JP2014533326A - 水性リグニン溶液又は懸濁液を電気化学的に酸化することによるバニリンの製造方法 - Google Patents

水性リグニン溶液又は懸濁液を電気化学的に酸化することによるバニリンの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液をアノードにおいて電気化学的に酸化するステップをを含むバニリンの製造方法であって、銀電極がアノードとして使用される方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液の電気化学的酸化によるバニリンの製造方法に関する。
リグニンは、植物の細胞壁に生じる三次元の巨大分子の群であり、様々なフェノール系モノマー構成単位、例えば、p-クマリルアルコール、コニフェリルアルコール及びシナピルアルコールからなる。リグニンは、植物の成長の間に植物細胞壁中に取り込まれ、それによって細胞の木質化を引き起こす。木質化された植物の乾物の約20%から30%はリグニンからなる。したがって、セルロース及びキチンに加えて、リグニンは、地球上で最もよくある有機化合物である。
リグニン、及びアルカリリグニン、リグニン硫酸塩又はリグノスルホン酸塩等のリグニン含有物質は、製紙等の様々な工業プロセスにおける副生成物として多量に発生する。リグニン含有物質の総生産量は、年当たり約2百億トンと推定される。したがって、リグニンは非常に価値のある原材料である。このリグニンの一部は、現在さらに使用されている。例えば、製紙で生じる黒液のアルカリ処理によって生成され得るアルカリリグニンは、北米では、木材及びセルロースベースのパーティクルボードのための結合剤として、糖溶液の清澄化、アスファルトエマルジョンの安定化及び泡の安定化のための分散剤として使用される。しかし、廃リグニンの最大量は圧倒的に、例えばパルププロセスの燃焼によるエネルギー提供体として使用される。リグニンは、そのエネルギーとしての利用に加えて、芳香族の価値のある材料であるので、リグニンをより多量に他の価値のある材料に変換することが望ましい。
バニリン、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒドは、大部分が高価な天然のバニラの代わりにチョコレート、菓子、リキュール、ベーカリー製品及び他の甘味食品用の並びにバニラ糖の製造用の香味料として使用される合成香味料である。少量は、デオドラント、香水並びに医薬品に及びビタミン製剤の香味の強化のために使用される。バニリンはまた、例えば、L-ドーパ、メチルドーパ及びパパベリン等の様々な薬物の合成における中間体である。したがって、バニリンを製造する新規な経済的な方法に基本的な関心が存在する。
香味料バニリンはその、リグニンの基本的構成単位との構造上の類似性のために、リグニンから進行する合成の標的分子として適している。
WO 87/03014には、水性の強アルカリ性溶液中、好ましくは170から190℃の温度で、電解中に混合しながらリグニンを電気化学的に酸化する方法が記載されている。アノードとして、主として銅又はニッケル電極が使用される。低分子量生成物として、とりわけバニリン酸(4-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸)、バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシアセトフェノン及びアセトバニロン(4-ヒドロキシ-3-メトキシアセトフェノン)並びに場合によってフェノール、シリング酸(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシ安息香酸)及びシリングアルデヒド(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒド)を含む複合混合物が得られる。一般に、4-ヒドロキシ安息香酸が主な生成物である。ニッケル電極が使用される場合のみ、電解の主要な生成物としてバニリンを得ることが可能であるが、170℃の温度及び電解質として3M水酸化ナトリウム溶液が必要である。しかし、強アルカリ性条件及び高温は、超酸化及び不均化反応等の分解反応を受けている酸化で形成される低分子量生成物が生じる。さらに、水性アルカリ性溶液は、WO 87/03014に記載されている条件下、極めて腐食性であり、電解槽及び電極材料の破損を引き起こす。これらの腐食プロセスは、得られる生成物中にかなりの重金属の持込を引き起こし、したがって生成物は、たとえ精製後であっても食品産業にはもはや適さない。
C.Z.Smithら、J.Appl.Electrochem.2011、DOI 10.1007/s10800-010-0245-0は、同様に、アルカリ性の条件下で、ニッケル電極の存在下、170℃の温度で、リグニン硫酸塩のバニリンへの電気化学的酸化に関する研究を記載している。使用された電解槽は、循環を備えたセルであり、この場合、リグニン硫酸塩を含む電解質は、カソードとしての中心の円筒形ニッケルグリッド及びアノードとしてのカソードを円筒形に取り囲むニッケルグリッドを有する円筒形の電極配置を介して連続的に循環される。
WO 2009/138368には、リグニンの電解的分解法が記載されており、この場合、水性リグニン含有電解質は、ダイヤモンド電極の存在下で酸化される。この方法において、とりわけ低分子量生成物が形成され、これは、バニリンと一緒にアセトバニリン又はグアイアコール等の他のヒドロキシベンズアルデヒド誘導体をおおよそ等しい割合で含む。したがって、バニリンについてのリグニン酸化の選択性は低い。本発明者ら自身の調査により判明しているように、ダイヤモンド電極は、電解の間の塩基性pH値における強い腐食性条件に持ちこたえられない。短時間後に、早くもダイヤモンド電極は著しく損傷を受ける。したがって、電解を酸性のpH値域で実施することが必要である。
