JP3827800B2 - 糸繰り出し装置を備えたミシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、糸繰り出し装置を備えたミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開昭57−59592号公報等に記載の糸繰り出し装置を備えたかがり縫いミシンが知られている。このかがり縫いミシンは、ステッピングモータに取り付けられた駆動ローラと、この駆動ローラに押し当てられた従動ローラと、からなる糸繰り出し装置を針糸用、ルーパー糸用にそれぞれ備え、予め設定されたかがり幅、送り量(送りピッチ)及び1針毎に検出される加工布の布厚データに基づいて、針糸、ルーパー糸の糸繰り出し量をそれぞれ演算し、所定のタイミングで上記各糸繰り出し装置のステッピングモータをそれぞれ回転制御して、上記駆動ローラと従動ローラとの協働により、針糸、ルーパー糸を上記演算量それぞれ繰り出すように構成されている。
【0003】
ところで、ロックミシンでは、多種類の加工布(被縫製物)を縫製可能とするため、主送り歯と副送り歯の2つの送り歯を備えると共に、主送り歯に対する副送り歯の水平方向の移動量の比(差動比)を例えば差動調節摘み等により変更可能としたミシンが多数ある。
【0004】
そして、このようなロックミシンにおいては、差動送りを行う場合(主送り歯の送り量≠副送り歯の送り量)でも、主送り歯の送り量に基づいて上述した演算を行い、この演算量の糸を繰り出すように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、差動送りを行う場合にあっては、主送り歯の送り量とは異なる副送り歯の送り量の影響で、針落ちでの布送り量が主送り歯の送り量とは異なるため、演算により求められた糸量が針落ちにおいて必要な糸量ではなく、その結果糸が過剰に供給されたりまた糸不足となり、綺麗な縫目を形成できないといった問題があった。
【0006】
そこで本発明は、差動送りを行う場合においても針落ちで必要な糸量を供給でき、綺麗な縫目を形成できる糸繰り出し装置を備えたミシンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の糸繰り出し装置を備えたミシンは、針落ちの前後に配置されて被縫製物を送る主送り歯及び副送り歯と、駆動源の駆動により縫目に糸を供給する糸繰り出し装置と、前記主送り歯の送り量に基づいて1針毎に縫目に必要な糸量を求め、この求めた糸量を供給するように前記駆動源を制御する制御手段と、を有する糸繰り出し装置を備えたミシンにおいて、前記制御手段は、前記主送り歯の送り量が副送り歯より大きい場合には当該主送り歯の送り量F・差動比Sに基づいて前記針落ちでの布送り量F’を求め、この求めた布送り量F’に基づいて糸繰り出し量を演算する一方、前記副送り歯の送り量が主送り歯の送り量より大きい場合には前記主送り歯の送り量Fを針落ちでの布送り量として演算し、その結果に基づいて糸繰り出し量を制御するように構成されていることを特徴としている。
【0010】
このような本発明の糸繰り出し装置を備えたミシンによれば、主送り歯と副送り歯の送り量が異なる場合、制御手段によって、主送り歯と副送り歯の差動に応じた針落ちでの被縫製物の送り量が、主送り歯の送り量、主送り歯と副送り歯の差動比に基づいて求められ、1針毎に縫目に必要な糸量が、この求められた送り量に基づいて求められ、この求められた糸量が供給されるように糸繰り出し装置の駆動源が制御されるため、差動送りを行う場合において、針落ちで必要な糸量が供給されるようになる。
【0011】
ここで、主送り歯の送り量<副送り歯の送り量の場合、すなわちギャザリング縫いを行う場合、求められた針落ちでの被縫製物の送り量は、主送り歯の送り量より大きくなり、供給される糸量がギャザリング縫いにとって過剰となってしまうが、主送り歯の送り量<副送り歯の送り量の場合には、制御手段によって、ギャザリング縫いを最適に行い得るように、主送り歯の送り量に基づいて1針毎に縫目に必要な糸量が求められるため、ギャザリング縫いに対しても必要な糸量が供給されるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明を適用したかがり縫いミシン(2本針4本糸ロックミシン)を表した正面構成図である。
【0013】
図1において、符号1はミシンフレームを示しており、このフレーム1のアーム部1aには、下端に左、右縫針2,3を有する針棒4が上下動可能に取り付けられている。この針棒4は、ミシン主軸13と連動して上下動を行う。フレーム1のアーム部1aにはまた、下端に押え金5を有すると共に下方に付勢された押え棒6が上下動可能に取り付けられている。
【0014】
フレーム1のベット部1b内には、上ルーパー7及び下ルーパー8が設けられており、上ルーパー7及び下ルーパー8と、左縫針2または右縫針3とが協働して加工布(被縫製物)にかがり縫目を形成する。
【0015】
