JP2015007338A - 鋼管杭の継手構造 - Google Patents

鋼管杭の継手構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2015007338A
JP2015007338A JP2013132875A JP2013132875A JP2015007338A JP 2015007338 A JP2015007338 A JP 2015007338A JP 2013132875 A JP2013132875 A JP 2013132875A JP 2013132875 A JP2013132875 A JP 2013132875A JP 2015007338 A JP2015007338 A JP 2015007338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel pipe
pipe pile
convex
portions
width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013132875A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6307797B2 (ja
Inventor
弘信 松宮
Hironobu Matsumiya
弘信 松宮
妙中 真治
Shinji Myonaka
真治 妙中
津留 英司
Eiji Tsuru
英司 津留
義法 藤井
Yoshinori Fujii
義法 藤井
雅司 北濱
Masashi Kitahama
雅司 北濱
壮哉 東
Soya Azuma
壮哉 東
坂井 孝行
Takayuki Sakai
孝行 坂井
惟史 望月
Tadachika MOCHIZUKI
惟史 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2013132875A priority Critical patent/JP6307797B2/ja
Publication of JP2015007338A publication Critical patent/JP2015007338A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6307797B2 publication Critical patent/JP6307797B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Abstract

【課題】回転トルクが伝達できるとともに、設計が容易かつ低コスト化が図れる鋼管杭の継手構造を提供すること。【解決手段】第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とを各々の長手方向に連続するように各々の端部を相互に連結する鋼管杭の継手構造1であって、前記第1鋼管杭10の端部に周方向に配列されかつ前記長手方向に突出した複数の凸部11と、前記第2鋼管杭20の端部に周方向に配列されかつ前記長手方向に切り込まれた複数の凹部22と、を有し、前記凸部11が前記凹部22内に挿入された状態で相互に固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼管杭の継手構造に関し、鋼管杭の端部の連結を施工現場で効率よく行える構造に関する。
従来、鋼管杭の端部どうしを連結する鋼管杭の継手構造としては、各々の端部を施工現場で溶接する溶接継手が一般的であった。
近年、鋼管杭として厚肉材の利用が進むとともに、現場での急速施工の要求に対応するために、溶接に代えて、機械的な結合を利用した継手が導入されている。
このような継手として、一方の鋼管杭単部外周面に雄ねじ部を形成し、他方の杭本体の端部内周面に雌ねじ部を形成し、これらを現場で螺合させて連結するねじ継手構造が多用されている。
しかし、ねじ継手構造による連結を行うためには、ねじ込みを行うために鋼管杭を回転させる必要がある。特に、大径の鋼管杭をねじ継手で連結しようとすると、鋼管杭を保持する架構や回転用の駆動装置が大規模なものとなり、現場施工の簡易化という要請に逆行してしまうという問題がある。
このようなねじ継手構造に対し、近年ではねじ式に代えてより簡単に連結が行える機械式継手構造が開発されている。
例えば、特許文献1の継手構造では、第1の鋼管杭の端部を小径に形成し、第2の鋼管杭の端部に挿入できるようにするとともに、第2の端部の内面に突没可能なキー部材を設置しておき、このキー部材を内向きに進出させて第1の端部の外周の溝内に嵌め込むことにより、第1および第2の鋼管杭の連結を実現している。
また、特許文献2の継手構造では、一対の鋼管杭の端部に奥側が拡がったいわゆるダブテイル形状の溝をそれぞれ複数形成しておき、これらの溝に略X字状の連結ピースを嵌合させることで、一対の鋼管杭の連結を実現している。
これらの機械式継手構造では、接続する際に鋼管杭を回転させる必要がなく、連結キーあるいは連結ピースを利用することで、現場での連結を確実に、かつ簡易な作業で迅速に行うことができる。
また、これらの機械式継手構造では、連結キーや連結ピースの設置数や配置等を調整することで、鋼管に作用する引抜力(あるいは曲げ荷重により導入される引抜応力)に耐えうるように設計することができる。
特許第3158081号公報 特開2003−105752号公報
近年、鋼管杭の設置にあたって、無排土・無騒音の観点から、鋼管杭の回転工法が注目されており、継手構造には杭打ち時に回転トルクを伝達できることが要望されている。
前述した特許文献1では、キー部材が周方向に連続する形状であるため、トルク伝達には不向きである。
一方、特許文献2では、連結ピースにより回転トルクを十分に伝達することができる。
しかし、特許文献2のような継手構造では、一対の鋼管杭の間の引抜荷重や回転トルクが専ら連結ピースを経由して伝達される。従って、連結ピースには、継手構造全体に作用すると想定される荷重を、当該連結ピース自身の耐力のみで支えることが要求される。
このため、連結ピースには、高強度の鋼材を用いる必要があり、設計的には非常に厳しい部材となる。また、連結ピースが嵌め込まれる鋼管杭側の溝部分も、連結ピースから伝達される荷重に耐えるため、母材の高強度化あるいは厚肉化する等が必要となる。
このように、特許文献2のような連結ピースを介した継手構造においては、設計の困難性とともに、母材選択の関係で高コストになりがちであり、これらの問題の改善が求められていた。
本発明の目的は、回転トルクが伝達できるとともに、設計が容易かつ低コスト化が図れる鋼管杭の継手構造を提供することにある。
本発明は、第1鋼管杭と第2鋼管杭とを各々の長手方向に連続するように各々の端部を相互に連結する鋼管杭の継手構造であって、前記第1鋼管杭の端部に周方向に配列されかつ前記長手方向に突出した複数の凸部と、前記第2鋼管杭の端部に周方向に配列されかつ前記長手方向に切り込まれた複数の凹部と、を有し、前記凸部が前記凹部内に挿入された状態で相互に固定されていることを特徴とする。
