JP2015003436A - 製本装置及び製本システム - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な条件のくるみ製本処理において糊の塗布厚が変化しても高品位な製本を行う。
【解決手段】本身部分の用紙を用紙束として集積し、該用紙束を表紙で覆うことにより製本する機能を有する製本装置であって、表紙において用紙束が接着される領域の端部に第1の筋と第2の筋とを付ける筋付け部と、用紙束の背の部分に糊を塗布して表紙を接着し、筋に沿って表紙を折り曲げ、用紙束を表紙で覆うように製本する製本部と、筋付け部と製本部とを制御する制御部と、を備え、制御部は、用紙束と表紙との接着状況に応じて、表紙における小口と筋までの距離を、用紙における小口と背までの距離よりも長くなるように制御する、ことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、製本装置及び製本システムに関し、特に、高品位かつ効率的にくるみ製本処理を行う制御に関する。
画像形成装置において各種の用紙処理装置を接続して画像形成システムや製本システムを構成することで、さまざまな製本処理が可能になり、印刷装置や製本システムとして使用することができる。
たとえば、丁合の完了した本身部分の用紙束の背に、所定厚の糊を塗布した上で表紙を貼り付けることで、くるみ製本の処理が可能である。なお、このくるみ製本の際には、裏表紙・背表紙・表(おもて)表紙が一体になった用紙を表紙として用いるが、背表紙の角となる部分には、クリーサー(creaser)と呼ばれる筋付け装置を用いて筋付け処理を施して筋を付けることが行われる。
なお、このような糊付けの製本処理については、以下の特許文献に記載されている。
特開2008−132728号公報
以上の特許文献1ではくるみ製本の際に所定厚の糊を塗布することは記載されているものの、糊の塗布厚が変化した場合の影響については、何ら考慮されていない。
例えば、頁数の少ない薄い本と頁数の多い厚い本では、糊の塗布厚を変えることが望ましい。この問題は頁数(本身部分の厚み)だけではなく、本身部分の紙種や坪量や用紙処理(Z折りなどが含まれる場合)等によっても発生しうる。
そして、このように糊の塗布厚を厚くする方向に変更すると、本身部分が表紙よりも突出した状態になって、本身と表紙の位置関係がずれてしまい、製本の品位が低下することが予想される。
また、表紙を開閉するための開閉用筋を表紙に付ける場合もあるが、糊の塗布厚を変更した場合には、開閉用筋の最適な位置が当初の位置とは異なった状態になることが予想される。例えば、頁数が多いために糊の塗布厚が通常より厚くなった場合に、開閉筋の位置が糊の位置に重なって、開閉筋が役立たないといった状況も予想される。
しかしながら、以上の特許文献1には、この種の課題については何ら配慮されていなかった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、様々な条件のくるみ製本処理において糊の塗布厚が変化しても高品位な製本が可能な製本装置及び製本システムを提供することを目的とする。
すなわち、前記した課題を解決する本発明は、以下の通りである。
(1)上記課題を解決する製本装置の一態様は、本身部分の用紙を用紙束として集積し、該用紙束を表紙で覆うことにより製本する機能を有する製本装置であって、前記表紙において前記用紙束が接着される領域の端部に第1の筋と第2の筋とを付ける筋付け部と、
前記用紙束の背の部分に糊を塗布して前記表紙を接着し、前記筋に沿って前記表紙を折り曲げ、前記用紙束を前記表紙で覆うように製本する製本部と、前記筋付け部と前記製本部とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記用紙束と前記表紙との接着状況に応じて、前記表紙における前記小口と前記筋までの距離を、前記用紙における前記小口と前記背までの距離よりも長くなるように制御する、ことを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の製本装置は前記表紙を断裁する断裁部を有し、前記制御部は、前記断裁部を制御し、前記用紙束と前記表紙との接着状況に応じて、前記表紙における前記小口と前記筋までの距離が、前記用紙における前記小口と前記背までの距離よりも長くなるように、前記断裁部による前記表紙の断裁位置を制御する、ことを特徴とする。
(3)上記(1)−(2)に記載の製本装置において、前記制御部は、前記接着状況として、前記製本部における糊の塗布状況を参照する、ことを特徴とする。
(4)上記(1)−(3)に記載の製本装置において、前記用紙束の厚みを計測する計測部を備え、前記制御部は、前記厚みに応じて前記接着状況を制御する、ことを特徴とする。
(5)上記(1)−(3)に記載の製本装置において、前記制御部は、前記用紙束を構成する前記用紙の枚数の情報を得て、該枚数に応じて前記接着状況を制御する、ことを特徴とする。
(6)上記(1)−(3)に記載の製本装置において、前記制御部は、前記用紙束を構成する前記用紙の種類の情報を得て、該種類に応じて前記接着状況を制御する、ことを特徴とする。
(7)上記(6)に記載の製本装置において、前記制御部は、前記用紙の種類として該用紙の紙種または坪量を参照する、ことを特徴とする。
(8)上記(1)−(3)に記載の製本装置において、前記制御部は、前記用紙束を構成する前記用紙に施される処理内容の情報を得て、該処理内容に応じて前記接着状況を制御する、ことを特徴とする。
(9)上記(1)−(8)に記載の製本装置において、前記制御部は、前記表紙を開閉する際に使用される第3の筋と第4の筋を前記表紙に付すよう前記筋付け部を制御する、ことを特徴とする。
(10)上記(9)に記載の製本装置において、前記制御部は、前記用紙束と前記表紙との接着の状況に応じて、前記第3の筋と第4の筋を形成する位置を決定する、ことを特徴とする。
(11)上記(10)に記載の製本装置において、前記制御部は、前記用紙束と前記表紙との接着の状況として、前記用紙束の背に塗布された糊の一部が、前記接着の際に、該用紙束の1枚目又は最終枚目の用紙の外側面に移動して形成されるサイドグルーを予想し、前記サイドグルーが無い領域に前記第3の筋と第4の筋を形成する位置を決定する、ことを特徴とする。
(12)上記(9)に記載の製本装置において、警告を報知する報知部を備え、前記制御部は、前記用紙束の背に塗布された糊の一部が、前記接着の際に、該用紙束の1枚目又は最終枚目の用紙の外側面に移動して形成されるサイドグルーを予想し、前記サイドグルーが生じる領域と前記第3の筋と第4の筋を形成する位置とが重なる場合に、前記報知部から警告を発生するよう制御する、ことを特徴とする。
(13)上記(1)−(12)に記載の製本装置において、前記用紙束の厚みを計測する計測部を備え、前記制御部は、前記計測部により計測された前記厚みを参照し、前記筋付け部が付ける筋の位置を決定する、ことを特徴とする。
(14)上記(1)−(13)に記載の製本装置において、前記制御部は、前記筋が形成されることによる前記表紙の縮みの影響を考慮し、前記筋付け部が付ける筋の位置を決定する、ことを特徴とする。
(15)上記(1)−(14)に記載の製本装置において、前記表紙を断裁する断裁部を有し、前記制御部は、前記表紙における前記小口と前記筋までの距離が、前記用紙における前記小口と前記背までの距離よりも長くなるように、前記筋が形成されることによる前記表紙の縮みの影響を考慮して、前記断裁部による前記表紙の端部の断裁を制御する、ことを特徴とする。
(16)上記課題を解決する製本システムの一態様は、上記(1)−(15)のいずれかに記載の製本装置に含まれる前記筋付け部と前記製本部とが、複数の装置に別れて搭載されており、該複数の装置が連結されることを特徴とする。
(17)上記課題を解決する製本システムの一態様は、前記用紙又は前記表紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送される前記用紙と前記表紙を受け入れて製本する機能を有する上記(1)−(15)のいずれかに記載の製本装置と、を含んで構成されることを特徴とする。
本発明によると、以下のような効果が得られる。
