JP2015007660A - 定着部材用硬化性組成物及びこれを用いた定着部材 - Google Patents

定着部材用硬化性組成物及びこれを用いた定着部材 Download PDF

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Abstract

【課題】剛性の問題がなく、且つ良好なトナー離型性を有する硬化物を与える定着部材用硬化性組成物、及び該組成物を硬化して得られる硬化物を表層とする画像形成装置用定着部材を提供する。【解決手段】(A)直鎖状ポリフルオロ化合物、(B)SiH基及び含フッ素有機基を有する環状オルガノポリシロキサン、(C)SiH基及び含フッ素有機基を有するオルガノポリシロキサン、(D)白金族金属系触媒、(E)SiH基、含フッ素有機基及びエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する環状オルガノシロキサン、(F)ヒュームドシリカ、(G)含フッ素有機基を有するシラノール、(H)1価の不飽和炭化水素基及び含フッ素有機基を有する環状オルガノポリシロキサンを硬化して得られる硬化物の、JIS K6253−3に規定されるタイプAデュロメータ硬さが50〜80であることを特徴とする定着部材用硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、定着部材用硬化性組成物及びこれを用いた、電子写真複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に使用する定着ロールや定着ベルトなどの定着部材に関する。
従来、画像形成装置において使用される定着ロールや定着ベルトとしては、トナー離型性を付与するために、金属製、或いは耐熱性樹脂製の基材の表面にフッ素樹脂をコーティングした後、これを焼き付けたものが知られていた(特許文献1及び2)。
しかし、上記フッ素樹脂は非常に硬質であるため、例えば、フッ素樹脂層を表層とする定着ベルトにトナーが転写された記録紙を通過させると、その剛性によりトナーが押しつぶされて、記録紙上の画像の解像度が低下するという問題があった。
そこで、フッ素樹脂の代わりに、剛性の問題がないシリコーンゴム等を使用すると、トナー離型性が十分でないため、記録紙上のトナーが定着部材上に移ってしまい、上記解像度が低下する問題が生じた。
これらの問題を解決する手段として、金属製、或いは耐熱性樹脂製の基材とフッ素樹脂層との間にシリコーンゴムの層を設けて、フッ素樹脂層の剛性を緩和させることで、トナーがつぶれて解像度が低下することを防止する方法が提案されている(特許文献3及び4)。
しかしながら、上記構成の定着部材では、金属製、或いは耐熱性樹脂製の基材の上にシリコーンゴム層とフッ素樹脂層の二層を形成するため、製造に要する時間や費用が嵩んでしまうという問題があった。
そのため、剛性の問題がなく、且つトナー離型性が良好な材料の出現が望まれていた。上記シリコーンゴム層とフッ素樹脂層の二層の役割を一層で担うことができれば、生産性の大幅な向上が見込まれる。
ところで、従来、硬化性組成物として、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン及び白金族化合物からなる組成物から、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、離型性、撥水性、撥油性、低温特性等の性質がバランスよく優れた硬化物が得られることが提案されている(特許文献5)。
そして、該組成物に、ヒドロシリル基とエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基とを有するオルガノポリシロキサンを添加することにより、金属やプラスチック基材に対して自己接着性を付与した硬化物が得られることが提案されている(特許文献6)。
しかし、この自己接着性を有する硬化性組成物を定着部材の表層に使用すると、トナー離型性が不十分のため、記録紙上の画像の解像度が低下したり、その剛性によりトナーが押しつぶされて、同様に該解像度が低下するという問題が生じた。
特開平10−142990号公報 特開平10−186923号公報 特許第3051085号公報 特開2002−169394号公報 特許第2990646号公報 特許第3239717号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、剛性の問題がなく、且つ良好なトナー離型性を有する定着部材用硬化性組成物及び該組成物を硬化して得られる硬化物を表層とする定着部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、定着部材用硬化性組成物であって、
(A)下記一般式(1)
CH=CH−(X)−Rf−(X’)−CH=CH (1)
[式中、Xは−CH−、−CHO−、−CHOCH−、及び−Y−NR−CO−(Yは−CH−又は下記構造式(2)
Figure 2015007660
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基、Rは水素原子、又は非置換もしくは置換の1価炭化水素基)のいずれかで表される基、X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−、及び−CO−NR−Y’−(Y’は−CH−又は下記構造式(3)
Figure 2015007660
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基、Rは上記と同じ基である。)のいずれかで表される基であり、aは独立に0又は1である。Rfは下記一般式(4)又は(5)
Figure 2015007660
(式中、bは2又は3であり、d及びeはそれぞれ1〜150の整数であって、且つdとeの和の平均は2〜300である。また、fは0〜6の整数である。)
Figure 2015007660
(式中、gは2又は3であり、hは1〜300の整数、iは1〜80の整数であって、且つhとiの和の平均は2〜300である。)
で表される2価のパーフルオロポリエーテル基である。]
で表される直鎖状ポリフルオロ化合物:100質量部、
(B)下記一般式(6)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を有する環状オルガノポリシロキサン:上記(A)成分のアルケニル基と下記(H)成分の1価の不飽和炭化水素基の合計1モルに対して、ケイ素原子に直結した水素原子が0.20〜0.90モルとなる量、
Figure 2015007660
(式中、jは3〜6の整数、kは1〜4の整数、j+kは4〜10の整数、Rは独立に置換又は非置換の1価炭化水素基、Aは、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基である。)
(C)下記平均組成式(7)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するオルガノポリシロキサン:上記(A)成分のアルケニル基と下記(H)成分の1価の不飽和炭化水素基の合計1モルに対して、ケイ素原子に直結した水素原子が0.20〜0.90モルとなる量、
Figure 2015007660
(式中、Rは独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、Dは独立に、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基である。lは0<l≦30.0の実数である。)
(D)白金族金属系触媒:白金族金属原子換算で0.1〜500ppm、
(E)下記一般式(8)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基と、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する環状オルガノポリシロキサン:0.50〜8.0質量部、
Figure 2015007660
(式中、sは1〜6の整数、uは1〜4の整数、vは1〜4の整数、s+u+vは4〜10の整数、Rは独立に置換又は非置換の1価炭化水素基、Eは酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基、Gは、独立に酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基である。ただし、−(SiO)(H)R−、−(SiO)(E)R−、−(SiO)(G)R−の結合の順番は限定されない。)
(F)BET法により測定した比表面積が50〜400m/gであり、且つシリカ粒子表面が有機ケイ素化合物により疎水化処理されたヒュームドシリカ:1.0〜50.0質量部、
(G)1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するシラノール:0.10〜5.0質量部、
(H)下記一般式(9)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した1価の不飽和炭化水素基と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基とを有する環状オルガノポリシロキサン:0.10〜30.0質量部、
Figure 2015007660
(式中、wは1〜4の整数、xは3〜6の整数、w+xは4〜10の整数、Rは独立に置換又は非置換の1価炭化水素基、Jは酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基、Lはケイ素原子に直結した1価の不飽和炭化水素基である。)
を含有し、前記(A)成分のアルケニル基と前記(H)成分の1価の不飽和炭化水素基の合計1モルに対して、前記(B)成分と(C)成分のケイ素原子に直結した水素原子の合計が0.80〜1.7モルとなる量であり、硬化して得られる硬化物の硬さが、JIS K6253−3に規定されるタイプAデュロメータで50〜80の値であることを特徴とする定着部材用硬化性組成物を提供する。
このような、上記(A)〜(H)成分を全て含有し、硬化物の硬度が上記範囲を有する熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物である定着部材用硬化性組成物であれば、剛性の問題がなく、且つ良好なトナー離型性を有する。従って、該定着部材用硬化性組成物の硬化物は、画像形成装置に使用する定着ロールや定着ベルトといった定着部材の表層を形成する材料に適する。
さらに、(I)成分として、カルボン酸無水物:0.010〜10.0質量部を含有するものであることが好ましい。
このような前記(I)成分と前記(A)成分〜(H)成分を含有する定着部材用硬化性組成物であれば、定着部材の基材に対してより一層良好な接着性を示す硬化物を与える。従って、前記定着部材用硬化性組成物の硬化物は、定着部材の表層を形成する材料に適する。
また、前記定着部材用硬化性組成物は、JIS K7117−1に規定される23℃における粘度が、3,000〜40,000mPa・sであることが好ましい。
このように、粘度が3,000mPa・s以上であれば、流動性が高すぎず、定着部材の基材の表面に該組成物を均一に塗布するのができるため好ましく、40,000mPa・s以下であれば、レベリング性に乏しく、画像形成装置用定着部材の基材の表面に該組成物を均一に塗布するのが困難になることもないため好ましい。