このような本発明では、第1鋼管杭および第2鋼管杭に形成された凸部と凹部と入れ子状態に嵌め込んで連結する。これらの凸部は、例えば第1鋼管杭および第2鋼管杭の母材から連続して形成することができる。また、凹部は、例えば第1鋼管杭および第2鋼管杭の母材に形成することができる。なお、これらの凸部および凹部は、前述した母材への形成に限定させず、専用の継手部材として短尺の鋼管に凸部あるいは凹部を形成したものを準備しておき、この継手部材を長尺の鋼管に溶接して本発明の継手を形成してもよい。このように、本発明は鋼管母材への凸部および凹部の加工に限定されるものではない。
本発明では、このような凸部と凹部とを嵌め込んで連結するため、第1鋼管杭および第2鋼管杭の母材どうしを連結させることができる。従って、従来の連結ピースのような別の部材を用いる必要がなく、従来の連結ピースに起因する設計の困難さおよび高強度材料の使用に伴うコスト上昇を回避することができる。
本発明において、前記凹部内には前記凸部が挿入されるとともに、前記凸部と前記凹部との間に隙間が形成され、前記隙間に嵌合部材が嵌め込まれていることが望ましい。
このような本発明では、第1鋼管杭と第2鋼管杭とを連結する際に、先ず凹部内に凸部を挿入したのち、凸部と凹部との間に形成される隙間に嵌合部材を嵌め込む。このため、凸部と凹部との間に隙間があっても、これを嵌合部材で充填することができ、凸部と凹部とを確実に固定することができる。また、連結にあたって凸部と凹部との隙間に余裕をもたせることで、凸部の凹部内への挿入作業を容易に行うことができる。特に、大規模な鋼管杭の連結にあたっては、寸法的な余裕が必須となるため、このような本発明が有効となる。
本発明において、前記凸部は、前記第1鋼管杭の端部に形成された基部と、前記基部に対向する先端部とを有し、前記先端部の幅が前記基部の幅より大きく形成され、前記凹部は、前記第2鋼管杭の端部に形成された開口部と、前記開口部に対向する底部とを有し、前記底部の幅が前記開口部より大きく形成され、前記開口部の幅が前記先端部の幅より大きいことが望ましい。
このような本発明では、第1鋼管杭の端部に形成される凸部において、基部と先端部とを傾斜した側部で結ぶことで、凸部が基部から先端部に向かって幅が広くなるダブテイル形状とされる。また、第2鋼管杭の端部に形成される凹部において、開口部と底部とを傾斜した側部で結ぶことで、凹部が開口部から底部に向かって幅が広くなるダブテイル形状とされる。
ここで、凹部の開口部は凸部の先端部よりも幅が広いため、凸部は開口部から凹部内へと挿入することができる。凹部内に挿入された凸部は、前述した寸法関係から、その側縁に沿って凹部との間に相当の隙間が生じる。この隙間には、前述した嵌合部材を嵌め込まれるから、凸部と凹部との隙間を充填することができる。その結果、それぞれダブテイル形状とされた凸部と凹部とが、嵌合部材と併せてダブテイルジョイントを形成する。
このようなダブテイルジョイント(蟻組あるいは蟻溝嵌合とも呼ばれる)により、第1鋼管杭と第2鋼管杭とは、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までができることになる。
本発明の他の形態では、第1鋼管杭の凸部において、基部と先端部とを長手方向に沿った側部で結び、両側の側部のうち一方に基部と先端部との長さの差に相当する段差を形成することで、基部に対して先端部が幅広いL字形状の凸部が形成される。また、第2鋼管杭の凹部において、同様に開口部と底部との間の側部に段差を形成することで、開口部に対して底部が幅広いL字形状の凹部が形成される。
このようなL字形状の凸部および凹部においては、L字形状の凹部にL字形状の凸部を挿入し、第1鋼管杭と第2鋼管杭とを周方向に回転させることで、凸部と凹部とを係合させて連結することができる。そして、凹部と凸部との間の隙間に嵌合部材を嵌め込むことで、これらの凸部と凹部とは係合状態で固定され、第1鋼管杭と第2鋼管杭との連結が維持される。
このような継手構造によっても、第1鋼管杭と第2鋼管杭とは、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までができることになる。
本発明において、前記第1鋼管杭の端部には前記凹部に相当する形状の切欠きが形成され、前記凸部は前記切欠きの間に突起状に形成されたものであり、前記第2鋼管杭の端部には前記凹部が切欠きにより形成され、前記凹部の間には前記凸部に相当する突起が形成されることが望ましい。
このような本発明では、第1鋼管杭および第2鋼管杭の端部には、それぞれ凹部と凸部が交互に並ぶことになり、切欠きとする凹部の形状を第1鋼管杭側と第2鋼管杭側とで同じとすれば、第1鋼管杭および第2鋼管杭の端部は互いに同じ形状となる。このため、第1鋼管杭および第2鋼管杭は同じものを用いることができ、各々の端部に凹部および凸部を形成する加工も全く同じ操作で行うことができ、製造を効率的に行うことができる。
本発明において、前記第1鋼管杭の外周面が前記凸部まで連続しているとともに、前記凸部は前記第1鋼管杭の厚みより薄く形成され、前記凹部は前記第2鋼管杭の外周面から所定深さで形成され、前記凹部の内側には薄肉部が形成されていることが望ましい。
このような本発明では、凹部の裏側が薄肉部で塞がれているため、挿入時に凸部を薄肉部に沿わせることで凹部内への挿入を円滑に行うことができる。また、嵌合部材を外側から嵌め込む際にも、裏側に薄肉部があるため、嵌合部材が凹部を通り過ぎて第2鋼管杭の内部に脱落する等の不都合を回避することができる。
本発明の第1実施形態を示す斜視図。 前記第1実施形態の要部を示す部分破断した分解斜視図。 前記第1実施形態の要部を示す展開図。 本発明の第2実施形態の要部を示す部分破断した分解斜視図。 本発明の第3実施形態の要部を示す部分破断した分解斜視図。 前記第1〜第3実施形態の変形を示す展開図。 本発明の第4実施形態を示す斜視図。 前記第4実施形態の要部を示す展開図。 本発明の第5実施形態を示す斜視図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1において、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20は、それぞれ断面形状が円形で所定厚みの鉄鋼を母材とする鋼管杭である。
これらの第1鋼管杭10および第2鋼管杭20は、各々の中心軸線を同一軸線に合わせたうえ、各々の端部どうしを本発明に基づく継手構造1により連結されている。
図2にも示すように、本実施形態の継手構造1は、第1鋼管杭10の端部に複数の凸部11および凹部12を形成するとともに、第2鋼管杭20の端部に複数の凸部21および凹部22を形成し、これらの凸部11,21を対向する凹部12,22内に挿入してダブテイルジョイント(蟻組あるいは蟻溝嵌合とも呼ばれる)を形成したものである。
第1鋼管杭10は、その端部の周縁に複数の凹部12を切欠き加工により形成し、各凹部12の間に周方向に配列されかつ第1鋼管杭10の長手方向に突出した複数の凸部11を形成したものである。
第2鋼管杭20は、その端部の周縁に複数の凹部22を切欠き加工により形成し、各凹部22の間に周方向に配列されかつ第2鋼管杭20の長手方向に突出した複数の凸部21を形成したものである。