フレーム1のベット部1b上面には、針板9が取り付けられており、この針板9の下には、図3に示されるように、針落ちBの手前側に副送り歯61が設けられていると共に針落ちBの奥側に主送り歯62が設けられている。そして、上記針板9には、上記縫針2,3用の針孔9aが設けられていると共に、主・副送り歯62,61用の開口部9bが設けられている。
【0016】
主軸13と連動して上下動する上メス腕11には、上メス10が取り付けられており、この上メス10の下方には下メス12が配置されている。この下メス12は、下メスホルダ(不図示)に固定されており、この下メスホルダは、図示左右方向に位置調整可能にフレーム1に取付けられている。そして、上記主・副送り歯62,61により送られる加工布の端部を、上下動する上メス10と下メス12とが協働して切り揃える。
【0017】
フレーム1の上部には、図示左側から右側に向かって、左縫針2に針糸15を繰り出すための繰り出し部32、上ルーパー7にルーパー糸17を繰り出すための繰り出し部33、下ルーパー8にルーパー糸18を繰り出すための繰り出し部34が、それぞれ配設されている。これら繰り出し部(糸繰り出し装置)32,33,34は、それぞれステッピングモータ(糸繰り出し装置の駆動源)36a,36b,36cを備えて同様な機構なため、左針糸15の繰り出し部32を代表としてその構成を説明する。
【0018】
ステッピングモータ36aは、取付板100に螺子固定されており、このステッピングモータ36aの出力軸には、繰り出しローラ37が固定され、この繰り出しローラ37に対向して補助ローラ38,39が補助ローラ取付板40に回転可能に取り付けられている。この補助ローラ取付板40は、補助ローラレバー41の一端側に回転可能に取り付けられており、この補助ローラレバー41の他端側には、補助ローラばね42が掛けられている。すなわち、補助ローラ38,39は、補助ローラばね42の付勢力により、繰り出しローラ37に常時押し当てられている。
【0019】
以上のように、左針糸15の繰り出し部32は構成されており、ステッピングモータ36aが回転駆動すると、繰り出しローラ37と補助ローラ38,39との協働により針糸15が繰り出される。上ルーパー糸17の繰り出し部33、下ルーパー糸18の繰り出し部34についても、同様に構成されている。
【0020】
左針糸15の繰り出し部32と上ルーパー糸17の繰り出し部33との間には、右縫針3に右針糸を繰り出すための繰り出し部35が配設されている。この右針糸の繰り出し部35の繰り出しローラ44は、その駆動源を専用に有していない。すなわち、この繰り出しローラ44は、ギヤ43a,43b,43cを介して、上述した左針糸15の繰り出しローラ37に連結されており、当該左針糸15の繰り出しローラ37の回転に従って回転し、右針糸を繰り出す。なお、補助ローラの機構等は、上述した機構と同様である。
【0021】
また、各繰り出し部32〜35には、押え金5の上下動を行うための押え上げレバー(不図示)の動作に連動して、繰り出しローラから補助ローラを離す機構(不図示)が設けられている。
【0022】
また、上ルーパー糸用の繰り出し部33には、上ルーパー糸17の太さを検出する機構63が設けられており、下ルーパー糸用の繰り出し部34には、下ルーパー糸18の太さを検出する機構64が設けられている。これら糸太さ検出機構63,64は同様な機構なため、上ルーパー糸太さ検出機構63を代表として、図2を参照しながら、その構成を説明する。
【0023】
図2において、符号65は、補助ローラ38,39間に配置された糸検知ローラであり、この糸検知ローラ65は、糸検知ローラ取付板66の一端に回転可能に取付けられている。この糸検知ローラ取付板66の略中央部には、繰り出しローラ37に対向する方向に延びる長孔66aが形成されており、この長孔66aに、上記補助ローラ取付板40に突設された40aが遊嵌配置されている。糸検知ローラ取付板66の他端は、糸検知レバー67の一端に枢着されており、この糸検知レバー67の他端には、突部67aが形成されている。この糸検知レバー67は、その略中央部が、取付板100に突設されたピン100aに回転可能に取付けられている。
【0024】
上記取付板100にはまた、ポテンションメータ(上ルーパー糸太さ検出センサ)50が取付けられている。このポテンションメータ50の回転軸50aには、ポテンション接触子68が固定されており、このポテンション接触子68の上記回転軸50aに対して偏心した位置であって上記糸検知レバー67の突部67aに対向する下方位置に、ピン68aが突設されている。そして、このポテンション接触子68のピン68aとは反対側に、圧縮ばね69が掛けられており、この圧縮ばね69の付勢力により、ピン68aが突部67aに押し付けられている。すなわち、糸検知ローラ65は、圧縮ばね69の付勢力によって、繰り出しローラ37に常時押し当てられている。
【0025】
