JP6997432B2 - 飾り縫いミシンの糸供給装置 - Google Patents
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Description
糸巻から針及び上ルーパ及び下ルーパへ給糸される針糸及び上ルーパ糸及び下ルーパ糸を把持し、縫目形成装置により縫目形成時に閉成され、布の布送り時に開成される上流側把持器及び上流側把持器から導かれた縫糸を把持し、縫目形成時に開成されて縫糸が縫目形成装置により引出され、布の布送り時に閉成される下流側把持器と、
縫目形成装置と同期して駆動され、布の布送り時に開成された上流側把持器及び閉成された下流側把持器間に延在する糸道の縫糸を縫目形成装置の1縫目に必要な縫糸量として偏倚し、縫目形成時に縫糸を解放する定型縫い振動子と、
縫目形成装置と同期して駆動され、布の布送り時に開成された上流側把持器及び閉成された下流側把持器間に延在する糸道の少なくとも2本の縫糸の一方の縫糸量と他方の縫糸量の和が一定で、一方の縫糸量が増加するに伴い他方の縫糸量が減少して1縫目に必要な各縫糸の縫糸量を変化させるように偏倚し、縫目形成時に縫糸を解放する変形縫い振動子とを備えている。
1縫目毎に布送り装置で布を布送りすると共に布に縫目形成を行なう少なくとも1本の針、上ルーパ及び下ルーパを含む縫目形成装置に針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸を含む複数本の縫糸を供給して針糸に環繋止される上ルーパ糸及び下ルーパ糸を互いに環繋止して布の端縁に縁かがりを形成し、針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸の環絡点の位置が変動することで1つの縫い飾りパターンで飾り縫いを実行する飾り縫いミシンの糸供給装置であって、
(a)糸巻から給糸される縫糸の糸道中で縫糸を把持し、縫目形成装置による縫目形成時に閉成され、布送り装置による布の布送り時に開成される上流側把持器及び上流側把持器から導かれた縫糸を把持し、縫目形成時に開成されて縫糸が縫目形成装置により引出され、布の布送り時に閉成される下流側把持器、
(b)上流側把持器及び下流側把持器間に延在し、針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸の予め定められた所定長の蓄糸量をそれぞれ計量する上流側蓄糸エレメント及び下流側蓄糸エレメント、
(c)上流側蓄糸エレメント及び下流側蓄糸エレメント間に延在し、布の布送り時にそれぞれ予め定められた所定長の蓄糸量の範囲内で針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸を1縫目に必要な縫糸量として増減可能に調整され、縫目形成時に縫糸を縫目形成装置にそれぞれ放糸する針蓄糸量制御エレメント、上ルーパ蓄糸量制御エレメント及び下ルーパ蓄糸量制御エレメントを有し、布送り装置及び縫目形成装置と同期して駆動される蓄糸器と、
蓄糸器の針蓄糸量制御エレメント、上ルーパ蓄糸量制御エレメント及び下ルーパ蓄糸量制御エレメントをそれぞれ駆動する糸供給駆動機構と、
1縫目毎に糸供給駆動機構を介し、蓄糸器の針蓄糸量制御エレメント、上ルーパ蓄糸量制御エレメント及び下ルーパ蓄糸量制御エレメントを駆動し、下記糸供給式が満足するように針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸をそれぞれ増減可能に供給し、布送り量、布厚及びかがり幅を含み一定とされる全糸供給量の範囲内で針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸を互いに増減して針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸の環絡点の位置が変動されることによって縫い飾りパターンで飾り縫いを制御するプログラムを有する糸供給制御ユニット
L=LN+LU+LD
=〔p+2t+EkPN〕+〔2EkPU+t〕+〔2EkPD+t〕
=E(kPN+2kPU+2kPD)+4t+p
(茲に、Lは全糸供給量、LNは針糸供給量、LUは上ルーパ糸供給量、LDは下ルーパ糸供給量、pは布送り量、tは布厚、Eはかがり幅、kPNは布送り量に関する針糸用係数、kPUは布送りかがり幅量に関する上ルーパ糸用係数、kPDは布送りかがり幅量に関する下ルーパ糸用係数である)
