JPH11225694A - マイクロ波調理用茹でうどん - Google Patents

マイクロ波調理用茹でうどん

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JPH11225694A
JPH11225694A JP10052976A JP5297698A JPH11225694A JP H11225694 A JPH11225694 A JP H11225694A JP 10052976 A JP10052976 A JP 10052976A JP 5297698 A JP5297698 A JP 5297698A JP H11225694 A JPH11225694 A JP H11225694A
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Kenjiro Horigome
健二郎 堀米
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肇 明石
Yasuhiro Tanaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子レンジ等のマイクロ波調理器を用いて加
熱調理したときに、短い調理時間で、適度な硬さを有
し、粘りに優れ、弾力性や滑らかさに富む、良好な食感
を有する調理うどんを得ることのできるマイクロ波調理
用うどん、及びその製法を提供すること。 【解決手段】 化工タピオカ澱粉及び化工馬鈴薯澱粉か
ら選ばれる少なくとも1種の化工澱粉を、原料穀粉の全
重量に基づいて3〜50重量%の割合で用い、且つ茹で
あげ歩留りが190〜250%である本発明のマイクロ
波調理用茹でうどん、並びに、化工タピオカ澱粉及び化
工馬鈴薯澱粉から選ばれる少なくとも1種の化工澱粉を
原料穀粉の全重量に基づいて3〜50重量%の割合で用
いて生うどんを製造した後、前記生うどんを190〜2
50%の歩留りに茹であげる、本発明のマイクロ波調理
用茹でうどんの製造法により上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロ波調理用茹
でうどんおよびその製造方法に関する。より詳細には、
本発明は、電子レンジなどのマイクロ波調理器を用いて
加熱調理したときに、短い調理時間で、適度な硬さを有
し、粘りに優れ、しかも弾力性や滑らかさに富む、良好
な食感を有する調理うどんを得ることのできるマイクロ
波調理用茹でうどんおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、茹でうどんは、喫食状態またはそ
れよりも低い歩留り(一般に280〜300%の歩留
り)に茹であげたものを、常温または冷蔵温度で保存、
流通、販売している。茹でうどんは、沸騰水中に入れて
短時間再加熱するか、容器に入れて熱湯を注ぐか、また
は水で洗うだけで直ちに喫食が可能であり、調理時間が
極めて短くて済み、利便性および即席性に優れているこ
とから、消費者にとって大きな利点がある。しかしなが
ら、茹でうどんは、保存、流通時などに麺のびが生じ
て、麺の粘弾性、コシ、歯ごたえなどが失われ易く、生
うどんや乾燥うどんから茹であげた直後のものに比べて
食感が大きく劣っているという欠点がある。茹でうどん
などの茹で麺類における麺のびを防止するために、製麺
方法や原料配合などの点から多くの検討がなされてきた
が、未だ十分に満足のゆくものが得られておらず、生麺
や乾燥麺を茹であげた直後のような良好な食感を長時間
に亙って維持することが困難である。
【0003】一方、短時間で食品の加熱や調理ができる
という利便性から、近年電子レンジなどのマイクロ波加
熱調理器が普及しており、種々の食品の加熱や調理に汎
用されている。そのため、麺類においても、マイクロ波
を用いる加熱調理方法や、マイクロ波加熱に適した麺類
の開発が試みられており、そのような従来技術として