以上のように、上ルーパー糸太さ検出機構63は構成されており、糸検知ローラ65と繰り出しローラ37との間に挟まれる糸の太さが変わると、糸検知ローラ取付板66が繰り出しローラ37に対して接近または後退し、この糸検知ローラ取付板66の移動に伴って糸検知レバー67がピン100aを支点として揺動し、この糸検知レバー67の揺動に伴って糸検知レバー67の突部67aに当接しているピン68aが、ポテンションメータ24の回転軸24aを軸心として回動することによって、ポテンションメータ50が、糸の太さに相当した電圧を出力する。そして、下ルーパー糸太さ検出機構64についても、ポテンションメータ(下ルーパー糸太さ検出センサ)51を有して同様に構成されている。
【0026】
次に、上記糸繰り出し部32〜35の糸絡みを防止する構成について図1及び図4を参照しながら説明する。これら糸絡みを防止する構成は、糸繰り出し部32〜35で同様なため、下ルーパー糸用の糸繰り出し部34を代表として説明する。
【0027】
上述したフレーム1及び取付板100は金属よりなり、この取付板100はフレーム1に対して螺子固定されている。繰り出しローラ37は、導電性の合成樹脂の内周側に金属性のブッシュをインサート成形したものである。補助ローラ38,39は、内周側が導電性合成樹脂、外周側が導電性ゴムよりなり、外周側の部材を内周側の部材に圧入した一体ものとなっており、補助ローラ38,39を支持する軸、補助ローラ取付板40、補助ローラ取付板40を支持する軸、補助ローラレバー41等は金属により構成されている。上記導電性の合成樹脂は、静電気の帯電を少なくする目的で用いられている。
【0028】
繰り出しローラ37の上流には、糸駒からの下ルーパー糸18をガイドすると共に弱い張力を付与するベーステンション70が配置されている。このベーステンション70は、取付板100に螺子固定された金属性のガイド板70aを備えていると共に、このガイド板70a内に対向配置された除電ブラシ(導電性ブラシ)70b,70cを備えており、これら除電ブラシ70b,70cは、導電性の両面テープにより上記ガイド板70aに貼着されている。そして、これら除電ブラシ70b,70cの間を下ルーパー糸18が通過し、当該下ルーパー糸18が除電ブラシ70b,70cに接するように構成されている。上記除電ブラシ70b,70c及び後述する除電ブラシ71b,72b,73b,74b,75bは、静電気の帯電をフレーム1に逃がす目的で用いられている。
【0029】
繰り出しローラ37と上記ベーステンション70との間には、ベーステンション70からの下ルーパー糸18を繰り出しローラ37に導くようにガイドする糸案内71が配置されている。この糸案内71は、取付板100に螺子固定された金属性のガイド板71aを備えていると共に、このガイド板71aの右側部に導電性の両面テープにより貼着された除電ブラシ71bを備えている。そして、下ルーパー糸18は、ガイド板71aの中央部に形成された溝(不図示)にガイドされながら、上記除電ブラシ71b内を通過するように構成されている。
【0030】
繰り出しローラ37に対しては除電ブラシ72bが接するように配置されている。この除電ブラシ72bは、取付板100に螺子固定された金属性の除電ブラシ取付板72aに導電性の両面テープにより貼着されている。
【0031】
補助ローラ38,39に対しては、図2に示されるように、除電ブラシ74b,73bが接するように配置されている。これら除電ブラシ74b,73bは、上述した補助ローラ取付板40に導電性の両面テープにより貼着されている。
【0032】
繰り出しローラ37の下流には、図1に示されるように、繰り出しローラ37からの下ルーパー糸18を後述のルーパー天秤14に導くようにガイドする糸案内75が配置されている。この糸案内75は、図4に示されるように、取付板100に螺子固定された金属性のガイド板75aを備えていると共に、このガイド板75aの側部に導電性の両面テープにより貼着された除電ブラシ75bを備えている。そして、下ルーパー糸18は、ガイド板75aの中央部に形成された溝(不図示)にガイドされながら、上記除電ブラシ75b内を通過するように構成されている。
【0033】
なお、上記除電ブラシとしては、例えばカーボン繊維、アクリル+Cu、SUS304等多種知られているが、本実施形態においては、アクリル+Cu製が採用されている。
【0034】
また、除電ブラシ73b,74bに関しては何れか一方のみを設けるようにしても良い。
【0035】
次に、布厚を検出する装置の構成について図1を参照しながら説明する。フレーム1のアーム部1aの下側肉1cを挟むようにしてコの字状の布厚台20が配置されており、この布厚台20には、上下方向に貫くように上記押え棒6が挿入されている。すなわち、この布厚台20は、押え棒6により上下方向に移動可能に支持されていると共に、下側肉1cを挟むコの字状部分により上下方向の移動範囲が規制されている。また、縫製時には、図示を省略した付勢力により、布厚台20のコの字の上部下面が下側肉1cの上面に押し付けられている。この布厚台20の上部には、ポテンション作動板21が紙面に直交する方向に回転可能に取り付けられており、布厚台20の下部は下方に延在し、当該延在部分の下部に、布接触子22が紙面に直交する方向に回転可能に取り付けられている。そして、これらポテンション作動板21と布接触子22とは布厚リンク23により連結されている。
