JP2011093984A - 電気絶縁用二軸配向フィルム - Google Patents

電気絶縁用二軸配向フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりもさらに耐電圧特性に優れ、かつフィルム製膜性にも優れる電気絶縁用二軸配向フィルムを提供する。
【解決手段】結晶性熱可塑性樹脂を主たる成分とする基材層を含む少なくとも1層のフィルムであって、該基材層の重量を基準として0.001重量%以上3重量%以下のフェノール系安定剤を含み、該フェノール系安定剤がアルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールである電気絶縁用二軸配向フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は電気絶縁用二軸配向フィルムに関する。更に詳しくは、耐電圧特性に優れるとともにフィルム製膜性にも優れる電気絶縁用二軸配向フィルムに関する。
従来より結晶性熱可塑性樹脂からなる電気絶縁用フィルムとして、例えばポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂からなるフィルムが知られており、フィルムコンデンサー用フィルム、フレキシブルプリント回路基板用フィルム、モーター絶縁用フィルムなどとして用いられている。フィルムコンデンサーは、上述の結晶性熱可塑性樹脂フィルムとアルミニウム箔等の金属薄膜とを重ね合わせ、巻回または積層する方法により製造されている。またフレキシブルプリント回路基板は結晶性熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に金属薄膜を積層して回路を形成するなどの方法により製造されている。またモータ絶縁用フィルムは、例えばモーターのコイルとステーターとの絶縁を行うウエッジ材やスロット材として用いられている。
近年、電気自動車やハイブリッド自動車などの電気絶縁材料に対し、より高い耐電圧特性が求められている。
自動車エンジンルーム内で使用可能な耐熱性、耐湿性、電気特性に優れたコンデンサー用ポリエステルフィルムとして、例えば特許文献1には極限粘度や結晶化度が特定範囲にあるポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを用いることが開示されている。
また誘電特性や耐電圧特性に優れたコンデンサー用フィルムとして、特許文献2においてフェノール系安定剤が多量に添加された熱可塑性樹脂フィルムが提案されており、具体的には熱可塑性樹脂の製造中に安定剤を添加することが開示されている。同様に特許文献3には酸化分解防止能を有する少なくとも1種の安定剤を結晶性ポリエステルに対して100〜10000ppmの濃度で存在させることが開示されており、当該文献では安定剤が結晶性ポリエステルに化学的に結合した状態で存在することによって、表面欠陥の発生が減少し、製造時においてフィルム製造装置の汚染を減少することができることを特徴としている。そしてポリエステルと安定剤とを化学的に結合した状態にするために、カルボキシル基および/またはエステル基を有するヒンダードフェノールをポリエステルの重縮合反応時に混合して使用することが好ましいことが開示されている。
このように多量の安定剤をフィルム中に配合させる方法として、樹脂の重縮合反応の段階で添加することが提案されてきたのに対し、特許文献4にはチタン化合物とラジカル補足型安定剤1000〜50000ppmを含有する電気絶縁用ポリエステルフィルムであり、ポリエステルと化学的に結合しているラジカル補足剤の割合が200ppmを超えないことが提案されている。特許文献4によると、フィルム製膜時にラジカル補足型安定剤を添加することにより、得られたフィルムはポリエステル樹脂と安定剤とが反応しておらず、その結果安定剤のラジカル補足能が高くなり、かつチタン触媒との相乗効果によって従来よりも高い耐電圧特性が得られ、さらに長期熱処理後も初期耐電圧が維持されることが記載されている。
特開2000−173855号公報 特開2005−289065号公報 特開2003−301039号公報 WO2008/149869号パンフレット
しかしながら、これら安定剤を用いた検討において、ペンタエリスリトール型ヒンダードフェノールのような安定剤を熱可塑性樹脂の重合中に多量に添加する方法では、安定剤が架橋剤的に樹脂と結合してしまい、みかけの溶融粘度が高くなるものの重合度が十分でないため樹脂が脆くなりやすく、フィルム製膜性が低下しやすいことが判明した。またフィルム製膜時に安定剤を添加して樹脂と安定剤との化学結合割合を減らした場合はフィルム製膜性は安定になるものの、製膜時に安定剤の一部が昇華してダイ汚れが生じたり昇華物がフィルム表面に析出する場合などがある他、安定剤の昇華により添加量に対する安定剤の有効量が減少する場合があることが判明した。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、従来よりもさらに耐電圧特性に優れ、かつフィルム製膜性にも優れる電気絶縁用二軸配向フィルムを提供することにある。
また本発明の他の目的は、従来よりもさらに耐電圧特性に優れ、かつフィルム製膜性にも優れることに加え、さらに優れた自己回復性(セルフヒーリング性)を有する電気絶縁用二軸配向フィルムを提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールを安定剤として用いた場合、フィルム製膜工程もしくはマスターペレットの作成工程で安定剤が昇華しにくく、ダイ汚れや昇華物の析出を抑制でき、また安定剤の有効量が高まり従来よりもさらに優れた耐電圧特性が得られること、しかも樹脂と化学的に結合した場合であっても樹脂が脆くならないためフィルム製膜性が安定することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、本発明の目的は、結晶性熱可塑性樹脂を主たる成分とする基材層を含む少なくとも1層のフィルムであって、該基材層の重量を基準として0.001重量%以上3重量%以下のフェノール系安定剤を含み、該フェノール系安定剤がアルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールである電気絶縁用二軸配向フィルムによって達成される。
また本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは、好ましい態様として、該フェノール系安定剤がヘキサメチレンビスアミド型のヒンダードフェノールであること、該フェノール系安定剤の融点が130℃以上200℃以下であること、結晶性熱可塑性樹脂がポリエステルであること、ポリエステルがポリエチレンナフタレンジカルボキシレートであること、ポリエステルの触媒がチタン化合物であること、の少なくともいずれか1つを具備するものも包含する。
本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは、他の好ましい態様として、平均粒径が0.5μm以上3.0μm以下である球状架橋高分子樹脂粒子(A)を基材層の重量を基準として0.01重量%以上1.5重量%以下含有してなること、さらに平均粒径が0.01μm以上0.5μm未満であり、かつ球状架橋高分子樹脂粒子(A)の平均粒径より0.4μm以上小さい不活性粒子(B)を基材層の重量を基準として0.05重量%以上2.0重量%以下含有してなること、不活性粒子(B)が球状架橋高分子樹脂粒子(B1)であること、球状架橋高分子樹脂粒子の長径の平均値(Dl)と短径の平均値(Ds)の比で表わされる粒径比Dl/Dsが1.0以上1.3以下であること、シランカップリング剤で表面処理された球状架橋高分子樹脂粒子であること、球状架橋高分子樹脂粒子がシリコーン樹脂粒子であること、絶縁破壊電圧が450V/μm以上であること、の少なくともいずれか1つを具備するものも包含する。
また本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは、その他の好ましい態様として、さらに基材層の片面または両面に塗布層を有し、該塗布層がワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を塗布層の重量を基準として1〜50重量%含有してなること、ワックスがポリオレフィン系ワックスであること、シリコーン化合物が反応性基を有するシリコーン化合物であること、フッ素化合物がフルオロエチレン系モノマーを用いた重合体またはフッ化アルキル(メタ)アクリレート系モノマーを用いた重合体であること、塗布層面上にさらに金属層を有すること、金属層が蒸着型金属層であること、フィルムコンデンサー用またはモーター絶縁用であること、の少なくともいずれか1つを具備するものも包含する。
本発明はまた、本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムを用いてなるフィルムコンデンサーを包含するものである。
本発明によれば、本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは従来の絶縁フィルムより極めて高い耐電圧特性を有しており、かつフィルム製膜性にも優れるものであり、その工業的価値は極めて高い。
以下、本発明を詳しく説明する。
<結晶性熱可塑性樹脂>
