JP2014237244A - 難燃性積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
一方上限値より多く芳香族リン酸エステルが含まれていると、リン酸エステル自体がポリエステル樹脂の加水分解を引き起こし、逆に好ましくない。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および粒子を除去したポリエステル1 g に対し、フェノ−ル/テトラクロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
水分測定装置(三菱化学製微量水分測定装置「CA−06」)で測定した。
下記基準によって評価した。
○:二軸延伸時フィルムを安定して生産ができる
×:二軸延伸時にフィルム破断が頻発。生産の連続性が得られなくなる
I:試験片作成
フィルム試験片として、200mm×50mmに裁断し、試料の一端(下部)から125mmの所で、試料の幅を横切って標線を入れる。シリコーンコート面が内側になるように、試料の縦軸を直径12.7mmのマンドレルの縦軸に硬く巻きつけて、125mmの線が外側に露出する、長さ200mmの巻かれた円筒になるようにする。試料の外にはみ出た縁は、125mmの標線(筒の上部)の上方75mmの間で、粘着テープにより固定する。そしてマンドレルを引き抜く。
上記で得られた試験片を、23℃および50%の相対湿度で、48時間前処理をする。
・試験片固定
図1に記載の燃焼試験装置を使用し、試料の縦軸を垂直にして、上端の長さ6mmの位置で、強いスプリング付きのクランプで固定し、筒の上端が閉じて試験中に煙突効果を生じないようにする。試料の下端は、最大厚が6mmの厚さにした、1枚の水平な0.05gの脱脂100%の綿(50mm×50mm)より、300mm上にあるようにする。
バーナーから高さ15mmの青炎が出るように調整する。その炎を出すためにはガスの供給とバーナーの空気入口を調整して、15mmの先端が黄色い青い炎が出るようにする。そして黄色い先端が丁度消えるまで空気の供給を増やす。再度炎の高さを測定して、必要に応じて再調節をする。なお、バーナーへのメタンガス供給は、ASTMD5207に準じた方法で流量を調整する。
炎は、試料の巻かれていない方の下端の中心点を中心にあて、バーナーの先端は試料の下端のその点から10mm下にあるようにして、その距離で3秒続ける。ただし、試料の長さまたは位置のあらゆる変化に応じてバーナーを移動させる。接炎中に溶融または発煙物質が滴下する場合は、バーナーの角度を45度までの範囲で傾けて、バーナーの管の中にその物質が落下するのを防ぐのにちょうど十分なだけ試料の下から移動させる。しかし、その間もバーナーの先端の中心と試料の残存部分間は10mm±1mmの間隔を保たなければならない。試料に3秒間接炎すると、直ちにバーナーを試料から毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけて、同時に計時装置により残炎時間t1を秒で計り始める。そしてそのt1を記録する。
試料の残炎が消滅した時点で(バーナーを試料から150mm離れたところまで完全に取り去っていない状態であっても)、直ちにバーナーを試料の下に持ってきて、試料の残りの部分から10mm±1mm離れた箇所にバーナーを保持しておく。ただし、必要に応じてバーナーを動かして、妨害物のない状態で落下物の自然挙動が確認できるようにする。この試料に3秒の接炎を行った後、直ちに毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけて、同時に計時装置により残炎時間t2を秒で計り始める。
下記表1に記載の基準で評価した。
試料フィルムの離型層に粘着テープ(日東電工製「No.31B」)を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
○:50mN/cm未満
△:50mN/cm以上100mN/cm未満
×:100mN/cm以上
(サンプリング方法)
試料の測定面およびブランクとしてナフロンテープの片面に粘着テープ;日東電工製「No.31B」を貼り合わせる。
(調整)
100℃に加熱したオーブン内で、1時間加熱処理する。次いで20mm幅に切り出し、常温常湿に1時間放置する。予め用意しておいた専用SUS304板の表面をエタノールで拭き、乾いたガーゼで拭き上げた面に、試験片から剥がしたNo,31テープを圧着させる。
(評価)
測定試料およびステンレス板を引張試験機に取り付けて、剥離速度300mm/min、剥離角度180度の条件下で剥離力を測定する。
(残留接着率の計算方法と評価基準)
残留接着率=(試料測定面貼合せ品の接着力/ナフロンテープ貼合せ品の接着力)×100
残留接着性について、下記評価基準を設けた。
◎:残留接着率が95%以上
○:残留接着率が90%以上95%未満
△:残留接着率が80%以上90%未満
×:残留接着率が80%未満
硬化型シリコーン樹脂 (X−62−5039:信越化学社製) 20部
架橋剤 (X−92−185:信越化学社製) 0.4部
触媒 (PL−5000:信越化学社製) 1.0部
MEK/トルエン/n-ヘプタン混合溶媒(混合率は1:1:1)
1個のスラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続式重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールを重量比で100:45の割合で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートのエチレングリコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してリン原子としての含有量が4重量ppmとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製し、このスラリーを、窒素雰囲気下で267℃、相対圧力100kPa、平均滞留時間4時間に設定され、反応生成物が存在する第1段目のエステル化反応槽に連続的に流量120kg/hrで供給し、次いで、第1段目のエステル化反応生成物を、窒素雰囲気下で265℃、相対圧力5kPa、平均滞留時間2時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、さらにエステル化反応させた。その際、第2段エステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、エチレングリコールを生成するポリエステル樹脂に対して322モル/トンになる量を連続的に供給した。この場合、第2段エステル化反応槽におけるエステル化率は97%であった。
ポリエステル(1)を出発原料とし、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるようにチップが重ならないようにした状態で連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.83(dl/g)となるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエステル(2)を得た。含水率は0.2%であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が0.06 重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60(dl/g)に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップを得た。
上記で、得られたポリエステルチップを真空下220℃で固相重合し、ポリエステル(53)を得た。極限粘度は0.90(dl/g)、含水率は0.2%であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール200重量部とを出発原料とし、エステル交換触媒として、酢酸マグネシウム・4水和物を得られるポリエステル樹脂1tあたりのマグネシウム含有量が46g/樹脂tとなる量で、加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。
この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子、エチルアシッドホスフェート、酢酸マグネシウム・4水和物、そしてテトラ−n−ブチルチタネートとの混合物からなるエチレングリコールスラリー溶液を添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。なお、エチレングリコールスラリー溶液中の各化合物の量は、得られるポリエステルに対する含有量について、シリカ粒子は3.0重量%となるように、エチルアシッドホスフェートについてはリン元素量として74g/樹脂tとなるように、酢酸マグネシウム・4水和物については、マグネシウム元素量として46g/樹脂tとなるように(エステル交換時に添加したマグネシウムも含めて、マグネシウム元素量として92g/樹脂tとなる)、テトラ−n−ブチルチタネートについてはチタン元素量として5g/樹脂tとなるように、調整してある。
反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(4)を得た。極限粘度は0.60(dl/g)、含水率は0.2%であった。
リン酸二水素アンモニウム100重量部に対し水酸化カリウムを67重量部配合し、
これに水を100重量部加えて水溶液にした。この後、当該水溶液を100〜120℃で加熱しながら攪拌して水分を蒸発させると共に、アンモニアを飛散させて粒子状結晶の粉体Aを得た。
ポリエステル(5)の製造時、PX−200を混合しないことを除き、ポリエステル(5)の製造方法と同様の方法で、ポリエステル(6)を得た。ポリエステル(6)の極限粘度IVは0.60[dl/g]、含水率は0.2%であった。
ポリエステル(5)の製造時、水酸化カリウムを混合しないことを除き、ポリエステル(5)の製造方法と同様の方法で、ポリエステルを得る検討を行なったが、混練時の劣化が激しく、安定したストランドを作成できなかった。
テレフタル酸43重量部と 、エチレングリコール19重量部のスラリーを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート50重量部が仕込まれ、温度250℃、相対圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行った。このエステル化反応生成物を重縮合槽に移送した。エステル交換反応生成物が移送された前記重縮合槽に、引き続いて正リン酸および二酸化ゲルマニウムをエチレングリコール溶液として順次5分間隔で添加した。なお、正リン酸は、リン原子として樹脂1トンあたり32.2モル、二酸化ゲルマニウムについては、ゲルマニウム原子として、樹脂1トンあたり0.6モル含有するように添加した。その後、反応系内を2時間30分かけて225℃から280℃まで昇温すると共に、85分で常圧から400Pa(絶対圧力)に減圧して、同圧を保持しつつ、極限粘度0.63(dl/g)に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(8)を得た。ポリエステル(8)の極限粘度は0.63(dl/g)、含水率は0.2%であった。
以下、ポリエステル(5)もしくは(6)を本発明における難燃性ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル(5)もしくは(6)を含有しないポリエステルでの組み合わせにより作られる組成物を本発明におけるポリエステル樹脂(B)とする。
なお、ポリエステル樹脂(B)の極限粘度IVとは、難燃性ポリエステル樹脂(A)を除く、添加ポリエステル樹脂の平均極限粘度のことを指す。
上記ポリエステル(2)、ポリエステル(4)およびポリエステル(5)を56:4:40の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(X)の原料とし、上記ポリエステル(1)およびポリエステル(4)を96:4の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(Y)の原料とした。ポリエステル層(X)について、シリンダー内径Dは90mmのベント付二軸押出機を用いて、吐出量Qは400kg/hr、スクリュー回転数Nは100rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとし、ポリエステル層(Y)について、シリンダー内径Dは30mmのベント付二軸押出機を用いて、吐出量Qは24kg/hr、スクリュー回転数Nは150rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとした。双方の原料を二軸押出機中290℃で溶融混練し、得られた溶融体を多層Tダイ内でX/Y=94.3/5.7の構成比となるように合流させてスリット状に押出しする。静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の2種2層からなる積層シートを得た。得られたシートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、予熱/横延伸/熱固定1/熱固定2/熱固定3/冷却の各ゾーンにおける温度[℃]を95/110/200/221/180/125℃に設定したテンターに導くことでフィルム製膜を行った。得られたフィルムの平均厚さは38μmであった。
得られたフィルムのポリエステル層(Y)側に、予め用意した硬化型シリコーン離型剤組成−Aからなる離型剤溶液を、塗布量(乾燥後)が0.12g/m2になるようにリバースグラビアコート方式により塗布し、160℃で1分乾燥させた。得られたシリコーン塗布フィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
表2に示す配合比、運転条件で行なうことを除いて、実施例1と同様の方法で、シリコーン塗布フィルムを得た。シリコーン塗布フィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
上記ポリエステル(2)、ポリエステル(4)およびポリエステル(5)を56:4:40の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(X)の原料とし、上記ポリエステル(1)およびポリエステル(4)を96:4の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(Y1)とポリエステル層(Y2)の原料とした。ポリエステル層(X)について、シリンダー内径Dは90mmのベント付二軸押出機を用いて、吐出量Qは400kg/hr、スクリュー回転数Nは100rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとし、ポリエステル層(Y1)とポリエステル層(Y2)について、各々シリンダー内径Dは30mmのベント付二軸押出機を用いて、吐出量Qは12kg/hr、スクリュー回転数Nは150rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとした。双方の原料を二軸押出機中290℃で溶融混練し、得られた溶融体を多層Tダイ内でY1/X/Y2=2.85/94.3/2.85の構成比となるように合流させてスリット状に押出しする。静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の2種2層からなる積層シートを得た。得られたシートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、予熱/横延伸/熱固定1/熱固定2/熱固定3/冷却の各ゾーンにおける温度[℃]を95/110/200/221/180/125℃に設定したテンターに導くことでフィルム製膜を行った。得られたフィルムの平均厚さは38μmであった。
得られたフィルムのポリエステル層(Y1)側に、予め用意した硬化型シリコーン離型剤組成−Aからなる離型剤溶液を、塗布量(乾燥後)が0.12g/m2になるようにリバースグラビアコート方式により塗布し、160℃で1分乾燥させた。得られたシリコーン塗布フィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
表3に示す配合比、運転条件で行なうことを除いて、実施例1と同様の方法で、シリコーン塗布フィルムを得た。フィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
2 粘着テープ
3 125mm標線
4 バーナー
5 綿
Claims (3)
- リン酸二水素アンモニウム、水酸化カリウム、および芳香族リン酸エステルから得られる難燃剤を含有するポリエステル樹脂(A)を含むポリエステル層(X)と、リン元素を実質的に含まないポリエステル樹脂からなるポリエステル層(Y)とを有することを特徴とする難燃性積層ポリエステルフィルム。
- ポリエステル層(Y)が少なくとも一方の外層にあること請求項1に記載の難燃性積層ポリエステルフィルム。
- ポリエステル層(X)が、30〜50重量%のポリエステル樹脂(A)と極限粘度が0.65以上のポリエステル樹脂(B)とをベント式二軸押出機により押し出してなる請求項1または2に記載の難燃性積層ポリエステルフィルム。
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JP2013006986A (ja) * | 2011-06-27 | 2013-01-10 | Mitsubishi Plastics Inc | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 |
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