(1)上記課題を解決する製本装置の一態様では、本身部分の用紙を用紙束として集積し、該用紙束を表紙で覆うことにより製本する際に、筋付け部と製本部とを制御し、用紙束と表紙との接着状況に応じて、表紙における小口と筋までの距離を、用紙における小口と背までの距離よりも長くなるように制御するため、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、本身部分が表紙よりも突出した状態にならず、本身と表紙の位置関係がずれることはない。すなわち、様々な条件のくるみ製本処理において、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(2)上記(1)に記載の製本装置において、用紙束と表紙との接着状況に応じて、表紙における小口と筋までの距離が、用紙における小口と背までの距離よりも長くなるように、断裁部による表紙の断裁位置を制御するため、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、本身部分が表紙よりも突出した状態にならず、本身と表紙の位置関係がずれることはない。すなわち、様々な条件のくるみ製本処理において、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(3)上記(1)−(2)に記載の製本装置において、接着状況として、製本部における糊の塗布状況を参照するため、様々な条件のくるみ製本処理において、糊の塗布厚が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(4)上記(1)−(3)に記載の製本装置において、用紙束の厚みを計測する計測部を備え、厚みに応じて接着状況を制御するため、様々な条件のくるみ製本処理において、本身部分の厚みに応じて糊の塗布厚が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(5)上記(1)−(3)に記載の製本装置において、用紙束を構成する用紙の枚数の情報を得て、該枚数に応じて接着状況を制御するため、様々な条件のくるみ製本処理において、本身部分の用紙枚数に応じて糊の塗布厚が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(6)上記(1)−(3)に記載の製本装置において、用紙束を構成する用紙の種類の情報を得て、該種類に応じて接着状況を制御するため、様々な条件のくるみ製本処理において、本身部分の用紙種類に応じて糊の塗布厚が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(7)上記(6)に記載の製本装置において、用紙の種類として該用紙の紙種または坪量を参照するため、様々な条件のくるみ製本処理において、本身部分の用紙の紙種や坪量に応じて糊の塗布厚が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(8)上記(1)−(3)に記載の製本装置において、用紙束を構成する用紙に施される処理内容の情報を得て、該処理内容に応じて接着状況を制御するため、様々な条件のくるみ製本処理において、本身部分の用紙の処理内容に応じて糊の塗布厚が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(9)上記(1)−(8)に記載の製本装置において、表紙を開閉する際に使用される第3の筋と第4の筋を表紙に付すよう筋付け部を制御するため、様々な条件のくるみ製本処理において、高品位な製本が可能になる。
(10)上記(9)に記載の製本装置において、用紙束と表紙との接着の状況に応じて、第3の筋と第4の筋を形成する位置を決定するため、様々な条件のくるみ製本処理において、本身部分の用紙の処理内容に応じて糊の塗布厚が変化しても、第3の筋と第4の筋を含めた状態で、高品位な製本が可能になる。
(11)上記(10)に記載の製本装置において、用紙束と表紙との接着の状況として、用紙束の背に塗布された糊の一部が、接着の際に、該用紙束の1枚目又は最終枚目の用紙の外側面に移動して形成されるサイドグルーを予想し、サイドグルーが無い領域に第3の筋と第4の筋を形成する位置を決定するため、様々な条件のくるみ製本処理において、本身部分の用紙の処理内容に応じて糊の塗布厚が変化しても、第3の筋と第4の筋を含めた状態で、高品位な製本が可能になる。
(12)上記(9)に記載の製本装置において、警告を報知する報知部を備え、用紙束の背に塗布された糊の一部が、接着の際に、該用紙束の1枚目又は最終枚目の用紙の外側面に移動して形成されるサイドグルーを予想し、サイドグルーが生じる領域と第3の筋と第4の筋を形成する位置とが重なる場合に、報知部から警告を発生するよう制御するため、様々な条件のくるみ製本処理において、本身部分の用紙の処理内容に応じて糊の塗布厚が変化しても、第3の筋と第4の筋を含めた状態で、高品位な製本が可能になる。
(13)上記(1)−(12)に記載の製本装置において、用紙束の厚みを計測する計測部を備え、計測部により計測された厚みを参照し、筋付け部が付ける筋の位置を決定するため、様々な条件のくるみ製本処理において、計測された本身部分の厚みに応じて糊の塗布厚が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(14)上記(1)−(13)に記載の製本装置において、筋が形成されることによる表紙の縮みの影響を考慮し、筋付け部が付ける筋の位置を決定するため、本身部分が表紙よりも突出した状態にならず、本身と表紙の位置関係がずれることはない。すなわち、様々な条件のくるみ製本処理において、筋の有無にかかわらず表紙と用紙本身との関係が安定した状態になり、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(15)上記(1)−(14)に記載の製本装置において、表紙における小口と筋までの距離が、用紙における小口と背までの距離よりも長くなるように、筋が形成されることによる表紙の縮みの影響を考慮して、断裁部による前記表紙の端部の断裁を制御するため、筋の有無にかかわらず、本身部分が表紙よりも突出した状態にならず、本身と表紙の位置関係がずれることはない。すなわち、様々な条件のくるみ製本処理において、筋の有無にかかわらず表紙と用紙本身との関係が安定した状態になり、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(16)上記課題を解決する製本システムの一態様は、上記(1)−(15)のいずれかに記載の製本装置において、筋付け部と製本部とが複数の装置に別れて搭載されているか、または、筋付け部と断裁部と製本部とが複数の装置に別れて搭載されており、該複数の装置が連結されるものであり、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、筋が付されても、本身部分が表紙よりも突出した状態にならず、本身と表紙の位置関係がずれることはない。すなわち、様々な条件のくるみ製本処理において、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
(17)上記課題を解決する製本システムの一態様は、用紙又は表紙に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置から搬送される用紙と表紙を受け入れて製本する機能を有する上記(1)−(15)のいずれかに記載の製本装置と、を含んで構成されるものであり、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、筋が付されても、本身部分が表紙よりも突出した状態にならず、本身と表紙の位置関係がずれることはない。すなわち、様々な条件のくるみ製本処理において、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
