JP2003226287A - 船首室付き小型船舶 - Google Patents

船首室付き小型船舶

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JP2003226287A
JP2003226287A JP2002027167A JP2002027167A JP2003226287A JP 2003226287 A JP2003226287 A JP 2003226287A JP 2002027167 A JP2002027167 A JP 2002027167A JP 2002027167 A JP2002027167 A JP 2002027167A JP 2003226287 A JP2003226287 A JP 2003226287A
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bow
deck
bridge
cabin
chamber
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JP2002027167A
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English (en)
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Kazuhiko Satouchi
和彦 里内
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレジャーボート等の小型船舶においては、
アンカーや係留用ロープ等によるデッキワークが必要で
ある。本発明はプレジャーボート等の小型船舶におい
て、乗員がデッキワークをするのに便利な船首室を設
け、船首室への移動の安全性と作業性の向上、更に、ハ
ッチによって密閉状態を保持して風雨や海水の侵入から
船内を守ることができる装置を提供する。 【解決手段】 操縦席を含む船室の前方、左右側方、及
び上方を覆ってブリッジが形成された小型船舶におい
て、操縦席はブリッジの左右一側に寄せた位置に配置さ
れ、ブリッジの前方の船首デッキ(甲板)の一部には上
面開口の船首室が設けられ、ブリッジ内と船首室とを操
縦席横の通路によって往来可能に形成したことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレジャーボート
等の小型船舶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プレジャーボートにあっては、船
室の前後の中間部には操縦席を右舷又は左舷よりに偏っ
て配置し、船室の後部には後部座席が設けられ、また船
体の前後方向に延びる中央軸線上においてこの操縦席よ
りも前方位置に船首座席を設けたものがある。この船首
座席は、操縦席よりも前方のデッキ(甲板)に窪ませた
状態で形成されており、乗員はこの船首座席に後ろ向き
に腰掛状態に着席する形態である。この船首座席に座っ
た乗員は、その上半身をデッキ(甲板)上方へ突出した
状態で後ろ向きの姿勢をとり、進行する船舶の後方周辺
の眺望ができるものである。
【0003】このようなプレジャーボートにおいて、前
記後部座席や船首座席の下側には、前記後部座席や船首
座席によって上面開口が開閉される収納部が形成され、
夫々の物が収納可能に構成されている。
【0004】ところで、乗員が必要に応じてアンカーを
降ろしたり引き上げたり、また帰港時などに係留用のロ
ープを桟橋の係留部へ係留する等の所謂、デッキワーク
をし易くする必要があり、そのために、特に、操縦席を
含む船室の前方、左右側方、及び上方を覆ってブリッジ
が形成された形態のものにおいて、このアンカーやロー
プを使い易い場所に収納する船舶構造が求められる。
【0005】また、プレジャーボート等の小型船舶にお
いては、長時間に亘って航行する場合には乗員のトイレ
が必要であり、狭い船内の空間の有効利用が課題であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
点に鑑みて、操縦部を含む船室の前方、左右側方、及び
上方を覆ってブリッジが形成されたプレジャーボート等
の小型船舶において、乗員が必要に応じてアンカーを降
ろしたり引き上げたり、また帰港時などに係留用のロー