は、タピオカ澱粉を含有するか、または馬鈴薯澱粉と
ワキシーコーンスターチを含有する電子レンジ調理用生
麺類(特開平2−286053号公報)、生麺の状態
でマイクロ波を照射した煮込み用または電子レンジ調理
用の生麺類(特開平2−286051号公報、特開平8
−275747号公報)、ステアリン酸及びパルミチ
ン酸を主とする脂肪酸と蔗糖とのエステルを混合した電
子レンジ調理用生麺(特開平2−19058号公報)、
生麺の状態で遠赤外線を照射した電子レンジ調理用生
麺(特開平2−286052号公報)、蒸煮した麺類
を有機酸含有液に浸漬してpHを4.0〜5.8に調整
してから高周波を照射して殺菌した電子レンジ加熱用茹
で麺(特開平2−200156号公報)を挙げることが
できる。
【0004】しかしながら、上記〜の従来技術は、
いずれも生麺の状態で保存、流通、販売される電子レン
ジ調理用麺であり、そのためそれらの生麺に湯や水を注
いで電子レンジで加熱調理した場合に、ラーメンや日本
そばなどのような細物の麺類では短時間の電子レンジ加
熱で喫食可能な状態に調理する(茹であげる)ことがで
きても、うどんのような太物の麺類では短時間の電子レ
ンジ加熱では喫食状態にまで調理する(茹であげる)こ
とが困難であった。これらの従来技術で得られるうどん
などの太物の麺類を完全にα化するまで電子レンジで長
時間加熱すると、過度の加熱によって麺の表面が溶けた
ような状態となり、食感や外観が大きく低下し、しかも
短時間加熱という電子レンジ本来の利便性を活かせない
という欠点がある。また、上記の従来技術の電子レン
ジ調理用茹で麺は、電子レンジで短時間加熱するだけで
簡単に加熱することができるが、完全に茹であげられた
状態で保存、流通、販売されるため、麺のびが大きく、
釜上げ状態の良好な食感を保つことが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
レンジなどのマイクロ波加熱調理器によって短時間加熱
するだけで、釜上げ状態の良好な食感を有していて、適
度な硬さで、粘り、滑らかさ、弾力性に優れる調理うど
んを得ることのできる、食感、即席性、利便性に優れる
高品質のマイクロ波加熱用うどんおよびその製造方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らは種々検討を重ねてきた。その結果、マイク
ロ波調理用うどんの製造に当たって、化工タピオカ澱粉
および化工馬鈴薯澱粉のうちの少なくとも1種を原料穀
粉の全重量に基づいて3〜50重量%の割合で用い、し
かも茹であげ歩留りを190〜250%の範囲にする
と、それにより得られる茹でうどんは、電子レンジなど
のマイクロ波加熱調理器で短時間加熱調理するだけで、
釜上げ状態の良好な食感を有していて、適度な硬さで粘
りに優れ、しかも弾力性、滑らかさに優れる調理うどん
が得られることを見出した。さらに、本発明者らは、前
記したマイクロ波調理用のうどんの製造に当たって、茹
であげる前の生うどん(生麺線)の幅を2.5〜7.5
mmおよび厚さを1.0〜4.0mmの範囲にしてお
き、それを上記した190〜250%の歩留りに茹であ
げてマイクロ波調理用のうどんを製造すると、マイクロ
波で短時間加熱調理したときに、食感に一層優れる調理
うどんが得られることを見出し、それらの知見に基づい
て本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、化工タピオカ澱粉お
よび化工馬鈴薯澱粉から選ばれる少なくとも1種の化工
澱粉を、原料穀粉の全重量に基づいて3〜50重量%の
割合で用い、且つ茹であげ歩留りが190〜250%で
あることを特徴とするマイクロ波調理用茹でうどんであ
る。
【0008】そして、本発明は、化工タピオカ澱粉およ
び化工馬鈴薯澱粉から選ばれる少なくとも1種の化工澱
粉を原料穀粉の全重量に基づいて3〜50重量%の割合
で用いて得られる幅2.5〜7.5mmおよび厚さ1.
