JP2015010079A - アゾールシラン化合物、該化合物の合成方法及びその利用 - Google Patents

アゾールシラン化合物、該化合物の合成方法及びその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】アゾールシラン化合物、その合成法ならびに該化合物を成分とするシランカップリング剤を提供する。
【解決手段】化学式(I)で示されるアゾールシラン化合物。化学式(II)で示される化合物と、化学式(III)で示される化合物を反応させる。
Figure 2015010079

【選択図】なし

Description

本発明は、新規なアゾールシラン化合物に関するものである。
シランカップリング剤の成分として、有機物とケイ素から構成される物質が使用されている。この物質は分子中に種類の異なる官能基を有しており、通常では馴染まない有機材料と無機材料を結ぶ仲介役としての機能を発揮する。そのため、複合材料の開発や生産には不可欠の薬剤である。
特許文献1には、ガラスや金属とゴムの接着用プライマーに使用されるシランカップリング剤の成分として、トリアゾールやチアジアゾール等の含窒素複素環と、トリメトキシシリル基やトリエトキシシリル基等のシリル基が、チオエーテル(スルフィド)結合等を有する有機基を介して結合された構造の物質が種々提案されている。
特開2002−363189号公報
本発明は、新規なアゾールシラン化合物及びその合成方法ならびに、当該アゾールシラン化合物を成分とするシランカップリング剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アゾール化合物とハロゲン化アルキルシラン化合物を反応させることにより、新規なアゾールシラン化合物を合成し得ることを認め、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、第1の発明は、化学式(I)で示されるアゾールシラン化合物である。
Figure 2015010079
(式中、Xは水素原子、−CH、−NH、−SHまたは−SCHを表し、Yは−NH−または−S−を表し、Rは−CHまたは−CHCHを表す。nは1〜12の整数を表す。)
第2の発明は、化学式(II)で示されるアゾール化合物と、化学式(III)で示されるハロゲン化アルキルシラン化合物を反応させることを特徴とする第1の発明のアゾールシラン化合物の合成方法である。
第3の発明は、第1の発明のアゾールシラン化合物、または第2の発明の合成方法により合成されるアゾールシラン化合物を成分とすることを特徴とするシランカップリング剤である。
Figure 2015010079
(式中、XおよびYは前記と同様である。)
Figure 2015010079
(式中、Rおよびnは前記と同様である。Halは塩素原子,臭素原子または沃素原子を表す。)
本発明のアゾールシラン化合物は、分子中にアルコキシシリル基と共にアゾール環を有する物質であるので、これを成分とすることにより、アゾール化合物の特徴である金属を防錆する機能と、エポキシ樹脂やウレタン樹脂を硬化させる機能を付加したシランカップリング剤とすることが期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアゾールシラン化合物は、前記の化学式(I)で示されるものであり、例えば、
3−トリメトキシシリルメチルチオ−1,2,4−トリアゾール、
3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−[6−(トリエトキシシリル)ヘキシルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−[12−(トリメトキシシリル)ドデシルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチル−5−[2−(トリエトキシシリル)エチルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチル−5−[4−(トリメトキシシリル)ブチルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチル−5−[10−(トリメトキシシリル)デシルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−トリエトキシシリルメチルチオ−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−[6−(トリメトキシシリル)ヘキシルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−[12−(トリメトキシシリル)ドデシルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メルカプト−5−[2−(トリメトキシシリル)エチルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メルカプト−5−[5−(トリメトキシシリル)ペンチルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メルカプト−5−[8−(トリメトキシシリル)オクチルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチルチオ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチルチオ−5−[10−(トリメトキシシリル)デシルチオ]−1,2,4−トリアゾール、
3−メチルチオ−5−[4−(トリエトキシシリル)ブチルチオ]−1,2,4−トリアゾール(以上、Yが−NH−の場合)や、