を備えている。
1縫目の縫目形成ステップ直前における1縫目の布送りステップにおいて針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸を蓄糸器により1縫目に必要な縫糸量としてそれぞれ蓄糸する蓄糸ステップと、
1縫目の布送りステップ直後における1縫目の縫目形成ステップにおいて針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸をそれぞれ縫目形成装置の針、上ルーパ及び下ルーパにそれぞれ放糸する放糸ステップとから成る。
針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸のそれぞれの縫糸量は蓄糸器における上流側蓄糸エレメント及び下流側蓄糸エレメントと、針蓄糸量制御エレメント、上ルーパ蓄糸量制御エレメント及び下ルーパ蓄糸量制御エレメントとの相対的移動位置によって決定されるステップから成る。
針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸の予め定められた所定長の蓄糸量をそれぞれ計量するために上流側蓄糸エレメント及び下流側蓄糸エレメントを移動させる蓄糸量計量ステップと、
布送り量、布厚、かがり幅、縫い飾りパターンの形状にしたがって針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸の全糸供給量を加減算して針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸にそれぞれ割り当てる蓄糸量演算ステップと、
針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸にそれぞれ割り当てられた糸量にしたがって針蓄糸量制御エレメント、上ルーパ蓄糸量制御エレメント及び下ルーパ蓄糸量制御エレメントを上流側蓄糸エレメント及び下流側蓄糸エレメントに対して相対的に移動させてそれぞれ針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸を1縫目に必要な縫糸量として増減可能に調整する蓄糸量調整ステップとから成る。
本発明の糸供給装置1が組み込まれる飾り縫いミシン2は、図1-図3に示すように、ベッド2a、脚柱2b、アーム2cから成る機枠2dで形成されている。アーム2c、ベッド2aにはそれぞれ上下軸3a、3bが軸承されている。
縫目形成装置100は、図3に示すように、他の機構又は装置とともに布f(図12)に縫目を形成する機能を有し、左針5、右針6のための針駆動機構30と、上ルーパ7、下ルーパ8のためのルーパ駆動機構70とを含んでいる。縫目形成装置100は、縫いモータMによって駆動される上軸3aの回転運動に同期して針駆動機構30が作動し、下軸3bの回転運動に同期してルーパ駆動機構70が作動する。針5、6及び上ルーパ7及び下ルーパ8が駆動されて、縫目を形成している。
布送り装置200は、左針5、右針6が布fから抜き出たとき、即ち左針5、右針6、上ルーパ7、下ルーパ8による縫目形成の直後に縫製される布fを布送り、即ち歩進させる機能を有する。布送り装置は、図9に示すように、送り歯を駆動し布fを歩進させる機能を有する。布送り装置は、下軸3bの回転運動に同期して作動する。布送り量の調整は、送り量調節機構の送り目調節ダイヤル130の操作により調節腕134を介して変える事が出来る。調節腕134の回転中心に一致して調節腕134に布送り量取込みボリューム軸が固着されている。調節腕134の回転に応じて布送り量取込みボリューム軸が回転し、基板202に設けられた送り量検出装置702を作動させ、信号を糸供給制御ユニット700に送る。
布切装置300は、図9、図10に示すように、縫いモータMによって下軸3bの回転運動に同期して作動する。
固定メス307を横方向に移動し、布fの切幅Eを自在に変化させる機能を有する。固定メス307はかがり幅調節台322に取着されている。ベッド2aにメスかがり幅ユニット台340が取着されている。メスかがり幅ユニット台340にかがり幅検出装置704が固定されている。
かがり幅調節台322には作動腕323が取着され、メスかがり幅ユニット台340に固定されたかがり幅検出装置704を作動させ、その信号を糸供給制御ユニット700に送る。