本発明における結晶性熱可塑性樹脂は、一般に用いられる結晶性熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、例えば電気絶縁用フィルムとして用いられるポリエステル、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィドからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの結晶性熱可塑性樹脂の中でも特にポリエステルが好ましい。
ポリプロピレンとして、プロピレン単位を主成分として含有するプロピレン系樹脂が挙げられ、例えばポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体が例示される。
またポリフェニレンスルフィドとしては、例えばポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリビフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホンなどが挙げられる。
本発明におけるポリエステルは、ジオールとジカルボン酸との重縮合によって得られるポリマーである。かかるジカルボン酸として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸およびセバシン酸が挙げられる。またジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。これらのジカルボン酸とジオールから得られるポリエステルの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートが好ましく、特に高温での耐電圧特性の観点から、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが特に好ましい。
本発明におけるポリエステルは、単独でも他のポリエステルとの共重合体、2種以上のポリエステルとの混合体のいずれであってもかまわない。共重合体または混合体における他の成分は、ポリエステルの繰返し単位のモル数を基準として10モル%以下、さらに5モル%以下であることが好ましい。共重合成分としては、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分が挙げられる。
本発明のポリエステルは、従来公知の方法、例えばジカルボン酸とジオール、および必要に応じて共重合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造することができる。また、これらの原料モノマーの誘導体をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造してもよい。
本発明のフィルムは、ポリエステル製造時の触媒としてチタン化合物を使用することが好ましく、本発明のヒンダードフェノール系安定剤との相乗効果により耐電圧特性が一層向上する。チタン化合物はポリエステルに可溶なチタン化合物であることが好ましい。ここでポリエステルに可溶なチタン化合物とは、有機チタン化合物を意味し、具体的にはテトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルカリウムおよびチタントリスアセチルアセトネートで例示される化合物、ならびに前記のチタン化合物と無水トリメリット酸等の芳香族多価カルボン酸またはその無水物とを反応させた生成物を挙げることができる。これらの中でも、テトラブチルチタネートおよびトリメリット酸チタンが好ましい。トリメリット酸チタンは、無水トリメリット酸とテトラブチルチタネートとを反応せしめて得られる化合物である。
かかるチタン化合物は、エステル交換法では、エステル交換反応開始前に添加しても、エステル交換反応中、エステル交換反応終了後、重縮合反応の直前に添加しても構わない。またエステル化法では、エステル化反応終了後に添加しても、重縮合反応の直前に添加しても構わない。
またポリエステルに含まれるチタン化合物の含有量は、ポリエステルの重量を基準として、チタン元素換算で5〜20ppmの範囲が好ましく、さらに好ましくは7〜18ppm、特に好ましくは8〜17ppmである。チタン化合物量が下限に満たないと、ポリエステル製造時の生産が遅延することがある。一方上限を超えると得られたポリエステルの耐熱安定性が悪くなり、またチタン化合物の析出物によって耐電圧特性が低下することがある。
ポリエステルの重合触媒として一般的に用いられているアンチモン化合物は、析出物を形成しやすく、また使用する触媒量も多いことから、アンチモン化合物由来の析出物が耐電圧特性を低下させる要因となることがある。一方、チタン化合物を用いた場合、重合反応を維持できる範囲で触媒量を微量にすることが可能となり、耐電圧特性を阻害する要因となる析出物を少なくできるため、フィルムとした時に優れた耐電圧特性が発現することができる。またチタン化合物としてポリエステルに可溶なチタン化合物を用いることで、さらに析出物が少なくなり、耐電圧特性がより向上することがある。
従って、結晶性熱可塑性樹脂がポリエステルの場合、触媒としてチタン化合物以外の触媒化合物、例えばアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物等をチタン化合物と併用しても構わないが、併用する場合はチタン化合物以外の触媒化合物の使用量は少ない方が好ましい。チタン化合物以外の触媒化合物の使用量が多い場合、触媒由来の析出物が発生しやすくなり、結果としてフィルムの耐電圧特性が下がることがある。なお析出物による耐電圧特性低下のメカニズムは、発生した析出物が電解集中を起こすためと考えられる。チタン化合物以外の触媒を併用する時には、その含有量をポリエステルの重量を基準として、5ppm以下、特には実質的に含有しないことが好ましい。
ポリエステルの固有粘度は、ο−クロロフェノール中、35℃において、0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜0.80dl/gであることがさらに好ましい。固有粘度が0.4dl/g未満ではフィルム製膜時に切断が多発したり、成形加工後の製品の強度が不足することがある。一方固有粘度が0.8dl/gを超える場合は重合時の生産性が低下することがある。
<フェノール系安定剤>
本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは、アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールをフェノール系安定剤として含有し、かつその含有量は基材層の重量を基準として0.001重量%以上3重量%以下である。アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールを安定剤として用いることにより、フィルム製膜工程もしくはマスターペレットの作成工程で安定剤が昇華しにくく、ダイ汚れや昇華物の析出を抑制でき、かつ安定剤の有効量が高まり従来よりもさらに優れた耐電圧特性が得られる。しかも樹脂と化学的に結合した場合であっても樹脂が脆くならないためフィルム製膜性が安定する。特に該安定剤をポリエステル樹脂に用いることは従来知られていなかったが、ポリエステル樹脂に該安定剤を用いる場合、フィルム製膜工程もしくはマスターペレットの作成工程で樹脂と化学的に結合しやすく、安定剤自体の昇華しにくさと相まって、ダイ汚れや昇華物の析出抑制、およびフィルム中の安定剤の有効量増加により、耐電圧特定が従来よりさらに向上する。
アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールとして、炭素数2〜10のアルキレン鎖を有することが好ましく、特にヘキサメチレンビスアミド型のヒンダードフェノールが一般に入手しやすい。また、アミド結合を介してヒンダードフェノールを両末端に有しており、具体的なヒンダードフェノール化合物として、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]が挙げられる。
一方、ヒンダードフェノール系安定剤として汎用されているペンタエリスリトール型のフェノール系安定剤などは、フィルム製膜工程もしくはマスターペレットの作成工程で樹脂と化学的に結合が生じにくく、例えばポリエステル樹脂と反応させるためには樹脂の重合時に添加される。しかしながら安定剤が架橋剤的に樹脂と結合してしまい、みかけの溶融粘度が高くなるものの十分な重合度を得にくいために樹脂が脆くなりやすく、フィルム製膜時にクリップで坦把するエッジ部分が折れるなど、フィルム製膜性が低下しやすい。
また、このように樹脂との反応性が低いヒンダードフェノール系安定剤をフィルム製膜工程やマスターペレット作成工程で添加した場合、製膜時に安定剤の一部が昇華し、ダイ汚れや昇華物のフィルム表面析出などが生じ、添加量に対する安定剤の有効量が減少することがある。
また、アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールの中でも130℃以上200℃以下の融点のヒンダードフェノール化合物を用いることが好ましく、さらに150℃以上170℃以下であることが好ましい。融点が下限値に満たない場合、フィルム製膜時の昇華物が増えることがある。一方、かかるヒンダードフェノール化合物の構造上、融点の上限値は自ずと制限される。
また、アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールの蒸気圧は20℃で1×10E−10Pa以下であることがことが好ましく、さらに好ましくは1×10E−11Pa以下、特に好ましくは5×10E−12Pa以下である。蒸気圧が上限値を超えると、フィルム製膜工程やマスターペレット作成工程において、安定剤の昇華量が多くなり、工程内の排気工程を汚染するため作業効率が低下したり、ダイ汚れやフィルム表面析出が増えることがある。また排気能力の低下により、安定剤の分散化が十分でないことがある。
