JP2001211845A - 冷凍麺類及びその製造方法 - Google Patents

冷凍麺類及びその製造方法

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JP2001211845A JP2000023806A JP2000023806A JP2001211845A JP 2001211845 A JP2001211845 A JP 2001211845A JP 2000023806 A JP2000023806 A JP 2000023806A JP 2000023806 A JP2000023806 A JP 2000023806A JP 2001211845 A JP2001211845 A JP 2001211845A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調理時に復元ムラがなく、均一に復元でき、
しかも麺塊の体積が嵩張らず、それでいて麺折れ、麺塊
の破損等を起こしにくい冷凍麺塊を得る。さらに、中華
麺等の細物の麺においては、調理復元性の改善された冷
凍麺塊を得る。 【解決手段】 水分が25〜45%のα化処理を施した
麺線からなる麺塊を、好ましくは成型トレー、包装体に
投入した後、圧縮成型して凍結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、均一な調理復元が
なされ、食感が良好で、しかも、嵩張らない冷凍麺類と
その製造方法に関する。特に該冷凍麺類が中華麺のよう
な細物の場合においては、さらに調理復元性にも優れた
冷凍麺類とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍麺は、通常、切出した麺線を茹でた
後、水洗冷却し、成型容器に投入して急速凍結して製造
される。この場合、凍結前の麺線は、茹で工程及び水洗
冷却工程を経るために、水分が50%以上となって柔ら
かく、しかも、麺線表面は澱粉質が溶けだした状態とな
っているため、成型容器に投入すると、麺線が相互に密
に接着して麺線間に空隙の少ない麺塊となってしまう。
その結果、凍結工程において、麺塊の中心部や麺線の接
着部位が凍結しにくくなり、凍結に長時間を要するだけ
でなく、麺塊中心部の麺線は緩慢凍結となって食感が損
なわれてしまう。また、このようにして得られた冷凍麺
は、調理復元時、麺塊中心部や麺線接着部の麺線の加熱
が行い難く、湯戻り性が悪いため、麺塊中心部まで熱を
加えるに必要な調理復元所要時間は長くなり、その結
果、麺塊表面部の麺線は茹でのびした状態となって、不
均一でムラのある食感の麺に調理復元されてしまう。
【0003】このような冷凍麺の調理復元性の改良と不
均一な食感の改良の方法として、麺塊と湯との接触面積
ができるだけ多くなるように、麺塊に凹凸を設けて麺塊
の表面積を多くした冷凍麺が、特開昭60-105467号や特
開平7-203887号に開示されている。しかし、これらの方
法では麺線間の密な接着は防止されず、均一な調理復元
性を得るには不十分であった。
【0004】また、前記の問題点の改良方法として、麺
塊内に空隙を多くして麺線同士の接着面積を減らす方法
もある。すなわち、切出した麺線に強いウェーブをかけ
て茹でる方法や、麺線を冷水で急冷して麺塊の断層空間
率を通常の冷凍麺より大きく40〜80%にする方法
(特開平3-201957号)がある。しかし、これらのいずれ
の方法によっても、麺塊内の空隙を充分に取ることは難
しく、均一な調理復元性を十分に満足させることは困難
であった。さらに、このようにして冷凍麺塊内に空隙を
多く形成させると、該麺塊は嵩張って、流通や保存に要
する冷凍スペースを多く必要とし、保存スペースの小さ
な家庭用冷凍庫には不向きであるだけでなく、包装資材
も多く要する。さらに、このような嵩張った冷凍麺塊は
