるべく、ミシンベッド部側へ斜めに屈曲している。
図6に示すように、第2平坦面814には、歯車811の一定角度範囲に延在する台形状の膨出部815が形成されている。膨出部815の形成位置はクランクレバー821の短尺バー823が第2平坦面814上で描く移動軌跡上である。回転モータ810により歯車811が回転し、膨出部815とクランクレバー821の短尺バー823とが一致すると、短尺バー823が押し上げられ、長尺バー824がクランクピン825を中心に溝路41に近づくように回動する。これにより、長尺バー824の端に設けられたシャッター820は、溝路41に介入する。
反対に、回転モータ810により歯車811が逆回転し、膨出部815とクランクレバー821の短尺バー823とが不一致となると、短尺バー823が第2平坦面814に降り、長尺バー824がクランクピン825を中心に溝路41から離れるように反対に回動する。これにより、長尺バー824の端に設けられたシャッター820は、溝路41から退避する。
尚、膨出部815の形成位置は、調子設定ロッド808が螺旋溝813の中心又は最外部に位置するときに、クランクレバー821の短尺バー823が膨出部815を登上する場所である。即ち、上糸調子器8が上糸200に調子圧をかけている状態では、シャッター820は溝路41に介入しない。
(コントローラ)
図7は、ミシン1のコントローラ9の構成を示すブロック図である。図7に示すように、ミシン1には、ミシンモータ6と上糸調子器8等を制御するコントローラ9が内蔵されている。コントローラ9は、所謂コンピュータ又はマイコンと周辺装置で構成される。コンピュータ又はマイコンは、CPUとも呼ばれる演算制御装置、ROMとも呼ばれるプログラム及びデータを格納したメモリ、並びにRAMとも呼ばれるワークメモリを備える。周辺装置は、ミシンモータ6や上糸調子器8等のモータドライバとユーザの入力手段となる操作部94を含む。操作部94は、タッチパネルやダイヤルやフットコントローラ等である。
このコントローラ9は、プログラムの実行により少なくとも演算制御部とモータドライバを主体とする駆動制御部91と調子制御部92とシャッター制御部93とを備える。駆動制御部91は、操作部94に停止操作が入力されると、所定タイミングでミシンモータ6への駆動信号を出力停止する。駆動信号の出力停止タイミングは、天秤7の糸掛合部71が往路始端に位置したときである。
調子制御部92は、上糸調子器8を制御する。詳細には回転モータ810の回転量を制御する。この調子制御部92は、上糸調子情報に応じて回転モータ810を回転させて、固定皿801と可動皿802とに上糸200を挟持させ、押圧力を上糸200にかける。上糸調子情報は、操作部94に入力された上糸200への調子を決定するための内容であり、風合い等の選択、または縫い模様、布送り量、布厚、縫い速度、針の振幅等の縫い条件である。
シャッター制御部93は、シャッター820が溝路41に介入するまで回転モータ810を駆動させ、上糸200が糸道4に到達するように掛け入れられることを阻止する。回転モータ810の駆動タイミングは、上糸200の交換時である。例えば、上糸200の糸道4への掛け入れを検知する近接センサ(不図示)を溝路41の入口に設置しておく。糸道4に上糸200が設置されている場合、近接センサにより上糸200が検出される。一方、糸切れや糸交換のため、上糸200が糸道4から取り除かれると、近接センサ上糸200を検出できなくなる。すると、シャッター制御部93は、クランクレバー821の短尺バー823が膨出部815を登上するように、回転モータ810を駆動させる。
(作用)
図8に示すように、上糸200の交換の際、シャッター制御部93は、上糸200が掛け入れられる前に、シャッター820を溝路41の入口と糸道4との間に移動させておく。即ち、回転モータ810を駆動させ、膨出部815とクランクレバー821の短尺バー823とを合致させておく。短尺バー823が押し上げられることで、クランクレバー821がクランクピン825を中心に回動し、長尺バー824が溝路41に近づき、長尺バー824の先端に設けられたシャッター820が溝路41内に介入する。