本発明の目的は、リグニン又はリグニン含有物質の電気化学的酸化による、バニリンの形成についての優れた収率及び高い選択性でのバニリンの製造を可能にする方法を提供することである。さらに、本方法は、従来技術の条件より腐食性が少なく、使用される電極をそれほど苛酷に腐食しない条件下で実施することが可能であるべきである。特に、バニリンは、食品産業おける香味料としての使用が排除されない形態で得られるべきである。
上記及びその他の目的は、以下に記載されるリグニン含有水性物質流の、アノードとして銀電極が使用される電気化学的酸化の方法によって達成される。
したがって、本発明は、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液をアノードにおいて電気化学的に酸化するステップを含むバニリンの製造方法であって、使用されるアノードが銀電極である方法に関する。
本発明はさらに、食品産業における香味料としての、本発明による方法によって製造されるバニリンの使用に関する。
本発明による方法は、いくつかの利点を伴う。例えば、使用される電極材料は、有意の選択性の増加をもたらす。この高い選択性は、驚くべきことに、最大100℃までの比較的低温であっても達成することができる。さらに、本発明により使用されるアノード材料は、腐食性の反応条件に非常に耐性があり、従来技術の方法とは逆に、腐食が生じないか又は有意の腐食が生じないことが判明している。
リグニン含有水性溶液又は懸濁液は、この場合及び以下で、リグニン又はリグニン誘導体、例えばリグニン成分として、リグニン硫酸塩、リグノスルホン酸塩、クラフトリグニン、アルカリリグニン若しくはオルガノソルブリグニン又はこれらの混合物を含む水性溶液又は懸濁液を意味するものと解釈される。水性溶液又は懸濁液は、製紙用パルプ、パルプ又はセルロースの製造等の工業プロセスにおける副生成物として生成される水性溶液又は懸濁液、例えば黒液、及び亜硫酸塩プロセスから、硫酸塩プロセスから、オルガノセル若しくはオルガノソルブプロセスから、ASAMプロセスから、クラフトプロセスから又は天然のパルプ化プロセスからのリグニン含有廃水流であることができる。水性溶液又は懸濁液は、リグニン又はリグニン誘導体、例えば、リグニン硫酸塩、リグノスルホン酸塩、クラフトリグニン、アルカリリグニン若しくはオルガノソルブリグニンの溶解、製紙用パルプ、パルプ若しくはセルロースの製造等の工業プロセスにおいて製造されたリグニン、例えば、黒液から、亜硫酸塩プロセスから、硫酸塩プロセスから、オルガノセル若しくはオルガノソルブプロセスから、ASAMプロセスから、クラフトプロセスから又は天然パルププロセスから製造されたリグニンの溶解によって生成された水性溶液又は懸濁液であることができる。
本発明による方法において、リグニン又はリグニン含有物質を含み、水性懸濁液又は溶液の形態である水性のリグニン含有電解質は、電気化学的酸化、即ち、電解にかけられる。この場合、アノードにおいて、存在するリグニン又はリグニン誘導体の酸化が起こる。カソードにおいて、典型的には、水性電解質の還元、例えば水素の形成が行われる。
本発明による方法において、アノードとして、原則的には、当業者には知られている任意の銀電極を使用することができる。これは、完全に銀若しくは銀含有合金で構成されるか又は銀若しくは銀含有合金でコートされた支持体を有する支持電極であることができる。アノードとして使用される電極は、例えば、エキスパンドメタル、グリッド又は金属シートの形態の電極であることができる。
銀含有合金として、当業者には知られている銀含有コインアロイ(coin alloy)を使用することができる。これらは銀に加えて、好ましくは銅、ニッケル、鉄又はこれらの金属の混合物を含む。挙げることができるものは、銅-銀、ニッケル-銀、銀-鉄及び銅-ニッケル-銀である。好ましい銀合金は、典型的には少なくとも50重量%の銀含量を有する。さらなる銀成分の割合は、典型的には1から40重量%の範囲、特に5から35重量%の範囲である。このような銀合金の例は、銀90重量%とニッケル10重量%の合金、及び銀72.5重量%と銅27.5重量%の合金であるキュプロシルバー(cuprosilver)である。
好ましくは、アノードとして銀電極が使用され、この場合銀又は銀含有合金は、銀とは異なる導電性支持体上のコーティングとして配置される。この場合、銀層の厚さは、一般に1mm未満、例えば、10から300μm、好ましくは10から100μmである。
このような銀でコートされた電極のための適した支持体材料は、ニオブ、ケイ素、タングステン、チタン、炭化ケイ素、タンタル、銅、金、ニッケル、鉄、黒鉛、亜酸化チタン等のセラミック支持体、又は銀含有合金等の導電性材料である。好ましい支持体は金属、特に、銀より低い標準電位を有する金属、例えば、鉄、銅、ニッケル又はニオブである。エキスパンドメタル、グリッド又は金属シートの形態の支持体であって、特に、前述の材料を含む支持体を使用することが好ましい。特に、これらのエキスパンドメタル又は金属シートは、支持体の総重量に対して最大で50重量%、好ましくは75重量%、特に95重量%の鉄、銅又はニッケルを含む。
カソードとして、原則的には、当業者には知られており、水性系の電解に適している任意の電極を使用することができる。カソードにおいて還元プロセスが行われ、バニリンはアノードで酸化されるので、例えばニッケルカソード等の重金属電極が使用された場合、この重金属によるバニリンの汚染は非常に少ないので、得たれたバニリンは食品産業において問題なく使用することができる。しかしながら、ニッケル又は鉛を含むカソードを使用しないことが有利である。好ましくは、電極材料は低い水素過電圧を示す。本明細書では、銀、ニッケル、銀含有合金、RuOxTiOx混合酸化物、白金めっき(platinated)チタン、白金、ステンレス鋼、黒鉛又は炭素から選択される電極材料を含む電極が好ましい。本明細書で特に好ましくは、電極材料は、銀、白金めっきチタン、ニッケル、白金又はステンレス鋼、とりわけ銀、ニッケル及び白金から選択される。特に好ましくは、カソードはコートされた貴金属電極である。貴金属層として、特に考慮に入ってくるコーティングは、銀、白金、又は実質的に、即ち少なくとも50重量%の銀、白金又はこれらの混合物を含む合金である。この場合、貴金属層の厚さは、一般に1mm未満、例えば10から300μmである。貴金属でコートされたこのような電極のための適した支持体材料は、銀電極について上記に引用されているような導電性材料である。エキスパンドメタル、グリッド又は金属シートの形態の支持体であって、特に、前述の材料を含む支持体を使用することが好ましい。特に、これらのエキスパンドメタル又は金属シートは、支持体の総重量に対して50重量%、好ましくは75重量%、特に95重量%の鉄又は銅を含む。