外部からの物理的衝撃に弱く、冷凍後の包装や流通等の
段階における取扱いによって、麺線の折れが発生し易
く、その場合、商品価値が下がるという問題点もあっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような問題点に
対して本発明の課題とするところは、従来の冷凍麺と比
較して、麺塊凍結時に凍結所要時間が短縮され、且つ、
調理時に調理ムラがなくて均一に調理でき、更に、麺塊
の体積が嵩張らず、麺折れ等による商品価値の低下を起
こしにくい冷凍麺塊を得ることにある。
【0006】また、本発明の課題としては、冷凍中華麺
などの細物の冷凍麺において、前記のような利点を有し
ながらも、調理に際しては、従来品よりも調理復元性が
改善された冷凍麺塊を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上掲の課題を
解決すべく発明されたものであって、その要旨とすると
ころは、水分が25〜45%のα化処理を施した麺線か
らなる麺塊を圧縮成型して凍結する工程を有する冷凍麺
類の製造方法である。また、本発明は当該圧縮成型の方
法として、前記麺線を成型トレー又は包装体に投入した
後、該成型トレー又は包装体内の該麺線塊を圧縮する冷
凍麺類の製造方法である。
【0008】また、その圧縮成型の程度としては、前記
麺線を成型トレー又は包装体に投入した時の麺塊の容積
(空隙部を含む)に対して、50〜95%の容積になる
ように圧縮成型する冷凍麺類の製造方法である。このよ
うな圧縮成型方法として好ましい方法は、成型トレーに
投入された麺線塊を押圧部材や可動するトレーの壁面に
よって押圧する方法、あるいは、収縮可能な包装体に投
入された麺塊を該包装体内を減圧吸引することで包装体
ごと収縮させる方法等がある。
【0009】また、本発明は、前記冷凍麺の製造方法に
おいて、水分含量が25〜45%のα化処理を施した麺
線が、生麺または乾麺もしくは半乾麺を蒸すか、あるい
は、茹で及び/又は蒸しによってα化処理した麺線に乾
燥処理を施して水分を25〜45%に調整した麺線であ
る冷凍麺類の製造方法である。
【0010】さらに本発明は、水分が25〜45%のα
化処理が施された麺線よりなる圧縮冷凍麺塊であり、好
ましくは該麺線が麺厚1.7mm以下の中華麺の冷凍麺塊で
ある。
【0011】このような冷凍麺塊、及び前記の製造方法
によって製造された本発明の冷凍麺は、凍結所要時間が
短く、麺塊の形状は嵩張らず、麺線の折れ等に伴う商品
価値の低下が起きにくく、調理においては均一に麺線の
復元が行えるという優れた特徴を有するものである。特
に、冷凍麺類が麺厚1.7mm以下の麺線の細い中華麺など
の場合には、調理復元に要する時間は従来の冷凍麺より
むしろ早く、しかも、従来のものより、中芯感のあるコ
シのある麺とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる麺は、α化処
理を施した麺であって、水分を25〜45%に調整した
ものである。一般的な冷凍麺の場合、冷凍前の麺線の水
分は、中華麺等の細物で55〜65%程度、うどん等の
太物の場合では60〜70%程度であり、これに比較す
ると、本発明に使用する水分が25〜45%のα化処理
を施した麺というのは、かなり水分の低い麺である。
【0013】このような水分の低いα化処理を施した麺
線の製造方法としては、次のような方法が可能である。
例えば、常法によって製造された生麺線を蒸すという方
法であり、この方法によって、水分を余り上げることな
くα化処理できる。通常、小麦粉を主原料とする原材料
に加水して製麺した生麺線の水分は32〜40%程度で
あり、この生麺線のα化処理を蒸しで行うことによっ
て、水分が45%以下のα化処理を施した麺線を得るこ
とができる。
【0014】また、生麺線を一旦乾燥させた乾麺、ある
いは、半乾麺を用いて、これらを蒸して、あるいは、茹