2−トリメトキシシリルメチルチオ−1,3,4−チアジアゾール、
2−[6−(トリメトキシシリル)ヘキシルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−[8−(トリエトキシシリル)オクチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
5−メチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
5−メチル−2−[5−(トリメトキシシリル)ペンチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
5−メチル−2−[12−(トリエトキシシリル)ドデシルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−アミノ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−アミノ−5−[8−(トリメトキシシリル)オクチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−アミノ−5−[2−(トリエトキシシリル)エチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−アミノ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メルカプト−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メルカプト−5−[5−(トリメトキシシリル)ペンチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メルカプト−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メルカプト−5−[10−(トリエトキシシリル)デシルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メチルチオ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メチルチオ−5−[4−(トリメトキシシリル)ブチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メチルチオ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾール、
2−メチルチオ−5−[8−(トリエトキシシリル)オクチルチオ]−1,3,4−チアジアゾール(以上、Yが−S−の場合)等を挙げることができる。
本発明のアゾールシラン化合物は、化学式(II)で示されるアゾール化合物と、化学式(III)で示されるハロゲン化アルキルシラン化合物を、脱ハロゲン化水素剤の存在下、適量の反応溶媒中において適宜の反応温度および反応時間にて反応させることにより、概ね高収率で合成することができる(反応スキーム(A)参照)。
Figure 2015010079
(式中、X、Y、R、Halおよびnは、前記と同様である。)
前記のアゾール化合物は、
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、
3−メチル−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、
3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール、
3−メルカプト−5−メチルチオ−1,2,4−トリアゾール、
2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、
2−メルカプト−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール及び
2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール
を包含する
前記のハロゲン化アルキルシラン化合物としては、
クロロメチルトリメトキシシラン、
クロロメチルトリエトキシシラン、
2−クロロエチルトリメトキシシラン、
2−クロロエチルトリエトキシシラン、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルトリエトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリメトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリエトキシシラン、
4−ブロモブチルトリメトキシシラン、
4−ブロモブチルトリエトキシシラン、
5−ブロモペンチルトリメトキシシラン、
5−ブロモペンチルトリエトキシシラン、
6−ブロモヘキシルトリメトキシシラン、
6−ブロモヘキシルトリエトキシシラン、
8−ブロモオクチルトリメトキシシラン、
8−ブロモオクチルトリエトキシシラン、
10−ブロモデシルトリメトキシシラン、
10−ブロモデシルトリエトキシシラン、
12−ブロモドデシルトリメトキシシラン及び
12−ブロモドデシルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
前記の反応溶媒としては、アゾール化合物とハロゲン化アルキルシラン化合物に対して不活性な溶剤であれば特に限定されず、例えば、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶剤;
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;
メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;
アセトニトリル、ジメチルスルホキシドやヘキサメチルホスホロアミド等を挙げることができる。
前記の脱ハロゲン化水素剤としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸アルカリ塩;
ジアザビシクロウンデセン等の有機塩基や水素化ナトリウム等を挙げることができる。
本発明に係るアゾール化合物とハロゲン化アルキルシラン化合物の反応は、前記の反応スキーム(A)に示される如く、化学量論的に進行するが、アゾール化合物の使用量(仕込量)に対する、ハロゲン化アルキルシラン化合物の使用量(仕込量)は、反応温度や反応時間の他、使用する原料や反応溶媒の種類、反応スケール等の要因を考慮して、0.8〜1.2倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
ハロゲン化アルキルシラン化合物の仕込み量が1.2倍モルよりも多いと、該化合物が重合してゲル化する惧れがあり、0.8倍モルよりも少ないと、生成物の純度が低下したり、生成物の分離操作が煩雑になる等の惧れがある。
また、脱ハロゲン化水素剤は、アゾール化合物とハロゲン化アルキルシラン化合物の反応により副生するハロゲン化水素を中和する為に使用されるので、その使用量(仕込量)は、ハロゲン化アルキルシラン化合物の使用量に対して等モル以上であればよい。
前記の反応温度は、アゾール化合物のメルカプト基と、ハロゲン化アルキルシラン化合物が反応する温度範囲であれば特に限定されないが、0〜150℃の範囲が好ましく、5〜100℃の範囲がより好ましい。
前記の反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、30分〜10時間の範囲が好ましく、1〜5時間の範囲がより好ましい。
本発明のアゾールシラン化合物を成分とするシランカップリング剤を使用するに当たっては、従来のシランカップリング剤の場合と同様な表面処理方法を採用することができる。
この表面処理方法としては、例えば、(a)適宜量のシランカップリング剤を有機溶剤により希釈した処理液を基材にスプレー塗布する方法、(b)同シランカップリング剤を水−有機溶剤により希釈した処理液を基材にスプレー塗布する方法、(c)同シランカップリング剤を有機溶剤により希釈した処理液に基材を浸漬する方法、(d)同シランカップリング剤を水−有機溶剤により希釈した処理液に基材を浸漬する方法等を挙げることができる。
前記の有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、へプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン等の炭化水素系溶剤;
ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶剤などを挙げることができる。
また、本発明のアゾールシラン化合物を成分とするシランカップリング剤により処理される基材としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミノケイ酸塩、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化鉄、二酸化チタン、マイカ等の粒状物や、ガラス繊維、ナイロン繊維、炭素繊維等の繊維状物、織物や、ガラス板、アルミニウム板、銅板、銅箔、銅メッキ膜、鋼板、鉄板、ステンレス板等を挙げることができる。
このような表面処理を基材に施すことにより、基材の表面の親油性が高まって、樹脂等に対する親和性(接着性、密着性)を向上させることができる。
なお、この処理による効果をより発揮させるために、表面処理した基材を更に加熱処理してもよい。
以下、本発明を実施例(合成試験、評価試験)によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、合成試験に使用したアゾール化合物およびハロゲン化アルキルシラン化合物は、以下のとおりである。
[アゾール化合物]
・3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール:東京化成工業社製
・3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール:同上
・5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール:同上
・5−メチル−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール:同上
・2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール:同上
・2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール:同上
・2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール:同上
[ハロゲン化アルキルシラン化合物]
・3−ヨードプロピルトリメトキシシラン:シグマ−アルドリッチ社製
・3−クロロプロピルトリエトキシシラン:信越化学工業社製
・6−ブロモヘキシルトリメトキシシラン:「D. Zhang et al., Tetrahedron 2007, 63(23), 5076-5082」に記載の方法に従って合成した
・5−ブロモペンチルトリメトキシシラン:同上
・8−ブロモオクチルトリメトキシシラン:同上
シランカップリング剤の評価試験として採用した、銅と樹脂の接着性の試験方法を以下に示す。
[接着性試験]
(1)試験片
電解銅箔(厚み:18μm)を試験片として使用した。
(2)試験片の処理
以下の工程a〜cに従って行った。
a.酸清浄/1分間(室温)、水洗
b.酸清浄/1分間(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
c.実施例の表面処理液に浸漬/1分(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
(3)試験片と樹脂の接着
処理した試験片のS面に、ガラス布エポキシ樹脂含浸プリプレグ(FR−4グレード)を積層プレスし、試験片と樹脂を接着した。
(4)接着性の評価
「JIS C6418」に従って、幅10mmの試験片を作成し、プレッシャークッカー処理(121℃/湿度100%/100時間)した後、銅箔の引き剥がし強さを測定した。
[実施例1]
<3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾールの合成>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール3.0g(30mmol)および脱水メタノール50mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液5.8g(30mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン8.7g(30mmol)および脱水メタノール10mLからなる溶液を、室温にて10分間かけて滴下し、更に27〜30℃にて3時間30分間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物12.5gをジエチルエーテル40mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、微黄褐色の油状物7.3g(27mmol、収率92.3%)を得た。
得られた油状物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:11.94(br.s, 1H), 8.21(s, 1H), 3.56(s,
9H), 3.16(t, 2H), 1.85(m, 2H), 0.80(t, 2H).

