JP2008069602A - コーナ用への改造が容易なハット形鋼矢板およびこれの打設方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コーナ用への改造が容易なハット形鋼矢板を提供する。
【解決手段】玉部17(または16)と爪部(爪底部分18(または21)および爪先部分15(または14))とで形成される継手ふところ20に爪部の爪先部分15(または14)が嵌め込み可能であるハット形鋼矢板1において、左右の少なくともいずれか片方の継手32の玉部17(または16)が、継手ふところ20に嵌め込み可能な断面を有し、爪部との境目に切断代19を有する。
【選択図】図1
【解決手段】玉部17(または16)と爪部(爪底部分18(または21)および爪先部分15(または14))とで形成される継手ふところ20に爪部の爪先部分15(または14)が嵌め込み可能であるハット形鋼矢板1において、左右の少なくともいずれか片方の継手32の玉部17(または16)が、継手ふところ20に嵌め込み可能な断面を有し、爪部との境目に切断代19を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、コーナ用への改造が容易なハット形鋼矢板に関し、詳しくは、左右非対称継手を有するハット形鋼矢板であって、該ハット形鋼矢板を打設して形成される矢板連壁の打設延長方向をほぼ直角に転換するために用いる異形鋼矢板(コーナ矢板ともいう)への改造を容易になしうる、コーナ用への改造が容易なハット形鋼矢板およびこれの打設方法に関する。
鋼矢板で形成される連壁のコーナ部で打設延長方向をほぼ直角に転換する異形鋼矢板に関する従来技術として、次のようなものがある。
(1)熱間形圧延の粗圧延では共通の孔型を用い、中間圧延ないし仕上圧延で、U型鋼矢板の左右のいずれか一方の継手形状を定形ラルゼン型に、他方を異形ラルゼン型に整形するもの(例えば特許文献1)
(2)ハット形鋼矢板の左右のいずれか一方の継手を腕部から切断し、異形鋼矢板となる形に配置変更して前記腕部の切断端に溶接するもの(例えば特許文献2)
(3)ハット形鋼矢板の左右のいずれか一方または両方の継手付き腕部の一部を切断し、該腕部の切断端を別個のハット形鋼矢板の腕部に溶接するもの(図4)
(4)熱間で継手を成形した後、冷間フォーミングにより形状を変えることにより打設方向に合わせた継手の向きを得るもの(例えば特許文献3)
特開昭59−166301号公報
特開平10−71401号公報
特開2000−23916合公報
(1)熱間形圧延の粗圧延では共通の孔型を用い、中間圧延ないし仕上圧延で、U型鋼矢板の左右のいずれか一方の継手形状を定形ラルゼン型に、他方を異形ラルゼン型に整形するもの(例えば特許文献1)
(2)ハット形鋼矢板の左右のいずれか一方の継手を腕部から切断し、異形鋼矢板となる形に配置変更して前記腕部の切断端に溶接するもの(例えば特許文献2)
(3)ハット形鋼矢板の左右のいずれか一方または両方の継手付き腕部の一部を切断し、該腕部の切断端を別個のハット形鋼矢板の腕部に溶接するもの(図4)
(4)熱間で継手を成形した後、冷間フォーミングにより形状を変えることにより打設方向に合わせた継手の向きを得るもの(例えば特許文献3)
前記従来技術(1)では、熱間圧延だけでコーナ矢板を製造できるが、量産品でないコーナ矢板の圧延成形のために専用の孔型ロールを保有する必要があり、不経済である。
前記従来技術(2)、(3)では、熱間圧延に加えて、切断および溶接工程が必要であり、コストが増加し、製造時間が長くかかる。なお、(3)ではさらに、運搬時の荷姿が不安定で積載効率が悪い、保管時の容積効率も良くない、打設の際、打設機の掴み(チャック)に制約が生じる場合がある、といった問題がある。
前記従来技術(2)、(3)では、熱間圧延に加えて、切断および溶接工程が必要であり、コストが増加し、製造時間が長くかかる。なお、(3)ではさらに、運搬時の荷姿が不安定で積載効率が悪い、保管時の容積効率も良くない、打設の際、打設機の掴み(チャック)に制約が生じる場合がある、といった問題がある。
前記従来技術(4)では、熱間圧延に加えて、冷間フォーミング工程が必要であり、コストが増加し、製造時間が長くかかる。
