JP6563753B2 - 船外機艇 - Google Patents

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Description

本発明は、船体の後部に、それぞれ独立して転舵される複数の船外機と船尾デッキが設けられた船外機艇に関する。
近年においては、外洋を走行できるように各種の設備を整えたいわゆるクルージングタイプのやや大型の小型船舶がレジャー等に用いられており、このような小型船舶では、停泊中に、船尾デッキに設けられたトランサムステップから水中に入って遊泳したり、トランサムステップでくつろいだりすることが行われている。このような小型船舶の中に、複数の船外機を用いて走行する船外機艇があるが、船外機艇の場合、船外機の上部が船尾デッキより上方に突出するため、利用できる船尾デッキのスペースに制限がある。このため、船外機の側方に乗員が行き来できるトランサムステップを設けた船外機艇が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この船外機艇は、船尾における左右方向の中央側部分に凹部を設けるとともに凹部の前方縁部に2つの船外機を左右に並べて取り付けて、2つの船外機の駆動によって走行できるようにしている。そして、凹部の左右両側および前部側に、トランサムプラットフォーム(トランサムステップ)を設けて、2つの船外機の周囲で、トランサムプラットフォームの上面を乗員が歩けるようにしている。
特開2009−208655号公報
船外機艇では、船外機のメンテナンスのために、乗員が船外機の左右両側に周り込む必要が生じる場合がある。しかしながら、前述した従来の船外機艇では、2つの船外機の間に通路がないため、各船外機の周囲を行き来できずメンテナンスのための作業がし難いという問題があった。また、このような船外機艇は、船尾の中央部分から水中に出入りできれば、レジャー用の船外機艇としてより好適なものになるが、従来の船外機艇ではこのようなことはできなかった。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、各船外機の周囲を容易に移動することができ、船外機のメンテナンスが容易になるとともに、船尾の中央部分から水中に出入りできる船外機艇を提供することである。
前述した目的を達成するため、本発明に係る船外機艇の構成上の特徴は、ハル(11)とデッキ(12)からなる船体(10)と、船体の後部に取り付けられる複数の船外機(27L,27R)と、複数の船外機をそれぞれ独立して転舵する転舵機構(13c)と、デッキの上に設けられたブルワーク(16)と、ブルワークの後方に設けられた船尾デッキ(20)とを備え、船尾デッキに、複数の船外機の間を後方に延びるメイントランサムステップ(21)が含まれ、ブルワークに左右の側部(16b)と後部(16a)が備わっており、後部に左右の側部よりも低い低部(16c)が形成され、低部の後方にメイントランサムステップが配置されていることにある。
このように構成した本発明に係る船外機艇では、複数の船外機を転舵機構でそれぞれ独立して転舵できるようにして、各船外機の間隔を広くしている。そして、広くなった船外機間のスペースにメイントランサムステップを設けている。このため、船尾デッキにおける船外機の間のメイントランサムステップ上を、乗員が自由に移動することができるようになる。これによって、各船外機のメンテナンス作業がし易くなるという効果、および、船尾の中央部分から水中に出入りできるようになるという効果が生じる。
なお、複数の船外機を備えた従来の船外機艇では、複数の船外機どうしがリンク部材で連結され、共通の転舵装置で同方向に転舵されるため、船外機間のリンク部材の強度を大きくする必要があった。このため、複数の船外機の間隔を狭くしていたが、リンク部材を用いず、複数の船外機を独立して転舵することにより、各船外機の間隔を広くすることができる。これによって、船外機間にメイントランサムステップを設けることができるようになるとともに、船外機艇をその場で回頭させたり、横移動させたりする際の応答性が向上する。また、本発明によると、低部を跨いで移動することにより、ブルワークの内部側のスペースと船尾デッキとの間での行き来が容易になる。さらに、本発明によると、低部を跨いで移動することにより、ブルワークの内部側のスペースと船尾デッキのメイントランサムステップとの間での行き来が容易になる。
本発明に係る船外機艇の他の構成上の特徴は、メイントランサムステップの後端部が、船外機を取付ける船尾後面より後方で、船外機の後端部よりも前方に位置していることにある。
本発明によると、船外機が転舵されたときに、メイントランサムステップと接触し難くなる。すなわち、船外機艇を転舵する場合には、船外機は、後部側が左右に移動するように回転するが、この場合、船外機の後部は、メイントランサムステップの後部側に接近する。このため、メイントランサムステップの後端部を船外機の後端部よりも前方に位置させることにより、船外機とメイントランサムステップとが接触することを防止でき、これによって、船外機艇が旋回しやすくなる。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、メイントランサムステップの後部の幅が前部の幅よりも狭くなっていることにある。
本発明によると、船外機が転舵されて船外機の後部が左右に搖動したときに、メイントランサムステップに接触することを防止できる。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、船尾デッキに、複数の船外機のうちの外側に位置する船外機の側方で船尾デッキの左右両端から後方に延びるサブトランサムステップ(22L,22R)が含まれていることにある。