また、この油状物のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた油状物は、化学式(IV)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例2]
<3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾールの合成>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール3.0g(30mmol)および脱水エタノール50mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液10.2g(30mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、3−クロロプロピルトリエトキシシラン6.74g(30mmol)および脱水エタノール10mLからなる溶液を、室温にて10分間かけて滴下し、更に78℃にて6時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物10.8gをジエチルエーテル40mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、微黄褐色の油状物7.8g(25mmol、収率85.7%)を得た。
得られた油状物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (CDCl3) δ:10.34(br.s, 1H), 8.10(s, 1H), 3.83(q,
6H), 3.17(t, 2H), 1.86(m, 2H), 1.22(t, 9H), 0.80(t, 2H).

また、この油状物のIRスペクトルデータは、図2に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた油状物は、化学式(V)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例3]
<3−アミノ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾールの合成>
3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール6.96g(60mmol)および脱水メタノール100mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、ナトリウムメトキシド(固体)3.24g(60mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン17.42g(60mmol)および脱水メタノール20mLからなる溶液を、室温にて30分間かけて滴下し、更に27〜30℃にて3時間30分間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物26.4gをジエチルエーテル100mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、微黄褐色の油状物9.20g(33mmol、収率55.1%)を得た。
得られた油状物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:11.85(br.s, 1H), 6.01(br.s, 2H),
3.46(s, 9H), 2.93(t, 2H), 1.67(quint, 2H), 0.69(t, 2H).

