JP6273711B2 - 二軸配向積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
測定試料1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量部)の溶媒に溶解させて濃度c=0.01g/cm3の溶液を調製し、30℃にて溶媒との相対粘度ηrを測定し、極限粘度:IV[dl/g]を求めた。なお、Huggins定数を0.33と仮定した。
無張力状態で150℃雰囲気中30分間、熱処理しその前後のサンプルの長さを測定することにより次式にて計算した。評価は、長手方向(MD)に対して検討した。
加熱収縮率(%)=(L1−L0)/L0×100
(上記式中、L1は熱処理前のサンプル長(mm)、L0は熱処理後のサンプル長(mm)である)
SS:ターゲット値÷コントロール値×100≦80
S;80<ターゲット値÷コントロール値×100≦90
A:90<ターゲット値÷コントロール値×100≦94
B:94<ターゲット値÷コントロール値×100≦97
C:97<ターゲット値÷コントロール値×100≦100
得られたフィルムの中央より重量が6gとなるようにサンプルを採取し、島津製作所製アキュピック1330を用いて、密度:d(g/cm3)を求める。得られた密度:d(g/cm3)から、下記式により、結晶化度:χc(%)を求める。
東洋精機製作所(株)のエルメンドルフ引裂試験装置を使用する。打ち抜き機にて、幅=76mm 長さ=63mm R=43mmのサンプル試験片を作成する。試験条件は下記とし、得られたデータを1枚当たりの引き裂き強度に換算する(試験時に重ねる枚数:10で除する)。評価は、長手方向(MD)に対して検討した。N=3回測定し、その平均値を求めた。
持ち上げ角:70
空振り角:70
引裂係数:2880
枚数:10
ポリエステルフィルムの表面固有抵抗を、ヒューレットパッカード社製固有抵抗測定器(HP4339B)を使用し、測定温度23℃、測定湿度50%の条件で、印加電圧100Vで1分後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定する。
◎:1×1012Ω/□未満
○:1×1012Ω/□以上1×1013Ω/□未満
△:1×1013Ω/□以上1×1014Ω/□未満
×:1×1014Ω/□以上
I 試験片作成
フィルム試験片として、200mm×50mmに裁断し、試料の一端(下部)から125mmの所で、試料の幅を横切って標線を入れる。試料の縦軸を直径12.7mmのマンドレルの縦軸に硬く巻きつけて、125mmの線が外側に露出する、長さ200mmの巻かれた円筒になるようにする。試料の外にはみ出た縁は、125mmの標線(筒の上部)の上方75mmの間で、粘着テープにより固定する。そしてマンドレルを引き抜く。
上記で得られた試験片を、23℃および50%の相対湿度で、48時間前処理をする。
(i)試験片固定
図1に示すように、試料の縦軸を垂直にして、上端の長さ6mmの位置で、強いスプリング付きのクランプで固定し、筒の上端が閉じて試験中に煙突効果を生じないようにする。試料の下端は、最大厚が6mmの厚さにした、1枚の水平な0.05gの脱脂100%の綿(50mm×50mm)より、300mm上にあるようにする。図1参照。
バーナーから高さ20mmの青炎が出るように調整する。その炎を出すためにはガスの供給とバーナーの空気入口を調整して、20mmの先端が黄色い青い炎が出るようにする。そして黄色の先端が丁度消えるまで空気の供給を増やす。再度炎の高さを測定して、必要に応じて再調節をする。なお、バーナーへのメタンガス供給は、ASTMD5207に準じた方法で流量を調整する。
炎は、試料の巻かれていない方の下端の中心点を中心にあて、バーナーの先端は試料の下端のその点から10mm下にあるようにして、その距離で3秒続ける。ただし、試料の長さまたは位置のあらゆる変化に応じてバーナーを移動させる。接炎中に溶融または発煙物質が滴下する場合は、バーナーの角度を45度までの範囲で傾けて、バーナーの管の中にその物質が落下するのを防ぐのにちょうど十分なだけ試料の下から移動させる。しかし、その間もバーナーの先端の中心と試料の残存部分間は10mm±1mmの間隔を保たなければならない。試料に3秒間接炎すると、直ちにバーナーを試料から毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけて、同時に計時装置により残炎時間t1を秒で計り始める。そしてそのt1を記録する。
試料の残炎が消滅した時点で(バーナーを試料から150mm離れたところまで完全に取り去っていない状態であっても)、直ちにバーナーを試料の下に持ってきて、試料の残りの部分から10mm±1mm離れた箇所にバーナーを保持しておく。ただし、必要に応じてバーナーを動かして、妨害物のない状態で落下物の自然挙動が確認できるようにする。この試料に3秒の接炎を行った後、直ちに毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけて、同時に計時装置により残炎時間t2を秒で計り始める。
試験片5本に対し、I〜IIIの手順で試験を行う。5本中最も基準の低くなった評価を、サンプルの評価値とした。
<ポリエステル原料(1)の製造法>
スラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールをそれぞれ毎時865重量部、485重量部で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートの0.3重量%エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりの燐原子としての含有量が0.129モル/樹脂tとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力50kPa(0.5kg/cm2)、平均滞留時間4時間に設定された第1段目のエステル化反応槽、次いで、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力5kPa(0.05kg/cm2)、平均滞留時間1.5時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、エステル化反応させた。また、その際、第2段目のエステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、酢酸マグネシウム4水和物の0.6 重量% エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりのマグネシウム原子としての含有量が0.165モル/樹脂tとなる量で連続的に添加すると共に、第2段目のエステル化反応槽に設けた別の上部配管を通じてエチレングリコールを毎時60重量部連続的に追加添加した。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が3.0重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下でポリエステル(2)のストランドを吐出させ、カッターにて裁断し、ポリエステル原料(2)のポリエステルチップを得た。極限粘度は0.64dl/gであった。
ポリエステル原料(1)を80重量%、グリセリンパルチミン酸エステルとグリセリンステアリン酸エステル=50/50とした混合物の20重量%を、ベント付き二軸押出機にて290℃にて溶融混練りしてチップ化を行い、グリセリン脂肪酸エステルマスターバッチとしてポリエステル(3)を作成した。
上記ポリエステル(1)、ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、および1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを93.0:4.0:2.5:0.5の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(A)の原料とし、上記ポリエステル(1)および1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを99.5:0.5の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(B)の原料とした。双方の原料を二軸押出機中290℃で溶融混練し、得られた溶融体を多層Tダイ内でA/B/A=2.5/45.0/2.5の構成比となるように合流させてスリット状に押出しする。静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の2種3層からなる積層シートを得た。