本実施形態において、これらの凹部12,22は、それぞれ第1鋼管杭10あるいは第2鋼管杭20の母材をその厚み方向へ完全に抜けるように切り欠いて形成されている。
また、これらの凹部12,22および凸部11,21は、それぞれ同じ形状および寸法とされ、同じ加工装置および加工手順により第1鋼管杭10あるいは第2鋼管杭20の端部を加工して形成されている。
図3には、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の凸部11,21および凹部12,22の形状および寸法が示されている。
凸部11は、第1鋼管杭10の端部に形成された基部11nと、基部11nに対向する先端部11tとを有し、先端部11tの幅Wtが基部11nの幅Wnより大きく(幅Wt>幅Wnとなるように)形成されている。
凸部21は、第2鋼管杭20の端部に形成された基部21nと、基部21nに対向する先端部21tとを有し、先端部21tの幅Wtおよび基部21nの幅Wnは凸部11と同様に形成されている。
凸部11,21において、先端部11t,21tの両端と基部11n,21nの両端とは、それぞれ直線的な側部11s,21sで連結されている。この際、先端部11t,21tの幅Wtが基部11n,21nの幅Wnよりも大きいため、側部11s,21sはそれぞれ第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の長手方向に対して左右対称に傾斜した直線となっている。
凹部12は、第1鋼管杭10の端部に形成された開口部12oと、開口部12oに対向する底部12bとを有し、底部12bの幅Wbが開口部12oの幅Woより大きく(幅Wb>幅Woとなるように)形成されている。
凹部22は、第2鋼管杭20の端部に形成された開口部22oと、開口部22oに対向する底部22bとを有し、底部22bの幅Wbおよび開口部22oの幅Woは凹部12と同様に形成されている。
凹部12,22において、底部12b,22bの両端と開口部12o,22oの両端とは、それぞれ直線的な側部12s,22s(側部11s,21sと同じ)で連結されている。この際、底部12b,22bの幅Wbが開口部12o,22oの幅Woよりも大きいため、側部12s,22sはそれぞれ第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の長手方向に対して左右対称に傾斜した直線となっている。
本実施形態では、図2および図3に示すように、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部を向かい合わせて配置し、第1鋼管杭10の凸部11が第2鋼管杭20の凹部22に対向する状態(第2鋼管杭20の凸部21が第1鋼管杭10の凹部12に対向する状態)とし、互いに長手方向に近接させることで、図1に示すように、凸部11が凹部22内に挿入されるとともに凸部21が凹部12内に挿入される。
本実施形態において、凹部12,22の開口部12o,22oの幅Woは、凸部11,21の先端部11t,21tの幅Wtより大きく(幅Wo>幅Wtとなるように)形成されている。つまり、本実施形態においては、幅Wb>幅Wo>幅Wt>幅Wnの関係で設定されている。
このため、凸部11が凹部22内に挿入され、凸部21が凹部12内に挿入される際に、相互に干渉することがない。
図3に示すように、凸部11を凹部22内に挿入した際、あるいは凸部21を凹部12内に挿入した際には、凸部11,21の先端部11t,21tが凹部12,22の底部12b,22bに当接または僅かな間隔で対向する。ここで、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とをその中心軸線まわりに僅かに回転させると、凸部11,21が凹部12,22内の一方の側に寄せられる。
この状態では、凹部12,22内には幅(Wb―Wt)の間隔が形成される。この点は、側部11s,12s,21s,22sが全て同じ傾斜の直線状であるため、凹部12,22の底部12b,22b側でも開口部12o,22o側でも均等な間隔である。
この間隔には、図1ないし図3の各図に示すような嵌合部材9が嵌め込まれる。
嵌合部材9は、図2に示すような短冊状の鋼材であり、凹部12,22内において凸部11,21との間に形成される前述した隙間よりもやや大きな幅を有する。
実際には、前述した隙間は底部12b,22bに沿った方向に幅(Wb―Wt)となるため、側部12s,22sに沿って傾斜した状態で嵌め込まれる嵌合部材9(図3参照)としては、前述した幅(Wb―Wt)より小さい幅であってよい。
なお、嵌合部材9を前述した隙間に嵌め込む際にハンマー等で叩き込む場合には、嵌合部材9の断面形状をテーパ状とし、隙間への挿入が容易になるように配慮等することが望ましい。
第1鋼管杭10および第2鋼管杭20は、凸部11を凹部22内に挿入し(凸部21を凹部12内に挿入し)、さらに各々の隙間に嵌合部材9を嵌め込んだ状態(図1に示す状態)で、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の外周から凸部11、凹部22および嵌合部材9の接続部分を溶接することで、相互に連結される。
これらの凸部11,21、凹部12,22および嵌合部材9により継手構造1が構成され、この継手構造1により第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とは互いの端部が連結されている。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
本実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に形成された凸部11と凹部22と、および凸部21と凹部12とを、それぞれ入れ子状態に嵌め込むことにより、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20が互いに連結される。
これらの凹部12,22は、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材に直接切り込んで形成されている。また、凸部11,21は、凹部12,22の切り込みの間に形成され、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材から連続したものである。
このように、本実施形態では、凸部11,21と凹部12,22とを、それぞれ入れ子状に嵌め込んで連結するため、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材どうしを連結させることができる。従って、従来の連結ピースのような別の部材を用いる必要がなく、従来の連結ピースに起因する設計の困難さおよび高強度材料の使用に伴うコスト上昇を回避することができる。
本実施形態では、凸部11と凹部22と、および凸部21と凹部12と、という逆向きに2組の凹凸をそれぞれ入れ子状に嵌め込んで連結しており、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材どうしの連結を一層確実なものとすることができる。
