JP2015000896A - 組成物ならびにそれを用いたミクロ相分離構造膜およびその製造方法 - Google Patents

組成物ならびにそれを用いたミクロ相分離構造膜およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】欠陥が少なくドメインサイズの大きなシリンダー構造を形成および固定化でき、工業的加工性に優れたミクロ相分離構造膜を経済合理的に製造することができる組成物の提供。【解決手段】アルキレンオキサイド鎖を含むポリマー成分(A)及び炭素数2〜20のアルキレン鎖を含むポリマー成分(B)が直接または連結基を介して共有結合によって結合し、前記ポリマー成分(B)が炭素数6〜50のメソゲン側鎖を有する液晶性ブロック共重合体と、一般式(X)で表される反応性液晶化合物を含む組成物(Q1及びQ2のうち一方は反応性基であり、反応性基ではないQ1およびQ2は置換基;L1及びL4は二価の連結基であり、L1およびL4のうち一方は炭素数2〜20のアルキレン基を含む;L2及びL3は単結合又は特定の二価の連結基;Cy1、Cy2及びCy3は二価の環状基;nは0〜3の整数)。【選択図】なし

Description

本発明は組成物ならびにそれを用いたミクロ相分離構造膜およびその製造方法に関する。より詳しくは、液晶性ブロック共重合体および反応性液晶化合物を含む新規な組成物と、光・電子機能材料(例えば輝度向上膜)、エネルギー関連材料、表面修飾材料、パターンドメディアのような高密度記録材料、種々のナノフィルター(透過膜、限外ろ過膜、ナノリアクター)、異方性イオン伝導膜、異方性導電膜、等として有用な配向の制御された前記組成物を用いて製造されたミクロ相分離構造膜およびその製造方法に関する。
ミクロ相分離構造を作製する方法としてリビング重合により製造したブロック共重合体を用い、得られた相分離構造の固定化をする方法が知られている。
従来、ミクロ相分離構造を作製するには高温・長時間(200℃、5時間程度)必要としていた。これに対し、ブロック共重合体が相分離で形成するナノスケールのヘキサゴナルシリンダー構造の配向を、「両親媒性」と「液晶」を導入することで制御した例が知られている(非特許文献1、特許文献1、2)。具体的には、特許文献1では、親水性ポリマー成分(A)と疎水性ポリマー成分(B)が共有結合によって連結されたブロック共重合体で、A及びBの分子量分布が≦1.3であるブロック共重合体が記載されている。特許文献2では、親水性ポリマー成分と、架橋可能な構造を有する疎水性ポリマー成分とが共有結合してなるブロック共重合体からなる自立性高分子薄膜であって、上記自立性高分子薄膜がその膜中に一定方向に配向した上記親水性ポリマー成分からなるシリンダーを有しており、上記疎水性ポリマー成分が架橋している自立性高分子薄膜が記載されている。これらの文献に記載の方法はミクロ相分離構造を、数分程度で作製することができるようになった点で画期的であった。必要な化合物の合成は、例えば特許文献1では、親水的なマクロ開始剤を合成した後に、液晶性モノマーとの原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization、以下、ATRPと略する)により親水部−疎水部が連結されたブロック共重合体を得ている。また、特許文献2では、疎水部のみをATRPによりリビング重合部分を得たのちに、末端を修飾し、最後に高分子反応により親水部を作製している。
しかし、特許文献1に記載された形成されたミクロ相分離構造膜は、構造を固定化できずシリンダーが屈曲してしまうことおよび欠陥が発生しドメインが形成されてしまうことが課題となっていた。
特許文献2では、疎水性ポリマー成分を架橋させることで、シリンダー構造を固定化したが、依然として、欠陥が発生してしまう課題は解決されていない。
また、非特許文献2では、低分子液晶を添加することで、欠陥の発生を抑制しているが、シリンダー構造を固定化することは達成できていない。
特開2004−124088号公報 特開2010−275349号公報 特開2010−116463号公報
液晶、2009年、第13巻(第4号)、250頁、山田武、吉田博久、彌田智一 Polymer Preprints, Japan vol.59, No.1(2010), 857
これらの文献に記載の方法では、ブロック共重合体を用いてミクロ相分離構造膜を作製しているが、構造の固定化および欠陥の抑制の二つの課題を同時に解決したものはなかった。
例えば、特許文献1に記載のブロック共重合体には、疎水性ポリマー成分に架橋性基が入っていないため、構造の固定化をすることができず、さらに液晶性ブロックコポリマー単独であるため、欠陥が発生しドメインが生じてしまう。また、特許文献2に記載のブロック共重合体には、架橋性基が導入されているため、構造を固定化できるが、液晶性ブロックコポリマー単独であるため、欠陥が発生しドメインが生じてしまう。非特許文献2では、液晶性ブロックコポリマーに低分子液晶を添加することで、欠陥を抑制しドメインサイズの大きなミクロ相分離構造膜を作製しているが、架橋性基がないために構造を固定化できなかった。
本発明の解決しようとする課題は、欠陥が少なくドメインサイズの大きなシリンダー構造を形成および固定化でき、工業的加工性に優れたミクロ相分離構造膜を経済合理的に製造することができる組成物を提供することである。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、疎水性ポリマー成分としてメソゲン側鎖を有する成分と、親水性ポリマー成分を有する液晶性ブロック共重合体と、特定の構造のメソゲン基を有する反応性液晶化合物を併用すると、欠陥が少なくドメインサイズの大きなシリンダー構造を形成および固定化でき、工業的加工性に優れたミクロ相分離構造膜を経済合理的に製造することができる組成物を提供できることを見出した。
上記の課題を解決するための手段である本発明は以下のとおりである。
[1] アルキレンオキサイド鎖を含むポリマー成分(A)および炭素数2〜20のアルキレン鎖を含むポリマー成分(B)が直接または連結基を介して共有結合によって結合し、かつ、前記ポリマー成分(B)が炭素数6〜50のメソゲン側鎖を有する液晶性ブロック共重合体と、
下記一般式(T)または(X)で表される反応性液晶化合物を含むことを特徴とする組成物。
一般式(T) CyT1−(LT1−CyT2−LT2−Q)t
(一般式(T)中、Qは反応性基であり、LT1およびLT2はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、CyT1はt価の環状基であり、CyT2は二価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
一般式(X) Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−Q2
(一般式(X)中、Q1およびQ2のうち少なくとも一方は反応性基であり、反応性基ではないQ1およびQ2は置換基を表し、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1およびL4のうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3はそれぞれ独立に二価の環状基であり、nは0、1、2、または3である。)
[2] [1]に記載の組成物は、前記反応性液晶化合物が、下記一般式(T’)または(Y)で表されることが好ましい。
一般式(T’) CyT1−(LT1−CyT2−LT2−Q)t
(一般式(T’)中、Qは下記群(B)から選択される反応性基であり、LT1およびLT2はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、CyT1は下記環状構造群(C)から選択される環状構造を含むt価の環状基であり、CyT2は二価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
環状構造群(C)
(環状構造群(C)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基などの置換基を有していてもよい。)
一般式(Y)
(一般式(Y)中、Q1およびQ2のうち少なくとも一方は下記群(B)から選択される反応性基であり、反応性基ではないQ1およびQ2は置換基を表し、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1およびL4のうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または下記群(A)から選択される二価の連結基であり、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、nは0、1、2、または3である。)
群(A)
(上記群(A)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
群(B)
[3] [1]または[2]に記載の組成物は、液晶性ブロック共重合体を30〜90質量%含有し、反応性液晶化合物を10〜70質量%含有することが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の組成物は、前記反応性液晶化合物が、下記一般式(U)または(Z)で表されることが好ましい。
一般式(U)
(一般式(U)中、Qは群(B’)から選択される反応性基であり、RT1は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、LT1およびLT2はそれぞれ独立に下記群(A)から選択される二価の連結基またはヘテロ原子を含む二価の連結基であり、CyT1は下記環状構造群(C’)から選択される環状構造を含むt価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
環状構造群(C’)
(環状構造群(C’)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基などの置換基を有していてもよい。)
一般式(Z)
(一般式(Z)中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に下記群(B’)から選択される反応性基であり、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1およびL4のうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または下記群(A’)から選択される二価の連結基であり、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、nは0、1、2、または3である。)
群(A’)
(上記群(A’)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
群(B’)
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の組成物は、前記反応性液晶化合物が、下記一般式(U’)または(Z’)で表されることが好ましい。
一般式(U’)
(一般式(U’)中、RTは水素原子あるいは置換または無置換のアルキル基であり、
T1は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、
T1は下記群(A’’)から選択される二価の連結基であり、
T2Aは下記群(A’’)から選択される二価の連結基またはヘテロ原子を含む二価の連結基であって、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、
CyT1は下記環状構造群(C’’)から選択される環状構造を含むt価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
環状構造群(C’’)
(環状構造群(C’’)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基などの置換基を有していてもよい。)
一般式(Z’)
(一般式(Z’)中、R’およびR’’はそれぞれ独立に水素原子あるいは置換または無置換のアルキル基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に下記群(A’’)から選択される二価の連結基であり、L1AおよびL4Aはそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1AおよびL4Aのうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、R1、R2およびR3は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基である。)
群(A’’)
(上記群(A’’)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の組成物は、前記反応性液晶化合物の分子量が3000未満であることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の組成物は、前記液晶性ブロック共重合体の前記ポリマー成分(B)が、下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(1)
(一般式(1)中、mは1〜500の整数を表し、L12は単結合、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニンレン基、メタロセニレン基、−CO−N(R101)−、−CO−O−、−SO2−N(R102)−、−SO2−O−、−N(R103)−CO−N(R104)−、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、−CO−、−N(R105)−、ヘテリレン基を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜100以下の連結基を表し(R101、R102、R103、R104、R105は、各々独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。ただし、L12は少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含む。)、R4は水素原子またはメチル基を表し、R5はオキセタニル基、エポキシ基、アクリレート基、メタクリレート基、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアルコキシ基を表し、Mは炭素数6〜50のメソゲン基を表す。但し、m個の繰り返し単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
[8] [7]に記載の組成物は、前記液晶性ブロック共重合体の前記ポリマー成分(B)を表す一般式(1)中のMが、下記一般式(2)または一般式(3)で表される2価の連結基を含むことが好ましい。
一般式(2)
一般式(3)
(一般式(2)および(3)中、Ar1およびAr2はそれぞれ独立に置換または無置換のアリーレン基を表す。)
[9] [1]〜[8]のいずれか一項に記載の組成物は、前記液晶性ブロック共重合体の数平均分子量Mnが3000〜100000であることが好ましい。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の組成物は、前記液晶性ブロック共重合体の分子量分布Mw/Mnが1.5以下であることを特徴とすることが好ましい(Mwは液晶性ブロック共重合体の重量平均分子量を表し、Mnは液晶性ブロック共重合体の数平均分子量を表す)。
[11] [1]〜[10]のいずれか一項に記載の組成物は、さらに開始剤を含むことが好ましい。
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の組成物を支持体上で熱、光、溶媒蒸気または電場により相分離を促進させ、ミクロ相分離構造を形成する工程を含むことを特徴とするミクロ相分離構造膜の製造方法。
[13] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の組成物を溶解可能な溶媒に溶解させ、溶液を調製する工程と、
前記組成物溶液を支持体表面に塗布する工程と、
前記溶媒を蒸発させて前記組成物のミクロ相分離構造膜を形成する工程と、
前記ミクロ相分離構造膜を固定化する工程を有することを特徴とするミクロ相分離構造膜の製造方法。
[14] [13]に記載のミクロ相分離構造膜の製造方法は、前記ミクロ相分離構造膜を固定化する工程が、前記ミクロ相分離構造膜に300nm以下の波長をカットしながらUVを照射し、構造を固定化する工程であることが好ましい。
[15] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の組成物またはその架橋重合体を含有すること、あるいは、[12]〜[14]のいずれか一項に記載のミクロ相分離構造膜の製造方法で製造されたことを特徴とするミクロ相分離構造膜。
本発明によれば、欠陥が少なくドメインサイズの大きなシリンダー構造を形成および固定化でき、工業的加工性に優れたミクロ相分離構造膜を経済合理的に製造することができる組成物を提供することができる。
図1は、比較例1のミクロ相分離構造膜AのAFM写真(位相像)である。 図2は、実施例1のミクロ相分離構造膜AのAFM写真(位相像)である。 図3は、比較例2のミクロ相分離構造膜AのAFM写真(位相像)である。 図4は、実施例2のミクロ相分離構造膜AのAFM写真(位相像)である。 図5は、実施例2のミクロ相分離構造膜Bの断面TEM観察写真である。 図6は、比較例21のミクロ相分離構造膜Bの断面TEM観察写真である。 図7は、比較例22のミクロ相分離構造膜Bの断面TEM観察写真である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの両方を含む意味で使われる。
[組成物]
本発明の組成物は、アルキレンオキサイド鎖を含むポリマー成分(A)および炭素数2〜20のアルキレン鎖を含むポリマー成分(B)が直接または連結基を介して共有結合によって結合し、かつ、前記ポリマー成分(B)が炭素数6〜50のメソゲン側鎖を有する液晶性ブロック共重合体と、下記一般式(T)または(X)で表される反応性液晶化合物を含むことを特徴とする。
一般式(T) CyT1−(LT1−CyT2−LT2−Q)t
(一般式(T)中、Qは反応性基であり、LT1およびLT2はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、CyT1はt価の環状基であり、CyT2は二価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