【0036】
布接触子22の図示手前側端部には、下方に突出する布接触部22aが設けられており、この布接触部22aは、押え金5に開口された開口部に挿入されている。上記ポテンション作動板21には、引っ張りばね(不図示)が掛けられており、この引っ張りばねにより上記布厚リンク23が下方に付勢され、これにより布接触子22の布接触部22aが針板9の上面に接している。この布接触部22aは、布送り方向(図における紙面手前側から奥側に向かう方向)に対向して、加工布を誘い込みやすい(加工布が進入しやすい)R形状にされている。
【0037】
フレーム1のアーム部1aには、ポテンションメータ(布厚センサ)24が取り付けられている。このポテンションメータ24の回転軸24aには、ポテンション接触子25が固定されており、このポテンション接触子25の上記回転軸24aに対して偏心した位置には、ポテンション接触子軸25aが突設されている。ポテンション接触子25には、引っ張りばね(不図示)が掛けられており、この引っ張りばねにより、ポテンション接触子軸25aが上記ポテンション作動板21に常時接している。
【0038】
従って、針板9と押え金5との間に加工布が進入すると、その布厚に応じて布接触子22が回動し、この回動に伴って布厚リンク23が上下動し、この上下動に伴ってポテンション作動板21が回動し、このポテンション作動板21に接するポテンション接触子軸25aが、ポテンションメータ24の回転軸24aを軸心として上記ポテンション作動板21の回動に追従して回動し、ポテンション接触子25が回動することによって、ポテンションメータ24が、加工布の布厚に相当した電圧を出力する。
【0039】
ルーパー天秤14は、3箇所の糸掛け部14a,14b,14cを備えており、糸掛け部14a,14cに上述した下ルーパー糸18が掛けられており、糸掛け部14b,14cに上述した上ルーパー糸17が掛けられている。そして、これら糸掛け部14a,14b,14cは、上記主軸13に連動して揺動し、上ルーパー糸17、下ルーパー糸18の締めを行う。
【0040】
針糸天秤19は板カムであり、上述した左針糸15または右針糸16が掛けられている。この板カム19は、主軸13に連動して回転し、当該カム形状により針糸15,16の締めを行う。
【0041】
送り調節摘み26は、フレーム1に回動可能に取り付けられており、この送り調節摘み26には、送り調節カム27が取り付けられている。この送り調節カム27には、送り調節リンク28の一端が連結されており、この送り調節リンク28の他端は、図示を省略した送り機構に連結されている。そして、送り調節摘み26を回転することによって、主・副送り歯62,61の水平方向の移動量が調節される。
【0042】
上記送り調節リンク28には開口部が形成されており、この開口部に、フレーム1に取り付けられた送りスライドボリューム(送り設定値センサ)29の作動部が介挿されている。そして、この作動部の位置に応じた、すなわち送り調節リンク28の位置に応じた電圧が送りスライドボリューム29より出力され、送り設定値が分かる。
【0043】
差動調節摘み56は、主送り歯62に対する副送り歯61の水平方向の移動量の比(差動比)を設定するものであり、差動送りを行わない場合には、差動比=1に設定されている。この差動調節摘み56は、フレーム1に回動可能に取り付けられており、この差動調節摘み56には、差動調節カム57が取り付けられている。この差動調節カム57には、差動調節リンク58の一端が連結されており、この差動調節リンク58の他端は、主送り歯62に対する副送り歯61の水平方向の移動量(差動量)を変更する機構(不図示)に連結されている。そして、差動調節摘み56を回転することによって、上記差動量が調節される。
【0044】
上記差動調節リンク58には開口部が形成されており、この開口部に、フレーム1に取り付けられた差動スライドボリューム(差動量センサ)52の作動部が介挿されている。そして、この作動部の位置に応じた、すなわち差動調節リンク58の位置に応じた電圧が差動スライドボリューム52より出力され、差動比が分かる。
【0045】
主軸13には、扇形状を呈する遮蔽板30aが位相をずらして2個取り付けられており、この遮蔽板30aに遮蔽され得る位置に、フォトセンサ30bがそれぞれ配設されている。従って、主軸13が回転すると、遮蔽板30aによりフォトセンサ30bが遮蔽または開口され、主軸13の位相が検出される。すなわち、これら遮蔽板30a,30aとフォトセンサ30b,30bにより、主軸センサ30が構成されている。
【0046】
この主軸位相情報を出力する主軸センサ30には、図5に示されるように、制御手段としてのCPU(マイクロコンピューター)80のその入力側が接続されている。