この際、前述したように、凸部11,21は、凹部12,22の切り込みを形成することで、これらの間に切り残された形で自動的に形成されることになり、加工の省力化が図れる。
さらに、第1鋼管杭10の端部には、凸部11と凹部12が交互に並び、第2鋼管杭20の端部には、凸部21と凹部22が交互に並ぶことになり、切欠きとする凹部12,22の形状を第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とで同じとすれば、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部は互いに同じ形状とすることができる。
このため、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20としては、それぞれ両端に凸部(凸部11,21と同じ)および凹部(凹部12,22と同じ)が形成された同じ鋼管杭を利用することができ、製造を一元化できるとともに資材管理等の面でも簡素化が図れる。
本実施形態においては、凹部12,22内に凸部11,21を挿入したうえで、凸部11,21と凹部12,22との間に嵌合部材9が嵌め込んで隙間を埋めるようにした。
このため、凸部11,21と凹部12,22との間に、予め余裕をもって隙間を形成しておくことができ、凹部12,22内に凸部11,21を挿入する操作を容易にすることができる。
また、本実施形態では凸部11,21と凹部12,22とでダブテイルジョイントを形成するが、このような嵌合部材9を用いることで、嵌め込み前の状態では凸部11,21と凹部12,22との間に隙間を確保できるため、凸部11,21を凹部12,22内に挿入することが可能となる。そして、凸部11,21を凹部12,22内に挿入した後、嵌合部材9で隙間を埋めることで、所期のダブテイルジョイントを完成させることができる。
本実施形態において、凸部11,21は、基部11n,21nの幅Wnより先端部11t,21tの幅Wtが大きく、基部11n,21n側から先端部11t,21t側へと直線的で傾斜した側部11s,21sにより徐々に幅広となるダブテイル形状とした。また、凹部12,22は、開口部12o,22oの幅Woより底部12b,22bの幅Wbが大きく、開口部12o,22o側から底部12b,22b側へと直線的で傾斜した側部12s,22sにより徐々に幅広となるダブテイル形状とした。そして、これらのダブテイル形状とされた凸部11,21と凹部12,22とを入れ子状に配置したうえ、隙間に嵌合部材9を嵌め込んでダブテイルジョイントを形成した。このようなダブテイルジョイントにより、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とは、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までを行うことができる。
この際、凸部11,21および凹部12,22のダブテイル形状に拘わらず、凹部12,22の開口部12o,22oの幅Woを凸部11,21の先端部11t、21tの幅Wtよりも広くしたため、凸部11,21を開口部12o,22oから凹部12,22内へと第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の長手方向に沿って挿入することができる。
なお、前述したように、本実施形態では、凹部12,22内に挿入された凸部11,21と凹部12,22との間には隙間が生じるが、この隙間には嵌合部材9が嵌め込まれ、この隙間が嵌合部材9で充填されることで、前述したダブテイルジョイントを形成することができる。
〔第2実施形態〕
前述した第1実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に凹部12,22に相当する形状の切欠きが形成され、凸部11,21は凹部12,22の切欠きの間に突起状に形成されたものとした。そして、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の凹部12,22および凸部11,21は、それぞれ第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材の全厚みにわたって形成されていた。つまり、凹部12,22および凸部11,21は、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材を、その表面側から裏面側へかけて、その厚み方向に貫通しており、各々の深さが母材の厚さと同じとされていた。
これに対し、図4に示す本実施形態では、第2鋼管杭20の凹部22内に薄肉部23が形成され、第1鋼管杭10の凸部11と重ね合わせられるようになっている。
第1鋼管杭10の凸部11は、その表面が第1鋼管杭10の外周面から連続した一連の外周面とされている。ただし、凸部11の厚みは、第1鋼管杭10の母材の厚みの半分とされ、従って凸部11は第1鋼管杭10の外周面から母材の厚みの半分までの深さに形成されている。
第1鋼管杭10の凹部12は、前述した第1実施形態と同様であるが、両側に位置する凸部11の厚みが第1鋼管杭10の母材の厚みの半分であるため、見かけ上の凹部12の厚みも第1鋼管杭10の母材の厚みの半分となる。
第2鋼管杭20の凹部22は、第2鋼管杭20の外周面から所定深さ(本実施形態では第2鋼管杭20の母材の厚みの半分)で形成され、凹部22の内側には薄肉部23が形成されている。
従って、薄肉部23の厚みも第2鋼管杭20の母材の厚みの半分となり、薄肉部23は第2鋼管杭20の内周面から外側へ母材の厚みの半分までの領域に形成される。
第2鋼管杭20の凸部21は、前述した第1実施形態と同様であるが、両側に位置する凹部22の厚みが第2鋼管杭20の母材の厚みの半分であるため、見かけ上の凸部21の厚みも第2鋼管杭20の母材の厚みの半分となる。
なお、凸部11,21および凹部12,22の形状および寸法(図3に示す開口部12o,22oの幅Wo、先端部11t、21tの幅Wt、基部11n、21nの幅Wb、底部12b、22bの幅Wb)は、前述した第1実施形態と同じである。
また、本実施形態でも、前述した第1実施形態と同様な嵌合部材9を用いる。ただし嵌合部材9の厚みは、凹部22の深さと同じく第2鋼管杭20の母材の厚みの半分とされている。
このような本実施形態において、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とを連結する際には、凹部12,22内に凸部11,21を挿入し、嵌合部材9を嵌め込み、各々の境界部分を溶接する。
これにより第1鋼管杭10と第2鋼管杭20との連結を行うことができ、本実施形態によっても前述した第1実施形態と同様な効果が得られる。
さらに、本実施形態では、凹部22の裏側が薄肉部23で塞がれているため、挿入時に凸部11を薄肉部23に沿わせて送り込むことで、凹部22内への挿入を円滑に行うことができる。
また、嵌合部材9を外側から嵌め込む際にも、裏側に薄肉部23があるため、嵌合部材9が凹部22を通り過ぎて第2鋼管杭20の内部に脱落する等の不都合を回避することができる。