本発明の実施形態の製本装置を含む製本システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の製本装置を含む製本システムの構成を示す構成図である。 本発明の実施形態の主要部の製本装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態の主要部の製本装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の筋の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の筋の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の筋の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の様子を部分拡大で示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の筋の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の様子を部分拡大で示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の筋の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の筋の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態のくるみ製本の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態の製本装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の製本装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の製本装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の製本装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の製本装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の製本装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の製本装置の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
〔全体構成〕
図1と図2とを参照して、本実施の形態に係る画像形成装置と用紙処理装置とを備える製本装置や製本システムの構成について説明する。
図1と図2とに示すように、この製本システムは、給紙装置50と、画像形成装置100と、反転装置200と、後処理装置としての用紙処理装置300と、後処理装置としての用紙処理装置400と、を有している。
また、給紙装置50,画像形成装置100,反転装置200,用紙処理装置300,用紙処理装置400は、それぞれ通信部52,102,202,302,402を介して、それぞれの制御部51,101,201,301,401が通信することで連携した制御を行うように構成されている。
なお、この製本システムでは、用紙処理装置300と用紙処理装置400とにより、製本装置又は製本システムを構成している。用紙処理装置300と用紙処理装置400とについては、これらの機能をまとめた状態の1台の製本装置としても良いし、図示されたように別の装置装置の組み合わせの製本システムとすることも可能である。
〔各部の詳細構成〕
給紙装置50は、給紙装置各部を制御する制御部51と、この制御部51により制御されて指定されたトレイから用紙を給紙する給紙部55と、画像形成装置100等と通信する通信部52と、を備えて構成される。
画像形成装置100は、画像形成装置100内の各部を制御すると共に用紙処理装置としてシステム全体を制御する制御部101と、接続されている他の装置と通信するための通信部102と、操作者による操作入力に応じた操作入力信号を制御部101に通知すると共に画像形成装置100の状態表示とを行う操作表示部103と、制御プログラム及び各種設定データを記憶すると共に制御プログラムのワークエリアとして使用される記憶部104と、トレイに収容されている用紙を給紙する給紙部105と、給紙され画像形成される用紙を所定速度で搬送する搬送部110と、原稿をスキャンして画像データを生成する原稿読込部120と、画像形成する際のイメージデータや各種データを記憶する画像データ記憶部130と、画像形成に必要な各種画像処理を実行する画像処理部140と、画像形成命令と画像処理後のイメージデータとに基づいて画像形成(印刷)を実行する画像形成部150と、を備えて構成されている。なお、画像形成装置100で画像形成された用紙は、後段の反転装置200に向けて搬出される。
反転装置200は、反転装置200内の各部を制御する制御部201と、接続されている他の装置と通信するための通信部202と、装置内で用紙を搬送する搬送部210と、後段の用紙処理の関係で必要な場合に用紙を反転する反転部220と、を備えて構成されている。なお、反転装置200を通過した用紙は、後段の用紙処理装置300に向けて搬出される。
なお、反転装置200は、後段の用紙処理の関係で必要な場合に設ければ良く、また、画像形成装置100や用紙処理装置300,400のいずれかに内蔵させることも可能である。
用紙処理装置300は、反転装置200の後段に接続されており、用紙処理装置300内の各部を制御する制御部301と、他の装置と通信するための通信部302と、制御プログラム及び各種設定データを記憶すると共に制御プログラムのワークエリアとして使用される記憶部304と、用紙を所定速度で搬送する搬送部310と、折り目となる位置に予め筋を付ける筋付け部320と、を備えて構成される。なお、用紙処理装置300を通過した用紙は、後段の用紙処理装置400に向けて搬出される。
用紙処理装置400は、用紙処理装置300の後段に接続されており、用紙処理装置400内の各部を制御する制御部401と、他の装置と通信するための通信部402と、制御プログラム及び各種設定データを記憶すると共に制御プログラムのワークエリアとして使用される記憶部404と、用紙を所定速度で搬送する搬送部410と、製本処理の用紙を集積して重ね合わせて用紙束にした状態で取り扱う用紙束取扱部420と、製本処理の際の本身部分の用紙束の厚みを計測する用紙束厚計測部430と、用紙束の背表紙側の端部に糊を塗布する糊塗布部440、用紙の端部を所定の位置で断裁する断裁部450と、くるみ用紙を表紙として本身部分の用紙束を覆うことにより製本するくるみ製本部460と、製本された冊子が排出される冊子送出部490と、を備えて構成される。
〔筋付け処理の概略動作〕
筋付け部320は、図2及び図3に示すように、搬送ローラにより挟持搬送される用紙が位置規制部322により停止位置が規制さた状態で停止し、筋付けナイフ駆動部321aにより筋付けナイフ321bが駆動される。すなわち、紙面垂直方向を長手方向とする筋付けナイフ312bが、同様に紙面垂直方向を長手方向とする凹部の刃型を有する刃型部321cに向かって伸長する。
これにより、筋付けナイフ321bの先端と刃型部321cの凹部との間に用紙が挟持される。この動作により、紙面垂直方向を長手方向とする筋が形成される。なお、この筋付け処理では、用紙全体としては平面状態を保っており、平面上の用紙に断面形状が半円形の筋が形成される。
また、この筋付け処理の際に、搬送ローラによる挟持搬送制御、あるいは、位置規制部322の停止位置制御、または、挟持搬送制御と停止位置制御の両方により、用紙上の所望の位置に1本若しくは複数本の筋を付すことができる。
なお、筋付け部320として、筋付けナイフを用いる構成ではなく、薄刃のローラを用紙に押しつけた状態で移動させることで筋を付すことも可能である。
また、本実施形態では、後述するように、くるみ製本にて表紙として使用されるくるみ用紙に対して、背表紙領域の両端部に第1の筋と第2の筋を付し、表又は裏の表紙領域において冊子を開く際の折り目となる位置に第3の筋と第4の筋とを付すようにして、筋付け処理がなされる。
また、後述するように、本身部分の用紙束の厚みの計測結果や本身部分の用紙束の用紙処理の内容に応じて、糊の塗布厚が変更されるため、このような各種要因に対応して筋付け処理の位置が調整される。
〔糊塗布部の構成と概略動作〕
糊塗布部440での糊Gの塗布の様子については、図4の側面図に示される通りである。
まず、用紙束取扱部420によって本身部分の用紙が集積されて用紙束Saとされる。図4では、紙面垂直方向に複数枚の用紙が集積されており、図4の用紙束Saの下端部が表紙に背着される下端面Ssである。
この用紙束Saの下端面Ssは、下部が糊貯留槽441に接しており上部が用紙束Saの下端面Ssに接する糊付けローラ442によって、糊Gが塗布される。
この場合、r1方向に回転する糊付けローラ442が、図4のX方向(図2の紙面垂直方向)に向けて移動することで、用紙束の端部には一様に糊Gが塗布厚taで塗布される。