アノード及びカソードの配置は、限定されなく、例えば、平面メッシュ及び/又はプレートの配置(これらは交互の極の複数のスタックの形態で配置することもできる)、並びに円筒形のネット、グリッド又はチューブの円筒形配置(これらは交互の極の複数の円筒の形状に配置することもできる)が含まれる。
最適空時収率を達成するために様々な電極の幾何学的形状が、当業者には知られている。有利であるものは、複数の電極の二極性配置、棒状アノードが円筒形カソードによって包囲されている配置、又はカソードだけでなくアノードもワイヤネットからなり、これらのワイヤネットが順に重ねて円筒形に巻かれて設置されている配置である。
本発明の一実施形態において、アノード及びカソードは、セパレーターによって互いに分離される。原則として、適したセパレーターは、電解槽で通例使用されるあらゆるセパレーターである。セパレーターは、典型的には、電解条件下で不活性である非導電性材料、例えば、プラスチック材料、特にTeflon材料又はTeflonでコートされたプラスチック材料製の、電極の間に配置される多孔質の平面材料、例えば、グリッド、ネット、織物又は不織である。
電解のために、当業者には知られている任意の電解槽、例えば分割又は非分割の連続流電解槽、キャピラリーギャップ電解槽又は積層プレート電解槽を使用することができる。非分割連続流電解槽、例えば、電解質が電極のそばを通って連続的に循環される、循環を伴う連続流電解槽が特に好ましい。当該方法は、不連続的にだけでなく連続的にも首尾よく実施することができる。
本発明による方法は、同様に工業規模で実施することもできる。対応する電解槽は当業者には知られている。本発明のすべての実施形態は、実験室規模だけでなく工業規模にも関する。
本発明の好ましい実施形態において、電解槽の内容物は混合される。電解槽内容物のこの混合のためには、当業者には知られている任意の機械的撹拌機を使用することができる。Ultraturrax、超音波又は噴出ノズル等の他の混合方法の使用も同様に好ましい。
アノードとカソードに電解電圧を印加することによって、電流が電解質を通って流れる。過酸化及び酸水素ガスの形成等の副反応を回避するために、一般に1000mA/cm2、特に100mA/cm2の電流密度を超えない。当該方法が実施される電流密度は、一般に1から1000mA/cm2、好ましくは1から100mA/cm2である。特に好ましくは、本発明による方法は、1から50mA/cm2の間の電流密度で実施される。
電解の総時間は、当然、電解槽、使用される電極及び電流密度により決まる。最適時間は、当業者により常套手段の実験、例えば電解の間にサンプリングすることによって決定される。
電極上への堆積物を回避するために、極性を短時間の間隔で変化することができる。極性を30秒から10分の間隔で変化させることができ、30秒から2分の間隔が好ましい。この目的のために、アノード及びカソードが同じ材料を含むことが好都合である。
従来技術からの既知の方法は、しばしば高圧及び100℃をはるかに超える温度で実施しなければならない。これは電解槽に特定の要求を生じさせる。なぜなら、電解槽は超過圧力に対して設計しなければならないからである。さらに、電解槽だけでなく電極も、高温で確立される腐食性条件下で損害を受ける。本発明による方法では、高圧及び高温で操作する必要はない。
本発明による方法に従って、電解は、一般に0から100℃、好ましくは50から95℃、特に75から90℃の範囲の温度で実施される。
本発明による方法において、電解は、一般に2000kPa未満、好ましくは1000kPa未満、特に150kPa未満、例えば50から1000kPa、特に80から150kPaの範囲で実施される。特に好ましくは、本発明による方法は、大気圧の範囲の圧力(101±20kPa)で実施される。
特に好ましい実施形態において、本発明による方法は、80℃から85℃で、及び大気圧の範囲(101±20kPa)で実施される。
水性のリグニン含有懸濁液又は溶液は、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液の総重量に対して、一般に0.5から30重量%、好ましくは1から15重量%、特に1から10重量%のリグニンを含む。
紙、パルプ又はセルロースの製造のすべてのプロセスにおいて、リグニン含有廃水流が発生する。これらは、本発明による方法における水性のリグニン含有懸濁液又は溶液として使用することができる。製紙のための亜硫酸塩プロセスの廃水流は、しばしばリグニンをリグノスルホン酸として含む。リグノスルホン酸は、本発明による方法に直接使用することができ、又は最初にアルカリ性条件下で加水分解することができる。硫酸塩プロセス又はクラフトプロセスにおいて、リグニン含有廃水流は、例えば黒液の形態で生じる。オルガノセルプロセス(その環境配慮のために、将来さらなる重要性を獲得しよう)において、リグニンはオルガノソルブリグニンとして生じる。リグノスルホン酸含有又はオルガノソルブリグニン含有廃水流及びまた黒液は、本発明による方法のための水性のリグニン含有懸濁液又は溶液として特に適している。
