JP3891751B2 - 冷凍麺類及びその製造方法 - Google Patents

冷凍麺類及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、均一な調理復元がなされ、食感が良好で、しかも、嵩張らない冷凍麺類とその製造方法に関する。特に該冷凍麺類が中華麺のような細物の場合においては、さらに調理復元性にも優れた冷凍麺類とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷凍麺は、通常、切出した麺線を茹でた後、水洗冷却し、成型容器に投入して急速凍結して製造される。この場合、凍結前の麺線は、茹で工程及び水洗冷却工程を経るために、水分が50%以上となって柔らかく、しかも、麺線表面は澱粉質が溶けだした状態となっているため、成型容器に投入すると、麺線が相互に密に接着して麺線間に空隙の少ない麺塊となってしまう。その結果、凍結工程において、麺塊の中心部や麺線の接着部位が凍結しにくくなり、凍結に長時間を要するだけでなく、麺塊中心部の麺線は緩慢凍結となって食感が損なわれてしまう。また、このようにして得られた冷凍麺は、調理復元時、麺塊中心部や麺線接着部の麺線の加熱が行い難く、湯戻り性が悪いため、麺塊中心部まで熱を加えるに必要な調理復元所要時間は長くなり、その結果、麺塊表面部の麺線は茹でのびした状態となって、不均一でムラのある食感の麺に調理復元されてしまう。
【0003】
このような冷凍麺の調理復元性の改良と不均一な食感の改良の方法として、麺塊と湯との接触面積ができるだけ多くなるように、麺塊に凹凸を設けて麺塊の表面積を多くした冷凍麺が、特開昭60-105467号や特開平7-203887号に開示されている。しかし、これらの方法では麺線間の密な接着は防止されず、均一な調理復元性を得るには不十分であった。
【0004】
また、前記の問題点の改良方法として、麺塊内に空隙を多くして麺線同士の接着面積を減らす方法もある。すなわち、切出した麺線に強いウェーブをかけて茹でる方法や、麺線を冷水で急冷して麺塊の断層空間率を通常の冷凍麺より大きく40〜80%にする方法(特開平3-201957号)がある。しかし、これらのいずれの方法によっても、麺塊内の空隙を充分に取ることは難しく、均一な調理復元性を十分に満足させることは困難であった。さらに、このようにして冷凍麺塊内に空隙を多く形成させると、該麺塊は嵩張って、流通や保存に要する冷凍スペースを多く必要とし、保存スペースの小さな家庭用冷凍庫には不向きであるだけでなく、包装資材も多く要する。さらに、このような嵩張った冷凍麺塊は外部からの物理的衝撃に弱く、冷凍後の包装や流通等の段階における取扱いによって、麺線の折れが発生し易く、その場合、商品価値が下がるという問題点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような問題点に対して本発明の課題とするところは、従来の冷凍麺と比較して、麺塊凍結時に凍結所要時間が短縮され、且つ、調理時に調理ムラがなくて均一に調理でき、更に、麺塊の体積が嵩張らず、麺折れ等による商品価値の低下を起こしにくい冷凍麺塊を得ることにある。
【0006】
また、本発明の課題としては、冷凍中華麺などの細物の冷凍麺において、前記のような利点を有しながらも、調理に際しては、従来品よりも調理復元性が改善された冷凍麺塊を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上掲の課題を解決すべく発明されたものであって、その要旨とするところは、水分が25〜45%のα化処理を施した麺線からなる麺塊を圧縮成型して凍結する工程を有する冷凍麺類の製造方法である。また、本発明は当該圧縮成型の方法として、前記麺線を成型トレー又は包装体に投入した後、該成型トレー又は包装体内の該麺線塊を圧縮する冷凍麺類の製造方法である。
【0008】
また、その圧縮成型の程度としては、前記麺線を成型トレー又は包装体に投入した時の麺塊の容積(空隙部を含む)に対して、50〜95%の容積になるように圧縮成型する冷凍麺類の製造方法である。このような圧縮成型方法として好ましい方法は、成型トレーに投入された麺線塊を押圧部材や可動するトレーの壁面によって押圧する方法、あるいは、収縮可能な包装体に投入された麺塊を該包装体内を減圧吸引することで包装体ごと収縮させる方法等がある。
