JP2015007338A - 鋼管杭の継手構造 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、鋼管杭として厚肉材の利用が進むとともに、現場での急速施工の要求に対応するために、溶接に代えて、機械的な結合を利用した継手が導入されている。
このような継手として、一方の鋼管杭単部外周面に雄ねじ部を形成し、他方の杭本体の端部内周面に雌ねじ部を形成し、これらを現場で螺合させて連結するねじ継手構造が多用されている。
しかし、ねじ継手構造による連結を行うためには、ねじ込みを行うために鋼管杭を回転させる必要がある。特に、大径の鋼管杭をねじ継手で連結しようとすると、鋼管杭を保持する架構や回転用の駆動装置が大規模なものとなり、現場施工の簡易化という要請に逆行してしまうという問題がある。
例えば、特許文献1の継手構造では、第1の鋼管杭の端部を小径に形成し、第2の鋼管杭の端部に挿入できるようにするとともに、第2の端部の内面に突没可能なキー部材を設置しておき、このキー部材を内向きに進出させて第1の端部の外周の溝内に嵌め込むことにより、第1および第2の鋼管杭の連結を実現している。
また、特許文献2の継手構造では、一対の鋼管杭の端部に奥側が拡がったいわゆるダブテイル形状の溝をそれぞれ複数形成しておき、これらの溝に略X字状の連結ピースを嵌合させることで、一対の鋼管杭の連結を実現している。
また、これらの機械式継手構造では、連結キーや連結ピースの設置数や配置等を調整することで、鋼管に作用する引抜力(あるいは曲げ荷重により導入される引抜応力)に耐えうるように設計することができる。
前述した特許文献1では、キー部材が周方向に連続する形状であるため、トルク伝達には不向きである。
一方、特許文献2では、連結ピースにより回転トルクを十分に伝達することができる。
このため、連結ピースには、高強度の鋼材を用いる必要があり、設計的には非常に厳しい部材となる。また、連結ピースが嵌め込まれる鋼管杭側の溝部分も、連結ピースから伝達される荷重に耐えるため、母材の高強度化あるいは厚肉化する等が必要となる。
このように、特許文献2のような連結ピースを介した継手構造においては、設計の困難性とともに、母材選択の関係で高コストになりがちであり、これらの問題の改善が求められていた。
このような本発明では、第1鋼管杭および第2鋼管杭に形成された凸部と凹部と入れ子状態に嵌め込んで連結する。これらの凸部は、例えば第1鋼管杭および第2鋼管杭の母材から連続して形成することができる。また、凹部は、例えば第1鋼管杭および第2鋼管杭の母材に形成することができる。なお、これらの凸部および凹部は、前述した母材への形成に限定させず、専用の継手部材として短尺の鋼管に凸部あるいは凹部を形成したものを準備しておき、この継手部材を長尺の鋼管に溶接して本発明の継手を形成してもよい。このように、本発明は鋼管母材への凸部および凹部の加工に限定されるものではない。
本発明では、このような凸部と凹部とを嵌め込んで連結するため、第1鋼管杭および第2鋼管杭の母材どうしを連結させることができる。従って、従来の連結ピースのような別の部材を用いる必要がなく、従来の連結ピースに起因する設計の困難さおよび高強度材料の使用に伴うコスト上昇を回避することができる。
このような本発明では、第1鋼管杭と第2鋼管杭とを連結する際に、先ず凹部内に凸部を挿入したのち、凸部と凹部との間に形成される隙間に嵌合部材を嵌め込む。このため、凸部と凹部との間に隙間があっても、これを嵌合部材で充填することができ、凸部と凹部とを確実に固定することができる。また、連結にあたって凸部と凹部との隙間に余裕をもたせることで、凸部の凹部内への挿入作業を容易に行うことができる。特に、大規模な鋼管杭の連結にあたっては、寸法的な余裕が必須となるため、このような本発明が有効となる。
このような本発明では、第1鋼管杭の端部に形成される凸部において、基部と先端部とを傾斜した側部で結ぶことで、凸部が基部から先端部に向かって幅が広くなるダブテイル形状とされる。また、第2鋼管杭の端部に形成される凹部において、開口部と底部とを傾斜した側部で結ぶことで、凹部が開口部から底部に向かって幅が広くなるダブテイル形状とされる。
ここで、凹部の開口部は凸部の先端部よりも幅が広いため、凸部は開口部から凹部内へと挿入することができる。凹部内に挿入された凸部は、前述した寸法関係から、その側縁に沿って凹部との間に相当の隙間が生じる。この隙間には、前述した嵌合部材を嵌め込まれるから、凸部と凹部との隙間を充填することができる。その結果、それぞれダブテイル形状とされた凸部と凹部とが、嵌合部材と併せてダブテイルジョイントを形成する。