布押え装置400は、押え棒451と、押え棒451の下端に設けられた布押え450と、押え棒451を上下に摺動自在で非回転自在に支持し、機枠2dに穿設される押え棒抱き452と、押え棒451を軸支する一対の軸受453と、押え棒抱き452、布押え450を針板137に対して押付けるバネ454とを備えている。即ち、布押え装置400は、図11に示すように、縫目形成装置100による縫目形成時及び布送り装置200による布送り時に布fを針板137に対して布押え450によって押付ける機能を有する。布fの厚さに応じて布押え450を介して押え棒451が上下し、押え棒451に植設された布厚検出ピン402が布厚検出カム403回動させ、布厚検出カム403に取着された布厚検出カム歯車404の回動が歯車405を介して布厚検出装置歯車406を回動する事により布厚検出装置705を作動させ、その信号を糸供給制御ユニット700に送る。
図4~図8に示すように、本発明の糸供給装置1に適用され本発明の機構上及び電子制御上の特徴を持っている蓄糸器500は、糸巻Bo(図13)から給糸され縫目形成装置100の左針5、右針6及び上ルーパ7、下ルーパ8に放糸される縫糸、即ち左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dの糸道中に設けられ、糸巻Boから給糸されるこれらの縫糸を布fの布送り時に蓄糸し、これらの蓄糸された縫糸を縫目形成時に放糸する機能を有する。
上流側把持器11a-11dから導かれた縫糸を把持し、縫目形成時に開成されて縫糸が縫目形成装置100により引出され、布fの布送り時に閉成される左針糸下流側把持器12a、右針糸下流側把持器12b、上ルーパ糸下流側把持器12c、下ルーパ糸下流側把持器12d、
(b)上流側把持器11a-11d及び下流側把持器12a-12d間に一対の糸供給ユニット基板10a、10b間で延在し、縫糸、即ち左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dの予め定められた所定長の蓄糸量をそれぞれ計量する上流側蓄糸エレメント13、即ち左針糸上流側蓄糸エレメント13a、右針糸上流側蓄糸エレメント13b、上ルーパ糸上流側蓄糸エレメント13c、下ルーパ糸上流側蓄糸エレメント13d及び
下流側蓄糸エレメント14、即ち左針糸下流側蓄糸エレメント14a、右針糸下流側蓄糸エレメント14b、上ルーパ糸下流側蓄糸エレメント14c、下ルーパ糸下流側蓄糸エレメント14d、
(c)上流側蓄糸エレメント13a-13d及び下流側蓄糸エレメント14a-14d間に延在し、布fの布送り時にそれぞれ予め定められた所定長の蓄糸量の範囲内で左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dを1縫目に必要な縫糸量として増減可能に調整されて蓄糸され、縫目形成時に縫糸を縫目形成装置によってそれぞれ放糸される左針蓄糸量制御エレメント15、右針蓄糸量制御エレメント16、上ルーパ蓄糸量制御エレメント17及び下ルーパ蓄糸量制御エレメント18を有し、布送り装置200及び縫目形成装置100と同期して駆動される蓄糸器500を備えている。
糸供給駆動機構600は、図4~図7、図13に示すように、蓄糸器500の左針蓄糸量制御エレメント15、右針蓄糸量制御エレメント16、上ルーパ蓄糸量制御エレメント17及び下ルーパ蓄糸量制御エレメント18をそれぞれ駆動するものである。糸供給駆動機構600は、後述する糸供給制御ユニット700によって制御されるパルスモータM1、M2、M3、M4と、パルスモータM1、M2、M3、M4の回転を蓄糸器500の左針蓄糸量制御エレメント15、右針蓄糸量制御エレメント16、上ルーパ蓄糸量制御エレメント17及び下ルーパ蓄糸量制御エレメント18の移動に運動変換するラック15g、16g、17g、18g及びピニオンMg1、Mg2,Mg3,Mg4とから成り、左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dをそれぞれ糸供給駆動するものである。
上軸3aには蓄糸エレメント作動検出装置23(図2)が設けられている。蓄糸エレメント作動検出装置23は上軸3aに固定される回転板セグメント23aが送受光器(ホトカプラ)23bを遮光、通光させるON、OFF信号が中央処理装置CPUに入力され、パルスモータM1、M2、M3、M4を駆動するタイミングが決定される。
縫いモータMは、縫いモータ駆動回路714を介して駆動される。