なお、本実施形態では、凹部12(薄肉部23なし)と凹部22(薄肉部23あり)が異なるため、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部が同じ形状とはならない。このため、前述した第1実施形態のような端部加工の共用化はできない。
しかし、同じ鋼管杭の一端を第1鋼管杭10(薄肉部23なし)のように形成し、他端を第2鋼管杭20(薄肉部23あり)のように形成すれば、同じ鋼管杭を順次連結してゆくことができ、製造する鋼管杭を1種類だけにして共通化することができる。
〔第3実施形態〕
前記実施形態では、薄肉部は、凹部内だけだった。
前記第2実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に凸部11,21および凹部12,22を形成するとともに、第2鋼管杭20の凹部22内に薄肉部23を形成し、第1鋼管杭10の凸部11と重ね合わせられるようにしていた。
これに対し、図5に示す本実施形態では、薄肉部23が凹部22内だけではなく、凹部22の開口部22oを超えて延長され、隣接する凸部21の先端部21tより先に薄肉の円筒部24が形成されている。
円筒部24は、第2鋼管杭20の端部に周方向へ連続した円筒状に形成されており、裏側は第2鋼管杭20の内周面と連続しているとともに、薄肉部23と同じ厚みとされ、その表面は薄肉部23の表裏に連続している。
一方、第1鋼管杭10の端部の内周面には、周方向へ連続した段差部14が形成されている。
段差部14は、第1鋼管杭10の内周面から外周向きに凹んだ段差とされており、この段差の深さは円筒部24の厚みと同じとされている。従って、この段差部14の外側に残された第1鋼管杭10の厚さは本来の母材の厚さの半分とされている。
なお、第1鋼管杭10の凸部11は、前述した第2実施形態と同様に、薄肉部23を有する凹部22に挿入されるべく第1鋼管杭10の本来の母材の厚さの半分とされており、段差部14の内周面から凸部11の内周面までは連続した円筒面とされている。
段差部14は、第1鋼管杭10の長手方向の寸法が、円筒部24の長手方向寸法(先端部21tからの突き出し長さ)と同じまたは大きく形成されている。
このような本実施形態においては、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とを互いに連結させる際には、先ず、円筒部24が第1鋼管杭10の凸部11の内側に挿入され、段差部14内へと徐々に挿入される。これに伴って、凸部11が凹部22内に挿入され、凸部21が凹部12内に挿入される。この際、凸部11は、円筒部24の表面に沿ってガイドされた後、薄肉部23の表面に沿ってガイドされ、凹部22内へと挿入される。
凸部11,21が凹部12,22内に挿入されたら、嵌合部材9を嵌め込み、各々の境界部分を溶接することで、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20との連結が行われる。
本実施形態では、前述した第1実施形態および第2実施形態と同様な効果が得られる。
さらに、本実施形態では、薄肉部23に連続する円筒部24により、凸部11のガイドをさらに円滑に行うことができる。
また、円筒部24と段差部14とが周方向に嵌合することで、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20との連結をさらに確実にすることができる。
〔第1〜第3実施形態の変形〕
前述した第1〜第3実施形態では、それぞれ第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に、凸部11,21および凹部12,22を交互に形成し、これらを入れ子状に挿入して連結した。つまり、例えば第1実施形態における図3のように、第1鋼管杭10の端部の辺縁を基準とし、この辺縁から凹部12に相当する切り込みを入れることで凹部12および凸部11を形成し、この辺縁を凸部11の先端部11tとするとともに、凹部12の開口部12oとしていた。
これに対し、図6に示すように、第1鋼管杭10の端部の辺縁を基準とし、この辺縁に切り込みを入れて凹部12を形成し、鋼板片を溶接等して凸部11を突起状に形成してもよい。同様に、第2鋼管杭20の端部の辺縁を基準とし、この辺縁に切り込みを入れて凹部22を形成し、鋼板片を溶接等して凸部21を突起状に形成してもよい。
前述した第1〜第3実施形態においては、このような凸部11,21および凹部12,22を用いてもよく、それぞれ同様の効果を得ることができる。
〔第4実施形態〕
前述した第1〜第3実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部にそれぞれダブテイル形状の凸部11,21および凹部12,22を形成し、嵌合部材9を嵌め込んでダブテイルジョイント式の継手構造1を形成することにより、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とが、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までを行うことができるようにした。
これに対し、図7に示す本実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に、それぞれ段差を有する略L字形状の凸部15,25および凹部16,26を形成し、嵌合部材9を嵌め込んで各々の段差を係合させることで継手構造2を形成することにより、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までを行えるようにする。
図8には、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の凸部15,25および凹部16,26の形状および寸法が示されている、
凸部15は、第1鋼管杭10の端部に形成された基部15nと、基部15nに対向する先端部15tとを有し、先端部15tの幅Wtが基部15nの幅Wnより大きく(幅Wt>幅Wnとなるように)形成されている。
凸部25は、第2鋼管杭20の端部に形成された基部25nと、基部25nに対向する先端部25tとを有し、先端部25tの幅Wtおよび基部25nの幅Wnは凸部11と同様に形成されている。
凸部15,25において、先端部15t,25tの両端と基部15n,25nの両端とは、それぞれ側部15s,25sで連結されている。側部15s,25sのうち、一方は第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の長手方向に沿った直線状とされているが、他方は同長手方向に沿いかつ途中に段差15p,25pを有する。この段差15p、25pは、先端部11t,21tの幅Wtと基部11n,21nの幅Wnとの差に等しい幅に設定されている。
凹部16は、第1鋼管杭10の端部に形成された開口部16oと、開口部16oに対向する底部16bとを有し、底部16bの幅Wbが開口部16oの幅Woより大きく(幅Wb>幅Woとなるように)形成されている。
凹部26は、第2鋼管杭20の端部に形成された開口部26oと、開口部26oに対向する底部26bとを有し、底部26bの幅Wbおよび開口部26oの幅Woは凹部16と同様に形成されている。