このようなダブテイルジョイント(蟻組あるいは蟻溝嵌合とも呼ばれる)により、第1鋼管杭と第2鋼管杭とは、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までができることになる。
このようなL字形状の凸部および凹部においては、L字形状の凹部にL字形状の凸部を挿入し、第1鋼管杭と第2鋼管杭とを周方向に回転させることで、凸部と凹部とを係合させて連結することができる。そして、凹部と凸部との間の隙間に嵌合部材を嵌め込むことで、これらの凸部と凹部とは係合状態で固定され、第1鋼管杭と第2鋼管杭との連結が維持される。
このような継手構造によっても、第1鋼管杭と第2鋼管杭とは、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までができることになる。
このような本発明では、第1鋼管杭および第2鋼管杭の端部には、それぞれ凹部と凸部が交互に並ぶことになり、切欠きとする凹部の形状を第1鋼管杭側と第2鋼管杭側とで同じとすれば、第1鋼管杭および第2鋼管杭の端部は互いに同じ形状となる。このため、第1鋼管杭および第2鋼管杭は同じものを用いることができ、各々の端部に凹部および凸部を形成する加工も全く同じ操作で行うことができ、製造を効率的に行うことができる。
このような本発明では、凹部の裏側が薄肉部で塞がれているため、挿入時に凸部を薄肉部に沿わせることで凹部内への挿入を円滑に行うことができる。また、嵌合部材を外側から嵌め込む際にも、裏側に薄肉部があるため、嵌合部材が凹部を通り過ぎて第2鋼管杭の内部に脱落する等の不都合を回避することができる。
〔第1実施形態〕
図1において、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20は、それぞれ断面形状が円形で所定厚みの鉄鋼を母材とする鋼管杭である。
これらの第1鋼管杭10および第2鋼管杭20は、各々の中心軸線を同一軸線に合わせたうえ、各々の端部どうしを本発明に基づく継手構造1により連結されている。
第2鋼管杭20は、その端部の周縁に複数の凹部22を切欠き加工により形成し、各凹部22の間に周方向に配列されかつ第2鋼管杭20の長手方向に突出した複数の凸部21を形成したものである。
また、これらの凹部12,22および凸部11,21は、それぞれ同じ形状および寸法とされ、同じ加工装置および加工手順により第1鋼管杭10あるいは第2鋼管杭20の端部を加工して形成されている。
図3には、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の凸部11,21および凹部12,22の形状および寸法が示されている。
凸部21は、第2鋼管杭20の端部に形成された基部21nと、基部21nに対向する先端部21tとを有し、先端部21tの幅Wtおよび基部21nの幅Wnは凸部11と同様に形成されている。
凹部22は、第2鋼管杭20の端部に形成された開口部22oと、開口部22oに対向する底部22bとを有し、底部22bの幅Wbおよび開口部22oの幅Woは凹部12と同様に形成されている。
本実施形態において、凹部12,22の開口部12o,22oの幅Woは、凸部11,21の先端部11t,21tの幅Wtより大きく(幅Wo>幅Wtとなるように)形成されている。つまり、本実施形態においては、幅Wb>幅Wo>幅Wt>幅Wnの関係で設定されている。
このため、凸部11が凹部22内に挿入され、凸部21が凹部12内に挿入される際に、相互に干渉することがない。
この状態では、凹部12,22内には幅(Wb―Wt)の間隔が形成される。この点は、側部11s,12s,21s,22sが全て同じ傾斜の直線状であるため、凹部12,22の底部12b,22b側でも開口部12o,22o側でも均等な間隔である。
この間隔には、図1ないし図3の各図に示すような嵌合部材9が嵌め込まれる。
実際には、前述した隙間は底部12b,22bに沿った方向に幅(Wb―Wt)となるため、側部12s,22sに沿って傾斜した状態で嵌め込まれる嵌合部材9(図3参照)としては、前述した幅(Wb―Wt)より小さい幅であってよい。
なお、嵌合部材9を前述した隙間に嵌め込む際にハンマー等で叩き込む場合には、嵌合部材9の断面形状をテーパ状とし、隙間への挿入が容易になるように配慮等することが望ましい。