一般式(X) Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−Q2
(一般式(X)中、Q1およびQ2のうち少なくとも一方は反応性基であり、反応性基ではないQ1およびQ2は置換基を表し、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1およびL4のうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3はそれぞれ独立に二価の環状基であり、nは0、1、2、または3である。)
このような構成とした組成物は、欠陥が少なくドメインサイズの大きなシリンダー構造を形成および固定化でき、工業的加工性に優れたミクロ相分離構造膜を経済合理的に製造することができる。いかなる理論に拘泥するものでもないが、前記一般式(X)で表される反応性液晶化合物を添加することによって、得られるシリンダー構造を崩さずに硬くすることができるという作用が得られることに起因して、シリンダー構造を固定化し、工業的加工性に優れたミクロ相分離構造膜が得られたと考えられる。なお、このようなシリンダー構造の硬度は、断面TEM観察にて、シリンダー構造が観察できるかどうかによってミクロ相分離構造膜のシリンダー硬度の強度を相対的に評価することができる。
また、ミクロ相分離構造膜のドメインサイズは、表面AFM画像にて最大のドメインサイズを比較することによって相対的に評価することができる。
前記液晶性ブロック共重合体は、両親媒性・液晶ブロックコポリマーと呼ばれることもある。
なお、ポリマー成分(A)は親水性ポリマーであり、ポリマー成分(B)は疎水性ポリマーである。
以下、本発明の組成物の好ましい態様について、順に説明する。
<反応性液晶化合物>
本発明の組成物は、前記一般式(T)または(X)で表される反応性液晶化合物を含む。本発明の組成物は、前記一般式(T)で表される反応性液晶化合物および前記一般式(X)で表される反応性液晶化合物のうち、少なくとも一方を含み、両方を含んでもよく、一方のみを含んでもよい。
以下において、(i)前記一般式(X)で表される反応性液晶化合物の好ましい態様と、(ii)前記一般式(T)で表される反応性液晶化合物の好ましい態様について、この順に説明する。
(i) 一般式(X)で表される反応性液晶化合物
本発明の組成物が、下記一般式(X)で表される反応性液晶化合物を含む態様について説明する。
一般式(X) Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−Q2
(一般式(X)中、Q1およびQ2のうち少なくとも一方は反応性基であり、反応性基ではないQ1およびQ2は置換基を表し、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1およびL4のうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3はそれぞれ独立に二価の環状基であり、nは0、1、2、または3である。)
前記一般式(X)中、Q1およびQ2のうち少なくとも一方は反応性基であり、反応性基ではないQ1およびQ2は置換基を表す。反応性基は重合性基であることが好ましく、前記重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、反応性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。
前記反応性基は下記群(B)から選択される反応性基であることが好ましい。
群(B)
前記反応性基は、上記群(B)から選択される反応性基の中でも、下記群(B’)から選択される反応性基であることがより好ましい。
群(B’)
これらの反応性基の中でも、オキセタニル基、エポキシ基、アクリレート基、メタクリレート基がより好ましい。
さらに、Q1およびQ2のうち少なくとも一方が
のいずれかであることが特に好ましい。
1およびQ2の一方が反応性基を表すときの他の一方は、反応性基または反応性基ではない置換基を表してもよい。
1およびQ2の一方が反応性基を表すときの他の一方が反応性基ではない置換基を表す場合、該置換基としては特に制限はないが、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基であることが好ましく、より好ましくはアルキル基、もしくは、置換基を有していてもよいアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基であり、より特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、さらにより特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
これらの中でもQ1およびQ2の一方が反応性基を表すときの他の一方は、反応性基を表すことが好ましく、オキセタニル基、エポキシ基、アクリレート基、メタクリレート基がより好ましく、Q1およびQ2の両方が
であることがより特に好ましく、両方がアクリレート基であることがさらにより特に好ましい。
前記一般式(X)中、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1およびL4のうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含む。L1およびL4はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−C=N−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。L1およびL4に含まれる上記Rは炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子である。
組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。ここで、左側がQ(Q1またはQ2)に、右側がCy(Cy1またはCy3)に結合する。
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−O−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−8:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−14:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−22:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−
L−23:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−
二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基を意味する。アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基およびアルケニレン基がさらに好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよいが、直鎖であることが好ましい。アルキレン基の炭素数は2〜20であることが好ましく、3乃至18であることが好ましく、4乃至16であることがさらに好ましく、5乃至15であることが最も好ましい。L1およびL4が表す二価の連結基中に含まれるすべてのアルキレン基の炭素数の合計が上記範囲であることが好ましく、例えばL−1〜L−23中に二価の鎖状基が複数含まれる場合はアルキレン基である二価の鎖状基の合計の炭素数が上記範囲であることが好ましい。例えば、L1およびL4がいずれもアルキレン基を1つずつ、合計2つ有する場合は、各アルキレン基の炭素数の合計が、2〜20であることが好ましく、3乃至18であることが好ましく、4乃至16であることがさらに好ましく、5乃至15であることが最も好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが上げられる。
二価の環状基の定義および例は、後述するCy1、Cy2およびCy3の定義および例と同様である。
1およびL4はそれぞれ独立にL−1、L−2またはL−23であることが好ましく、L−1またはL−2であることがより好ましく、L−1であることが特に好ましい。
また、左側がQ(Q1またはQ2)に、右側がCy(Cy1またはCy3)に結合する場合において、L1およびL4はそれぞれ−CO−O−L1A−および−CO−O−L4A−で表されることが好ましく、L1AおよびL4Aはそれぞれ独立に二価の連結基を表す。ただし、L1AおよびL4Aのうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含む。
前記L1AおよびL4Aの好ましい範囲は、L1およびL4の好ましい範囲からそれぞれ−CO−O−、−CO−O−を除外した範囲である。
前記一般式(X)中、L2またはL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基である。L2またはL3が表す二価の連結基としては、下記群(A)から選択される二価の連結基が好ましい。
群(A)
(上記群(A)中、Rは水素原子または置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
上記群(A)に含まれる上記Rは炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子であることが好ましく、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることがより好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
2およびL3はそれぞれ独立に単結合または下記群(A’)で表される二価の連結基であることが好ましい。
群(A’)
(上記群(A’)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
上記群(A’)に含まれる上記Rの好ましい範囲は、上記群(A)に含まれる上記Rの好ましい範囲と同様である。
2およびL3はそれぞれ独立に下記群(A’’)で表される二価の連結基であることがより好ましい。
群(A’’)
(上記群(A’’)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
上記群(A’’)に含まれる上記Rの好ましい範囲は、上記群(A)に含まれる上記Rの好ましい範囲と同様である。
2およびL3はそれぞれ独立に−COO−または−OCO−であることが特に好ましい。L2は−COO−であることがより特に好ましく、L3は−OCO−であることがより特に好ましい。
前記一般式(X)において、nは0、1、2、または3である。nが2または3の場合、二つのL3は同じであっても異なっていてもよく、二つのCy2も同じであっても異なっていてもよい。nは1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。
前記一般式(X)において、Cy1、Cy2およびCy3は、それぞれ独立に、二価の環状基である。
環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。
環状基に含まれる環は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。
環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1乃至5のアルキル基、炭素原子数が1乃至5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至5のアルコキシ基、炭素原子数が1乃至5のアルキルチオ基、炭素原子数が2乃至6のアシルオキシ基、炭素原子数が2乃至6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2乃至6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2乃至6のアシルアミノ基が含まれる。
本発明の組成物は、前記一般式(X)で表される反応性液晶化合物が、下記一般式(Y)で表されることが好ましい。
一般式(Y)
(一般式(Y)中、Q1およびQ2のうち少なくとも一方は下記群(B)から選択される反応性基であり、反応性基ではないQ1およびQ2は置換基を表し、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1およびL4のうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または下記群(A)から選択される二価の連結基であり、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、nは0、1、2、または3である。)
群(A)
(上記群(A)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
群(B)
前記一般式(Y)におけるR1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、R1、R2およびR3は各R1、R2およびR3が置換しているベンゼン環に4個ずつ含まれる。R1、R2およびR3の好ましい範囲は、前記一般式(X)においてCy1、Cy2およびCy3が表す二価の環状基の有してもよい置換基の好ましい範囲と同様である。前記一般式(Y)におけるR1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子であることがより好ましい。
前記一般式(Y)におけるその他の基の好ましい範囲は、前記一般式(X)の説明における同名の基の好ましい範囲と同様である。
本発明の組成物は、前記一般式(X)で表される反応性液晶化合物が、下記一般式(Z)で表されることが好ましい。
一般式(Z)
(一般式(Z)中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に下記群(B’)から選択される反応性基であり、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1およびL4のうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または下記群(A’)から選択される二価の連結基であり、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、nは0、1、2、または3である。)
群(A’)
(上記群(A’)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
群(B’)
前記一般式(Z)における各基の好ましい範囲は、前記一般式(Y)の説明における同名の基の好ましい範囲と同様である。
本発明の組成物は、前記一般式(X)で表される反応性液晶化合物が、下記一般式(Z’)で表されることが好ましい。
一般式(Z’)
(一般式(Z’)中、R’およびR’’はそれぞれ独立に水素原子あるいは置換または無置換のアルキル基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に下記群(A’’)で表される二価の連結基であり、L1AおよびL4Aはそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1AおよびL4Aのうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、R1、R2およびR3は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基である。)
群(A’’)
(上記群(A’’)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
前記一般式(Z’)中、R’およびR’’はそれぞれ独立に水素原子あるいは置換または無置換のアルキル基であり、水素原子または無置換のアルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
前記一般式(Z’)におけるその他の基の好ましい範囲は、前記一般式(X)の説明または前記一般式(Y)の説明における同名の基の好ましい範囲と同様である。
(ii) 一般式(T)で表される反応性液晶化合物
本発明の組成物が、下記一般式(T)で表される反応性液晶化合物を含む態様について説明する。
一般式(T) CyT1−(LT1−CyT2−LT2−Q)t
(一般式(T)中、Qは反応性基であり、LT1およびLT2はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、CyT1はt価の環状基であり、CyT2は二価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6のとき、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
前記一般式(T)中、Qは反応性基であり、Qの好ましい範囲は、前記一般式(X)におけるQ1またはQ2が表す反応性基の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(T)中、LT1は単結合または二価の連結基であり、LT1の好ましい範囲は、前記一般式(X)におけるL2の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(T)中、LT2は単結合または二価の連結基であり、LT2の好ましい範囲は、前記一般式(X)におけるL4の好ましい範囲と同様である。
T2は左側がCyT2に、右側がQに結合する場合において、−LT2A−O−CO−で表されることが好ましく、LT2Aは前記一般式(X)における群(A’’)から選択される二価の連結基またはヘテロ原子を含む二価の連結基であって、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含む。LT2Aの好ましい範囲は、LT2Aの有する炭素数2〜20のアルキレン基の好ましい範囲を除いて、前記一般式(X)における前記L4Aの好ましい範囲と同様である。LT2Aの有する炭素数2〜20のアルキレン基は、炭素数2〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数3〜5のアルキレン基であることが特に好ましい。LT2Aの有する炭素数2〜20のアルキレン基は、分岐を有していてもよいが、直鎖であることが好ましい。