凹部16,26において、底部16b,26bの両端と開口部16o,26oの両端とは、それぞれ側部16s,26s(側部15s,25sと同じ)で連結されている。側部16s,26sのうち、一方は第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の長手方向に沿った直線状とされているが、他方は同長手方向に沿いかつ途中に段差16p,26pを有し、この段差16p、26pは、底部16b,26bの幅Wbと開口部16o,26oの幅Woとの差に等しい幅に設定されている。
本実施形態においても、前述した第1実施形態と同様に、凹部16,26の開口部16o,26oの幅Woは、凸部15,25の先端部15t,25tの幅Wtより大きく(幅Wo>幅Wtとなるように)形成されている。
つまり、本実施形態においては、幅Wb>幅Wo>幅Wt>幅Wnの関係で設定されている。
このため、凸部15が凹部26内に挿入され、凸部25が凹部16内に挿入される際に、相互に干渉することがない。
本実施形態においても、凸部15を凹部26内に挿入した際、あるいは凸部25を凹部16内に挿入した際には、凸部15,25の先端部15t,25tが凹部16,26の底部16b,26bに当接または僅かな間隔で対向する。ここで、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とをその中心軸線まわりに僅かに回転させると、凸部15,25が凹部16,26内の一方の側に寄せられる。
この際、回転させる方向を、凸部15,25および凹部16,26の段差15p,25p,16p,26pが互いに近接する方向とすることで、段差15pと段差26pと、および段差25pと段差16pとが互いに係合し、凹部16,26内には幅(Wb―Wt)の間隔が形成される。
この間隔には、前述した第1実施形態と同様に、嵌合部材9が嵌め込まれる。
第1鋼管杭10および第2鋼管杭20は、凸部15を凹部26内に挿入し(凸部25を凹部16内に挿入し)、さらに各々の隙間に嵌合部材9が嵌め込んだ状態(図7に示す状態)で、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の外周から凸部15、凹部26および嵌合部材9の接続部分を溶接することで、相互に連結される。
これらの凸部15,25、凹部16,26および嵌合部材9により継手構造2が構成され、この継手構造2により第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とは互いの端部が連結される。
このような本実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の凸部15,25において、基部15n,25nと先端部15t,25tとを長手方向に沿った側部15s,25sで結び、両側の側部のうち一方に基部と先端部との長さの差(Wt−Wn)に相当する段差15p,25pを形成することで、基部15n,25nに対して先端部15t,25tが幅広いL字形状の凸部15,25が形成される。
また、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の凹部16,26において、同様に開口部16o,26oと底部16b,26bとの間の側部16s,26sに段差16p,26pを形成することで、開口部16o,26oに対して底部16b,26bが幅広いL字形状の凹部16,26が形成される。
そして、このようなL字形状の凸部15,25および凹部16,26においては、L字形状の凹部16,26にL字形状の凸部15,25を挿入し、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とを周方向に回転させることで、凸部15,25と凹部16,26とを係合させて連結することができる。
そして、凸部15,25と凹部16,26との間の隙間に嵌合部材9を嵌め込むことで、これらの凸部15,25と凹部16,26とは係合状態で固定され、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20との連結が維持される。
このような継手構造2によっても、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とは、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までができることになる。
このような本実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
〔第5実施形態〕
前述した第1〜第3実施形態では、ダブテイル形状の凸部11,21および凹部12,22を形成し、ダブテイルジョイント式の継手構造1を形成した。また、前述した第4実施形態では、段差で係合可能な凸部15,25および凹部16,26を形成し、段差係合式の継手構造2を形成した。これらの継手構造1,2は、それぞれ第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とが、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までを行うことができるものであった。
これに対し、図9に示す本実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に、それぞれ矩形状の凸部17,27および凹部18,28を形成し、嵌合部材9を嵌め込んで継手構造3を形成する。
第1鋼管杭10の端部には、その辺縁から凹部18が矩形状に切り込まれ、各々の間に矩形状の凸部17が突起状に形成されている。
第2鋼管杭20の端部には、その辺縁から凹部28が矩形状に切り込まれ、各々の間に矩形状の凸部27が突起状に形成されている。
凸部17,27の幅は、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の長手方向の全長にわたって所定の幅とされている。
凹部18,28の幅は、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の長手方向の全長にわたって所定の幅とされ、この幅は前述した凸部17,27の幅より大きく設定されている。
従って、凹部18,28に凸部17,27を挿入した際には、凹部18,28内には隙間が形成されるが、この隙間には嵌合部材9が嵌め込まれる。
このような本実施形態によれば、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20は、その母材どうしが、凸部17,27および凹部18,28により直接的に周方向へ係合するため、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20との間で回転トルクの伝達に十分な継手構造3とすることができる。
一方、継手構造3は、第1〜第3実施形態のようなダブテイルジョイントがなく、また第4実施形態のような段差係合もないため、引抜荷重の伝達までを行うには十分な強度が得られない可能性がある。