上軸3aにはミシン回転速度検出装置22(図2)が設けられている。ミシン回転速度検出装置22は上軸3aに固定される回転板セグメント22fが送受光器(ホトカプラ)22gを遮光、通光させるON、OFF信号が中央処理装置CPUに入力される。
図4~図7、図13~図16に示すように、本発明の飾り縫いミシン2の糸供給装置1は糸供給制御ユニット700を備えている。糸供給制御ユニット700は、1縫目毎に糸供給駆動機構600を介し、蓄糸器500の左針蓄糸量制御エレメント15、右針蓄糸量制御エレメント16、上ルーパ蓄糸量制御エレメント17及び下ルーパ蓄糸量制御エレメント18を駆動し、下記糸供給式が満足するように右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dをそれぞれ増減可能に供給し、1縫目毎の布送り量、布厚及びかがり幅を含み一定とされる全糸供給量の範囲内で左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dを互いに増減して左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dの環絡点ipn(n=1,2,3…)の位置が変動されることによって縫い飾りパターンで飾り縫い(図17)を制御するプログラムを有する。
=〔p+2t+EkPN〕+〔2EkPU+t〕+〔2EkPD+t〕
=E(kPN+2kPU+2kPD)+4t+p
(茲に、Lは全糸供給量、LNは針糸供給量、LUは上ルーパ糸供給量、LDは下ルーパ糸供給量、pは布送り量、tは布厚、Eはかがり幅、kPNは布送り量に関する針糸用係数、kPUは布送りかがり幅量に関する上ルーパ糸用係数、kPDは布送りかがり幅量に関する下ルーパ糸用係数である)
上記の針糸用係数kPN、上ルーパ糸用係数kPU、下ルーパ糸用係数kPDは飾り縫い縫目の風合い又は美麗さを作り出すために糸の太さ、硬さ、伸縮性、布の硬さ、伸縮性等に基づいて実験により決定される糸量増減のための数値である。
1縫目の縫目形成ステップ直前における1縫目の布送りステップにおいて左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dを蓄糸器500により1縫目に必要な縫糸量としてそれぞれ蓄糸する蓄糸ステップと、
1縫目の布送りステップ直後における1縫目の縫目形成ステップにおいて左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dをそれぞれ縫目形成装置100の左針5、右針6及び上ルーパ7、右ルーパ8にそれぞれ放糸する放糸ステップとから成る。
左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dのそれぞれの縫糸量は蓄糸器500における上流側蓄糸エレメント13a-13d及び下流側蓄糸エレメント14a-14dと、左針蓄糸量制御エレメント15、右針蓄糸量制御エレメント16、上ルーパ蓄糸量制御エレメント17及び下ルーパ蓄糸量制御エレメント18との相対的移動位置によって決定されるステップから成る。
左針糸上流側蓄糸エレメント13a、左針糸下流側蓄糸エレメント14a、左針蓄糸量制御エレメント15が相対移動されない状態時の直線状の糸道及び左針糸上流側蓄糸エレメント13a、左針糸下流側蓄糸エレメント14a、左針蓄糸量制御エレメント15が相対移動された状態時のM字形の糸道の差が縫糸量を形成するのである。
左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dの予め定められた所定長の蓄糸量をそれぞれ計量するために上流側蓄糸エレメント13a-13d及び下流側蓄糸エレメント14a-14dを移動させる蓄糸量計量ステップと、
1縫目毎の布送り量p、布fの布厚t、かがり幅E、縫い飾りパターンの形状にしたがって左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dの全糸供給量を加減算して針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸にそれぞれ割り当てる蓄糸量演算ステップと、