プを桟橋の係留部へ係留する等のデッキワークをし易く
するための船首室を操縦部の前方の船首部に設けるもの
である。そして、この船首室は船室と連通していて、乗
員がその船首室に立った状態でデッキワークができる形
態であり、またハッチによって密閉状態を保持すること
によって風雨の侵入から保護できる形態を提供するもの
である。
【0007】更に、本発明では、操縦部の囲いを形成す
るブリッジが設けられた形態の小型船舶において、アン
カーや係留用ロープの収納部を前方船首部のデッキ(甲
板)に設け、前記ブリッジと前記収納部との間に船室と
連通した上面開口の船首室を設け、この船首室において
前記収納部に対するアンカーや係留用ロープの取り出し
や収納作業等のデッキワークが行える構造を提供するも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明の船首室付き小
型船舶は、操縦部を含む船室の前方、左右側方及び上方
を覆ってブリッジが形成され、前記操縦部は前記ブリッ
ジの左右一側に寄せた位置に配置され、前記ブリッジの
前方の船首デッキ(甲板)の一部には上面開口の船首室
が設けられ、前記ブリッジ内と前記船首室とを前記操縦
部横の通路によって往来可能に形成したことを特徴とす
る。
【0009】このため、船室から船首室へ移動する通路
形成が容易となり、乗員は乗員用船室から前記船首室へ
移動して、その前方の収納部からアンカーやロープを取
り出してデッキワークを行うことができるため、移動中
に船から転落することがなく安全であると共にデッキワ
ークを円滑に行い得る。
【0010】また、本願発明の船首室付き小型船舶は、
操縦部を含む船室の前方、左右側方、及び上方を覆って
ブリッジが形成され、前記操縦部はその前面側に各種機
器を具備するコンソールが配置されて前記ブリッジ内の
左右一側に寄せた位置で前記船室の前寄りに配置され、
前記コンソールの前側に隣接してトイレルームが区画壁
によって区画形成され、前記ブリッジの前方の船首デッ
キ(甲板)の一部には上面開口の船首室が設けられ、前
記ブリッジ内と前記船首室とを前記操縦部及び前記トイ
レルーム横の通路によって往来可能に形成したことを特
徴とする。
【0011】これによって、前記操縦部の前面側にコン
ソールが配置された形態において、コンソールの前側に
隣接してトイレルームを配置して船内空間を有効利用し
た場合にも、小型船舶の走行の安定性が得られると共
に、ブリッジ内と船首室とを往来する通路形成が操縦部
及びトイレルームの横に容易に形成でき、船内から船首
室へ移動してデッキワークを安全且つ容易に行い得る効
果がある。
【0012】また、本願発明の船首室付き小型船舶は、
操縦席を含む船室の前方、左右側方、及び上方を覆って
ブリッジが形成され、前記操縦席は前記ブリッジ内の左
右一側に寄せた位置で船室の前寄りに配置され、前記操
縦席の前方に設けたコンソールの前側にトイレルームが
近接配置され、前記ブリッジの前方の船首デッキ(甲
板)の一部には上面開口の船首室が設けられ、前記ブリ
ッジ内と前記船首室とを前記操縦部及びトイレルーム横
の通路によって往来可能に形成され、前記船室の後部に
は前方に向けて船尾座席が設けられ、前記操縦席は支持
台に対して前後位置が反転できる構成であることを特徴
とする。
【0013】これによって、走行時の安定性が確保で
き、また、操縦部の後方領域を広く取れるため、船室の
後部に前方に向けた船尾座席が設けられ、操縦席に座っ
た人と船尾座席に座った人とが十分な間隔を保って対面
会話ができる空間を形成することができる。
【0014】また、本願発明の船首室付き小型船舶は、
上記において、前記船首室の上部開口は前記船首デッキ
(甲板)に対して開閉可能なハッチによって覆われ、前
記ハッチは、前記船首デッキ(甲板)に対して後端部に
設けたヒンジによって開閉可能に取り付けたことを特徴
とする。
【0015】これによって、上記の効果に加えて、航行
中はハッチを閉じておけば海水や風雨がそこから侵入す
ることもなく、航行の安全性が保たれる。そして、ハッ
チは前方が開くためデッキワークがし易くなる。更に、
船首室の上面開口と収納部の上面開口とを共通のハッチ
によって覆う構成とすることにより、ハッチ構成が簡素
化され、製作が容易となり、船首室と係留用ロープの収
納部とのハッチ開閉も容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1乃至図9は本発明の実施形態を示