かかるフェノール系安定剤の含有量は、好ましくは0.01重量%以上2重量%以下、より好ましくは0.1重量%以上2重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以上1.5重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以上1.0重量%以下である。フェノール系安定剤の含有量が下限値に満たない場合、十分な耐電圧特性が得られない。またフェノール系安定剤の含有量が上限値を超える場合、増量に見合う耐電圧特性の向上が期待できない他、樹脂との未反応物によるダイ汚れや昇華物のフィルム表面析出が生じることがある。
<粒子>
(球状架橋高分子樹脂粒子(A))
本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは、平均粒径が0.5μm以上3.0μm以下である球状架橋高分子樹脂粒子(A)を基材層の重量を基準として0.01重量%以上1.5重量%以下含有することが好ましい。かかる粒子をフィルム中に含むことにより、本発明のアルキレンビスアミド型のヒンダードフェノール添加による高い耐電圧特性を低下させることなく、フィルムに滑り性や巻取り性を付与することができる。一方、球状架橋高分子樹脂粒子(A)を有していない場合、フィルムの滑り性や巻取り性が十分でないことがある。また球状架橋高分子樹脂粒子(A)の代わりに他の粒子を用いた場合、滑り性や巻取り性は向上するものの、アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールの添加による高い耐電圧特性が損なわれることがある。
球状架橋高分子樹脂粒子(A)の平均粒径は、好ましくは0.5μm以上2.0μm以下、さらに好ましくは0.8μm以上1.6μm以下である。球状架橋高分子樹脂粒子(A)の平均粒径が下限値に満たないとフィルムの滑り性や巻取り性が十分でないことがある。また球状架橋高分子樹脂粒子(A)の平均粒径が上限値を超える場合は耐電圧特性が低下することがある。特にフィルムコンデンサー用途においては、スペースファクターの増大や絶縁欠陥の増加により絶縁破壊電圧が低下しやすい。なお、本発明における平均粒径は、測定方法において述べるように、フィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡を用いて測定する方法で求めたものである。
球状架橋高分子樹脂粒子(A)の含有量は、好ましくは0.1重量%以上1.5重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以上1.0重量%以下である。球状架橋高分子樹脂粒子(A)の含有量が下限値に満たないとフィルムの滑り性や巻取り性が十分でないことがある。また球状架橋高分子樹脂粒子(A)の含有量が上限値を超える場合はフィルム表面が粗くなり、耐削れ性が悪化し、耐電圧特性が低下することがある。特にフィルムコンデンサー用途においては、スペースファクターの増大や絶縁欠陥の増加により絶縁破壊電圧が低下しやすい。
本発明の球状架橋高分子樹脂粒子(A)は、その形状が実質的に球状もしくは真球状であることが好ましく、具体的には球状の度合いを表わす粒径比が1.0以上1.3以下であることが好ましい。ここで粒径比とは、球状架橋高分子樹脂粒子の長径の平均値(Dl)と短径の平均値(Ds)の比で表わされる粒径比Dl/Dsで表わされる。これら長径の平均値(Dl)、短径の平均値(Ds)は、測定方法において述べるように、フィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡を用いて測定する方法で求めたものである。
球状架橋高分子樹脂粒子(A)の粒径比は、さらに好ましくは1.0以上1.2以下であり、特に好ましくは1.0以上1.1以下である。粒径比が大きくなると粒子形状が球状でなくなるため、粒子の周囲にボイドができやすくなり、絶縁欠陥が生じやすく、耐電圧特性が低下しやすい。
球状架橋高分子樹脂粒子(A)は粒径分布がシャープであることが好ましく、相対標準偏差が0.5以下であることが好ましく、より好ましくは0.4以下、さらに好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.2以下である。相対標準偏差が小さく粒径分布がシャープであると、フィルム表面の大突起の高さが均一となり、絶縁欠陥が減少し、耐電圧特性をより向上させることができる。
また球状架橋高分子樹脂粒子(A)の表面はシランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。シランカップリング剤で表面処理されていることにより、耐電圧特性をさらに向上させることができる。
表面処理に用いるシランカップリング剤としては、不飽和結合を有するビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等;アミノ系シランのN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等;エポキシ系シランのβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等;メタクリレート系シランのγ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等;さらにはγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
これらの中でも、エポキシ系シランからなるシランカップリング剤が、取り扱いのしやすさ、添加したときの色のつきにくさ等の観点から好ましい。シランカップリング剤による表面処理方法は、公知の方法を用いることができ、シランカップリング剤を分散させた水もしくは有機溶媒で粒子をスラリー化し、加熱処理後に粒子を分離、乾燥、必要に応じて熱処理を施す方法が挙げられる。
球状架橋高分子樹脂粒子(A)として、シリコーン樹脂粒子、ポリアクリル樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、アクリル−スチレン共重合体樹脂粒子が例示されるが、特にシリコーン樹脂粒子が好ましい。
シリコーン樹脂粒子は下記式(I)
Figure 2011093984
(式中、Rは炭素数1以上6以下のアルキル基およびフェニル基から選ばれる少なくとも1種である)
で表わされる結合単位がシリコーン樹脂量を基準として80重量%以上であるシリコーン樹脂からなる粒子であることが好ましい。
上式(I)におけるRは、アルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられ、これらのうちの1種または複数種を用いてもよい。これらの中でもRがメチル基のシリコーン樹脂(ポリメチルシルセスキオキサン)粒子が合成の容易さなどの観点から特に好ましい。
シリコーン樹脂粒子は、公知の製造方法、例えばオルガノトリアルコキシシランを加水分解、縮合する方法(特公昭40−14917号公報、特公平2−22767号公報など)、メチルトリクロロシランを出発原料とするポリメチルシルセスキオキサン粒子の製造方法(ベルギー国特許572412号など)、などに準じて製造することができる。本発明におけるシリコーン樹脂粒子は、界面活性剤の存在下で重合されることにより、粗大突起の少ない粒子が得られるため好ましい。界面活性剤は特に限定されないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく例示される。
本発明において、球状架橋高分子樹脂粒子(A)、特にシランカップリング剤で表面処理されたシリコーン樹脂粒子を用いることで、本発明のアルキレンビスアミド型のヒンダードフェノール添加による高い耐電圧特性を低下させることなく、フィルムに滑り性や巻取り性を付与することができるメカニズムははっきりとしていないが、球状形状により粒子の周囲に絶縁欠陥の原因となるボイドができにくいこと、またシランカップリング剤が粒子に吸着することにより、粒子と樹脂との親和性が向上し、延伸の際に絶縁欠陥の原因となるボイド発生が抑えられることが考えられる。さらにシリコーン樹脂粒子を用いることによるフィルムとの親和性に加え、例えばコンデンサー作成プロセスにおけるプレスに対しシリコーン樹脂粒子が変形しやすく、プレスによるボイド発生が抑制されること、絶縁欠陥の原因となる粗大粒子が少ないことも原因として考えられる。
(不活性粒子(B))
本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは、球状架橋高分子樹脂粒子(A)に加えて、さらに平均粒径が0.01μm以上0.5μm未満であり、かつ球状架橋高分子樹脂粒子(A)の平均粒径より0.4μm以上小さい不活性粒子(B)を基材層の重量を基準として0.05重量%以上2.0重量%以下含有することが好ましい。球状架橋高分子樹脂粒子(A)に加えて小サイズの不活性粒子(B)をさらに含有することによって、本発明のアルキレンビスアミド型のヒンダードフェノール添加による高い耐電圧特性を低下させることなく、より効率的にフィルムに滑り性や巻取り性を付与することができ、さらに耐削れ性を良好なものとすることができる。