また、前記(A)成分が下記一般式(10)で表されるものであることが好ましい。
Figure 2015007660
[式中、X、X’は上記と同様である。また、a’は独立に0又は1、b’及びd’はそれぞれ1〜150の整数、b’+d’(平均)=2〜300、e’は2〜6の整数である。]
このような化合物であれば、直鎖状ポリフルオロ化合物としてなお好ましい。
また、前記(A)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物のアルケニル基含有量が、0.0050〜0.100mol/100gであることが好ましい。
このように、(A)成分のアルケニル基含有量が0.0050mol/100g以上の場合には、架橋度合いが十分になり、硬化不具合が生じることがないため好ましく、アルケニル基含有量が0.100mol/100g以下の場合には、この硬化物の機械的特性が損なわれることがないために好ましい。
また、前記(I)成分は、23℃下で固体のカルボン酸無水物、又は下記一般式(19)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い二価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した一価のパーフルオロアルキル基又は一価のパーフルオロオキシアルキル基と、二価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した環状無水カルボン酸残基とを有する環状オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
Figure 2015007660
(式中、l’は1〜6の整数、m’は1〜4の整数、n’は1〜4の整数、l’+m’+n’は4〜10の整数である。ただし、−(SiO)(H)R−、−(SiO)(Q)R−、−(SiO)(T)R−の結合の順番は限定されない。また、Rは置換又は非置換の1価の炭化水素基、Qは酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基、Tは2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した環状無水カルボン酸残基である。)
このようなカルボン酸無水物であれば、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の自己接着性発現の促進効果がより高くなる。
さらに、前記(B)成分、(C)成分、(E)成分、(G)成分、(H)成分及び(I)成分が有する、1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基は、それぞれ下記一般式(11)又は一般式(12)で表されるものであることが好ましい。
2y+1− (11)
(式中、yは1〜10の整数である。)
Figure 2015007660
(式中、zは1〜10の整数である)
このように、1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基は、上記一般式(11)又は上記一般式(12)で表されるものであることが好ましい。
また、本発明では、前記定着部材用硬化性組成物を硬化して得られる硬化物を表層とする画像形成装置用定着部材を提供する。
このように、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物であれば、剛性の問題がなく、且つ良好なトナー離型性を有するため、この硬化物を表層とする定着部材は、トナーが転写された記録紙を通過させても、トナー粒子が押しつぶされることなく、また、記録紙上のトナーが定着部材上に移ることもないため、記録紙上の画像の解像度を低下させることがないため好ましい。さらに、表層材をシリコーンゴム層とフッ素樹脂層の二層とする従来の手段に比べて、一層で済むことから、該定着部材の製造に要する時間や費用を抑えることが可能となり、生産性を向上させることができる。
また、前記画像形成装置用定着部材は、画像形成装置の定着ロール又は定着ベルトに用いられるものであることが好ましい。
このように、本発明の画像形成装置用定着部材としては、特に画像形成装置の定着ロール又は定着ベルトに用いるのが適している。
本発明の定着部材用硬化性組成物は、上記(A)〜(H)成分、さらに必要により(I)成分を組み合わせることにより、その硬化物は剛性の問題がなく、且つ良好なトナー離型性を有するため、該硬化物を表層とする定着ロールや定着ベルトといった定着部材は、トナーが転写された記録紙を通過させても、記録紙上の画像の解像度を低下させることがない。
以下、本発明をより詳細に説明する。
上記のように、剛性の問題がなく、且つ良好なトナー離型性を有する硬化物を与える熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物、及び該組成物を硬化して得られる硬化物を表層とする、画像形成装置に使用する定着ロールや定着ベルトなどの定着部材が求められている。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、下記(A)〜(H)成分、さらに(I)成分を含有する組成物からなり、該組成物を硬化して得られる硬化物の硬さが、JIS K6253−3に規定されるタイプAデュロメータで50〜80の値であれば、下記(A)〜(H)成分、さらに必要に応じて(I)成分の組み合わせによる効果として、剛性の問題がなく、且つ良好なトナー離型性を有する硬化物を与える熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物である定着部材用硬化性組成物となることを見出し、本発明を完成させるに至った。以下、本発明について詳細に説明する。尚、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の(A)成分は、下記一般式(1)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物である。
CH=CH−(X)−Rf−(X’)−CH=CH (1)
[式中、Xは−CH−、−CHO−、−CHOCH−、及び−Y−NR−CO−(Yは−CH−又は下記構造式(2)
Figure 2015007660
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基、Rは水素原子、又は非置換もしくは置換の1価炭化水素基)のいずれかで表される基、X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−、及び−CO−NR−Y’−(Y’は−CH−又は下記構造式(3)
Figure 2015007660
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基、Rは上記と同じ基である。)のいずれかで表される基であり、aは独立に0又は1である。Rfは下記一般式(4)又は(5)
Figure 2015007660
(式中、bは2又は3であり、d及びeはそれぞれ1〜150の整数であって、且つdとeの和の平均は2〜300である。また、fは0〜6の整数である。)
Figure 2015007660
(式中、gは2又は3であり、hは1〜300の整数、iは1〜80の整数であって、且つhとiの和の平均は2〜300である。)
で表される2価のパーフルオロポリエーテル基である。]
ここで、Rとしては、水素原子以外の場合、炭素原子数1〜12、特に1〜10の1価炭化水素基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換した置換1価炭化水素基などが挙げられる。
上記一般式(1)のRfは、下記一般式(4)又は(5)で表される2価のパーフルオロポリエーテル構造である。
Figure 2015007660
(式中、bは2又は3であり、d及びeはそれぞれ1〜150の整数、好ましくは1〜100の整数であって、且つdとeの和の平均は2〜300、好ましくは2〜200、より好ましくは10〜150である。また、fは0〜6の整数である。)
Figure 2015007660
(式中、gは2又は3であり、hは1〜300の整数、好ましくは1〜200の整数、より好ましくは10〜150の整数、iは1〜80の整数、好ましくは1〜50の整数であって、且つhとiの和の平均は2〜300、好ましくは2〜200、より好ましくは10〜150である。)
Rf基の好ましい例としては、例えば、下記式(i)〜(iii)で示されるものが挙げられる。特に好ましくは式(i)の構造の2価の基である。
Figure 2015007660
Figure 2015007660
(上記式(i),(ii)中、d’’及びe’’はそれぞれ1〜150の整数、好ましくは1〜100の整数、d’’とe’’の和の平均は2〜300、好ましくは2〜200、より好ましくは10〜150である。)
Figure 2015007660
(上記式(iii)中、h’は1〜300の整数、好ましくは1〜200の整数、より好ましくは10〜150の整数、i’は1〜80の整数、好ましくは1〜50の整数、より好ましくは1〜30の整数、h’とi’の和の平均は2〜300、好ましくは2〜200、より好ましくは10〜150である。)
(A)成分の好ましい例として、下記一般式(10)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015007660
[式中、Xは−CH−、−CHO−、−CHOCH−及び−Y−NR’−CO−(Yは−CH−又は下記構造式(2)
Figure 2015007660
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基、R’は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基等の置換又は非置換の1価炭化水素基)のいずれかで表される基、X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−及び−CO−NR’−Y’−(Y’は−CH−又は下記構造式(3)
Figure 2015007660
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基、R’は上記と同じである。)のいずれかで表される基であり、a’は独立に0又は1、b’及びd’はそれぞれ1〜150の整数、好ましくは1〜100の整数、b’とd’の和の平均は2〜300、好ましくは2〜200、より好ましくは10〜150であり、e’は2〜6の整数である。]
上記一般式(10)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 2015007660
Figure 2015007660
(式中、m1及びn1はそれぞれ1〜150の整数、好ましくは1〜100の整数、m1+n1=2〜300、好ましくは6〜200を満足する整数を示す。)