シャッター820が溝路41に介入した状態で上糸200が掛け入れられると、上糸200は糸道4に至ることができずにシャッター820に引っ掛かった状態となる。このとき、上糸200の経路長は、上糸200が糸道4に沿う経路長Lと比べてΔL分だけ長い。
次に、図9に示すように、調子制御部92は、第1針目の作動サイクルで天秤7が上糸200を牽引動作させる前に、即ち駆動制御部91がミシンモータ6を駆動させる前に、上糸調子情報に従って回転モータ810を回転させ、可動皿802と固定皿801とで上糸200に調子圧をかける。尚、第1針目の作動サイクルとは、近接センサが上糸200の掛け入れを検出した後の最初の作動サイクルであり、上糸200が設置若しくは交換されて以降、又は糸切り動作を含む縫製中断後、縫い目形成動作における最初の針の往復運動である。
このとき、調子制御部92によって、クランクレバー821の短尺バー823は膨出部815から降り、シャッター820は溝路41から退避する。そうすると、図10に示すように、シャッター820を経由する経路長に合わせて延びていた上糸200には、糸道4に入り込んでも、経由長ΔLだけ緩みが生じている。
図10に示すように、駆動制御部91がミシンモータ6を駆動させ、天秤7が糸掛合部71で上糸200を捕捉及び牽引したとき、牽引量Lmaxの一部は、シャッター820が上糸200に生じさせた緩み分で賄われる。そのため、天秤7による牽引により押さえ足22側から供給される上糸200の糸量は最大でもLmax−ΔLとなって低減し、上糸200の交換後の第1針目の作動サイクルにおける所謂糸抜けは抑制される。
また、ミシン1の停止中にハズミ車65が操作されると、図11に示すように、糸掛合部71が往動始端から糸道4を通り過ぎて停止していることがある。この状態で上糸200が交換されると、第1針目の作動サイクルでは糸掛合部71が上糸200を捕捉及び牽引できない。そのため、天秤7によって上糸200の糸輪分は作出されない。
但し、図12に示すように、上糸200の交換直後は、シャッター820によって、糸取りバネ816が上糸200を引き上げたときの経路長L´よりもΔL´分の緩みが生じている。そのため、第1針目の作動サイクルで糸掛合部71が上糸200を捕捉及び牽引させることができず、更に糸取りバネ816が上糸200を引き上げていても、上糸200に長さΔL´分の余裕があるために、所謂目飛びが生じる虞は低減する。
(効果)
このように、このミシン1が備える天秤7は、上糸200の糸道4を横断して上糸200を捕捉し牽引する。このようなミシン1において、深部に糸道4を有し、上糸200が掛け入れ可能な溝路41に介在可能に移動して糸道4を変更するシャッター820を備え、このシャッター820は、上糸200の掛け入れ時に溝路41に介在するようにした。
これにより、上糸200を掛け入れると、その上糸200は糸道4に至らずにシャッター820に引っ掛かることになり、糸道4に沿っている状態と比べて経路長が増加する。従って、シャッター820が溝路41から退避すると、上糸200には緩みが生じる。そのため、上糸200の交換後の第1針目の作動サイクルにおいて上糸200の糸輪形成分の糸量が不足することはなく、所謂目飛び及び糸抜けは防止される。
また、シャッター820を上糸調子器8に付設するようにした。即ち、固定皿801に向けて可動皿802を移動させるアクチェータでシャッター820を作動させるようにした。これにより、調子圧制御と上糸200の交換時における緩み作出とを同じアクチュエータで行うことができ、部品点数の削減によるミシン1のコスト削減となる。