更に、糊付けローラ442に追従するように、r2方向に回転する第2の糊付けローラ443を用いて、糊Gの一部を掻き落とすことができる。これにより、下端面Ssに塗布される糊Gについて、塗布厚taより薄い塗布厚tbとすることができる。
なお、第2の糊付けローラ443を下端面Ssから離しておくことで、糊Gの塗布厚はtaのままになる。更に、第2の糊付けローラ443と下端面Ssとの距離を調整することで、糊Gの塗布厚を調整することが可能である。あるいは、糊付けローラ442の回転数を調整する(糊付けローラ442の回転数を上げると、糊Gの塗布厚が厚くなる)ことや、糊貯留槽441の移動速度を調整する(糊貯留槽441の移動速度を遅くすると、糊Gの塗布厚が厚くなる)ことで、糊Gの塗布厚を調整することが可能である。
〔くるみ製本部の構成と概略動作〕
くるみ製本部460でのくるみ製本処理の様子については、図5の斜視図及び図6の側面図に示される通りである。
以上のように糊塗布部440で糊Gが塗布された本身部分の用紙束は、用紙束保持部460hで保持された状態で、くるみ用紙Sbの背表紙領域の裏側に押圧されて接着される(図5(a)〜(b)、図6(a)〜(b))。なお、くるみ用紙Sbの背表紙領域の下部には加圧ガイド460aが存在しており、くるみ用紙Sbの背表紙領域裏側と用紙束Saとの接着を助けるように加圧する(図6(a)(b)(c))。
また、くるみ用紙Sbの背表紙領域に近い表表紙領域の下部には加圧ガイド460cが存在しており、同様に、くるみ用紙Sbの背表紙領域に近い裏表紙領域の下部には加圧ガイド460bが存在しており、計測された用紙束の厚みに基づく背表紙幅wで設けられた第1の筋と第2の筋に沿って折り目を付けるように移動する(図5(c)の矢印、図6(c)の矢印)。これにより、表表紙領域と裏表紙領域とは、背表紙領域から折り曲げられることになり、くるみ用紙Sbが用紙束Saをくるむことになる。なお、加圧ガイド460a〜460cや用紙束保持部50hは、制御部401の制御の元で、図示されない駆動機構によって駆動されている。
〔筋付け処理の具体例〕
筋付け処理の具体例(1):
図7は筋付け部320の処理の様子を模式的に示し、図8はくるみ製本部460の処理の様子を模式的に示す説明図である。
図7(a)のように搬送される表紙に対して、本身深さLa(本身小口〜本身背)と、必要な場合のチリ(本身よりも表紙を突出させる領域:チリ有りは図8(a)参照、チリ無しは図8(b)参照)Lcと、本身と表紙とを接着する糊Gの塗布厚Lg(図8参照)とを加えた量Lfとなる位置に、筋付け部320が第1の筋を形成する(図7(b)参照)。
さらに、第1の筋の位置から、計測された本身の用紙束厚Lwだけ離れた位置に、筋付け部320が第2の筋を形成する(図7(c)参照)。
そして、断裁部450により、他方の表紙領域についてLfとなる位置の端部で、余分な領域Ldを表紙から断裁する(図7(d)参照)。
筋付け処理の具体例(2):
図9は筋付け部320の処理の様子を模式的に示し、図10はくるみ製本部460の処理の様子を模式的に示す説明図である。ここでは、本身よりも表紙を突出させる領域としてチリ有りを具体例にする。
上述した糊塗布部440での糊塗布厚をLg1とした場合には、図9(a)と図10(a)のように、本身深さLa+糊塗布厚Lg1+チリLc=Lf1と求め、Lf1の位置に筋付け部320が第1の筋を形成する。さらに、第1の筋の位置から、計測された本身の用紙束厚Lwだけ離れた位置に、筋付け部320が第2の筋を形成する。そして、断裁部450により、他方の表紙領域についてLf1となる位置の端部で、余分な領域Ld1を表紙から断裁する。
また、上述した糊塗布部440での糊塗布厚をLg1より厚いLg2とした場合には、図9(b)と図10(b)のように、本身深さLa+糊塗布厚Lg2+チリLc=Lf2と求め、Lf2の位置に筋付け部320が第1の筋を形成する。さらに、第1の筋の位置から、計測された本身の用紙束厚Lwだけ離れた位置に、筋付け部320が第2の筋を形成する。そして、断裁部450により、他方の表紙領域についてLf2となる位置の端部で、余分な領域Ld2を表紙から断裁する。
筋付け処理の具体例(3):
図11は筋付け部320の処理(第1の筋〜第4の筋)の様子を模式的に示し、図12はくるみ製本部460の処理の様子を模式的に示す説明図である。ここでは、本身よりも表紙を突出させる領域としてチリ有りを具体例にする。
上述した糊塗布部440での糊塗布厚をLg1とした場合には、図11(a)と図12(a)のように、本身深さLa+糊塗布厚Lg1+チリLc=Lf1と求め、糊塗布厚Lg1に開閉用筋が一致しないようにLt1>Lg1となるようにLt1を定める。そして、Lf1−Lt1の位置に筋付け部320が第3の筋(開閉用筋)を形成し、Lf1の位置に筋付け部320が第1の筋を形成する。さらに、第1の筋の位置から、計測された本身の用紙束厚Lwだけ離れた位置に筋付け部320が第2の筋を形成し、Lf1+Lw+Lt1の位置に筋付け部320が第4の筋(開閉用筋)を形成する。そして、断裁部450により、他方の表紙領域についてLf1となる位置の端部で、余分な領域Ld1を表紙から断裁する。
また、上述した糊塗布部440での糊塗布厚をLg1より厚いLg2とした場合には、図11(b)と図12(b)のように、本身深さLa+糊塗布厚Lg2+チリLc=Lf2と求め、糊塗布厚Lg2に開閉用筋が一致しないようにLt2>Lg2となるようにLt2を定める。そして、Lf2−Lt2の位置に筋付け部320が第3の筋(開閉用筋)を形成し、Lf2の位置に筋付け部320が第1の筋を形成する。さらに、第1の筋の位置から、計測された本身の用紙束厚Lwだけ離れた位置に、筋付け部320が第2の筋を形成し、Lf2+Lw+Lt2の位置に筋付け部320が第4の筋(開閉用筋)を形成する。そして、断裁部450により、他方の表紙領域についてLf2となる位置の端部で、余分な領域Ld2を表紙から断裁する。
この具体例(3)の場合には、糊塗布部440での糊塗布厚に応じて、ノドを形成することになる開閉用筋の位置が制御部301や制御部401により適切に求められ、第3の筋と第4の筋とが付されることになる。なお、この実施形態において、製本時のノドとは、第1の筋〜第2の筋、第3の筋〜第4の筋、の領域、すなわち、表紙を開いた場合にも開かない領域を指している。
筋付け処理の具体例(4):
図13は、糊Gが周囲に回り込むサイドグルーと呼ばれる現象について模式的に示す説明図である。糊Gの特性や、くるみ製本部460での加圧の状況により、用紙束端部と表紙との間の糊Gが、図13(a)のサイドグルーSg1(サイドグルー深さ=Lsg1)や、図13(b)のサイドグルーSg3(サイドグルー深さ=Lsg3)のように、周囲に回り込む現象が発生する。
この場合、制御部301は、サイドグルーSg1の深さLsg1に基づいて、第3・第4の筋の位置がサイドグルーSg1に一致しないように、第3・第4の筋の位置Lt1について、Lt1>Lg1+Lsg1となるように、定める(図13(a)参照)。
また、制御部301は、サイドグルーSg3の深さLsg3に基づいて、第3・第4の筋の位置がサイドグルーSg3に一致しないように、第3・第4の筋の位置Lt3について、Lt3>Lg1+Lsg3となるように、定める(図13(b)参照)。
図14は筋付け部320の処理(第1の筋〜第4の筋)の様子を模式的に示し、図15はくるみ製本部460の処理の様子を模式的に示す説明図である。ここでは、本身よりも表紙を突出させる領域としてチリ有りを具体例にする。
上述した糊塗布部440での糊塗布厚をLg1とした場合には、図14(a)と図15(a)のように、本身深さLa+糊塗布厚Lg1+チリLc=Lf1と求め、糊塗布厚Lg1とサイドグルーSg1の深さLsg1に開閉用筋が一致しないようにLt1>Lg1+Lsg1となるようにLt1を定める。そして、Lf1−Lt1の位置に筋付け部320が第3の筋(開閉用筋)を形成し、Lf1の位置に筋付け部320が第1の筋を形成する。さらに、第1の筋の位置から、計測された本身の用紙束厚Lwだけ離れた位置に筋付け部320が第2の筋を形成し、Lf1+Lw+Lt1の位置に筋付け部320が第4の筋(開閉用筋)を形成する。そして、断裁部450により、他方の表紙領域についてLf1となる位置の端部で、余分な領域Ld1を表紙から断裁する。