尚、上記一般式(1)で表される直鎖状フルオロポリエーテル化合物に含まれるアルケニル基含有量は0.0050〜0.100mol/100gが好ましく、更に好ましくは0.0060〜0.050mol/100gである。直鎖状ポリフルオロ化合物に含まれるアルケニル基含有量が0.0050mol/100g以上の場合には、架橋度合いが十分となり硬化不具合が生じる可能性がないため好ましく、アルケニル基含有量が、0.100mol/100g以下である場合には、この硬化物の機械的特性が損なわれる恐れがないため好ましい。
また、上記一般式(1)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の、JIS K7117−1に規定される23℃における粘度は、100〜100,000mPa・s、より好ましくは500〜80,000mPa・sである。この範囲内であれば、本発明の組成物のJIS K7117−1に規定される23℃における粘度を、上述の範囲(3,000〜40,000mPa・s)に収めることができる。
これらの直鎖状ポリフルオロ化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
[(B)成分]
(B)成分は、下記一般式(6)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を有する環状オルガノポリシロキサンであり、上記(A)成分の架橋剤として機能するものである。
Figure 2015007660
上記一般式(6)中、jは3〜6の整数、好ましくは3〜5の整数、kは1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、j+kは4〜10の整数、好ましくは4〜8の整数である。
また、Rは独立に置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、上述したRの置換又は非置換の1価の炭化水素基と同様の基が挙げられる。
さらに、Aは酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基である。これらは、(A)成分との相溶性、分散性及び硬化後の均一性等の観点から導入される基である。
この1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、下記一般式(11)及び(12)で表される基が挙げられる。
2y+1− (11)
(式中、yは1〜10、好ましくは3〜7の整数である。)
Figure 2015007660
(式中、zは1〜10の整数、好ましくは2〜8である)
また、上記1価のパーフルオロアルキル基や1価のパーフルオロオキシアルキル基とケイ素原子を繋ぐ、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基としては、炭素原子数が2〜12のアルキレン基、あるいは該基にエーテル結合、酸素原子、アミド結合、カルボニル結合等を介在させたものが挙げられ、具体的には、
−CHCH−、
−CHCHCH−、
−CHCHCHOCH−、
−CHCHCH−NH−CO−、
−CHCHCH−N(Ph)−CO−(但し、Phはフェニル基である。)、
−CHCHCH−N(CH)−CO−、
−CHCHCH−O−CO−
等が挙げられる。
このような(B)成分としては、例えば下記の化合物が挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 2015007660
Figure 2015007660
この(B)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
上記(B)成分の配合量は、(A)成分中に含まれるアルケニル基と上記(H)成分の1価の不飽和炭化水素基を合わせて1モルとした場合、(B)成分中のケイ素原子に直結した水素原子が0.20〜0.90モル、より好ましくは0.40〜0.80モルとなる量である。0.20モルより少ないと、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の機械的特性が損なわれ、トナー離型性の寿命が低下する恐れがある。一方、0.90モルより多いと、該硬化物の硬さが不十分になる恐れがある。
さらに、上記(B)成分の配合量は、前記(A)成分のアルケニル基と前記(H)成分の1価の不飽和炭化水素基の合計1モルに対して、該(B)成分と前記(C)成分のケイ素原子に直結した水素原子の合計が、0.80〜1.7モル、より好ましくは0.90〜1.6モルとなることを満たす量である。0.80モルより少ないと、本発明の組成物硬化性が損なわれる恐れがある。一方、1.7モルより多いと、本発明の組成物の保存安定性が損なわれる恐れがある。
[(C)成分]
(C)成分は、下記平均組成式(7)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するオルガノポリシロキサンであり、上記(A)成分の架橋剤として機能するものである。
Figure 2015007660
上記平均組成式(7)中、lは0<l≦30.0の実数、好ましくは3.0≦l≦20.0の実数である。
なお、上記平均組成式(7)におけるシロキサン単位の繰返し数を示すlは、個々の分子については整数であるが、(C)成分の含フッ素オルガノポリシロキサンを平均組成式として表記する場合には、H−NMRスペクトルの積分値から算出される数平均値としての実数を意味するものである。
また、Rは独立に置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、上述したRの置換又は非置換の1価の炭化水素基と同様の基が挙げられる。
さらに、Dは独立に酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基であり、上述したAと同様の基が挙げられる。これらは、(A)成分との相溶性、分散性及び硬化後の均一性等の観点から導入される基である。
また、上記1価のパーフルオロアルキル基や1価のパーフルオロオキシアルキル基とケイ素原子を繋ぐ、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基としては、(B)成分のAと同様の基が挙げられる。
このような(C)成分としては、例えば下記の化合物が挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 2015007660
Figure 2015007660
この(C)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
上記(C)成分の配合量は、(A)成分中に含まれるアルケニル基と上記(H)成分の1価の不飽和炭化水素基を合わせて1モルとした場合、(C)成分中のケイ素原子に直結した水素原子が0.20〜0.90モル、より好ましくは0.30〜0.70モルとなる量である。該水素原子が0.20モルより少ないと、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の硬さが不十分になる恐れがある。一方0.90モルより多いと、本発明の組成物の流動性が損なわれる恐れがある。
さらに、上記(C)成分の配合量は、前述のように前記(A)成分のアルケニル基と前記(H)成分の1価の不飽和炭化水素基の合計1モルに対して、前記(B)成分と該(C)成分のケイ素原子に直結した水素原子の合計が、0.80〜1.7モル、より好ましくは0.90〜1.6モルとなることを満たす量である。0.80モルより少ないと、本発明の組成物の硬化性が損なわれる恐れがある。一方、1.7モルより多いと、本発明の組成物の保存安定性が損なわれる恐れがある。
本発明の(D)成分である白金族金属系触媒は、ヒドロシリル化反応触媒である。ヒドロシリル化反応触媒は、組成物中に含有されるアルケニル基、特には(A)成分中のアルケニル基及び(H)成分の不飽和炭化水素基と、組成物中に含有されるSiH基、特には(B)成分及び(C)成分中のSiH基との付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属又はその化合物であり、高価格であることから、比較的入手し易い白金又は白金化合物がよく用いられる。
白金化合物としては、例えば、塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの錯体、シリカ、アルミナ、カーボン等に担持した金属白金等を挙げることができる。白金又はその化合物以外の白金族金属系触媒として、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物も知られており、例えば、RhCl(PPh、RhCl(CO)(PPh、Ru(CO)12、IrCl(CO)(PPh、Pd(PPh等を例示することができる。なお、前記式中、Phはフェニル基である。
これらの触媒の使用にあたっては、それが固体触媒であるときには固体状で使用することも可能であるが、より均一な硬化物を得るためには塩化白金酸や錯体を、例えば、トルエンやエタノール等の適切な溶剤に溶解したものを(A)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物に相溶させて使用することが好ましい。
(D)成分の配合量は、ヒドロシリル化反応触媒としての有効量であり、(A)成分100質量部に対して0.1〜500ppm、特に好ましくは0.5〜200ppm(白金族金属原子の質量換算)であるが、希望する硬化速度に応じて適宜増減することができる。
[(E)成分]
本発明の(E)成分は、下記一般式(8)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基と、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する環状オルガノポリシロキサンであり、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物に自己接着性を与える接着付与剤である。
Figure 2015007660
上記一般式(8)中、sは1〜6の整数、好ましくは2〜5の整数、uは1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、vは1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、s+u+vは4〜10の整数、好ましくは4〜8の整数である。ただし、−(SiO)(H)R−、−(SiO)(E)R−、−(SiO)(G)R−の結合の順番は限定されない。
また、Rは独立に置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、上述したRの置換又は非置換の1価の炭化水素基と同様の基が挙げられる。
さらに、Eは酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基であり、上述したAと同様の基が挙げられる。これらは、(A)成分との相溶性、分散性及び硬化後の均一性等の観点から導入される基である。
また、上記1価のパーフルオロアルキル基や1価のパーフルオロオキシアルキル基とケイ素原子を繋ぐ、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基としては、(B)成分のAと同様の基が挙げられる。