尚、シャッター820が溝路41に介入及び退避が可能な機構をミシン1が備えていればよく、その作動機構は公知の構成の何れをも採用することができる。例えば、回転モータ810の他にも、ソレノイドやボイスコイルモータ等の直線運動を生むアクチュエータの先にシャッター820を備え付けるようにし、このソレノイドやボイスコイルモータをコントローラ9で制御するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るミシン1について図面を参照しつつ詳細に説明する。第1の実施形態と同一構成及び同一機能については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図13の(a)及び(b)に示すように、ミシン1の押さえ足22は布地100と接離する方向に昇降可能である。押さえ足22は、上昇により、針板21と押さえ足22とにより挟まれた布地100及び上糸200を解放する。そのため、押さえ足22が上昇している間、布地100及び上糸200が交換可能である。
このような押さえ足22は、押さえ棒221の先端に着脱自在に取り付けられる。押さえ足22の足裏は布地100を介して針板2を臨む。押さえ棒221は、ミシン機枠に備え付けられ、針板2に向かって垂直に延び、棒軸方向に昇降可能である。押さえ棒221の上昇により、押さえ足22は布地100及び上糸200を解放し、押さえ棒221の下降により、押さえ足22は布地100及び上糸200を押さえ付けることになる。
ここで、押さえ棒221には押さえ棒抱き222が固定されている。押さえ棒221は押さえ棒抱き222の変位に応答して昇降する。押さえ棒抱き222は、押さえ棒221に取り付け固定される平面板222aと、平面板222aから延びる昇降レバー222bにより構成される。
平面板222aは、押さえ棒221の軸と直交して拡がり、挿通している押さえ棒221に締め付け等によって固着している。強度の観点から、この平面板222aには補強板が延設され、平面板222aを含むコの字形状が形成されている。昇降レバー222bは、平面板222aから延長されている。この昇降レバー222bは、押さえ棒221の軸と直交又は斜交する方向に延びている。
平面板222aの上面、換言すると押さえ足22側の面とは反対の面には、圧縮バネ223が設置されている。圧縮バネ233は、押さえ棒221と同軸で一端を平面板222aに降ろし、他端はミシン機枠に固定された固定端となっている。固定端と平面板222aとの間の距離は、圧縮バネ223の自由長よりも短い。即ち、圧縮バネ223は縮小して押さえ棒221に挿通され、押さえ棒抱き222を常時下降方向へ付勢している。
押さえ棒抱き222の昇降レバー222bを押し上げると、押さえ棒抱き222が固着した押さえ棒221は圧縮バネ223の付勢力に抗して上昇し、昇降レバー222bが下がると圧縮バネ223の付勢力により押さえ棒221は下降する。
昇降レバー222bは、下方から押さえ上げレバー224によって支えられている。押さえ上げレバー224は、ピンで回動可能に軸支された長いロッドであり、各部に第1カム体224a、第2カム体224b及び把持部224cが形成されている。第1カム体224aは、回転軸周りに拡がり、回転軸周りの側面をカム面とする板カムである。第2カム体224bは、第1カム体224aと厚み方向に平行に並び、回転軸周りの側面をカム面とする板カムである。把持部224cは第1カム体224aと第2カム体224bとが形成された基部から延びる棒である。
即ち、第1カム体224aは、押さえ棒221の軸に沿って拡張された板であり、板平面を貫くようにピンが緩挿され、押さえ棒221及び昇降レバー222bの延び方向と直交する回転軸を有する。第1カム体224aは、昇降レバー222bよりも押さえ足22側の下方に配置され、昇降レバー222bを上側面に載せている。上側面は、平坦面と傾斜面とを連続させており、昇降レバー222bの先端は傾斜面に及ぶ。この傾斜面は昇降レバー222bに起き上がっている。
把持部224cは、第1カム体224aの側面から延長され、ミシン1の外部に露出してユーザによって把持可能となっている。傾斜面が急勾配になる方向に把持部224cを回すと、昇降レバー222bは第1カム体224aによって上方に持ち上げられ、それにより押さえ棒221及び押さえ足22が上昇する。
第2カム体224bは、概略卵型の板形状を有し、第1カム体224aと並べられている。換言すると、押さえ上げレバー224の側面のうち半分の厚み範囲が第1カム体224aであり、他の半分の厚み範囲が第2カム体224bである。第2カム体224bのカム面には、糸緩めレバー225が接触している。糸緩めレバー225は概略直線状の棒である。