不活性粒子(B)の平均粒径は、球状架橋高分子樹脂粒子(A)の平均粒径よりも小さいことが好ましく、その差が0.4μm以上であることが好ましい。さらに好ましくは0.5μm以上であり、特に好ましくは0.7μm以上である。また球状架橋高分子樹脂粒子(A)と不活性粒子(B)の平均粒径差は、大きくても2.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは2.0μm以下、さらに好ましくは1.5μm以下、特に好ましくは1.0μm以下である。
球状架橋高分子樹脂粒子(A)と不活性粒子(B)の平均粒径差をかかる範囲にすることで、より効率的に滑り性や巻取り性を向上させることができ、さらに耐削れ性を良好なものとすることができる。
不活性粒子(B)の平均粒径は0.01μm以上0.5μm未満が好ましく、さらに好ましくは0.1μm以上0.4μm以下である。不活性粒子(B)の平均粒径が下限値に満たないと、滑り性や巻取り性の向上効果が十分に発現しないことがある。また、不活性粒子(B)の平均粒径が上限値を超える場合は耐削れ性効果が十分に発現しないことがあり、また耐電圧特性が低下することがある。なお、本発明における平均粒径は、測定方法において述べるようにフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡を用いて測定する方法で求めたものである。
不活性粒子(B)の含有量は、好ましくは基材層の重量を基準として0.05重量%以上2.0重量%以下であり、さらに好ましくは0.1重量%以上0.6重量%以下、特に好ましくは0.2重量%以上0.4重量%以下である。不活性粒子(B)の含有量が下限値に満たないとフィルムの滑り性や巻取り性の向上効果が十分に発現しないことがある。また不活性粒子(B)の含有量が上限値を超える場合はフィルム表面が粗くなり、耐削れ性が悪化し、耐電圧特性が低下することがある。
不活性粒子(B)の種類としては、球状架橋高分子樹脂粒子(B1)を使用することが最も好ましい。その場合、球状架橋高分子樹脂粒子(B1)の粒径比、相対標準偏差、粒子の表面処理については、球状架橋高分子樹脂粒子(A)の好ましい範囲内で球状架橋高分子樹脂粒子(B1)にも適用されることが好ましい。
また不活性粒子(B)の種類として、球状架橋高分子樹脂粒子(A)と異なる機能を付与できるという観点で、球状架橋高分子樹脂粒子(A)と異なる種類の粒子であってもかまわない。例えば、(1)二酸化ケイ素(水和物、ケイ砂、石英などを含む);(2)各種結晶形態のアルミナ;(3)SiO2成分を30重量%以上含有するケイ酸塩(例えば非晶質もしくは結晶質の粘度鉱物、アルミノシリケート(焼成物や水和物を含む)、温石綿、ジルコン、フライアッシュなど):(4)Mg、Zn、Zr、およびTiの酸化物;(5)Ca、およびBaの硫酸塩;(6)Li、Ba、およびCaのリン酸塩(1水素塩や2水素塩を含む);(7)Li、Na、およびKの安息香酸塩;(8)Ca、Ba、Zn、およびMnのテレフタル酸塩、(9)Mg、Ca、Ba、Zn、Cd、Pb、Sr、Mn、Fe、Co、およびNiのチタン酸塩;(10)Ba、およびPbのクロム酸塩、(11)炭素(例えばカーボンブラック、グラファイトなど);(12)ガラス(例えばガラス粉、ガラスビーズなど);(13)Ca、およびMgの炭酸塩;(14)ホタル石;(15)スピネル型酸化物、などが挙げられるが、球状架橋高分子樹脂粒子(A)と異なる粒子のうち、良好な滑り性、耐削れ性が得られる点で、炭酸カルシウム粒子、球状シリカ粒子が好ましい。
本発明で用いる各種の粒子をフィルム中に含有させる方法は特に限定されない。例えば樹脂の重合中の任意の過程で添加あるいは析出させる方法、溶融押出する任意の過程で添加する方法が挙げられ、効果的に分散させるため、分散剤、界面活性剤などを用いてもよい。
<その他添加剤>
本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムには、さらにイオウ系安定剤、リン系安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を少量添加してもよい。これらの安定剤を本発明のフェノール系安定剤と併用することによっても、耐電圧特性を高めることができる。
かかるイオウ系安定剤として、チオエーテル系化合物が例示され、具体的にはテトラエステル型高分子量のチオエーテル化合物などが挙げられる。
またリン系安定剤として、ホスホン酸、ホスフェート系化合物、ホスファイト系化合物などが挙げられるが、これらの中でも各種のホスファイト系化合物を用いることができる。
これらのイオウ系安定剤、リン系安定剤は、フェノール系安定剤と併用した場合、耐電圧特性をさらに高めることができる一方、多量に添加しても添加量に伴う相乗効果が発現しないことから、できるだけ少量の範囲で添加することが好ましい。これらの安定剤の含有量は、基材層の重量を基準として1〜10000ppmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜5000ppmである。該安定剤の含有量が下限に満たない場合は耐電圧特性の相乗効果が十分に発現しないことがある。一方、該安定剤を含有量の上限を超えて添加しても添加量に伴う相乗効果が発現しないばかりか、結晶性熱可塑性樹脂の耐熱性などを低下させることがある。
<耐電圧特性>
本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムの耐電圧特性は絶縁破壊電圧で評価される。本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは、25℃における絶縁破壊電圧が450V/μm以上であることが好ましく、より好ましくは460V/μm以上、更に好ましくは470V/μm以上、特に好ましくは500V/μm以上である。絶縁破壊電圧が下限値に満たない場合、例えば電気自動車やハイブリッド自動車など、より高い耐電圧特性が求められている電気絶縁材料に使用したときの電気特性が十分でないことがある。一方、25℃における絶縁破壊電圧は、より高い方がこれらの電気絶縁材料として用いたときの信頼性が高くなり好ましいが、その上限値は樹脂材料の性質上おのずと制限され、通常は550V/μm以下である。
かかる耐電圧特性は、本発明のアルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールを用いることによって達成され、さらに滑り性や巻取り性を付与するために粒子を添加する場合には本発明の球状架橋高分子樹脂粒子(A)、さらには本発明の不活性粒子(B)を用いることによって達成される。また、結晶性熱可塑性樹脂としてポリエステルを用いる場合は触媒としてチタン化合物を用いることによりさらに耐電圧特性を高めることができる。
ここで、25℃における絶縁破壊電圧は、測定方法で詳述するように、JIS規格C2151に記載の平板電極法に準拠して、東京精電(株)製、装置名ITS−6003を用いて直流電流、0.1kV/sの昇圧条件で測定した値である。
<積層構成>
(基材層)
本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは、結晶性熱可塑性樹脂を主たる成分とし、アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールを含む基材層を含む少なくとも1層のフィルムである。ここで、「主たる成分」とは基材層の重量を基準として80重量%以上であることを指し、好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、特に好ましくは97重量%以上、最も好ましくは99重量%以上である。
基材層には、結晶性熱可塑性樹脂、アルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールの他、さらに球状架橋高分子樹脂粒子(A)や不活性粒子(B)を含有してもよい。
基材層の厚みは、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜15μm、さらに好ましくは1.0〜10μmである。基材層厚みが下限値に満たないと製膜が困難であることがあり、また十分な耐電圧特性が発現しないことがある。一方、基材層厚みが上限値を超えると、フィルムコンデンサーやモーター絶縁などの電気絶縁部品の小型化が難しいことがある。
(塗布層)
本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは、さらに基材層の片面または両面に塗布層を有していることが好ましく、該塗布層はワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を塗布層の重量を基準として1〜50重量%含有してなることが好ましい。塗布層がこれら化合物の少なくとも1種を含有することにより、塗布層を介して積層した金属層との接着力が弱まり、フィルムの欠陥部に絶縁破壊が生じて短絡状態となったときに短絡電流によりその付近の金属層が容易に飛散し、従来よりもさらに優れた自己回復性(セルフヒーリング性)を得ることができる。一方、塗布層がこれら化合物を含んでいない場合、塗布層が十分な剥離性を備えていないため、金属層との接着力を弱めることができず、フィルムの欠陥部に絶縁破壊が生じて短絡状態となったときに短絡電流によりその付近の金属層が容易に飛散することができず、十分な自己回復性を示すことができないことがある。
(ワックス)