また、上述した糊塗布部440での糊塗布厚はLg1であるが、サイドグルーSg3の深さがLsg3である場合図14(b)と図15(b)のように、本身深さLa+糊塗布厚Lg1+チリLc=Lf1と求め、糊塗布厚Lg1とサイドグルーSg3の深さLsg3に開閉用筋が一致しないようにLt3>Lg1+Lsg3となるようにLt3を定める。そして、Lf1−Lt3の位置に筋付け部320が第3の筋(開閉用筋)を形成し、Lf1の位置に筋付け部320が第1の筋を形成する。さらに、第1の筋の位置から、計測された本身の用紙束厚Lwだけ離れた位置に筋付け部320が第2の筋を形成し、Lf1+Lw+Lt3の位置に筋付け部320が第4の筋(開閉用筋)を形成する。そして、断裁部450により、他方の表紙領域についてLf1となる位置の端部で、余分な領域Ld1を表紙から断裁する。
この具体例(4)の場合には、サイドグルーの深さに応じて、ノドを形成することになる開閉用筋の位置が制御部301や制御部401により適切に求められ、第3の筋と第4の筋とが付されることになる。
筋付け処理の具体例(5):
図16は、筋付け処理によって付される筋の影響で発生する縮みと、その影響を考慮した筋付け処理について、模式的に示す拡大状態で示す説明図である。
まず、図16(a)のような筋付け前の用紙に、1本の筋を付すことで図16(b)のような状態になる。ここで、筋の位置を中心にして、筋の左側にはdslの縮みが発生し、筋の右側にはdsrの縮みが発生する。
すなわち、筋が付された状態で長さLが必要である場合(図16(b))には、予め、dslとdsr分の余裕を持たせておく必要がある(図17(a))。
ここでは、図18に示すように、本身深さLa、糊塗布厚Lg、用紙束厚Lb、チリ無し、で製本する場合を想定する。
まず、第1の筋の位置Lfc1について、筋形成後にLa+Lgとなるように、Lfc1=La+Lg+dslと設定する。
また、第2の筋の位置Lfc2について、筋形成後に第1の筋からLbの位置になるように、第1の筋の位置から第2の筋の位置までを、Lb+(dsr+dsl)と設定する。すなわち、Lfc2=Lfc1+Lb+(dsr+dsl)と設定する。
また、用紙基準位置から見た用紙端部の断裁位置Lccは、Lcc=Lfc2+La+Lg+dsrと設定する。
ここで、Lfc1の位置に第1の筋を形成すると、図17(b)のように、筋の両側にdsr+dslの縮みが発生することで、筋の左側はLa+Lgとなり、筋の右側はLb+dsl、La+Lg+dsr、断裁領域Ld’となる。この時点で縮み量はdsr+dslになる。
さらに、Lfc2の位置に第2の筋を形成すると、図17(c)のように、第2の筋の両側にもdsr+dslの縮みが発生することで、第2の筋の左側はLbとなり、第2の筋の右側はLa+Lg、断裁領域Ld’となる(図17(c))。この時点で縮み量は2(dsr+dsl)になる。
最終的に、断裁領域Ld’を断裁することで、図17(d)に示すように、第1の筋と第2の筋とが形成され、La+Lg、Lb、La+Lgのように、縮みの影響が無い所望の状態になる。
筋付け処理の具体例(6):
ここでは、図20に示すように、本身深さLa、糊塗布厚Lg、用紙束厚Lb、チリ無し、第3・第4の筋位置Lt、で製本する場合を想定する。この場合の、各位置は、図19(a)に示すごとく、以下のようにする。
まず、第3の筋の位置Lfc3について、筋形成後にLa+Lg−LTとなるように、Lfc3=La+Lg−Lt+dslと設定する。
次に、第1の筋の位置Lfc1について、筋形成後にLa+Lgとなるように、Lfc1=Lfc3+Lt+(dsr+dsl)=La+Lg+(dsl+dsr+dsl)と設定する。
そして、第2の筋の位置Lfc2について、筋形成後にLa+Lg+Lbとなるように、Lfc2=Lfc1+Lb+(dsr+dsl)=La+Lg+Lb+(3dsl+2dsr)と設定する。
そして、第4の筋の位置Lfc4について、筋形成後にLa+Lg+Lb+Ltとなるように、Lfc4=Lfc2+Lt+(dsr+dsl)=La+Lg+Lb+Lt+(4dsl+3dsr)と設定する。
そして、用紙基準位置から見た用紙端部の断裁位置Lccについて、全ての筋形成後にLa+Lg+Lb+Lg+Laとなるように、Lcc=Lfc4−Lt+La+Lg+dsr=2(La+Lg)+Lb+4(dsl+dsr)と設定する。
すなわち、図19(a)のように、基準位置〜Lfc3=La+Lg−Lt+dsl、Lfc3〜Lfc1=Lt+(dsl+dsr)、Lfc1〜Lfc2=Lb+(dsl+dsr)、Lfc2〜Lfc4=Lt+(dsl+dsr)、Lfc4〜Lcc=La+Lg−Lt+dsr、になる。
以上のような設定において、Lfc3の位置に第3の筋を形成すると、図19(b)のように、筋の両側にdsr+dslの縮みが発生することで、基準位置〜Lfc3=La+Lg−Lt、Lfc3〜Lfc1=Lt+dsl、となる。この時点で表紙の縮み量は、dsr+dslになる。
また、Lfc1の位置に第1の筋を形成すると、図19(c)のように、筋の両側にdsr+dslの縮みが発生することで、Lfc3〜Lfc1=Lt、Lfc1〜Lfc2=Lb+dsl、となる。この時点で表紙の縮み量は、2(dsr+dsl)になる。
また、Lfc2の位置に第2の筋を形成すると、図19(d)のように、筋の両側にdsr+dslの縮みが発生することで、Lfc1〜Lfc2=Lb+、Lfc2〜Lfc4=Lt+dsl、となる。この時点で表紙の縮み量は、3(dsr+dsl)になる。
また、Lfc4の位置に第4の筋を形成すると、図19(e)のように、筋の両側にdsr+dslの縮みが発生することで、Lfc2〜Lfc4=Lt、Lfc4〜Lcc=La+Lg−Lt、となる。この時点で表紙の縮み量は、4(dsr+dsl)になる。
最終的に、Lcc以降の断裁領域Ld”を断裁することで、図19(f)に示すように、第1の筋〜第4の筋とが形成され、La+Lg−Lt、Lt、Lb、Lt、La+Lg−Lt、のように縮みの影響がない所望の状態になる。
〔実施形態の動作〕
以下、図21以降のフローチャートを参照して、本実施形態の動作説明を行う。なお、図21は製本に関するメインの処理(全体動作)を示すフローチャート、図22以降はサブルーチンの動作(詳細動作)を示すフローチャートである。これ以降、全体動作を先に説明し、全体動作中の細かな点について詳細動作として説明する。
全体動作(1):
まず、画像形成装置100で画像形成された本身部分の用紙を製本装置としての用紙処理装置300,400に、1枚ずつ、あるいは、複数枚重ねられた状態で搬送する(図21中のステップS101)。
なお、この際には、制御部101,制御部201,制御部301,制御部401の間で通信を行い、搬送部110,搬送部210,搬送部310,搬送部410が用紙の搬送に関して連携した搬送を実行する。
ここで、用紙束取扱部420は、搬送されてくる用紙を整合した状態で集積して用紙束を生成する(図21中のステップS102)。
制御部401は、制御部101,制御部201,制御部301との通信により本身部分の用紙の搬送が完了すると判断されるまで(図21中のステップS103でNO)、以上の用紙搬送と用紙の集積とを繰り返す(図21中のステップS101、S102)。
全体動作(2):
制御部401は、制御部101,制御部201,制御部301との通信により本身部分の用紙の搬送が完了すると判断した場合(図21中のステップS103でYES)、用紙束取扱部420で集積されて整合された状態の用紙束について、用紙束厚計測部430により用紙束の厚みの計測を開始する(図21中のステップS104)。
この用紙束厚計測部430は、既知の各種の手法を用いて用紙束厚を計測することが可能である。例えば、用紙束より大きい既知の間隔に配置された挟持部材により用紙束を挟むようにして、挟持部材が停止するまでの時間や距離をエンコーダやパルスモータで計測することが可能である。または、挟持部材の間隔を光学的な測距センサで計測することも可能である。
なお、制御部401は、用紙束取扱部420で保管されている本身部分の用紙束の端部に、糊塗布部440によって糊Gを所定厚で塗布するように制御する(図21中のステップS105)。
この際、制御部401は、用紙束と表紙の接着状況に大きな影響を与える糊Gの塗布厚を、本身部分の用紙束の厚みの計測結果に応じて調整する。
例えば、用紙束の厚みに応じて、糊Gの塗布厚を増加させ、接着強度を高め、安定した接着状況となるよう制御する。
または、用紙束取扱部420で集積した用紙枚数をカウントするよう制御部401が制御し、あるいは、制御部101から用紙枚数の情報を入手し、用紙枚数の増加に応じて、糊Gの塗布厚を増加させ、安定した接着状況となるよう制御する。