でてα化処理を行っても良い。さらに、乾麺、半乾麺の
代わりに即席麺を用いることもできる。また、乾麺、即
席麺、生麺を、茹でまたは蒸しによってα化処理を施
し、これを乾燥して麺線の水分を25〜45%まで低下
させる方法も可能である。例えば、麺線のα化処理を茹
でで行って水分が60%にまで達した場合でも、この麺
線を乾燥して水分を所定範囲まで低下させて使用するこ
とができる。乾燥方法としては、熱風乾燥、マイクロウ
ェーブ乾燥、真空凍結乾燥等の他に、室内または屋外で
の自然乾燥、あるいは、湿度調整下での乾燥等、各種の
方法が使用できる。
【0015】以上のような方法が本発明でいう水分25
〜45%のα化処理した麺線を得る方法として好ましい
が、α化処理した麺線の水分含量を25〜45%に調整
できるのであれば、前記の方法に限らず、その他の方法
も適用可能である。なお、ここで言うα化処理は、麺線
が完全α化されるまで行う必要はなく、部分α化される
程度でも構わない。しかし、α化度を高めた方が、調理
復元時間の短縮や、調理後の穀物臭さの抑制などの観点
から好ましい。
【0016】これら水分25〜45%に調整されたα化
処理された麺線の原材料或いはその製造方法としては、
製麺で用いられる一般的な原材料と製麺方法が使用でき
る。すなわち、原材料は小麦粉、そば粉、澱粉等を主原
料とし、これに水、必要に応じて、かんすい、食塩、卵
白、グルテン、増粘剤、色素等を添加して混練し、次い
で、押出して麺線とするか、ロール等で圧延した後切出
して麺線とする。なお、麺線にウェーブを形成させる
と、麺線間の接着面積を減らすことができるので(麺線
間の接着を面から線に変えることができるため)、本発
明においては、ウエーブボックス或いはラバーなどを装
着した切刃を用いて切出しを行って、麺線にウエーブを
形成させるのが好ましい。また、製麺における混練、押
出し等の工程は、これを減圧下で行ってもよく、減圧下
で行うことによって麺質を更に緻密でコシのあるものに
できる。このようにして得られた生麺線は、前記に準じ
て、α化処理され、且つ、水分25〜45%に調整され
る。
【0017】次に、水分調整された麺線を圧縮して冷凍
する。圧縮の方法としては所定量の麺線を成型トレー、
あるいは包装体内に投入した後、投入された該麺線の塊
(麺塊)を圧縮する方法が成型性の点や均一な圧縮がで
きる点で好ましい。しかし、麺線の塊を押圧装置等で圧
縮した後にトレー等に投入して冷凍しても構わない。
【0018】トレーを用いる場合、使用する成型トレー
は、冷凍麺塊を製造するために繰り返し使用される成型
凍結用の剛性トレーであっても良いし、最終商品をトレ
ーごと流通する場合にはそのトレーであっても構わな
い。又、包装体の場合は麺塊が圧縮や押圧時に自由に拡
がることがないような袋体等のものが使用可能である。
これら、成型トレー、包装体の好ましい形態例として
は、上面がオープンな弁当箱型の樹脂製、金属製あるい
は紙製のトレーや、上面と底面がオープンで麺塊が横に
拡がらないような筒状紙製のトレー、壁面が可動する金
属製のトレー、あるいは、押圧時に包装体内部の空気が
排出される排気口を有する袋体等、その他各種のものが
ある。
【0019】なおここで、投入する麺線の量としては、
通常は最終製品に包装される個食分とするが、必ずしも
当該個食分である必要はなく、例えば数食分や余分量を
含む量を所定量として投入し、圧縮、冷凍した後、得ら
れた冷凍麺塊を切断して重量を調節し、個食に分ける事
も可能である。
【0020】圧縮の方法としては、成型トレーに入れて
圧縮する方法の場合、トレーの開口部上部から押圧部材
によって麺塊を圧縮する方法、トレーの可動面を絞り込
んで圧縮する方法等が好ましく、また、包装体に投入し
て圧縮する方法の場合、包装体ごと押圧部材で押圧する
方法、包装袋内を真空ポンプ等で脱気処理することによ
って、包装体ごと収縮させる方法等が好ましい。