一方、Gは酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基である。このようなエポキシ基は、下記一般式(13)で表される。
Figure 2015007660
(式中、Rは酸素原子が介在してもよい炭素原子数1〜10、特に1〜5の2価炭化水素基で、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等のアルキレン基、シクロへキシレン基等のシクロアルキレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等のオキシアルキレン基などを示す。)
該エポキシ基の具体例としては、下記に示すものが挙げられる。
Figure 2015007660
一方、上記トリアルコキシシリル基は、下記一般式(14)で表される。
Figure 2015007660
(式中、Rは炭素原子数1〜10、特に1〜4の2価炭化水素基、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基等のアルキレン基などを示し、Rは炭素原子数1〜8、特に1〜4の1価炭化水素基、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基等のアルキル基などを示す。)
該トリアルコキシシリル基の具体例としては、下記に示すものが挙げられる。
Figure 2015007660
このような(E)成分としては、例えば下記の化合物が挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 2015007660
Figure 2015007660
Figure 2015007660
Figure 2015007660
Figure 2015007660
Figure 2015007660
この(E)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。また、(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.50〜8.0質量部、好ましくは1.0〜5.0質量部の範囲である。0.50質量部未満の場合には十分な接着性が得られず、8.0質量部を超えると本発明の組成物の流動性が悪くなり、また本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の硬さが低下する恐れがある。
[(F)成分]
本発明の(F)成分は、BET法により測定した比表面積が50〜400m/gであり、且つシリカ粒子表面が有機ケイ素化合物により疎水化処理されたヒュームドシリカである。この(F)成分は、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物に適当な物理的強度を付与するための補強性充填剤である。
この(F)成分のヒュームドシリカのBET比表面積は、50〜400m/g、好ましくは100〜350m/gであることが好ましい。BET比表面積が50m/g未満であると十分な物理的強度が得られず、400m/gを超えると、本発明の組成物の流動性が悪くなり作業性が低下する恐れがある。
また、該ヒュームドシリカは、本発明の組成物に対する分散性を向上させるため、該シリカ表面を有機ケイ素化合物で疎水化処理したものである。この有機ケイ素化合物としては、オルガノクロロシランが好ましく、具体的にはジクロロジメチルシラン等が挙げられる。
このような(F)成分の例としては、Aerosil R−972、Aerosil R−974及びAerosil R−976(全て日本アエロジル社製商品名)などが挙げられる。
上記(F)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、1.0〜50.0質量部、好ましくは3.0〜30.0質量部の範囲である。配合量が1.0質量部未満の場合には、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物に適当な物理的強度を付与することができない恐れがある。一方、50.0質量部を超えると、本発明の組成物の流動性が悪くなり作業性が低下する恐れがある。
[(G)成分]
本発明の(G)成分は、1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するシラノールである。この(G)成分は、上記(A)成分と(F)成分との濡れ性を向上させ、本発明の組成物に対する(F)成分の分散性を高めることに寄与するものである。
このような(G)成分の例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 2015007660
Figure 2015007660
この(G)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。また、(G)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.10〜5.0質量部、好ましくは0.50〜3.0質量部の範囲である。0.10質量部未満の場合には、上記(A)成分と(F)成分との濡れ性を向上させる効果が十分には得られず、5.0質量部を超えると、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の物性が低下する恐れがある。
[(H)成分]
本発明の(H)成分は、下記一般式(9)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した1価の不飽和炭化水素基と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基とを有する環状オルガノポリシロキサンであり、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の硬さ向上に寄与するものである。
Figure 2015007660
上記一般式(9)中、wは1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、xは3〜6の整数、好ましくは3〜5の整数、w+xは4〜10の整数、好ましくは4〜8の整数である。
また、Rは独立に置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、上述したRの置換又は非置換の1価の炭化水素基と同様の基が挙げられる。
さらに、Jは酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基であり、上述したAと同様の基が挙げられる。これらは、(A)成分との相溶性、分散性及び硬化後の均一性等の観点から導入される基である。
また、上記1価のパーフルオロアルキル基や1価のパーフルオロオキシアルキル基とケイ素原子を繋ぐ、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基としては、(B)成分のAと同様の基が挙げられる。
一方、Lはケイ素原子に直結した1価の不飽和鎖状炭化水素基であり、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、デセニル基等が挙げられる。この中でも、ビニル基又はアリル基が好ましい。
このような(H)成分としては、例えば下記の化合物が挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 2015007660
Figure 2015007660
この(H)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。また、(H)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して0.10〜30.0質量部、好ましくは0.30〜28.0質量部の範囲である。0.10質量部未満の場合には、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の硬さを向上させる効果が十分には得られず、30.0質量部を超えると、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物が硬くなりすぎて、トナーを押しつぶしてしまう恐れがある。
[I成分]
本発明の(I)成分は、カルボン酸無水物であり、上記(E)成分の接着付与能力を向上させ、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の自己接着性発現を促進させるためのものである。該成分としては、エポキシ樹脂用の硬化剤として使用されているものはすべて包含される。
(I)成分としては、例えば23℃下で固体のカルボン酸無水物が挙げられる。具体的には、下記化合物が例示される。尚、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 2015007660
また、(I)成分は、下記一般式(19)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基と、2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した環状無水カルボン酸残基とを有する環状オルガノポリシロキサンでもよい。
Figure 2015007660
上記一般式(19)中、l’は1〜6の整数、好ましくは2〜5の整数、m’は1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、n’は1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、l’+m’+n’は4〜10の整数、好ましくは4〜8の整数である。ただし、−(SiO)(H)R−、−(SiO)(Q)R−、−(SiO)(T)R−の結合の順番は限定されない。
また、Rは置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、上述したRの置換又は非置換の1価の炭化水素基と同様の基が挙げられる。
さらに、Qは酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基であり、上述したAと同様の基が挙げられる。これらは、(A)成分との相溶性、分散性及び硬化後の均一性等の観点から導入される基である。
また、上記1価のパーフルオロアルキル基や1価のパーフルオロオキシアルキル基とケイ素原子を繋ぐ、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基としては、(B)成分のAと同様の基が挙げられる。
また、Tは2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した環状無水カルボン酸残基であり、具体的には下記の基を挙げることができる。
Figure 2015007660
上記一般式(20)中、R10は、炭素数1〜15の2価の炭化水素基であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられ、中でもプロピレン基が好ましい。
上記一般式(19)で表される環状オルガノポリシロキサンとしては、例えば下記の化合物が挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 2015007660