す。図1は船首室のハッチを開いた状態の本発明の小型
船舶の前方斜視図、図2は船首室のハッチを閉じた状態
の本発明の小型船舶の前方斜視図、図3は本発明の小型
船舶の右舷の側面図、図4は本発明の小型船舶の平面
図、図5は図1の小型船舶の内部構成を説明する側面
図、図6は図1の小型船舶の内部構成を説明する平面
図、図7は図1の小型船舶の船首部分を示す説明図、図
8は図1の小型船舶の操縦席部分を示す説明図、図9は
図1の小型船舶のトイレルーム部分を示す説明図であ
る。
【0017】以下、図に基づいて本発明の船首室付き小
型船舶の実施形態を説明する。本発明の小型船舶1の一
つの代表例としてプレジャーボートがある。プレジャー
ボート1は、モーターボート等のようにレジャーを主目
的とした船舶の総称である。FRP(繊維強化プラスチ
ックス)製小型船舶1の代表的な構成部品のうち、船体
(ハル)2はロンジで補強され、3は甲板(デッキ)、
4はブリッジである。船体(ハル)2は、FRP(繊維
強化プラスチックス)製であり、単に所定の厚さに形成
したFRP(繊維強化プラスチックス)の層で形成され
る場合と、それぞれFRP(繊維強化プラスチックス)
で形成された内殻と外殻との間の空間に発泡断熱材を充
填した発泡構造船体(ハル)の場合がある。
【0018】船体(ハル)2の後端部に形成されたトラ
ンサム6の中央部には、4サイクルエンジンの船外機7
がブラケットによって着脱自在に取り付けられている。
甲板(デッキ)3の中央部分には、乗員用船室5が窪ん
で形成されている。船室5内の左右の一側方に寄った部
分、図では右舷側に寄った位置には、前方に向いてハン
ドル11を操作するための操縦席9と、この操縦席9の
前面側に対面して各種機器を配置したコンソール10と
を備えた操縦部30を設けている。ハンドル11の操舵
軸がコンソール10を貫通しており、ハンドル11はコ
ンソール10の正面側に配置され操縦席9に座った人H
が操縦し易い構成である。
【0019】ブリッジ4は、操縦席9とコンソール10
を含む操縦部30と船室5を風雨から守るように前方、
左右側方、及び上方を覆う天蓋を形成しており、操縦部
30はブリッジ4の左右一側に寄せた位置、図では右舷
側に寄った位置に配置されている。ブリッジ4によって
覆われた船室5の領域は、船室5を通って後方から操縦
部30へ出入りできるように、操縦部30の前方50
A、上方50B及び左右側方50Cをカバー材50によ
って覆い、このカバー材50は、前方50A及び左右側
方50Cが透明資材によって構成され、操縦部30から
前方及び左右側方を透視可能に構成している。
【0020】ブリッジ4を構成するカバー材50は、骨
格材52によって補強された所謂、ハードトップ構成で
あり、上方面50Bと前方面50Aの左右部分には、ハ
ードトップ造形に合わせたデザインのストームレール5
1を備える。乗員がブリッジ4内を移動する際に屈まな
いようにするためには、上方面50B全体の高さを十分
高く形成すればよいが、そうすれば重心が高くなって船
舶1が不安定になる。
【0021】このため、本発明では、乗員がブリッジ4
内を移動する際に屈まないか屈みが少ないように、ま
た、操縦席9に座った人Hの頭部が当たらないようにす
るために、上方面50Bはその中央部を後方に行くに従
って上方に高く膨出させており、それによって船室5の
床板5Aからの高さをその部分で高く形成でき、重心の
上方への移動も少なく、この膨出によって上方面50B
の強度も増す。
【0022】60は、前方の船首デッキ(甲板)3Aの
左右側の周辺部に取り付けたグリップレールである。こ
のグリップレール60とストームレール51は、船首デ
ッキ(甲板)3Aを通行する人が握って安全に移動でき
るために設けられた手摺りとなるものである。船首デッ
キ(甲板)3Aを前方へ移動する際に、ストームレール
51を握った状態からグリップレール60へ握り返すこ
とがスムースにできるようにするために、図3及び図4
に示すように、ストームレール51の前部とグリップレ
ール60の後部が右舷及び左舷側の側面視において重な
り合うような状態に設けられており、ストームレール5
1の前部とグリップレール60の後部とが、船首デッキ
(甲板)3Aを通行する人に近づいた状態にある。
【0023】ブリッジ4の後面は開放された形態でもよ