【0021】一方、圧縮の程度としては、麺線が潰され
たり、麺線間に空隙がなくなるような強い圧縮は好まし
くなく、麺線を成型トレーまたは包装体に投入した時の
麺塊の容積(麺線間の空隙を含む)に対して、該容積の
50〜95%にするように圧縮するのが好ましい。(本
願では、このように、トレーなどに所定量の麺線を投入
した時の空隙を含む麺塊の容積に対する圧縮後の容積の
割合を圧縮度と定め、例えば、前記の場合には、圧縮度
50〜95%と言うこととする。)圧縮された麺塊は、
トレー或いは包装体に入れたまま、もしくは、これらか
ら取り出されて凍結される。凍結は、圧縮後はできるだ
け早く凍結させるのが好ましく、−20℃以下、好まし
くは−35℃以下にて急速凍結するのが一般的である
が、−20℃以下のアルコール溶液等に浸漬するブライ
ン凍結等の方法も可能である。
【0022】このようにして得た本発明の冷凍麺の製品
形態としては、ラーメン、焼きそば等の中華麺や、うど
ん、そば等の和風麺、スパゲティー等のパスタ類等、各
種形態のものが可能であるが、本発明は特に中華麺等の
細物の麺に適用するのが好ましい。麺線が細い場合は、
麺塊内(麺線間)に空隙が比較的多く形成されており、
圧縮後の麺塊の容積を従来品に比べてかなり小さくする
ことができ、また麺線が細いことで、水分が低くても湯
戻りの早い麺とすることができる。一般的に麺線の湯戻
りには、麺線の太さ、水分、α化度などが関与するが、
細い麺線の冷凍麺の場合は、麺線の水分が高いと融解熱
として相対的に多くの熱量を必要とするため、水分が低
い方が加熱調理復元時間が短かい。すなわち、本発明の
場合、麺線は予めα化処理されており、且つ、水分が低
く抑えられているので、細い麺線の冷凍麺に適用する
と、調理復元時間の短い冷凍麺製品とすることができ
る。中でも、本発明の麺がウエーブ状の細い麺線から構
成される中華麺の場合には、空隙が多く形成された嵩高
い麺塊となるので、本発明を適用するのが好ましい。な
お、本発明における細い麺、あるいは細物の麺として
は、麺線厚1.7mm以下、切出し麺の場合は18番以
上の番手の切刃(切刃の番手の数が大きくなるほど切出
された麺線は細くなる)で切出した麺が良い。
【0023】本発明によって得られた冷凍麺の調理方法
としては、冷凍麺塊を沸騰水中で炊いて調理するのが一
般的であるが、調理容器に冷凍麺塊とともに水や湯を入
れて電子レンジ調理する方法も可能である。また、冷凍
麺塊をスープやソースと一緒に容器に入れて凍結するタ
イプの冷凍麺商品の場合には、容器ごと火にかけて、あ
るいは容器ごと電子レンジにて調理する方法等も可能で
ある。
【0024】
【実施例】本発明を実施例に基づいて、以下に具体的に
説明するが、本発明は、これら実施例の開示に基づいて
限定的に解釈されるべきではない。
【0025】実験例1 従来方法との比較 小麦粉950gと澱粉50gを混合した原料粉に、食塩
10gとかんすい8g及び乾燥卵白10gを360mlの
水に溶かした練水を加え、ミキサーで15分間混練し麺
生地を作成した。これをロールで圧延して厚さ1.3mm
の麺帯とし、ウエーブボックスを装着した22番の切刃
(角刃)で切出してウエーブの形成された生麺線とし
た。
【0026】次に、得られた生麺線をウエーブを残して
常圧で2分間蒸してα化処理した後、送風冷却し、カッ
ト後、1食分として105gを計り取り、開口部縦9cm
×横13cmの弁当箱型のプラスチックトレーに投入し
た。この時の麺線の水分は35%、麺塊の厚さは平均で
2.6cm、嵩比容2.9ml/gであり、これを比較例1(低
水分で圧縮しない麺塊)とした。
【0027】次に、当該トレーの開口部上方から、トレ
ー開口部より一回り小さい平板状の押圧器具で前記のト
レー中の麺塊を押圧圧縮した。この時の麺塊の厚さは、
平均1.4cmで、嵩比容1.6ml/g(圧縮度で54%)で
あり、これを実施例1とした。