或いは、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液はまた、少なくとも1種のリグニン含有材料の溶解又は懸濁によって製造され得る。リグニン含有材料は、リグニン含有材料の総重量に対して、好ましくは少なくとも10重量%、特に少なくとも15重量%、及び特に好ましくは少なくとも20重量%のリグニンを含む。リグニン含有材料は、好ましくは、麦わら、バガス、クラフトリグニン、リグノスルホン酸塩、酸化されたリグニン、オルガノソルブリグニン又は製紙業若しくは繊維製造からの他のリグニン含有残留物から、特に、クラフトリグニン、リグノスルホン酸塩、及び酸化されていないリグニンの電気化学的酸化で生じた酸化されたリグニンから選択される。
好ましい実施形態において、先の電解サイクルから発生する酸化されたリグニンが使用される。本明細書では、少なくとも1つのさらなる電解サイクルにおいて、好ましくは少なくとも2つのさらなる電解サイクルにおいて、及び特に少なくとも3つのさらなる電解サイクルにおいて、酸化されたリグニンを使用するのが有利であることが立証されている。バニリンを繰り返して得ることができることは、酸化されたリグニンのこの繰返し使用の有利な点である。したがって、最初に使用されるリグニンの量に対して、バニリンの収量は著しく増加し、したがって、方法全体の経済的効率が増加する。さらに、酸化されたリグニンの繰返し使用のために、酸化操作当たりの電解質中の酸化感受性のバニリンの濃度を低く維持することができ、そのため過酸化等の望ましくない副反応は効果的に抑制されるが、プロセス全体(複数の電解槽)にわたるバニリンの総収率は増加する。
水性のリグニン含有懸濁液又は溶液中のリグニン溶解度を改善するために、リグニン含有材料を無機塩基と共に溶解又は懸濁することが有利であり得る。使用することができる無機塩基は、NaOH又はKOH等のアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム等のアンモニウム塩、及び炭酸ナトリウム(例えばソーダの形態の)等のアルカリ金属炭酸塩である。アルカリ金属水酸化物、特にNaOH及びKOHが好ましい。水性のリグニン含有懸濁液又は溶液中の無機塩基の濃度は、5モル/l、特に4モル/l以下であるべきであり、その場合、典型的には0.01から5モル/lの範囲、特に0.1から4モル/lの範囲である。
紙及びパルプの製造からの廃水流又は残留物、特に黒液又はクラフトリグニンの使用が特に好ましい。
水性のリグニン含有懸濁液又は溶液中で高いリグニン濃度では、溶液又は懸濁液の粘度は大幅に増加し得て、リグニンの溶解度は非常に低くなり得る。こうした場合、電気化学的酸化の前にリグニンの前加水分解を実施することが有利であり、これはリグニンの溶解度を改善し、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液の粘度を低下させる。典型的には、リグニンの前加水分解のためには、リグニンは水性アルカリ金属水酸化物溶液中で100℃を超えて加熱される。アルカリ金属水酸化物の濃度は、一般に0.1から5モル/l、好ましくは0.5から5モル/l、特に1.0から3.5モル/lの範囲である。好ましくは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが使用される。前加水分解法の好ましい実施形態において、リグニン含有アルカリ金属水酸化物溶液は、150から250℃、特に170から190℃の温度まで加熱され、1から10時間、好ましくは2から4時間激しく撹拌される。前加水分解されたリグニンを電気化学的酸化の前にアルカリ金属水酸化物溶液から分離してもよい。或いは、リグニン含有アルカリ金属水酸化物溶液を用いて直接、電気化学的酸化を実施することも可能である。
本発明による方法は、原則的には、酸性及びアルカリ性両方のpH範囲で操作することが可能である。本発明による方法において、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液は、一般にpH0から14の範囲、しばしばpH6から14の範囲、好ましくはpH7から13の範囲、特にpH8から13の範囲のpHを有する。
前述の通り、電解で形成されるバニリンは、アルカリ性の条件下で酸化及び不均化反応プロセスに感受性がある。したがって、得たれるバニリンの安定性に対しては、低いpHで操作することが本質的には有利である。リグニン及びその誘導体の多くの溶解度は、アルカリ性の範囲で最も高いので、バニリンの安定性の問題にもかかわらず、アルカリ性の範囲で操作することが好都合である。しかし、銀電極の使用のために、従来技術より非常に穏やかな電解条件を使用することが可能であり、そのため、バニリンの分解は、比較的軽度にのみ起こるか、又は回避されることさえある。
本発明による方法の第1の実施形態において、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液は、pH0からpH8、好ましくはpH1から5、特にpH1からpH3のpHを有する。好ましくは、pHを易水溶性の塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、若しくはp-トルエンスルホン酸等の有機酸又は様々な酸の混合物を用いて調整する。硫酸が特に好ましい。
本発明による方法の他の好ましい実施形態において、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液は、pH6からpH14、好ましくはpH7からpH13、特にpH8からpH13の範囲のpHを有する。
本発明による方法の他の好ましい実施形態において、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液は、少なくともpH8、特に少なくともpH10、特に少なくともpH12のpH、例えば、pH8からpH14、好ましくはpH10からpH14、特にpH12からpH14の範囲のpHを有する。