左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dにそれぞれ割り当てられた糸量にしたがって左針蓄糸量制御エレメント15、右針蓄糸量制御エレメント16、上ルーパ蓄糸量制御エレメント17及び下ルーパ蓄糸量制御エレメント18を上流側蓄糸エレメント及び下流側蓄糸エレメントに対して相対的に移動させてそれぞれ左針糸9a、右針糸9b、上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dを1縫目に必要な縫糸量として増減可能に調整する蓄糸量調整ステップとから成る。
ミシン外装・ユーザアクセス部としてユーザ設定内容を表示する出力表示器706及び下記の基本縫い選択のための入力スィッチ707を有する縫目設定入出力コンソール708が中央処理装置CPUに相互に入出力されるように接続される。
a.1本針3本糸普通ロック
b.2本針4本糸普通ロック
c.1本針2本糸普通ロック
d.1本針3本糸巻ロック
e.1本針3本糸変形巻ロック
プログラムパターンは任意に選択可能
なお、茲で普通ロックは従来のオーバーロックミシンで行われている縁かがり縫いのことであり、巻ロック及び変形巻ロックについては従来から知られている縁かがり縫いのことである。
ステップST2:右針蓄糸量制御エレメント16、上ルーパ蓄糸量制御エレメント17及び下ルーパ蓄糸量制御エレメント18の各々を原点位置まで移動させる
ステップST3:蓄糸量演算処理
このステップST3における蓄糸量演算処理はステップST16-ステップST23のプロセスによって実行される。(図16)
ステップST4:パルスモータM2、M3、M4の各々に動作指示を出し、右針蓄糸量制御エレメント16、上ルーパ蓄糸量制御エレメント17及び下ルーパ蓄糸量制御エレメント18の各々を動作位置まで移動させる
ステップST5:蓄糸エレメント13、14が動作しているか判断
ステップST6:蓄糸量演算処理
このステップST6における蓄糸量演算処理はステップST16-ステップST23のプロセスによって実行される。
ステップST8:ミシン回転速度検出装置22からミシン実回転数を確認
ステップST9:ミシン限界回転数>ミシン実回転数であるか判断
ステップST10:ステップST9においてNOならば、ミシン限界回転数=ミシン実回転数であるか判断 ステップST10においてYESならば、ステップST12に移行
ステップST11:ステップST10においてNOならば、縫いモータ駆動回路714に縫いモータMのモータ回転数を下げる指示を出して、ステップST6に戻る
ステップST12:右針蓄糸量制御エレメント15、上ルーパ蓄糸量制御エレメント16及び下ルーパ蓄糸量制御エレメント18の蓄糸エレメント作動検出装置23の動作タイミング確認
ステップST13:右針蓄糸量制御エレメント16、上ルーパ蓄糸量制御エレメント17及び下ルーパ蓄糸量制御エレメント18の動作タイミングであるか判断 NOならば、ステップST6に戻る
ST10とST13によって放糸ステップの終了後、次の1縫目の蓄糸量計量ステップの開始前に実行することができる。
ステップST15:蓄糸エレメント13、14が動作しているか判断し、NOならば、ステップST3に戻る YESならば、ステップST6に戻る
ステップST16:蓄糸量演算処理開始
ステップST17:布fの布厚t、かがり幅E、1縫目毎の布送り量pを取り込む
ステップST18:布fの布厚t、かがり幅E、1縫目毎の布送り量pにしたがって演算され、1縫目に使用する全糸供給量Lを算出する
ステップST19:縫目パターンデータを確認
ステップST20:ユーザが選択した縫目パターンの1縫目分のデータを読み込む
ステップST21:ユーザによって選択された縫目データと1縫目に使用する糸の全糸供給量Lにしたがって演算され、右針糸9b、上ルーパ糸9c及び下ルーパ糸9dにそれぞれ割り当てられる糸量を算出する
ステップST22:右針糸9b、上ルーパ糸9c及び下ルーパ糸9dにそれぞれ割り当てられる糸量から右針蓄糸量制御エレメント16、上ルーパ蓄糸量制御エレメント17及び下ルーパ蓄糸量制御エレメント18の移動先位置を演算する
ステップST23:蓄糸量演算処理終了
本発明の1本針3本糸オーバーロックによる飾り縫いミシンの糸供給装置によれば、一例として、波形形状縫目パターンが選択された場合、その縫製された波形形状縫目は図17に示される。図17において、1パターンが21針の場合、上下ルーパ糸環絡点ipn(n=1,2,3…)の両側で、1縫目毎に、上下ルーパ糸環絡点ip2からip11までは上ルーパ糸9c、下ルーパ糸9dの糸長がそれぞれ漸次増減し、反対に上下ルーパ糸環絡点ip12からip21までは下ルーパ糸9d、上ルーパ糸9cの糸長がそれぞれ漸次増減して上下ルーパ糸環絡点ipn(n=1,2,3…)によって波形形状縫目が形成されて波形形状パターンが縫製される。