【0047】
このCPU80の入力側にはまた、布厚情報を出力するポテンションメータ(布厚センサ)24、送り設定情報(主送り歯62の送り量)を出力する送りスライドボリューム(送り設定値センサ)29、差動比を出力する差動スライドボリューム(差動量センサ)52、上ルーパー糸17の糸太さ情報を出力する上ルーパー糸太さ検出センサ50、下ルーパー糸18の糸太さ情報を出力する下ルーパー糸太さ検出センサ51がそれぞれのA/D変換器82,83,55,53,54を介して接続されている。
【0048】
CPU80の入力側にはさらにまた、ミシンをスタート/ストップさせるスタート/ストップスイッチ及び縫い模様(ステッチ)の種類を指示する模様選択スイッチ等を備えたキーマトリクス(ステッチ選択手段)81が接続されており、これら情報がCPU80に入力される。
【0049】
一方、CPU80の出力側には、ミシンのメインモータ92、ステッピングモータ36a,36b,36cがそれぞれの駆動回路91、88a,88b,88cを介して接続されており、これらにCPU80から駆動指令が与えられる。
【0050】
CPU80にはさらにまた、制御動作手順がプログラム及び固定データの形で格納されるROM93、演算に使用するデータや演算結果等を一時的に記憶するRAM94が接続されている。
【0051】
上記CPU80は、上記所定の入力信号に基づいて左針3本糸かがり縫いを実行させる所定の縫い制御手段(不図示)を備えている。この縫い制御手段は、勿論左針3本糸かがり縫い以外のかがり縫いや、所定のかがり幅の例えば幅広巻縫い、全巻き縫い、飾り縫い等を実行させることもできる。
【0052】
このCPU80はまた、差動調節摘み56から差動比S<1(主送り歯62の送り量>副送り歯61の場合)が与えられると、この差動調節摘み56からの差動比及び上述した送り設定値センサ29からの送り設定情報(主送り歯62の送り量)に基づいて、上記主軸センサ30からの所定の位相タイミングで針落ちBでの布送り量を演算する送り量補正演算手段80aを備えている。
【0053】
このCPU80はまた、上ルーパー糸太さ検出センサ50からの糸太さ情報、下ルーパー糸太さ検出センサ51からの糸太さ情報、キーマトリクス81の縫い模様選択スイッチからの選択模様情報、布厚センサ24からの布厚情報、送り設定値センサ29からの送り設定情報(主送り歯62の送り量)に基づいて、上記主軸センサ30からの所定の位相タイミングで針糸15(16)、上ルーパー糸17、下ルーパー糸18の糸繰り出し量を個別に演算する一方で、前述した差動比S<1の場合には、送り設定値センサ29からの送り設定情報に代えて、前述した送り量補正演算手段80cにより演算された針落ちでの布送り量を用いて、上述した針糸15(16)、上ルーパー糸17、下ルーパー糸18の糸繰り出し量を個別に演算する糸繰り出し量演算手段80bを備えている。
【0054】
このCPU80はさらにまた、上記主軸センサ30からの所定の位相タイミングで上記求められた糸繰り出し量を繰り出す駆動指令を駆動回路88a,88b,88cに送出する糸繰り出し制御手段80cを備えている。
【0055】
次に、このように構成されたかがり縫いミシンの動作について以下説明する。左針3本糸かがり縫いを行う場合には、作業者は先ず、押え上げレバーを上げることにより加工布をセットすると共に、左針糸15、上ルーパー糸17、下ルーパー糸18を、図1に示したように糸掛けする。
【0056】
この時、押え上げレバーに連動して、糸繰り出し部32〜35全ての補助ローラ取付板40が繰り出しローラ37から離れる方向に移動し、この移動により補助ローラ38,39が繰り出しローラ37から離れると共に、糸繰り出し部33,34にあっては、補助ローラ取付板40の移動により糸検知ローラ取付板66も繰り出しローラ37から離れる方向に移動し、この移動により糸検知ローラ65も繰り出しローラ37から離れる。このため、繰り出しローラ37に対して各糸をセットする際に、補助ローラ38,39、糸検知ローラ65が邪魔になることがなく、容易に各糸をセットできる。なお、糸を交換する場合も同様に、補助ローラ38,39、糸検知ローラ65が邪魔になることはない。
【0057】
そして、キーマトリクス81の縫い模様選択スイッチにより左針3本糸かがり縫いを選択し、上記キーマトリクス81のスタート/ストップスイッチのスタートスイッチをオンすると、メインモータ92が駆動を開始する。この時、上記CPU80は、上ルーパー糸太さ検出センサ50からの糸太さ情報、下ルーパー糸太さ検出センサ51からの糸太さ情報をそれぞれ読み込み、それぞれの糸太さが所定値未満か以上かを判断する。
【0058】
ここで、本実施形態においては、上記所定値を、通常のかがり縫いに使用される糸と例えば飾り縫い等に使用されるかなり太い糸とを区別する値として、例えば0.2mmに設定している。
【0059】