いが、船室5の大半又は全体を風雨から保護するため
に、ブリッジ4の後面に折り畳み自在な幌53をブリッ
ジ4の後面周縁部に取り付けた形態とすることができ
る。この幌53を広げた状態において、後述の船尾座席
14の上方空間まで覆われ、折り畳んだ状態ではブリッ
ジ4の後面は開放された状態である。
【0024】操縦部30の囲いを形成するブリッジ4の
前方船首デッキ(甲板)3Aの一部には、船首デッキ
(甲板)3Aの一部に窪んで上面開口21Aの船首室2
1を形成している。この船首室21の上部開口21A
は、風雨や海水の侵入を防ぐためにデッキ(甲板)3A
に対して開閉可能なハッチ25によって覆われ、上部開
口21Aの周囲はハッチ25の裏側に取り付けたパッキ
ン25Aによって水密にシールされる。ハッチ25はデ
ッキ(甲板)3Aに対して後端部に設けたヒンジ54に
よって、前開きの開閉可能な取り付け構成であり、閉じ
た状態は図示しないロック装置によって保持される。
【0025】船首室21の前方船首デッキ(甲板)3A
の一部には、船首室21に近接して上面開口の収納部2
3が設けられ、アンカー、係留用ロープ、その他の物の
何れか又はそれらが収納可能である。収納部23の上部
開口は、雨や海水の侵入を防ぐためにハッチ25によっ
て覆われた構成である。
【0026】図5のように、船首室21と収納部23と
は区画壁26によって区画された構成とし、ハッチ25
は、船首室21と収納部23とが共通の単一ハッチ25
によって開閉される構成とすれば、ハッチ構成が簡単に
なる。ハッチ25は船首室21から開閉できる構成であ
り、適切なロック装置によって閉じられる。なお、船首
室21と収納部23とを別々のハッチによって開閉可能
に構成することもできる。
【0027】このように、本発明では、操縦部30を含
む船室5の前方、左右側方、及び上方を覆ってブリッジ
4が形成され、操縦部30はブリッジ4の左右一側に寄
せた位置に配置され、ブリッジ4の前方の船首デッキ
(甲板)3Aの一部には上面開口21Aの船首室21が
設けられ、船首室21の前方の船首デッキ(甲板)3A
の一部には上面開口の収納部23が船首室21に近接し
て設けられ、収納部23にはアンカー又はその他の物を
収納可能であり、ブリッジ4内と船首室21とを操縦部
30の横の通路24によって往来可能に形成している。
【0028】これによって、出航時や帰港時に乗員がア
ンカーや係留用ロープの作業、或いはその他の物の出し
入れ作業等、即ちデッキワークは、ハッチ25を開いて
船首室21の上面開口21Aから身を乗り出して行うこ
とができる。然も、船首室21は船室5とブリッジ4内
で連通しているため、船室5から船首室21への移動も
ブリッジ4の外側のデッキを通ることなくブリッジ4内
を通って行えるため、移動中の海中への落下の危険もな
く安全である。またデッキワークも船首室21において
行えるため、曲面を有するデッキ上で行う場合に比して
作業の安定性もある。そして、ハッチ25によって密閉
状態が保持できるため、風雨や海水の侵入から船内を守
ることができる。
【0029】更に、船首室21の前方の船首デッキ(甲
板)3Aの一部には上面開口の収納部23が船首室21
に近接して設けられているため、この収納部23にアン
カーや係留用ロープを収納しておけば、デッキワークが
円滑に行える。そして、ハッチ25が船首室21と収納
部23の上面開口を共通に開閉することによって、構造
的にも簡素化され、これらの開口の開閉作業も簡素化さ
れる。またハッチ25は、その後端部に設けたヒンジ5
4によって前開きに開閉可能とすることによって、デッ
キワークを行うことに便利である。
【0030】船首室21の床は、後床部よりも前床部2
2が若干高くなるように段部が形成されており、図7の
ようにハッチ25を開いた状態でこの前床部22に乗員
Pが跪いてデッキワークに備える等の体勢をとることが
でき、また図5のようにこの前床部22に乗員Pが立っ
てデッキワークを行うことができる。
【0031】40はトイレルームであり、コンソール1
0の前側に隣接して操縦部30の左右幅S内に収まる領
域に区画壁41によって区画形成され、内部には腰を掛
ける洋式便器42が設置されている。この便器42は排
便などを貯留するタンクの上面に便座が設けられた構成
であり、船体(ハル)2又は甲板(デッキ)3に固定し
た固定式であってもよいが、排出物の廃棄や清掃を考慮