リグニンの溶解度を改善するために、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液に、この場合、添加剤としてアルカリ金属水酸化物、特にNaOH又はKOHを添加する。アルカリ金属水酸化物の濃度は、一般に0.1から5モル/lの範囲、しばしば0.5から5モル/l、好ましくは1から3.5モル/l、特に1.0から3.0モル/lの範囲である。紙及びパルプの製造の一部の廃水流、例えば黒液は、製造に起因して、対応するアルカリ金属水酸化物の濃度をすでに有している。
水性のリグニン含有懸濁液又は溶液は、導電率を改良するために導電性塩を含むことができる。これは、一般に、Li、Na、Kの塩等のアルカリ金属塩又はテトラ(C1〜C6アルキル)アンモニウム若しくはトリ(C1〜C6アルキル)メチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩が関与する。考慮すべき対イオンは、硫酸、硫酸水素、アルキルスルファート、アリールスルファート、ハロゲン化物、リン酸、炭酸、アルキルホスファート、アルキルカルボナート、硝酸、アルコラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスファート、過塩素酸若しくはビストリフラート又はビストリフルイミドである。
さらに、導電性塩としてイオン液体も適している。適している電気化学的に安定なイオン液体は、「Ionic Liquids in Synthesis」,編者:Peter Wasserscheid、Tom Welton、Verlag Wiley-VCH 2003、chapters 1〜3に記載されている。
リグニンの電気化学的酸化のために、金属含有又は金属を含まないメディエーターを、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液に添加することができる。メディエーターは、間接的電気化学的酸化を可能にする酸化還元対を意味するものと解釈される。メディエーターは、電気化学的により高い酸化状態に変換され、次いで、酸化剤の役割を果たし、その後電気化学的酸化によって再生される。したがってこのことは、メディエーターが酸化剤であるので、有機化合物の間接的な電気化学的酸化である。酸化型のメディエーターによる有機化合物の酸化を、この場合、メディエーターが酸化型に変換された電解槽中で、又は1つ以上の別個の反応器中(「ex-cell法」)で実施することができる。最後に挙げた方法は、酸化される有機化合物のいかなる残留する痕跡も、メディエーターの生成又は再生において妨害しないという利点を有する。
適したメディエーターは、2つの酸化状態で存在することができ、より高い酸化状態で酸化剤として作用し、電気化学的に再生され得る化合物である。使用することができるメディエーターは、例えば、以下の酸化還元対の塩又は錯体である:Ce(III/IV)、Cr(II/III)、Cr(III/VI)、Ti(II/III)、V(II/III)、V(III/IV)、V(IV/V)、Ag(I/II)、AgO+/AgO-、Cu(I/II)、Sn(II/IV)、Co(II/III)、Mn(II/III)、Mn(II/IV)、Os(IV/VIII)、Os(III/IV)、Br2/Br-/BrO3、I-/I2、I3 +/I2、IO3 +/IO4 -、フレミー塩(二カリウムニトロソジスルホナート)、又はABTS(2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)、TEMPO、ビオルル酸等のビオロゲン、NAD+/NADH、NADP+/NADPH等の有機メディエーター、ここで、前述の系は、例えば、H2O、NH3、CN-、OH-、SCN-、ハロゲン、O2、アセチルアセトナート、ジピリジル、フェナントロリン若しくは1,10-フェナントロリン5,6-ジオン等の多様なリガンド又は溶媒リガンドとの金属錯体であることもできる。好ましくは、本発明による方法では、遷移金属を含まないメディエーター、例えば、フレミー塩(二カリウムニトロソジスルホナート)等のニトロソジスルホナートが使用される。メディエーターは、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液の総重量に対して、好ましくは0.1から30重量%、特に好ましくは1から20重量%の量で使用される。
特に好ましい実施形態において、本発明による方法は、メディエーターを添加せずに実施される。
水性のリグニン含有懸濁液又は溶液は、さらに不活性溶媒を含んでもよい。適した溶媒は、高い電気化学的安定性を有する極性非プロトン溶媒、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アジポニトリル、スベロジニトリル、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ジクロロメタン、ニトロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ヘキサフルオロアセトン、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホキシド及びジメチルプロピレン尿素(DMPU)である。他の適した極性非プロトン性溶媒は、Kosuke Izutsu、「Electrochemistry in Nonaqueous Solutions」 Verlag Wiley-VCH 2002年、chapter 1に記載されている。
本発明による方法において、不活性溶媒は、使用される水性のリグニン含有懸濁液又は溶液の総量に対して、一般に60重量%以下、好ましくは30重量%以下、特に20重量%以下、例えば、2.5から30重量%、又は5から20重量%の量で使用される。
本発明による方法で得られたバニリンを、当業者には知られている方法によって、水性のリグニン含有溶液から取り出すことができる。好ましくは、バニリンは、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液の蒸留又は抽出によって取り出される。
適した蒸留方法は、当業者には知られている蒸留方法、例えば、減圧蒸留、保護ガス雰囲気下の蒸留、又は水蒸気蒸留である。バニリンを蒸留法によって分離することの利点は、バニリンが、健康に有害な可能性がある有機溶媒と接触しないことである。
同様に、バニリンは、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液から抽出によって取り出される。このことは、感受性の高いバニリンがさらなる熱的負荷に曝露されないので特に有利である。このためには、当業者に知られている抽出法が適している。
それによって、形成されたバニリンを分離するために、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液は有機溶媒と混合され得る(液体-液体抽出)。適した有機溶媒は、水不混和性有機溶媒、例えば、ヘキサン若しくはオクタン等の5から12個の炭素原子を有する炭化水素、ジクロロメタン若しくはクロロホルム等の1から10個の炭素原子を有する塩素化炭化水素、ジエチルエーテル若しくはジイソプロピルエーテル等の2から10個の炭素原子を有する脂肪族エーテル、環状エーテル又はエチルエタノアート等の脂肪族エステルである。ハロゲンを含まない有機溶媒が好ましい。さらに、超臨界流体を用いてバニリンを抽出することが可能である。このためには、超臨界CO2が特に適している。
同様に、形成されたリグニンを固相抽出によって、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液から取り出すこともできる。この目的ために、固相抽出媒体を水性のリグニン含有懸濁液又は溶液に添加する。次いで、抽出媒体に吸着されたバニリン(バニラート)を当業者に知られている、例えばメタノール等の極性有機溶媒を用いて、固相から溶離させることができる。さらに、固相合成に類似している固相抽出も可能である。この場合、バニリンは、バニラートとして固相に共有結合される。固相を水性のリグニン含有懸濁液又は溶液から分離した後、共有結合を切断することによって、バニリンを再び遊離させる。両方の場合、濃厚な未処理の生成物が得られ、次いでこれを精製し、より単純には蒸留によって単離することができる。
本発明による方法の好ましい実施形態において、生成されたバニリンは、固相抽出によって水性のリグニン含有溶液又は懸濁液から取り出される。
さらに、溶液又は懸濁液の揮発性成分から水性のリグニン含有懸濁液又は溶液を取り除いてからバニリンを分離することも可能である。次いで、バニリンを前述の抽出媒体を用いて、残留する残留物から抽出することができる。
バニリンの分離を連続的に又は不連続的に行うことができる。電気化学的酸化の間に連続的にバニリンを水性のリグニン含有懸濁液又は溶液から取り出すことが特に好都合である。特に、連続的(固相)抽出又は水蒸気蒸留によって、バニリンを水性のリグニン含有溶液から取り出すことが好ましい。
電解の間に形成され得るバニリンの過酸化生成物は、容易に除去することができる。本発明者らによる調査により、本発明により使用される銀電極の存在下で形成される過酸化生成物は、カルボキシル基の高い割合を有し、それゆえ、イオン交換又は抽出の使用等の当業者に知られている技術によって、単純な方法で反応生成物から除去できることが見出されている。
本発明による方法に従って、バニリンは重金属アノードを使用せずに製造される。したがって、製造されたバニリンの低い重金属汚染のために、前記バニリンを食品産業で使用することが可能である。したがって、本発明はさらに、記載されている方法によって製造されたバニリンの食品産業における香味料としての使用に関する。
電解の完了後、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液は、形成されたバニリンに加えて、さらに酸化されたリグニンを含む。バニリン及び場合によって他の低分子量生成物を分離した後、酸化されたリグニンを水性のリグニン含有溶液を乾燥させることによって得ることができる。この方法で製造されたリグニンを、例えば、有利には建設材料工業における添加剤として、例えばセメント又はコンクリートへの添加剤として使用することができる。
以下の実施例は、本発明をさらに説明することが意図されており、限定するものと理解されるものではない。
分析
電解生成物のガスクロマトグラフ分析のために、固定相として、長さ30m、直径0.25mm及び、薄膜厚1μmのAgilent製HP-5カラムを使用した。このカラムを温度プログラムの手段によって、10分の経過中に50℃から290℃まで10℃/分で加熱する。この温度を15分間維持する。使用されたキャリアガスは、46.5ml/分の流量の水素であった。
[実施例1]
非分割電解槽中で、520mgのクラフトリグニンを81gの3M NaOH水溶液の電解質中に撹拌しながら溶解した。電解槽は、0.5cmの距離で互いに平行に取り付けられた、銀の金属シートのアノード及びニッケルの金属シートのカソード(それぞれ2.5cm×3cm)を有する。溶液を28時間撹拌しながら、1.9mA/cm2の電流密度及び80℃の温度で電解した(Q=1411C)。確立されている電解槽電圧は2〜3Vの範囲であった。電荷量が流れた後、電解槽内容物を室温まで冷却し、既知の量の標準物質(n-ヘキサデカン)と混合した。次いで、存在するいかなる固体もろ過した。次いで、溶液を濃度10%の塩酸水溶液を用いてpH約1〜2に調整し、20mlのジクロロメタンと混合した。沈殿したゼラチン状固体を珪藻土を通してろ過し、ジクロロメタンで洗浄した。有機相を分離して除いた。再度、水相を各回80mlのジクロロメタンで3回抽出した。有機相の組合せを50mlの水及び50mlの飽和食塩溶液で洗浄した後、次いでNa2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、油性の金茶色の残渣が残留し、これをその組成についてガスクロマトグラフィーによって分析した。
有機粗生成物のガスクロマトグラフ分析は、以下の典型的な組成を示した(使用したリグニンに対して(重量%)):バニリン1.20重量%、アセトバニロン0.66重量%、バニリン酸0.21重量%。したがって、バニリンに対する選択性は58%である。
[実施例2]
電解を実施例1と同様な方法で実施したが、以下を変化させた:溶液を20時間電解した(Q=1000C)。有機抽出物の典型的な組成(使用したリグニンに対して(重量%)):バニリン1.04重量%、アセトバニロン0.56重量%、バニリン酸0.25重量%。これは56.2%のバニリンに対する選択性を示す。
[比較例]
手順を実施例1と同様な方法で実施したが、以下を変化させた:溶液をNiアノード及びNiカソードを用いて、22時間電解した(Q=1411C)。有機抽出物の典型的な組成(使用したリグニンに対して(重量%)):バニリン0.57重量%、アセトバニロン0.09重量%。
[実施例3]
冷却ジャケットを有する温度制御可能な電解槽に8.336gのクラフトリグニンを投入し、1008gの3M NaOH水溶液中に撹拌しながら溶解した。電解の配置において、11個の銀プレート(各6.5cm×7.0cm)を0.3cmの間隔の双極方式で、電解槽が10個の半区画を含むような方法で接続した。電解は、j=1.9mA/cm2の電流密度及び80℃の温度で定電流的に行われた。溶液を12.6時間電解した(Q=4000C;電解質に関して;Q=40000C)。確立された電解槽電圧は3〜3.5Vの範囲であった。電荷量が流れた後、電解槽内容物を室温まで冷却し、存在する固体をフリットを通してろ過して除いた。ろ液を濃度10%の塩酸水溶液を用いてpH=1〜2に調整し、100mlのジクロロメタンと混合した。沈殿したゼラチン状固体を珪藻土を通してろ過し、ジクロロメタンで洗浄した。
ろ液の有機相を分離して除き、水相を2つの部分で、それぞれを100mlのジクロロメタンで4回抽出した。有機相の組合せを200mlの飽和食塩溶液で洗浄した後、次いでNa2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、油性の金茶色の残渣が残留し、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、シクロヘキサン-酢酸エチル勾配、体積/体積3:2→1:1)によって精製した。
有機粗生成物(m=191mg)のカラムクロマトグラフ精製により、以下の典型的な収量を示した(使用したリグニンに対して):流路1:グアイアコール15mg=0.18%;バニリン45mg=0.54%;アセトバニロン20mg=0.24%。
フリット中のリグニン残留物を1008gの3M NaOHを添加することによって、珪藻土から溶解した。ろ過後、溶液を前述の条件下で再び電解し、後処理し、特性決定した。有機粗生成物(m=76mg)のカラムクロマトグラフによる精製は、以下の典型的な収量を示した(使用したリグニンに対して(重量%)):
流路2:バニリン39mg=0.47重量%。
[実施例4]
温度制御可能な非分割電解槽中で、523mgのクラフトリグニンを80gの1M NaOH水溶液の電解質中に撹拌しながら溶解した。電解槽は、0.5cmの間隔で互いに平行に取り付けられた2個の銀プレート電極(それぞれ2.5cm×3.2cm)を有していた。溶液を1.9mA/cm2の電流密度及び80℃の温度で24.5時間電解した(Q=1411C)。電荷量が流れた後、電解槽内容物を室温まで冷却し、既知の量の標準物質(n-ヘキサデカン)と混合した。次いで、溶液を濃度10%の塩酸水溶液を用いてpH=1〜2に調整し、20mlのジクロロメタンと混合した。沈殿したゼラチン状の固体を珪藻土を通してろ過し、ジクロロメタンで洗浄した。有機相を分離して除いた。水相を各回80mlのジクロロメタンでさらに3回抽出した。有機相の組合せを50mlの水及び50mlの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した後、次いでNa2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、油性金茶色の残渣(m=15mg)が残留し、これをガスクロマトグラフィーによってその組成を分析した。
有機粗生成物のガスクロマトグラフの分析は、以下の典型的な収率を示した(使用したリグニンに対して(重量%)):バニリン0.65重量%、アセトバニロン0.12重量%。
[実施例5]
電解を実施例4と同様な方法で実施したが、以下を変化させた:
526mgのクラフトリグニンを80gの0.5M NaOH水溶液の電解質中に撹拌しながら溶解し、1.9mA/cm2の電流密度及び80℃の温度で20.6時間電解した(Q=1411C)。有機抽出物(m=57mg)の典型的な組成(使用したリグニンに対して(重量%)):バニリン1.37重量%、アセトバニロン0.10重量%。
[実施例6]
電解を実施例4と同様な方法で実施したが、以下を変化させた:
525mgのアルカリリグニンを86gの3M NaOHの電解質中に撹拌しながら溶解し、1.9mA/cm2の電流密度及び80℃の温度で20.6時間電解した(Q=1411C)。電極として、0.5cm間隔の2個の銀プレート(4.0cm×2.5cm)を使用した。有機抽出物(m=41mg)の典型的な収率(使用したリグニンに対して(重量%)):バニリン0.76重量%、アセトバニロン0.37重量%、バニリン酸0.88重量%。
[比較例2]
電解を実施例4と同様な方法で実施したが、以下を変化させた:
電解槽は、0.5cmの間隔で互いに平行に取り付けられた、ニッケルプレート製の2個の電極(それぞれ2.5cm×4.0cm)を有していた。
525mgのアルカリリグニンを80gの1M NaOHの電解質中に撹拌しながら溶解し、1.9mA/cm2の電流密度及び80℃の温度で23.1時間電解した(Q=1411C)。有機抽出物(m=38mg)の典型的な収率(使用したリグニンに対して(重量%)):バニリン0.38重量%。
[実施例7〜9]