【0009】
また、本発明は、前記冷凍麺の製造方法において、水分含量が25〜45%のα化処理を施した麺線が、生麺または乾麺もしくは半乾麺を蒸すか、あるいは、茹で及び/又は蒸しによってα化処理した麺線に乾燥処理を施して水分を25〜45%に調整した麺線である冷凍麺類の製造方法である。
【0010】
さらに本発明は、水分が25〜45%のα化処理が施された麺線よりなる圧縮冷凍麺塊であり、好ましくは該麺線が麺厚1.7mm以下の中華麺の冷凍麺塊である。
【0011】
このような冷凍麺塊、及び前記の製造方法によって製造された本発明の冷凍麺は、凍結所要時間が短く、麺塊の形状は嵩張らず、麺線の折れ等に伴う商品価値の低下が起きにくく、調理においては均一に麺線の復元が行えるという優れた特徴を有するものである。特に、冷凍麺類が麺厚1.7mm以下の麺線の細い中華麺などの場合には、調理復元に要する時間は従来の冷凍麺よりむしろ早く、しかも、従来のものより、中芯感のあるコシのある麺とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる麺は、α化処理を施した麺であって、水分を25〜45%に調整したものである。一般的な冷凍麺の場合、冷凍前の麺線の水分は、中華麺等の細物で55〜65%程度、うどん等の太物の場合では60〜70%程度であり、これに比較すると、本発明に使用する水分が25〜45%のα化処理を施した麺というのは、かなり水分の低い麺である。
【0013】
このような水分の低いα化処理を施した麺線の製造方法としては、次のような方法が可能である。例えば、常法によって製造された生麺線を蒸すという方法であり、この方法によって、水分を余り上げることなくα化処理できる。通常、小麦粉を主原料とする原材料に加水して製麺した生麺線の水分は32〜40%程度であり、この生麺線のα化処理を蒸しで行うことによって、水分が45%以下のα化処理を施した麺線を得ることができる。
【0014】
また、生麺線を一旦乾燥させた乾麺、あるいは、半乾麺を用いて、これらを蒸して、あるいは、茹でてα化処理を行っても良い。さらに、乾麺、半乾麺の代わりに即席麺を用いることもできる。また、乾麺、即席麺、生麺を、茹でまたは蒸しによってα化処理を施し、これを乾燥して麺線の水分を25〜45%まで低下させる方法も可能である。例えば、麺線のα化処理を茹でで行って水分が60%にまで達した場合でも、この麺線を乾燥して水分を所定範囲まで低下させて使用することができる。乾燥方法としては、熱風乾燥、マイクロウェーブ乾燥、真空凍結乾燥等の他に、室内または屋外での自然乾燥、あるいは、湿度調整下での乾燥等、各種の方法が使用できる。
【0015】
以上のような方法が本発明でいう水分25〜45%のα化処理した麺線を得る方法として好ましいが、α化処理した麺線の水分含量を25〜45%に調整できるのであれば、前記の方法に限らず、その他の方法も適用可能である。なお、ここで言うα化処理は、麺線が完全α化されるまで行う必要はなく、部分α化される程度でも構わない。しかし、α化度を高めた方が、調理復元時間の短縮や、調理後の穀物臭さの抑制などの観点から好ましい。
【0016】
これら水分25〜45%に調整されたα化処理された麺線の原材料或いはその製造方法としては、製麺で用いられる一般的な原材料と製麺方法が使用できる。すなわち、原材料は小麦粉、そば粉、澱粉等を主原料とし、これに水、必要に応じて、かんすい、食塩、卵白、グルテン、増粘剤、色素等を添加して混練し、次いで、押出して麺線とするか、ロール等で圧延した後切出して麺線とする。なお、麺線にウェーブを形成させると、麺線間の接着面積を減らすことができるので(麺線間の接着を面から線に変えることができるため)、本発明においては、ウエーブボックス或いはラバーなどを装着した切刃を用いて切出しを行って、麺線にウエーブを形成させるのが好ましい。また、製麺における混練、押出し等の工程は、これを減圧下で行ってもよく、減圧下で行うことによって麺質を更に緻密でコシのあるものにできる。このようにして得られた生麺線は、前記に準じて、α化処理され、且つ、水分25〜45%に調整される。