0〜4.0mmの生うどんを茹であげ歩留り190〜2
50%に茹であげてなる上記したマイクロ波調理用茹で
うどんを好ましい態様として包含する。
【0009】さらに、本発明は、化工タピオカ澱粉およ
び化工馬鈴薯澱粉から選ばれる少なくとも1種の化工澱
粉を、原料穀粉の全重量に基づいて3〜50重量%の割
合で用いて生うどんを製造した後、前記生うどんを19
0〜250%の歩留りに茹であげることを特徴とするマ
イクロ波調理用茹でうどんの製造方法である。
【0010】そして、本発明は、化工タピオカ澱粉およ
び化工馬鈴薯澱粉から選ばれる少なくとも1種の化工澱
粉を原料穀粉の全重量に基づいて3〜50重量%の割合
で用いて幅が2.5〜7.5mmおよび厚さが1.0〜
4.0mmである生うどんを製造し、それを上記した1
90〜250%の歩留りに茹であげてマイクロ波調理用
茹でうどんを製造する上記した方法を好ましい態様とし
て包含する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明でいう「マイクロ波調理用茹でうど
ん」とは、電子レンジやその他のマイクロ波調理器によ
って加熱調理して喫食可能な状態とされる茹でうどんを
いう。
【0012】本発明では、マイクロ波調理用茹でうどん
を製造するための原料穀粉の一部として、化工タピオカ
澱粉および化工馬鈴薯澱粉から選ばれる少なくとも1種
の化工澱粉を用いることが必要である。本発明で好まし
く用いられる化工タピオカ澱粉および/または化工馬鈴
薯澱粉は、アセチル化処理および/またはエーテル化処
理を施したタピオカ澱粉および/または馬鈴薯澱粉であ
り、具体例としては、アセチル化タピオカ澱粉、エーテ
ル化タピオカ澱粉、アセチル化・エーテル化タピオカ澱
粉、アセチル化馬鈴薯澱粉、エーテル化馬鈴薯澱粉、ア
セチル化・エーテル化馬鈴薯澱粉を挙げることができ
る。本発明では前記した化工タピオカ澱粉および化工馬
鈴薯澱粉のうちの1種類を使用しても、または2種以上
を用いてもよい。ここで、本発明における前記“アセチ
ル化処理”とは、エステル結合によってアセチル基を澱
粉(タピオカ澱粉または馬鈴薯澱粉)に結合させる処理
を言う。また、“エーテル化処理”とはエーテル結合に
よってヒドロキシプロピル基を澱粉(タピオカ澱粉また
は馬鈴薯澱粉)に結合させる処理を言う。また、本発明
で用いる前記の化工タピオカ澱粉および化工馬鈴薯澱粉
は、アセチル化処理および/またはエーテル化処理を施
してあるものでありさえすれば、必要に応じて、さらに
リン酸架橋、油脂コーティングなどの処理を施してあっ
てもよい。
【0013】本発明では、マイクロ波調理用茹でうどん
の製造に当たって、化工タピオカ澱粉および化工馬鈴薯
澱粉から選ばれる化工澱粉の少なくとも1種(前記化工
澱粉の2種以上を用いる場合は合計量)を、うどんの製
造に用いる原料穀粉の全重量に基づいて、3〜50重量
%の割合で用いることが必要であり、7〜30重量%の
割合で用いることが好ましい。
【0014】化工タピオカ澱粉および化工馬鈴薯澱粉か
ら選ばれる化工澱粉の少なくとも1種の化工澱粉(以下
「化工タピオカ澱粉および/または化工馬鈴薯澱粉」と
いうことがある)の使用量が原料穀粉の全重量に基づい
て3重量%未満であると、マイクロ波調理用茹でうどん
の調理前(保存時、流通時など)に老化が生じ、そのよ
うなマイクロ波調理用茹でうどんをマイクロ波加熱調理
器で加熱調理しても、食感に優れるうどんが得られず、
硬すぎたり、粘りのない食感となる。一方、化工タピオ
カ澱粉および/または化工馬鈴薯澱粉の使用量が原料穀
粉の全重量に基づいて50重量%よりも多いと、製麺時
に生地のつながりが不良になって作業性が低下し、しか
も麺の食感が通常のうどんとは異質の食感となる。
【0015】本発明では、上記した化工タピオカ澱粉お
よび/または化工馬鈴薯澱粉と共に、原料穀粉の全重量
に基づいて97〜50重量%、好ましくは93〜70重
量%の他の穀粉類が用いられる。他の穀粉類としては、
うどんの製造に従来から用いられている穀粉類のいずれ
もが使用でき、例えば、小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦
粉、非化工タピオカ澱粉、非化工馬鈴薯澱粉、タピオカ