ワックスとして、ポリオレフィン系ワックス、エステル系ワックスなどが挙げられ、その他、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の天然ワックスも例示される。ポリオレフィン系ワックスの一例として、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックスが挙げられる。また、エステル系ワックスとして、例えば炭素数8個以上の脂肪族モノカルボン酸および多価アルコールからなるエステル系ワックスが挙げられ、具体的にはソルビタントリステアレート、ペンタエリスリットトリペヘネート、グリセリントリパルミテート、ポリオキシエチレンジステアレートが例示される。かかるワックスの中でも、ポリオレフィン系ワックスを用いることがより高い自己回復性が得られる点で好ましい。また塗布層中での良好な分散性の観点で、ワックスはエマルジョンの状態で用いられることが好ましい。
(シリコーン化合物)
シリコーン化合物としては反応性基を有するシリコーン化合物を用いることが好ましい。反応性基を含有しないシリコーンを用いた場合には塗布層が欠落することがあり、基材層が短絡状態となったときに、その部分の金属層が基材層から容易に飛散することができず、十分な自己回復性を示すことができないことがある。
この反応性基を有するシリコーン化合物としては、ケイ素原子に直接結合した反応性基を有し、アミノ基を含む有機基、エポキシ基を含む有機基、カルボン酸基を含む有機基、シラノール基もしくは加水分解によりシラノール基を生成する有機基から選ばれる反応性基を1種以上含有するものを用いることが好ましい。例えば、このシリコーンの有する反応基は、アミノ基を含む有機基としては、3−アミノプロピル基、3−アミノ−2−メチル−プロピル基、2−アミノエチル基といった1級アミノアルキル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル基といった1級および2級アミノ基を有する有機基を例示することができる。
エポキシ基を含む有機基としては、γ−グリシドキシプロピル基、β−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシ−β−メチル−プロピル基といったグリシドキシアルキル基、2−グリシドキシカルボニル−エチル基、2−グリシドキシカルボニル−プロピル基といったグリシドキシカルボニルアルキル基を例示することができる。
加水分解によりシラノール基を生成する有機基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基といったアルコキシ基、β−メトキシエトキシ基、β−エトキシエトキシ基、ブトキシ−β−エトキシ基といったアルコキシ−β−エトキシ基、アセトキシ基、プロポキシ基等のアシロキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基といったN−アルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基といったN,N−ジアルキルアミノ基、イミダゾール基、ピロール基といった窒素を含有する複素環基を例示することができる。
シリコーン化合物は、種類の異なる反応性基を有するシリコーン化合物の混合体でもよい。かかるシリコーン化合物は分子量が1000〜500000であることが好ましい。1000未満であると塗膜凝集力が低下して塗布層の欠落が生じやすいことがあり、500000を超えると粘性が高くなりハンドリングしにくいことがある。
(フッ素化合物)
フッ素化合物として、フルオロエチレン系モノマーを用いた重合体、フッ化アルキル(メタ)アクリレート系モノマーを用いた重合体などが挙げられる。フルオロエチレン系モノマーを用いた(共)重合体として、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、モノフルオロエチレン、ジフルオロジクロロエチレン等の(共)重合体が挙げられる。
(含有量)
ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、塗布層の重量を基準として1〜50重量%であることが好ましい。またこれら化合物の含有量は、さらに好ましくは10〜50重量%である。含有量が下限値に満たない場合、離型層を介した基材層と金属層との接着力が高く、フィルムの欠陥部に絶縁破壊が生じて短絡状態となったときに短絡電流によってその付近の金属層が容易に飛散できず、十分な自己回復性が得られないことがある。一方、該含有量が上限値を超える場合、塗布層の離型性が高すぎて金属層が剥離しやすく、巻回などの加工時に容易に金属層が脱離してしまい、不良品が生じることがある。
(その他の添加剤)
塗布層は、その他、界面活性剤、架橋剤、滑剤などを含んでいてもよい。
界面活性剤は、基材層への水性塗液の濡れ性を高めたり、塗液の安定性を向上させる目的で使用され、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗布層の重量を基準として1〜60重量%含まれていることが好ましい。
また、架橋剤を添加することにより、塗布層の凝集力を向上させることができ好ましい。架橋剤として、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物を例示することができ、その他のカップリング剤を用いることもできる。架橋剤の添加量は、塗布層の重量を基準として5〜30重量%であることが好ましい。
塗布層の厚みは、乾燥後の厚みとして、好ましくは0.005〜0.5μm、さらに好ましくは0.005〜0.2μmである。塗布層の厚みが下限値に満たない場合は自己回復性が十分に発現しないことがある。また塗布層の厚みが上限値を超える程度に厚くしても、さらなる自己回復性が得られないことがある。
(金属層)
本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは、基材層の少なくとも片面に金属層が積層されていてもよい。金属層の材質については、特に制限はないが、例えばアルミニウム、亜鉛、ニッケル、クロム、錫、銅およびこれらの合金が挙げられる。さらにこれらの金属層は若干量酸化されていてもよい。また、金属層を簡便に形成できるため、金属層は蒸着法により形成された蒸着型金属層であることが好ましい。
また、金属層を積層するにあたり、本発明の塗布層の面上にさらに金属層を設けることにより、基材層と金属層とが適度な接着力を有し、フィルムコンデンサー製造において巻回などの加工を施す場合には金属層の剥離がなく、一方、フィルムの欠陥部に絶縁破壊が生じて短絡状態となったときに短絡電流により金属層が容易に飛散し、従来よりもさらに優れた自己回復性を示すことができる。また、金属層を本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムの両面に設ける場合、例えば両面蒸着のように両面同時に金属層を設ける方法を用いることにより、少ない工程数で金属層を設けることができる。
<フェノール系安定剤の添加方法>
本発明のフェノール系安定剤の添加方法は、樹脂の重合時に添加する方法、フィルム製膜工程やマスターペレット作成工程で添加する方法のいずれの方法でもよい。本発明のアルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールは、昇華しにくい安定剤であり、フィルム製膜工程もしくはマスターペレットの作成工程で添加してもダイ汚れや昇華物の析出を抑制しやすい特徴があり、特にポリエステル樹脂に用いる場合、フィルム製膜工程もしくはマスターペレットの作成工程で樹脂と化学的に結合しやすく、フィルム製膜工程やマスターペレット作成工程での添加が好ましい。樹脂の重合時にフェノール系安定剤を添加すると、重合度が十分に上がらないことがあり、場合によってはフィルム製膜性が低下することがある。
以下に1)マスターペレット作成工程における添加方法、2)フィルム製膜工程における添加方法、について詳述する。
1)のマスターペレット作成工程における添加方法として、二軸混練機を用いて、重合した樹脂チップとフェノール系安定剤とを予め溶融混練し、マスターペレットを作成する方法が挙げられる。かかる方法として、固体状の樹脂に所定量のフェノール系安定剤を添加し、これらを混合してから二軸混練機で溶融混練する方法、樹脂を溶融させてから所定量のフェノール系安定剤を添加して二軸混練機で溶融混練する方法などが挙げられる。この場合、フェノール系安定剤は直接添加してもよく、予めマスターポリマーを作成してから添加してもよい。得られたマスターペレットは、さらに2)のフィルム製膜工程において樹脂チップと所望の割合でブレンドして用いることができる。マスターポリマー中のフェノール系安定剤濃度は0.5〜10重量%であることが好ましい。安定剤の濃度が下限値に満たない場合、マスターポリマーの配合量が増え効率的でないことがある。一方、該濃度が上限値を超える範囲でマスターポリマーを製造するのは製造上難しいことがある。
2)のフィルム製膜工程における添加方法とは、重合した樹脂チップとフェノール系安定剤の粉体とを予めブレンドして、フィルム製膜のために用いる押出機中の原料投入口に添加し、該押出機中で溶融混練する方法である。この場合、フェノール系安定剤は1)の方法と同様に、直接添加してもよく、また1)の方法で予め作成したマスターポリマーを添加してもよい。
<フィルム製膜方法>
本発明の二軸配向フィルムを得る方法を以下に具体的に述べるが、以下の例に特に限定されるものではない。具体的には、前述のフェノール系安定剤の添加方法によってフェノール系安定剤を結晶性熱可塑性樹脂に添加しつつ、押出機に供給してTダイよりシート状に成形する。