L=LN1+LN2+LU+LD
=〔p+2t+FkPN〕+〔p+2t〕+〔2(F+E)kPU+t〕
+〔2(F+E)kPD+t〕
=FkPN+2(F+E)(kPU+kPD)+6t+2p
(茲に、LN1は左針糸供給量、LN2は右針糸供給量、Fは左右針間距離である)
1本針3本糸オーバーロックによる飾り縫いミシンとの相違は、針幅Fが形成されることである。
2・・・・飾り縫いミシン
2a・・・ベッド
2b・・・脚柱
2c・・・アーム
2d・・・機枠
3a・・・上軸
3b・・・下軸
5・・・・左針
6・・・・右針
7・・・・上ルーパ
8・・・・下ルーパ
9a・・・左針糸
9b・・・右針糸
9c・・・上ルーパ糸
9d・・・下ルーパ糸
W・・・・はずみ車
M・・・・縫いモータ
M1・・・パルスモータ
M2・・・パルスモータ
M3・・・パルスモータ
M4・・・パルスモータ
500・・蓄糸器
10a・・糸供給ユニット基板
10b・・糸供給ユニット基板
10c・・左針糸スリット
10d・・右針糸スリット
10e・・上ルーパ糸スリット
10f・・下ルーパ糸スリット
11a・・左針糸上流側把持器
11b・・右針糸上流側把持器
11c・・上ルーパ糸上流側把持器
11d・・下ルーパ糸上流側把持器
12a・・左針糸下流側把持器
12b・・右針糸下流側把持器
12c・・上ルーパ糸下流側把持器
12d・・下ルーパ糸下流側把持器
13・・上流側蓄糸エレメント
13a・・左針糸上流側蓄糸エレメント
13b・・右針糸上流側蓄糸エレメント
13c・・上ルーパ糸上流側蓄糸エレメント
13e-13h・・糸穴溝
13d・・下ルーパ糸上流側蓄糸エレメント
14・・下流側蓄糸エレメント
14a・・左針糸下流側蓄糸エレメント
14b・・右針糸下流側蓄糸エレメント
14c・・上ルーパ糸下流側蓄糸エレメント
14d・・下ルーパ糸下流側蓄糸エレメント
14e-14h・・糸穴溝
15・・・左針蓄糸量制御エレメント
15a・・スリット
15g、16g、17g、18g・・ラック
Mg1、Mg2、Mg3、Mg4・・ピニオン
16・・・右針蓄糸量制御エレメント
16a・・スリット
17・・・上ルーパ蓄糸量制御エレメント
17a・・スリット
18・・・下ルーパ蓄糸量制御エレメント
18a・・スリット
19a・・蓄糸量制御エレメント支持軸
19b・・スペーサ
19c・・蓄糸エレメント支持軸
19d・・スペーサ
22・・・ミシン回転速度検出装置
22f・・回転板セグメント
22g・・送受光器(ホトカプラ)
23・・・蓄糸エレメント作動検出装置
23a・・回転板セグメント
23b・・送受光器(ホトカプラ)
30・・・針駆動機構
43・・・5つの下流側把持器支板
45・・・バネ受け
46・・・圧縮バネ
55・・・5つの上流側把持器支板
56・・・上流側把持軸
57・・・把持皿
58・・・バネ受け
59・・・圧縮バネ
69・・・結合ネジ
70・・・ルーパ駆動機構
72・・・下流側把持軸
91・・・ルーパ糸導入機構
100・・縫目形成装置
200・・布送り装置
130・・送り目調節ダイヤル
134・・調節腕
137・・針板
150・・蓄糸エレメント駆動歯車
151・・支軸
152・・中間歯車
153・・溝カム軸
154・・溝カム歯車
155・・溝カム
156・・蓄糸エレメント結合軸
157・・カムフォロワ
158・・スペーサ
159・・ネジ
202・・基板
300・・布切装置
307・・固定メス
308・・可動メス
320・・かがり幅調節部
321・・かがり幅調節ダイヤル
322・・かがり幅調節台
323・・作動腕
400・・布押え装置
402・・布厚検出ピン
403・・布厚検出カム
404・・歯車
405・・歯車
406・・歯車
407・・布厚検出装置軸
450・・布押え
451・・押え棒
押え棒抱き452
軸受453
バネ454
500・・蓄糸器
600・・糸供給駆動機構
700・・糸供給制御ユニット
701・・コンソール
702・・送り量検出装置
703・・普通・巻ロック切換スィッチ
704・・かがり幅検出装置
705・・布厚検出装置
706・・出力表示器
707・・入力スィッチ
708・・縫目設定入出力コンソール
709、710、711・・A/D変換回路
714・・モータ駆動回路
715・・パルスモータ駆動回路
716・・パルスモータ駆動回路