このときの、ポリエステルA層を形成するときの押出機の条件は、シリンダー内径Dは30mm、吐出量Qは10kg/hr、スクリュー回転数Nは100rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとした。ポリエステルB層を形成するときの押出機の条件は、シリンダー内径Dは44mm、吐出量Qは30kg/hr、スクリュー回転数Nは100rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとした。得られたシートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、予熱/横延伸/熱固定1/熱固定2/熱固定3/冷却の各ゾーンにおける温度[℃]を95/110/200/221/180/125℃に設定したテンターに導くことで、横方向に3.8倍延伸し、フィルム製膜を行った。得られたフィルムの平均厚さは50μmであった。
下記表2および3に示す原料配合とすることを除き、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。
上記ポリエステル(1)、ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、および1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを90.5:4.0:5.0:0.5の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(A)の原料とし、
上記ポリエステル(2)、および1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを99.5:0.5の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(B)の原料とし、上記ポリエステル(1)、およびポリエステル(2)、および1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを99.5:4.0:0.5の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(C)の原料とした。各々の原料を二軸押出機中290℃で溶融混練し、得られた溶融体を多層Tダイ内でA/B/C=2.5/45.0/2.5の構成比となるように合流させてスリット状に押出しする。静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の3種3層からなる積層シートを得た。このときの、ポリエステルA層およびポリエスエルC層を形成するときの押出機の条件は、シリンダー内径Dは30mm、吐出量Qは10kg/hr、スクリュー回転数Nは100rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとした。ポリエステルB層を形成するときの押出機の条件は、シリンダー内径Dは44mm、吐出量Qは30kg/hr、スクリュー回転数Nは100rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとした。得られたシートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、予熱/横延伸/熱固定1/熱固定2/熱固定3/冷却の各ゾーンにおける温度[℃]を95/110/200/221/180/125℃に設定したテンターに導くことで、横方向に3.8倍延伸し、フィルム製膜を行った。得られたフィルムの平均厚さは50μmであった。評価結果を下記表3に示す。
下記表4に示す原料配合とすることを除き、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。
ポリトリメチルアミノエチルメタクリレート4級化物/けん化度=88モル%、重合度=500のポリビニルアルコール/メトキシメチロールメラミンである、大日本インキ化学工業製ベッカミン/平均粒径0.05μmのシリカゾルを、固形分換算の重量組成比で40/20/35/5の割合で含有する水溶液をあらかじめ用意した。上記ポリエステル(1)、ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、および1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを93.0:4.0:2.5:0.5の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(A)の原料とし、上記ポリエステル(1)および1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを99.5:0.5の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(B)の原料とした。双方の原料を二軸押出機中290℃で溶融混練し、得られた溶融体を多層Tダイ内でA/B/A=2.5/45.0/2.5の構成比となるように合流させてスリット状に押出しする。静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の2種3層からなる積層シートを得た。このときの、ポリエステルA層を形成するときの押出機の条件は、シリンダー内径Dは30mm、吐出量Qは10kg/hr、スクリュー回転数Nは100rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとした。ポリエステルB層を形成するときの押出機の条件は、シリンダー内径Dは44mm、吐出量Qは30kg/hr、スクリュー回転数Nは100rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとした。得られたシートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、この縦延伸フィルムの上面に上記水溶液を塗布し、予熱/横延伸/熱固定1/熱固定2/熱固定3/冷却の各ゾーンにおける温度[℃]を95/110/200/221/180/125℃に設定したテンターに導くことで、横方向に3.8倍延伸し、フィルム製膜を行った。得られたフィルムの平均厚さは50μmであった。また、乾燥後の塗布層の厚みは0.05μmであった。表4に結果を示す。
2 粘着テープ
3 125mm標線
4 バーナー
5 綿
Claims (4)
- 2層または3層以上の積層ポリエステルフィルムであって、少なくとも一方の最外層が、非イオン性帯電防止剤を0.4〜1.1重量%含有するポリエステル樹脂組成物からなり、他の層がポリエステル樹脂組成物からなる二軸配向積層ポリエステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルム中に、有機系窒素化合物からなる結晶核剤を0.2重量%以上含有し、当該最外層および当該他の層に当該結晶核剤を含有することを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルム。
- 前記有機系窒素化合物からなる結晶核剤が、スルホンアミド化合物金属塩およびスルホンイミド化合物塩から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
- 前記非イオン性帯電防止剤が、グリセリン脂肪酸エステルである請求項1または2に記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
- 無張力状態で150℃雰囲気中30分間熱処理した加熱収縮率が2.1%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
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