これらの凸部11,21、凹部12,22および嵌合部材9により継手構造1が構成され、この継手構造1により第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とは互いの端部が連結されている。
本実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に形成された凸部11と凹部22と、および凸部21と凹部12とを、それぞれ入れ子状態に嵌め込むことにより、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20が互いに連結される。
これらの凹部12,22は、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材に直接切り込んで形成されている。また、凸部11,21は、凹部12,22の切り込みの間に形成され、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材から連続したものである。
このように、本実施形態では、凸部11,21と凹部12,22とを、それぞれ入れ子状に嵌め込んで連結するため、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材どうしを連結させることができる。従って、従来の連結ピースのような別の部材を用いる必要がなく、従来の連結ピースに起因する設計の困難さおよび高強度材料の使用に伴うコスト上昇を回避することができる。
この際、前述したように、凸部11,21は、凹部12,22の切り込みを形成することで、これらの間に切り残された形で自動的に形成されることになり、加工の省力化が図れる。
さらに、第1鋼管杭10の端部には、凸部11と凹部12が交互に並び、第2鋼管杭20の端部には、凸部21と凹部22が交互に並ぶことになり、切欠きとする凹部12,22の形状を第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とで同じとすれば、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部は互いに同じ形状とすることができる。
このため、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20としては、それぞれ両端に凸部(凸部11,21と同じ)および凹部(凹部12,22と同じ)が形成された同じ鋼管杭を利用することができ、製造を一元化できるとともに資材管理等の面でも簡素化が図れる。
このため、凸部11,21と凹部12,22との間に、予め余裕をもって隙間を形成しておくことができ、凹部12,22内に凸部11,21を挿入する操作を容易にすることができる。
また、本実施形態では凸部11,21と凹部12,22とでダブテイルジョイントを形成するが、このような嵌合部材9を用いることで、嵌め込み前の状態では凸部11,21と凹部12,22との間に隙間を確保できるため、凸部11,21を凹部12,22内に挿入することが可能となる。そして、凸部11,21を凹部12,22内に挿入した後、嵌合部材9で隙間を埋めることで、所期のダブテイルジョイントを完成させることができる。
なお、前述したように、本実施形態では、凹部12,22内に挿入された凸部11,21と凹部12,22との間には隙間が生じるが、この隙間には嵌合部材9が嵌め込まれ、この隙間が嵌合部材9で充填されることで、前述したダブテイルジョイントを形成することができる。
前述した第1実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に凹部12,22に相当する形状の切欠きが形成され、凸部11,21は凹部12,22の切欠きの間に突起状に形成されたものとした。そして、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の凹部12,22および凸部11,21は、それぞれ第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材の全厚みにわたって形成されていた。つまり、凹部12,22および凸部11,21は、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材を、その表面側から裏面側へかけて、その厚み方向に貫通しており、各々の深さが母材の厚さと同じとされていた。