または、制御部401は、制御部101から用紙の種類(紙種:普通紙、塗工紙、など)の情報を入手し、紙種の違いに応じて、糊Gの塗布厚を調整し、安定した接着状況となるよう制御する。例えば、柔軟性のある普通紙では糊Gの塗布厚を減らし、表面が比較的硬い塗工紙では糊Gの塗布厚を増やし、安定した接着状況を実現する。
または、制御部401は、制御部101から用紙の坪量の情報を入手し、坪量の違いに応じて、糊Gの塗布厚を調整し、安定した接着状況となるよう制御する。例えば、軽い用紙では糊Gの塗布厚を減らし、重い用紙では糊Gの塗布厚を増やし、安定した接着状況を実現する。
または、制御部401は、制御部101や制御部301から用紙の他の処理(例えば、折り)の情報を入手し、用紙束中にZ折りなどが含まれる場合には、用紙束厚に比較して接着する部位では用紙が少ない状態であるため、糊Gの塗布厚を増加させ、安定した接着状況となるよう制御する。
その他にも、制御部401は、用紙束の状況に応じて、糊塗布部440でにおける糊Gの塗布状況を適宜調整することが可能である。
全体動作(3):
また、上述した全体動作(2)の用紙束の厚みの計測と並行して、制御部301と制御部401とは、制御部101や制御部201の間で通信を行い、表紙を用紙処理装置300と用紙処理装置400に搬送させる(図21中のステップS106)。
そして、制御部301は、用紙束厚計測部430において用紙束の厚みの計測結果が制御部401を介して得られた場合には、その計測結果、及び計測結果に影響を受ける糊Gの塗布厚とに基づいて、表紙の適切な位置に筋を付するように、筋付け部320を制御する(図21中のステップS107)。
また、制御部401は、用紙束厚計測部430において用紙束の厚みの計測結果が得られた場合には、その計測結果、及び計測結果に影響を受ける糊Gの塗布厚とに基づいて、表紙の適切な位置を断裁するように断裁位置を算出し(図21中のステップS107)、断裁部450が断裁位置で表紙端部を断裁するよう制御する(図21中のステップS108)。
すなわち、用紙束の厚みに応じて糊Gの塗布厚が変更されると、本身部分と表紙の深さが相対的に変化する。また、糊Gの影響により、上述したサイドグルーも変化する。このため、筋を付す位置を、適切に制御する必要がある。なお、この筋付け部320における筋を付す位置の制御や断裁部450での断裁の制御については、図22以降のフローチャートを参照して、別途説明する。
全体動作(4):
そして、制御部401はくるみ製本部460を制御し、糊Gが塗布された本身部分の用紙束を、表紙における背表紙の裏側部分に押圧して接着する(図21中のステップS109)。この際に、図5及び図6に示したように、制御部401の制御により、くるみ用紙の背表紙領域の下部の加圧ガイド460aが、くるみ用紙の背表紙領域裏側と用紙束との接着を助けるように加圧する。
また、図5及び図6に示したように、制御部401の制御により、くるみ用紙の背表紙領域に近い表表紙領域の下部の加圧ガイド460cと、くるみ用紙の背表紙領域に近い裏表紙領域の下部の加圧ガイド460bが、計測された用紙束の厚みに基づく背表紙幅wに応じて付された第1の筋と第2の筋に沿って折り目を付けるように移動して、角背整形処理を実行する(図5(c)の矢印、図6(c)の矢印)(図21中のステップS110)。これにより、表紙Sbが用紙束Saをくるむことになる。
なお、このようにしてくるみ製本処理されて生成された冊子は、制御部401の制御により、冊子排出部490から排出される(図21中のステップS111)。
詳細動作(1):
ここで、筋付け部320における筋付け処理(図21中のステップS107)の詳細動作を、図22以降のフローチャートを参照して詳細に説明する。
まず、制御部301は、実行中の製本処理として、開閉筋(第3の筋及び第4の筋)を付す設定であるかを確認する(図22中のステップS201)。
詳細動作(1−1):
開閉筋なしの設定であれば(図22中のステップS201でNO)、制御部301は、第1の筋と第2の筋を付す位置を決定する(図22中のステップS202)。
この第1の筋と第2の筋を付す位置の決定については、図23のフローチャートにより説明する。
制御部401は、実行中の製本処理として、用紙束厚計測部430で計測された本身部分の用紙束厚を参照し、この用紙束厚を所定の閾値と比較する(図23中のステップS2021)。
なお、この所定の閾値としては、糊塗布部440での糊塗布厚を通常(薄)で済ませることが可能な用紙厚に相当する、予め定められた値である。また、この閾値に対応して、閾値以下の厚みの用紙束を安定した状態で接着可能な糊塗布=薄と、閾値を超える厚みの用紙束を安定した状態で接着可能な糊塗布=厚を、予め定めておく。
なお、この説明では、糊塗布厚は2段階であるが、複数の閾値と比較して、3段階以上の糊塗布厚を定めても良い。
なお、以上の説明では、用紙束厚に応じて安定した接着を目指すために糊塗布厚を定めているが、用紙束厚と同様に、用紙束に含まれる用紙枚数、用紙束に含まれる用紙種類、用紙束に含まれる用紙坪量、用紙束に含まれる折り処理などの有無、を参照して、糊塗布厚を制御することも可能である(ステップS2021の欄外「その他の条件」参照)。
なお、ここでは、図9−10、あるいは、図17−18で示した場合と同様に、本身深さLa、糊塗布厚(薄=Lg1,厚=Lg2)、用紙束厚Lb、チリ=Lc、筋の左側縮みdsl、筋の右側縮みdsr、で製本する場合を想定する。また、チリが無い場合には、Lc=0とする。
用紙束厚が閾値以下であれば(図23中のステップS2021でYES)、制御部401は、糊塗布部440での糊塗布=薄と設定(図23中のステップS2022)する。制御部401から糊塗布=薄と情報を得た制御部301は、この糊塗布に対応した第1の筋の位置を決定する(図23中のステップS2023)。すなわち、第1の筋の位置Lfc1について、筋形成後にLa+Lg1+Lcとなるように、Lfc1=La+Lg1+Lc+dslと設定する。
用紙束厚が閾値を超えていれば(図23中のステップS2021でNO)、制御部401は、糊塗布部440での糊塗布=厚と設定(図23中のステップS2024)する。制御部401から糊塗布=厚と情報を得た制御部301は、この糊塗布に対応した第1の筋の位置を決定する(図23中のステップS2025)。すなわち、第1の筋の位置Lfc1について、筋形成後にLa+Lg2+Lcとなるように、Lfc1=La+Lg2+Lc+dslと設定する。
そして、制御部301は、以上の第1の筋の位置に対応して、第2の筋の位置を決定する(図23中のステップS2026)。すなわち、第2の筋の位置Lfc2について、筋形成後に第1の筋からLbの位置になるように、Lfc2=Lfc1+Lb+(dsr+dsl)と設定する。
図22のフローチャートに戻り、制御部401は、用紙束厚の計測結果、及び計測結果に影響を受ける糊Gの塗布厚とに基づいて、表紙の適切な位置を断裁するように断裁位置を計算する(図22中のステップS203)。すなわち、断裁位置Lccについて、Lcc=Lfc2+La+Lc+Lg+dslと設定する。なお、ここでLgは、用紙束厚に応じて定められる糊塗布厚であり、上述したLg1かLg2のいずれかである。
以上のようにして、第1の筋の位置と第2の筋の位置とが求められたことに応じて、制御部301は筋付け部320を制御して、表紙に対して第1の筋と第2の筋とを付す(図22中のステップS204、S205)。
これにより、用紙束厚に応じて糊の塗布厚が定められ、この糊塗布厚に基づいた適正な位置に第1と第2の筋とが付されることになる。
すなわち、くるみ製本する際に、用紙束と表紙との接着状況に応じて、表紙における小口と筋までの距離を、用紙における小口と背までの距離よりも長くなるように制御するため、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、本身部分が表紙よりも突出した状態にならず、本身と表紙の位置関係がずれることはない。すなわち、様々な条件のくるみ製本処理において、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
詳細動作(1−2):
開閉筋ありの設定であれば(図22中のステップS201でYES)、第1の筋と第2の筋に加えて第3の筋と第4の筋を付す必要があるが、制御部301は、まず、第1の筋と第2の筋を付す位置を決定する(図22中のステップS206)。