【0028】一方、ウエーブの形成された生麺線を得る
工程までは前記(比較例1、実施例1)と同様に行った
後、該麺線をカットし、約30Lの沸騰水中で30秒間
茹で、水洗冷却し、1食分として170gを計り取り、
前記と同じ縦9cm×横13cmの弁当箱型プラスチックト
レーに投入した。このときの麺線の水分は62%、麺塊
の厚さは平均で2.6cm、嵩比容1.8ml/gであり、これ
比較例2(従来法による麺塊)とした。これら実施例
1、比較例1、2で得た麺塊をトレーに入れたまま−3
5℃の冷凍庫にて急速凍結して実施例1、比較例1、2
の冷凍麺塊を得た。
【0029】次に、実施例1、比較例1、2の各冷凍麺
塊を、実施例1と比較例1については495gの熱湯中
に、比較例2については430gの熱湯中に投入し(冷
凍麺塊と熱湯の合計重量を600gとした)、時々かき
混ぜながら2分間炊いて調理復元し、復元性や食感につ
いて5人のパネラーで評価した。 結果を表1に示し
た。
【0030】
【表1】
【0031】以上の結果から解るように、水分含量の低
い本発明の実施例1の冷凍麺塊は、麺塊がコンパクトで
ありながら、調理復元性が良く、しかも、従来品の比較
例2に比べて麺線間での食感に大きなバラツキがなく、
粘弾性のある美味しい麺として喫食できた。
【0032】また、実施例1、比較例1、2の各冷凍麺
塊(n=3)を約2mの高さからコンクリート面に落下
させて、麺塊の破損、麺線の折れについて観察した。そ
の結果、麺塊を圧縮しない比較例1の冷凍麺塊は、調理
復元性及び食感的には実施例1同様良好であったが、麺
塊の落下試験では麺線の折れが多く、また、麺塊の嵩比
容が大きくて嵩高いために、相対的に多量の包材を必要
とし、さらに流通や保存に際しては広い冷凍スペースを
要するという問題点があった。
【0033】実験例2 圧縮度に関する試験 前記実験例1の実施例1において、押圧の程度のみを変
更して実験を行った。すなわち、麺塊の厚さ1.9cm、
嵩比容2.1ml/g(圧縮度73%)としたものを実施例
とし、麺塊の厚さ2.3cm、嵩比容2.6ml/g(圧縮度
89%)としたものを実施例3とし、さらに麺塊の厚さ
1.1cm、嵩比容1.2ml/g(圧縮度42%)としたもの
比較例3として、これらを実験例1に従って冷凍し、
実施例2、3、比較例3の各冷凍麺塊を得た。これらの
冷凍麺塊を、実験例1に準じて官能試験を行った結果を
表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】上記表2の結果から、麺塊の容積を半分以
下にするような過度の圧縮は、好ましくないと考えられ
た。
【0036】また、これら実施例2、3、比較例3の各
冷凍麺塊(n=3)について、約2mの高さからコンク
リート面に自然落下させて麺線の破損状態をみた所、圧
縮成型していない実験例1の比較例1に比較して麺線、
麺塊の破損防止効果が確認された。
【0037】実験例3 水分調整を行った冷凍麺塊 前記実験例1の実施例1、比較例1に準じてα化処理し
た麺線を作成した(水分35%)。この麺線をカット
後、1食分として115gずつ計量し、各種水分の麺を
以下のようにして作成した。
【0038】まず、前記115gの麺線にほぼ均一に水
を添加して水分を吸収させ、水分含量45%の麺線と
し、これを実施例4の麺線とした。この時の実施例4の
麺重量は138gであった。また、何も処理しない前記
麺線を実施例5の麺線とした(麺重量115g、水分3
5%)。さらに、前記の麺線115gを熱風乾燥機にて
60℃で5分間乾燥させ、水分含量25%の麺線とし、
これを実施例6の麺線とした。この時の実施例6の麺重
量は103gであった。
【0039】これら実施例4〜6の麺線を実施例1に準
じてトレーに投入し、実施例1に準じて押圧し、圧縮度
を約60%に圧縮した。圧縮した麺塊を急速冷凍し、実
施例4〜6の圧縮冷凍麺塊とした。得られた冷凍圧縮麺