Tダイより押し出されたシート状成形物を表面温度10〜60℃の冷却ドラムで冷却固化し、この未延伸フィルムを例えばロール加熱または赤外線加熱によって加熱した後、縦方向に延伸して縦延伸フィルムを得る。かかる縦延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。縦延伸温度は樹脂のガラス転移点(Tg)より高い温度、更にはTgより20〜40℃高い温度とするのが好ましい。縦延伸倍率は、使用する用途の要求に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは2.5倍以上5.0倍以下、更に好ましくは3.0倍以上4.5倍以下である。縦延伸倍率が下限に満たない場合、フィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られないことがある。また縦延伸倍率が上限を超える場合、製膜中に破断が発生しやすくなる。
得られた縦延伸フィルムは、続いて横延伸を行い、その後必要に応じて熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、かかる処理はフィルムを走行させながら行う。横延伸処理は樹脂のガラス転移点(Tg)より20℃以上高い温度から始め、樹脂の融点(Tm)より(120〜30)℃低い温度まで昇温しながら行う。また横延伸最高温度は、好ましくはTmより(100〜40)℃低い温度である。横延伸開始温度が低すぎるとフィルムに破れが生じやすい。また横延伸最高温度が低すぎる場合は、得られたフィルムの熱収縮率が大きくなり、また幅方向の物性の均一性が低下しやすい。
横延伸過程の昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが、通常は段階的に昇温する。例えば、ステンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、各ゾーンごとに所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。
横延伸倍率は、使用する用途の要求に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは2.5倍以上5.0倍以下、更に好ましくは3.0倍以上4.5倍以下である。横延伸倍率が下限に満たない場合、フィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られないことがある。また横延伸倍率が上限を超える場合、製膜中に破断が発生しやすくなる。
二軸延伸されたフィルムは、その後、必要に応じて熱固定処理が施される。熱固定処理を施すことにより、得られたフィルムの高温条件下での寸法安定性を高めることができる。
本発明の二軸配向フィルムは、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートフィルムの場合、200℃における熱収縮率は−3〜3%であることが好ましく、更に好ましくは−2〜2%、特に好ましくは−1〜1%である。200℃における熱収縮率が上述の範囲を満たさない場合、該フィルムに金属膜を蒸着して積層フィルムを製造し、フィルムコンデンサーとした場合に、コンデンサを熱処理した際に変形が生じたり、セルフヒーリング性が低下することがある。200℃における熱収縮率を上述の範囲内にするためには、熱固定処理を(Tm−100℃)以上、さらには(Tm−70)℃〜(Tm−40)℃の範囲で行うことが好ましい。
また本発明の二軸配向フィルムは、熱収縮を抑えるためにさらにオフライン工程においてアニール処理を施しても構わない。例えばポリエチレンナフタレンジカルボキシレートフィルムの場合、150〜220℃で1〜60秒間熱処理した後、50〜80℃の温度雰囲気下で徐冷する方法が挙げられる。
塗布層をさらに設ける場合、フィルム延伸工程において塗布する方法が挙げられる。この場合、塗布液は水性塗布液の形態で使用されることが好ましい。水性塗布液の固形分濃度は、通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。ここで本発明における水性とは、水溶液、水分散液あるいは乳化液等の状態のものを包含する。
水性塗布液のフィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができるが、フィルムの製造過程で実施するのが好ましく、さらには配向結晶化が完了する前のフィルムに塗布するのが好ましい。ここで結晶配向が完了する前のフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向した一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向したもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸して配向結晶化を完了させる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向した一軸延伸フィルムに塗布層用の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用してもよい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組合せて用いることができる。
また、本発明の塗布層は、フィルム二軸延伸工程後に別工程で付与されたものであってもよい。
<用途>
本発明の二軸配向フィルムは優れた耐電圧特性を有することから、電気絶縁用フィルムとして好適に使用することができ、具体的には、フィルムコンデンサー、ウエッジ材やスロット材などのモーター絶縁部材、フレキシブルプリント回路基板、フラットケーブルなどの電気絶縁用途のベースフィルムとして用いることができる。
これらの電気絶縁用途のうち、例えばフィルムコンデンサーは、本発明の二軸配向フィルムの片面または両面に金属層を積層した積層フィルムを巻回または積層することによって得られる。
また、フレキシブルプリント回路基板は、本発明の二軸配向フィルムの少なくとも片面に銅箔または導電ペーストからなる金属層を積層させ、金属層に微細な回路パターンを形成することによって得られる。
またウエッジ材やスロット材などのモーター絶縁部材は、本発明の二軸配向フィルムをRのついたポンチを用いて変形加工を行うことによって得られる。
かかる電気絶縁用途の中でも、特にフィルム上に金属層を設ける構成の電気絶縁用途に好適に用いられ、特にフィルムコンデンサーなどの電気絶縁用途に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。また、実施例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ重量%および重量%を意味する。
(1)ヒンダードフェノール系安定剤の含有量
得られたフィルムサンプル20mgを重トリフルオロ酢酸:重クロロホルム=1:1の混合溶媒に溶解し、600Mの1H−NMR装置を用いて積算回数256回で測定して、tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルとアミド結合との間の炭化水素鎖に起因する水素に起因するピーク強度を測定した。かかるNMR測定結果をもとに、安定剤が樹脂と反応している場合はもとの安定剤に換算した含有量を求めた。また、ポリマーと未反応な安定剤と、ポリマーと反応した安定剤とが混在し、同じ炭化水素鎖に着目しても複数のピーク位置が検出される場合は、それらの合計値より含有量を求めた。
(2)絶縁破壊電圧
得られた二軸配向フィルムを用い、JIS規格C2151に記載のDC試験のうち平板電極法に準拠して、東京精電株式会社製ITS−6003を用いて、0.1kV/secの昇圧速度で測定し、破壊時の電圧を絶縁破壊電圧として測定した。測定はn=50で行い、平均値を絶縁破壊電圧とした。なお測定は25℃の室温で実施した。
(3)粒子の平均粒径および粒径比
フィルムサンプルの小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定し、日本電子(株)製スパッタリング装置(JIS−1100型イオンスパッタリング装置)を用いて、フィルム表面に0.13Paの真空下で0.25kV、1.25mAの条件でイオンエッチング処理を10分間施した。さらに同じ装置で金スパッターを施し、走査型電子顕微鏡を用いて1万〜3万倍で観測し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス500にて、少なくとも100個の粒子についてその面積相当粒径(Di)、長径(Dli)および短径(Dsi)を求めた。粒子の個数をnとし、得られた値を下記式(1)にあてはめて、面積相当粒径(Di)の数平均値を平均粒径(D)とした。
Figure 2011093984
同様に、得られた値を下記式(2)、(3)にあてはめて、長径の平均値(Dl)と短径の平均値(Ds)を求め、Dl/Dsを粒径比とした。
Figure 2011093984
Figure 2011093984
(4)粒子の粒径の相対標準偏差
測定方法(3)によって求められたそれぞれの粒子の面積相当粒径(Di)および平均粒径(D)から、下記式(4)により粒子の粒径の相対標準偏差を求めた。
Figure 2011093984
(5)フィルム厚み
電子マイクロメータ(アンリツ(株)製の商品名「K−312A型」)を用いて針圧30gにてフィルム厚みを測定した。