Figure 2015007660
この(I)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。その際、上記23℃下で固体のカルボン酸無水物と上記一般式(19)で表される環状オルガノポリシロキサンとを併用してもよい。
上記(I)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.010〜10.0質量部、好ましくは0.10〜5.0質量部の範囲である。0.010質量部以上の場合、本発明の組成物の接着性発現を促進させるのに十分な効果が得られるため好ましい。一方、10.0質量部以下の場合、本発明の組成物の流動性が良くなり、また該組成物の保存安定性が得られるため好ましい。
[その他の成分]
本発明の組成物においては、その実用性を高めるために、上記の(A)〜(I)成分以外にも、可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤、(E)成分以外の接着付与剤、(F)成分以外の無機質充填剤、反応制御剤、(I)成分以外の接着促進剤等の各種配合剤を必要に応じて添加することができる。これら添加剤の配合量は任意である。
可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤として、下記一般式(15)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物及び/又は下記一般式(16)、(17)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物を併用することができる。
Rf−(X’)CH=CH (15)
[式中、X’、aは上記式(1)で説明したものと同じ、Rfは、下記一般式(18)で表される基である。
Figure 2015007660
(式中、f’は1以上の整数、好ましくは1〜100の整数、より好ましくは1〜50の整数であり、かつ上記(A)成分のRf基に関する、dとeの和の平均、hとiの和の平均及びb’とd’の和の平均のいずれの和よりも小さい。g’は2又は3である。)]
Rf−O−(CFCFCFO)h’’−Rf (16)
(式中、Rfは独立にCi’’2i’’+1−(i’’は1〜3)で表される基であり、h’’は1〜200の整数、好ましくは2〜100の整数であり、かつ、前記(A)成分のRf基に関するdとeの和の平均、hとiの和の平均及びb’とd’の和の平均のいずれの和よりも小さい。)
Rf−O−(CFO)j’(CFCFO)k’−Rf (17)
(式中、Rfは上記と同じであり、j’及びk’はそれぞれ1〜200の整数、好ましくは1〜100の整数であり、かつ、j’とk’の和は、上記(A)成分のRf基に関する、dとeの和の平均、hとiの和の平均及びb’とd’の和の平均のいずれの和よりも小さい。)
上記一般式(15)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる(なお、下記式中、m2は上記要件を満足するものである)。
Figure 2015007660
上記一般式(16)、(17)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる(なお、下記n3又はn3とm3の和は、上記要件を満足するものである。)。
CFO−(CFCFCFO)n3−CFCF
CF−[(OCFCFn3(OCFm3]−O−CF
(ここで、m3+n3=2〜201、m3=1〜200、n3=1〜200である。)
また、上記一般式(15)〜(17)で表されるポリフルオロ化合物の粘度(23℃)は、(A)成分と同様の測定で、5.0〜100,000mPa・s、特に50〜50,000mPa・sの範囲であることが望ましい。
(E)成分以外の接着付与剤の例としては、エポキシ基及び/又はアルコキシ基含有シラン等のシランカップリング剤やこれらの部分加水分解物が挙げられる。
(F)成分以外の無機質充填剤の例としては、石英粉末、溶融石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム等の補強性又は準補強性充填剤、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、アルミン酸コバルト等の無機顔料、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、酸化セリウム、水酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン等の耐熱向上剤、アルミナ、窒化硼素、炭化珪素、金属粉末等の熱伝導性付与剤、カーボンブラック、銀粉末、導電性亜鉛華等の導電性付与剤等が挙げられる。
反応制御剤の例としては、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、フェニルブチノール等のアセチレン性アルコールや、上述したAと同様の1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するクロロシランとアセチレン性アルコールとの反応物、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン、トリアリルイソシアヌレート等、あるいはポリビニルシロキサン、有機リン化合物等が挙げられ、その添加により硬化反応性と保存安定性を適度に保つことができる。
(I)成分以外の接着促進剤の例としては、チタンテトライソプロポキシドやチタンテトラノルマルブトキシド、チタンテトラアセチルアセトネート等の有機チタン化合物、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機ジルコニウム化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫アセチルアセトナート等の有機錫化合物、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物、他の酸性触媒、塩基性触媒等が挙げられる。
[本発明の組成物の製造工程]
本発明の組成物の製造工程は、
(i)上記(A)成分、(F)成分及び(G)成分を添加、混合して液状ベースコンパウンドを得る工程。
(ii)上記ベースコンパウンドに、上記(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(H)成分、(I)成分及びその他の任意成分を添加、混合して本発明の組成物を得る工程
の二つの工程から成る。
まず工程(i)について説明する。(A)成分に、(F)成分及び(G)成分を上述した所定の配合比となるように添加し、ニーダーやバンバリーミキサー等を用いて混練する。尚、(F)成分及び(G)成分は全量一括して添加してもよいし、分割して添加してもよい。
該混練の温度は常温であっても問題ないが、剪断熱を安定にするなどの目的で(A)成分が分解しない温度範囲で加熱してもよい。その場合の加熱温度としては、50〜250℃であることが好ましく、80〜200℃がより好ましい。
また、該混練の時間は、添加した成分を均一に混合させるために、5分〜10時間、好ましくは10分〜10時間、より好ましくは30分〜10時間である。
尚、工程(i)として、まず(A)成分100質量部のうちの5〜95質量%、特に10〜90質量%と(F)成分の全量及び(G)成分の全量を上述のように混練した後、(A)成分の残量を添加し、プラネタリーミキサーやゲートミキサー等を用いて混合することで液状ベースコンパウンドを得てもよい。
(F)成分の分散性をより向上させるために、このようにして得られた液状ベースコンパウンドを、3本ロール等を用いて更に混練してもよい。
次に工程(ii)について説明する。上述のようにして得られた液状ベースコンパウンドに、上述した所定の配合比となるように、上記(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(H)成分、(I)成分及びその他の任意成分をプラネタリーミキサーやゲートミキサー等の混合装置、必要に応じてニーダー、3本ロール等の混練装置を使用して均一に混合する。
このときの混合時間は、上記混練の時間と同様である。このようにして、最終的に本発明の組成物を得ることができる。
本発明の組成物の構成に関しては、用途に応じて上記(A)〜(H)成分、(I)成分及びその他の任意成分全てを1つの組成物として取り扱う、いわゆる1液タイプとして構成してもよいし、あるいは、2液タイプとして、使用時に両者を混合するようにしてもよい。
本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の、JIS K6253−3に規定されるタイプAデュロメータ硬さは、50〜80である。50未満の場合、該硬化物のトナー離型性が不十分のため、記録紙上の画像の解像度が低下してしまう。80より高い場合、該硬化物によりトナーが押しつぶされて、該解像度が低下してしまう。
また、JIS K7117−1に規定される23℃における本発明の組成物の粘度は、3,000〜40,000mPa・s、好ましくは4,000〜30,000mPa・s、より好ましくは5,000〜20,000mPa・sである。3,000mPa・s以上の場合、流動性が高すぎて、定着部材の基材の表面に該組成物を均一に塗布するのが困難にならないため好ましく、その結果、該組成物を硬化して得られる硬化物の平滑性が損なわれる恐れがないため好ましい。一方、40,000mPa・s以下の場合、レベリング性に乏しいため、同様に、定着部材の基材の表面に該組成物を均一に塗布するのが困難になり、該硬化物の平坦性を損ねる恐れがないため好ましい。
本発明の定着部材は、電子写真複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に使用される定着ロールや定着ベルトであって、その表層を本発明の組成物を硬化して得られる硬化物とするものである。
通常、定着ロールはアルミニウム、鉄、鋼、ステンレス鋼等の金属からなる芯金を基材とし、定着ベルトは、ニッケルやステンレス鋼等の金属の他、ポリイミドやポリアミド等の耐熱性樹脂からなるエンドレスベルトを基材としている。
本発明の定着部材は、上記基材の表面に本発明の組成物を塗布し、加熱して該組成物を硬化させることによって得られる。尚、上記基材への該組成物の塗布方法としては、均一に塗布される限り特に限定されないが、例えば、該組成物を適当なフッ素系溶剤で所望の濃度に希釈した溶液を作製し、これを上記基材に、刷毛塗り、スプレーコート、ディップコート、ロールコート又はスピンコート等の一般的なコーティング法にて塗布する方法が挙げられる。
本発明の組成物を希釈するフッ素系溶剤としては、該組成物を均一に分散させる限り特に限定されないが、例えば、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン及び1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンといった含フッ素有機芳香族化合物や、パーフルオロ(2−n−ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロ(2−n−オクチルテトラヒドロフラン)及びパーフルオロ−15−クラウン−5−エーテルといったパーフルオロ環状エーテル、住友3M社製フロリナート(FC−72、FC−75、FC−77及びFC−84等)に代表されるパーフルオロカーボン、ソルベイソレクシス社製GALDEN(SV90、SV110及びSV135等)に代表されるパーフルオロポリエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上併用して用いてもよい。