澱粉および馬鈴薯澱粉以外の化工または非化工澱粉、ト
ウモロコシ粉、デュラム小麦粉、甘薯粉、馬鈴薯粉、里
芋粉などを挙げることができる。そのうちでも、本発明
では、他の穀粉類として、小麦粉を単独で用いるか、ま
たは小麦粉を主たる穀粉としこれに必要に応じて小麦粉
以外の上記した他の穀粉類の1種または2種以上を少量
成分として用いることが好ましい。本発明のマイクロ波
調理用茹でうどんの製造に際しては、小麦粉などの他の
穀粉類と、化工タピオカ澱粉および/または化工馬鈴薯
澱粉は、製麺前に予め混合しておいても、または製麺時
に混合してもよい。
【0016】さらに、本発明では、上記した原料穀粉と
共に、必要に応じて、うどんの製造時に従来から用いら
れている副材料、例えば、食塩、卵白、活性グルテン、
加水分解グルテン、小麦グリアジン、小麦グルテニン、
山芋、卵殻、乳清蛋白、乳清カルシウム、焼成カルシウ
ム、ガム類、乳化剤、アルコールなどの1種または2種
以上を用いてもよい。
【0017】上記した原料穀粉および必要に応じて他の
添加成分を用いて麺生地および麺線を順次製造して生う
どんを製造する。生うどんの製法は特に制限されず、従
来から知られている生うどんの製法と同様の方法により
製造することができ、例えば圧延・複合−麺線への切り
出しによる方法、押出製麺法などを採用することができ
る。何ら限定されるものではないが、より具体的には、
例えば、化工タピオカ澱粉および/または化工馬鈴薯澱
粉を3〜50重量%の割合で含有する原料穀粉に必要に
応じてその他の材料を同時にまたは任意の順序で添加し
混合し、これに食塩などを溶解した水を加えて混練、圧
延した後に麺線に切り出す方法、原料穀粉以外の他の材
料の1種または2種以上を予め水に溶解または分散させ
ておいたものを原料穀粉に添加して混練、圧延した後に
麺線に切り出す方法などを採用して生うどんを製造する
ことができる。
【0018】生うどん(生麺線)の巾および厚さは状況
に応じて変化調整することができるが、本発明では、生
うどんの幅を2.5〜7.5mmおよび厚さを1.0〜
4.0mmの範囲、より好ましくは幅を3〜5mmおよ
び厚さを2〜4mmにしておき、それを下記する茹であ
げ歩留りに茹であげてマイクロ波調理用茹でうどんを製
造することによって、マイクロ波加熱調理器で加熱調理
したときに短時間で食感に一層優れる調理うどんを得る
ことができる。麺帯の麺線への切り出しを切刃を用いて
行う場合は、一般に4番から12番の番手の切刃を用い
ると、上記した範囲の幅を有する生うどん(生麺線)を
円滑に得ることができる。その際に、切刃の形状は特に
制限されない。
【0019】次に、上記により得られる生うどんを、茹
であげ歩留りが190〜250%の範囲になるように茹
であげて本発明のマイクロ波調理用茹でうどんを製造す
る。なお、本発明でいう「茹であげ歩留り」とは、下記
の数式により求められる値をいう。
【0020】
【数1】茹であげ歩留り(%)=(W1/W0)×100 [式中、W1=茹であげて水切りした後の茹でうどんの
重量(g)、W0=茹でる前の生うどん中の原料穀粉の
重量(g)を表す。但し、生うどんの製造に用いた小麦
粉中の水分含量が14.5重量%および澱粉の水分含量
が16重量%であるものとして前記W0の値を求め
た。]
【0021】マイクロ波調理用茹でうどんの茹であげ歩
留りが190%未満であると、電子レンジなどのマイク
ロ波加熱調理器で加熱調理したときに、麺のα化が充分
に行われず、硬く、生煮えの状態となり、粘弾性や滑ら
かさなどに優れる調理うどんが得られない。一方、マイ
クロ波調理用茹でうどんの茹であげ歩留りが250%を
超えると、電子レンジなどのマイクロ波加熱調理器で加
熱調理したときに、麺が柔らかくなり過ぎて、コシのな
い不良な食感となる。マイクロ波加熱調理器で加熱調理
したときに、より良好な食感の調理うどんが得られる点
から、マイクロ波調理用茹でうどんの茹であげ歩留りを
200〜220%の範囲にすることが好ましい。従来市
販の茹でうどんは、上記したように通常280〜300
%の茹であげ歩留りになるようにして茹であげられてお
り、かかる点から、本発明のマイクロ波調理用茹でうど
んは、従来の茹でうどんに比べてその茹であげ歩留りが
大幅に低い値である。