すれば、この便器42は排出物タンクの上面に便座を備
えたポータブル式トイレを取り外し自在な状態に設置す
るのが好ましい。桟橋などに帰港した際にトイレルーム
40からこの便器42、即ち、ポータブル式トイレを取
り出して汚物の廃棄と清掃を行うことができる。
【0032】船舶1の安定性からすれば重心をなるだけ
低くすることが望まれる。トイレルーム40は、その中
の便器42を船腹2Aの最も低位置に設置しようとすれ
ば、船体(ハル)2の前後方向の中心線上になるが、そ
こに設置するとトイレルーム40が船内の中心線上に位
置するようになるため、船室5から船首室21への移動
通路が形成し難い。本発明では、船室5から船首室21
への移動通路が形成し易く、船舶1の安定性から重心を
なるだけ低くすることができるような工夫がなされてい
る。
【0033】トイレルーム40の天井は、ブリッジ4と
の関係から高さが制限されるが、船室5の床板5Aと同
一レベルに設置した場合は、トイレルーム40の天井高
さが低くなりトイレの使用上不便である。これらを解決
するために、図9に示すように、船室5の床板5Aより
も低く、且つ船腹2Aの中央最底部よりも上位置におい
て船体(ハル)2に設けた支持部材55上に便器42を
水平状態に設置した構成としている。これによって、図
9のようにトイレを使用する人H2が便器40に着座で
きる空間確保ができ、小型船舶の重心も低く設定でき、
更に、船室5から船首室21への移動通路24が容易に
形成できる。
【0034】本発明では、図示のように、操縦部30を
船舶1の前方寄りに配置し、然もトイレルーム40をコ
ンソール10の前方に近接配置することによって、小型
船舶の走行時の安定性を確保している。また、この構成
によって、操縦部30の後方領域を広く取れるようにな
り、船室5内の後部には、前方に向けて設けた船尾座席
14を設けることができる。更に、後述のように、操縦
席9は支持台19に対して前後位置が反転できる構成と
することによって、操縦席9に座った人と船尾座席14
に座った人とが適当な間隔を保って対面会話ができる空
間を形成することができる。この船尾座席14は、中央
座席シート14Aとその左右に配置した左座席シート1
4B、右座席シート14Cとを座部に備えたベンチシー
ト形式の構成である。
【0035】また、船室5の前寄りで一側方に寄って操
縦部30とトイレルーム40が配置されており、プレジ
ャーボート等の小型船舶において、走行時の安定性を確
保しつつ船室5から船首室21へ移動する通路24の形
成が容易となり、船室5から操縦部30の横の通路24
を通って乗員の往来がし易くなる。トイレルーム40の
入口43はこの通路24に面して形成されている。この
入口43は通路24側へ開くドア44によって図6の2
点鎖線のように開閉される。
【0036】操縦席9を支持する支持台19内を有効利
用するために、支持台19内の空間に収納庫20を形成
している。操縦席9は支持台19に対して前後位置が反
転できる構成であり、前向きの場合にはハンドル10の
操作をする状態であり、後ろ向きの場合は船尾座席14
に座った人と十分な間隔を保って対面できる状態とな
る。また収納庫20の上面開口は開閉可能な蓋によって
閉じられており、その構成の一つとして、操縦席9によ
ってこの蓋を構成せしめ、それによって収納庫20の上
面開口を開閉可能とすることができる。
【0037】上記のように支持台19に対して操縦席9
の前後位置が反転できる構成の場合には、支持台19の
一側縁部にヒンジ装置によって開閉可能な蓋材を取り付
け、この蓋材に対して操縦席9を前後に回転できる構成
とする。また、収納庫20の上面開口を操縦席9によっ
て塞ぎ、支持台19に対して操縦席9を取り外し可能と
して、支持台19に対して操縦席9の前後位置が反転で
きる構成とすることによってもそれが達成できる。
【0038】ハッチ25の構成は、図5のように、船首
室21と収納部23とは区画壁26によって区画された
構成とし、船首室21と収納部23とが共通の単一ハッ
チ25によって開閉される構成とすれば、ハッチ構成が
簡単になる。ハッチ25は船首室21から開閉できる構
成であり、適切なロック装置が設けられている。なお船
首室21と収納部23とを別々のハッチによって開閉可
能に構成することもできる。
【0039】このような構成において、小型船舶1の帰
港時には、乗員Pが船室5内から通路24を通って船首
室21へ移動し、ハッチ25を内側から開けて図5のよ
うに略垂直状態に立てた状態において前方の収納部23
の上面開口からアンカーや係留用ロープを取り出して係
留作業など必要なデッキワークを行う。通常、係留中及
び航行中はハッチ25は閉じられた状態である。
【0040】また、船首室21と収納部23とは図5の
ように区画壁26によって区画された構成ではなく、こ
のような区画壁を設けずに、船首室21を若干広くして
その一部をアンカーや係留用ロープの収納部23とする
ことができる。この場合には船首室21の上部開口はデ
ッキ(甲板)3Aに対して開閉可能な単一のハッチ25
によって覆われた構成となる。
【0041】更に、収納部23を上記実施形態とは異な
り、船内の何れかの部分に収納する方式でも差し支えな
い。この場合にも、デッキワークを安全且つ簡単に行え
るようにするために、ブリッジ4前方の船首部には操縦
部30後方の乗員用船室5から乗員が移動可能に船首デ
ッキ(甲板)3Aの一部に窪んで船首室21を設け、こ
の船首室21の上部開口を船首デッキ(甲板)3Aに対
して後端部に設けたヒンジ54によって開閉可能なハッ
チ25によって覆う構成とすればよい。
【0042】甲板(デッキ)3の一部を構成する船室5
の底板5Aと船体(ハル)2の船腹2Aとの間の空間に
は収納庫12が形成され、その上部開口は開閉自在な蓋
13によって閉じられている。収納庫12は、そこの収
納されるものによってその形態が定まり、魚を収納する
場合には生簀を構成する。船尾座席14の下方及び後方
の船体(ハル)2の船腹2Aとの間の空間には収納庫1
5が形成されており、船尾座席14がヒンジ部56を軸
として図5の点線の状態へ回動せしめることによって収
納庫15内の収納物の出し入れ等を行い得る。船尾座席
14の座部は、図5のように基台57に対して若干前方
へ張り出しており、腰掛けた人H3の脚部が基台57か
ら離れて着座できるため着座と起立時に基台57が邪魔
にならない。
【0043】収納庫15は、船外機7の左右側にも延び
た大きさを有し、収納庫15内には燃料タンク16が収
納されている。収納庫15の船室5側の上部開口は、船
尾座席14を回動することによってその下方の収納庫1
5が開放される。また収納庫15の船室側の上部開口の
開閉を船尾座席14を外して行う方式とすることもでき
る。船室5外から収納庫15内の操作ができるように、
左舷側の収納庫部分15Aの上部開口と右舷側の収納庫
部分15Bの上部開口を、それぞれ取っ手18を備えた
開閉蓋17によって開閉可能に構成することもできる。
【0044】本発明は、上記実施形態に限定されず、本
発明の技術的範囲を逸脱しないかぎり種種の変更が考え
られ、それに係る種種の実施形態を包含するものであ
る。
【0045】
【発明の効果】本発明によって、プレジャーボート等の
小型船舶において、船室から船首室へ移動する通路形成
が容易となり、出航時や帰港時に乗員がアンカーや係留
用ロープを使用する作業、或いはその他の物の出し入れ
作業等、所謂デッキワークは、船首室において行うこと
ができる。然も、船首室は船室とブリッジ内で連通して
いるため、船室から船首室への移動もブリッジの外側の
デッキを通ることなくブリッジ内を通って行えるため、
移動中の海中への落下の危険もなく安全である。またデ
ッキワークも船首室において行えるため、曲面を有する
デッキ上で行う場合に比して作業の安定性もある。
【0046】また、請求項2の発明では、操縦部の前面
側にコンソールが配置された形態において、コンソール
の前側に隣接してトイレルームを配置して船内空間を有
効利用した場合にも、小型船舶の走行の安定性が得られ
ると共に、ブリッジ内と船首室とを往来する通路形成が
操縦部及びトイレルームの横に容易に形成でき、船内か
ら船首室へ移動してデッキワークを安全且つ容易に行い
得る効果がある。
【0047】また、請求項3の発明では、走行時の安定
性が確保でき、また、操縦部の後方領域を広く取れるよ
うになり、船室の後部に前方に向けて設けた船尾座席が
設けられ、操縦席に座った人と船尾座席に座った人とが
十分な間隔を保って対面会話ができる空間を形成するこ
とができる。
【0048】また、請求項4の発明では、請求項1〜3
に係る上記効果に加えて、航行中はハッチを閉じておけ
ば海水や風雨がそこから侵入することもなく、航行の安