この糸緩めレバー225は中心部がピンで回動自在に軸支されている。ピンから一端側が第2カム体224bへ向けて延出し、押さえ棒221側から第2カム体222bと接触している。そのため、糸緩めレバー225の出力端225bは、把持部224cの回動により押さえ棒221から離れる方向に倒れる。
図14に示すように、ユーザが把持部224cを回すことにより糸緩めレバー225が回動する軌跡Trには、入力バー826が介在している。入力バー826は、上糸調子器8のクランクレバー821から延長されている。即ち、ユーザが把持部224cを回し、糸緩めレバー225が入力バー826を変位させる方向に押し倒されることにより、シャッター820が回動することになる。
入力バー826は基部バー822から延出している。より詳細には、短尺バー823と長尺バー824の間から延出し、短尺バー823から見て、短尺バー823が膨出部815を登ったときに持ち上がる方向に存在する。糸緩めレバー225の出力端225bは、短尺バー823と入力バー826との間に位置し、ユーザ操作によって倒れたとき、入力バー826から長尺バー824へ向かう方向へ移動する。
そのため、ユーザ操作により糸緩めレバー225の出力端225bが倒れると、この出力端225bが入力バー826を長尺バー824の方へ押し倒し、長尺バー824も入力バー826から逃げるように回動して、シャッター820は溝路41に介入する。
このように、本実施形態に係るミシン1は、押さえ足22を昇降させる押さえ上げレバー224を備えており、この押さえ上げレバー224の動きとシャッター820の動きとを連動させて、押さえ足22が上昇している間、シャッター820を溝路41に介在させるようにした。
上糸200の掛け入れは、押さえ足22を上げた状態で行われる。即ち、押さえ足22の上昇は上糸200の掛け入れが行われる合図となる。従って、押さえ足22が上げられた際に、シャッター820を溝路41に介在させるようにすれば、上糸200は糸道4に至らずにシャッター820に引っ掛けられる。そのため、上糸200の交換後の第1針目の作動サイクルにおいて上糸200の糸輪形成分の糸量が不足することはなく、所謂目飛び及び糸抜けは防止される。
ところで、このミシン1においては、いうまでもなく、実施形態1において説明した回転モータ810によるシャッター820の移動機構と、実施形態2において説明した押さえ上げレバー224の動きと連動させたシャッター820の移動機構とを両方搭載することもできる。そのため、回転モータ810によるシャッター820の移動機構と、実施形態2において説明した押さえ上げレバー224によるシャッター820の移動機構には、それぞれの動作が他方の動作に影響を受けないように離隔機構を設けている。例えば、回転モータ810によりシャッター820が溝部に介在可能に動作している場合、膨出部815と短尺バー323の接触により、クランクレバー821はクランクピンを中心に回動し、シャッター820が溝路41に介在する。同時に入力バー826も皿離隔方向に移動する。つまり、入力バー826と糸緩めレバー225の出力端225bとが離隔するため、回転モータ810によるシャッター820の動作は、押さえ上げレバー224の動作に影響を与えることは無い。
逆に、回転モータ810によりシャッター820が介在可能に動作していない状態で、前述したように押さえ上げレバー224の動作に連動してクランクレバー821が回動した場合も、短尺バー823は歯車811から離隔することが可能なため、クランクレバー821の回動が歯車811に影響を与えることは無い。
これはつまり、押さえ上げレバー224の動きに連動するシャッター駆動機構と回転モーター810によるシャッター駆動機構は、併設することができることを意味する。特に押さえ上げレバー224の動きに連動したシャッター駆動機構は、たとえミシン1の本体の電源が投入されていない状態でも正しく機能するため、シャッター駆動機構を併設することで、作業状況もしくは糸掛け時のミシン1の状態によって作業者は、これらを選択的に使用することができ確実な糸掛けが可能となる。