前記一般式(T)中、CyT1はt価の環状基であり、環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。
環状基に含まれる環は、単環であっても縮合環であってもよい。ただし、単環よりも縮合環であることがより好ましい。
環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、後述の環状構造群(C)から選択される環状構造が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
CyT1は芳香族環であることが好ましく、下記環状構造群(C)から選択される環状構造を含むt価の環状基であることがより好ましい。
環状構造群(C)
(環状構造群(C)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基などの置換基を有していてもよい。)
前記環状構造群(C)中、環状構造を構成するいずれかの環が有していてもよい置換基は、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であることが好ましく、炭素原子数が1から7のアルキル基であることがより好ましく、炭素原子数1から4のアルキル基であることが特に好ましく、メチル基、エチル基であることがより特に好ましい。
前記環状構造群(C)中、環状構造を構成するいずれかの環は、LT1と結合するためのt本の結合手以外、置換基を有さないことが最も好ましい。
CyT1は下記環状構造群(C’)から選択される環状構造を含むt価の環状基であることがより好ましい。
環状構造群(C’)
(環状構造群(C’)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基などの置換基を有していてもよい。)
前記環状構造群(C’)における、環状構造を構成するいずれかの環が有していてもよい置換基の好ましい範囲は、上記環状構造群(C)における環状構造を構成するいずれかの環が有していてもよい置換基の好ましい範囲と同様である。
CyT1は下記環状構造群(C’’)から選択される環状構造を含むt価の環状基であることがより好ましい。
環状構造群(C’’)
(環状構造群(C’’)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基などの置換基を有していてもよい。)
前記環状構造群(C’’)における、環状構造を構成するいずれかの環が有していてもよい置換基の好ましい範囲は、上記環状構造群(C)における環状構造を構成するいずれかの環が有していてもよい置換基の好ましい範囲と同様である。
CyT1はベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナレン環、トリフェニレン環を含むt価の環状基であることが特に好ましく、トリフェニレン環を含むt価の環状基であることがより特に好ましい。
前記一般式(T)において、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。tは2〜6であることが好ましく、3〜6であることがより好ましく、4〜6であることが特に好ましく、6であることがより特に好ましい。
本発明の組成物は、前記一般式(T)で表される反応性液晶化合物が、下記一般式(T’)で表されることが好ましい。
一般式(T’) CyT1−(LT1−CyT2−LT2−Q)t
(一般式(T’)中、Qは下記群(B)から選択される反応性基であり、LT1およびLT2はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、CyT1は下記環状構造群(C)から選択される環状構造を含むt価の環状基であり、CyT2は二価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
環状構造群(C)
(環状構造群(C)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基などの置換基を有していてもよい。)
群(B)
前記一般式(T’)におけるCyT1、LT1、CyT2、LT2、Qおよびtの好ましい範囲は、前記一般式(T)の説明におけるCyT1、LT1、CyT2、LT2、Qおよびtの好ましい範囲と同様である。
本発明の組成物は、前記一般式(T)で表される反応性液晶化合物が、下記一般式(U)で表されることが好ましい。
一般式(U)
(一般式(U)中、Qは群(B’)から選択される反応性基であり、RT1は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、LT1およびLT2はそれぞれ独立に下記群(A)から選択される二価の連結基またはヘテロ原子を含む二価の連結基であり、CyT1は下記環状構造群(C’)から選択される環状構造を含むt価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
環状構造群(C’)
(環状構造群(C’)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基などの置換基を有していてもよい。)
群(A’)
(上記群(A’)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
群(B’)
前記一般式(U)におけるCyT1、LT1、CyT2、LT2、Qおよびtの好ましい範囲は、前記一般式(T)の説明におけるCyT1、LT1、CyT2、LT2、Qおよびtの好ましい範囲と同様である。
本発明の組成物は、前記一般式(T)で表される反応性液晶化合物が、下記一般式(U’)で表されることが好ましい。
一般式(U’)
(一般式(U’)中、RTは水素原子あるいは置換または無置換のアルキル基であり、
T1は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、
T1は下記群(A’’)から選択される二価の連結基であり、
T2Aは下記群(A’’)から選択される二価の連結基またはヘテロ原子を含む二価の連結基であって、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、
CyT1は下記環状構造群(C’’)から選択される環状構造を含むt価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
環状構造群(C’’)
(環状構造群(C’’)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基などの置換基を有していてもよい。)
群(A’’)
(上記群(A’’)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
前記一般式(U’)におけるCyT1、LT1、CyT2、LT2A、Qおよびtの好ましい範囲は、前記一般式(T)の説明におけるCyT1、LT1、CyT2、LT2A、Q、R’’およびtの好ましい範囲と同様である。
前記一般式(U’)におけるRTの好ましい範囲は、前記一般式(Z’)の説明におけるR’’の好ましい範囲と同様である。
以下に、前記一般式(T)または(X)で表される反応性液晶化合物の例を示す。本発明はこれらに限定されるものではない。
(分子量)
前記反応性液晶化合物の分子量は3000未満であることが好ましく、2000未満であることがより好ましく、1000〜300であることが特に好ましい。
<液晶性ブロック共重合体>
本発明の組成物は、アルキレンオキサイド鎖を含むポリマー成分(A)および炭素数2〜20のアルキレン鎖を含むポリマー成分(B)が直接または連結基を介して共有結合によって結合し、かつ、前記ポリマー成分(B)が炭素数6〜50のメソゲン側鎖を有する液晶性ブロック共重合体を含む。
(アルキレンオキサイド鎖を含むポリマー成分(A))
前記液晶性ブロック共重合体は、前記ポリマー成分(A)が、アルキレンオキサイド鎖を含む。アルキレンオキサイド鎖としては、例えばポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)などのポリアルキレンオキシ構造、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(アクリルアミド)、オリゴ(エチレンオキシド)やクラウンエーテルやクリプタンド又は糖鎖を側鎖に有するポリ(メタクリレート)又はポリ(アクリレート)を含むことが好ましく、ポリアルキレンオキシ構造を含むことがより好ましく、ポリ(エチレンオキシド)を含むことが特に好ましい。ポリ(エチレンオキシド)構造の繰り返し単位数をnとすると、nは1〜500であることが好ましく、3〜250であることがより好ましく、5〜200であることが特に好ましい。
また、前記ポリマー成分(B)が、連結基を介して前記ポリマー成分(A)と結合してもよい。
ポリマー成分(A)の重合度は、ミクロ相分離構造のサイズ制御の観点から、数平均分子量が100〜100000であり、1000〜50000であることが好ましく、最も好ましくは2000〜10000である。
前記ポリマー成分(A)は、親水性モノマー成分を重合して形成されてなるものであってもよい。前記親水性モノマー成分としては特に制限はなく、公知の親水性モノマー成分を用いることができる。
前記親水性モノマー成分としては、メタクリル酸及びアクリル酸と、ポリオール化合物の片末端をアルキルエーテル化した化合物が、エステル結合で連結された化合物を挙げることができる。
「ポリオール化合物の片末端をアルキルエーテル化した化合物」とは下記に記載するポリオール化合物を炭素数1〜10のアルキル化合物でエーテル化したものであり、好ましくは炭素数1〜5、より好ましくはメチルエーテル化(炭素数1)したものである。
(i)ポリオール化合物
ポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、分子中に2個以上の水酸基を有する脂肪族炭化水素、分子中に2個以上の水酸基を有する脂環式炭化水素、分子中に2個以上の水酸基を有する不飽和炭化水素等が用いられる。これらのポリオールは単独で用いることも、2種類以上併用することもできる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂環式ポリエーテルポリオール、芳香族ポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ここで、脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加トリオール、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加トリオール、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド付加トリオール、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加テトラオール、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加ヘキサオール等のアルキレンオキサイド付加ポリオール等の多価アルコール、あるいは2種類以上のイオン重合性環状化合物を開環重合させて得られるポリエーテルポリオール等が挙げられる。
なお、イオン重合性環状化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。上記二種類以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、テトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシド、テトラヒドロフランとブテン−1−オキシドとエチレンオキシド等を挙げることができる。
また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルポリオールを使用することもできる。
脂環式ポリエーテルポリオールとしては、例えば水添ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオール、水添ビスフェノールFのアルキレンオキシド付加ジオール、1,4−シクロヘキサンジオールのアルキレンオキシド付加ジオール等が挙げられる。
芳香族ポリエーテルポリオールとしては、例えばビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオール、ビスフェノールFのアルキレンオキシド付加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、ナフトハイドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、アントラハイドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールの市販品としては、例えば脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、PTMG650、PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学(株)製)、PPG1000、EXCENOL1020、EXCENOL2020、EXCENOL3020、EXCENOL4020(以上、旭硝子(株)製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、ユニセーフDC1800、ユニセーフDCB1100、ユニセーフDCB1800(以上、日本油脂(株)製)、PPTG1000、PPTG2000、PPTG4000、PTG400、PTG650、PTG2000、PTG3000、PTGL1000、PTGL2000(以上、保土谷化学工業(株)製)、PPG400、PBG400、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000、PBG2000B(以上、第一工業製薬(株)製)、TMP30、PNT4グリコール、EDA P4、EDA P8(以上、日本乳化剤(株)製)、クオドロール(旭電化(株)製)が挙げられる。芳香族ポリエーテルポリオールとしてはユニオールDA400、DA700、DA1000、DB400(以上、日本油脂(株)製)等を挙げることができる。
また、上記ポリエステルポリオールは、多価アルコールと多塩基酸とを反応させて得られる。ここで、多価アルコールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド付加体、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド付加体、トリメチロールプロパンのエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加体、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、アルキレンオキシド付加ポリオール等が挙げられる。また、多塩基酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸等を挙げることができる。これらのポリエステルポリオールの市販品としては、クラポールP1010、クラポールP2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000(以上、(株)クラレ製)等を使用することができる。
また、上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば下記一般式(i)で示されるポリカーボネートジオールが挙げられる。
一般式(i)中、R1は、炭素数2〜20のアルキレン基、(ポリ)エチレングリコール残基、(ポリ)プロピレングリコール残基または(ポリ)テトラメチレングリコール残基を示し、mは1〜30の範囲の整数である。
一般式(i)中のR1の具体例としては、次の化合物から両末端水酸基を除いた残基、すなわち1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1、7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等から水酸基を除いた残基が挙げられる。これらのポリカーボネートポリオールの市販品としては、DN−980、DN−981、DN−982、DN−983(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、PC−8000(PPG社製)、PNOC1000、PNOC2000、PMC100、PMC2000(以上、(株)クラレ製)、プラクセル CD−205、CD−208、CD−210、CD−220、CD−205PL、CD−208PL、CD−210PL、CD−220PL、CD−205HL、CD−208HL、CD−210HL、CD−220HL、CD−210T、CD−221T(以上、ダイセル化学工業(株)製)等を使用することができる。
上記ポリカプロラクトンポリオールとしては、εーカプロラクトンを例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等のジオールに付加反応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げられる。これらの市販品としては、プラクセル 205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル化学工業(株)製)等を使用することができる。
分子中に2個以上の水酸基を有する脂肪族炭化水素としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1、7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
分子中に2個以上の水酸基を有する脂環式炭化水素としては、例えば1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
分子中に2個以上の水酸基を有する不飽和炭化水素としては、例えばヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端ポリイソプレン等が挙げられる。
さらにまた、上記以外のポリオールとしては、例えばβ−メチル−δ−バレロラクトンジオール、ひまし油変性ジオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ジオール等が挙げられる。
