JP2015000050A - 包装済み冷凍うどん - Google Patents
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[原料・調合]−[熟成]−[混練・圧延]−[断裁]−[茹で上げ]−[冷水締め]−[型入れ]−[急速冷凍]−[個装包装]の各工程に従って作られ、急速冷凍後、そのまま電子レンジ加熱が可能な包装材料で個装包装されたことを特徴とする包装済み冷凍うどんと、
前記原料・調合工程で、中力粉相当の小麦粉70重量部にNaCl2〜6重量部、Na2CO30.1〜1.0重量部、水25〜45重量部を加えて良く捏ねてドウを作り、熟成工程でこのドウを20〜30℃の温度下で熟成することを特徴とする上記の包装済み冷凍うどんと、
前記茹で上げ工程で断裁したうどんを沸騰水で7分〜15分間茹で上げ、冷水締め工程で、直ちに5℃以下の冷水で締めるとともに表面のぬめり等を洗い流すことを特徴とする上記の包装済み冷凍うどんと、
前記型入れ工程で、冷水締めされたうどんの水気を素早く切り、個装包装の形状に合せたトレーに所定の量をランダムに投入し、急速冷凍工程で、−35℃以下の冷風を吹き付けて30分以内で急速冷凍することを特徴とする上記の包装済み冷凍うどんと、
前記個装包装工程で、急速冷凍されたうどんが電子レンジで解凍・加熱されてうどんから発生した蒸気によってうどんが蒸され最適加熱後、その蒸気圧によって包材の一部が局部的に破裂し内圧を逃すとともに破裂音によって終了を知らせる包材で包装されたことを特徴とする上記の包装済み冷凍うどん
に関するものである。
うどんの原料は、基本的に小麦粉と塩化ナトリウムであり、その外、澱粉、蛋白質、改良剤、殺菌剤などの食品添加物が適宜添加される。
次に、このドウの熟成を行う。熟成は小麦粉中に含まれている種々の酵素が水分を与えられることにより活動するようになり、その酵素反応により熟成が進むものである。小麦粉中のタンパク質(主としてグルテニンとグリアジン)は水を充分に吸うとグルテニンとグリアジンはほどけて糸状になり、互いに絡み合ってネットワーク(網目構造)を形成する。これをグルテンと呼び、麺類では腰になる。グルテニンもグリアジンも酵素によってほどけ易くなるから一層、粘るようになる。グリアジンの粘性は食塩の添加によって促進され、グルテニンは炭酸ナトリウムの添加によって伸びるようになり、絡み合ったグルテンは粘弾性(腰)のあるグルテンとなる。又、小麦粉にはアミラーゼも含まれていて、その作用による澱粉質の糖化も起っており、反応が進むと甘味を付与するようになって、これによって与えられるわずかな甘味は味覚に有効である。
次いで、熟成したドウを混練・圧延する。これは、熟成によって糸状になったグルテニンとグリアジンを互いに絡み合わせて網目構造のグルテンを作る手助となるものであり混練は足踏みや竹の棒による押圧作業等であるが、工業的にはドウの伸ばしと練りを合わせたような装置を用いるとよい。
断裁は、圧延したドウを糸状に切断するものであり、幅は2.0〜5.0mm程度、好ましくは2.5〜4.5mm程度が適当である。また、断裁は、糸状のうどんを切った時の切断面の形状が短辺×長辺の比で1.0×1.0の正方形状から1.0×1.5までの長方形状になるようにするのがよい。これは、次工程で茹でた時の腰のあるうどんの水分状態(麺の中心部の水分は50〜60重量%、外側部の水分は80〜85重量%)になるように麺の外側から中心まである程度等距離であることと、次々工程以降のトレーにランダムに投入し、冷風で急速凍結する時に冷風が通り易いこと、又更に電子レンジで解凍・加熱するときにマイクロ波が通り易くコールドスポット等が起きないためには、折り重なった麺と麺との空隙を設けることが重要であることによる。麺の外側から中心部までの等距離には切断面が丸形状であるが、折り重なった麺と麺との間に空隙を設けるには角形状が良い。又、食べ易さ等から実際の面の太さ等も関係しており、1例を示すと正方形では3.0mm×3.0mm、長方形では2.5×3.5mm位に断裁すると茹で上がった時点では夫々、正方形では4.3mm×4.3mm、長方形では3.5mm×5.0mm位の太さになり、良い食べ易さの太さとなる。断裁は伸ばした麺を包丁等でカットすれば良いが工業的にも包丁切りやスリッター等でカットすれば生産性良く断裁出来る。