【0017】
次に、水分調整された麺線を圧縮して冷凍する。圧縮の方法としては所定量の麺線を成型トレー、あるいは包装体内に投入した後、投入された該麺線の塊(麺塊)を圧縮する方法が成型性の点や均一な圧縮ができる点で好ましい。しかし、麺線の塊を押圧装置等で圧縮した後にトレー等に投入して冷凍しても構わない。
【0018】
トレーを用いる場合、使用する成型トレーは、冷凍麺塊を製造するために繰り返し使用される成型凍結用の剛性トレーであっても良いし、最終商品をトレーごと流通する場合にはそのトレーであっても構わない。又、包装体の場合は麺塊が圧縮や押圧時に自由に拡がることがないような袋体等のものが使用可能である。これら、成型トレー、包装体の好ましい形態例としては、上面がオープンな弁当箱型の樹脂製、金属製あるいは紙製のトレーや、上面と底面がオープンで麺塊が横に拡がらないような筒状紙製のトレー、壁面が可動する金属製のトレー、あるいは、押圧時に包装体内部の空気が排出される排気口を有する袋体等、その他各種のものがある。
【0019】
なおここで、投入する麺線の量としては、通常は最終製品に包装される個食分とするが、必ずしも当該個食分である必要はなく、例えば数食分や余分量を含む量を所定量として投入し、圧縮、冷凍した後、得られた冷凍麺塊を切断して重量を調節し、個食に分ける事も可能である。
【0020】
圧縮の方法としては、成型トレーに入れて圧縮する方法の場合、トレーの開口部上部から押圧部材によって麺塊を圧縮する方法、トレーの可動面を絞り込んで圧縮する方法等が好ましく、また、包装体に投入して圧縮する方法の場合、包装体ごと押圧部材で押圧する方法、包装袋内を真空ポンプ等で脱気処理することによって、包装体ごと収縮させる方法等が好ましい。
【0021】
一方、圧縮の程度としては、麺線が潰されたり、麺線間に空隙がなくなるような強い圧縮は好ましくなく、麺線を成型トレーまたは包装体に投入した時の麺塊の容積(麺線間の空隙を含む)に対して、該容積の50〜95%にするように圧縮するのが好ましい。(本願では、このように、トレーなどに所定量の麺線を投入した時の空隙を含む麺塊の容積に対する圧縮後の容積の割合を圧縮度と定め、例えば、前記の場合には、圧縮度50〜95%と言うこととする。)
圧縮された麺塊は、トレー或いは包装体に入れたまま、もしくは、これらから取り出されて凍結される。凍結は、圧縮後はできるだけ早く凍結させるのが好ましく、−20℃以下、好ましくは−35℃以下にて急速凍結するのが一般的であるが、−20℃以下のアルコール溶液等に浸漬するブライン凍結等の方法も可能である。
【0022】
このようにして得た本発明の冷凍麺の製品形態としては、ラーメン、焼きそば等の中華麺や、うどん、そば等の和風麺、スパゲティー等のパスタ類等、各種形態のものが可能であるが、本発明は特に中華麺等の細物の麺に適用するのが好ましい。麺線が細い場合は、麺塊内(麺線間)に空隙が比較的多く形成されており、圧縮後の麺塊の容積を従来品に比べてかなり小さくすることができ、また麺線が細いことで、水分が低くても湯戻りの早い麺とすることができる。一般的に麺線の湯戻りには、麺線の太さ、水分、α化度などが関与するが、細い麺線の冷凍麺の場合は、麺線の水分が高いと融解熱として相対的に多くの熱量を必要とするため、水分が低い方が加熱調理復元時間が短かい。すなわち、本発明の場合、麺線は予めα化処理されており、且つ、水分が低く抑えられているので、細い麺線の冷凍麺に適用すると、調理復元時間の短い冷凍麺製品とすることができる。中でも、本発明の麺がウエーブ状の細い麺線から構成される中華麺の場合には、空隙が多く形成された嵩高い麺塊となるので、本発明を適用するのが好ましい。なお、本発明における細い麺、あるいは細物の麺としては、麺線厚1.7mm以下、切出し麺の場合は18番以上の番手の切刃(切刃の番手の数が大きくなるほど切出された麺線は細くなる)で切出した麺が良い。
【0023】