そして、CPU80は、糸太さが0.2mm未満の場合には、上記かがり縫いに使用される糸と判断してこの糸太さに対応し且つ上記キーマトリクス81の縫い模様選択スイッチにより選択されたステッチ(本実施形態では左針3本糸かがり縫い)に対応する糸繰り出し量を演算するための演算式を、ROM93からRAM94に読み出し、糸太さが0.2mm以上の場合には、例えば飾り縫い等に使用されるかなり太い糸と判断してこの糸太さに対応し且つ上記キーマトリクス81の縫い模様選択スイッチにより選択されたステッチに対応する糸繰り出し量を演算するための演算式を、ROM93からRAM94に読み出す。
【0060】
この演算式は、針糸15、上ルーパー糸17、下ルーパー糸18のそれぞれに対応して個別にあり、針糸15の糸繰り出し量Q1、上ルーパー糸17の糸繰り出し量Q2、下ルーパー糸18の糸繰り出し量Q3は以下の式(1)〜式(3)で表される。
Q1=F+D+A+A10 …………………………………………(1)
Q2=F+D+A1+A11 …………………………………………(2)
Q3=F+D+A2+A12 …………………………………………(3)
ここで、Fは送りピッチ(主送り歯62の送り量)、Dは加工布の布厚データ、A,A1,A2はかがり幅、ステッチ種類等により変わる補正値、A10,A11,A12は上記糸太さが0.2mm未満か以上かで変わる補正値である。
【0061】
上記加工布の布厚データDは上記布厚センサ24から得られ、上記送りピッチFは上記送り設定値センサ29から得られる。
【0062】
また、この時、CPU80は、上記差動調節摘み56を監視しており、当該差動調節摘み56から差動比S<1を検出すると、主送り歯62及び副送り歯61の両送りを考慮した針落ちでの布送り量F’を演算するための演算式を、ROM93からRAM94に読み出す。この布送り量F’の演算式は以下の式(4)で表される。
【0063】
F’=F−(aF−b)・(1−S)…………………………………(4)
ここで、Fは上述した主送り歯62の送り量、Sは上述した差動比、a,bは所定の係数である。
【0064】
さて、上述したようにメインモータ92が駆動を開始すると、主軸13が回転し、左針3本糸かがり縫いが開始される。すると、加工布は、下メス12と上メス10の協働により切り揃えられ、左縫針2と上、下ルーパー7,8との協働により、切り揃えられた加工布の端部にかがり縫目が形成されていく。
【0065】
この時、主軸センサ30からは、図6(a)、(b)に示されるような2つの位相信号SYNC1、SYNC2が出力される。上記CPU80は、SYNC2の立ち下がりエッジa4(210°)を検出すると、このタイミングで上記布厚センサ24からの布厚データD及び上記送り設定値センサ29からの送りピッチFを読み込む。そして、上述した各演算式(1)〜(3)に上記布厚データD及び上記送りピッチFを代入し、当該糸繰り出し量Q1、Q2、Q3をそれぞれ求める。なお、0°が針上死点である。
【0066】
ここで、差動比S>1の場合には、上記CPU80は、SYNC2の立ち下がりエッジa4(210°)を検出すると、このタイミングで差動調節摘み56から差動比Sをさらに読み込む。そして、上述した演算式(4)に差動比S及び上記読み込んだ送りピッチFを代入し、当該針落ちでの布送り量F’を求める。そうしたら、CPU80は、上記送りピッチ(主送り歯62の送り量)Fに代えて、この針落ちでの布送り量F’を上述した各演算式(1)〜(3)に代入すると共に、上記読み込んだ布厚データD及び送りピッチFを各演算式(1)〜(3)に代入し、当該糸繰り出し量Q1、Q2、Q3をそれぞれ求める。
【0067】
続いて、上記CPU80が、SYNC1の立ち上がりエッジa1(20°)を検出すると、このタイミングで上記ステッピングモータ36aを駆動させ、針糸15を、演算により求めた針糸15の糸繰り出し量で繰り出させる。実際には、繰り出しローラ37の直径と糸繰り出し量とに基づいて、当該糸繰り出し量を繰り出し得るステッピングモータ36aの回転角を決定し、この回転角に相当するステップ数でステッピングモータ36aを駆動することになる。
【0068】
この時、回転する繰り出しローラ37の外周面に上述した除電ブラシ72bが接し、回転する補助ローラ39,38の外周面に上述した除電ブラシ73b,74bが接する。また、針糸15は、上述した除電ブラシ70b,70c,71b,75bに接しながら繰り出される。なお、後述する上ルーパー糸用の繰り出し部33、下ルーパー糸用の繰り出し部34においても、除電ブラシは、この針糸用の繰り出し部32の場合と同様に作用する。
【0069】
続いて、上記CPU80が、SYNC1の立ち下がりエッジa2(160°)を検出すると、このタイミングで上記ステッピングモータ36bを駆動させ、上ルーパー糸17を、演算により求めた上ルーパー糸17の糸繰り出し量で上記針糸15の場合と同様に繰り出させる。
【0070】