茹で上げは沸騰水中で7〜15分間行う。麺の太さによって茹で上げる時間が異なるので、茹で上げたうどんを食べてみて、腰があり、のどごしが良い時間を茹で上げ時間とする。その時の中心部の水分は50〜55重量%となり、食感は固めとなる。この中心部の固めがグルテンによって腰のあるうどんとなる。外側の水分は80〜85重量%となり、この水分量とα化された澱粉質とがなめらかなのどごし感を与える。
次いで、5℃以下、すなわち5℃〜0℃の冷水で表面のぬめりを取りながら温度を急激に下げ、外側から中心部への水分の移動を停止させて茹で上がったうどんの状態をそのまま保持するように締める。この冷水締めの時間は2〜10分間程度で、うどんを5〜15℃程度まで冷却するのがよい。冷水で急冷することにより次々工程での急速冷凍を速やかに行うことができる。
型入れ工程では、冷凍後、個装包装する包材の形状に略合せたトレーに冷水で締めたうどんをランダムに折り重なるように投入する。個装包装する包材の形状は、袋や角形あるいはカップ形の容器などであり、袋の場合は短辺×長辺が8〜10cm×13〜15cm程度であり、収容されるうどんは、乾燥重量で180〜220g程度である。トレーは、次工程で急速冷凍しやすいよう、冷風がなるべくうどんに直接当たるようにするのがよく、そのために網目状にするとか、多数の穴を打抜いた板などで形成するのがよい。材質は、例えばステンレスなどでよい。トレーに投入された断面が角形のうどんはその空隙率が約50容積%である。この空隙をもうけることによって次の工程での冷風の通りが良くなって急速凍結され、電子レンジで解凍・加熱する場合にもマイクロ波の通りが良くなりコールドスポット等が起らず均一加熱される。
急速冷凍工程では型入れされたうどんに−35℃以下の冷風を吹き付けて−18℃以下に急速冷凍する。食品の組織中にはその基質と何らかの意味で相互作用している水(結合水)と自由水とがあることが知られており、冷凍食品の−18℃近辺では結合水は凍結することがなく、自由水の大部分が凍結している。図1に結合水のモデル図を示す。図1はタンパク質と結びついた結合水の3相水和モデル図であって、タンパク質の極性基と直接結合した水分子(A相)は−190℃でも凍らないといわれ、その外側の数分子層(B、C層)までは−25℃まで凍らないといわれている。
B. Duckworth、J. Food Technol.、6、317、1971、食品と水の科学、(株)幸書房、2009年5月20日復刻版第2刷発行、p249。)この最低凍結温度から冷凍食品の−18℃では殆んどの食品で未凍結水が存在することがわかる。
急速冷凍したうどんは、本発明者らが別途開発した包装袋に個装包装するのがよい。この包装袋で包装することによって、電子レンジで解凍・加熱されると、うどんから発生した蒸気でうどんが蒸され、最適加熱が行われた後に、蒸気圧で包材の一部が局部的に破裂し、内圧を逃すとともに破裂音で調理の終了を知らせることができる。
個装包装された冷凍うどんの解凍・調理には、これをそのまま電子レンジに入れて加熱すればよい。冷凍うどんは−18℃では食塩水が残存しており、冷凍うどん内の未凍結水と合わさって、電子レンジで解凍・加熱した時にこれらの水が効率的に発熱して効率的に加温することが出来る。すなわち、家庭用電子レンジ(2,450MHz/s)のマイクロ波の半減深度は氷が780cmと大きく、発熱効率が非常に悪いが、15℃の水は0.9cmと小さく、非常に発熱効率が良い。冷凍食品を電子レンジにかけた時にまず細胞内外の未凍結水と自由水のうち氷にならなかった残存食塩水が効率よく発熱し、凍結しした氷を溶かして解凍した後食品を最適の温度まで加熱するのである。
小麦中力粉70gにNaCl10gとNa2CO31gを溶かした水溶液35mlを少しずつ加えながらよく捏ねて丸め、饅頭のような形をしたドウを作成した。このドウを清浄なポリエチレン製の袋に入れ、28℃の室で1時間熟成を行った。熟成後、ポリエチレン製の袋の上から足踏みを行ってドウの直径で約3倍まで広げた。
LDPE(日本ポリエチレン(株)製,LF128)60重量部とLLDPE(日本ポリエチレン(株)製、UF420)40重量部と炭酸水素ナトリウム1重量部からなり発泡層となる発泡性樹脂混合物と、HDPE(日本ポリエチレン(株)製、HY430)70重量部とLLDPE(日本ポリエチレン(株)製、UF420)30重量部からなりソリッド層となる樹脂混合物をサーキュラーダイを備えたインフレーション成膜機(発泡性樹脂混合物の押出機:Φ75mm、L/D=32、ソリッド層の樹脂混合物の押出機:Φ50mm、L/D=28、リップ径:Φ300mm、リップクリアランス:0.8mm)を用いて、ダイ温度200℃で共押出しし、ブロー比2.3、引取速度7m/分でインフレーション共押出しし、発泡層(110μm)/ソリッド層(30μm)の積層フィルムを作成した。発泡層の発泡倍率は2.4倍であった。