本発明の目的は、上述の問題を解決し、コーナ矢板のみの製造に専用の孔型ロールが不要で、熱間圧延後は、溶接工程あるいは冷間フォーミング工程を要さず、簡単な切断のみによりコーナ矢板へ変身させることができる、コーナ用矢板への改造が容易なハット形鋼矢板を提供することにある。なお、切断加工がやり易く、積み重ねが可能で、打設機に制約が生じない形状を目指す。また、もう1つの目的は、このハット形鋼矢板の打設方法を提供することにある。
本発明の目的は、上述の問題を解決し、コーナ矢板のみの製造に専用の孔型ロールが不要で、熱間圧延後は、溶接工程あるいは冷間フォーミング工程を要さず、簡単な切断のみによりコーナ矢板へ変身させることができる、コーナ用矢板への改造が容易なハット形鋼矢板を提供することにある。なお、切断加工がやり易く、積み重ねが可能で、打設機に制約が生じない形状を目指す。また、もう1つの目的は、このハット形鋼矢板の打設方法を提供することにある。
前記課題を解決するためになされた本発明は以下のとおりである。
1.中央のウエブと、該ウエブの両側のフランジと、該フランジの外側の腕部とがハット形に連なり、該腕部の縁に継手が左右非対称に連なり、該継手は、腕部の上下方向に分かれた玉部と爪部とからなり、玉部と爪部とで形成される継手ふところに爪部の爪先部分が嵌め込み可能であるハット形鋼矢板において、左右の少なくともいずれか片方の継手の玉部が、継手ふところに嵌め込み可能な断面を有し、爪部との境目に切断代を有することを特徴とする、コーナ用への改造が容易なハット形鋼矢板。
1.中央のウエブと、該ウエブの両側のフランジと、該フランジの外側の腕部とがハット形に連なり、該腕部の縁に継手が左右非対称に連なり、該継手は、腕部の上下方向に分かれた玉部と爪部とからなり、玉部と爪部とで形成される継手ふところに爪部の爪先部分が嵌め込み可能であるハット形鋼矢板において、左右の少なくともいずれか片方の継手の玉部が、継手ふところに嵌め込み可能な断面を有し、爪部との境目に切断代を有することを特徴とする、コーナ用への改造が容易なハット形鋼矢板。
2.前記切断代は、その切断深さが前記腕部の厚み以下であることを特徴とする前項1に記載のハット形鋼矢板。
3.前記腕部の厚みが前記継手ふところの開口幅未満であることを特徴とする前項1または2に記載のハット形鋼矢板。
4.前項1〜3のいずれかに記載のハット形鋼矢板を打設する方法であって、該ハット形鋼矢板の左右の少なくとも片方の継手の切断代部分を切断して爪部を切離す工程と、該工程により爪部を切り離された玉部を、連結相手の継手ふところに嵌め込む工程とを有することを特徴とするハット形鋼矢板の打設方法。
3.前記腕部の厚みが前記継手ふところの開口幅未満であることを特徴とする前項1または2に記載のハット形鋼矢板。
4.前項1〜3のいずれかに記載のハット形鋼矢板を打設する方法であって、該ハット形鋼矢板の左右の少なくとも片方の継手の切断代部分を切断して爪部を切離す工程と、該工程により爪部を切り離された玉部を、連結相手の継手ふところに嵌め込む工程とを有することを特徴とするハット形鋼矢板の打設方法。
本発明によれば、コーナ矢板のみの製造に専用の孔型ロールが不要で、熱間圧延後は、溶接工程あるいは冷間フォーミング工程を要さずに簡単な切断のみによりコーナ矢板へ変身させることができ、しかも、その切断加工がやり易く、また、積み重ねが可能で、打設機に制約が生じないハット形鋼矢板が実現する。
図1は、本発明のハット形鋼矢板およびこれの打設方法の1例を示す断面図である。本発明のハット形鋼矢板1は、中央のウエブ11と、ウエブ11の両側のフランジ12と、フランジ12の外側の腕部13とがハット形をなすように連なり、腕部13の縁に継手32が左右非対称形状をなすように連なった断面形状を有する。継手32は、腕部13の上下方向に分かれた玉部17(または16)と爪部とからなる。
好ましくは、玉部17(または16)は例えば直爪形状のものであり、爪部は例えば直線状の爪底部分18(または21)およびこれに連なる曲線状の爪先部分15(または14)からなる曲爪形状のものである。
玉部17(または16)と爪部とで継手ふところ20が形成される。爪先部分15(または14)は、継手ふところ20に嵌め込み可能である。直線状の矢板連壁を構成する場合は、打設の際に、爪先部分15(または14)を、連結相手のハット形鋼矢板の継手ふところ20に嵌め込めばよい。