本発明によって得られた冷凍麺の調理方法としては、冷凍麺塊を沸騰水中で炊いて調理するのが一般的であるが、調理容器に冷凍麺塊とともに水や湯を入れて電子レンジ調理する方法も可能である。また、冷凍麺塊をスープやソースと一緒に容器に入れて凍結するタイプの冷凍麺商品の場合には、容器ごと火にかけて、あるいは容器ごと電子レンジにて調理する方法等も可能である。
【0024】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて、以下に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべきではない。
【0025】
実験例1 従来方法との比較
小麦粉950gと澱粉50gを混合した原料粉に、食塩10gとかんすい8g及び乾燥卵白10gを360mlの水に溶かした練水を加え、ミキサーで15分間混練し麺生地を作成した。これをロールで圧延して厚さ1.3mmの麺帯とし、ウエーブボックスを装着した22番の切刃(角刃)で切出してウエーブの形成された生麺線とした。
【0026】
次に、得られた生麺線をウエーブを残して常圧で2分間蒸してα化処理した後、送風冷却し、カット後、1食分として105gを計り取り、開口部縦9cm×横13cmの弁当箱型のプラスチックトレーに投入した。この時の麺線の水分は35%、麺塊の厚さは平均で2.6cm、嵩比容2.9ml/gであり、これを比較例1(低水分で圧縮しない麺塊)とした。
【0027】
次に、当該トレーの開口部上方から、トレー開口部より一回り小さい平板状の押圧器具で前記のトレー中の麺塊を押圧圧縮した。この時の麺塊の厚さは、平均1.4cmで、嵩比容1.6ml/g(圧縮度で54%)であり、これを実施例1とした。
【0028】
一方、ウエーブの形成された生麺線を得る工程までは前記(比較例1、実施例1)と同様に行った後、該麺線をカットし、約30Lの沸騰水中で30秒間茹で、水洗冷却し、1食分として170gを計り取り、前記と同じ縦9cm×横13cmの弁当箱型プラスチックトレーに投入した。このときの麺線の水分は62%、麺塊の厚さは平均で2.6cm、嵩比容1.8ml/gであり、これを比較例2(従来法による麺塊)とした。これら実施例1、比較例1、2で得た麺塊をトレーに入れたまま−35℃の冷凍庫にて急速凍結して実施例1、比較例1、2の冷凍麺塊を得た。
【0029】
次に、実施例1、比較例1、2の各冷凍麺塊を、実施例1と比較例1については495gの熱湯中に、比較例2については430gの熱湯中に投入し(冷凍麺塊と熱湯の合計重量を600gとした)、時々かき混ぜながら2分間炊いて調理復元し、復元性や食感について5人のパネラーで評価した。 結果を表1に示した。
【0030】
【表1】
Figure 0003891751
【0031】
以上の結果から解るように、水分含量の低い本発明の実施例1の冷凍麺塊は、麺塊がコンパクトでありながら、調理復元性が良く、しかも、従来品の比較例2に比べて麺線間での食感に大きなバラツキがなく、粘弾性のある美味しい麺として喫食できた。
【0032】
また、実施例1、比較例1、2の各冷凍麺塊(n=3)を約2mの高さからコンクリート面に落下させて、麺塊の破損、麺線の折れについて観察した。その結果、麺塊を圧縮しない比較例1の冷凍麺塊は、調理復元性及び食感的には実施例1同様良好であったが、麺塊の落下試験では麺線の折れが多く、また、麺塊の嵩比容が大きくて嵩高いために、相対的に多量の包材を必要とし、さらに流通や保存に際しては広い冷凍スペースを要するという問題点があった。
【0033】
実験例2 圧縮度に関する試験
前記実験例1の実施例1において、押圧の程度のみを変更して実験を行った。すなわち、麺塊の厚さ1.9cm、嵩比容2.1ml/g(圧縮度73%)としたものを 施例2とし、麺塊の厚さ2.3cm、嵩比容2.6ml/g(圧縮度89%)としたものを実施例3とし、さらに麺塊の厚さ1.1cm、嵩比容1.2ml/g(圧縮度42%)としたものを比較例3として、これらを実験例1に従って冷凍し、実施例2、3、比較例3の各冷凍麺塊を得た。これらの冷凍麺塊を、実験例1に準じて官能試験を行った結果を表2に示した。
【0034】
【表2】
Figure 0003891751
【0035】
上記表2の結果から、麺塊の容積を半分以下にするような過度の圧縮は、好ましくないと考えられた。
【0036】