本発明によると、船尾デッキにおける船外機の後部側を除いた周囲の部分を、乗員が自由に移動することができるようになる。これによって、船外機のメンテナンス作業がさらにし易くなるという効果、および、船尾の左右両側部分から船外機艇への乗り降りが楽にできるようになるという効果が生じる。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、サブトランサムステップの後端部が、船外機を取付ける船尾後面より後方で、船外機の後端部よりも前方に位置していることにある。
本発明によると、船外機が転舵されたときに、サブトランサムステップと接触し難くなる。船外機艇を左右に転舵する場合には、船外機の後部は、サブトランサムステップの後部にも接近するが、サブトランサムステップの後端部を船外機の後端部よりも前方に位置させることにより、船外機とサブトランサムステップとが接触し難くなる。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、サブトランサムステップの後端部がメイントランサムステップの後端部よりも前方に位置していることにある。
本発明によると、メイントランサムステップとサブトランサムステップの大きさを用途に応じたバランスのよいものにすることができる。メイントランサムステップは、船外機艇の後部中央と水中の間を行き来したり、上面でくつろいだりするために用いられるが、サブトランサムステップは、このような用途で用いられることはあまりないため、メンテナンス作業時に、乗員一人が通過できる大きさであればよい。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、サブトランサムステップの後部の幅が前部の幅よりも狭くなっていることにある。
本発明によると、複数の船外機の中の左右の端に位置する船外機が転舵されて後部が左右に搖動したときに、サブトランサムステップに接触することを防止できる。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、メイントランサムステップの横幅が、サブトランサムステップの横幅よりも広くなっていることにある。
本発明によると、サブトランサムステップは、乗員一人が通過できる程度の幅にして、メイントランサムステップは乗員が寝転んだり座ったりしてくつろげる幅にすることができる。これによって、メイントランサムステップとサブトランサムステップの横幅をそれぞれ用途に適した幅にすることができる。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、メイントランサムステップの上面の高さと、サブトランサムステップの上面の高さが略同じになっていることにある。
本発明によると、水面からのメイントランサムステップの上面までの高さとサブトランサムステップの上面までの高さが略同じになるため、メイントランサムステップとサブトランサムステップに同等の親水性を持たせることができる。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、低部の側部に、左右の側部から船体の幅方向の中心に向かって下り傾斜になった傾斜部(16d)が形成されていることにある。
本発明によると、ブルワークの後部における左右の側部と低部との間に段差がなくなるため、角部に物が当接することがなくなる。また、低部の両側に傾斜部を設けることによってブルワークの後部はデザイン的にも良好なものになる。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、低部にシート(17)が設けられていることにある。
本発明によると、シートに腰かけてくつろぐことができる。また、ブルワークの内部側のスペースと船尾デッキとの間で行き来するときに、シートを踏み台にすることにより、行き来が容易になる。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、シートが、低部に連結(17b)されて、低部の前面に沿った位置と、低部から前方に突出した位置との間で回転可能になっていることにある。
本発明によると、シートを使用するときには乗員が座れる状態に回転し、シートを使用しないときには畳んだ状態にすることができるため、シートを使用しないときにブルワークの内部のスペースを移動する乗員の妨げになることがない。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、メイントランサムステップの上面が、シートの座面よりも低い位置にあることにある。
本発明によると、ブルワークの低部に配置されるシートの座面よりもメイントランサムステップの上面が低い位置にあるため、ブルワークの内部側のスペースから後方のメイントランサムステップに移動すると水面に近づくようになる。このため、メイントランサムステップから水中へのアクセスが容易になる。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、ブルワークの左右の側部に、ブルワークの内部側(15)と外部側との間を行き来するための通路もしくは開閉ドアからなる通過手段(19L,19R)が設けられていることにある。
本発明によると、ブルワークの内部側と外部側の、例えば桟橋との間での行き来が容易になる。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、通過手段が、ブルワークの左右の側部に形成された凹部(19a)と、凹部の上縁部に設けられた回転軸(19c)を中心として上方に回転することにより、凹部を開閉する回転扉(19b)とからなる開閉ドアで構成されていることにある。
本発明によると、ブルワークの内部側と外部側との間を行き来する場合には、回転扉を上方に回転して開け、ブルワークの内部側と外部側との間を行き来しない場合には、回転扉を逆方向に回転して凹部を閉じておくことができる。この場合、回転扉にロック機構は不要であるとともに、ブルワークの外側に物があっても回転扉の開閉に支障は生じない。例えば、回転扉を上方でなく、外側に回転するようにした場合、回転扉が不意に開くことを防止するために、ロック機構が必要になるとともに、着岸時にブルワークの外側に物があると、回転扉を開けることができなくなる。本発明では、回転扉が上方に回転するようにしたため、構造が単純で使い勝手のよいものになる。なお、回転扉は、凹部の前部側の縁部上側部分を支点として回転することが好ましい。