【0022】上記により得られる茹であげ歩留り190
〜250%の本発明のマイクロ波調理用茹でうどんは、
そのまま包装して保存、流通、販売しても、または殺菌
処理(例えば加熱殺菌、有機酸浸漬殺菌、アルコール浸
漬殺菌など)をして保存、流通、販売してもよい。マイ
クロ波調理用茹でうどんの保存、流通、販売は冷蔵温度
で行うのが好ましいが、殺菌処理を行ったものであれば
常温での流通も可能である。
【0023】本発明のマイクロ波調理用茹でうどんは、
袋やトレーなどの包装材料から取り出して食器類やその
他の容器に入れるか、またマイクロ波加熱に耐え得るカ
ップに入れて流通、販売するものでは該カップに入れた
ままで、適量の水やお湯、好ましくは85℃以上のお湯
を注ぎ、必要に応じて、スープ類や具材を入れてから、
電子レンジなどのマイクロ波調理器を用いて加熱調理す
ることによって、短い調理時間(通常約2〜5分程度の
調理時間)で加熱調理されて、釜上げの状態と同じよう
に、適度な硬さを有し、粘りに優れ、弾力性、滑らかさ
にも優れる、食感の良好な調理うどんを得ることができ
る。
【0024】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されな
い。
【0025】《実施例1》 (1) 小麦粉(日清製粉株式会社製「特雀」)と下記
の表2に示す澱粉を下記の表2に示す割合で含有する原
料穀粉100重量部に、水43重量部に食塩3重量部を
予め溶解した食塩水46重量部を加え、減圧下(−60
0mmHg)で10分間横型減圧ミキサー(トーキョー
メンキ製の3Kg試験ミキサー)にて混合ミキシングを
行った後、常法によりロール製麺して厚さ3.8mmの
麺帯をつくり、これを切刃8番で切り出して、幅3.8
mmおよび厚さ3.8mmの生麺線(生うどん)を製造
した。 (2) 上記(1)で得られた生うどんを、直ちに充分
量の沸騰水(pH5〜6に調整)中で、茹で時間を調整
しながら、茹であげ歩留り210±3%に茹であげた
後、直ちに水洗、冷却を30秒ずつ行って、マイクロ波
調理用茹でうどんを製造した。 (3) 上記(2)で得られたマイクロ波調理用茹でう
どんを、約165gずつビニール袋に小分けして入れ、
乾燥を避けるために口をシールして、冷蔵庫(5℃)で
24時間冷蔵保存した。 (4) マイクロ波調理用茹でうどんを24時間後に冷
蔵庫より取り出して、耐熱容器に移し、熱湯(約95
℃)300gを注いで、開放状態でマイクロ波加熱調理
器[(株)東芝製「EC−CS8型電子レンジ」;出力
650W]にて3分間加熱調理した。調理後、スープを
加えて、10名の熟練したパネラーにより下記の表1に
示す評価基準にしたがって調理うどんの食感の評価を行
い、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとお
りであった。
【0026】
【表1】 [マイクロ波加熱調理器による調理後のうどんの食感の評価基準] 評点: 内 容 5点:適度な硬さで、粘りに優れ、非常に良好な食感である。 4点:適度な硬さで、やや粘りがあり、良好な食感である。 3点:硬さおよび粘りに特に特徴がなく、普通の食感である。 2点:やや柔らかいか又はやや硬く、粘りがなく、劣った食感である。 1点:非常に柔らかいか又は硬くボキボキしており、著しく劣った食感である。
【0027】
【表2】
【0028】上記の表2の結果から、化工タピオカ澱粉
(アセチル化タピオカ澱粉またはエーテル化タピオカ澱
粉)および化工馬鈴薯澱粉(アセチル化馬鈴薯澱粉また
はエーテル化馬鈴薯澱粉)のうちの少なくとも1種を、
原料穀粉の全重量に基づいて3〜50重量%の範囲で使
用し、且つ茹であげ歩留りを210±3%の範囲にして
茹であげた実験番号1〜10(発明例)のマイクロ波調
理用茹でうどんは、電子レンジなどのマイクロ波調理器
を用いて加熱調理したときに、短い調理時間で、適度な
硬さを有し、粘りに優れる、食感の良好な調理うどんに
なることがわかる。特に、化工タピオカ澱粉および/ま
たは化工馬鈴薯澱粉の使用量が5〜30重量%の範囲で
ある実験番号2〜6および実験番号8〜10のマイクロ
波調理用茹でうどんでは、マイクロ波加熱調理器で加熱
調理した時に食感に一層優れる調理うどんが得られるこ