また、この油状物のIRスペクトルデータは、図3に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた油状物は、化学式(VI)で示される標題のトリアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例4]
<3−アミノ−5−[6−(トリメトキシシリル)ヘキシルチオ]−1,2,4−トリアゾールの合成>
3−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾール3.48g(30mmol)および脱水メタノール50mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液5.8g(30mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、6−ブロモヘキシルトリメトキシシラン9.4g(30mmol)および脱水メタノール10mLからなる溶液を、室温にて10分間かけて滴下し、更に60℃にて6時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物14.2gをジエチルエーテル40mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、微黄褐色の油状物5.3g(16mmol、収率52%)を得た。
得られた油状物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:5.94(s, 2H), 3.45(s, 9H), 2.93(t, 2H),
1.59(m, 2H), 1.4-1.2(m, 6H), 0.57(m, 2H).

また、この油状物のIRスペクトルデータは、図4に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた油状物は、化学式(VII)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例5]
<3−アミノ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,2,4−トリアゾールの合成>
3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール3.48g(30mmol)および脱水エタノール50mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液10.2g(30mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、3−クロロプロピルトリエトキシシラン6.74g(30mmol)および脱水エタノール10mLからなる溶液を、同温度にて10分間かけて滴下し、更に78℃にて6時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物10.8gをジエチルエーテル40mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、微黄褐色の結晶7.8g(25mmol、収率85.7%)を得た。
得られた結晶の融点およびH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・融点:56〜57℃
1H-NMR (CDCl3) δ:11.21(br.s, 1H), 5.06(s, 2H), 3.81(q,
6H), 3.06(t, 2H), 1.81(m, 2H), 1.21(t, 9H), 0.77(t, 2H).

また、この結晶のIRスペクトルデータは、図5に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた結晶は、化学式(VIII)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例6]
<5−メチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾールの合成>
5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール7.9g(60mmol)および脱水メタノール100mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液11.6g(60mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン17.4g(60mmol)および脱水メタノール20mLからなる溶液を、室温にて30分間かけて滴下し、更に34〜40℃にて4時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物26.5gをジエチルエーテル80mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、微黄褐色の油状物16.9g(60mmol、収率99.9%)を得た。
得られた油状物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (CDCl3) δ:3.56(s, 9H), 3.31(t, 2H), 2.71(s, 3H), 1.92(m,
2H), 0.80(t, 2H).

また、この油状物のIRスペクトルデータは、図6に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた油状物は、化学式(IX)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例7]
<5−メチル−2−[5−(トリメトキシシリル)ペンチルチオ]−1,3,4−チアジアゾールの合成>
5−メチル−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール3.3g(25mmol)および脱水メタノール40mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液4.8g(25mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、5−ブロモペンチルトリメトキシシラン6.8g(25mmol)および脱水メタノール10mLからなる溶液を室温にて10分間かけて滴下し、更に60℃にて6時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物10.4gをジエチルエーテル40mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、微黄褐色の油状物6.1g(19mmol、収率75.7%)を得た。
得られた油状物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:3.47(s, 9H), 3.24(t, 2H), 2.69(s, 3H),
1.71(m, 2H), 1.5-1.3(m, 4H), 0.60(t, 2H).

また、この油状物のIRスペクトルデータは、図7に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた油状物は、化学式(X)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例8]
<2−アミノ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾールの合成>
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール8.0g(60mmol)および脱水メタノール90mLからなる懸濁液に、室温にてナトリウムメトキシド(固体)3.24g(60mmol)を加えて均一溶液とした後、30分間攪拌し、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン17.4g(60mmol)および脱水メタノール17mLからなる溶液を30分間かけて滴下し、更に37〜40℃にて5時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物27.1gにジエチルエーテル100mLを加え攪拌し、不溶物をろ去した後、減圧濃縮して、微黄褐色の結晶17.5g(59mmol、収率98.7%)を得た。
得られた結晶の融点およびH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・融点:42℃
1H-NMR (DMSO-d6) δ:7.28(br.s, 2H), 3.47(s, 9H), 3.03(t,
2H), 1.69(quint, 2H), 0.72(t, 2H).