塊は、実験例1に準じて官能試験を行った。なお、この
場合、調理は各冷凍麺塊と熱湯の合計重量が600gと
なるよう熱湯を入れ鍋で炊いて調理した。その結果を表
3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】上記表3の結果に示すように、いずれの麺
塊も麺線間の食感のバラツキは少なく好ましい粘弾性を
有する麺に調理復元された。この場合、調理復元に要し
た時間は実施例4(水分45%)や実施例5(水分35
%)のものでは2分であったのに対し、実施例6(水分
25%)のものでは3分を要した。しかし、3分は通常
の即席麺に適用される調理時間であり、調理復元性は基
本的に良好と言える。
【0042】実験例4 太麺(うどん)での圧縮成型効
果 中力小麦粉800g、タピオカ澱粉200gからなる原
料粉に、食塩10gを360mlの水に溶解して加え、ミ
キサーで常圧で15分混合して麺生地を調製し、ロール
で圧延して厚さ3.0mmの麺帯とし、これをウエーブボ
ックスを備えた10番の番手の切刃(角刃)にて切出し
てウエーブ付き生麺線とした。この生麺線を、ウエーブ
を崩すことなく4分蒸してα化処理した後、送風冷却
し、カット、ほぐし後、1食分として105gを計り取
り、開口部縦9cm×横13cmの弁当箱型のプラスチック
トレーに投入した。この時の麺線の水分は33%、麺塊
の厚みは3.0cm、嵩比容は3.3ml/gであった。これを
比較例4とした。
【0043】次に、この麺線を当該トレーの開口部上方
から、トレー開口部より一回り小さい平板状の押圧器具
でトレー中の麺塊を押圧圧縮した。この時の麺塊の厚み
は2.1cm、嵩比容は2.3ml/g、圧縮度は70%であっ
た。これを実施例7とした。
【0044】一方、従来の製法として、前記比較例5、
実施例7の製法において、切出し後の生麺線105gを
10分間茹でてα化したのち、水洗冷却し、比較例4、
実施例7と同じプラスチックトレーに投入した。これを
比較例5とした。この麺線の水分含量は69%、麺重量
は215g、麺塊の厚みは2.4cmであった。
【0045】これらの麺塊をトレーから取り出して棚に
並べ、−35℃の冷凍庫にて急速凍結して、実施例7、
比較例4、比較例5の各冷凍麺塊を得た。次に、これら
実施例7、比較例4、5の各冷凍麺塊について、冷凍麺
塊と熱湯の合計が650gとなるように熱湯を加えて、
ちょうど良い復元状態になるように炊いて調理復元し、
復元性や食感について5人のパネラーで評価したとこ
ろ、比較例5の麺は復元性にむらがあり柔らかすぎる麺
が見られたが、実施例7の麺は均一に復元されており、
粘弾性のある好ましい麺であった。
【0046】また、これら実施例7、比較例4、5の各
冷凍麺塊(n=3)について、約2mの高さからコンク
リート上に2回自然落下させて麺の折れを調べた結果、
比較例4では細かく折れた麺の重量が麺重量の55%に
達したのに対し、実施例7は21%であり、麺塊の破損
が顕著に抑えられた。
【0047】実験例5 包装体を収縮させて圧縮成型し
たもの 準強力小麦粉1kgに、食塩10g、かんすい7g、乾燥
卵白末10gを水に溶かした練水360mlを加え、ミキ
サーで15分間常圧で混練して麺生地を作成し、これを
ロール圧延して内層用麺帯とした。一方、準強力粉95
0gとタピオカ澱粉50gからなる原料粉に、食塩10
g、かんすい7gを水に溶かした練水370mlを加え、
真空ミキサーで-600mmHg下15分間混練して麺生地
を作成し、これをロール圧延して外層用麺帯とした。
【0048】このようにして得られた麺帯を外層用麺帯
/内層用麺帯/外層用麺帯として重ね合わせて、ロール
で貼合わせと圧延を行い、厚さ1.3mmの麺帯とし、ウ
エーブボックスを備えた22番の切刃(角刃)で切出し
て麺線とした。得られたウエーブ形成生麺線を100℃
の蒸気で2分間蒸してα化処理し、蒸し後、送風冷却