717・・パルスモータ駆動回路
718・・パルスモータ駆動回路
CPU・・中央処理装置
Bo・・・糸巻
f・・・・布
fp・・・フットペダル
p・・・・布送り量
t・・・・布fの布厚t
E・・・・かがり幅
F・・・・針幅
Claims (11)
- 1縫目毎に布送り装置で布を布送りすると共に前記布に縫目形成を行なう少なくとも1本の針、上ルーパ及び下ルーパを含む縫目形成装置に針糸、上ルーパ糸及び下ルーパ糸を含む複数本の縫糸を供給して前記針糸に環繋止される前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸を互いに環繋止して前記布の端縁に縁かがりを形成し、前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸の環絡点の位置が変動することで1つの縫い飾りパターンで飾り縫いを実行する飾り縫いミシンの糸供給装置であって、
(a)糸巻から給糸される前記縫糸の糸道中で前記縫糸を把持し、前記縫目形成装置による縫目形成時に閉成され、前記布送り装置による前記布の布送り時に開成される上流側把持器及び前記上流側把持器から導かれた前記縫糸を把持し、前記縫目形成時に開成されて前記縫糸が前記縫目形成装置により引出され、前記布の布送り時に閉成される下流側把持器、(b)前記上流側把持器及び前記下流側把持器間に延在し、前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸の予め定められた所定長の蓄糸量をそれぞれ計量する上流側蓄糸エレメント及び下流側蓄糸エレメント、(c)前記上流側蓄糸エレメント及び前記下流側蓄糸エレメント間に延在し、前記布の布送り時にそれぞれ前記予め定められた所定長の蓄糸量の範囲内で前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸を1縫目に必要な縫糸量として増減可能に調整され、前記縫目形成時に前記縫糸を前記縫目形成装置にそれぞれ放糸する針蓄糸量制御エレメント、上ルーパ蓄糸量制御エレメント及び下ルーパ蓄糸量制御エレメントを有し、前記布送り装置及び前記縫目形成装置と同期して駆動される蓄糸器と、
前記蓄糸器の前記針蓄糸量制御エレメント、前記上ルーパ蓄糸量制御エレメント及び前記下ルーパ蓄糸量制御エレメントをそれぞれ駆動する糸供給駆動機構と、
1縫目毎に前記糸供給駆動機構を介し、前記蓄糸器の前記針蓄糸量制御エレメント、前記上ルーパ蓄糸量制御エレメント及び前記下ルーパ蓄糸量制御エレメントを駆動し、下記糸供給式が満足するように前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸をそれぞれ増減可能に供給し、布送り量、布厚及びかがり幅を含み一定とされる全糸供給量の範囲内で前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸を互いに増減して前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸の環絡点の位置が変動されることによって前記縫い飾りパターンで飾り縫いを制御するプログラムを有する糸供給制御ユニットと
L=LN+LU+LD
=〔p+2t+EkPN〕+〔2EkPU+t〕+〔2EkPD+t〕
=E(kPN+2kPU+2kPD)+4t+p
(茲に、Lは全糸供給量、LNは針糸供給量、LUは上ルーパ糸供給量、LDは下ルーパ糸供給量、pは布送り量、tは布厚、Eはかがり幅、kPNは布送り量に関する針糸用係数、kPUは布送り量に関する上ルーパ糸用係数、kPDは布送り量に関する下ルーパ糸用係数である)
を備えることを特徴とする飾り縫いミシンの糸供給装置。 - 前記プログラムは、
1縫目の縫目形成ステップ直前における1縫目の布送りステップにおいて前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸を前記蓄糸器により1縫目に必要な縫糸量としてそれぞれ蓄糸する蓄糸ステップと、
前記1縫目の布送りステップ直後における1縫目の縫目形成ステップにおいて前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸をそれぞれ前記縫目形成装置の前記針、前記上ルーパ及び前記下ルーパにそれぞれ放糸する放糸ステップと