また、この結晶のIRスペクトルデータは、図8に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた結晶は、化学式(XI)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例9]
<2−アミノ−5−[8−(トリメトキシシリル)オクチルチオ]−1,3,4−チアジアゾールの合成>
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール3.33g(25mmol)および脱水メタノール40mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液4.8g(25mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、8−ブロモオクチルトリメトキシシラン7.80g(25mmol)および脱水メタノール10mLからなる溶液を室温にて10分間かけて滴下し、更に60℃にて6時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物11.9gをジエチルエーテル40mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、微黄褐色の油状物4.1g(12mmol、収率45.0%)を得た。
得られた油状物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.25(s, 2H), 3.45 (s, 9H), 3.03(t,
2H), 1.62(m, 2H), 1.4-1.2(m, 10H), 0.57(t, 2H).

また、この油状物のIRスペクトルデータは、図9に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた油状物は、化学式(XII)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例10]
<2−アミノ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾールの合成>
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール3.99g(30mmol)および脱水エタノール50mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液10.2g(30mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、3−クロロプロピルトリエトキシシラン6.74g(30mmol)および脱水エタノール10mLからなる溶液を、室温にて10分間かけて滴下し、更に78℃にて6時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物11.6gをジエチルエーテル40mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、微黄褐色の結晶9.1g(26mmol、収率89.8%)を得た。
得られた結晶の融点およびH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
・融点:66〜68℃
1H-NMR (CDCl3) δ:5.82(s, 2H), 3.81(q, 6H), 3.14(t, 2H),
1.85(m, 2H), 1.21(t, 9H), 0.77(t, 2H).

また、この結晶のIRスペクトルデータは、図10に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた結晶は、化学式(XIII)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例11]
<2−メルカプト−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾールの合成>
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール9.0g(60mmol)および脱水メタノール90mLからなる懸濁液に、室温にてナトリウムメトキシド(固体)3.24g(60mmol)を加えて均一溶液とした後、30分間攪拌し、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン17.4g(60mmol)および脱水メタノール17mLからなる溶液を、水冷下15〜17℃にて30分間かけて滴下し、更に42〜44℃にて4時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物27.5gにジエチルエーテル100mLを加えて攪拌し、不溶物をろ去した後、減圧濃縮して、淡黄色の油状物16.7g(53mmol、収率89.1%)を得た。
得られた油状物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (CDCl3) δ:12.01(br.s, 1H), 3.58(s,
9H), 3.15(t, 2H), 1.87(quint, 2H), 0.79(t, 2H).

また、この油状物のIRスペクトルデータは、図11に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた油状物は、化学式(XIV)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例12]
<2−メルカプト−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾールの合成>
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール4.50g(30mmol)および脱水エタノール50mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液10.2g(30mmol)を加えて溶解した後、室温に戻して30分間攪拌し、3−クロロプロピルトリエトキシシラン6.74g(30mmol)および脱水エタノール10mLからなる溶液を、室温にて10分間かけて滴下し、更に78℃にて6時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物14.8gをジエチルエーテル40mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、微黄褐色の油状物9.0g(25mmol、収率84.6%)を得た。
得られた油状物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (CDCl3) δ:8.79(s, 1H), 3.83(q,
6H), 3.15(t, 2H), 1.88(m, 2H), 1.23(t, 9H), 0.77(t,2H).

また、この油状物のIRスペクトルデータは、図12に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた油状物は、化学式(XV)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例13]
<2−メチルチオ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾールの合成>
2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール11.4g(69.4mmol)および脱水メタノール120mLからなる懸濁液に、室温にてナトリウムメトキシド(固体)3.75g(69.4mmol)を加えて均一溶液とした後、30分間攪拌し、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン20.1g(69.3mmol)および脱水メタノール20mLからなる溶液を30分間かけて滴下し、更に34〜37℃にて5時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物32.6gにジエチルエーテル130mLを加えて攪拌し、不溶物をろ去した後、減圧濃縮して淡黄色の油状物22.5g(68.9mmol、収率99.3%)を得た。
得られた油状物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (CDCl3) δ:3.57(s, 9H), 3.30(t, 2H), 2.76(s, 3H),
1.91(quint, 2H), 0.80(t, 2H).