し、1食分として105gにカットした。この時の麺線
の水分含量は35%であった。
【0049】次に、この麺線をポリエチレン製袋に投入
し、脱気孔を残してシールした。脱気孔に吸引ノズルを
接続して袋内を脱気し、形状を整えながら圧縮した。圧
縮した麺塊の体積が230cm3程度(嵩比容約2.2ml/
g)になったところで脱気を止め、袋に入れたまま−3
5℃の冷凍庫に入れて急速凍結して実施例8の冷凍麺塊
を得た。本実施例8において、圧縮処理を行わない場合
の嵩比容は約3.0ml/gであったことから、実施例8の
冷凍麺塊は圧縮度として73%に圧縮された状態であ
る。この冷凍麺塊を熱湯500mlに入れ2分間炊いて調
理して食したところ、この麺塊の湯戻りは良好で、且つ
均一な食感を有していた。
【0050】
【発明の効果】本発明の方法によって得られた冷凍麺
は、麺塊が圧縮状態であるにもかかわらず麺線間の接着
が少なく、しかも調理時に均等に熱湯が麺塊全体に行き
渡り易い。そのため、麺線が均一に調理復元され、麺塊
表面部分が調理過剰となることがなく、粘弾性のある食
感の良い麺に調理復元することができる。
【0051】また、本発明の冷凍麺においては、麺線の
水分が低いために、麺塊の凍結に要する時間を短くする
ことが可能となる。凍結に要する時間が短いと、凍結時
における麺線内の水分の均一化を止めることができ、中
芯感があって粘弾性のある美味しい麺とすることができ
る。また、本発明の麺塊は圧縮されているために、容積
(麺線間の空隙を含む)が少なく、流通や保存時の冷凍
スペースが少なくて済む。家庭用の冷凍庫のスペースを
考えたとき、麺塊の容積が少しでも小さいことは、極め
て有利なことである。
【0052】さらに、本発明にあっては、特に中華麺等
の細物の麺にあっては、復元調理時間が従来品より早い
傾向にある。また、中華麺等のウエーブを有する麺線の
場合には、これを圧縮せずに冷凍すると相対的に麺塊の
容積が増してしまうが、本発明の方法を採ることで、復
元性を維持しながら、しかも、容積を50%程度まで減
らすことができる。さらに、本発明品の冷凍麺塊は麺塊
が圧縮されているために、麺塊外周部に位置する麺線の
折れや、麺塊の割れ等が低減され、流通や製造時の取扱
いにおいても好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B046 LA01 LB10 LC12 LC20 LE13 LP14 LP34 LP38 LP69 LP71 LP80 LQ05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分が25〜45%のα化処理を施した
    麺線からなる麺塊を圧縮成型して凍結する工程を有する
    冷凍麺類の製造方法
  2. 【請求項2】 前記圧縮成型が、麺線を成型トレー又は
    包装体に投入した後、この麺塊を圧縮する方法である請
    求項1に記載の冷凍麺類の製造方法
  3. 【請求項3】 前記圧縮成型が、麺線を成型トレー又は
    包装体に投入した時の麺塊の容積に対して、50〜95
    %の容積に圧縮する方法である請求項2に記載の冷凍麺
    類の製造方法
  4. 【請求項4】 前記水分が25〜45%のα化処理を施
    した麺線が、生麺または乾麺もしくは半乾麺を蒸してα
    化処理した麺線である請求項1ないし3のいずれかに記
    載の冷凍麺類の製造方法
  5. 【請求項5】 前記水分が25〜45%のα化処理を施
    した麺線が、α化処理した麺線に乾燥処理を施して水分
    を調整した麺線である請求項1ないし4のいずれかに記
    載の冷凍麺類の製造方法
  6. 【請求項6】 水分が25〜45%のα化処理が施され
    た麺線よりなる圧縮冷凍麺塊
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