(6)フィルム製膜性
ポリマーを押出機に供給し、ダイスを通じて溶融押出する際の揮発成分の発生状況、およびフィルムの延伸製膜工程におけるフィルム製膜性について、以下の基準によって評価した。
○: ポリマー溶融押出時に揮発成分などなく、製膜工程も破断することなく生産できる
△: ポリマー溶融押出時に揮発成分が見られるが、破断することなく生産できる
×; ポリマー溶融押出時に揮発成分が見られるか、破断が時々発生し安定生産できない
××: ポリマー溶融押出時に揮発成分が著しいか、破断が多発し生産できない
(7)フィルムの巻取り性
フィルムの製造工程において、フィルムを550mm幅で6000mのロール状に100m/分の速度で巻き上げ、その巻上げ状況、ロールの外観により以下の基準によって評価した。
A: ロールの巻き姿良好
B: ロールの表面に1個以上5個未満のピンプル(突起状盛り上がり)が見られるがほぼ良好
C: ロールの表面に5個以上のピンプル(突起状盛り上がり)が見られ、外観不良
D: ロールのフィルム端面ズレが起き、巻き姿不良
(8)セルフヒーリング特性
フィルムサンプルの片面に50nmの厚さでアルミニウムを蒸着し、2枚の蒸着フィルムをガラス板に挟んで平行平板コンデンサーを形成する。このとき、容量を発生する有効面積は100cm2とする。このコンデンサーに上から0.5kg/cm2の荷重をかけながら電極間にフィルム厚みに対応して100V/μmの割合で電圧を印加する。
試料数をいくつかとり、3点の絶縁破壊を発生させ、自己回復性(絶縁破壊点の周りの蒸着膜が飛散して絶縁性が保たれる現象)の状況を評価する。判定基準は次のとおりとした。
◎:3点とも十分に自己回復し、良好な絶縁性が保たれた
○:2点は十分に自己回復し、絶縁性が保たれたが、1点は絶縁不良であるかショートした
△:1点は十分に自己回復し、絶縁性が保たれたが、2点は絶縁不良であるかショートした
×:3点とも絶縁不良であるかショートした
<チタン触媒PENポリマーの作成方法>
P1; 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル(以下、NDCと称することがある。)100部、エチレングリコール(以下、EGと称することがある。)60部およびチタン化合物(トリメリット酸チタンをチタン元素量が15mmol%となるように添加)をSUS製容器に仕込み、140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、反応混合物を重合反応器に移し、295℃まで昇温し、30Pa以下の高真空下にて重縮合反応させ、固有粘度0.6dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを得た。
<フェノール系安定剤含有PENポリマーの作成方法>
P2; P1の方法により得られたポリエステル樹脂、及びアルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールとして「Irganox(登録商標)1098」(N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド])(融点156〜161℃、蒸気圧1.3×10E-12Pa(20℃))を用い、フェノール系安定剤の含有量が組成物重量を基準として2重量%(20000ppm)となるよう設定温度300℃の2軸押出機に投入し、溶融混練を行ってポリエステル樹脂組成物(マスターペレット)を得た。
P3; 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100部、エチレングリコール60部、チタン化合物(トリメリット酸チタンをチタン元素量が15mmol%となるように添加)にフェノール系安定剤として「Irganox(登録商標)1010」(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル―4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])(融点110〜125℃、蒸気圧1.3×10E-10Pa(20℃))を組成物重量を基準として0.8重量%(8000ppm)となるようSUS製容器に仕込み、140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、反応混合物を重合反応器に移し、295℃まで昇温し、30Pa以下の高真空下にて重縮合反応させてポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを得た。
P4; 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100部、エチレングリコール60部、チタン化合物(トリメリット酸チタンをチタン元素量が15mmol%となるように添加)にフェノール系安定剤として「Irganox(登録商標)1010」を組成物重量を基準として2重量%(20000ppm)となるようにSUS製容器に仕込み、140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、反応混合物を重合反応器に移し、295℃まで昇温し、30Pa以下の高真空下にて重縮合反応させたが、途中で溶融粘度が高くなりすぎ、重合装置の溶融攪拌の上限を超えた。
P5; P1の方法により得られたポリエステル樹脂、及びフェノール系安定剤として「Irganox(登録商標)1010」を用い、フェノール系安定剤の含有量が組成物重量を基準として2重量%(20000ppm)となるよう設定温度300℃の2軸押出機に投入し、溶融混練を行ってポリエステル樹脂組成物(マスターペレット)を得た。
P6; P1の方法により得られたポリエステル樹脂、及びアルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールとして「Irganox(登録商標)1098」(N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)])(融点156〜161℃、蒸気圧1.3×10E-12Pa(20℃))を用い、フェノール系安定剤の含有量が組成物重量を基準として5重量%(50000ppm)となるよう設定温度300℃の2軸押出機に投入し、溶融混練を行ってポリエステル樹脂組成物(マスターペレット)を得た。
<シランカップリング剤で表面処理されたシリコーン樹脂粒子の調整>
攪拌翼つきの10リットルのガラス容器に0.06重量%の水酸化ナトリウムを含む水溶液7000gを張込み、上層へポリオキシエチレンラウリルエーテル0.01重量%を含む1000gのメチルトリメトキシシランを静かに注入し、2層を形成したのち、10〜15℃でわずかに回転させながら2時間界面反応させ、球状粒子を生成させた。その後、系内の温度を70℃として約1時間熟成させ、冷却後、減圧濾過機で濾過し、水分率約40%のシリコーン樹脂粒子のケーク状物を得た。次に別のガラス容器に、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを2重量%分散させた水溶液4000gを張込み、そこへ先の反応で得られたケーク状物を全量加えてスラリー化し、内温70℃、攪拌下3時間かけて表面処理を行い、冷却後、減圧濾過機で濾過処理し、ケーク状物を得た。続いてこのケーク状物を純水600gに全量加えて再度スラリー化し、常温で1時間攪拌し、その後再度減圧濾過機にて濾過処理することにより、余分の乳化剤およびシランカップリング剤が除去された水分率約40%のケーク状物を得た。最後に、このケーク状物を100℃で15torrにて10時間減圧処理し、凝集粒子の少ない、シランカップリング剤で表面処理されたシリコーン樹脂粒子の粉末約400gを得た。また必要な粒子量に応じて、仕込み量を増やしてもよい。
[実施例1]
P1とP2のポリマーを50重量%:50重量%でブレンドし、ブレンドしたポリマーを180℃で6時間乾燥後、300℃に加熱された押出機に供給した。押出機に該ポリマーを供給する際、球状架橋高分子樹脂粒子(A)として、上述の方法でシランカップリング剤で表面処理された、平均粒径1.2μm、相対標準偏差0.14、粒径比1.1のシリコーン樹脂粒子、及び不活性粒子(B)として、上述の方法でシランカップリング剤で表面処理された、平均粒径0.3μm、相対標準偏差0.17、粒径比1.1のシリコーン樹脂粒子をそれぞれ表1に記載した量添加した。
押出機で溶融混練後、290℃のダイスよりシート状に成形して冷却ロールにて冷却固化した未延伸フィルムを140℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向)に3.6倍で延伸した後、60℃のロール群で冷却し、ロールコーターにより一方の面に以下に示す塗工液1(2重量%,表中の組成成分以外はエマルジョン水溶液などの水成分)を均一に塗設した。
続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き、横延伸最高温度が150℃に加熱された雰囲気中で長手方向に垂直な方向(横方向)に4.0倍で延伸した。その後、テンター内で210℃で5秒間熱固定を行い、さらに200℃で1%熱弛緩を行った後、均一に除冷して室温まで冷却し、2μm厚みの二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。フィルム中のフェノール系安定剤量は1.00重量%であった。得られたフィルムは、絶縁破壊電圧が500V/μmと従来になく高い耐電圧特性が得られ、しかもフィルム製膜性やフィルムの巻取り性にも優れていた。またセルフヒーリング性も優れており、フィルムコンデンサーの絶縁体として好適なものであった。