しかし、凸部17,27および凹部18,28を嵌合部材9とともに溶接することで、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材どうしを直接溶接して連結しており、従来の連結ピースを用いた場合よりは引抜荷重の伝達の点で有効である。
〔変形例〕
なお、本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、嵌合部材9は、本発明に必須ではなく、回転トルクの伝達において、多少の隙間分の初期回転が許容される場合には、嵌合部材9がなくてもよい。その場合、各実施形態において嵌合部材9分の空隙が存在することになるが、例えば第1鋼管杭10が回転トルクを受けた場合、始めに第2鋼管杭20に対して嵌合部材9分の空隙だけ回転を行った後、凹部11,15…に凸部12,16…が互いに接触し、この状態では回転トルクを十分に伝達することが可能となる。
また、嵌合部材9分の空隙については、例えば凸部11と凹部12との幅の差が小さい場合(凹部12内に凸部11を挿入した際の隙間が小さい場合)には、溶接時の肉盛りを大きくする等で埋めるようにしてもよい。 ただし、例えば凸部11を凹部12内に挿入する際の作業性を考慮すると、各々の間に余裕をもたせつつ、嵌め込んだ状態では空隙がないことが望ましく、前述した各実施形態で述べたとおり、嵌合部材9で埋めることが望ましい。
前述した各実施形態では、嵌合部材9として短冊状の鋼板を用い、単純に凸部11と凹部12との隙間等に嵌め込むようにしたが、嵌合部材9と凸部11および凹部12の側部
とにそれぞれ凹凸形状を形成し、これらを互いに係合させて第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の長手方向の移動を規制してもよく、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20との間の引抜荷重の伝達性能を高めることができる。
1,2,3…継手構造
10…第1鋼管杭
11,15,17,21,25,27…凸部
11n,15n,21n,25n…基部
11s,15s,21s,25s…側部
11t,15t,21t,25t…先端部
12,16,18,22,26,28…凹部
12b,16b,22b,26b…底部
12o,16o,22o,26o…開口部
12s,16s,22s,26s…側部
14…段差部
15p,16p,25p,26p…段差
20…第2鋼管杭
23…薄肉部
24…円筒部
9…嵌合部材
Wb…底部の幅
Wn…基部の幅
Wo…開口部の幅
Wt…先端部の幅

Claims (5)

  1. 第1鋼管杭と第2鋼管杭とを各々の長手方向に連続するように各々の端部を相互に連結する鋼管杭の継手構造であって、
    前記第1鋼管杭の端部に周方向に配列されかつ前記長手方向に突出した複数の凸部と、前記第2鋼管杭の端部に周方向に配列されかつ前記長手方向に切り込まれた複数の凹部と、を有し、
    前記凸部が前記凹部内に挿入された状態で相互に固定されていることを特徴とする鋼管杭の継手構造。
  2. 請求項1に記載の鋼管杭の継手構造において、
    前記凹部内には前記凸部が挿入されるとともに、前記凸部と前記凹部との間に隙間が形成され、前記隙間に嵌合部材が嵌め込まれていることを特徴とする鋼管杭の継手構造。
  3. 請求項2に記載の鋼管杭の継手構造において、
    前記凸部は、前記第1鋼管杭の端部に形成された基部と、前記基部に対向する先端部とを有し、前記先端部の幅が前記基部の幅より大きく形成され、
    前記凹部は、前記第2鋼管杭の端部に形成された開口部と、前記開口部に対向する底部とを有し、前記底部の幅が前記開口部より大きく形成され、
    前記開口部の幅が前記先端部の幅より大きいことを特徴とする鋼管杭の継手構造。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載の鋼管杭の継手構造において、
    前記第1鋼管杭の端部には前記凹部に相当する形状の切欠きが形成され、前記凸部は前記切欠きの間に突起状に形成されたものであり、
    前記第2鋼管杭の端部には前記凹部が切欠きにより形成され、前記凹部の間には前記凸部に相当する突起が形成されることを特徴とする鋼管杭の継手構造。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載の鋼管杭の継手構造において、
    前記第1鋼管杭の外周面が前記凸部まで連続しているとともに、前記凸部は前記第1鋼管杭の厚みより薄く形成され、
    前記凹部は前記第2鋼管杭の外周面から所定深さで形成され、前記凹部の内側には薄肉部が形成されていることを特徴とする鋼管杭の継手構造。
JP2013132875A 2013-06-25 2013-06-25 鋼管杭の継手構造 Expired - Fee Related JP6307797B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013132875A JP6307797B2 (ja) 2013-06-25 2013-06-25 鋼管杭の継手構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013132875A JP6307797B2 (ja) 2013-06-25 2013-06-25 鋼管杭の継手構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015007338A true JP2015007338A (ja) 2015-01-15
JP6307797B2 JP6307797B2 (ja) 2018-04-11

Family

ID=52337774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013132875A Expired - Fee Related JP6307797B2 (ja) 2013-06-25 2013-06-25 鋼管杭の継手構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6307797B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104674789A (zh) * 2015-02-16 2015-06-03 济南轨道交通集团有限公司 一种预制方管桩及连接方法
CN110700252A (zh) * 2019-10-31 2020-01-17 花王生态工程股份有限公司 一种易施工的湖泊用栈桥结构
CN110700253A (zh) * 2019-10-31 2020-01-17 花王生态工程股份有限公司 一种专用于湖泊栈道的新型钢护筒
WO2020166607A1 (ja) * 2019-02-12 2020-08-20 株式会社技研製作所 杭体継手、杭体連結構造及び杭体連結方法
JP2020133391A (ja) * 2019-02-12 2020-08-31 株式会社技研製作所 杭体継手、杭体連結構造及び杭体連結方法
KR20200102637A (ko) * 2019-02-22 2020-09-01 주식회사그라운드이엔씨 나선판을 갖는 파일 결합구조