なお、図19等では、第3の筋、第1の筋、第2の筋、第4の筋、の順番で位置を説明してきたが、図19において示した計算式に従うことで、第1の筋、第2の筋、第3の筋、第4の筋の順番で計算することが可能になっている。
この第1の筋と第2の筋を付す位置の決定については、図24のフローチャートにより説明する。
制御部401は、実行中の製本処理として、用紙束厚計測部430で計測された本身部分の用紙束厚を参照し、この用紙束厚を所定の閾値と比較する(図24中のステップS2061)。
なお、この所定の閾値と、閾値に対応する糊塗布厚とは、上述したように、予め定めておく。なお、この説明では、糊塗布厚は2段階であるが、複数の閾値と比較して、3段階以上の糊塗布厚を定めても良い。なお、用紙束に含まれる用紙枚数、用紙束に含まれる用紙種類、用紙束に含まれる用紙坪量、用紙束に含まれる折り処理などの有無、を参照して、糊塗布厚を制御することも可能である(ステップS2021の欄外「その他の条件」参照)。
なお、ここでは、図11−12、あるいは、図19−20で示した場合と同様に、本身深さLa、糊塗布厚Lg(薄=Lg1,厚=Lg2)、用紙束厚Lb、チリ=Lc、筋の左側縮みdsl、筋の右側縮みdsr、で製本する場合を想定する。また、チリが無い場合には、Lc=0とする。
用紙束厚が閾値以下であれば(図24中のステップS2061でYES)、制御部401は、糊塗布部440での糊塗布=薄と設定(図24中のステップS2062)する。制御部401から糊塗布=薄と情報を得た制御部301は、この糊塗布に対応した第1の筋の位置を決定する(図24中のステップS2063)。すなわち、第1の筋の位置Lfc1について、筋形成後にLa+Lg1+Lcとなるように、Lfc1=Lc+La+Lg1+(dsl+dsr+dsl)と設定する。
用紙束厚が閾値を超えていれば(図24中のステップS2061でNO)、制御部401は、糊塗布部440での糊塗布=厚と設定(図24中のステップS2064)する。制御部401から糊塗布=厚と情報を得た制御部301は、この糊塗布に対応した第1の筋の位置を決定する(図24中のステップS2065)。すなわち、第1の筋の位置Lfc1について、筋形成後にLa+Lg2+Lcとなるように、Lfc1=Lc+La+Lg2+(dsl+dsr+dsl)と設定する。
そして、制御部301は、以上の第1の筋の位置に対応して、第2の筋の位置を決定する(図24中のステップS2066)。すなわち、第2の筋の位置Lfc2について、筋形成後にLc+La+Lg+Lbとなるように、Lfc2=Lfc1+Lb+(dsr+dsl)と設定する。
図22のフローチャートに戻り、開閉筋ありの設定であるため(図22中のステップS201でYES)、制御部301は、第3の筋と第4の筋を付す位置を決定する(図22中のステップS207)。
この第3の筋と第4の筋を付す位置の決定については、図25のフローチャートにより説明する。
まず、制御部301は、第3の筋の位置と第4の筋の位置を定める(図22中のステップS207)のにあたり、図11−12、あるいは、図19−20で示した場合と同様に、ノドとして、第1の筋と第3の筋の距離と、第2の筋と第4の筋の距離のLtを決定する(図25中のステップS2071)。
距離Ltの決定については、図26のフローチャートを参照して説明する。
まず、制御部301は、Ltを自動決定するか、手動決定するか、いずれが選択されているかを確認する(図26中のステップS20711)。
Ltを自動決定する場合であれば(図26中のステップS20711でYES)、制御部301は、制御部401を介して糊の塗布厚Lgの情報を得て、サイドグルーの深さLsgを算出する(図26中のステップS20712)。
更に、制御部301は、糊塗布厚LgとサイドグルーSgの深さLsgの範囲内に開閉用筋が一致しないように、Lt>Lg+Lsgとなるように、安全を見込んだ固定値Lαを用いて、Lt=Lg+Lsg+Lαとして求める(図26中のステップS20713)。
なお、このLtの求め方は、図11〜図15で既に説明したLt1、Lt2、Lt3の場合と同様である。
一方、Ltを手動決定する場合であれば(図26中のステップS20711でNO)、制御部301は、ジョブ開始前に操作表示部103から入力されて、記憶部104又は記憶部304等に格納されている入力値Linputを読み出す(図26中のステップS20714)。なお、制御部301は、Ltを手動決定する場合には、糊が塗布された範囲から筋をどれだか離すかについて、Ltを決定する際の指標となる入力値Linputを、ジョブ開始前に操作表示部103を介して、オペレータから受け付けておく。
そして、制御部301は制御部401を介して糊の塗布厚Lgの情報を得て(図26中のステップS20715)、入力値Linputと糊塗布厚Lgとを参照して、Lt=Lg+Linputとして求める(図26中のステップS20716)。
図25のフローチャートに戻り、制御部301は、以上のようにして求められたLtを参照して、第3の筋の位置を決定する(図25中のステップS2072)。すなわち、第3の筋の位置Lfc3について、筋形成後にLc+La+Lg−LTとなるように、Lfc3=Lc+La+Lg−Lt+dsl=Lfc1−(dsl+dsr)−Ltと設定する。なお、Lgについては、Lg1又はLg2のいずれか適切な値を用いる。
また、制御部301は、以上のようにして求められたLtを参照して、第4の筋の位置を決定する(図25中のステップS2073)。すなわち、第4の筋の位置Lfc4について、筋形成後にLc+La+Lg+Lb+Ltとなるように、Lfc4=Lfc2+Lt+(dsr+dsl)=Lc+La+Lg+Lb+Lt+(4dsl+3dsr)と設定する。なお、Lgについては、Lg1又はLg2のいずれか適切な値を用いる。
図22のフローチャートに戻り、制御部301は、第3の筋と第4の筋を付す位置の有効性を確認する(図22中のステップS208)。
この第3の筋と第4の筋を付す位置の有効性確認については、図27のフローチャートにより説明する。
まず、制御部301は、サイドグルーLsgが第3の筋の位置に存在するか否かを確認する(図27中のステップS2081)。すなわち、制御部301は、糊塗布厚とサイドグルーSgの深さが、第1の筋の位置と第3の筋の位置の間隔以上であるか、すなわち、Lsg+Lg>Lfc1−Lfc3であるかを判断する。
更に、制御部301は、サイドグルーLsgが第4の筋の位置に存在するか否かを確認する(図27中のステップS2082)。すなわち、制御部301は、糊塗布厚とサイドグルーSgの深さが、第2の筋の位置と第4の筋の位置の間隔以上であるか、すなわち、Lsg+Lg>Lfc4−Lfc2であるかを判断する。
いずれの条件も満足(サイドグルーが筋の位置に存在しない)であれば(図27中のステップS2081でYES、図27中のステップS2082でYES)、第3の筋と第4の筋の位置は有効であるため、処理を終了する(図27でリターン、図22に戻る)。
いずれかの条件を満足しない場合(サイドグルーが筋の位置に存在する、図27中のステップS2081でNOか、図27中のステップS2082でNO)、第3の筋と第4の筋の位置のいずれかが無効であるため、制御部301は制御部101を介して操作表示部103に警告の音又は画面を報知して、処理を終了する(図27でリターン、図22に戻る)。なお、用紙処理装置300に操作表示部が存在する場合には、用紙処理装置300側の操作表示部に警告を報知しても良い。
なお、以上のステップS208の筋有効性確認と警告の報知については、ステップS207の第3の筋の位置決定と第4の筋の位置決定との処理で筋の位置を確定する前に、実行することも望ましい。
また、ここでは、警告の報知による処理中断、オペレータの承認による処理続行、筋位置の決定再実行、のいずれかの処理をすることが望ましい。
筋位置の決定再実行としては、第3の筋の位置と第4の筋の位置とについて、Ltの自動決定(図26中のステップS20713)、又は、入力値Linputを受け付け(図26中のステップS20714)〜入力値Linputと糊塗布厚Lgとを参照したLtの算出(図26中のステップS20716)を、再び実行することが望ましい。
図22のフローチャートに戻り、制御部401は、用紙束厚の計測結果、及び計測結果に影響を受ける糊Gの塗布厚とに基づいて、表紙の適切な位置を断裁するように断裁位置を計算する(図22中のステップS209)。すなわち、用紙基準位置から見た用紙端部の断裁位置Lccについて、Lcc=Lfc4−Lt+La+Lg+dsr=2(La+Lg)+Lb+4(dsl+dsr)と設定する。なお、ここでLgは、用紙束厚に応じて定められる糊塗布厚であり、上述したLg1かLg2のいずれかである。