玉部17(または16)と爪部とで継手ふところ20が形成される。爪先部分15(または14)は、継手ふところ20に嵌め込み可能である。直線状の矢板連壁を構成する場合は、打設の際に、爪先部分15(または14)を、連結相手のハット形鋼矢板の継手ふところ20に嵌め込めばよい。
本発明のハット形鋼矢板1では、コーナ矢板への変身を容易にするために、〈1〉のA部拡大図に示すように、左右の少なくともいずれか片方(図1の例では右)の継手32の玉部17に、継手ふところ20に嵌め込み可能な断面形状をもたせ、かつ、爪部の爪底部分18との境目に切断代19を設けたものとした。後述するように、切断代19で、切断を行い、爪部を切り離すことで、継手をコーナ用に変更することが可能であるが、この際の切断には、ガス切断が好適に用いられ、そのため切断代19はガス切断を容易ならしめるように設けることが好ましい。
切断代19は、例えばガス切断作業の容易性の観点からは、その切断深さ(切断用ガス炎貫通方向の肉厚)が腕部13の厚み以下となるように設けるのが好ましい。なお、切断代19として代表的なガス切断代の切断線幅は、例えば4〜5mmにとるとよい。
ハット形鋼矢板1をコーナ矢板2へ変身させるには、〈2〉の切断図に示すように切断代19を例えばガス切断により切断するだけでよい。これにより、A部が〈3〉のA’部拡大図に示すように爪部を切り離されて玉部17だけが残ったA’部に変身し、すなわち、ハット形鋼矢板1がコーナ矢板2に変身する。
ハット形鋼矢板1をコーナ矢板2へ変身させるには、〈2〉の切断図に示すように切断代19を例えばガス切断により切断するだけでよい。これにより、A部が〈3〉のA’部拡大図に示すように爪部を切り離されて玉部17だけが残ったA’部に変身し、すなわち、ハット形鋼矢板1がコーナ矢板2に変身する。
なお、例えば図1のA部のような内向きの継手(爪先部分15の先端がフランジ11の方を向いている継手)にガス切断を施す場合は、フランジ11が下になる姿勢にハット形鋼矢板1を置いて、上部斜めから自動ガス切断機を操作すると、効果的な切断ができる。また、必要に応じてガス切断後の切断端部を面取り仕上加工してもよい。
このように、本発明のハット形鋼矢板によれば、コーナ矢板の製造に専用の孔型ロールが不要で、熱間圧延で製造した後は、溶接工程あるいは冷間フォーミング工程を全く必要とせず、簡単な切断のみによりコーナ矢板へ変身させることができる。また、余計な出っ張りがないから、積み重ねが可能で、通常のハット形鋼矢板用の打設機で簡単に打設することができる。
このように、本発明のハット形鋼矢板によれば、コーナ矢板の製造に専用の孔型ロールが不要で、熱間圧延で製造した後は、溶接工程あるいは冷間フォーミング工程を全く必要とせず、簡単な切断のみによりコーナ矢板へ変身させることができる。また、余計な出っ張りがないから、積み重ねが可能で、通常のハット形鋼矢板用の打設機で簡単に打設することができる。
矢板連壁のコーナ部を形成する打設の際には、〈4〉の嵌め込み状態図に示すようにコーナ矢板2の切断した方の継手の玉部17を、連結相手のハット形鋼矢板1の継手(またはコーナ矢板2の切断しなかった方の継手)の継手ふところ20に嵌め込むようにすればよい。
また、コーナ矢板2の切断した方の継手の玉部17を、連結相手の継手ふところ20に容易にはめ込むことができるようにするためには、図3に示すように、少なくともガス切断代19を設けた方の腕部13の厚みBAを、継手ふところ20の開口幅BOよりも小さく(すなわちBO>BAを満たすように)しておくことが好適である。なお、その場合、BO−BA=2〜6mmとするのが好ましい。
また、コーナ矢板2の切断した方の継手の玉部17を、連結相手の継手ふところ20に容易にはめ込むことができるようにするためには、図3に示すように、少なくともガス切断代19を設けた方の腕部13の厚みBAを、継手ふところ20の開口幅BOよりも小さく(すなわちBO>BAを満たすように)しておくことが好適である。なお、その場合、BO−BA=2〜6mmとするのが好ましい。
なお、ハット形鋼矢板には、10H、25H等の複数のサイズがある(鋼管杭協会の規定による)が、継手部分は基本的に同じ寸法であり、腕部の厚みBAを継手ふところの開口幅BOより小さくできるのは、ハット形鋼矢板の最小サイズ10Hであるといえる。もっとも、25Hにおいても、コーナ部だけは10Hを加工したコーナ矢板を使用することが可能である。