この包装袋に冷凍したうどんの麺塊を入れヒートシールを行なって密封包装を行った。この包装体を家庭用冷蔵庫の冷凍室に入れ一夜放置した。次いで、冷凍室から取り出し、密封包装体そのままで550wの電子レンジで加熱した。結果、3分30秒後にポンという破裂音が聞こえ蒸気で膨張した袋の天頂部が破れていた。包装体をそのまま素手で掴んで電子レンジから取り出し、中身のうどんを食べたところ、のどどしが良く、腰があって、冷凍前の冷水締め直後の食感を再現していた。このうどんはうどん同士のくっつきもなく箸でよくほぐれた。
型入れ工程では、冷凍後、個装包装する包材の形状に略合せたトレーに冷水で締めたうどんをランダムに折り重なるように投入する。個装包装する包材の形状は、袋や角形あるいはカップ形の容器などであり、袋の場合は短辺×長辺が8〜10cm×13〜15cm程度であり、収容されるうどんは、水気を切った重量で180〜220g程度である。トレーは、次工程で急速冷凍しやすいよう、冷風がなるべくうどんに直接当たるようにするのがよく、そのために網目状にするとか、多数の穴を打抜いた板などで形成するのがよい。材質は、例えばステンレスなどでよい。トレーに投入された断面が角形のうどんはその空隙率が約50容積%である。この空隙をもうけることによって次の工程での冷風の通りが良くなって急速凍結され、電子レンジで解凍・加熱する場合にもマイクロ波の通りが良くなりコールドスポット等が起らず均一加熱される。
個装包装された冷凍うどんの解凍・調理には、これをそのまま電子レンジに入れて加熱すればよい。冷凍うどんは−18℃では食塩水が残存しており、冷凍うどん内の未凍結水と合わさって、電子レンジで解凍・加熱した時にこれらの水が効率的に発熱して効率的に加温することが出来る。すなわち、家庭用電子レンジ(2,450MHz/s)のマイクロ波の半減深度は氷が780cmと大きく、発熱効率が非常に悪いが、15℃の水は0.9cmと小さく、非常に発熱効率が良い。冷凍食品を電子レンジにかけた時にまず細胞内外の未凍結水と自由水のうち氷にならなかった残存食塩水が効率よく発熱し、凍結した氷を溶かして解凍した後食品を最適の温度まで加熱するのである。
Claims (6)
- [原料・調合]−[熟成]−[混練・圧延]−[断裁]−[茹で上げ]−[冷水締め]−[型入れ]−[急速冷凍]−[個装包装]の各工程に従って作られ、急速冷凍後、そのまま電子レンジ加熱が可能な包装材料で個装包装されたことを特徴とする包装済み冷凍うどん
- 前記原料・調合工程で、中力粉相当の小麦粉70重量部にNaCl2〜6重量部、Na2CO30.1〜1.0重量部、水25〜45重量部を加えて良く捏ねてドウを作り、熟成工程でこのドウを20〜30℃の温度下で熟成することを特徴とする請求項1記載の包装済み冷凍うどん
- 前記混練・圧延工程で、熟成したドウを混練・圧延した後、断裁工程に於いてうどんの断面形状が短辺×長辺の比が1.0×1.0の正方形状から1.0×1.5までの長方形状に断裁されたことを特徴とする請求項1又は2記載の包装済み冷凍うどん
- 前記茹で上げ工程で断裁したうどんを沸騰水で7分〜15分間茹で上げ、冷水締め工程で、直ちに5℃以下の冷水で締めるとともに表面のぬめり等を洗い流すことを特徴とする請求項1、2又は3記載の包装済み冷凍うどん
- 前記型入れ工程で、冷水締めされたうどんの水気を素早く切り、個装包装の形状に合せたトレーに所定の量をランダムに投入し、急速冷凍工程で、−35℃以下の冷風を吹き付けて30分以内で急速冷凍することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の包装済み冷凍うどん
- 前記個装包装工程で、急速冷凍されたうどんが電子レンジで解凍・加熱されてうどんから発生した蒸気によってうどんが蒸され最適加熱後、その蒸気圧によって包材の一部が局部的に破裂し内圧を逃すとともに破裂音によって終了を知らせる包材で包装されたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の包装済み冷凍うどん
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