<塗工液1>
離型成分: ポリエチレン系ワックスエマルジョン(プロピレン共重合量6モル%,ポリエチレン系ワックス量48重量%) 表1における離型成分の含有量はポリエチレン系ワックス量を記載した。
界面活性剤: ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ライオン株式会社製 商品名L950)
架橋剤: 炭酸ジルコニルアンモニウム
[実施例2、3]
球状架橋高分子樹脂粒子(A)および不活性粒子(B)の含有量、フィルム厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例4]
P1とP2のポリマーを75重量%:25重量%でブレンドし、フェノール系安定剤の添加量を1.0重量%から0.5重量%に変更した以外は実施例1と同様にして、二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例5]
塗布層の組成物を塗工液2(2重量%,表中の組成成分以外は水成分)に変更し、表1に示す割合に変更した以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
<塗工液2>
離型成分: カルボキシ変性シリコーン(信越化学工業株式会社製 商品名X22−3701E)
なお、シリコーン化合物については、予め界面活性剤と先に混合してから、塗工液に添加した。
界面活性剤: ポリオキシエチレン(n=8.5)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−85)
架橋剤: オキサゾリン(株式会社日本触媒製 商品名エポクロスWS−300)
[実施例6]
球状架橋高分子樹脂粒子(A)および不活性粒子(B)を添加せず、フィルム厚みを表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例7]
塗布層を設けなかった以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例8]
実施例1の球状架橋高分子樹脂粒子(A)および不活性粒子(B)に代えて、表1に示す粒径、粒径の相対標準偏差、粒径比の球状シリカ粒子((株)日本触媒製;商品名シーホスターKE)を表1に記載した量添加した以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例9]
球状架橋高分子樹脂粒子(A)を添加せず、不活性粒子(B)の含有量およびフィルム厚みを表1に示すように変更した以外は実施例8と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例10]
球状架橋高分子樹脂粒子(A)に代わる大粒子として炭酸カルシウム粒子、不活性粒子(B)として板状ケイ酸アルミニウムを表1に記載した量添加した以外は実施例8と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
Figure 2011093984
[比較例1]
P1、P2に代えてP3のポリマーを用いた以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[比較例2]
P1とP2のポリマーを50重量%:50重量%でブレンドする代わりにP1とP5のポリマーを50重量%:50重量%でブレンドした以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[比較例3]
P1およびP2のブレンドに代えて、P1のポリマーのみを用いた以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[比較例4]
P1およびP2のブレンドに代えて、P6のポリマーのみを用いた以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
Figure 2011093984
本発明によれば、本発明の電気絶縁用二軸配向フィルムは従来の絶縁フィルムよりさらに耐電圧特性に優れており、かつフィルム製膜性にも優れるものであり、その工業的価値は極めて高い。

Claims (21)

  1. 結晶性熱可塑性樹脂を主たる成分とする基材層を含む少なくとも1層のフィルムであって、該基材層の重量を基準として0.001重量%以上3重量%以下のフェノール系安定剤を含み、該フェノール系安定剤がアルキレンビスアミド型のヒンダードフェノールであることを特徴とする電気絶縁用二軸配向フィルム。
  2. 該フェノール系安定剤がヘキサメチレンビスアミド型のヒンダードフェノールである請求項1に記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  3. 該フェノール系安定剤の融点が130℃以上200℃以下である請求項1または2に記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  4. 結晶性熱可塑性樹脂がポリエステルである請求項1〜3のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  5. ポリエステルがポリエチレンナフタレンジカルボキシレートである請求項4に記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  6. ポリエステルの触媒がチタン化合物である請求項4または5に記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  7. 平均粒径が0.5μm以上3.0μm以下である球状架橋高分子樹脂粒子(A)を基材層の重量を基準として0.01重量%以上1.5重量%以下含有してなる請求項1〜6のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  8. さらに平均粒径が0.01μm以上0.5μm未満であり、かつ球状架橋高分子樹脂粒子(A)の平均粒径より0.4μm以上小さい不活性粒子(B)を基材層の重量を基準として0.05重量%以上2.0重量%以下含有してなる請求項7に記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  9. 不活性粒子(B)が球状架橋高分子樹脂粒子(B1)である請求項8に記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  10. 球状架橋高分子樹脂粒子の長径の平均値(Dl)と短径の平均値(Ds)の比で表わされる粒径比Dl/Dsが1.0以上1.3以下である請求項7〜9のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  11. 球状架橋高分子樹脂粒子がシランカップリング剤で表面処理された球状架橋高分子樹脂粒子である請求項7〜10のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  12. 球状架橋高分子樹脂粒子がシリコーン樹脂粒子である請求項7〜11のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  13. 絶縁破壊電圧が450V/μm以上である請求項1〜12のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  14. 基材層の片面または両面に塗布層を有し、該塗布層がワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を塗布層の重量を基準として1〜50重量%含有してなる請求項1〜13のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  15. ワックスがポリオレフィン系ワックスである請求項14に記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  16. シリコーン化合物が反応性基を有するシリコーン化合物である請求項14に記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  17. フッ素化合物がフルオロエチレン系モノマーを用いた重合体またはフッ化アルキル(メタ)アクリレート系モノマーを用いた重合体である請求項14に記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  18. フィルムコンデンサー用またはモーター絶縁用である請求項1〜17のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  19. 塗布層面上にさらに金属層を有する請求項14〜17のいずれかに記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  20. 金属層が蒸着型金属層である請求項19に記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
  21. フィルムコンデンサー用である請求項19または20に記載の電気絶縁用二軸配向フィルム。
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