該組成物を硬化させる加熱温度は特に制限されないが、通常20〜200℃、好ましくは、60〜200℃、より好ましくは、100〜200℃である。また、その場合の加熱時間は架橋反応及び上記定着部材の基材との接着反応が完了する時間を適宜選択すればよいが、一般的には10分〜10時間、好ましくは30分〜10時間、より好ましくは1時間〜10時間である。
尚、上述した通り、本発明の組成物を適当なフッ素系溶剤で希釈して上記定着部材の基材に塗布した場合は、例えば1〜60分間常温で放置して該フッ素系溶剤を十分揮発させた後に、上記加熱硬化させる方法が推奨される。
また、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物と上記定着部材の基材とをさらに強固に接着させるために、各種プライマーを使用することもできる。
この場合、まず、各種プライマーを上記定着部材の基材に、通常採用されているコーティング法、例えば、刷毛塗り法、スプレーコーティング法、ワイヤーバー法、ブレード法、ロールコーティング法、ディッピング法などを用いてコーティングする。次に、通常常温にて1分〜60分、好ましくは5分〜30分風乾後、50℃〜180℃、好ましくは80℃〜150℃で1分〜60分、好ましくは5分〜30分加熱し、該基材上に硬化皮膜を形成させる。
このようにして作製した基材表面に、本発明の組成物を、上述した通りに塗布後、加熱硬化させることによって、本発明の定着部材が得られる。
上記定着部材の表層に形成される、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の厚さは、特に限定されるものではないが、定着部材の熱伝導性とトナー離型性の寿命とのバランスを考慮すると、5〜500μm、好ましくは20〜400μm、より好ましくは40〜200μmである。5μm以上であれば、記録紙との摩耗により十分なトナー離型性の寿命が得られないといった恐れがないため好ましく、500μm以下であれば、十分な熱伝導性が得られないため、定着部材表面でトナーが十分に溶融せず、記録紙上にトナーの定着むらが生じるといった不具合がないため好ましい。
さらに、本発明の定着部材として、必要に応じて、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物と上記定着部材の基材との間に、各種ゴムから成る中間層を設けてもよい。中間層を成すゴムとしては、シリコーンゴムやフッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、Meはメチル基を示す。また、粘度はJIS K7117−1に規定される23℃における測定値を示す。
[液状ベースコンパウンドの調整]
(実施例1−1)
ニーダーにて、下記式(21)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(粘度4,010mPa・s、ビニル基量0.0299モル/100g)100質量部に、BET法により測定した比表面積が110m/gであり、且つシリカ粒子表面がジクロロジメチルシランにより疎水化処理されたヒュームドシリカであるAerosil R972(Aerosil社製商品名)30.0質量部を添加して、室温下1時間混練した後、下記式(22)で示されるシラノール3.0質量部を添加して、室温下10分混練した。次に、上記Aerosil R972を30.0質量部添加して室温下1時間混練した後、130℃に加熱して2時間混練した。この混練物を室温まで冷却した後、プラネタリーミキサーにて、該混練物に上記直鎖状ポリフルオロ化合物200質量部を添加し、室温下30分混合した。そして、最後に3本ロールに一回通して液状ベースコンパウンドを得た。
Figure 2015007660
(実施例1−2)
ニーダーにて、上記式(21)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物100質量部に、上記Aerosil R972を30.0質量部添加して、室温下1時間混練した後、下記式(23)で示されるシラノール4.5質量部を添加して、室温下10分混練した。次に、上記Aerosil R972を30.0質量部添加して室温下1時間混練した後、さらに上記Aerosil R972を30.0質量部添加して室温下1時間混練した。次に、130℃に加熱して2時間混練した。この混練物を室温まで冷却した後、プラネタリーミキサーにて、該混練物に上記直鎖状ポリフルオロ化合物200質量部を添加し、室温下30分混合した。そして、最後に3本ロールに一回通して液状ベースコンパウンドを得た。
Figure 2015007660
(実施例1−3)
ニーダーにて、下記式(24)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(粘度10,900mPa・s、ビニル基量0.0123モル/100g)100質量部に、上記Aerosil R972を30.0質量部添加して、室温下1時間混練した後、上記式(22)で示されるシラノール3.0質量部を添加して、室温下10分混練した。次に、上記Aerosil R972を30.0質量部添加して室温下1時間混練した後、130℃に加熱して2時間混練した。この混練物を室温まで冷却した後、プラネタリーミキサーにて、該混練物に上記直鎖状ポリフルオロ化合物200質量部を添加し、室温下30分混合した。そして、最後に3本ロールに一回通して液状ベースコンパウンドを得た。
Figure 2015007660
(比較例1)
プラネタリーミキサーにて、上記式(21)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物100質量部に、上記Aerosil R972を20.0質量部添加して、室温下1時間混合した。次に、ゲージ圧で−0.09MPa下1時間混合した後、3本ロールに一回通して液状ベースコンパウンドを得た。
[組成物の調整]
(実施例2−1)
上記実施例1−1で作製した液状ベースコンパウンド121質量部に、下記式(25)で示される環状ポリオルガノシロキサン(SiH基量0.00605モル/g)3.67質量部、下記式(26)で示されるオルガノポリシロキサン(SiH基量0.00537モル/g)2.66質量部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.20質量部、下記式(27)で示される環状オルガノポリシロキサン2.0質量部、下記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサン(ビニル基量0.00357モル/g)0.50質量部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。
Figure 2015007660
(実施例2−2)
上記実施例2−1において、上記式(25)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を4.70質量部に変更し、また上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を3.40質量部に変更した。さらに、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を3.0質量部に変更した以外は実施例2−1と同様に組成物を調製した。
(実施例2−3)
上記実施例2−1において、上記式(25)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を6.76質量部に変更し、また上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を4.90質量部に変更した。さらに、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を8.0質量部に変更した以外は実施例2−1と同様に組成物を調製した。
(実施例2−4)
上記実施例1−2で作製した液状ベースコンパウンド131.5質量部に、下記式(29)で示される環状ポリオルガノシロキサン(SiH基量0.00394モル/g)6.35質量部、下記式(30)で示されるオルガノポリシロキサン(SiH基量0.00868モル/g)1.08質量部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.20質量部、下記式(31)で示される環状オルガノポリシロキサン3.0質量部、下記式(32)で示される環状オルガノポリシロキサン(ビニル基量0.00451モル/g)0.30質量部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。
Figure 2015007660
(実施例2−5)
上記実施例2−4において、上記式(29)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を10.6質量部に変更し、また上記式(30)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を1.81質量部に変更した。さらに、上記式(32)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を5.0質量部に変更した以外は実施例2−4と同様に組成物を調製した。
(実施例2−6)
上記実施例2−4において、上記式(29)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を15.2質量部に変更し、また上記式(30)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を2.59質量部に変更した。さらに、上記式(32)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を10.0質量部に変更した以外は実施例2−4と同様に組成物を調製した。
(実施例2−7)
上記実施例1−3で作製した液状ベースコンパウンド121質量部に、上記式(25)で示される環状ポリオルガノシロキサンを5.55質量部、上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンを4.02質量部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.30質量部、上記式(27)で示される環状オルガノポリシロキサン2.0質量部、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサン(ビニル基量0.00357モル/g)10.0質量部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。
(実施例2−8)