また、これら実施例2、3、比較例3の各冷凍麺塊(n=3)について、約2mの高さからコンクリート面に自然落下させて麺線の破損状態をみた所、圧縮成型していない実験例1の比較例1に比較して麺線、麺塊の破損防止効果が確認された。
【0037】
実験例3 水分調整を行った冷凍麺塊
前記実験例1の実施例1、比較例1に準じてα化処理した麺線を作成した(水分35%)。この麺線をカット後、1食分として115gずつ計量し、各種水分の麺を以下のようにして作成した。
【0038】
まず、前記115gの麺線にほぼ均一に水を添加して水分を吸収させ、水分含量45%の麺線とし、これを実施例4の麺線とした。この時の実施例4の麺重量は138gであった。また、何も処理しない前記麺線を実施例5の麺線とした(麺重量115g、水分35%)。さらに、前記の麺線115gを熱風乾燥機にて60℃で5分間乾燥させ、水分含量25%の麺線とし、これを実施例6の麺線とした。この時の実施例6の麺重量は103gであった。
【0039】
これら実施例4〜6の麺線を実施例1に準じてトレーに投入し、実施例1に準じて押圧し、圧縮度を約60%に圧縮した。圧縮した麺塊を急速冷凍し、実施例4〜6の圧縮冷凍麺塊とした。得られた冷凍圧縮麺塊は、実験例1に準じて官能試験を行った。なお、この場合、調理は各冷凍麺塊と熱湯の合計重量が600gとなるよう熱湯を入れ鍋で炊いて調理した。その結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
Figure 0003891751
【0041】
上記表3の結果に示すように、いずれの麺塊も麺線間の食感のバラツキは少なく好ましい粘弾性を有する麺に調理復元された。この場合、調理復元に要した時間は実施例4(水分45%)や実施例5(水分35%)のものでは2分であったのに対し、実施例6(水分25%)のものでは3分を要した。しかし、3分は通常の即席麺に適用される調理時間であり、調理復元性は基本的に良好と言える。
【0042】
実験例4 太麺(うどん)での圧縮成型効果
中力小麦粉800g、タピオカ澱粉200gからなる原料粉に、食塩10gを360mlの水に溶解して加え、ミキサーで常圧で15分混合して麺生地を調製し、ロールで圧延して厚さ3.0mmの麺帯とし、これをウエーブボックスを備えた10番の番手の切刃(角刃)にて切出してウエーブ付き生麺線とした。この生麺線を、ウエーブを崩すことなく4分蒸してα化処理した後、送風冷却し、カット、ほぐし後、1食分として105gを計り取り、開口部縦9cm×横13cmの弁当箱型のプラスチックトレーに投入した。この時の麺線の水分は33%、麺塊の厚みは3.0cm、嵩比容は3.3ml/gであった。これを比較例4とした。
【0043】
次に、この麺線を当該トレーの開口部上方から、トレー開口部より一回り小さい平板状の押圧器具でトレー中の麺塊を押圧圧縮した。この時の麺塊の厚みは2.1cm、嵩比容は2.3ml/g、圧縮度は70%であった。これを実施例7とした。
【0044】
一方、従来の製法として、前記比較例5、実施例7の製法において、切出し後の生麺線105gを10分間茹でてα化したのち、水洗冷却し、比較例4、実施例7と同じプラスチックトレーに投入した。これを比較例5とした。この麺線の水分含量は69%、麺重量は215g、麺塊の厚みは2.4cmであった。
【0045】
これらの麺塊をトレーから取り出して棚に並べ、−35℃の冷凍庫にて急速凍結して、実施例7、比較例4、比較例5の各冷凍麺塊を得た。次に、これら実施例7、比較例4、5の各冷凍麺塊について、冷凍麺塊と熱湯の合計が650gとなるように熱湯を加えて、ちょうど良い復元状態になるように炊いて調理復元し、復元性や食感について5人のパネラーで評価したところ、比較例5の麺は復元性にむらがあり柔らかすぎる麺が見られたが、実施例7の麺は均一に復元されており、粘弾性のある好ましい麺であった。
【0046】
また、これら実施例7、比較例4、5の各冷凍麺塊(n=3)について、約2mの高さからコンクリート上に2回自然落下させて麺の折れを調べた結果、比較例4では細かく折れた麺の重量が麺重量の55%に達したのに対し、実施例7は21%であり、麺塊の破損が顕著に抑えられた。