これに対し、図4に示す本実施形態では、第2鋼管杭20の凹部22内に薄肉部23が形成され、第1鋼管杭10の凸部11と重ね合わせられるようになっている。
第1鋼管杭10の凹部12は、前述した第1実施形態と同様であるが、両側に位置する凸部11の厚みが第1鋼管杭10の母材の厚みの半分であるため、見かけ上の凹部12の厚みも第1鋼管杭10の母材の厚みの半分となる。
従って、薄肉部23の厚みも第2鋼管杭20の母材の厚みの半分となり、薄肉部23は第2鋼管杭20の内周面から外側へ母材の厚みの半分までの領域に形成される。
第2鋼管杭20の凸部21は、前述した第1実施形態と同様であるが、両側に位置する凹部22の厚みが第2鋼管杭20の母材の厚みの半分であるため、見かけ上の凸部21の厚みも第2鋼管杭20の母材の厚みの半分となる。
また、本実施形態でも、前述した第1実施形態と同様な嵌合部材9を用いる。ただし嵌合部材9の厚みは、凹部22の深さと同じく第2鋼管杭20の母材の厚みの半分とされている。
これにより第1鋼管杭10と第2鋼管杭20との連結を行うことができ、本実施形態によっても前述した第1実施形態と同様な効果が得られる。
さらに、本実施形態では、凹部22の裏側が薄肉部23で塞がれているため、挿入時に凸部11を薄肉部23に沿わせて送り込むことで、凹部22内への挿入を円滑に行うことができる。
また、嵌合部材9を外側から嵌め込む際にも、裏側に薄肉部23があるため、嵌合部材9が凹部22を通り過ぎて第2鋼管杭20の内部に脱落する等の不都合を回避することができる。
しかし、同じ鋼管杭の一端を第1鋼管杭10(薄肉部23なし)のように形成し、他端を第2鋼管杭20(薄肉部23あり)のように形成すれば、同じ鋼管杭を順次連結してゆくことができ、製造する鋼管杭を1種類だけにして共通化することができる。
前記実施形態では、薄肉部は、凹部内だけだった。
前記第2実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に凸部11,21および凹部12,22を形成するとともに、第2鋼管杭20の凹部22内に薄肉部23を形成し、第1鋼管杭10の凸部11と重ね合わせられるようにしていた。
これに対し、図5に示す本実施形態では、薄肉部23が凹部22内だけではなく、凹部22の開口部22oを超えて延長され、隣接する凸部21の先端部21tより先に薄肉の円筒部24が形成されている。
一方、第1鋼管杭10の端部の内周面には、周方向へ連続した段差部14が形成されている。
段差部14は、第1鋼管杭10の内周面から外周向きに凹んだ段差とされており、この段差の深さは円筒部24の厚みと同じとされている。従って、この段差部14の外側に残された第1鋼管杭10の厚さは本来の母材の厚さの半分とされている。
なお、第1鋼管杭10の凸部11は、前述した第2実施形態と同様に、薄肉部23を有する凹部22に挿入されるべく第1鋼管杭10の本来の母材の厚さの半分とされており、段差部14の内周面から凸部11の内周面までは連続した円筒面とされている。
段差部14は、第1鋼管杭10の長手方向の寸法が、円筒部24の長手方向寸法(先端部21tからの突き出し長さ)と同じまたは大きく形成されている。
凸部11,21が凹部12,22内に挿入されたら、嵌合部材9を嵌め込み、各々の境界部分を溶接することで、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20との連結が行われる。
さらに、本実施形態では、薄肉部23に連続する円筒部24により、凸部11のガイドをさらに円滑に行うことができる。
また、円筒部24と段差部14とが周方向に嵌合することで、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20との連結をさらに確実にすることができる。
前述した第1〜第3実施形態では、それぞれ第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に、凸部11,21および凹部12,22を交互に形成し、これらを入れ子状に挿入して連結した。つまり、例えば第1実施形態における図3のように、第1鋼管杭10の端部の辺縁を基準とし、この辺縁から凹部12に相当する切り込みを入れることで凹部12および凸部11を形成し、この辺縁を凸部11の先端部11tとするとともに、凹部12の開口部12oとしていた。