全性が保たれる。そして、ハッチは前方が開くためデッ
キワークがし易くなる。更に船首室の上面開口と収納部
の上面開口とを共通のハッチによって覆う構成とするこ
とにより、ハッチ構成が簡素化され、製作が容易とな
り、船首室と係留用ロープの収納部とのハッチ開閉も容
易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】船首室のハッチを開いた状態の本発明の小型船
舶の前方斜視図である。
【図2】船首室のハッチを閉じた状態の本発明の小型船
舶の前方斜視図である。
【図3】本発明の小型船舶の右舷の側面図である。
【図4】本発明の小型船舶の平面図である。
【図5】図1の小型船舶の内部構成を説明する側面図で
ある。
【図6】図1の小型船舶の内部構成を説明する平面図で
ある。
【図7】図1の小型船舶の船首部分を示す説明図であ
る。
【図8】図1の小型船舶の操縦席部分を示す説明図であ
る。
【図9】図1の小型船舶のトイレルーム部分を示す説明
図である。
【符号の説明】
1……小型船舶 2……船体(ハル) 3、3A……甲板(デッキ) 4……ブリッジ 5……船室 7……船外機 9……操縦席 10…コンソール 12、15、20…収納庫 14…船尾座席 21…船首室 23…収納部 24…船室から船首室へ至る通路 25…ハッチ 30…操縦部 40…トイレルーム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操縦部を含む船室の前方、左右側方、及
    び上方を覆ってブリッジが形成され、前記操縦部は前記
    ブリッジの左右一側に寄せた位置に配置され、前記ブリ
    ッジの前方の船首デッキ(甲板)の一部には上面開口の
    船首室が設けられ、前記ブリッジ内と前記船首室とを前
    記操縦部横の通路によって往来可能に形成したことを特
    徴とする船首室付き小型船舶。
  2. 【請求項2】 操縦部を含む船室の前方、左右側方、及
    び上方を覆ってブリッジが形成され、前記操縦部はその
    前面側に各種機器を具備するコンソールが配置されて前
    記ブリッジ内の左右一側に寄せた位置で前記船室の前寄
    りに配置され、前記コンソールの前側に隣接してトイレ
    ルームが区画壁によって区画形成され、前記ブリッジの
    前方の船首デッキ(甲板)の一部には上面開口の船首室
    が設けられ、前記ブリッジ内と前記船首室とを前記操縦
    部及び前記トイレルーム横の通路によって往来可能に形
    成したことを特徴とする船首室付き小型船舶。
  3. 【請求項3】 操縦席を含む船室の前方、左右側方、及
    び上方を覆ってブリッジが形成され、前記操縦席は前記
    ブリッジ内の左右一側に寄せた位置で前記船室の前寄り
    に配置され、前記操縦席の前方に設けたコンソールの前
    側にトイレルームが近接配置され、前記ブリッジの前方
    の船首デッキ(甲板)の一部には上面開口の船首室が設
    けられ、前記ブリッジ内と前記船首室とを前記操縦部及
    びトイレルーム横の通路によって往来可能に形成され、
    前記船室の後部には前方に向けて船尾座席が設けられ、
    前記操縦席は支持台に対して前後位置が反転できる構成
    であることを特徴とする船首室付き小型船舶。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかにおい
    て、前記船首室の上部開口は前記船首デッキ(甲板)に
    対して開閉可能なハッチによって覆われ、前記ハッチ
    は、前記船首デッキ(甲板)に対して後端部に設けたヒ
    ンジによって開閉可能に取り付けたことを特徴とする船
    首室付き小型船舶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016030599A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフトDr. Ing. h.c.F. Porsche Aktiengesellschaft 乗り物の幌
KR20180084697A (ko) * 2018-07-06 2018-07-25 김재흥 레저용 조립식 보트

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