【0047】
実験例5 包装体を収縮させて圧縮成型したもの
準強力小麦粉1kgに、食塩10g、かんすい7g、乾燥卵白末10gを水に溶かした練水360mlを加え、ミキサーで15分間常圧で混練して麺生地を作成し、これをロール圧延して内層用麺帯とした。一方、準強力粉950gとタピオカ澱粉50gからなる原料粉に、食塩10g、かんすい7gを水に溶かした練水370mlを加え、真空ミキサーで-600mmHg下15分間混練して麺生地を作成し、これをロール圧延して外層用麺帯とした。
【0048】
このようにして得られた麺帯を外層用麺帯/内層用麺帯/外層用麺帯として重ね合わせて、ロールで貼合わせと圧延を行い、厚さ1.3mmの麺帯とし、ウエーブボックスを備えた22番の切刃(角刃)で切出して麺線とした。得られたウエーブ形成生麺線を100℃の蒸気で2分間蒸してα化処理し、蒸し後、送風冷却し、1食分として105gにカットした。この時の麺線の水分含量は35%であった。
【0049】
次に、この麺線をポリエチレン製袋に投入し、脱気孔を残してシールした。脱気孔に吸引ノズルを接続して袋内を脱気し、形状を整えながら圧縮した。圧縮した麺塊の体積が230cm3程度(嵩比容約2.2ml/g)になったところで脱気を止め、袋に入れたまま−35℃の冷凍庫に入れて急速凍結して実施例8の冷凍麺塊を得た。本実施例8において、圧縮処理を行わない場合の嵩比容は約3.0ml/gであったことから、実施例8の冷凍麺塊は圧縮度として73%に圧縮された状態である。この冷凍麺塊を熱湯500mlに入れ2分間炊いて調理して食したところ、この麺塊の湯戻りは良好で、且つ均一な食感を有していた。
【0050】
【発明の効果】
本発明の方法によって得られた冷凍麺は、麺塊が圧縮状態であるにもかかわらず麺線間の接着が少なく、しかも調理時に均等に熱湯が麺塊全体に行き渡り易い。そのため、麺線が均一に調理復元され、麺塊表面部分が調理過剰となることがなく、粘弾性のある食感の良い麺に調理復元することができる。
【0051】
また、本発明の冷凍麺においては、麺線の水分が低いために、麺塊の凍結に要する時間を短くすることが可能となる。凍結に要する時間が短いと、凍結時における麺線内の水分の均一化を止めることができ、中芯感があって粘弾性のある美味しい麺とすることができる。また、本発明の麺塊は圧縮されているために、容積(麺線間の空隙を含む)が少なく、流通や保存時の冷凍スペースが少なくて済む。家庭用の冷凍庫のスペースを考えたとき、麺塊の容積が少しでも小さいことは、極めて有利なことである。
【0052】
さらに、本発明にあっては、特に中華麺等の細物の麺にあっては、復元調理時間が従来品より早い傾向にある。また、中華麺等のウエーブを有する麺線の場合には、これを圧縮せずに冷凍すると相対的に麺塊の容積が増してしまうが、本発明の方法を採ることで、復元性を維持しながら、しかも、容積を50%程度まで減らすことができる。さらに、本発明品の冷凍麺塊は麺塊が圧縮されているために、麺塊外周部に位置する麺線の折れや、麺塊の割れ等が低減され、流通や製造時の取扱いにおいても好ましい。

Claims (6)

  1. 水分が25〜45%のα化処理を施した麺線からなる麺塊を圧縮成型して凍結する工程を有する冷凍麺類の製造方法
  2. 前記圧縮成型が、麺線を成型トレー又は包装体に投入した後、この麺塊を圧縮する方法である請求項1に記載の冷凍麺類の製造方法
  3. 前記圧縮成型が、麺線を成型トレー又は包装体に投入した時の麺塊の容積に対して、50〜95%の容積に圧縮する方法である請求項2に記載の冷凍麺類の製造方法
  4. 前記水分が25〜45%のα化処理を施した麺線が、生麺または乾麺もしくは半乾麺を蒸してα化処理した麺線である請求項1ないし3のいずれかに記載の冷凍麺類の製造方法
  5. 前記水分が25〜45%のα化処理を施した麺線が、α化処理した麺線に乾燥処理を施して水分を調整した麺線である請求項1ないし4のいずれかに記載の冷凍麺類の製造方法
  6. 水分が25〜45%のα化処理が施された麺線よりなる圧縮冷凍麺塊
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