続いて、上記CPU80が、SYNC2の立ち下がりエッジa4(210°)を検出すると、このタイミングで上記ステッピングモータ36cを駆動させ、下ルーパー糸18を、演算により求めた下ルーパー糸18の糸繰り出し量で上記針糸15の場合と同様に繰り出させる。また、CPU80は、このタイミングと同時に、布厚データD及び送りピッチFを読み込むと共に、差動比S>1の場合には、差動比Sを読み込み、次の糸繰り出し量Q1、Q2、Q3をそれぞれ求める。以上の動作を繰り返すことにより、切り揃えられた加工布の端部にかがり縫目が形成されていく。
【0071】
ここで、本実施形態において、針糸繰り出し位相を20°、上ルーパー糸繰り出し位相を160°、下ルーパー糸繰り出し位相を210°にそれぞれ設定した理由について説明する。図7は本実施形態のミシンを皿圧式の糸調子器に変更してかがり縫いを行った時の各糸の張力変化と位相との関係を表した特性図である。
【0072】
図中の谷の部分ほど張力が高くなっていることを示しており、各糸とも張力が最大になった後を上述した繰り出し位相にしている。すなわち、これら繰り出し位相で各糸を繰り出すことにより、繰り出された糸が確実に縫目に消費されるようになっている。
【0073】
このように、本実施形態においては、主送り歯62の送り量>副送り歯61の送り量(差動比S<1)の場合、CPU80よって、主送り歯62と副送り歯61の差動に応じた針落ちBでの加工布の送り量F’を、例えば主送り歯62の送り量F、差動比Sに基づいて求め、1針毎に縫目に必要な糸量Q1,Q2,Q3を、この求めた送り量F’に基づいて求め、この求めた糸量Q1,Q2,Q3を供給するように糸繰り出し部32〜34のステッピングモータ36a,36b,36cを制御するようにしているため、差動送りを行う場合において、針落ちBで必要な糸量を供給することができ、綺麗な縫目を形成できるようになっている。
【0074】
なお、差動比S>1の場合、すなわちギャザリング縫いを行う場合、上記求めた針落ちBでの加工布の送り量F’が、主送り歯62の送り量Fより大きくなり、供給する糸量がギャザリング縫いにとって過剰となってしまうため、本実施形態においては、演算式(1)〜(3)に用いる送り量を、従来と同様な主送り歯62の送り量Fとしている。従って、ギャザリング縫いに対しても必要な糸量を供給することができ、ギャザリング縫いの場合にも綺麗な縫目を形成できるようになっている。
【0075】
また、本実施形態においては、以下の効果もある。すなわち、糸太さを検出してそれに合った糸量を繰り出すようにしているため、より奇麗な縫目を形成できるようになっている。
【0076】
また、糸検知ローラ65を、繰り出しローラ37よりも上流(繰り出しローラ37と糸駒との間)に設けると、繰り出しローラ37上流での糸道抵抗となって、伸びる糸と伸びない糸とで繰り出し量に差が生じ、繰り出し精度が低下するという問題があり、また検知ローラ65を、繰り出しローラ37よりも下流に設けると、繰り出した糸が縫目に消費されずらくなるという問題があるが、本実施形態においては、糸検知ローラ65を、補助ローラ38,39の間に設けるようにしているため、上記問題点の解消が図られている。
【0077】
また、繰り出しローラ37及び補助ローラ38,39を、導電性の合成樹脂より構成したため、静電気の帯電が少なく、ローラ37,38,39への糸絡みを防止できるようになっていると共に、合成樹脂により慣性モーメントを小さくでき、多量の糸量の繰り出しが可能となって、高速繰り出しを行うことができるようになっている。
【0078】
また、上記繰り出しローラ37、補助ローラ38,39に多少の静電気が帯電しても、繰り出しローラ37に接する除電ブラシ72b、補助ローラ38,39に接する除電ブラシ74b,73bにより、速やかに静電気をフレーム1に拡散するようにしているため、ローラ37,38,39への糸絡みを、より防止できるようになっている。
【0079】
また、ベーステンション70、糸案内71,75に、除電ブラシ70b,70c、71b,75bを設けるようにしているため、例えば化織糸等で発生しやすい静電気を速やかに当該ベーステンション70、糸案内71,75を介してフレーム1に放散でき、ローラ37,38,39への糸絡みを、より防止できるようになっていると共に他の部材に対する糸絡みも防止できるようになっている。
【0080】
また、ステッピングモータ36a〜36cの出力軸と取付面とは、例えば軸受部の油や隙間等によりかなりの抵抗値があり、そのままでは除電し難いが、本実施形態においては、繰り出しローラ37の外周面に除電ブラシ72bを接するようにしているため、ほぼ完全に繰り出しローラ37の外周面の帯電を除去できるようになっている。
【0081】
また、繰り出しローラ37に接する除電ブラシ72b、補助ローラ38,39に接する除電ブラシ74b,73bを、通常の糸の経路を阻害しない位置に配置すると共に、繰り出しローラ37と補助ローラ38,39とが接触する位置に出来るだけ近付けて配置しているため、静電気及び静電気以外によるローラ37,38,39への絡み付き(毛の引っ掛かり)を、短い糸の内に食い止めることができ、糸絡みを完全に防止できるようになっている。