上記実施例2−7において、上記式(25)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を9.68質量部に変更し、また上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を7.01質量部に変更した。さらに、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を20.0質量部に変更した以外は実施例2−7と同様に組成物を調製した。
(実施例2−9)
上記実施例2−7において、上記式(25)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を13.8質量部に変更し、また上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を10.0質量部に変更した。さらに、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を30.0質量部に変更した以外は実施例2−7と同様に組成物を調製した。
(実施例2−10)
上記実施例2−2において、下記式(33)で示される融点225℃のカルボン酸無水物0.50質量部を追加した以外は実施例2−2と同様に組成物を調製した。
Figure 2015007660
(実施例2−11)
上記実施例2−2において、下記式(34)で示される環状オルガノポリシロキサン1.0質量部を追加した以外は実施例2−2と同様に組成物を調製した。
Figure 2015007660
(実施例2−12)
上記実施例2−2において、上記式(33)で示されるカルボン酸無水物0.10質量部及び上記式(34)で示される環状オルガノポリシロキサン0.50質量部を追加した以外は実施例2−2と同様に組成物を調製した。
(比較例2−1)
上記実施例2−1において、上記実施例1−1で作製した液状ベースコンパウンドの代わりに、上記比較例1で作製した液状ベースコンパウンドを120質量部添加する以外は実施例2−1と同様に組成物を調製した。
(比較例2−2)
上記実施例2−1において、上記式(25)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を3.46質量部に変更し、また上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を2.51質量部に変更した。さらに、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサンを除いた以外は実施例2−1と同様に組成物を調製した。
(比較例2−3)
上記実施例2−1において、上記実施例1−1で作製した液状ベースコンパウンドの代わりに、上記比較例1で作製した液状ベースコンパウンドを120質量部添加し、上記式(25)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を3.46質量部に変更し、また上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を2.51質量部に変更した。さらに、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサンを除いた以外は実施例2−1と同様に組成物を調製した。
(比較例2−4)
上記実施例2−3において、上記式(25)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を11.1質量部に変更し、また上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンを除いた以外は実施例2−3と同様に組成物を調製した。
(比較例2−5)
上記実施例2−3において、上記式(25)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を10.1質量部に変更し、また上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を1.09質量部に変更した以外は実施例2−3と同様に組成物を調製した。その結果、実施例2−3に対して、(B)成分及び(C)成分の値は本発明の範囲外となる。具体的には、(B)成分の値は上限を超える値となり、(C)成分の値は下限未満の値となる。
(比較例2−6)
上記実施例2−3において、上記式(25)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を1.93質量部に変更し、また上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を10.3質量部に変更した以外は実施例2−1と同様に組成物を調製した。その結果、実施例2−3に対して、(C)成分の値は本発明の範囲外となる。具体的には(C)成分の値は上限を超える値となる。
(比較例2−7)
上記実施例2−3において、上記式(25)で示される環状オルガノポリシロキサンを除いて、さらに上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を12.5質量部に変更した以外は実施例2−3と同様に組成物を調製した。
(比較例2−8)
上記実施例2−9において、上記式(25)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を14.6質量部に変更し、また上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を10.6質量部に変更した。さらに、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を32.0質量部に変更した以外は実施例2−7と同様に組成物を調製した。その結果、実施例2−9に対して(H)成分の値が本発明の範囲外となる。
(比較例2−9)
上記式(21)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物100質量部に、上記式(25)で示される環状ポリオルガノシロキサン6.02質量部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.20質量部、上記式(27)で示される環状オルガノポリシロキサン2.0質量部、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサン0.50質量部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。その結果、(C)成分、(F)成分、及び(G)成分を欠いた組成物となる。
(比較例2−10)
上記比較例2−9において、上記式(25)で示される環状ポリオルガノシロキサンの添加量を18.6質量部に変更し、また上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を19.0質量部に変更した以外は比較例2−9と同様に組成物を調製した。その結果、(C)成分、(F)成分、及び(G)成分を欠いた組成物となる。
(比較例2−11)
上記式(21)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物100質量部に、上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサン6.79質量部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.20質量部、上記式(27)で示される環状オルガノポリシロキサン2.0質量部、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサン0.50質量部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。その結果、(B)成分、(F)成分、及び(G)成分を欠いた組成物となる。
(比較例2−12)
上記比較例2−11において、上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を19.4質量部に変更し、また上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を17.0質量部に変更した以外は比較例2−9と同様に組成物を調製した。その結果、(B)成分、(F)成分、及び(G)成分を欠いた組成物となる。
(比較例2−13)
上記式(21)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物100質量部に、上記式(25)で示される環状ポリオルガノシロキサン3.67質量部、上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサン2.66質量部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.20質量部、上記式(27)で示される環状オルガノポリシロキサン2.0質量部、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサン0.50質量部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。その結果、(F)成分及び(G)成分を欠いた組成物となる。
(比較例2−14)
上記比較例2−13において、上記式(25)で示される環状ポリオルガノシロキサンの添加量を10.9質量部に変更し、上記式(26)で示されるオルガノポリシロキサンの添加量を7.89質量部に変更した。さらに、上記式(28)で示される環状オルガノポリシロキサンの添加量を18.0質量部に変更した以外は比較例2−14と同様に組成物を調製した。その結果、(F)成分及び(G)成分を欠いた組成物となる。
各組成物について、以下の項目の評価を行った。尚、硬化条件は150℃×1時間である。
1.組成物の粘度:JIS K7117−1に準じて23℃にて測定した。結果を表1に示す。
2.硬さ:2mm厚のシート状硬化物を作製し、JIS K6253−3に準じて測定した。結果を表1に示す。
3.定着ベルトの評価:
[コーティング用溶液の調整]
1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン:GALDEN SV135(ソルベイソレクシス社製)=6:4(質量比)の混合溶液を希釈溶液として、上記各組成物の20質量%コーティング用溶液を調整した。
[定着ベルトの作製]
ニッケル製のチューブ状定着ベルト基材(厚さ0.05mm、内径200mm、幅300mm)の外表面に、上記調整したコーティング用溶液をディップコートし、室温下30分間放置した後、150℃で1時間加熱した。これにより、外表面を上記組成物が硬化して成る硬化物とする定着ベルトが得られた。
該硬化物の被覆状態を目視で確認した。被覆状態の評価は、○:均一平滑で良好であった、△:平滑でなく部分的にムラが見られた、×:全体的にムラが見られた、で表した。結果を表1に示す。
また、上記作製した定着ベルトをフルカラープリンターに組み込み、該プリンターを使用して普通紙10,000枚に印刷を行った。そして、100枚目、1,000枚目、5,000枚目及び10,000枚目の印刷物について、画像にムラがないか目視で確認した。評価は、○:ムラ無し、×:ムラ有り、で表した。結果を表2に示す。