とがわかる。それに対して、化工タピオカ澱粉および/
または化工澱粉を用いないか、または含有していてもそ
の使用量が上記した3〜50重量%の範囲から外れてい
る実験番号11〜15(対照区)の場合は、マイクロ波
加熱調理器で加熱調理した時のうどんの食感が劣ってい
ることがわかる。
【0029】《実施例2》 (1) 実施例1で使用したのと同じ小麦粉75重量部
および実施例1で使用したのと同じアセチル化タピオカ
澱粉25重量部よりなる原料穀粉100重量部に、水4
3重量部に食塩3重量部を予め溶解した食塩水46重量
部を加え、減圧下(−600mmHg)で10分間横型
減圧ミキサー(トーキョーメンキ製の3Kg試験ミキサ
ー)にて混合ミキシングを行った後、常法によりロール
製麺して厚さ3.8mmの麺帯をつくり、これを切刃8
番で切り出して、幅3.8mmおよび厚さ3.8mmの
生麺線(生うどん)を製造した。 (2) 上記(1)で得られた生うどんを、直ちに充分
量の沸騰水(pH5〜6に調整)中で、茹で時間を調整
しながら、下記の表3に示す茹であげ歩留りに茹であげ
た後、直ちに水洗、冷却を30秒ずつ行って、マイクロ
波調理用茹でうどんを製造した。 (3) 上記(2)で得られたマイクロ波調理用茹でう
どんを、約165gずつビニール袋に小分けして入れ、
乾燥を避けるために口をシールして、冷蔵庫(5℃)で
24時間冷蔵保存した。 (4) マイクロ波調理用茹でうどんを24時間後に冷
蔵庫より取り出して、耐熱容器に移し、熱湯(約95
℃)300gを注いで、開放状態で実施例1で使用した
のと同じマイクロ波加熱調理器(電子レンジ)にて3分
間加熱調理した。調理後、スープを加えて、10名の熟
練したパネラーにより上記の表1に示す評価基準にした
がって調理うどんの食感の評価を行い、その平均値を採
ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0030】
【表3】 マイクロ波調理用茹でうどん 調理後のうどん 実験番号 茹であげ歩留り 食 感 16(発明区) 190% 3.7 17(発明区) 200% 4.5 18(発明区) 210% 4.9 19(発明区) 220% 4.7 20(発明区) 230% 4.2 21(発明区) 240% 3.9 22(発明区) 250% 3.6 23(対照区) 生麺 1.0 24(対照区) 180% 3.2 25(対照区) 260% 3.1
【0031】上記の表3の結果から、化工タピオカ澱粉
(アセチル化タピオカ澱粉)を、原料穀粉の全重量に基
づいて3〜50重量%の範囲で使用し、且つ茹であげ歩
留りが190〜250%の範囲に茹であげた実験番号1
6〜22(発明区)のマイクロ波調理用茹でうどんは、
電子レンジなどのマイクロ波調理器を用いて調理したと
きに、短い調理時間で、適度な硬さを有し、粘りに優れ
る、食感の良好な調理うどんになること、特に茹であげ
歩留りが200〜220%の範囲である実験番号17〜
19のマイクロ波調理用茹でうどんでは、マイクロ波加
熱調理器で加熱調理した時に食感に一層優れる調理うど
んが得られることがわかる。それに対して、化工タピオ
カ澱粉を本発明の範囲内の使用する場合であっても、茹
であげ歩留りが190〜250%の範囲から外れている
実験番号24および25(対照区)の茹でうどんおよび
茹であげを行っていない実験番号23(対照区)の生う
どんの場合は、マイクロ波加熱調理器で加熱調理した時
のうどんの食感が劣っていることがわかる。
【0032】《実施例3》 (1) 実施例1で使用したのと同じ小麦粉75重量部
および実施例1で使用したのと同じアセチル化タピオカ
澱粉25重量部よりなる原料穀粉100重量部に、水4
3重量部に食塩3重量部を予め溶解した食塩水46重量
部を加え、減圧下(−600mmHg)で10分間横型
減圧ミキサー(トーキョーメンキ製の3Kg試験ミキサ
ー)にて混合ミキシングを行った後、常法によりロール
製麺して、下記の表3に示す厚さを有する麺帯をつく
り、これを種々の番手の切刃を用いて切り出して、下記
の表4に示す幅および厚さを有する生麺線(生うどん)
を製造した。 (2) 上記(1)で得られた生うどんを、直ちに充分
量の沸騰水(pH5〜6に調整)中で、茹で時間を調整