(変形例)
第2の実施形態では、押さえ足22の上昇とシャッター820の移動を機械的に連動させるようにした。これに限らず、押さえ足22、押さえ棒221又は押さえ上げレバー224の上昇を検出するセンサを設置し、センサとコントローラ9とを信号線で接続して、センサの検出信号をコントローラ9に入力するようにし、シャッター制御部93は上糸調子器8の回転モータ810を駆動させるようにしてもよい。
センサとしては、押さえ足22、押さえ棒221又は押さえ上げレバー224の近傍に配置され、押さえ足22、押さえ棒221又は押さえ上げレバー224の接近又は離反を検出する近接センサを挙げることができるが、これに限られない。
(他の実施形態)
以上のように本発明の実施形態を説明したが、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。そして、この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 ミシン
21 針板
22 押さえ足
221 押さえ棒
222 押さえ棒抱き
222a 平面板
222b 昇降レバー
223 圧縮バネ
224 押さえ上げレバー
224a 第1カム体
224b 第2カム体
224c 把持部
225 糸緩めレバー
225b 出力端
3 針
31 針棒
4 糸道
41 溝路
5 釜
6 ミシンモータ
61 上軸
62 クランク機構
63 下軸
64 歯車機構
65 ハズミ車
7 天秤
71 糸掛合部
72 歯車機構
72a 円筒ウォームギア
72b 円筒ホイール
73 クランクアーム
74 天秤体
75 揺動リンク
8 上糸調子器
801 固定皿
802 可動皿
803 シャフト
804 プッシャ
807 圧縮バネ
808 調子設定ロッド
809 長穴
810 回転モータ
811 歯車
812 第1平坦面
813 螺旋溝
814 第2平坦面
815 膨出部
816 糸取りバネ
817 コイル部
818 アーム
819 糸案内部
820 シャッター
821 クランクレバー
822 基部バー
823 短尺バー
824 長尺バー
825 クランクピン
826 入力バー
9 コントローラ
91 駆動制御部
92 調子制御部
93 シャッター制御部
94 操作部
100 布地
200 上糸
300 下糸

Claims (4)

  1. 上糸と下糸とを針と釜の協働動作によって交絡させて縫い目を形成するミシンであって、
    前記上糸の糸道を横断して前記上糸を捕捉し牽引する天秤と、
    深部に前記糸道を有し、前記上糸が掛け入れ可能な溝路と、
    前記溝路に介在可能に移動し、前記糸道を変更するシャッターと、
    縫製対象物を押圧する押さえ足と、
    前記押さえ足を昇降させる押さえ上げレバーと、
    を備え、
    前記シャッターは、前記押さえ上げレバーの動きと連動し、前記押さえ足が上昇している間、前記溝路に介在すること、
    を特徴とするミシン。
  2. 上糸に調子圧を与える上糸調子器を備え、
    前記上糸調子器は、
    前記上糸を挟む可動皿及び固定皿と、
    前記固定皿に向けて前記可動皿を移動させるアクチュエータと、
    を備え、
    前記シャッターは、前記アクチュエータにより作動されること、
    を特徴とする請求項記載のミシン。
  3. 前記押さえ上げレバーの昇降を検出するセンサを備え、
    前記シャッターは、前記センサで検出した結果に基づき、前記溝路への介在及び退避を行うこと、
    を特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
  4. 前記押さえ足の昇降を検出するセンサを備え、
    前記シャッターは、前記センサで検出した結果に基づき、前記溝路への介在及び退避を行うこと、
    と特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
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