有効幅が900mmの超広幅ハット形鋼矢板の10Hサイズのものに本発明を適用し、コーナ部を含む矢板連壁を構成した実施例を図2に示す。X方向に1枚のコーナ矢板2、X方向とほぼ直交するY方向には2列で各列2枚以上のコーナ矢板2またはハット形鋼矢板1を用い、これらを図示のように連結することで矢板連壁が構成されている。コーナをなすC部およびD部の嵌め込み形態が、図1の〈4〉または図3に示した嵌め込み形態と同じものである。この矢板連壁に用いたコーナ矢板2は、ハット形鋼矢板1の内向きの継手の切断代を例えばガス切断により切断することで、至極容易に入手することができた。なお、図示は省略するが、X方向に2枚以上のコーナ矢板2またはハット形鋼矢板1を連結することも可能かつ容易であることはいうまでもない。
1 ハット形鋼矢板(本発明)
2 コーナ矢板(本発明のハット形鋼矢板を改造してなる異形鋼矢板)
11 ウエブ
12 フランジ
13 腕部
14,15 爪先部分
16,17 玉部
18,21 爪底部分
19 切断代
20 継手ふところ
30 継手(従来)
31 溶接部
32 継手(本発明)
2 コーナ矢板(本発明のハット形鋼矢板を改造してなる異形鋼矢板)
11 ウエブ
12 フランジ
13 腕部
14,15 爪先部分
16,17 玉部
18,21 爪底部分
19 切断代
20 継手ふところ
30 継手(従来)
31 溶接部
32 継手(本発明)
Claims (4)
- 中央のウエブと、該ウエブの両側のフランジと、該フランジの外側の腕部とがハット形に連なり、該腕部の縁に継手が左右非対称に連なり、該継手は、腕部の上下方向に分かれた玉部と爪部とからなり、玉部と爪部とで形成される継手ふところに爪部の爪先部分が嵌め込み可能であるハット形鋼矢板において、左右の少なくともいずれか片方の継手の玉部が、継手ふところに嵌め込み可能な断面を有し、爪部との境目に切断代を有することを特徴とする、コーナ用への改造が容易なハット形鋼矢板。
- 前記切断代は、その切断深さが前記腕部の厚み以下であることを特徴とする請求項1に記載のハット形鋼矢板。
- 前記腕部の厚みが前記継手ふところの開口幅未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のハット形鋼矢板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のハット形鋼矢板を打設する方法であって、該ハット形鋼矢板の左右の少なくとも片方の継手の切断代部分を切断して爪部を切離す工程と、該工程により爪部を切り離された玉部を、連結相手の継手ふところに嵌め込む工程とを有することを特徴とするハット形鋼矢板の打設方法。
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---|---|---|---|
JP2006251345A JP2008069602A (ja) | 2006-09-15 | 2006-09-15 | コーナ用への改造が容易なハット形鋼矢板およびこれの打設方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009019372A (ja) * | 2007-07-10 | 2009-01-29 | Nippon Steel Corp | 組合せ鋼矢板によるコーナー部の壁体構造 |
JP2009263873A (ja) * | 2008-04-22 | 2009-11-12 | Nippon Steel Corp | 地中連続壁体用部材、地中連続壁体及び地中連続壁体の構築方法 |
JP2012092589A (ja) * | 2010-10-28 | 2012-05-17 | Jfe Steel Corp | 鋼矢板及び該鋼矢板によって形成された鋼矢板壁 |
JP2019039154A (ja) * | 2017-08-23 | 2019-03-14 | 株式会社技研製作所 | 鋼矢板及びその製造方法 |
-
2006
- 2006-09-15 JP JP2006251345A patent/JP2008069602A/ja active Pending
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