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102529767B1 (ko) * 2021-10-05 2023-06-20 백예승 Phc 말뚝의 연결구

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60195330U (ja) * 1984-05-31 1985-12-26 株式会社竹中工務店 既製パイルの接続構造
JP2001279665A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Nippon Steel Corp 管の継手構造
JP2002146779A (ja) * 2000-11-15 2002-05-22 Geotop Corp 杭の接続構造
US7025385B2 (en) * 2003-09-03 2006-04-11 United Technologies Corporation Coupling
JP2006207117A (ja) * 2005-01-25 2006-08-10 Orimoto Takumi Kozo Sekkei Kenkyusho:Kk 鋼管杭の接合構造
JP2009030365A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Oeda Kenki Kogyo:Kk 地中押込み用連結パイプ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60195330U (ja) * 1984-05-31 1985-12-26 株式会社竹中工務店 既製パイルの接続構造
JP2001279665A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Nippon Steel Corp 管の継手構造
JP2002146779A (ja) * 2000-11-15 2002-05-22 Geotop Corp 杭の接続構造
US7025385B2 (en) * 2003-09-03 2006-04-11 United Technologies Corporation Coupling
JP2006207117A (ja) * 2005-01-25 2006-08-10 Orimoto Takumi Kozo Sekkei Kenkyusho:Kk 鋼管杭の接合構造
JP2009030365A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Oeda Kenki Kogyo:Kk 地中押込み用連結パイプ

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104674789A (zh) * 2015-02-16 2015-06-03 济南轨道交通集团有限公司 一种预制方管桩及连接方法
WO2020166607A1 (ja) * 2019-02-12 2020-08-20 株式会社技研製作所 杭体継手、杭体連結構造及び杭体連結方法
JP2020133391A (ja) * 2019-02-12 2020-08-31 株式会社技研製作所 杭体継手、杭体連結構造及び杭体連結方法
US11519149B2 (en) 2019-02-12 2022-12-06 Giken Ltd. Pile joint, pile coupling structure, and pile coupling method
EP3926098A4 (en) * 2019-02-12 2023-04-19 Giken Ltd. PILE CONNECTION, PILE CONNECTION STRUCTURE AND PILE CONNECTION PROCEDURE
KR20200102637A (ko) * 2019-02-22 2020-09-01 주식회사그라운드이엔씨 나선판을 갖는 파일 결합구조
KR102195847B1 (ko) * 2019-02-22 2020-12-28 주식회사 그라운드이엔씨 나선판을 갖는 파일 결합구조
CN110700252A (zh) * 2019-10-31 2020-01-17 花王生态工程股份有限公司 一种易施工的湖泊用栈桥结构
CN110700253A (zh) * 2019-10-31 2020-01-17 花王生态工程股份有限公司 一种专用于湖泊栈道的新型钢护筒

Also Published As

Publication number Publication date
JP6307797B2 (ja) 2018-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6307797B2 (ja) 鋼管杭の継手構造
JP5811289B2 (ja) 鋼管杭の継手構造、及び鋼管杭
JP2014156898A (ja) 駆動穴付きねじ及び駆動穴付きねじの製造用ヘッダーパンチ
JP6601299B2 (ja) 鋼管杭の継手構造及び連結鋼管杭
JP6405631B2 (ja) 鋼管杭の回転抑止構造
JP6220229B2 (ja) 相対回動防止構造
JP5538244B2 (ja) 鋼管の連結構造
JP4278105B2 (ja) 鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法並びに鉄骨補強用部材
JP6347193B2 (ja) 杭継手の回転抑止構造
JP2008069602A (ja) コーナ用への改造が容易なハット形鋼矢板およびこれの打設方法
JP6043479B2 (ja) 異形鉄筋用継手
JP6302306B2 (ja) 建設機械用ロッド
JP2016065379A (ja) 接続構造、及び、鋼板
JP2010242396A (ja) 表面板と主桁を連結する合成セグメント、合成セグメントの製造方法およびトンネル
JP4879642B2 (ja) 鋼矢板の継手嵌合構造及び鋼矢板壁
JP2017048670A (ja) オーガ軸連結構造
JP4786689B2 (ja) セグメントの継手構造
KR100985598B1 (ko) 키 삽입체 및 이를 이용한 토크 전달 장치.
JP2007078069A (ja) 樹脂管継手構造及び樹脂管継手の組立方法
JP2014185674A (ja) 薄肉ステンレス鋼管と継手の接続機構
JP6497116B2 (ja) 鋼管杭の回転抑止構造
JP6344487B2 (ja) 鋼管杭の回転抑止構造
JP2015143466A (ja) 鋼管杭の継手構造
JP2009114694A (ja) セグメント接続構造
JP2006188889A (ja) 杭の継手構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180226

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6307797

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees