JP2014526411A - 開放的な上側デッキ、後方の遊泳デッキおよび折り畳み式防壁を備えるウォータークラフト - Google Patents

Abstract

ａ）実質的に連続した平坦かつ開放的な上側デッキ、ｂ）囲まれた前方部と、遊泳デッキを形成するむき出しの後方部とを有する実質的に連続した平坦な下側デッキ、およびｃ）上側デッキおよび遊泳デッキ内の折り畳み式防壁システムであって、船が（移動に適した）従来の形態から（静止中の娯楽、活動に適した）開放形態へ移行することを可能にする折り畳み式防壁システムを備える、ダブルデッキの船を達成する独創的な特徴を提供するウォータークラフトが開示される。

Description

本発明は、概して娯楽用のウォータークラフトに関し、特に折り畳み式防壁と、開放的な上側デッキと、階下の拡張可能な面を有する遊泳デッキとを備える娯楽用ウォータークラフトに関する。

本発明の目的の一つは、これまでに知られているウォータークラフトの制約を解消することにあり、この目的は、ａ）実質的に連続した、平坦かつ開放的な上側デッキ、ｂ）囲まれた前方部と、遊泳デッキを形成するむき出しの後方部とを有する実質的に連続した平坦な下側デッキ、およびｃ）上側デッキおよび遊泳デッキ内の折り畳み式防壁システムであって、船が（移動に適した）従来の形態から（静止中の娯楽、活動に適した）開放形態へ移行することを可能にする折り畳み式防壁システムを備える、ダブルデッキ式の船を達成する独創的な特徴を提供することにより達成される。

本発明は、小型から中型のウォータークラフトの実施形態として本明細書に例示され説明されているが、本発明の趣旨を逸脱することなく請求項の均等の範囲内で様々な改良や構造上の変更が可能であるため、ここに示した詳細のみに限定することは意図していない。

しかしながら、本発明の構造は、本発明の追加の目的および利点とともに、以下の特定の開示実施形態の説明を添付の図面と合わせて読むことで最もよく理解されるであろう。

格納式防壁が格納された航行形態にある本発明のウォータークラフトの一実施形態の図である。 格納式防壁が広げられ、かつ手摺りのない停止形態にある本発明のウォータークラフトの一実施形態の図である。 格納式防壁が広げられ、かつ手摺りを設置した停止形態にある本発明のウォータークラフトの一実施形態の図である。 格納式防壁が格納された本発明のウォータークラフトの一実施形態を後方から見た図である。 格納式防壁が広げられた本発明のウォータークラフトの一実施形態を後方から見た図である。 本発明のウォータークラフトの一実施形態の背面図である。 格納式防壁が格納された本発明のウォータークラフトの一実施形態の側面図である。 格納式防壁が広げられた本発明のウォータークラフトの一実施形態の側面図である。 本発明のウォータークラフトの一実施形態の側断面図である。 格納式防壁が格納された本発明のウォータークラフトの一実施形態の平面図である。 格納式防壁が広げられた本発明のウォータークラフトの一実施形態の平面図である。

添付の図面には、娯楽用の船の新規なデザインが開示されている。開示された船の特に新規な態様は、上側のむき出しのデッキおよび下側の実質的に囲まれたデッキを備えるダブルデッキの形態である。むき出しの上側デッキは、平面図設計において完全にオープンフロアであり、単一階のほぼ平坦なデッキからなる。このデッキにおいて、常設の突起物は、船のエンジン制御手段を収容するコンソールおよび任意の屋根構造の支持体のみである。

このオープンフロア設計の結果、開示された娯楽用船上の乗客は、上側デッキの至る所を、船首から船尾まで、右側から左側まで、階段を登ったり、コンソール、クロゼット、壁、備品（ｆｕｒｎｉｔｕｒｅ）、キャビンや娯楽用船に典型的に見られる他の障害物を避けたりする必要なく歩き回ることができる。

上側デッキの別の新規な態様は、デッキの両側に折り畳み式防壁を用いている点である。この折り畳み式防壁は、床面高さにおいてヒンジで連結され、外側方向に９０°倒れる。倒された配置の時、防壁はデッキ床の延長部として働き、大きく拡張された上側デッキを提供する。したがって、倒された防壁はデッキの一部になり、視覚経験を高め、また、デッキ上での利用可能な空間を増やすために使用することができる。

安全のため、折り畳み式防壁の内側表面（収納時）または上面（展開時）には収納可能かつ／または取外し可能な手摺りシステムが設けられる。防壁が倒された配置の時、手摺りは取り外されるか収納され、隠されて防壁の表面とほぼ同一平面となる。防壁が広げられると、船の形態および海の状況に応じて、手摺りは再設置されてもよいし、または展開されてもよいし、あるいは収納されたままであってもよい。

船が、防壁を広げた状態で航行形態にあるとき、手摺りは展開されて乗員に更なる安全性を提供し、乗員や物が誤って船外へ落下するのを防止する。船が停泊しており、かつ海の状況が十分に穏やかであれば、手摺りを収納または取り外し、障害物のない開放したデッキを提供することができる。この手摺りシステムでは、個々の手摺りを個別に取り外すことが可能である。それにより、防壁を部分的にガードし、残りの部分は障害物のない開放した状態にしておくことができる。

さらに、手摺りおよび防壁システムは、予測される状況に対して手摺りが安全ではないと判断される配置にあることを船の操縦者に知らせる警報システムを任意に備えていてもよい。例えば、防壁が広げられた配置にある状態で、または手摺りが収納されているかまたは取り外された状態で船のエンジンが始動した場合に、警報音が発せられる。

オープンフロア設計と折り畳み式防壁との組合せは、通常はフライブリッジ（フライトブリッジやフライングブリッジとも呼ばれる）を備える大型船にのみ見られる使用可能かつ遮るもののない空間を、大型船の欠点および費用を伴うことなく創出する。

開示される船の下側デッキは前方部および後方部を備え、水位線よりもやや上に位置している。前方部は囲まれており、上側デッキの直下に位置している。後方部は前方部から拡張されたむき出しの部分であり、船尾を形成している。

下側デッキの床も、船首から船尾までほぼ平坦であり、後方部は船の「遊泳デッキ」として機能する。上側デッキと同様に、下側デッキの後方部は折り畳み式防壁を採用しており、これは展開されると遊泳デッキの表面積を大きく拡張する。

下側デッキの後方部および前方部は、任意にドアによって分割することができる。一実施形態において、下側デッキの後方部と前方部とを分けるドアは、下側デッキの前方部と後方部との間の集合点において、上側デッキと下側デッキとの間のほぼ全空間を覆う。したがって、ドアが開けられた時、下側デッキの囲まれた部分への広い入口が提供される。上側デッキと下側デッキとの間の囲まれた空間は、船の乗員のための、または水上バイクや同様のパーソナルウォータークラフトのような設備のためのキャビンスペースとして利用できる。

上側デッキおよび下側デッキは実質的に平坦であるため、下側デッキの囲まれた部分で得られる頭上空間は、同様の２デッキ式船の下側デッキで得られる頭上空間よりも実質的に高い。この重要な頭上空間および下側デッキの囲まれた部分の広い開口は、空間に広い「ガレージ」のような印象および外観を与え、この空間はそれよりも小さい娯楽用船、例えばジェットスキー（登録商標）、ウェーブランナー（登録商標）、小型ボート等を収容するために使用できる。

上側デッキおよび下側デッキは１つまたは複数の階段または梯子でつながっており、これらの階段または梯子は、任意に下側デッキのドアのどちらかの側または下側デッキの囲まれた部分内に配置されうる。

ここで図１〜３を参照すると、上側防壁１０１および下側防壁１０２が格納された航行形態の（図１）、上側防壁１０１および下側防壁１０２が広げられた停止形態の（図２）、ならびに上側防壁１０１および下側防壁１０２が広げられ、かつ上側手摺り１０３が設置された停止形態の（図３）、開示される船１００の一実施形態の図が示されている。

図４〜５は、図１〜３と同じ実施形態を後方から見た図を示し、ここでも、上側防壁１０１および下側防壁１０２は格納された形態（図４）および広げられた形態（図５）で示されている。この図では、遊泳デッキ１０５から上側デッキ１０６へ導く階段１０４も見られる。また、この図ではガレージドア１０７もはっきりと見ることができ、このドアを開けると下側デッキの広大な内側「ガレージ」が現れる。

図６には、本発明の同じ実施形態の背面図を示す。明確性のため、上側の格納式防壁１０１のみが広げられた配置で示されている。上側の格納式防壁の格納された配置は薄い線１０１’で示されている。また、遊泳デッキ１０５から上側デッキ１０６へのアクセスを提供する階段１０４も示されている。この図では、ガレージドア（図示略）が開かれた状態のガレージ開口１０８も示されている。

図６に示されるように、上側の格納式防壁１０１は、防壁の長さの全体にわたって延びている連続したヒンジ１０９によって上側デッキ１０６に連結されている。ヒンジの設計は、防壁１０１が広げられた配置にあるとき、上側デッキ１０６と防壁１０１との間に隙間、不連続性、または高さの変化がないことを確実にし、それにより、娯楽活動に理想的な、広げられた連続する上側デッキを形成する。同様のヒンジ構成（図示略）が、下側の格納式防壁１０２と遊泳デッキ１０５との間の連結にも用いられる。

ヒンジ１０９は、防壁１０１および１０２を広げるために手で操作されることもできるし、電気モータ（図示略）を備えて押しボタン式の自動化展開を容易にしてもよい。
次に図７〜８を参照すると、本発明の同じ実施形態の側面図が示されており、ここでも、上側防壁１０１および下側防壁１０２は格納された形態（図７）および広げられた形態（図８）で示されている。図８には、任意の取外し可能なデッキ用備品１１０、および上側デッキ１０６上に配置されたエンジンコンソール１１１も示されている。

図９は、本発明の同じ実施形態の側断面図であり、下側デッキ１０５がほぼ平坦かつ連続しており、更に船のほぼ全長にわたって長手方向に延びていることがより明確に見て取れる。この図は、本発明の船の設計において、平行な上側デッキおよび下側デッキ１０５、１０６によって提供されるほぼ一定の頭上空間も示している。また、この図では内階段１１３も示され、これは階段１０４に加えて上側デッキ１０６と下側デッキ１０５とをつないでいる。最後に、図９には屋根支持体１１５に支持された屋根構造１１４が示されている。屋根支持体１１５およびエンジンコンソール１１１以外に、上側デッキ１０６上に存在する取外し不能な障害物は存在しない。

次に図１０〜１１を参照すると、本発明の同じ実施形態の平面図が示されており、ここでも、上側防壁１０１および下側防壁１０２は格納された形態（図１０）および広げられた形態（図１１）で示されている。視覚的明確性のため、屋根構造１１４は示されていないが、屋根支持体１１５およびエンジンコンソール１１１は見ることができる。

本発明は添付の図面および例において詳細に例示され、また本明細書において説明されているが、本発明の趣旨を逸脱することなく、また、開示された設計の均等の範囲内において、様々な改良および構造上の変更が可能である。

Claims (1)

1. ウォータークラフトであって、
   １つまたは複数の辺に格納式の上側防壁を含むほぼ平坦かつ連続した上側デッキと、
   後方部および前方部を有するほぼ平坦かつ連続した下側デッキであって、前記前方部は前記上側デッキの直下に位置し、前記後方部は前方部の後方に延びるとともに実質的にむき出しにされ、前記後方部は１つまたは複数の辺に格納式の下側防壁を含む、下側デッキと、
   前記下側デッキの前記前方部は、その後端部以外が側壁によって実質的に囲まれており、そこにガレージ開口が画定されていることと、
   前記ガレージ開口のほぼ全てを取外し可能に覆う格納式ドアと
   を含み、
   前記格納式の上側防壁は、広げられた時に前記上側デッキと連続する表面を形成し、前記表面は前記上側デッキの面積よりも大きく、
   前記格納式の下側防壁は、広げられた時に前記後方部と連続する表面を形成し、前記表面は前記下側デッキの前記後方部の面積よりも大きく、
   前記上側デッキは、広げられた前記格納式の上側防壁に取り付けられる取外し可能な手摺りを更に含む、ウォータークラフト。