これらのポリオール化合物の好ましい質量平均分子量は1000〜10000、特に好ましくは1000〜9000である。質量平均分子量は、ポリマーの一部をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される値とする。本発明における質量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質とした値である。
最も好ましくは、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルであり、その数平均分子量は100〜10000であり、好ましくは200〜5000であり、最も好ましくは300〜1000である。
(炭素数2〜20のアルキレン鎖を含むポリマー成分(B))
前記液晶性ブロック共重合体は、前記ポリマー成分(B)が炭素数2〜20のアルキレン鎖を含み、炭素数6〜50のメソゲン側鎖を有する。
前記液晶性ブロック共重合体は、前記ポリマー成分(B)としては、例えば、炭素数6〜50のメソゲン側鎖をそれぞれ有するポリ(メタクリレート)、ポリ(アクリレート)、ポリ(スチレン)、ビニルポリマー等が挙げられるが、炭素数6〜50のメソゲン側鎖を有するポリ((メタ)アクリレート)であることが好ましく、後述する重合性棒状液晶化合物由来のポリマー成分を含むことがより好ましい。
なお、前記ポリマー成分(B)として、長鎖アルキル側鎖又は疎水性側鎖をそれぞれ有するポリ(メタクリレート)、ポリ(アクリレート)、ポリ(スチレン)、ビニルポリマー等をさらに含んでいてもよい。長鎖アルキル側鎖とは、炭素数が好ましくは6〜22個のアルキル側鎖を意味する。疎水性側鎖としては、例えば脂肪族側鎖等が挙げられる。
炭素数6〜50のメソゲン側鎖は、炭素数6〜40のメソゲン側鎖であることがより好ましく、炭素数6〜30のメソゲン側鎖であることが特に好ましい。「メソゲン基」は、液晶化合物のコア部を形成し得る基を含み、メソゲン基を有する化合物の例には、液晶性化合物が含まれるとともに、メソゲン基を有するが、液晶形成をしない、即ち非液晶性化合物、も含まれる。メソゲン基についてさらに説明する。本発明において、メソゲン基とは、液晶形成に寄与する液晶分子の主要骨格を示す基である。液晶分子は、結晶状態と等方性液体状態の中間の状態(メソフェーズ)である液晶性を示す。前記メソゲン基については特に制限はなく、例えば、「Flussige Kristalle in Tabellen II」(VEB Deutsche Verlag fur Grundstoff Industrie,Leipzig、1984年刊)、特に第7頁〜第16頁の記載、及び、液晶便覧編集委員会編、液晶便覧(丸善、2000年刊)、特に第3章の記載、を参照することができる。好ましくは、サーモトロピック液晶の残基であり、さらに好ましくは、棒状液晶及びディスコティック液晶の残基である。棒状液晶ではネマティック相及びスメクティックA相を示す液晶の残基がより好ましく、ディスコティック液晶ではディスコティックネマティック相を示す液晶の残基がより好ましい。
ディスコティック液晶の残基の好ましい例には、ベンゼン、トリフェニレン、トルキセン、トリオキサトルキセン、アントラキノン、フタロシアニン又はポリフィリン、マクロサイクレン、ビス(1,3−ジケトン)銅錯体、テトラアリールビピラニリデン、テトラチアフルバレン、及びイノシトールが含まれる。
棒状液晶の残基、即ち、棒状液晶のメソゲン基あるいはコア部と呼ばれる剛直な液晶形成に寄与する液晶分子の主要骨格としては、前記一般式(X)中の−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−で表される基であることが好ましい。
これらの中でも前記メソゲン基としては、前記一般式(X)中の−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−で表される基であることが好ましく、前記−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−で表される基のより好ましい範囲は前記一般式(X)における各基の好ましい範囲と同様である。
本発明の組成物は、前記液晶性ブロック共重合体の前記ポリマー成分(B)が、下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(1)
(一般式(1)中、mは1〜500の整数を表し、L12は単結合、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニンレン基、メタロセニレン基、−CO−N(R101)−、−CO−O−、−SO2−N(R102)−、−SO2−O−、−N(R103)−CO−N(R104)−、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、−CO−、−N(R105)−、ヘテリレン基を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜100以下の連結基を表し(R101、R102、R103、R104、R105は、各々独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。ただし、L12は少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含む。)、R4は水素原子またはメチル基を表し、R5はオキセタニル基、エポキシ基、アクリレート基、メタクリレート基、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアルコキシ基を表し、Mは炭素数6〜50のメソゲン基を表す。但し、m個の繰り返し単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(1)中、mは3〜200であることが好ましく、5〜150であることがより好ましく、10〜100であることが特に好ましい。
一般式(1)中、L12は、単結合、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニンレン基、メタロセニレン基、−CO−N(R101)−、−CO−O−、−SO2−N(R102)−、−SO2−O−、−N(R103)−CO−N(R104)−、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、−CO−、−N(R105)−、ヘテリレン基を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜100以下の連結基を表し(R101、R102、R103、R104、R105は、各々独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。ただし、L12は少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含む。一般式(1)中、L12は好ましくはアルキレン基(炭素数2〜20、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アリーレン基(炭素数6〜26、例えばフェニレン、ナフチレン)、アルケニレン基(炭素数2〜20、例えばエテニレン、プロペニレン)、アルキニンレン基(炭素数2〜20、例えばエチニレン、プロピニレン)、メタロセニレン基(例えばフェロセン)、−CO−N(R101)−、−CO−O−、−SO2−N(R102)−、−SO2−O−、−N(R103)−CO−N(R104)−、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、−CO−、−N(R105)−、ヘテリレン基(炭素数1〜26、例えば6−クロロ−1,3,5−トリアジル−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基)を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜100以下、好ましくは1以上20以下の連結基を表す。
ただし、L12は少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含む。L12が含むアルキレン基の炭素数は3〜18であることが好ましく、4〜16であることがより好ましく、5〜15であることが特に好ましい。
上記、R101、R102、R103、R104、R105は、各々独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。また、L11、L12で表される連結基は、1つ以上複数個存在していてもよく、複数個(好ましくは2つ)が結合して環を形成してもよい。
一般式(1)中、R4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であることが汎用性の観点から好ましく、水素原子であることがより好ましい。
一般式(1)中、Mは炭素数6〜50のメソゲン基であることが好ましく、炭素数6〜40のメソゲン基であることがより好ましく、炭素数6〜30のメソゲン基であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、前記液晶性ブロック共重合体の前記ポリマー成分(B)を表す前記一般式(1)中のMが、下記一般式(2)または一般式(3)で表される2価の連結基を含むことが好ましい。
一般式(2)
一般式(3)
(一般式(2)および(3)中、Ar1およびAr2はそれぞれ独立に置換または無置換のアリーレン基を表す。)
Ar1およびAr2の好ましい範囲は、前記一般式(X)中の前記Cy1、Cy2またはCy3の好ましい範囲と同様である。
Mが表すメソゲン基のより好ましい範囲は、前記一般式(X)中の前記−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−の好ましい範囲と同様である。
一般式(1)中、R5はオキセタニル基、エポキシ基、アクリレート基、メタクリレート基、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアルコキシ基を表し、オキセタニル基、エポキシ基、アクリレート基、メタクリレート基であることが好ましく、アクリレート基、メタクリレート基であることがより好ましく、アクリレート基であることが特に好ましい。
前記ポリマー成分(B)は、疎水性モノマー成分を重合して形成されてなることが好ましい。前記疎水性モノマー成分としては特に制限はなく、公知の疎水性モノマー成分を用いることができる。前記疎水性モノマー成分は液晶性モノマーであることが、揮散性が低い観点や、後述するミクロ相分離構造膜を製造しやすい観点から好ましい。いかなる理論に拘泥するものでもないが、液晶性モノマーを用いる場合、リビング重合後の残存モノマー成分が相分離配向を促進できることができる。
また、液晶場での重合とすることで、リビング重合の反応速度を速くすることもできる。
前記液晶性モノマーの中でも反応性液晶化合物を用いることが好ましい。いかなる理論に拘泥するものでもないが、反応性液晶化合物を用いる場合、リビング重合後の残存モノマー成分を、後述する相分離構造を固定化する工程で架橋または重合させることによって、相分離構造を固定化しやすくすることができる。すなわち、前記液晶性ブロック共重合体は、前記ポリマー成分(B)中、前記メソゲン側鎖が、前記メソゲン側鎖1本の中に少なくとも1個の反応性基を有することが好ましい。前記反応性基の好ましい範囲は、前記一般式(X)中の前記Q1およびQ2が表す反応性基の好ましい範囲と同様である。
前記液晶性モノマーの中でも棒状液晶化合物であることがより好ましい。支持体上でリビング重合する際に、残存するモノマー成分もしくはポリマー(開始剤由来のポリマーなど)がミクロ相分離構造の形成に不利に作用することが予想された。しかし特定の棒状液晶化合物を液晶性モノマーとして使用した場合には、液晶モノマーが残存し、流動性が高まるため欠陥のない綺麗なシリンダー型ミクロ相分離構造を形成することができる。
−棒状液晶化合物−
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
前記棒状液晶化合物の中でも、棒状液晶化合物を重合によって配向を固定することができる重合性棒状液晶化合物であることがより好ましい。
重合性棒状液晶化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、および特願2001−64627号(特開2001−328973号公報)、特開2004−1235979号公報、Transactions of Materials Reseach Society of Japan, 28[3], 553−556(2003)、特開2008−127336号公報、特開2010−116463号公報などに記載の化合物、ならびに、後述の一般式(X)にて表される化合物および後述の一般式(V)で表される化合物などを用いることができる。
また、重合性棒状液晶化合物として好ましくは、前記一般式(X)にて表される化合物および後述の一般式(V)で表される化合物であり、前記一般式(X)で表される化合物がより好ましい。
また、棒状液晶化合物としては、下記一般式(V)で表される化合物も好ましい。
一般式(V)
1−(L1)p−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−(L4)q−M2
一般式(V)中、M1、および、M2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ハロゲン、−SCN、−CF3、ニトロ基、または、Q1を表すが、M1、および、M2の少なくとも一つは、Q1以外の基を表す。
ただし、Q1、L1、L2、L3、L4、Cy1、Cy2、Cy3およびnは前記一般式(X)で表される基と同義である。また、pおよびqは0、または1である。
1、および、M2が、Q1を表さない場合、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基であることが好ましく、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、もしくは、フェニル基であり、pおよびqは0であることが好ましい。
なお、前記一般式(X)で表される反応性液晶化合物と前記一般式(V)で表される化合物を混合して用いてもよい。また、前記一般式(X)で表される反応性液晶化合物と、一般式(V)で表される化合物の混合物中における、前記一般式(V)で表される化合物の好ましい混合比率としては、0.1%〜40%であり、より好ましくは、1%〜30%であり、更に好ましくは、5%〜20%である。
前記一般式(V)で表される化合物の好ましい例は、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記一般式(V)で表される化合物は、前記一般式(X)で表される反応性液晶化合物の例と共通する化合物もある。
また本発明に用いることができる反応性液晶化合物のうち二つ以上のアクリル基及びメタクリル基を有する化合物は、そのうち一つが潜在的に重合性基を内在していても構わない。すなわち以下のような化合物からEP2130817記載の化学反応により反応性基を発現させることができるため、二つ以上のアクリル基及びメタクリル基を有する化合物の一方をリビング重合に用いた後に、潜在的に反応性基を内在している部分を化学反応により処理して反応性基を発生させてもよい。
本発明中の各一般式では上記反応性液晶化合物1及び2をなんら区別なく記載しており、本発明中では同義とみなしている。
前記疎水性ポリマー成分(B)の重合度は、ミクロ相分離構造のサイズ制御の観点から、数平均分子量が300〜300000であり、3000〜150000であることが好ましく、最も好ましくは6000〜30000である。
(連結基および全体構造)
前記液晶性ブロック共重合体は、前記ポリマー成分(A)および前記ポリマー成分(B)が直接結合していても、連結基を介して結合していてもよい。
前記ポリマー成分(A)および前記ポリマー成分(B)の連結部は、2価の連結基を有していてもよい。前記その他の2価の連結基としては、下記に記載する官能基から水素原子を2つ除去してなる2価の連結基を表し、特に限定は無いが、好ましくはアルキレン基(炭素数1〜20、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アリーレン基(炭素数6〜26、例えばフェニレン、ナフチレン)、アルケニレン基(炭素数2〜20、例えばエテニレン、プロペニレン)、アルキニンレン基(炭素数2〜20、例えばエチニレン、プロピニレン)、メタロセニレン基(例えばフェロセン)、−CO−N(R101)−、−CO−O−、−SO2−N(R102)−、−SO2−O−、−N(R103)−CO−N(R104)−、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、−CO−、−N(R105)−、ヘテリレン基(炭素数1〜26、例えば6−クロロ−1,3,5−トリアジル−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基)を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜100以下、好ましくは1以上20以下の連結基を表す。前記その他の2価の連結基としては、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基およびこれらの基の組み合わせが好ましく、オキシカルボニル基、オキシカルボニル基とアルキレン基の組み合わせがより好ましい。前記その他の2価の連結基として用いられるアルキレン基は炭素数1〜30であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、エチレン基(−CH2CH2−)であることが特に好ましい。
(共重合割合)
前記液晶性ブロック共重合体は、前記ポリマー成分(A)および前記疎水性ポリマー成分(B)の共重合割合(数平均分子量比)は、65:35〜1:99であることが好ましく、55:45〜5:95であることがより好ましく、45:55〜10:90であることが特に好ましい。
(分子量)
前記液晶性ブロック共重合体の数平均分子量Mnが3000〜100000であることが好ましく、3000〜50000であることがより好ましく、3000〜30000であることが特に好ましい。
前記液晶性ブロック共重合体は、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.3を超えることが、残存モノマーが相分離構造の欠陥を補修する点、残存マクロRAFT剤が相分離構造のサイズを制御する点からは好ましい。