温度制御可能な非分割電解槽において、524〜526mgのクラフトリグニンを80gの電解質中に撹拌しながら溶解した。電解槽は、電解槽にらせん状に固定されたAg/Ni合金製アノード(0.5cm×32.5cm)を有していた。合金は銀90%及びニッケル10%を含んでいた。カソードとして、ニッケルグリッドを前記らせんの中心で電解質に浸漬して使用した。溶液を1.9mA/cm2の電流密度及び80℃の温度で12.6時間電解した(Q=1411C)。反応の間の最大端子電圧は3.0Vであった。電荷量が流れた後、電解槽内容物を室温まで冷却し、既知の量の標準物質(n-ヘキサデカン)と混合し、存在するいかなる固体もろ過した。次いで、溶液を濃塩酸を用いてpH=1〜2に調整し、20mlのジクロロメタンと混合した。沈殿したゼラチン状の固体を珪藻土を通してろ過し、約25mlのジクロロメタンで洗浄した。有機相を分離して除いた。水相を各回80mlのジクロロメタンでさらに3回抽出した。有機相の組合せを50mlの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した後、次いでこれらをNa2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、油性の通常は金茶色の残渣が残留し、これをガスクロマトグラフィーによってその組成について分析した。有機粗生成物のガスクロマトグラフ分析は、表1に要約した典型的な組成(使用したリグニンに対して(重量%))を示した。
Figure 2014533326
[実施例10]
手順を実施例7と同様な方法で実施したが、以下を変化させた:
非分割電解槽において、525〜526mgのクラフトリグニンを85gの3M NaOH水溶液中に撹拌しながら溶解した。電解槽には、キュプロシルバー(3.0×4.0cm2)を含むアノード及びカソードが取り付けられており、これらは0.5cmの間隔で互いに平行に据え付けられていた。溶液を17.2時間電解した(Q=1411C)。反応の間の最大電解槽電圧は2.9Vであった。
有機抽出物の収率(使用したリグニンに対して(重量%))は:バニリン1.51重量%、アセトバニロン0.15重量%であった。

Claims (16)

  1. 水性のリグニン含有懸濁液又は溶液をアノードにおいて電気化学的に酸化するステップを含むバニリンの製造方法であって、使用されるアノードが銀電極である方法。
  2. 銀電極として、銀又は銀含有合金が、銀とは異なる導電性支持体上のコーティングとして配置された電極が使用される、請求項1に記載の方法。
  3. エキスパンドメタル又は金属シートが、銀コーティングの支持体として使用される、請求項2に記載の方法。
  4. カソードとして使用される電極が、銀、ニッケル、銀含有合金、RuOxTiOx混合酸化物、白金めっきチタン、白金、ステンレス鋼、黒鉛又は炭素から選択される表面を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  5. 電解が、1から1000mA/cm2の範囲の電流密度で実施される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  6. 電気化学的酸化が、0から100℃の範囲の温度で実施される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  7. 電気化学的酸化が、1000kPa未満の圧力で実施される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 使用される水性のリグニン含有懸濁液又は溶液が、製紙用パルプ、パルプ又はセルロースの製造からのリグニン含有流である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  9. リグニン含有懸濁液又は溶液が、黒液からのリグニン、クラフトリグニン、リグノスルホン酸塩、アルカリリグニン、オルガノソルブリグニン、及び製紙工業、パルプ製造又はセルロース製造からの対応する残留物から選択される、少なくとも1種のリグニン含有物質を溶解又は懸濁させることによって生成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 水性のリグニン含有懸濁液又は溶液が、水性のリグニン含有懸濁液又は溶液の総重量に対して0.5から30重量%のリグニン又はリグニン誘導体を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. 水性のリグニン含有懸濁液又は溶液が、前記請求項のいずれか一項に記載の方法によって得られた酸化されたリグニンを溶解又は懸濁させることによって生成される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  12. 水性のリグニン含有懸濁液又は溶液が、7から13の範囲のpHを有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  13. 酸化において形成されたバニリンが、水性のリグニン含有溶液又は懸濁液から連続的に取り出される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  14. 電気化学的酸化おいてに形成されたバニリンが、有機溶媒による連続的抽出によって水性のリグニン含有溶液又は懸濁液から取り出される、請求項13に記載の方法。
  15. バニリンが、固相抽出によって水性のリグニン含有溶液又は懸濁液から取り出される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  16. 請求項1から15のいずれか一項に記載の方法によって製造されたバニリンの、食品産業における香味料としての使用。
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