前述した第1〜第3実施形態においては、このような凸部11,21および凹部12,22を用いてもよく、それぞれ同様の効果を得ることができる。
前述した第1〜第3実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部にそれぞれダブテイル形状の凸部11,21および凹部12,22を形成し、嵌合部材9を嵌め込んでダブテイルジョイント式の継手構造1を形成することにより、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とが、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までを行うことができるようにした。
これに対し、図7に示す本実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に、それぞれ段差を有する略L字形状の凸部15,25および凹部16,26を形成し、嵌合部材9を嵌め込んで各々の段差を係合させることで継手構造2を形成することにより、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までを行えるようにする。
凸部25は、第2鋼管杭20の端部に形成された基部25nと、基部25nに対向する先端部25tとを有し、先端部25tの幅Wtおよび基部25nの幅Wnは凸部11と同様に形成されている。
凹部26は、第2鋼管杭20の端部に形成された開口部26oと、開口部26oに対向する底部26bとを有し、底部26bの幅Wbおよび開口部26oの幅Woは凹部16と同様に形成されている。
つまり、本実施形態においては、幅Wb>幅Wo>幅Wt>幅Wnの関係で設定されている。
このため、凸部15が凹部26内に挿入され、凸部25が凹部16内に挿入される際に、相互に干渉することがない。
この際、回転させる方向を、凸部15,25および凹部16,26の段差15p,25p,16p,26pが互いに近接する方向とすることで、段差15pと段差26pと、および段差25pと段差16pとが互いに係合し、凹部16,26内には幅(Wb―Wt)の間隔が形成される。
この間隔には、前述した第1実施形態と同様に、嵌合部材9が嵌め込まれる。
これらの凸部15,25、凹部16,26および嵌合部材9により継手構造2が構成され、この継手構造2により第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とは互いの端部が連結される。
また、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の凹部16,26において、同様に開口部16o,26oと底部16b,26bとの間の側部16s,26sに段差16p,26pを形成することで、開口部16o,26oに対して底部16b,26bが幅広いL字形状の凹部16,26が形成される。
そして、凸部15,25と凹部16,26との間の隙間に嵌合部材9を嵌め込むことで、これらの凸部15,25と凹部16,26とは係合状態で固定され、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20との連結が維持される。
このような継手構造2によっても、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とは、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までができることになる。
このような本実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
前述した第1〜第3実施形態では、ダブテイル形状の凸部11,21および凹部12,22を形成し、ダブテイルジョイント式の継手構造1を形成した。また、前述した第4実施形態では、段差で係合可能な凸部15,25および凹部16,26を形成し、段差係合式の継手構造2を形成した。これらの継手構造1,2は、それぞれ第1鋼管杭10と第2鋼管杭20とが、回転トルクの伝達だけでなく、引抜荷重の伝達までを行うことができるものであった。
これに対し、図9に示す本実施形態では、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の端部に、それぞれ矩形状の凸部17,27および凹部18,28を形成し、嵌合部材9を嵌め込んで継手構造3を形成する。