本発明に係る船外機艇のさらに他の構成上の特徴は、メイントランサムステップの後部にラダー(24)が取り付けられていることにある。
本発明によると、乗員が水泳や潜水をする場合には、メイントランサムステップの後部に取り付けたラダーを伝わって水中に入ることができる。また、メイントランサムステップ内にラダーを収容するための収容部を設けて、使用しないときには、ラダーを収容部に収容しておき、使用するときに、引き出して水中に垂らすことが好ましい。さらに、ラダーとしては伸縮するものを用いることが好ましい。
さらに、本発明に係る船外機艇の他の構成上の特徴は、ハルとデッキからなる船体と、船体の後部に取り付けられる複数の船外機と、複数の船外機をそれぞれ独立して転舵する転舵機構と、デッキの上に設けられたブルワークと、ブルワークの後方に設けられた船尾デッキとを備え、船尾デッキに、複数の船外機の間を後方に延びるメイントランサムステップが含まれ、メイントランサムステップの後部の幅が前部の幅よりも狭くなっていることにある。
本発明によると、船外機が転舵されて船外機の後部が左右に搖動したときに、メイントランサムステップに接触することを防止できる。
本発明の一実施形態に係る船外機艇を示した斜視図である。 船外機艇を示した側面図である。 船外機艇を示した平面図である。 船外機艇を示した後面図である。 低部に取り付けられたベンチシートを斜め下方から見た状態を示した斜視図である。 ベンチシートを示しており、(a)は使用時の側面図、(b)は支持部材を外して折り畳もうとした状態の側面図、(c)は不使用時の側面図である。 ブルワークのサイドゲートを閉じた状態を示した斜視図である。 ブルワークのサイドゲートを開こうとした状態を示した斜視図である。 ブルワークのサイドゲートを開いた状態を示した斜視図である。 船外機艇が直進状態のときの船外機の向きを示した斜視図である。 船外機艇が右旋回しているときの船外機の向きを示した斜視図である。 船外機艇が横方向に移動しているときの船外機の向きを示した斜視図である。 チルトアップした状態の船外機を示した斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1ないし図4は、同実施形態に係るクルーザータイプの船外機艇Aを示している。この船外機艇Aでは、船体10が、船体底部を構成するハル11と甲板を構成するデッキ12とで構成されている。そして、ハル11とデッキ12との周縁部が水密的に接合されて船体10の周囲にガンネル部10aが形成されている。
船体10の上部における前後方向の略中央部から後部側にかけての部分には、天井側が開放された操縦室13が設けられ、その操縦室13内の右舷側前部に、ハンドル13aと運転席13bとが前後に並んで設けられている。そして、ハンドル13aの近傍には、スタートスイッチ、リモコン操作部、ジョイスティック13cおよび各種の計器、スイッチなどの船外機艇Aを操船するために必要な装置が設けられている。なお、船外機艇Aが通常の走行を行う場合には、ハンドル13aの操作で転舵され、リモコン操作部の操作で加減速される。また、船外機艇Aが低速で走行する場合には、ジョイスティック13cを用いて、船外機艇Aを転舵したり、加減速させたりする。また、操縦室13内の左舷側中央部分に、テーブル13dおよびテーブル13dを左側から後方にかけて囲むように配置された平面視がL形のシート13eなどが設置されている。
デッキ12の上面における操縦室13よりも前部側部分には広い平面部からなる船首デッキ12aが形成され、船首デッキ12aの後部側からは、門形の浮翼14が後方の斜め上方に向って延びている。浮翼14の上面には、レーダー14aおよび航海灯14bが設置されている。さらに、デッキ12の外周部における中央側から前部にかけての部分には、手摺り14cが設けられている。
デッキ12の上面における操縦室13よりも後部側部分には、下方に窪んだソール部15が形成されている。このソール部15はブルワーク16に囲まれており、船首デッキ12aとソール部15との間は、操縦室13の左右両側に形成された前後に細長く延びる通路12b,12cとブルワーク16で結ばれている。通路12b,12cは、ブルワーク16と一体となっており、それらの上面は連続する平面で構成されている。
ソール部15の右舷側前部には、操縦室13に通じる階段15aが設けられており、この階段15aを介してソール部15と操縦室13との間を行き来できる。また、船体10における操縦室13の下方には、乗員が休憩するための椅子が設置されたアンダーバース、ソファや各種の飲料等を収容する収容棚等が設置されて乗員がくつろぐことができるメインサロンなどの各船室が形成されており、その出入り口に設けられたドア15bを介してソール部15と各船室との間を出入りできる。さらに、ソール部15の下方には、各種のものを収納できる収納スペースが設けられており、ソール部15の中央部分に収納スペースを開閉するための2つの開閉蓋15cが設けられている。
ブルワーク16は、ソール部15の左右両側および後部を囲む平面視がコ字状の壁部で構成されており、その後部16aの左右方向の中央には、左右の側部16bよりも上面の高さが低い低部16cが形成されている。そして、低部16cの左右両側には、それぞれ後部16aにおける側部16bの近傍部分から低部16cに向かって下り傾斜になった左右の長さが短い傾斜部16dが形成されている。また、低部16cには、折り畳み式のベンチシート17が取り付けられている。このベンチシート17は、図5に示したように、座面部17aと、3つの蝶番17bと、支持枠17cと、3つの支持部材17dと、3つのフック部17eを備えている。
座面部17aは乗員が2〜3人横並びで座れる長いシートで構成されている。蝶番17bは、棒状の軸部を中心に互いに接近したり離れたりしながら回転する2つの板片を備えている。そして、蝶番17bは、軸部を水平に配置して一方の板片を低部16cの前面における上端近傍に左右に同間隔で固定するとともに、他方の板片を座面部17aの裏面における幅方向の中央よりもやや奥側部分(乗員が座ったときに臀部側に対応する部分)に固定して、座面部17aを低部16cの前面と上面との間で回転可能にしている。
支持枠17cは、パイプからなる丸棒を左右に長い四角枠状に形成するとともに、長い丸棒間を間隔をおいた2つの補強用丸棒で連結して構成されている。また、支持部材17dは、側方から見た形状が略Ω形になった部材で構成されており、支持枠17cの長い丸棒の一方を回転可能にした状態で、座面部17aの裏面に左右に同間隔で固定されている。フック部17eは、側方から見た形状が略C形になり支持枠17cの揺動可能な長い丸棒に着脱可能に係合できる部材で構成されている。このフック部17eは、低部16cの前面における蝶番17bの下方部分に左右に同間隔で固定され、座面部17aの後部が低部16cの上面に沿う使用状態のときに、図6(a)に示したように支持枠17cの長い丸棒と係合する。
図6(a)の状態では、座面部17aは、後部が低部16cの上面に支持され、前部が支持部材17dとフック部17eにそれぞれ係合した支持枠17cに支持された状態で、先端部分を前方に向けて座面を略水平にしている。このため、乗員はベンチシート17に座ってくつろぐことができる。また、ベンチシート17を折り畳んだ不使用の状態にする場合は、座面部17aの前部を軽く持ち上げて、支持枠17cの丸棒とフック部17eとの係合状態を緩め、図6(b)に矢印で示したように、支持枠17cを座面部17aの裏面側に回転させる。そして、図6(c)に示したように、座面部17aと支持枠17cを一緒に低部16cの前面側に矢印の方向に回転する。これによって、ソール部15のスペースが広くなって乗員は移動し易くなる。
また、低部16cの上面におけるベンチシート17の両側部分には、それぞれ凹部からなるドリンクホルダー17fが形成されている。このドリンクホルダー17fには、飲料水等が収容された瓶やコップを起立状態で保持することができる。
また、低部16cの上面におけるベンチシート17の後部側には、左右一対の背もたれ18L,18Rが設けられている。この背もたれ18L,18Rは、それぞれ水平棒と垂直棒からなるT形部材の水平棒の外周に円筒状のクッションを取付けて構成されたクッション本体18aと、低部16cの上面に固定されてクッション本体18aを支持する管状支持部18bで構成されている。管状支持部18bは、低部16cの上面の後部側から上方に突出するパイプで構成され、その上端部には、前後左右にそれぞれ90度の間隔で係合凹部(図示せず)が形成されている。クッション本体18aの垂直棒の外周には管状支持部18bの係合凹部に係合できる一対の棒状突起が180度の間隔で形成されている。
クッション本体18aの垂直棒の下部は、管状支持部18b内に差し込むことができる大きさに設定されており、クッション本体18aの垂直棒の下部を管状支持部18b内に差し込み、一対の棒状突起を対向する一対の係合凹部に係合されることでクッション本体18aは管状支持部18bに組み付けられる。また、一対の棒状突起が係合する一対の係合凹部を変更することで、クッション本体18aの向きをクッションが左右に延びる状態と前後に延びる状態とに変えることができる。クッションの向きが左右方向に向くようにすると背もたれ18L,18Rは、背もたれとして用いられ、クッションの向きが前後方向に向くようにすると背もたれ18L,18Rは、肘掛として用いることができる。
また、図7ないし図9に示したように、ブルワーク16の両側部16bには、それぞれサイドゲート19L,19Rが設けられている。このサイドゲート19L,19Rは、ブルワーク16の側部16bの後部側にそれぞれ形成された通路用凹部19aの縁部に、回転扉19bを蝶番19cでヒンジ連結して構成されている。通路用凹部19aは、ブルワーク16を左右に貫通するとともに上部が開放されており、前後の幅が乗員が一人通過できる程度で、下部よりも上部が僅かに広くなっている。回転扉19bは、上面部、内側面部および外側面部からなる屈曲した板部材で構成されている。そして、回転扉19bは、上面部の前端部を通路用凹部19aの前部上端の縁部に蝶番19cで連結されて、上下方向に回転可能になっている。
図7に示したように、回転扉19bを下げてサイドゲート19L,19Rを閉じたときには、各回転扉19bの上面部は、それぞれブルワーク16の側部16bの上面と略連続した面を構成し、各回転扉19bの内側面部は、それぞれブルワーク16の側部16bの内側面と略連続した面を構成し、各回転扉19bの外側面部は、それぞれブルワーク16の側部16bの外側面と略連続した面を構成する。また、各回転扉19bの上面部の後部には、弾性を備えた衝撃緩衝部19dが設けられている。なお、通路用凹部19aの後部には、回転扉19bの後部が係合できる段部が形成されており、その段部の上面にも弾性を備えた衝撃緩衝部19eが設けられている。
サイドゲート19Lを開く際には、図7の状態から回転扉19bの後部を持ち上げて、図8に示したように、回転扉19bの後部側が上昇するように回転させる。さらに、回転扉19bを回転させると、図9に示したように、上面部がブルワーク16の上面に重なって回転扉19bはその安定した状態を維持する。この場合、回転扉19bが勢いよく回転しても、回転扉19bの衝撃緩衝部19dによって、ブルワーク16の上面との衝撃は緩和される。また、サイドゲート19Lを閉じる際には、回転扉19bを前述した方向と逆の方向に回転させる。この場合、回転扉19bが勢いよく回転しても、通路用凹部19aの衝撃緩衝部19eによって、通路用凹部19aの段部との衝撃は緩和される。サイドゲート19Rを開閉する際にも同様の操作が行われる。
船体10におけるブルワーク16の後方には、船尾デッキ20が設けられている。この船尾デッキ20は、メイントランサムステップ21と、左右一対のサブトランサムステップ22L,22Rで構成されている。メイントランサムステップ21は、ブルワーク16の後部16aの後面における左右方向の中央部分から後方に向かって延びており、前部の左右の幅がベンチシート17の左右の幅よりも少し短くなっている。そして、メイントランサムステップ21の左右の幅は前部から後方に行くにしたがって徐々に狭くなっており、後部の幅は前部の幅の1/2程度になっている。
メイントランサムステップ21の上面は平面に形成されており、その高さは低部16cの上面よりも低くなっている。乗員は、2つの背もたれ18L,18Rをそれぞれ前後方向に向けた状態で、ソール部15から、ベンチシート17を跨ぐか、踏むかしてメイントランサムステップ21に乗り移ることができる。また、メイントランサムステップ21の下面は、船外機艇Aが水面に浮いているときに、水面近傍に位置する。
ブルワーク16の後部16aの上面における左舷側部分とメイントランサムステップ21の上面における左舷側縁部およびブルワーク16の後部16aの上面における右舷側部分とメイントランサムステップ21の上面における右舷側縁部にそれぞれ手摺り23L,23Rが設けられている。手摺り23L,23Rは、左右対称に形成されており、その間には、ソール部15とメイントランサムステップ21との間での乗員の移動を妨げない通路が形成されている。手摺り23L,23R間に通路が形成されていることによって、背もたれ18L,18Rの回転が妨げられないようになっている。
また、手摺り23L,23Rにおけるブルワーク16の後部16aからメイントランサムステップ21の前部側に位置する部分は、高さが高く、メイントランサムステップ21の後部側に位置する部分は、高さが低くなっている。このため、ソール部15とメイントランサムステップ21との間での乗員が移動する際には手摺り23L,23Rを持ち易く、メイントランサムステップ21の後部側から水中に入る際には、水中に移動し易くなっている。
メイントランサムステップ21の後端部には、ラダー24を収容できる収容部24aが形成されている。船外機艇Aを停止させて遊泳する際には、メイントランサムステップ21の後端部から水中にラダー24を垂らし、このラダー24を介して、メイントランサムステップ21と水中の間を行き来することができる。このラダー24は、伸縮可能になっており、使用しない場合は、縮めた状態で収容部24a内に収容される。
サブトランサムステップ22L,22Rは、ブルワーク16の後部16aの後面における左右両側部分からそれぞれ後方に向かって延びており、左右対称に形成されている。このサブトランサムステップ22L,22Rの前部の左右の幅はメイントランサムステップ21の後部の左右の幅よりも少し短くなっている。そして、サブトランサムステップ22L,22Rのそれぞれの外側の縁部は、略平行するように延び、サブトランサムステップ22L,22Rのそれぞれの内側の縁部は、互いの間隔が前部よりも後部が広くなるように傾斜している。このため、サブトランサムステップ22L,22Rの左右の幅はともに前部から後方に行くにしたがって徐々に狭くなっており、後部の幅は前部の幅の1/2程度になっている。
サブトランサムステップ22L,22Rの上面は平面に形成されており、その高さはメイントランサムステップ21の上面と略同じで、サブトランサムステップ22L,22Rの下面の高さは、メイントランサムステップ21の下面よりも少し高くなっている。また、サブトランサムステップ22L,22Rの前後方向の長さは、メイントランサムステップ21の前後方向の長さの略1/2になっている。このサブトランサムステップ22L,22Rは、乗員一人が上面を通過できる大きさに形成されている。すわわち、サブトランサムステップ22L,22Rは、後述する一対の船外機27L,27Rをメンテナンスする際に足場として用いたり、非常時に通路として用いたりすることができる。
サブトランサムステップ22Lとメイントランサムステップ21の間およびメイントランサムステップ21とサブトランサムステップ22Rの間には、それぞれ一対の船外機27L,27Rが取り付けられる取付部25が形成され、取付部25の下方には、トランサムボトム26が形成されている。取付部25は、前後の長さが、メイントランサムステップ21の前後の長さの略1/2で、サブトランサムステップ22L,22Rの前後の長さよりも少し短くなっており、このため、取付部25の後端部はサブトランサムステップ22L,22Rの後端部よりも少し前方に位置している。また、取付部25は、上面が平面状に形成され、その高さはメイントランサムステップ21およびサブトランサムステップ22L,22Rの上面よりも低く、取付部25の下部の高さは、サブトランサムステップ22L,22Rの下面の高さと略同じになっている。
また、図2および図4に示したように、ハル11の後端部の左右両側には、後方と下方が開放された段部11aが形成されており、トランサムボトム26は、その段部11aから後方に突出した部分で構成されている。このトランサムボトム26の後面は、下端部よりも上端部がやや後方に位置するように傾斜しており、後方から見た状態では、下縁部が、ハル11の略V字状の下縁部に沿って延びる左右対称の略V字状になり、両側縁部が略垂直になった平面で構成されている。トランサムボトム26の後面の上端は、取付部25の下面の後端よりも前方に位置しており、取付部25の後端部はトランサムボトム26よりも後方に突出している。
船外機27L,27Rは、取付部25に着脱可能に取り付けられている。各船外機27L,27Rは、メイントランサムステップ21を挟んで左右に位置する取付部25の左右方向の中心に固定されており、その後部外側から後方にかけて開放された空間が広がっている。また、各船外機27L,27Rの後端部は、メイントランサムステップ21の後端部よりも後方に位置し、さらに、メイントランサムステップ21の左右の幅は、前部から後方に行くほど狭くなっているため、各船外機27L,27Rの後部とメイントランサムステップ21との間には、船外機27L,27Rの後部が左右に搖動するための十分な間隔が設けられている。
また、船外機27L,27Rは、同一のもので構成されており、スイベルブラケットやクランプブラケットからなる取付部材(図示せず)を介して取付部25に取り付けられ、転舵およびチルトが可能になっている。船外機27L,27Rが転舵されるときの最大角度は左右の水平方向に略90度で、船外機27L,27Rがチルトされるときの最大角度は垂直方向から水平方向までの上下に略90度である。なお、内部構造の図示は省略しているが、船外機27L,27Rは、推進機が設けられたロアケース27aの上部にドライブシャフトが設けられたアッパーケース27bを連結し、アッパーケース27bの上部にエンジンが設けられたカウリング27cを連結して構成されている。
推進機は、略水平に向けて設けられた推進軸の後端にプロペラ27dを取り付けて構成されている。また、エンジンに連結されたクランク軸の下端部はドライブシャフトの上端部に連結されている。したがって、エンジンが駆動すると、その駆動力はクランク軸、ドライブシャフト、推進軸等を介してプロペラ27dに伝達され、プロペラ27dが回転して推進力を発生させる。このように構成された船外機27L,27Rは、ハンドル13aとリモコン操作部によるリモコン操作で作動する他、ジョイスティック13cによるリモコン操作でも作動する。操縦室13内のハンドル13a近傍には、ハンドル13a等の操作と、ジョイスティック13cによる操作を切り換えるための切換スイッチも設けられている。
船外機艇Aを低速走行させる際には、船外機27L,27Rは、ジョイスティック13cによる操作で、図10ないし図13に示した状態のように向きを変えるとともに、プロペラ27dの回転速度および回転方向を変える。すなわち、ジョイスティック13cは、下部に対して上部を前後左右回転方向に移動させる操作ができ、このジョイスティック13cの操作位置と船外機27L,27Rの作動状態とが対応するように関係付けられたプログラムが予め作成されて、船外機27L,27Rの作動を制御する制御装置のメモリに記憶されている。
ジョイスティック13cを、真上に向けた状態から前方に傾けると、船外機27L,27Rは、図10に示したように、プロペラ27dを後方に向けた状態になって船外機艇Aを前方に進行させる。そして、ジョイスティック13cの前方への傾斜角度を大きくしていくと、船外機艇Aは加速していく。その状態から、ジョイスティック13cを後方に傾けていくと、プロペラ27dの回転方向が反転して、船外機艇Aは減速していき、さらに、船外機艇Aは後方に走行するようになる。
ジョイスティック13cを前方に傾けた状態で右方向(上方から見た状態で時計周り方向)に回転すると、船外機27L,27Rは、図11に示したように、プロペラ27dを右側斜め後方に向けた状態になって、船外機艇Aを右旋回させながら前進させる。ジョイスティック13cを後方に傾けた状態で右方向に回転すると、船外機27L,27Rは、図11に示した状態と反対に傾いた状態、すなわち、プロペラ27dを左側斜め後方に向けた状態になって、船外機艇Aを、後部が左旋回(前方を向いた状態での左旋回)するように後進させる。この場合、ジョイスティック13cの前後への傾斜角度が大きいほど船外機艇Aの走行速度は加速され、傾斜角度が小さいほど船外機艇Aの走行速度は減速され、ジョイスティック13cの左右の回転角が大きいほど船外機艇Aは急旋回し、回転角度が小さいほど船外機艇Aはゆったりと旋回する。
また、ジョイスティック13cを前方に傾けた状態で左方向(上方から見た状態で反時計回り方向)に回転すると、船外機27L,27Rは、プロペラ27dを左側斜め後方に向けた状態になって、船外機艇Aを左旋回させながら前進させる。ジョイスティック13cを後方に傾けた状態で左方向に回転すると、船外機27L,27Rは、図11に示したように、プロペラ27dを右側斜め後方に向けた状態になって、船外機艇Aを、後部が右旋回(前方を向いた状態での右旋回)するように後進させる。この場合も、ジョイスティック13cの傾斜角度が大きいほど船外機艇Aの走行速度は加速され、傾斜角度が小さいほど船外機艇Aの走行速度は減速され、ジョイスティック13cの回転角が大きいほど船外機艇Aは急旋回し、回転角度が小さいほど船外機艇Aはゆったりと旋回する。
ジョイスティック13cを左側に傾斜させると、図12に示したように、船外機27Lは、プロペラ27dを左側斜め後方に向けた状態になるとともに、プロペラ27dを後進側に回転させ、船外機27Rは、プロペラ27dを右側斜め後方に向けた状態になるとともに、プロペラ27dを前進側に回転させる。これによって、船外機27Lが船外機艇Aを左側斜め後方に進めようとする力と、船外機27Rが船外機艇Aを左側斜め前方に進めようとする力が合成されて、船外機艇Aは左方向に進むようになる。ジョイスティック13cを右側に傾斜させると、船外機27L,27Rは、図12の状態になって、船外機27Lが、船外機艇Aを右側斜め前方に走行させるようとし、船外機27Rが、船外機艇Aを右側斜め後方に走行させるようとする。これによって、船外機艇Aは、右方向に進むようになる。
ジョイスティック13cを、真上に向けた状態で、左方向(反時計周り方向)に回転すると、船外機27L,27Rは、図10の状態になって、船外機27Lは、プロペラ27dを後進側に回転させ、船外機27Rは、プロペラ27dを前進側に回転させる。これによって、船外機艇Aはその場で左方向に回転する。ジョイスティック13cを、真上に向けた状態で、右方向(時計回り方向)に回転すると、船外機艇Aはその場で右方向に回転する。
また、ジョイスティック13cを右側斜め前方に傾けると、船外機艇Aは進行方向への向きを変えずに右側斜め前方に進み、ジョイスティック13cを左側斜め前方に傾けると、船外機艇Aは進行方向への向きを変えずに左側斜め前方に進む。さらに、ジョイスティック13cを右側斜め後方に傾けると、船外機艇Aは進行方向への向きを変えずに右側斜め後方に進み、ジョイスティック13cを左側斜め後方に傾けると、船外機艇Aは進行方向への向きを変えずに左側斜め後方に進む。
このように、船外機艇Aは、ジョイスティック13cの操作により、任意の方向に、任意の速度で走行する。また、その操作と反対方向にジョイスティック13cを操作することにより、船外機艇Aは、減速されたり、逆の方向に走行したりする。この場合、船外機27Lと船外機27Rは独立して作動する。なお、ジョイスティック13cは、前述した操作方向の中間位置にも操作でき、船外機27L,27Rは、そのジョイスティック13cの操作位置に応じて作動する。また、船外機27L,27Rをチルトアップさせる場合には、ハンドル13aの近傍に設置されたスイッチの操作を行う。これによって、船外機27L,27Rは、図13に示したチルトアップの状態になる。また、その状態から、前述したスイッチを操作すると、船外機27L,27Rは、図10に示した状態になる。
以上の構成において、船外機艇Aをジョイスティック13cを用いて走行させる際には、操縦室13の運転席13bに座った運転者がスタートスイッチをオンにした状態で、ジョイスティック13cを所定の方向に傾けたり回転させたりする操作をする。これによって、船外機艇Aはジョイスティック13cの操作に応じた走行を開始する。また、その走行状態もジョイスティック13cの操作により適宜変更することができる。その間、乗員は、操縦室13内のシート13e、ベンチシート17、船室内の椅子やソファ等に座ってくつろぐことができる。ベンチシート17に座る場合は、背もたれ18L,18Rを、背もたれとして用いたり肘掛として用いたりすることができ、ドリンクホルダー17fに、飲料水が収容された瓶やコップを保持させて、飲料水を飲むこともできる。
また、船外機艇Aを水上で停止させて、船首デッキ12a、メイントランサムステップ21で釣りをしたり、日光浴をしたりすることができる。さらに、水泳をする場合には、メイントランサムステップ21の後端部からラダー24を水中に垂らして水中に降りることができる。また、必要に応じて、サブトランサムステップ22L,22Rおよび通路12b,12c等を自由に移動することができる。ソール部15からメイントランサムステップ21に移動する際には、背もたれ18L,18Rを前後方向に向けて通路を形成するとともに、ベンチシート17を折り畳むことで、移動し易くなる。また、ベンチシート17を踏み台にして移動することもできる。
このように、本実施形態に係る船外機艇Aでは、船尾に取り付けられる2つの船外機27L,27Rを広い間隔で配置して船外機27L,27Rの間にメイントランサムステップ21を設け、さらに、船外機27L,27Rの両側にサブトランサムステップ22L,22Rを設けている。このため、船尾デッキ20における船外機27L,27Rの後部側を除いた周囲の部分を、乗員が自由に移動することができるようになる。これによって、船外機のメンテナンス作業が易くなるとともに、船尾の中央部分からの水中への出入りや、船外機艇Aへの乗り降りが楽にできるようになるという効果が生じる。
また、本実施形態に係る船外機艇Aでは、メイントランサムステップ21およびサブトランサムステップ22L,22Rの後端部を船外機27L,27Rの後端部よりも前方に位置させるとともに、メイントランサムステップ21およびサブトランサムステップ22L,22Rのそれぞれ後部の幅を前部の幅よりも狭くしている。このため、船外機27L,27Rが転舵によって左右に搖動したときに、メイントランサムステップ21とも、サブトランサムステップ22L,22Rとも接触し難くなる。
さらに、本実施形態に係る船外機艇Aでは、メイントランサムステップ21の後端部がサブトランサムステップ22L,22Rの後端部よりも後方に位置し、メイントランサムステップ21の横幅がサブトランサムステップ22L,22Rの横幅よりも広くなっている。このため、メイントランサムステップ21を上面で釣りをしたりくつろいだりするために用い、サブトランサムステップ22L,22Rを船外機27L,27Rのメンテナンス用の足場として用いることができる。
また、ブルワーク16の後部16aに低部16cが形成され,その低部16cの後方に、メイントランサムステップ21が配置されているため、低部16cを跨いで移動することにより、ソール部15とメイントランサムステップ21との間での行き来が容易になる。さらに、低部16cの両側に傾斜部16dが形成されているため、ブルワーク16の左右の側部16bと低部16cとの間に段差がなくなる。これによって、角部に物が当接することがなくなるとともに、デザイン的にも優れたものになる。
また、本実施形態に係る船外機艇Aでは、低部16cに折り畳み式のベンチシート17が設けられているため、乗員はベンチシート17に腰かけてくつろいだり、ソール部15とメイントランサムステップ21との間で行き来するときに、ベンチシート17を踏み台にしたりすることができる。ベンチシート17を折り畳むと、ソール部15とメイントランサムステップ21との間での行き来がより容易になるとともに、ソール部15内での移動がし易くなる。さらに、ベンチシート17の近傍には、ドリンクホルダー17fが設けられているため、乗員は、ベンチシート17に座って飲料水等を飲むこともできる。
また、ブルワーク16の左右の側部16bに、蝶番19cを支点として回転扉19bが上下に回転することにより開閉するサイドゲート19L,19Rが設けられているため、ソール部15と船外の桟橋等との間での行き来が容易になる。回転扉19bは上下方向に回転するようにしたため、構造が単純になるとともに使い勝手のよいものになる。さらに、メイントランサムステップ21の後部には、伸縮するとともに収容部24aに収容可能なラダー24が取り付けられているため、乗員が水泳や潜水をする場合には、ラダー24を伝わって水中に入ることができ、使用しないときには、ラダー24を収容部24aに収容することができる。
また、本発明に係る船外機艇は、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することが可能である。例えば、前述した実施形態では、船外機艇Aに、2個の船外機27L,27Rが備わっているが、船外機は2個に限らず、船外機艇の大きさに応じて、3個以上の複数個設けてもよい。この場合、メイントランサムステップも船外機間の隙間の数に応じた数だけ設ける。また、前述した実施形態では、船尾デッキ20をメイントランサムステップ21とサブトランサムステップ22L,22Rで構成しているが、これに加えて、取付部25の前側部分の高さを高くして、この部分も船尾デッキ20の一部を構成する前部デッキとすることができる。これによると、メイントランサムステップ21とサブトランサムステップ22L,22Rが前部デッキを介した連続した通路になる。
さらに、ベンチシート17に代えて、一人掛け用のシートを2〜3個設けてもよい。この場合も、シートは折り畳み式にすることが好ましい。さらに、ベンチシート17等のシートを使用する際の状態が、座面部17a等が低部16cの上面から前方に突出するのではなく、低部16cの前面から前方に突出するようにしてもよい。また、船外機艇を構成するそれ以外の部分についても、本発明の技術的範囲内で適宜変更することができる。
10…船体、11…ハル、12…デッキ、13c…ジョイスティック、15…ソール部、16…ブルワーク、16a…後部、16b…側部、16c…低部、16d…傾斜部、17…ベンチシート、19L,19R…サイドゲート、19a…通路用凹部、19b…回転扉、19c…蝶番、20…船尾デッキ、21…メイントランサムステップ、22L,22R…サブトランサムステップ、24…ラダー、27L,27R…船外機、A…船外機艇。

Claims (17)

  1. ハルとデッキからなる船体と、
    前記船体の後部に取り付けられる複数の船外機と、
    前記複数の船外機をそれぞれ独立して転舵する転舵機構と、
    前記デッキの上に設けられたブルワークと、
    前記ブルワークの後方に設けられた船尾デッキとを備え、
    前記船尾デッキに、前記複数の船外機の間を後方に延びるメイントランサムステップが含まれ
    前記ブルワークに左右の側部と後部が備わっており、前記後部に前記左右の側部よりも低い低部が形成され、
    前記低部の後方に前記メイントランサムステップが配置されていることを特徴とする船外機艇。
  2. 前記メイントランサムステップの後端部が、前記船外機を取付ける船尾後面より後方で、前記船外機の後端部よりも前方に位置している請求項1に記載の船外機艇。
  3. 前記メイントランサムステップの後部の幅が前部の幅よりも狭くなっている請求項1または2に記載の船外機艇。
  4. 前記船尾デッキに、前記複数の船外機のうちの外側に位置する船外機の側方で前記船尾デッキの左右両端から後方に延びるサブトランサムステップが含まれている請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の船外機艇。
  5. 前記サブトランサムステップの後端部が、前記船外機を取付ける船尾後面より後方で、前記船外機の後端部よりも前方に位置している請求項4に記載の船外機艇。
  6. 前記サブトランサムステップの後端部が前記メイントランサムステップの後端部よりも前方に位置している請求項4または5に記載の船外機艇。
  7. 前記サブトランサムステップの後部の幅が前部の幅よりも狭くなっている請求項4ないし6のうちのいずれか一つに記載の船外機艇。
  8. 前記メイントランサムステップの横幅が、前記サブトランサムステップの横幅よりも広くなっている請求項4ないし7のうちのいずれか一つに記載の船外機艇。
  9. 前記メイントランサムステップの上面の高さと、前記サブトランサムステップの上面の高さが略同じになっている請求項4ないし8のうちのいずれか一つに記載の船外機艇。
  10. 前記低部の側部に、前記左右の側部から前記船体の幅方向の中心に向かって下り傾斜になった傾斜部が形成されている請求項1ないし9のうちのいずれか一つに記載の船外機艇。
  11. 前記低部にシートが設けられている請求項ないし10のうちのいずれか一つに記載の船外機艇。
  12. 前記シートが、前記低部に連結されて、前記低部の前面に沿った位置と、前記低部から前方に突出した位置との間で回転可能になっている請求項11に記載の船外機艇。
  13. 前記メイントランサムステップの上面が、前記シートの座面よりも低い位置にある請求項11または12に記載の船外機艇。
  14. 前記ブルワークの左右の側部に、前記ブルワークの内部と外部との間を行き来するための通路もしくは開閉ドアからなる通過手段が設けられている請求項1ないし13のうちのいずれか一つに記載の船外機艇。
  15. 前記通過手段が、前記ブルワークの左右の側部に形成された凹部と、前記凹部の上縁部に設けられた回転軸を中心として上方に回転することにより、前記凹部を開閉する回転扉とからなる開閉ドアで構成されている請求項14に記載の船外機艇。
  16. 前記メイントランサムステップの後部にラダーが取り付けられている請求項1ないし15のうちのいずれか一つに記載の船外機艇。
  17. ハルとデッキからなる船体と、
    前記船体の後部に取り付けられる複数の船外機と、
    前記複数の船外機をそれぞれ独立して転舵する転舵機構と、
    前記デッキの上に設けられたブルワークと、
    前記ブルワークの後方に設けられた船尾デッキとを備え、
    前記船尾デッキに、前記複数の船外機の間を後方に延びるメイントランサムステップが含まれ、
    前記メイントランサムステップの後部の幅が前部の幅よりも狭くなっていることを特徴とする船外機艇。
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