一方、Mw/Mnが1.5以下であることが、ミクロ相分離構造を安定的に形成させる観点からは好ましく、1.3以下であることがより好ましく、1.25以下であることが特に好ましく、1.2以下であることがより特に好ましい。
本明細書中、ブロック共重合体、ポリマー成分(A)、ポリマー成分(B)などの数平均分子量Mnは、以下の方法で測定した値を採用する。
ポリマーをTHFに溶解させ、東ソー製高速GPC(HLC−8220GPC)を用いて行った。数平均分子量Mnはポリスチレン換算で計算した。
また、本明細書中、ブロック共重合体、ポリマー成分(A)、ポリマー成分(B)などの重量平均分子量Mwは、以下の方法で測定した値を採用する。
ポリマーをTHFに溶解させ、東ソー製高速GPC(HLC−8220GPC)を用いて行った。重量平均分子量Mwはポリスチレン換算で計算した。
(液晶性ブロック共重合体の製造方法)
前記液晶性ブロック共重合体は、溶液中でリビング重合されてなるものでも、支持体上でリビング重合されてなるものでもよい。
前記液晶性ブロック共重合体をリビング重合する方法としては、下記(1)および(2)の工程を、実施することがより好ましい。
(1)前記モノマー含有組成物として、親水性ポリマー成分および疎水性モノマー成分を含むモノマー含有組成物、ならびに、親水性モノマー成分および疎水性ポリマー成分を含むモノマー含有組成物のうち少なくとも一方を調製する工程
(2)前記モノマー含有組成物をリビング重合させて、親水性ポリマー成分と疎水性ポリマー成分とが共有結合にて連結されたブロック共重合体を得る工程
ブロック共重合体の製造方法は、下記(1’)および(2)の工程を、実施することが特に好ましい。
(1’)前記モノマー含有組成物として、親水性ポリマー成分および疎水性モノマー成分を含むモノマー含有組成物を調製する工程
(2)前記モノマー含有組成物をリビング重合させて、親水性ポリマー成分と疎水性ポリマー成分とが共有結合にて連結されたブロック共重合体を得る工程
液晶性ブロック共重合体の製造方法に用いられる支持体としては特に制限はなく、ガラス基板であっても、金属性の支持体であっても、樹脂フィルムであってもよい。
液晶性ブロック共重合体の製造方法では、前記モノマー含有組成物中にリビング重合に供する疎水性モノマー成分または親水性モノマー成分などのモノマー成分を含む。なお、前記モノマー含有組成物は必要に応じて他の成分を含んでもよい。
前記モノマー成分としては、親水性モノマー成分を用いても、疎水性モノマー成分を用いてもよいが、後述するミクロ相分離構造膜を製造しやすい観点から疎水性モノマー成分を用いることが好ましい。
液晶性ブロック共重合体の製造方法において、前記モノマー含有組成物に使用できる溶媒としては、反応を阻害しないものであればいずれでも使用することができる。
具体的には、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンおよびデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびデカヒドロナフタレンのような脂環族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素およびテトラクロルエチレン等の塩素化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノールおよびtert−ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルおよびジメチルフタレート等のエステル系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−アミルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフランおよびアニソールのようなエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン等を挙げることができる。
また、水を溶媒として、懸濁重合、乳化重合することもできる。これらの溶媒は、単独でもまたは2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒の使用によって、反応液が均一相となることが好ましいが、不均一な複数の相となっても構わない。
液晶性ブロック共重合体の製造方法に用いられる開始剤は特に制限はないが、液晶性ブロック共重合体の製造方法は、前記リビング重合が、ATRP、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFTと略すことがある)重合、リビングアニオン重合であることがより好ましい。
−RAFT剤−
RAFT重合で用いられるRAFT剤としては、特に制限はなく、公知のRAFT剤を用いることができる。例えば、Macromolecules、2006、39、4953.に記載のものなどを挙げることができる。
本発明では市販のRAFT剤を用いてもよく、例えば、低分子RAFT剤として4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニル−チオカルボニル)スルファニル]ペンタノイック酸や、2−シアノ−2−プロピルベンゾジチオエート(いずれもアルドリッチ社製)などを挙げることができる。また、マクロRAFT剤として、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(4−シアノ−4−ペンタノエート ドデシル トリチオカーボネートや、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(4−シアノ−4−(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル)ペンタノエート(いずれもアルドリッチ社製)などを挙げることができる。
ATRPの好ましい態様としては、具体的には、例えば、Matyjaszewskiら、Chem. Rev., 101, 2921 (2001)、WO96/30421号公報、WO97/18247号公報、WO98/01480号公報、WO98/40415号公報、WO00/156795号公報、あるいは澤本ら、Chem. Rev., 101, 3689 (2001)、特開平8−41117号公報、特開平9−208616号公報、特開2000−264914号公報、特開2001−316410号公報、特開2002−80523号公報、特開2004−307872号公報などが挙げられる。
−ATRPに用いられる開始剤−
ATRPに用いられる開始剤としては、特に制限はなく、例えば有機ハロゲン化物やハロゲン化スルホニル化合物が挙げられるが、特に炭素−炭素二重結合または炭素−酸素二重結合のα位に存在する炭素−ハロゲン結合、あるいは一つの炭素原子上に複数のハロゲンが付加した構造が開始剤構造として好適である。炭素−炭素二重結合のα位に存在する炭素−ハロゲン結合、あるいは一つの炭素原子上に複数のハロゲンが付加した構造を開始剤構造として利用することができる。
ATRPに用いられる開始剤は、ミクロ相分離構造膜を製造しやすくする観点からは、親水性ユニットを含むマクロ開始剤であることが好ましく、ポリアルキレンオキシ構造を含むマクロ開始剤であることがより好ましい。
前記ポリアルキレンオキシ構造としては特に制限はないが、アルキレンオキシ基が炭素数1〜1000のアルキレンオキシ基であることが好ましく、炭素数10〜400のアルキレンオキシ基であることがより好ましく、エチレンオキシ基であることが特に好ましい。
前記ポリアルキレンオキシ構造中、アルキレンオキシ構造の繰り返し単位数は特に制限はないが、1〜500であることが好ましく、3〜250であることがより好ましく、5〜200であることが特に好ましい。
本発明では市販のATRP用開始剤を用いてもよく、例えば、低分子ATRP用開始剤としてエチル−α−ブロモイソブチレート(アルドリッチ社製)などを挙げることができる。
一方、マクロ開始剤であるATRP用開始剤は、合成により製造してもよい。マクロ開始剤であるATRP用開始剤としては、例えば、以下のものを用いることができるが、本発明は以下の具体例によって制限されるものではない。
(n=171)
前記モノマー組成物中、前記ATRP用開始剤の添加量は、前記モノマー成分に対して、1〜60質量%であることが好ましく、5〜55質量%であることがより好ましく、10〜45質量%であることが特に好ましい。
配位子としては、Macromolecules、2006、39、4953.に記載の配位子を好適に使用することができる。
2,2’−ビピリジン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミンを用いることが特に好ましい。
前記モノマー組成物中、配位子の添加量は、前記モノマー成分に対して、0.1〜40質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましい。
−重合触媒−
液晶性リビング重合体の製造方法は、ATRPの重合触媒としては特に制限はない。
ATRPの重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体である。更に好ましいものとして、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル若しくはその誘導体、1,10−フェナントロリン若しくはその誘導体、又はテトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン若しくはヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等が配位子として添加される。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl2(PPh33)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。更に、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2(PPh32)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PPh32)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr2(PBu32)も、触媒として好適である。
ATRPの重合触媒として用いられる遷移金属の単体としては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素の金属である。更に好ましいものとして、銅、ルテニウム、鉄又はニッケルが挙げられる。なかでも、銅が好ましい。
液晶性ブロック共重合体の製造方法において、リビング重合ができる限りは重合条件や重合方法は特に限定されず、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、塊状・懸濁重合などを適用することができる。
反応温度は重合反応が進行する温度であればいずれでも構わず、所望する重合体の重合度、使用する重合開始剤および溶媒の種類や量によって一様ではないが、通常、−100℃〜250℃である。
前記モノマー含有組成物をリビング重合させる工程でのリビング重合反応は場合によって減圧、常圧または加圧のいずれでも実施できる。
また、上記重合反応は、特に開始剤が低分子開始剤であるときは窒素やアルゴン等の不活性ガスのフロー下で行うことが好ましく、窒素ガスのフロー下で行うことがより好ましい。不活性ガスのフロー条件としては特に制限はないが、例えば、0.001〜50L/minとすることができる。
<液晶性ブロック共重合体と反応性液晶化合物の混合割合>
本発明の組成物は、前記液晶性ブロック共重合体を30〜90質量%含有し、前記反応性液晶化合物を10〜70質量%含有することが好ましい。
本発明の組成物は、前記液晶性ブロック共重合体を40〜80質量%含有し、前記反応性液晶化合物を20〜60質量%含有することがより好ましい。
本発明の組成物は、前記液晶性ブロック共重合体を50〜80質量%含有し、前記反応性液晶化合物を20〜50質量%含有することがより好ましい。
添加する反応性液晶化合物の量が上記の好ましい範囲の下限値以上である場合、欠陥を抑制でき、さらに硬化も進行しやすく、好ましい。
逆に、反応性液晶化合物の量が上記の好ましい範囲の上限値以下である場合、ミクロ相分離の形成の際、シリンダー構造の形成を阻害しにくくなり、好ましい。
<溶媒>
本発明の組成物が含んでいてもよい溶媒としては、前記液晶性ブロック共重合体の製造方法において、前記モノマー含有組成物に使用できる溶媒と同様のものを挙げることができる。
<開始剤>
本発明の組成物は、さらに開始剤を含むことが好ましい。
ラジカル重合開始剤は、熱重合開始剤であるものを用いることが好ましい。
(ラジカル重合開始剤)
ラジカル重合開始剤としては市販のラジカル重合開始剤を用いることが可能である。和光純薬製V−70、V−60(AIBN)、V−40、V−65、V−601、V−59、V−30、V−501などが好ましく、AIBNを用いることが特に好ましい。
本発明の組成物中、ラジカル重合開始剤の添加量は、前記モノマー成分に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.2〜1質量%であることが特に好ましい。
(光重合開始剤)
本発明の組成物を用いてミクロ相分離構造膜を形成する場合は、前記モノマー成分として前記反応性液晶化合物を用いて、さらに光重合開始剤を添加することが好ましい。ミクロ相分離構造膜を形成するときに、前記反応性液晶化合物と光重合開始剤を併用することで、相分離構造を容易に固定することができる。前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、市販の光重合開始剤を用いることができる。
前記光重合開始剤としては、例えば、以下のものを用いることができるが、本発明は以下の具体例によって制限されるものではない。
本発明の組成物中、前記光重合開始剤の添加量は、前記モノマー成分に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.2〜1質量%であることが特に好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の組成物には、その他の添加剤を添加してもよい。その他の添加剤としては、例えば、液晶便覧、液晶便覧編集委員会編、丸善株式会社に記載されているような前記反応性液晶化合物(重合性棒状液晶化合物)に併用することができる添加剤などを挙げることができる。
<用途>
本発明の組成物の用途としては特に制限はないが、本発明の組成物はミクロ相分離構造膜の形成用の組成物であることが好ましい。
本発明の組成物を機能材料として用いるためには、液晶性ブロック共重合体反応混合物を一旦取り出し精製した後に、本発明の組成物を調製し、該組成物を基材(または支持体)に塗布して相分離構造を形成させるのが一般的である。
[ミクロ相分離構造膜の製造方法]
<ミクロ相分離構造を形成する工程>
本発明の第一の態様のミクロ相分離構造膜の製造方法は、(3)本発明の組成物を前記支持体上で外部刺激により、ミクロ相分離構造を形成する工程を含むことを特徴とする。ミクロ相分離構造を形成するための、本発明の組成物への外部刺激の方法としては、熱・光・溶媒蒸気・電場(電圧)により相分離を促進するなどの方法を挙げることができ、加熱により相分離を促進する方法が好ましい。
本発明の第二の態様のミクロ相分離構造膜の製造方法は、(3’−1)前記液晶性ブロック共重合体を溶解可能な溶媒に溶解された本発明の組成物を調製する工程と、(3’−2)本発明の組成物を支持体表面に塗布する工程と、(3’−3)前記溶媒を蒸発させて前記本発明の組成物のミクロ相分離構造膜を形成する工程を有することを特徴とする。
以下、第一の態様のミクロ相分離構造膜の製造方法および第二の態様のミクロ相分離構造膜の製造方法について、順に説明する。
なお、本発明の組成物を前記支持体上に適用する工程の前に、前記支持体への表面修飾やガイドなど(ラビングなど)を行っても、行わなくてもよいが、製造コストおよび工程の短縮化の観点から、行わないことが好ましい。本発明の組成物は、支持体への表面修飾やガイドなしで、後述のミクロ相分離構造を形成することができ、支持体への表面修飾やガイドなしでも欠陥のない綺麗なシリンダー型ミクロ相分離構造を形成することができる。
−第一の態様−
(反応時間)
本発明の第一の態様のミクロ相分離構造膜の製造方法は、前記(3)本発明の組成物を前記支持体上で加熱して、ミクロ相分離構造を形成する工程の時間は、5〜1000秒であることが好ましく、10〜800秒であることがより好ましく、30〜600秒であることが特に好ましい。
(反応温度)
本発明の第一の態様のミクロ相分離構造膜の製造方法は、前記(3)本発明の組成物を前記支持体上で加熱して、ミクロ相分離構造を形成する工程の加熱開始温度が40〜250℃であることが好ましく、より好ましくは50℃〜200℃であり、更に好ましくは60℃〜190℃である。
前記(3)工程における加熱方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができ、例えば前記支持体をホットプレート上に載せて、前記モノマー含有組成物を前記支持体ごと加熱する方法などを挙げることができる。
なお、加熱開始後は、最終的に後述する(4)工程の開始温度(活性放射線の照射温度)まで降温することが好ましい。加熱開始後からUV照射温度までの降温速度は、1〜100℃/分であることが好ましく、5〜80℃/分であることがより好ましく、10〜50℃/分であることが特に好ましい。
−第二の態様−
本発明の第二の態様のミクロ相分離構造膜の製造方法は、(3’−1)前記液晶性ブロック共重合体を溶解可能な溶媒に溶解された本発明の組成物を調製する工程と、(3’−2)本発明の組成物を支持体表面に塗布する工程と、(3’−3)前記溶媒を蒸発させて本発明の組成物のミクロ相分離構造膜を形成する工程を有する。
前記(3’−1)前記液晶性ブロック共重合体を溶解可能な溶媒に溶解された本発明の組成物を調製する工程としては特に制限はなく、支持体上でリビング重合して得られたブロック共重合体を用いて溶媒に溶解させてもよく、溶液中でリビング重合して得られたブロック共重合体を用いて、前記一般式(X)で表される反応性液晶化合物と混合して、本発明の組成物を調製してもよい。前記液晶性ブロック共重合体を溶解可能な溶媒としては特に制限はないが、前記液晶性ブロック共重合体の製造方法において用いられる溶媒の内、前記液晶性ブロック共重合体を溶解可能な溶媒を用いることができる。その中でも、芳香族炭化水素系溶媒が好ましく、キシレンがより好ましい。