しながら、茹であげ歩留りに210±3%になるように
茹であげた後、直ちに水洗、冷却を30秒ずつ行って、
マイクロ波調理用茹でうどんを製造した。 (3) 上記(2)で得られたマイクロ波調理用茹でう
どんを、約165gずつビニール袋に小分けして入れ、
乾燥を避けるために口をシールして、冷蔵庫(5℃)で
24時間冷蔵保存した。 (4) マイクロ波調理用茹でうどんを24時間後に冷
蔵庫より取り出して、耐熱容器に移し、熱湯(約95
℃)300gを注いで、開放状態で実施例1で使用した
のと同じマイクロ波加熱調理器(電子レンジ)にて3分
間加熱調理した。調理後、スープを加えて、10名の熟
練したパネラーにより上記の表1に示す評価基準にした
がって調理うどんの食感の評価を行い、その平均値を採
ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0033】
【表4】 生麺線(生うどん) 茹であげ 電子レンジ調理後の 実験番号 幅 厚 さ 歩 留 り うどんの食感 26 2.5mm 1.0mm 209% 3.6 27 2.5mm 2.5mm 209% 4.2 28 3.0mm 1.5mm 211% 4.1 29 3.0mm 3.0mm 210% 4.5 30 3.8mm 2.0mm 209% 4.4 31 3.8mm 3.8mm 210% 4.8 32 5.0mm 3.0mm 212% 4.5 33 5.0mm 1.0mm 210% 3.9 34 7.5mm 4.0mm 208% 3.9 35 7.5mm 1.5mm 207% 4.1 36 2.1mm 0.9mm 210% 1.9 37 2.1mm 2.5mm 211% 3.1 38 15.0mm 4.2mm 209% 2.2 39 15.0mm 2.5mm 210% 2.9
【0034】上記の表4の結果から、幅が2.5〜7.
5mmおよび厚さが1.0〜4.0mmの生うどんを用
いて本発明のマイクロ波調理用茹でうどんを製造すると
(実験番号26〜35の場合)、電子レンジなどのマイ
クロ波調理器を用いて調理したときに、短い調理時間
で、適度な硬さを有し、粘りに優れる、食感の良好な調
理うどんになるマイクロ波調理用茹でうどんが得られる
ことがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明のマイクロ波調理用茹でうどん
は、電子レンジなどのマイクロ波調理器を用いて加熱調
理したときに、短い調理時間で、適度な硬さを有し、粘
りに優れ、しかも弾力性や滑らかさに富む、良好な食感
を有する調理うどんにすることができる。そして、本発
明の製法による場合は前記した高品質のマイクロ波調理
用茹でうどんを円滑に且つ簡単な操作で、作業性良く製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 康裕 東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清 製粉株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化工タピオカ澱粉および化工馬鈴薯澱粉
    から選ばれる少なくとも1種の化工澱粉を、原料穀粉の
    全重量に基づいて3〜50重量%の割合で用い、且つ茹
    であげ歩留りが190〜250%であることを特徴とす
    るマイクロ波調理用茹でうどん。
  2. 【請求項2】 幅2.5〜7.5mmおよび厚さ1.0
    〜4.0mmの生うどんを茹であげたものである請求項
    1に記載のマイクロ波調理用茹でうどん。
  3. 【請求項3】 化工タピオカ澱粉および化工馬鈴薯澱粉
    から選ばれる少なくとも1種の化工澱粉を、原料穀粉の
    全重量に基づいて3〜50重量%の割合で用いて生うど
    んを製造した後、前記生うどんを190〜250%の歩
    留りに茹であげることを特徴とするマイクロ波調理用茹
    でうどんの製造方法。
  4. 【請求項4】 生うどんの幅が2.5〜7.5mmおよ
    び厚さが1.0〜4.0mmである請求項3に記載の製
    造方法。
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