JP2014233480A - タフトカーペットの製造方法 - Google Patents
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Description
[芯鞘型複合繊維で構成された不織布の準備]
芯成分として融点が260℃で極限粘度が0.70のポリエチレンテレフタレート、鞘成分としてメタロセン系重合触媒を用いて重合されたメルトフローレートが20g/10分で融点が102℃の低密度ポリエチレンを準備した。ポリエチレンテレフタレートと低密度ポリエチレンを溶融複合紡糸して、スパンボンド法にて、芯鞘型複合長繊維で構成された目付50g/m2の不織布を得た。芯鞘型複合長繊維中における芯成分と鞘成分の割合は、芯成分:鞘成分=1:3(重量比)とした。また、芯鞘型複合長繊維の繊度は2.5デシテックスとした。
融点260℃のポリエチレンテレフタレート樹脂を用いて、スパンボンド法にて、繊度4.4デシテックスのポリエチレンテレフタレート長繊維からなる繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを、オルガン社製のRPD36#のニードル針を植え込んだニードルパンチング機械に通し、ニードリングを施した後、アクリルエマルジョン樹脂を含浸した後、乾燥して、目付100g/m2のポリエチレンテレフタレート不織布よりなる一次基布を得た。
一次基布と芯鞘型複合繊維で構成された不織布を積層した後、芯鞘型複合繊維で構成された不織布側から一次基布側を通して、1890デシテックス/108フィラメントのナイロンマルチフィラメント糸をタフト糸として用い、タフティングした。マルチフィラメント糸を構成するナイロンの融点は265℃であった。また、タフティングの条件は、ステッチ10インチ、1/10ゲージとし、タフト糸重量450g/m2となるようにして行った。続いて、熱風循環型乾燥装置に導入し、150℃×3分間の条件で熱処理を行い、タフトカーペットを得た。
[ポリエステル繊維で構成された不織布の準備]
ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、ジオール成分が、1,6−ヘキサンジオールと1,4−ブタンジオールのみにより構成され、ジオール成分は1,6−ヘキサンジオールが70モル%、ブタンジオールが30モル%である、融点が約130℃の共重合ポリエステルを準備した。この共重合ポリエステルを用いて、スパンボンド法にて、繊度3デシテックスの共重合ポリエステル長繊維からなる目付50g/m2のポリエステル繊維で構成された不織布を得た。
なお、一次基布は実施例1で用いたものと同一のものを準備した。
一次基布とポリエステル繊維で構成された不織布を積層した後、ポリエステル繊維で構成された不織布側から一次基布を通して、実施例1で用いたタフト糸を用い、実施例1と同一の条件でタフティングを行って。そして、実施例1と同様に、熱風循環型乾燥装置に導入し、150℃×3分間の条件で熱処理を行い、タフトカーペットを得た。
芯鞘型複合繊維で構成された不織布を一次基布に積層せずに、タフティングを行う他は、実施例1と同様にしてタフトカーペットを得た。すなわち、実施例1で用いた一次基布のみを用いて、これに実施例1と同一の条件でタフティングを行い、さらに150℃×3分間の条件で熱処理を行い、タフトカーペットを得た。
実施例1、2及び比較例1で得られたタフトカーペットの裏面(パイルのバックステッチ部)を摩耗することにより、パイルの抜け落ちの程度を評価した。摩耗試験は、JIS L−1096に記載の方法に準拠し、以下のとおりとした。
荷重 :2.45N
摩耗回転回数:20回
摩耗輪 :CS−17
摩耗回転数 :70rpm
機械 :大栄科学精機製作所製
そして、摩耗試験後のタフトカーペットの裏面を目視したところ、実施例1に係る方法で得られたものは図3に示すとおりであり、実施例2に係る方法で得られたものは図4に示すとおりであり、比較例1に係る方法で得られたものは図5に示すとおりであった。図3〜図5を対比すれば明らかなように、実施例1及び2に係る方法で得られたものはバックステッチ部が殆ど破壊されていないのに対して、比較例1に係る方法で得られたものは摩耗輪によって摩耗された箇所でバックステッチ部が殆ど破壊されていることが分かる。したがって、実施例1及び2に係る方法で得られたタフトカーペットは、パイルの抜け落ちにくいものであることが分かる。
2 パイル
3 バックステッチ部
4 特定の不織布(芯鞘型複合繊維で構成された不織布又はポリエステル繊維で構成された不織布)
Claims (6)
- 低密度ポリエチレンを鞘成分とし、ポリエチレンテレフタレートを芯成分とする芯鞘型複合繊維で構成された不織布と、前記鞘成分が溶融する温度では実質的に影響を受けない繊維で構成された一次基布とを積層する工程、
前記鞘成分が溶融する温度では実質的に影響を受けない繊維で構成されたタフト糸を、前記一次基布及び前記不織布を通してタフティングし、パイルを植設する工程及び
前記タフティング工程の後、熱処理をして、前記不織布中の前記鞘成分を溶融させることにより、溶融成分を前記パイルのバックステッチ部に付着させる工程
を具備することを特徴とするタフトカーペットの製造方法。 - 融点が150℃以下の共重合ポリエステルで形成されたポリエステル繊維で構成された不織布と、前記ポリエステル繊維が溶融する温度では実質的に影響を受けない繊維で構成された一次基布とを積層する工程、
前記ポリエステル繊維が溶融する温度では実質的に影響を受けない繊維で構成されたタフト糸を、前記一次基布及び前記不織布を通してタフティングし、パイルを植設する工程及び
前記タフティング工程の後、熱処理をして、前記不織布中の前記ポリエステル繊維を溶融させることにより、溶融成分を前記パイルのバックステッチ部に付着させる工程
を具備することを特徴とするタフトカーペットの製造方法。 - 熱処理の温度は130〜160℃である請求項1又は2記載のタフトカーペットの製造方法。
- 不織布が長繊維不織布である請求項1又は2記載のタフトカーペットの製造方法。
- 低密度ポリエチレンは、メタロセン系重合触媒を用いて重合されたポリエチレンを含むものである請求項1記載のタフトカーペットの製造方法。
- 共重合ポリエステルは、テレフタル酸と1,6−ヘキサンジオールと1,4−ブタンジオールとの三元共重合ポリエステルである請求項2記載のタフトカーペットの製造方法。
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