Figure 2015007660
Figure 2015007660
Figure 2015007660
表1及び表2の結果より、比較例2−1〜2−14では(A)〜(H)成分のうち一成分以上を含んでいないか、本発明で規定する範囲外であるために、粘度、Aデュロメータ硬さ、被服状態、及び印刷物の枚数を重ねたときの画像の解像度いずれかに問題が生じた。本発明の定着部材用硬化性組成物(実施例2−1〜2−12)は、比較例2−1〜2−14に比べて、定着ベルト基材の表面を均一平滑に被覆することができ、さらにそれを硬化して得られる硬化物は、剛性の問題がなく、且つ良好なトナー離型性を有するため、印刷物の枚数を重ねても、その画像の解像度が低下することがなかった。このことから、本発明の定着部材用硬化性組成物を硬化して得られる硬化物を表層とする定着部材は、高画質の画像を提供することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
この1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、下記一般式(11)及び(12)で表される基が挙げられる。
2y+1− (11)
(式中、yは1〜10の整数、好ましくは3〜7の整数である。)
Figure 2015007660
(式中、zは1〜10の整数、好ましくは2〜8の整数である)

Claims (9)

  1. 定着部材用硬化性組成物であって、
    (A)下記一般式(1)
    CH=CH−(X)−Rf−(X’)−CH=CH (1)
    [式中、Xは−CH−、−CHO−、−CHOCH−、及び−Y−NR−CO−(Yは−CH−又は下記構造式(2)
    Figure 2015007660
    で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基、Rは水素原子、又は非置換もしくは置換の1価炭化水素基)のいずれかで表される基、X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−、及び−CO−NR−Y’−(Y’は−CH−又は下記構造式(3)
    Figure 2015007660
    で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基、Rは上記と同じ基である。)のいずれかで表される基であり、aは独立に0又は1である。Rfは下記一般式(4)又は(5)
    Figure 2015007660
    (式中、bは2又は3であり、d及びeはそれぞれ1〜150の整数であって、且つdとeの和の平均は2〜300である。また、fは0〜6の整数である。)
    Figure 2015007660
    (式中、gは2又は3であり、hは1〜300の整数、iは1〜80の整数であって、且つhとiの和の平均は2〜300である。)
    で表される2価のパーフルオロポリエーテル基である。]
    で表される直鎖状ポリフルオロ化合物:100質量部、
    (B)下記一般式(6)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を有する環状オルガノポリシロキサン:上記(A)成分のアルケニル基と下記(H)成分の1価の不飽和炭化水素基の合計1モルに対して、ケイ素原子に直結した水素原子が0.20〜0.90モルとなる量、
    Figure 2015007660
    (式中、jは3〜6の整数、kは1〜4の整数、j+kは4〜10の整数、Rは独立に置換又は非置換の1価炭化水素基、Aは、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基である。)
    (C)下記平均組成式(7)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するオルガノポリシロキサン:上記(A)成分のアルケニル基と下記(H)成分の1価の不飽和炭化水素基の合計1モルに対して、ケイ素原子に直結した水素原子が0.20〜0.90モルとなる量、
    Figure 2015007660
    (式中、Rは独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、Dは独立に、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基である。lは0<l≦30.0の実数である。)
    (D)白金族金属系触媒:白金族金属原子換算で0.1〜500ppm、
    (E)下記一般式(8)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基と、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する環状オルガノポリシロキサン:0.50〜8.0質量部、
    Figure 2015007660
    (式中、sは1〜6の整数、uは1〜4の整数、vは1〜4の整数、s+u+vは4〜10の整数、Rは独立に置換又は非置換の1価炭化水素基、Eは酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基、Gは、独立に酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基である。ただし、−(SiO)(H)R−、−(SiO)(E)R−、−(SiO)(G)R−の結合の順番は限定されない。)
    (F)BET法により測定した比表面積が50〜400m/gであり、且つシリカ粒子表面が有機ケイ素化合物により疎水化処理されたヒュームドシリカ:1.0〜50.0質量部、
    (G)1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するシラノール:0.10〜5.0質量部、
    (H)下記一般式(9)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した1価の不飽和炭化水素基と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基とを有する環状オルガノポリシロキサン:0.10〜30.0質量部、
    Figure 2015007660
    (式中、wは1〜4の整数、xは3〜6の整数、w+xは4〜10の整数、Rは独立に置換又は非置換の1価炭化水素基、Jは酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基、Lはケイ素原子に直結した1価の不飽和炭化水素基である。)
    を含有し、前記(A)成分のアルケニル基と前記(H)成分の1価の不飽和炭化水素基の合計1モルに対して、前記(B)成分と(C)成分のケイ素原子に直結した水素原子の合計が0.80〜1.7モルとなる量であり、硬化して得られる硬化物の硬さが、JIS K6253−3に規定されるタイプAデュロメータで50〜80の値であることを特徴とする定着部材用硬化性組成物。
  2. さらに、(I)成分として、カルボン酸無水物:0.010〜10.0質量部を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の定着部材用硬化性組成物。
  3. 前記定着部材用硬化性組成物の、JIS K7117−1に規定される23℃における粘度が、3,000〜40,000mPa・sであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着部材用硬化性組成物。
  4. 前記(A)成分が下記一般式(10)で表されるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の定着部材用硬化性組成物。
    Figure 2015007660
    [式中、X、X’は上記と同様である。また、a’は独立に0又は1、b’及びd’はそれぞれ1〜150の整数、b’+d’(平均)=2〜300、e’は2〜6の整数である。]
  5. 前記(A)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物のアルケニル基含有量が、0.0050〜0.100mol/100gであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の定着部材用硬化性組成物。
  6. 前記(I)成分が、23℃下で固体のカルボン酸無水物、及び/又は下記一般式(19)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を含んでも良い二価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した一価のパーフルオロアルキル基又は一価のパーフルオロオキシアルキル基と、二価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した環状無水カルボン酸残基とを有する環状オルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の定着部材用硬化性組成物。
    Figure 2015007660
    (式中、l’は1〜6の整数、m’は1〜4の整数、n’は1〜4の整数、l’+m’+n’は4〜10の整数である。ただし、−(SiO)(H)R−、−(SiO)(Q)R−、−(SiO)(T)R−の結合の順番は限定されない。また、Rは置換又は非置換の1価の炭化水素基、Qは酸素原子又は窒素原子を含んでも良い2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基、Tは2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した環状無水カルボン酸残基である。)
  7. 前記(B)成分、(C)成分、(E)成分、(G)成分、(H)成分及び(I)成分が有する、1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基は、それぞれ下記一般式(11)又は一般式(12)で表されるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の定着部材用硬化性組成物。
    2y+1− (11)
    (式中、yは1〜10の整数である。)
    Figure 2015007660
    (式中、zは1〜10の整数である)
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の定着部材用硬化性組成物を硬化することにより得られる硬化物を表層とすることを特徴とする画像形成装置用定着部材。
  9. 前記画像形成装置用定着部材は、画像形成装置の定着ロール又は定着ベルトに用いられるものであることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置用定着部材。
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