から成ることを特徴とする請求項1記載の飾り縫いミシンの糸供給装置。 - 前記蓄糸ステップにおいて、前記全糸供給量は、前記布送り量、前記布厚、前記かがり幅、前記縫い飾りパターンの形状にしたがって加減算されて前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸にそれぞれ割り当てられることを特徴とする請求項2記載の飾り縫いミシンの糸供給装置。
- 前記プログラムは、
前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸のそれぞれの縫糸量は前記蓄糸器における前記上流側蓄糸エレメント及び前記下流側蓄糸エレメントと、
前記針蓄糸量制御エレメント、前記上ルーパ蓄糸量制御エレメント及び前記下ルーパ蓄糸量制御エレメントと
の相対的移動位置によって決定されるステップから成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の飾り縫いミシンの糸供給装置。 - 前記蓄糸ステップは、
前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸の予め定められた所定長の蓄糸量をそれぞれ計量するために前記上流側蓄糸エレメント及び前記下流側蓄糸エレメントを移動させる蓄糸量計量ステップと、
前記布送り量、前記布厚、前記かがり幅、前記縫い飾りパターンの形状にしたがって前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸の全糸供給量を加減算して前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸にそれぞれ割り当てる蓄糸量演算ステップと、
前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸にそれぞれ割り当てられた糸量にしたがって前記針蓄糸量制御エレメント、前記上ルーパ蓄糸量制御エレメント及び前記下ルーパ蓄糸量制御エレメントを前記上流側蓄糸エレメント及び前記下流側蓄糸エレメントに対して相対的に移動させてそれぞれ前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸を1縫目に必要な縫糸量として増減可能に調整する蓄糸量調整ステップと
から成ることを特徴とする請求項2記載の飾り縫いミシンの糸供給装置。 - 前記蓄糸量調整ステップは、前記放糸ステップの終了後、次の1縫目の前記蓄糸量計量ステップの開始前に実行されることを特徴とする請求項5記載の飾り縫いミシンの糸供給装置。
- 前記糸供給駆動機構は、前記糸供給制御ユニットによって制御されるパルスモータと、前記パルスモータの回転を前記蓄糸器の前記針蓄糸量制御エレメント、前記上ルーパ蓄糸量制御エレメント及び前記下ルーパ蓄糸量制御エレメントの移動に運動変換するラックピニオンとから成り、前記針糸、前記上ルーパ糸及び前記下ルーパ糸をそれぞれ糸供給駆動することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の飾り縫いミシンの糸供給装置。
- 前記下流側把持器が閉成される時点を検知し、その検知データを前記糸供給制御ユニットに印加して前記蓄糸量調整ステップを前記放糸ステップの終了後、次の1縫目の前記蓄糸量計量ステップの開始前に実行する蓄糸エレメント作動検出装置を備えることを特徴とする請求項5記載の飾り縫いミシンの糸供給装置。
- 前記布の布送り量を調節する布送り装置によって設定される布送り量を検知し、その検知データを前記糸供給制御ユニットに印加する布送り量検出装置を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の飾り縫いミシンの糸供給装置。
- 前記かがり幅を調節するかがり幅調節部によって設定されるかがり幅を検知し、その検知データを前記糸供給制御ユニットに印加するかがり幅検出装置を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の飾り縫いミシンの糸供給装置。
- 前記布厚を検知し、その検知データを前記糸供給制御ユニットに印加する布厚検出装置を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の飾り縫いミシンの糸供給装置。
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