【0082】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例えば、上記実施形態においては、糸検知ローラ65を、補助ローラ38,39の間に設けるようにしているが、これに代えて、繰り出しローラ37の上流または下流に、例えばホール素子等を利用して糸道抵抗を小さくした糸太さ検出装置を設けるようにしても良い。
【0083】
また、上記実施形態においては、糸の太さを0.2mmを基準として、通常の太さの糸とかなり太い糸の2通りに分けるようにしているが、3通り以上に分けても良い。
【0084】
また、上記実施形態においては、繰り出しローラ37を、導電性の合成樹脂の内周側に金属性のブッシュをインサート成形したものとしているが、導電性の合成樹脂としたものまたは外周側を導電性の合成樹脂、内周側を金属性ブッシュとしたものに対してその外周面に導電性の薄い金属箔を形成したものや、薄い金属板を圧入したもの、またはクロムメッキ等を施したものを繰り出しローラとしても良い。このように構成した場合には、繰り出しローラの慣性モーメントを少なくできると共に静電気の帯電もなく、糸絡みを防止できる。
【0085】
また、上記実施形態において、各種演算を行うことにより演算値を求めるようにしているが、当該演算値をデータテーブルにより求めることも勿論可能である。
【0086】
なお、本発明は、かがり縫いミシンに対してのみに適用されるものではなく、他のミシンに対しても適用でき、要は主送り歯及び副送り歯を備えると共に糸繰り出し装置を備えたミシン全てに対して適用可能である。
【0087】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の糸繰り出し装置を備えたミシンは、主送り歯と副送り歯の送り量が異なる場合、制御手段によって、主送り歯と副送り歯の差動に応じた針落ちでの被縫製物の送り量を、主送り歯の送り量、主送り歯と副送り歯の差動比に基づいて求め、1針毎に縫目に必要な糸量を、この求めた送り量に基づいて求め、この求めた糸量を供給するように糸繰り出し装置の駆動源を制御し、差動送りを行う場合において、針落ちで必要な糸量を供給するように構成したものであるから、綺麗な縫目を形成でき、縫製品質を向上することが可能となる。
【0088】
ここで、主送り歯の送り量<副送り歯の送り量の場合、すなわちギャザリング縫いを行う場合、求めた針落ちでの被縫製物の送り量は、主送り歯の送り量より大きくなり、供給する糸量がギャザリング縫いにとって過剰となってしまうが、主送り歯の送り量<副送り歯の送り量の場合には、制御手段によって、ギャザリング縫いを最適に行い得るように、主送り歯の送り量に基づいて1針毎に縫目に必要な糸量を求め、ギャザリング縫いに対しても必要な糸量を供給するように構成したものであるから、ギャザリング縫いの場合も綺麗な縫目を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したかがり縫いミシンを表した正面構成図である。
【図2】同上ミシンのルーパー糸繰り出し部を表した正面図である。
【図3】同上ミシンの針板を表した平面図である。
【図4】同上ミシンの糸繰り出し部における除電ブラシ及び繰り出しローラを表したものであり、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は下面図である。
【図5】同上ミシンの制御系を表したブロック図である。
【図6】各糸の繰り出し量を演算する演算時期及び繰り出し時期を表したタイミングチャートである。
【図7】1本針3本糸かがり縫いを行う場合であって皿圧式の糸調子器を用いた場合における位相に対する各糸の張力変化を表した線図である。
【符号の説明】
15,17,18 糸
29 送り量センサ
32〜35 糸繰り出し装置
36a〜36c 駆動源
52 差動量センサ
61 副送り歯
62 主送り歯
80 制御手段
80a 送り量補正演算手段
80b 糸繰り出し量演算手段
80c 糸繰り出し制御手段
B 針落ち
Claims (1)
- 針落ちの前後に配置されて被縫製物を送る主送り歯及び副送り歯と、駆動源の駆動により縫目に糸を供給する糸繰り出し装置と、前記主送り歯の送り量に基づいて1針毎に縫目に必要な糸量を求め、この求めた糸量を供給するように前記駆動源を制御する制御手段と、を有する糸繰り出し装置を備えたミシンにおいて、
前記制御手段は、前記主送り歯の送り量が副送り歯より大きい場合には当該主送り歯の送り量F・差動比Sに基づいて前記針落ちでの布送り量F’を求め、この求めた布送り量F’に基づいて糸繰り出し量を演算する一方、前記副送り歯の送り量が主送り歯の送り量より大きい場合には前記主送り歯の送り量Fを針落ちでの布送り量として演算し、その結果に基づいて糸繰り出し量を制御するように構成されていることを特徴とする糸繰り出し装置を備えたミシン。
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