以上のようにして、第1の筋の位置〜第4の筋の位置が求められたことに応じて、制御部301は筋付け部320を制御して、端部から順に、表紙に対して第3の筋、第1の筋、第2の筋、第4の筋を付す(図22中のステップS210〜S213)。
これにより、用紙束厚に応じて糊の塗布厚が定められ、この糊塗布厚に基づいた適正な位置に第1の筋〜第4の筋が付されることになる。
すなわち、くるみ製本する際に、用紙束と表紙との接着状況に応じて、表紙における小口と筋までの距離を、用紙における小口と背までの距離よりも長くなるように制御するため、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、本身部分が表紙よりも突出した状態にならず、本身と表紙の位置関係がずれることはない。すなわち、様々な条件のくるみ製本処理において、糊の塗布厚等の接着状況が変化しても、製本の品位は低下せず、高品位な製本が可能になる。
〔その他の実施形態〕
以上の説明では、筋付け処理を行う用紙処理装置300と、接着や製本処理を行う用紙処理装置400とは製本システムとして接続されていたが、これに限定されるものではない。すなわち、用紙処理装置300と用紙処理装置400、あるいは、用紙処理装置200〜用紙処理装置400を一体の製本装置とすることも可能である。この場合、筋付け処理や製本処理を単一の制御部が制御すれば良い。また、入力値Linputを入力したり、筋の有効性判断結果を表示する表示部としての操作表示部を、用紙処理装置300近傍に設けることも望ましい。
また、画像形成装置100と、用紙処理装置300〜400とが機械的に接続されておらず、オペレータが用紙束を用紙処理装置200または用紙処理装置300の用紙受け入れ口(図示せず)にセットして搬送してくるみ製本を実行することも可能である。
100 画像形成装置
101 制御部
102 通信部
104 記憶部
103 操作表示部
105 給紙部
110 搬送部
130 画像データ記憶部
140 画像処理部
150 画像形成部
300 用紙処理装置
301 制御部
302 通信部
304 記憶部
310 搬送部
320 筋付け部
400 用紙処理装置
401 制御部
402 通信部
410 搬送部
420 平綴じ部
430 用紙束厚計測部
440 糊塗布部
450 断裁部
460 くるみ製本部
490 冊子排出部

Claims (17)

  1. 本身部分の用紙を用紙束として集積し、該用紙束を表紙で覆うことにより製本する機能を有する製本装置であって、
    前記表紙において前記用紙束が接着される領域の端部に第1の筋と第2の筋とを付ける筋付け部と、
    前記用紙束の背の部分に糊を塗布して前記表紙を接着し、前記筋に沿って前記表紙を折り曲げ、前記用紙束を前記表紙で覆うように製本する製本部と、
    前記筋付け部と前記製本部とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記用紙束と前記表紙との接着状況に応じて、前記表紙における前記小口と前記筋までの距離を、前記用紙における前記小口と前記背までの距離よりも長くなるように制御する、
    ことを特徴とする製本装置。
  2. 前記表紙を断裁する断裁部を有し、
    前記制御部は、前記断裁部を制御し、前記用紙束と前記表紙との接着状況に応じて、前記表紙における前記小口と前記筋までの距離が、前記用紙における前記小口と前記背までの距離よりも長くなるように、前記断裁部による前記表紙の断裁位置を制御する、
    ことを特徴とする請求項1記載の製本装置。
  3. 前記制御部は、前記接着状況として、前記製本部における糊の塗布状況を参照する、
    ことを特徴とする請求項1−2に記載の製本装置。
  4. 前記用紙束の厚みを計測する計測部を備え、
    前記制御部は、前記厚みに応じて前記接着状況を制御する、
    ことを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の製本装置。
  5. 前記制御部は、前記用紙束を構成する前記用紙の枚数の情報を得て、該枚数に応じて前記接着状況を制御する、
    ことを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の製本装置。
  6. 前記制御部は、前記用紙束を構成する前記用紙の種類の情報を得て、該種類に応じて前記接着状況を制御する、
    ことを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の製本装置。
  7. 前記制御部は、前記用紙の種類として該用紙の紙種または坪量を参照する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の製本装置。
  8. 前記制御部は、前記用紙束を構成する前記用紙に施される処理内容の情報を得て、該処理内容に応じて前記接着状況を制御する、
    ことを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の製本装置。
  9. 前記制御部は、前記表紙を開閉する際に使用される第3の筋と第4の筋を前記表紙に付すよう前記筋付け部を制御する、
    ことを特徴とする請求項1−8のいずれか一項に記載の製本装置。
  10. 前記制御部は、前記用紙束と前記表紙との接着の状況に応じて、前記第3の筋と第4の筋を形成する位置を決定する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の製本装置。
  11. 前記制御部は、前記用紙束と前記表紙との接着の状況として、前記用紙束の背に塗布された糊の一部が、前記接着の際に、該用紙束の1枚目又は最終枚目の用紙の外側面に移動して形成されるサイドグルーを予想し、前記サイドグルーが無い領域に前記第3の筋と第4の筋を形成する位置を決定する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の製本装置。
  12. 警告を報知する報知部を備え、
    前記制御部は、前記用紙束の背に塗布された糊の一部が、前記接着の際に、該用紙束の1枚目又は最終枚目の用紙の外側面に移動して形成されるサイドグルーを予想し、前記サイドグルーが生じる領域と前記第3の筋と第4の筋を形成する位置とが重なる場合に、前記報知部から警告を発生するよう制御する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の製本装置。
  13. 前記用紙束の厚みを計測する計測部を備え、
    前記制御部は、前記計測部により計測された前記厚みを参照し、前記筋付け部が付ける筋の位置を決定する、
    ことを特徴とする請求項1−12のいずれか一項に記載の製本装置。
  14. 前記制御部は、前記筋が形成されることによる前記表紙の縮みの影響を考慮し、前記筋付け部が付ける筋の位置を決定する、
    ことを特徴とする請求項1−13のいずれか一項に記載の製本装置。
  15. 前記表紙を断裁する断裁部を有し、
    前記制御部は、前記表紙における前記小口と前記筋までの距離が、前記用紙における前記小口と前記背までの距離よりも長くなるように、前記筋が形成されることによる前記表紙の縮みの影響を考慮して、前記断裁部による前記表紙の端部の断裁を制御する、
    ことを特徴とする請求項1−14のいずれか一項に記載の製本装置。
  16. 請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載された製本装置に含まれる前記筋付け部と前記製本部とが、複数の装置に別れて搭載されており、該複数の装置が連結されることを特徴とする製本システム。
  17. 前記用紙又は前記表紙に画像を形成する画像形成装置と、
    前記画像形成装置から搬送される前記用紙と前記表紙を受け入れて製本する機能を有する請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載された前記製本装置と、
    を含んで構成されることを特徴とする製本システム。
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