第2鋼管杭20の端部には、その辺縁から凹部28が矩形状に切り込まれ、各々の間に矩形状の凸部27が突起状に形成されている。
凸部17,27の幅は、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の長手方向の全長にわたって所定の幅とされている。
凹部18,28の幅は、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の長手方向の全長にわたって所定の幅とされ、この幅は前述した凸部17,27の幅より大きく設定されている。
従って、凹部18,28に凸部17,27を挿入した際には、凹部18,28内には隙間が形成されるが、この隙間には嵌合部材9が嵌め込まれる。
しかし、凸部17,27および凹部18,28を嵌合部材9とともに溶接することで、第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の母材どうしを直接溶接して連結しており、従来の連結ピースを用いた場合よりは引抜荷重の伝達の点で有効である。
なお、本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、嵌合部材9は、本発明に必須ではなく、回転トルクの伝達において、多少の隙間分の初期回転が許容される場合には、嵌合部材9がなくてもよい。その場合、各実施形態において嵌合部材9分の空隙が存在することになるが、例えば第1鋼管杭10が回転トルクを受けた場合、始めに第2鋼管杭20に対して嵌合部材9分の空隙だけ回転を行った後、凹部11,15…に凸部12,16…が互いに接触し、この状態では回転トルクを十分に伝達することが可能となる。
とにそれぞれ凹凸形状を形成し、これらを互いに係合させて第1鋼管杭10および第2鋼管杭20の長手方向の移動を規制してもよく、第1鋼管杭10と第2鋼管杭20との間の引抜荷重の伝達性能を高めることができる。
10…第1鋼管杭
11,15,17,21,25,27…凸部
11n,15n,21n,25n…基部
11s,15s,21s,25s…側部
11t,15t,21t,25t…先端部
12,16,18,22,26,28…凹部
12b,16b,22b,26b…底部
12o,16o,22o,26o…開口部
12s,16s,22s,26s…側部
14…段差部
15p,16p,25p,26p…段差
20…第2鋼管杭
23…薄肉部
24…円筒部
9…嵌合部材
Wb…底部の幅
Wn…基部の幅
Wo…開口部の幅
Wt…先端部の幅
Claims (5)
- 第1鋼管杭と第2鋼管杭とを各々の長手方向に連続するように各々の端部を相互に連結する鋼管杭の継手構造であって、
前記第1鋼管杭の端部に周方向に配列されかつ前記長手方向に突出した複数の凸部と、前記第2鋼管杭の端部に周方向に配列されかつ前記長手方向に切り込まれた複数の凹部と、を有し、
前記凸部が前記凹部内に挿入された状態で相互に固定されていることを特徴とする鋼管杭の継手構造。 - 請求項1に記載の鋼管杭の継手構造において、
前記凹部内には前記凸部が挿入されるとともに、前記凸部と前記凹部との間に隙間が形成され、前記隙間に嵌合部材が嵌め込まれていることを特徴とする鋼管杭の継手構造。 - 請求項2に記載の鋼管杭の継手構造において、
前記凸部は、前記第1鋼管杭の端部に形成された基部と、前記基部に対向する先端部とを有し、前記先端部の幅が前記基部の幅より大きく形成され、
前記凹部は、前記第2鋼管杭の端部に形成された開口部と、前記開口部に対向する底部とを有し、前記底部の幅が前記開口部より大きく形成され、
前記開口部の幅が前記先端部の幅より大きいことを特徴とする鋼管杭の継手構造。 - 請求項1から請求項3の何れかに記載の鋼管杭の継手構造において、
前記第1鋼管杭の端部には前記凹部に相当する形状の切欠きが形成され、前記凸部は前記切欠きの間に突起状に形成されたものであり、
前記第2鋼管杭の端部には前記凹部が切欠きにより形成され、前記凹部の間には前記凸部に相当する突起が形成されることを特徴とする鋼管杭の継手構造。 - 請求項1から請求項4の何れかに記載の鋼管杭の継手構造において、
前記第1鋼管杭の外周面が前記凸部まで連続しているとともに、前記凸部は前記第1鋼管杭の厚みより薄く形成され、
前記凹部は前記第2鋼管杭の外周面から所定深さで形成され、前記凹部の内側には薄肉部が形成されていることを特徴とする鋼管杭の継手構造。
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