また、この油状物のIRスペクトルデータは、図13に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた油状物は、化学式(XVI)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例14]
<2−メチルチオ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1,3,4−チアジアゾールの合成>
2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール4.93g(30mmol)および脱水エタノール50mLからなる懸濁液を10℃に冷却し、20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液10.2g(30mmol)を加えて均一溶液とした後、室温に戻して30分間攪拌し、3−クロロプロピルトリエトキシシラン6.74g(30mmol)および脱水エタノール10mLからなる溶液を、室温にて10分間かけて滴下し、更に78℃にて6時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、得られた白色粘稠物15.4gをジエチルエーテル40mLで3回抽出し、抽出液をろ過後、減圧濃縮して、微黄褐色の油状物9.8g(26mmol、収率88.6%)を得た。
得られた油状物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (CDCl3) δ:3.82(q, 6H), 3.30(t, 2H), 2.75(s, 3H),
1.90(m, 2H), 1.21(t, 9H), 0.78(t, 2H).

また、この油状物のIRスペクトルデータは、図14に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた油状物は、化学式(XVII)で示される標題のアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2015010079
[実施例15]
<銅の表面処理液の調製および評価>
シランカップリング剤成分として、実施例1において合成したアゾールシラン化合物を使用して銅の表面処理液を調製した。
即ち、この化合物10gにエチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間撹拌し、アゾールシラン化合物のメトキシシリル基(-Si(OCH3)3)が加水分解して、ヒドロキシシリル基(-Si(OH)3)に変化した、銅の表面処理液(以下、処理液Aと云う)を調製した。
これと同様にして、実施例1において合成したアゾールシラン化合物の代わりに、実施例3、7、8、11、13において合成したアゾールシラン化合物を使用して、銅の表面処理液を調製した(以下、各々処理液B、C、D、E、Fと云う)。
なお、これらの処理液中のアゾールシラン化合物のメトキシシリル基(-Si(OCH3)3)が、ヒドロキシシリル基(-Si(OH)3)に加水分解されていることを確認した。
また、シランカップリング剤成分を使用しない以外は、前記の処理液A〜Fと同様の組成を有する銅の表面処理液(以下、処理液Gと云う)を調製した。
これらの処理液について、接着性の評価試験を行ったところ、得られた試験結果は、表1に示したとおりであり、本発明のアゾールシラン化合物をシランカップリング剤成分として使用した銅の表面処理液は、銅表面とプリプレグの接着性を高める効果を発揮しているものと認められる。
また、アゾール環が置換基を有する構造、即ち、前記の化学式(I)におけるXが−CH、−NH、−SHまたは−SCHである場合の構造に起因すると思われる接着性の向上効果が窺える。
Figure 2015010079
実施例1で得られた油状物のIRスペクトルチャートである。 実施例2で得られた油状物のIRスペクトルチャートである。 実施例3で得られた油状物のIRスペクトルチャートである。 実施例4で得られた油状物のIRスペクトルチャートである。 実施例5で得られた結晶のIRスペクトルチャートである。 実施例6で得られた油状物のIRスペクトルチャートである。 実施例7で得られた油状物のIRスペクトルチャートである。 実施例8で得られた結晶のIRスペクトルチャートである。 実施例9で得られた油状物のIRスペクトルチャートである。 実施例10で得られた結晶のIRスペクトルチャートである。 実施例11で得られた油状物のIRスペクトルチャートである。 実施例12で得られた油状物のIRスペクトルチャートである。 実施例13で得られた油状物のIRスペクトルチャートである。 実施例14で得られた油状物のIRスペクトルチャートである。
本発明のアゾールシラン化合物は、アゾール化合物の特徴である金属を防錆する機能と、エポキシ樹脂やウレタン樹脂を硬化させる機能を付加したシランカップリング剤とすることができるので、種類の異なる素材が数多く組み合わされて製造されるプリント配線板の如き複合材料への利用が期待される。

Claims (3)

  1. 化学式(I)で示されるアゾールシラン化合物。
    Figure 2015010079
    (式中、Xは水素原子、−CH、−NH、−SHまたは−SCHを表す。Yは−NH−または−S−を表す。Rは−CHまたは−CHCHを表す。nは1〜12の整数を表す。)
  2. 化学式(II)で示されるアゾール化合物と、化学式(III)で示されるハロゲン化アルキルシラン化合物を反応させることを特徴とする請求項1記載のアゾールシラン化合物の合成方法。
    Figure 2015010079
    (式中、XおよびYは前記と同様である。)
    Figure 2015010079
    (式中、Rおよびnは前記と同様である。Halは塩素原子,臭素原子または沃素原子を表す。)
  3. 請求項1記載のアゾールシラン化合物または請求項2記載の合成方法により合成されるアゾールシラン化合物を成分とすることを特徴とするシランカップリング剤。
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