溶液中でのリビング重合については、特開2004−124088号公報、特開2010−275349号公報、特開2010−116463号公報、特開2010−116466号公報などに記載の方法を用いることができる。前記液晶性ブロック共重合体を溶液中でのリビング重合により製造する場合は、オイルバスなどを用いて反応温度を例えば40〜300℃とし、溶液中でリビング重合させる時間を例えば5〜20時間とし、不活性ガスのフロー下で行うことが好ましい。
前記(3’−2)本発明の組成物を支持体表面に塗布する工程としては特に制限はなく、前記支持体上で前記モノマー含有組成物をリビング重合させる工程における塗布方法と同様の方法や、特開2004−124088号公報、特開2010−275349号公報、特開2010−116463号公報、特開2010−116466号公報などに記載の方法を用いることができる。
また、溶液中でリビング重合して得られたブロック共重合体反応混合物を溶液中から一旦取り出し精製してから、あらためて前記一般式(X)で表される反応性液晶化合物と混合して、本発明の組成物を塗布液として調製してもよい。
前記(3’−3)前記溶媒を蒸発させて本発明の組成物のミクロ相分離構造膜を形成する工程としては特に制限はなく、特開2004−124088号公報、特開2010−275349号公報、特開2010−116463号公報、特開2010−116466号公報などに記載の方法を用いることができる。
<ミクロ相分離構造を固定化させる工程>
本発明のミクロ相分離構造膜の製造方法は、さらに(4)前記ミクロ相分離構造を有する本発明の組成物を前記支持体上で架橋または重合させてミクロ相分離構造を固定化させる工程を含むことが好ましい。
前記ミクロ相分離構造を有する本発明の組成物を前記支持体上で架橋または重合させてミクロ相分離構造を固定化させる工程の方法としては特に制限はないが、前記ミクロ相分離構造を有する本発明の組成物への活性放射線の照射であることが好ましく、UV照射であることがより好ましい。
本発明のミクロ相分離構造膜の製造方法は、前記ミクロ相分離構造膜を固定化する工程が、前記ミクロ相分離構造膜に300nm以下の波長をカットしながらUVを照射し、構造を固定化する工程であることが、メソゲン基のエステル結合に悪影響を与えないようにしつつ、開始剤を分解させ反応性液晶化合物を重合させて、ミクロ相分離構造(のシリンダー構造)を固定できる観点から好ましい。前記ミクロ相分離構造膜を固定化する工程において、照射するUVのうちカットする波長は340nm以下とすることがより好ましい。
(活性放射線の照射)
本発明のミクロ相分離構造膜の製造方法は、(4)前記ミクロ相分離構造を有する本発明の組成物を前記支持体上で架橋または重合させてミクロ相分離構造を固定化させる工程の活性放射線の照射温度は、40〜200℃であることが好ましく、より好ましくは50℃〜200℃であり、更に好ましくは60℃〜200℃である。
本発明のミクロ相分離構造膜の製造方法は、前記活性放射線の照射が、50〜2000mJ/cm2であることが好ましく、100〜1500mJ/cm2であることが好ましく、200〜1000mJ/cm2であることが特に好ましい。
前記(4)工程における活性放射線の照射装置としては特に制限はなく、公知の装置を用いることができ、例えばHOYA社製 EXECURE3000などを挙げることができる。
なお、活性放射線の照射後は、最終的に室温まで放冷してミクロ相分離構造膜を得ることが好ましい。
<ミクロ相分離構造膜を剥ぎ取る工程>
本発明のミクロ相分離構造膜の製造方法は、前記ミクロ相分離構造膜を、前記支持体から剥ぎ取る工程を含むことが好ましい。
前記ミクロ相分離構造膜を、前記支持体から剥ぎ取る方法としては特に制限はない。
[ミクロ相分離構造膜]
本発明のミクロ相分離構造膜は、本発明の組成物またはその架橋重合体を含有すること、あるいは、本発明のミクロ相分離構造膜の製造方法で製造されたことを特徴とする。ここで、本明細書中、原子間力顕微鏡(AFMとも言う)で観察した場合に、ラメラ構造やシリンダー構造が確認できたときは「ミクロ相分離構造」を有していることとみなす。このような本発明のミクロ相分離構造膜は、保存安定性が良好である。
本発明のミクロ相分離構造膜の製造方法で得られるミクロ相分離構造膜は、基板上に形成されるが、基板から剥離して用いてもよい。
前記ミクロ相分離構造膜の厚みが、1〜2000nmであることが好ましい。用途によって前記ミクロ相分離構造膜のより好ましい厚みは異なるが、例えば1〜500nmであることがより好ましい。
前記ミクロ相分離構造膜は、シリンダー型ミクロ相分離構造膜であることが好ましい。シリンダー型ミクロ相分離構造膜とは、前記親水性ポリマー成分が固定されたシリンダーが、面内に多数並んでいる膜のことを言い、各シリンダーは等間隔で整列していることが好ましい。各シリンダーの高さは、1〜2000nmであることが好ましく、1〜500nmであることがより好ましい。各シリンダーの直径は、1〜1000nmであることが好ましく、1〜200nmであることがより好ましい。
(用途)
本発明のミクロ相分離構造膜の製造方法で得られるミクロ相分離構造膜は、光・電子機能材料(例えば輝度向上膜)、エネルギー関連材料、表面修飾材料、パターンドメディアのような高密度記録材料、種々のナノフィルター(透過膜、限外ろ過膜、ナノリアクター)、異方性イオン伝導膜、異方性導電膜、等として有用な配向の制御されたブロック共重合体からなるミクロ相分離構造膜である。
このようなミクロ相分離構造膜は、シリンダー構造部分を除去することにより、多孔質構造体として用いることもできる。ミクロ相分離構造膜から得られる多孔質構造体は、燃料電池用高分子電解質、イオン交換樹脂、マイクロリアクター用薄膜、蛋白質の分離膜、有機ゼオライトや種々のピラー用高配向用テンプレートなどの異方性イオン伝導材料として利用できる。
このようなミクロ相分離構造膜は、シリンダー構造部分を除去して、別の物質を導入することもできる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
まず、各実施例および比較例で使用した材料およびその調製方法を以下に示す。
ここで本明細書中、Mwとは重量平均分子量を、Mnとは数平均分子量を表す。
<親水性マクロ開始剤I−1の合成方法>
(親水性マクロ開始剤I−1)
市販のポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(Mn5000、アルドリッチ社製)30g、N,N’−ジメチルアミノピリジン0.81gを塩化メチレン180mlに溶解させ、2−ブロモイソラクサンブロミド(東京化成社製)1.52gを塩化メチレン20mlに溶解させた後に室温で滴下し、40℃で加熱環流して48時間攪拌した。
1規定の塩酸水溶液、0.5規定の炭酸水素ナトリウム水溶液、1規定の塩酸水溶液の順番に分液操作を施し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ジエチルエーテルで再結晶した。
目的とするATRP親水性マクロ開始剤I−1を22g(分子量Mw8000、Mn7700、Mw/Mn=1.04:GPCポリスチレン換算)を得た。
親水性マクロ開始剤I−1(ATRP用)
(GPCからn=171と計算できる)
<液晶性モノマーM−1〜M−3の合成方法>
(モノマー合成例)
以下に記載の合成法に従い、液晶性モノマーM−1〜M−3を合成した。
代表例として、液晶性モノマーM−1の合成スキームを以下に示した。液晶性モノマーM−2およびM−3も類似の方法で、合成することができる。
11−ブロモウンデカノール(58mmol, 15g)のジメチルアセトアミド(以下、DMAc)溶液(20ml)に、4−ヒドロキシ安息香酸エチル(58mmol, 10g)と炭酸カリウム(126mmol, 17.4g)を加え、100℃で2.5時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、水(100ml)を加え、固体を吸引濾過した。水でかけ洗いし、粗体c−1を得た。
粗体c−1に、水酸化カリウム(200mmol, 11g)の水溶液(100ml)を加え、110℃で3.5時間撹拌した。その後、室温まで冷却後、pH=1になるまで塩酸を加え、固体を吸引濾過し、水で洗浄した。アセトニトリル(以下、AR (150ml))を加え、100℃で加熱しながら15分間撹拌した後、室温まで冷却した。固体を吸引濾過し、白色固体c−2を15g(2ステップ収率82%)得た。
c−2(48mmol, 15g)のDMAc溶液(100ml)に、メタクリル酸クロリド(71.6mmol, 7.5g)を滴下し、室温で、5時間撹拌した。その後、0℃下、水(200ml)を加え、固体を吸引濾過し、AR(100ml)を加え、撹拌・洗浄した後、吸引濾過し、白色の固体c−3を11g(収率64%)得た。
0℃下、c−3(30mmol, 11g)のアセトン溶液(100ml)に、ニトロベンゼンを数滴加えた後、メタンスルホン酸クロリド(33mmol, 3.8g)とジイソプロピルエチルアミン(以下、DIPEA(35mmol, 4.5g))を滴下し、1時間撹拌した。その後、4−ブチルフェノール(33mmol, 5g)を滴下し、ジブチルヒドロキシトルエン(以下、BHT(1さじ))とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(以下、DMAP(1さじ))を加え、DIPEA(35mmol, 4.5g))を滴下し、室温で4時間撹拌した。水(50ml)を加え、0℃で冷却しながら30分撹拌し、固体を吸引濾過した。ヘキサン/酢酸エチル=20/1でカラムクロマトグラフィーにより精製し、減圧濃縮後、メタノールを加え、固体を吸引濾過することで、M−1を9g(収率59%)得た。
<液晶性モノマーM−4の合成方法>
Macromolecules, 44 (2011) 7645に記載の合成方法により液晶性モノマーM−4を合成した。液晶性モノマーM−4の合成手順の詳細を以下に示した。
液晶性モノマーM−4
11−ブロモウンデカノール(80mmol, 20g)のDMAc溶液(50ml)に、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(80mmol, 10g)と炭酸カリウム(172mmol, 23.8g)を加え、90℃で3.5時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、水(250ml)を加え、固体を吸引濾過した。THF(500ml)に溶解させた後、硫酸マグネシウムで乾燥・濾過し、濾液を減圧濃縮した。ヘキサン(300ml)を加え、析出した固体を減圧濾過で回収し、白色固体b−1を21g(収率88%)得た。
4−ブチルベンズアルデヒド(62mmol, 10g)のTHF溶液(100ml)に、水素化ホウ素ナトリウム(74mmol, 2.8g)を6回に分けて加え、室温で3時間撹拌した後、塩化アンモニウム水溶液を加えた。酢酸エチル(100ml)で希釈し、水(100ml)で分液した後、硫酸マグネシウムで乾燥・濾過し、濾液を減圧濃縮することで、無色の液体b−2を12g(収率>99%)得た。
−40℃下、b−2(62mmol, 12g)の塩化メチレン溶液(50ml)に、三臭化リン(1M塩化メチレン溶液, 62mmol, 62ml)を滴下した。0℃にて、30分撹拌後、炭酸水素ナトリウム(0.5N)・ブラインで分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥・濾過し、濾液を減圧濃縮した。ヘキサンカラムで精製し、無色の液体b−3を11g(収率83%)得た。
b−3(50mmol, 11g)のトルエン溶液(50ml)に、トリフェニルホスフィン(60mmol, 16g)を加え、120℃で2.5時間撹拌した。固体を吸引濾過し、トルエンで洗浄し、白色固体b−4を22g(収率90%)得た。
0℃下、b−1(44mmol, 13g)とb−4(44mmol, 22g)のTHF溶液(200ml)に、t−ブトキシカリウム(90mmol, 10g)を加え、室温で、3.5時間撹拌した。その後、0℃下で、メタノール(50ml)を添加し、酢酸エチルで希釈した。ブラインで分液した後、硫酸マグネシウムで乾燥・濾過し、濾液を減圧濃縮した。粗生成物をヘキサン/酢酸エチル=3/1でカラムクロマトグラフィーにより精製することで、cis/trans混合物のb−5を得た。室温で、ヘキサンを加え、固体を吸引濾過することで、白色の固体trans−b−5を0.5g(収率3%)得た。
trans−b−5(1.1mmol, 0.5g)のDMAc溶液(20ml)に、メタクリル酸クロリド(2mmol, 0.2ml)を滴下し、室温で、23時間撹拌した。その後、0℃下、水(50ml)を加え、固体を吸引濾過し、メタノールで洗浄することで、白色の固体M−4を0.6g(収率86%)得た。
<液晶性モノマーM−5の合成方法>
特開2008−127336号公報に記載の合成法により液晶性モノマーM−5を合成した。
液晶性モノマーM−5
<液晶性モノマーM−6の合成方法>
特開2008−127336号公報の実施例4に記載の合成法において、用いるカルボン酸化合物10の置換基の鎖長を変更した以外は同様の合成法により液晶性モノマーM−6を合成した。
液晶性モノマーM−6
<液晶性モノマーM−7の合成方法>
特開2010−116463号公報に記載の合成法に基づいて、液晶性モノマーM−7を合成した。
液晶性モノマーM−7
<液晶性モノマーM−8の合成方法>
以下に記載の合成法に従い、液晶性モノマーM−8を合成した。
液晶性モノマーM−8
メタンスルホニルクロリド(33.0mmol,2.6mL)のTHF溶液(17mL)にヒドロキノンモノメチルエーテル(37mg)を加え、内温を−5℃まで冷却した。そこに、a−1(31.5mmol,8.33g)とDIPEA(33.0mmol,5.75mL)のTHF溶液(16mL)を内温が0℃以上に上昇しないように滴下した。−5℃で30分撹拌した後、DIPEA(33.0mmol,5.75mL)、b−1のTHF溶液(20mL)、DMAP(スパチュラ一杯)を加えた。その後、室温で4時間撹拌した。メタノール(5mL)を加えて反応を停止した後に、水と酢酸エチルを加えた。酢酸エチルで抽出した有機層を、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去しc−1の粗生成物を得た。
アルデヒドc−1のアセトニトリル溶液(67mL)に対し、亜塩素酸ナトリウム(42.0mmol,3.80g)の水溶液(32mL)、リン酸二水素ナトリウム二水和物(6.0mmol,0.94g)の水溶液(8.2mL)、過酸化水素水(4.0mL)を加え、室温で12時間撹拌した。1N 塩酸水溶液を100mL加えた後に、ろ過した。残渣をメタノールで少量のARで洗浄することにより、カルボン酸d−1を定量的に得た。
メタンスルホニルクロリド(6.0mmol,0.46mL)のTHF溶液(3mL)にヒドロキノンモノメチルエーテル(7mg)を加え、内温を−5℃まで冷却した。そこに、カルボン酸d−1(5.5 mmol,2.1g)とDIPEA(6.0mmol,1.1mL)のTHF溶液(6mL)を内温が0℃以上に上昇しないように滴下した。−5℃で30分撹拌した後、DIPEA(6.0mmol,1.1mL)、4−エチルフェノールであるe−1(5.0mmol,0.82g)のTHF溶液(4mL)、DMAP(スパチュラ一杯)を加えた。その後、室温で2時間撹拌した。メタノール(5mL)を加えて反応を停止した後に、水と酢酸エチルを加えた。酢酸エチルで抽出した有機層を、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去しモノマーM−8の粗生成物を得た。酢酸エチルとメタノールで再結晶を行い、モノマーM−8を78%の収率で得た。
1H−NMR(溶媒:CDCl3)δ(ppm):1.2(t,3H)、1.8−2.0(m,4H), 2.6(d,2H), 4.1−4.3(m,4H), 5.8(d,1H), 6.1(dd,1H), 6.4(d,1H), 6.9−7.0(m,2H), 7.1−7.2(m,2H), 7.2−7.3(m,2H), 7.3−7.4(m,2H), 8.1−8.2(m,2H), 8.2−8.3(m,2H)
<液晶性モノマーM−9の合成方法>
Transactions of Materials Reseach Society of Japan, 28[3], 553−556(2003)に記載の合成方法により液晶性モノマーM−9を合成した。
液晶性モノマーM−9
<液晶性ブロック共重合体A−1の合成方法>
親水性マクロ開始剤I−1(0.1032g)、液晶性モノマーM−1(1.0174g)、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)(0.0208g)、臭化銅(I)(0.0172g)をアニソール5mlに溶解させた。窒素フローを開始し、オイルバス80℃・7時間加熱攪拌した。その後、室温まで放冷し、アルミナ処理した後にTHF200mlにて洗浄し、濾過・濃縮した。さらに得られたポリマーをヘキサン250mlに懸濁・濾過して、液晶性ブロック共重合体A−1を0.3g得た。GPCの分析結果からMw46500、Mn34200、Mw/Mn=1.36であった。
<液晶性ブロック共重合体A−1’の合成方法>
親水性マクロ開始剤I−1(0.1032g)、モノマーM−1(0.7630g)、PMDETA(0.0208g)、臭化銅(I)(0.0172g)をアニソール5mlに溶解させた。窒素フローを開始し、オイルバス80℃・3時間加熱攪拌した。その後、室温まで放冷し、アルミナ処理した後にTHF200mlにて洗浄し、濾過・濃縮した。さらに得られたポリマーをヘキサン250mlに懸濁・濾過して、液晶性ブロック共重合体A−1’を0.2g得た。GPCの分析結果からMw32500、Mn26000、Mw/Mn=1.25であった。
<液晶性ブロック共重合体A−2の合成方法>
親水性マクロ開始剤I−1(0.1032g)、モノマーM−2(0.5648g)、PMDETA(0.0208g)、臭化銅(I)(0.0172g)をアニソール5mlに溶解させた。窒素フローを開始し、オイルバス80℃・7時間加熱攪拌した。その後、室温まで放冷し、アルミナ処理した後にTHF200mlにて洗浄し、濾過・濃縮した。さらに得られたポリマーをヘキサン250mlに懸濁・濾過して、液晶性ブロック共重合体A−2を0.05g得た。GPCの分析結果からMw24600、Mn19500、Mw/Mn=1.26であった。
<液晶性ブロック共重合体A−3の合成方法>
親水性マクロ開始剤I−1(0.1032g)、モノマーM−3(0.6209g)、PMDETA(0.0208g)、臭化銅(I)(0.0172g)をアニソール5mlに溶解させた。窒素フローを開始し、オイルバス80℃・7時間加熱攪拌した。その後、室温まで放冷し、アルミナ処理した後にTHF200mlにて洗浄し、濾過・濃縮した。さらに得られたポリマーをヘキサン250mlに懸濁・濾過して、液晶性ブロック共重合体A−3を0.06g得た。GPCの分析結果からMw23400、Mn19000、Mw/Mn=1.23であった。
<液晶性ブロック共重合体A−4の合成方法>
親水性マクロ開始剤I−1(0.1032g)、モノマーM−4(0.4907g)、PMDETA(0.0208g)、臭化銅(I)(0.0172g)をアニソール5mlに溶解させた。窒素フローを開始し、オイルバス80℃・3時間加熱攪拌した。その後、室温まで放冷し、アルミナ処理した後にTHF200mlにて洗浄し、濾過・濃縮した。さらに得られたポリマーをヘキサン250mlに懸濁・濾過して、液晶性ブロック共重合体A−4を0.1g得た。GPCの分析結果からMw、Mn、Mw/Mn=1.22であった。
<液晶性ブロック共重合体A−5の合成方法>
親水性マクロ開始剤I−1(0.1032g)、モノマーM−5(0.6767g)、PMDETA(0.0208g)、臭化銅(I)(0.0172g)をキシレン5mlに溶解させた。窒素フローを開始し、オイルバス80℃・12時間加熱攪拌した。その後、室温まで放冷し、アルミナ処理した後にTHF200mlにて洗浄し、濾過・濃縮した。さらに得られたポリマーをヘキサン250mlに懸濁・濾過して、液晶性ブロック共重合体A−5を0.3g得た。GPCの分析結果からMw17900、Mn14400、Mw/Mn=1.24であった。
<液晶性ブロック共重合体A−6の合成方法>
親水性マクロ開始剤A−3(0.103g)、液晶性モノマーB−3(0.658g)、PMDETA(0.0208g)、臭化銅(I)(0.017g)をアニソール5mlに溶解させた。窒素フローを開始し、オイルバス80℃・12時間加熱攪拌した。その後、室温まで放冷し、ヘキサン200mlに反応溶液を添加して、濾過した。さらに得られたポリマーをヘキサン/酢酸エチル=20ml/30mlに懸濁して、1時間後に濾過した。ブロック共重合体A−6を0.45g得た。GPCの分析結果からMw26800、Mn20500、Mw/Mn=1.31であった。
<液晶性ブロック共重合体A−7の合成方法>
親水性マクロ開始剤I−1(0.1032g)、モノマーM−7(0.7729g)、PMDETA(0.0208g)、臭化銅(I)(0.0172g)をアニソール5mlに溶解させた。窒素フローを開始し、オイルバス80℃・3時間加熱攪拌した。その後、室温まで放冷し、アルミナ処理した後にTHF200mlにて洗浄し、濾過・濃縮した。さらに得られたポリマーをヘキサン250mlに懸濁・濾過して、液晶性ブロック共重合体A−7を0.04g得た。GPCの分析結果からMw24700、Mn22300、Mw/Mn=1.11であった。
<液晶性ブロック共重合体A−8の合成方法>
親水性マクロ開始剤I−1(0.1032g)、モノマーM−8(0.4885g)、PMDETA(0.0208g)、臭化銅(I)(0.0172g)をキシレン5mlに溶解させた。窒素フローを開始し、オイルバス80℃・3時間加熱攪拌した。その後、室温まで放冷し、アルミナ処理した後にTHF200mlにて洗浄し、濾過・濃縮した。さらに得られたポリマーをヘキサン250mlに懸濁・濾過して、液晶性ブロック共重合体A−8を0.05g得た。GPCの分析結果からMw18700、Mn15500、Mw/Mn=1.21であった。
<液晶性ブロック共重合体A−9の合成方法>
親水性マクロ開始剤I−1(0.1032g)、モノマーM−9(0.492g)、PMDETA(0.0208g)、臭化銅(I)(0.0172g)をアニソール5mlに溶解させた。窒素フローを開始し、オイルバス80℃・7時間加熱攪拌した。その後、室温まで放冷し、アルミナ処理した後にTHF200mlにて洗浄し、濾過・濃縮した。さらに得られたポリマーをヘキサン250mlに懸濁・濾過して、液晶性ブロック共重合体A−9を0.07g得た。GPCの分析結果からMw22500、Mn19900、Mw/Mn=1.13であった。
<反応性液晶化合物の調製>
特開2010−84032号公報、特開2009−286976号公報、特開2009−186785号公報、特開2009−184974号公報および特開2009−86260号公報に記載の反応性液晶化合物B−1と、特表2001−521538のp85に記載の反応性液晶化合物B−1をこれらの公報にしたがって調製した。
また、以下の反応性液晶化合物B−3〜B−7として、上記にて合成した液晶性モノマーM−9、M−8、M−5〜M−7をそれぞれ用いた。
反応性液晶化合物B−8は、特開平7−306317号公報に記載の方法で合成した。
また、比較例で用いる低分子液晶化合物として、下記構造の低分子液晶化合物C−1をSIGMA−ALDRICHから購入することによって入手した。
低分子液晶化合物C−1
[実施例1、比較例1]
<組成物(塗布溶液)の調製>
液晶性ブロック共重合体A−1(37.5mg)、反応性液晶化合物B−1(12.5mg)、下記構造の開始剤D−1(1mg)を秤量し、トルエン950μLに溶解させた後に、フィルター(マイレクストFH 0.45μm、φ13mm、シリンジ2ml)濾過して塗布溶液Y−1を調液した。得られた塗布溶液Y−1を、実施例1の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−1を添加しない以外は実施例1と同様にして調製した塗布溶液を、比較例1の組成物とした。
<ガラス基板上でのミクロ相分離構造膜の製造・欠陥抑制評価・AFM観察>
(スピンコート)
ガラス基板上(2X2.5cm角)に上記にてそれぞれ調製した実施例1および比較例1の組成物(塗布溶液)をエッペンドルフを用いて35μl塗布して、スピンコーター(MIKASA社製 SPINCOATER1H−D7)を用いて1500回転/分、30秒間回転させてスピンコートした。
上記ガラス基板を、下記条件にてホットプレート(PMC社製 DATAPLATE)上で、140℃で1分間保持した後、140℃からUV照射温度80℃まで−10℃/分で降温させて、UV照射温度で1分間保持した後、UV照射装置(HOYA社製 EXECURE3000)にて350mJ/cm2のUVを340nm以下の波長をカットしながら照射し、構造を固定化した。得られた塗布膜を、実施例1および比較例1のミクロ相分離構造膜Aとした。
(欠陥抑制評価)
以下の方法および評価基準にしたがって、実施例1および比較例1のミクロ相分離構造膜AのAFM観察での欠陥抑制の評価を行った。そのうち、実施例1のミクロ相分離構造膜Aの評価結果のみを、下記表1にまとめた。
上記アニール処理後のガラス基板表面を、AFMにて位相像を観察した。
欠陥抑制では、AFMにて500nm×500nmの位相像を観察した。反応性液晶化合物の添加前後で、最大のグレインサイズが視野面積の30%以上変化した場合はA、10%以上変化した場合はB、5%以上変化した場合はC、5%未満はDとした。
(AFM観察)
上記アニール処理後のガラス基板表面を、AFMにて相分離構造の位相像を観察した。
比較例1のミクロ相分離構造膜A(液晶性ブロック共重合体A−1のみ(反応性液晶化合物添加前)の比較例1の組成物を使用)のAFM(位相)像を図1に示した。
実施例1のミクロ相分離構造膜A(液晶性ブロック共重合体A−1+反応性液晶化合物B−1添加後(25wt%)の実施例1の組成物を使用)のAFM(位相)像を図2に示した。
<ガラス基板上でのミクロ相分離構造膜の製造・固定化評価>
(Rth測定・膜厚測定)
欠陥抑制評価に用いた実施例1および比較例1のミクロ相分離構造膜Aについて、シリンダー構造固定化の確認方法として、ミューラーマトリックスでのRth測定を実施した。硬化させたサンプルを、ミューラーマトリックスポラリメーター(アクソメトリックス社製)にて波長550nmでUV照射前後でのRthを測定した。さらに、干渉膜厚計(BW−A501−LV150/GS、株式会社ニコン社製)にて、サンプルの膜厚を算出した。その後、膜厚100nmあたりのRthの値を算出した。
固定化では、UV照射前後でRthの変化が5%以内の場合はA、10%以内の場合はB、15%以内の場合はC、15%以上の場合はDとした。
そのうち、実施例1のミクロ相分離構造膜Aの評価結果のみを、下記表1にまとめた。
<PET基板上でのミクロ相分離構造膜の製造・断面TEM観察>
実施例1および比較例1の組成物をそれぞれガラス基板上にスピンコートする代わりに、PET基板(コスモシャインA4100、東洋紡社製)にスピンコートした以外はガラス基板上でのブロック共重合体の製造と同様にして、PET基板上にミクロ相分離構造膜を形成した。PET基板上に作製したサンプルを、実施例1および比較例1のミクロ相分離構造膜Bとした。ミクロトーム切削した断面をオスミウムで染色した後、TEM観察にて断面構造を観察した。
断面TEM観察にてシリンダー構造が確認できたものはA、確認できないものはDとした。
そのうち、実施例1のミクロ相分離構造膜Bの評価結果のみを、下記表1にまとめた。
[実施例2、比較例2]
液晶性ブロック共重合体A−1’(22.5mg)、反応性液晶化合物B−1(7.5mg)、開始剤D−1(1.2mg)を秤量し、トルエン970μLに溶解させた後に、フィルター(マイレクストFH 0.45μm、φ13mm、シリンジ2ml)濾過して塗布溶液Y−2を調液した。得られた塗布溶液Y−2を、実施例2の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−1を添加しない以外は実施例2と同様にして調製した塗布溶液を、比較例2の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例2および比較例2の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例2および比較例2のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
比較例2のミクロ相分離構造膜A(液晶性ブロック共重合体A−1’のみ(反応性液晶化合物添加前)の比較例2の組成物を使用)のAFM(位相)像を図3に示した。
実施例2のミクロ相分離構造膜A(液晶性ブロック共重合体A−1’+反応性液晶化合物B−1(25wt%)添加、UV(340nm以下カット)照射後の実施例2の組成物を使用)のAFM(位相)像を図4に示した。
さらに実施例2のミクロ相分離構造膜B(液晶性ブロック共重合体A−1’+反応性液晶化合物B−1(25wt%)添加、UV(340nm以下カット)照射後の実施例2の組成物を使用)断面TEM観察を行った結果を図5に示した。
[実施例3、比較例3]
液晶性ブロック共重合体A−1’(18mg)、反応性液晶化合物B−1(12mg)、開始剤D−1(1.2mg)を秤量し、トルエン970μLに溶解させた後に、フィルター(マイレクストFH 0.45μm、φ13mm、シリンジ2ml)濾過して塗布溶液Y−3を調液した。得られた塗布溶液Y−3を、実施例3の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−1を添加しない以外は実施例3と同様にして調製した塗布溶液を、比較例3の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例3および比較例3の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例3および比較例3のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例4、比較例4]
液晶性ブロック共重合体A−1’(15mg)、反応性液晶化合物B−1(15mg)、開始剤D−1(1.2mg)を秤量し、トルエン970μLに溶解させた後に、フィルター(マイレクストFH 0.45μm、φ13mm、シリンジ2ml)濾過して塗布溶液Y−4を調液した。得られた塗布溶液Y−4を、実施例4の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−1を添加しない以外は実施例4と同様にして調製した塗布溶液を、比較例4の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例4および比較例4の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例4および比較例4のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例5、比較例5]
実施例2のB−1をB−2に置き換えた以外は実施例2と同様にして、塗布溶液Y−5を調液した。得られた塗布溶液Y−5を、実施例5の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−2を添加しない以外は実施例5と同様にして調製した塗布溶液を、比較例5の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例5および比較例5の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例5および比較例5のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例6、比較例6]
実施例2のB−1をB−3に置き換えた以外は実施例2と同様にして、塗布溶液Y−6を調液した。得られた塗布溶液Y−6を、実施例6の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−3を添加しない以外は実施例6と同様にして調製した塗布溶液を、比較例6の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例6および比較例6の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例6および比較例6のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例7、比較例7]
実施例2のB−1をB−4に置き換えた以外は実施例2と同様にして、塗布溶液Y−7を調液した。得られた塗布溶液Y−7を、実施例7の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−4を添加しない以外は実施例7と同様にして調製した塗布溶液を、比較例7の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例7および比較例7の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例7および比較例7のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例8、比較例8]
実施例2のB−1をB−5に置き換えた以外は実施例2と同様にして、塗布溶液Y−8を調液した。得られた塗布溶液Y−8を、実施例8の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−5を添加しない以外は実施例8と同様にして調製した塗布溶液を、比較例8の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例8および比較例8の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例8および比較例8のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例9、比較例9]
実施例2のB−1をB−6に置き換えた以外は実施例2と同様にして、塗布溶液Y−9を調液した。得られた塗布溶液Y−9を、実施例9の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−6を添加しない以外は実施例9と同様にして調製した塗布溶液を、比較例9の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例9および比較例9の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例9および比較例9のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例10、比較例10]
実施例2のB−1をB−7に置き換えた以外は実施例2と同様にして、塗布溶液Y−10を調液した。得られた塗布溶液Y−10を、実施例10の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−7を添加しない以外は実施例10と同様にして調製した塗布溶液を、比較例10の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例10および比較例10の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例10および比較例10のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例11、比較例11]
実施例2のA−1’をA−2に置き換えた以外は実施例2と同様にして、塗布溶液Y−11を調液した。得られた塗布溶液Y−11を、実施例11の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−1を添加しない以外は実施例11と同様にして調製した塗布溶液を、比較例11の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例11および比較例11の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例11および比較例11のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例12、比較例12]
実施例2のA−1’をA−5に置き換えた以外は実施例2と同様にして、塗布溶液Y−12を調液した。得られた塗布溶液Y−12を、実施例12の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−1を添加しない以外は実施例12と同様にして調製した塗布溶液を、比較例12の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例12および比較例12の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例12および比較例12のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例13、比較例13]
実施例2で調製した塗布溶液Y−2を、塗布溶液Y−13として実施例13で用いた。
実施例2および比較例2において、340nm以下をカットしたカットフィルターを用いる代わりに波長365nm以下をカットしたカットフィルター(朝日分光社製)を用いた以外は実施例2および比較例2と同様にして、実施例13および比較例13のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例14、比較例14]
実施例2で調製した塗布溶液Y−2を、塗布溶液Y−14として実施例14で用いた。
実施例2および比較例2において、340nm以下をカットしたカットフィルターを用いる代わりに波長405nm以下をカットしたカットフィルター(朝日分光社製)を用いた以外は実施例2および比較例2と同様にして、実施例14および比較例14のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例15、比較例15]
実施例2のB−1をB−8に置き換えた以外は実施例2と同様にして、塗布溶液Y−15を調液した。得られた塗布溶液Y−15を、実施例15の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−8を添加しない以外は実施例15と同様にして調製した塗布溶液を、比較例15の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例15および比較例15の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例15および比較例15のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。得られた結果を下記表1に記載した。
[実施例16〜19、比較例16〜19]
実施例2のB−1の添加量を25質量%から下記表1に記載の添加量に置き換えた以外は実施例2と同様にして、塗布溶液Y−16〜19を調液した。得られた塗布溶液Y−16〜19を、実施例16〜19の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−1を添加しない以外は実施例16〜19と同様にして調製した塗布溶液を、比較例16〜19の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、実施例16〜19および比較例16〜19の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、実施例16〜19および比較例16〜19のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。但し、実施例18および19では、断面TEM観察を行わなかった。得られた結果を下記表1に記載した。
[比較例20]
表1に示すように、上記にて調製した液晶性ブロック共重合体A−9(22.5mg)、上記にて調製した下記構造の低分子液晶化合物C−1(7.5mg)を秤量し、トルエン970μLに溶解させた後に、フィルター(マイレクストFH 0.45μm、φ13mm、シリンジ2ml)濾過して塗布溶液Y−20を調液した。得られた塗布溶液Y−20を、比較例20の組成物とした。
なお、低分子液晶化合物C−1は、Polymer Preprints, Japan vol.59, No.1(2010), 857に記載の非反応性の液晶化合物であり、比較例20および後述の比較例22はこの文献に記載の低分子液晶化合物C−1の性能を検討するための比較例である。
一方、低分子液晶化合物C−1を添加しない以外は比較例20と同様にして調製した塗布溶液を、比較例20’の組成物とした。
<ガラス基板上でのミクロ相分離構造膜の製造・欠陥抑制評価・AFM観察・固定化評価>
(スピンコート)
上記比較例20および比較例20’の組成物(塗布溶液)をガラス基板にスピンコートした後、140℃で1分間保持した。さらに、140℃からUV照射温度105℃まで−10℃/分で降温させて、105℃で1分間保持した後、UV照射装置(HOYA社製 EXECURE3000)にて350mJ/cm2でUVカットせずにUV硬化させた後、室温まで放冷した。得られた塗布膜を、比較例20および比較例20’のミクロ相分離構造膜Aとした。
また、得られた比較例20および比較例20’のミクロ相分離構造膜Aを用い、実施例1と同様に欠陥抑制評価・AFM観察・固定化評価を行った。
一方、比較例20および比較例20’の組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、PET基板上で比較例20および比較例20’のミクロ相分離構造膜Bを製造し、断面TEM観察を行った。
得られた結果を下記表1に記載した。
[比較例21、22]
比較例20のA−9をA−1’に置き換えた以外は比較例20と同様にして、塗布溶液Y−22を調液した。得られた塗布溶液Y−22を、比較例22の組成物とした。
一方、反応性液晶化合物B−1を添加しない以外は比較例22と同様にして調製した塗布溶液Y−21を、比較例21の組成物とした。
実施例1および比較例1において、実施例1および比較例1の組成物の代わりに、比較例21および比較例22の組成物を用いた以外は実施例1および比較例1とそれぞれ同様にして、比較例21および比較例22のミクロ相分離構造膜AおよびBを製膜し、評価した。その結果を下記表1に記載した。
比較例21のミクロ相分離構造膜B(液晶性ブロック共重合体A−1’のみ(反応性液晶化合物添加前)の比較例21の組成物を使用)の断面TEM観察を行った結果を図6に示した。
比較例22のミクロ相分離構造膜B(液晶性ブロック共重合体A−1’+低分子液晶化合物C−1(25wt%)添加、UV(UVカットなし)照射後の比較例22の組成物を使用)の断面TEM観察を行った結果を図7に示した。
上記表1および図1〜図7より、各実施例の組成物は、欠陥が少なくドメインサイズの大きなシリンダー構造を形成および固定化でき、工業的加工性に優れたミクロ相分離構造膜を経済合理的に製造することができることがわかった。
反応性液晶化合物を添加しない比較例21の場合、膜の強度不足のためTEM観察によるシリンダー構造を確認できなかった。また、本発明の範囲外である低分子液晶化合物C−1を添加した比較例22の場合、図7の断面TEM像に示したとおり、TEM観察によるシリンダー構造を確認できなかった。本発明の範囲外である低分子液晶化合物C−1を添加した比較例20の場合も同様にTEM観察によるシリンダー構造を確認できなかった。
さらに、分子量分布が1.36の液晶性ブロック共重合体(液晶性ブロック共重合体A−1)の場合、比較例1の液晶性ブロック共重合体単独では不明瞭な構造だったが、反応性液晶化合物(B−1)を添加した実施例1の組成物とすることで、シリンダー構造を形成できたことがわかった。特開2004−124088号公報では、シリンダー構造を形成する液晶性ブロック共重合体の分子量分布を1.3以下に限定していたが、本発明の組成物では、液晶性ブロック共重合体単独ではシリンダー構造を形成できないような分子量分布の場合でも、反応性液晶化合物を添加することでシリンダー構造を形成でき、すなわちシリンダー構造を形成できる液晶性ブロック共重合体の分子量分布を拡大できることもわかった。

Claims (15)

  1. アルキレンオキサイド鎖を含むポリマー成分(A)および炭素数2〜20のアルキレン鎖を含むポリマー成分(B)が直接または連結基を介して共有結合によって結合し、かつ、前記ポリマー成分(B)が炭素数6〜50のメソゲン側鎖を有する液晶性ブロック共重合体と、
    下記一般式(T)または(X)で表される反応性液晶化合物を含むことを特徴とする組成物。
    一般式(T) CyT1−(LT1−CyT2−LT2−Q)t
    (一般式(T)中、Qは反応性基であり、LT1およびLT2はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、CyT1はt価の環状基であり、CyT2は二価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
    一般式(X) Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−Q2
    (一般式(X)中、Q1およびQ2のうち少なくとも一方は反応性基であり、反応性基ではないQ1およびQ2は置換基を表し、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1およびL4のうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3はそれぞれ独立に二価の環状基であり、nは0、1、2、または3である。nが2または3の時、複数あるCy2−L3は同じであっても異なっていてもよい。
  2. 前記反応性液晶化合物が、下記一般式(T’)または(Y)で表されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
    一般式(T’) CyT1−(LT1−CyT2−LT2−Q)t
    (一般式(T’)中、Qは下記群(B)から選択される反応性基であり、LT1およびLT2はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、CyT1は下記環状構造群(C)から選択される環状構造を含むt価の環状基であり、CyT2は二価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
    環状構造群(C)
    (環状構造群(C)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換基を有していてもよい。)
    一般式(Y)
    (一般式(Y)中、Q1およびQ2のうち少なくとも一方は下記群(B)から選択される反応性基であり、反応性基ではないQ1およびQ2は置換基を表し、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1およびL4のうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または下記群(A)から選択される二価の連結基であり、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、nは0、1、2、または3である。)
    群(A)
    (上記群(A)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
    群(B)
  3. 前記液晶性ブロック共重合体を30〜90質量%含有し、
    前記反応性液晶化合物を10〜70質量%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記反応性液晶化合物が、下記一般式(U)または(Z)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
    一般式(U)
    (一般式(U)中、Qは群(B’)から選択される反応性基であり、RT1は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、LT1およびLT2はそれぞれ独立に下記群(A)から選択される二価の連結基またはヘテロ原子を含む二価の連結基であり、CyT1は下記環状構造群(C’)から選択される環状構造を含むt価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
    環状構造群(C’)
    (環状構造群(C’)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換基を有していてもよい。)
    一般式(Z)
    (一般式(Z)中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に下記群(B’)から選択される反応性基であり、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1およびL4のうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または下記群(A’)から選択される二価の連結基であり、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、nは0、1、2、または3である。)
    群(A’)
    (上記群(A’)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
    群(B’)
  5. 前記反応性液晶化合物が、下記一般式(U’)または(Z’)で表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
    一般式(U’)
    (一般式(U’)中、RTは水素原子あるいは置換または無置換のアルキル基であり、
    T1は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、
    T1は下記群(A’’)から選択される二価の連結基であり、
    T2Aは下記群(A’’)から選択される二価の連結基またはヘテロ原子を含む二価の連結基であって、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、
    CyT1は下記環状構造群(C’’)から選択される環状構造を含むt価の環状基であり、tは1〜6の整数である。tが2〜6の時、複数あるLT1−CyT2−LT2−Qは同じであっても異なっていてもよい。)
    環状構造群(C’’)
    (環状構造群(C’’)中、各環状構造は、LT1と結合するためのt本の結合手をそれぞれ独立に環状構造を構成するいずれかの環が有し、環状構造を構成するいずれかの環が置換基を有していてもよい。)
    一般式(Z’)
    (一般式(Z’)中、R’およびR’’はそれぞれ独立に水素原子あるいは置換または無置換のアルキル基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に下記群(A’’)から選択される二価の連結基であり、L1AおよびL4Aはそれぞれ独立に二価の連結基であり、L1AおよびL4Aのうち少なくとも一方は、少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含み、R1、R2およびR3は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基である。)
    群(A’’)
    (上記群(A’’)中、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
  6. 前記反応性液晶化合物の分子量が3000未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記液晶性ブロック共重合体の前記ポリマー成分(B)が、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
    一般式(1)
    (一般式(1)中、mは1〜500の整数を表し、L12は単結合、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニンレン基、メタロセニレン基、−CO−N(R101)−、−CO−O−、−SO2−N(R102)−、−SO2−O−、−N(R103)−CO−N(R104)−、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、−CO−、−N(R105)−、ヘテリレン基を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜100以下の連結基を表し(R101、R102、R103、R104、R105は、各々独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。ただし、L12は少なくとも炭素数2〜20のアルキレン基を含む。)、R4は水素原子またはメチル基を表し、R5はオキセタニル基、エポキシ基、アクリレート基、メタクリレート基、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアルコキシ基を表し、Mは炭素数6〜50のメソゲン基を表す。但し、m個の繰り返し単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  8. 前記液晶性ブロック共重合体の前記ポリマー成分(B)を表す前記一般式(1)中のMが、下記一般式(2)または一般式(3)で表される2価の連結基を含むことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
    一般式(2)
    一般式(3)
    (一般式(2)および(3)中、Ar1およびAr2はそれぞれ独立に置換または無置換のアリーレン基を表す。)
  9. 前記液晶性ブロック共重合体の数平均分子量Mnが3000〜100000であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記液晶性ブロック共重合体の分子量分布Mw/Mnが1.5以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物(Mwは液晶性ブロック共重合体の重量平均分子量を表し、Mnは液晶性ブロック共重合体の数平均分子量を表す)。
  11. さらに開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物を支持体上で熱、光、溶媒蒸気または電場により相分離を促進させ、ミクロ相分離構造を形成する工程を含むことを特徴とするミクロ相分離構造膜の製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物を溶解可能な溶媒に溶解させ、溶液を調製する工程と、
    前記組成物溶液を支持体表面に塗布する工程と、
    前記溶媒を蒸発させて前記組成物のミクロ相分離構造膜を形成する工程と、
    前記ミクロ相分離構造膜を固定化する工程を有することを特徴とするミクロ相分離構造膜の製造方法。
  14. 前記ミクロ相分離構造膜を固定化する工程が、前記ミクロ相分離構造膜に300nm以下の波長をカットしながらUVを照射し、構造を固定化する工程であることを特徴とする請求項13に記載のミクロ相分離構造膜の製造方法。
  15. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物またはその架橋重合体を含有すること、あるいは、請求項12〜14のいずれか一項に記載のミクロ相分離構造膜の製造方法で製造されたことを特徴とするミクロ相分離構造膜。
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