JP2017039290A - タフトカーペット基布及びタフトカーペット - Google Patents

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【課題】カーペットの特に内部に入り込んだ花粉、ダニ、ダニ死骸などのアレルゲンを効率良く不活性化し、且つカーペットの内部に入り込んだウイルスを効率良く感染価減少させるタフトカーペット基布、及びそれを使用したタフトカーペットを提供する。【解決手段】抗アレルゲン及び抗ウイルス機能を有する架橋アクリレート系繊維を5〜40重量%含有する不織布層と、その層に積層されるスパンボンド不織布層とからなる2層構造を有することを特徴とするタフトカーペット基布。前記タフトカーペット基布を使用したタフトカーペットであって、架橋アクリレート系繊維含有不織布層の上面にパイルを植設していることを特徴とするタフトカーペット。【選択図】なし

Description

本発明は、カーペットに付着した花粉やダニ等のアレルゲンの不活性化機能及びインフルエンザウイルス等のウイルス感染価減少機能を有するタフトカーペット基布、及びそれを使用したタフトカーペットに関する。
近年建設される住宅は、断熱性や気密性が著しく向上しており、室内空気が自然対流によって入れ替わる時間が従来の住宅の数倍もかかるような高性能の省エネ住宅も開発されている。しかし、このような設計の住宅では、気密性が高いので、室内に臭いや、ハウスダストと呼ばれる塵等がこもりやすく、これらがアレルギーを引き起こす原因であるアレルゲンとなって、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎等のアレルギー疾患の症状を発症させると言われている。
また、ウイルス感染した人間がクシャミ、嘔吐することで室内に飛散したウイルスも室内に留まり易いと言われている。この結果、近年の住宅室内でのウイルス感染率が高まっていると言える。
アレルゲンにはいろいろなタイプがあり、花粉、ダニ(虫体、死骸、抜け殻、糞)、カビ、ペット(毛、フケ)などが挙げられ、これらがアレルギー疾患の主な原因物質であると考えられている。例えば、アレルゲンであるチリダニを高熱や薬剤で駆除したとしても、その死骸がカーペットの中に残ってしまい、人がカーペットの上を歩行、移動すること等によりこれらチリダニの死骸がカーペットの内部から室内空間に放出されることが問題視されていた。従って、花粉、ダニ、ダニの死骸、ダニの抜け殻、ダニの糞などのアレルゲンをカーペットから取り除かない限り、これらが原因のアレルギー疾患の発症を防ぐことは困難であった。
ウイルスにもA型インフルエンザに代表されるエンベロープ型ウイルスとノロウイルスに代表される非エンベロープ型の2種類のウイルスが存在するが、一般的に室内に飛散したウイルスは約1週間は感染可能な状態で存在すると言われている。
このような背景から、エアコン、空気清浄機等を用いた消臭、集塵が多く行われるようになり、例えばフィルター等によって空気中のアレルゲンを捕集する方法が提案されている。このようなエアコン、空気清浄機等を用いた捕集方法は、室内の空気中に浮遊するアレルゲンには有効であるものの、カーペットに付着したアレルゲンに対しては効果は殆ど得られない。カーペットに付着したアレルゲンを除去するには、掃除機等でカーペットのパイルの表層部を叩きながら何度も繰り返し吸引してアレルゲン除去を行うのが有効な方法と言われている。しかし、この方法も、カーペットの表面に付着したアレルゲンは除去できるものの、カーペットの内部に入り込んだ花粉、ダニ、ダニ死骸等のアレルゲンを十分に除去することはできなかった。このようにカーペットの内部にまで入り込んだ花粉、ダニ、ダニ死骸等のアレルゲンを十分に除去することができなければ、カーペットを利用している人がこれらアレルゲンに接触する機会を十分に抑制することはできず、依然としてアレルギー疾患の発症を十分に防止できる生活環境が得られているとは言い難い状況にあった。
ウイルスに関しても拭き取り除去可能なものは生活環境から除去することが可能であるが、カーペット内部に入り込んだウイルスに関しては、何らかの方法でウイルスの感染能力を減少させなければ安心・安全な生活環境を作り出すことはできない状況にあった。
一方、繊維等にアレルゲン低減化成分を固着せしめてアレルゲン低減機能を持たせたものとしては、特許文献1〜3に記載のものが挙げられる。即ち、特許文献1には、アレルゲン低減化成分を基材(織布、不織布等)に含浸させてなる絨毯用清拭シートが記載され、特許文献2には、アレルゲン低減化成分が繊維に化学的に結合または繊維に後固着されてなるアレルゲン低減化繊維が記載され、特許文献3には、アレルゲン低減化成分を含有するインキが不織布の少なくとも片面に印刷されてなるアレルゲン低減化不織布が記載されている。
上述したように、従来より、繊維や基布(織布、不織布等)にアレルゲン低減化成分を含浸固着などしたアレルゲン低減機能体は知られている。しかしながら、表面にパイルを備えたタフトカーペットという特殊な構造の繊維集合体において、効果的にアレルゲン低減化やウイルス感染低減化を図ったものは提案されていない。例えば、特許文献4では、パイル糸に防ダニ剤や抗菌剤を樹脂バインダーと共に付与したタフトカーペットが提案されているが、パイル糸に薬剤を付与した場合、パイルの柔軟性が失われるとともに、薬剤の脱落が大きく薬剤の機能の持続性に問題があった。また、パイル糸に抗菌等の機能繊維を含有させる方法も考えられるが、かかる繊維は繊維物性が弱いため、タフト時の寸法安定性に問題があるとともに、カーペット内部に深く入り込んだアレルゲン等には効果が十分ではなかった。
特開2003−10089号公報 特開2003−96670号公報 特開2003−313778号公報 特開平7−327807号公報
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーペットの特に内部に入り込んだ花粉、ダニ、ダニ死骸などのアレルゲンを効率良く不活性化し、且つカーペットの内部に入り込んだウイルスを効率良く感染価減少させるタフトカーペット基布、及びそれを使用したタフトカーペットを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために抗アレルゲン及び抗ウイルス機能を有する繊維の配置場所について基布の構成とともに鋭意研究した結果、タフトカーペットを使用し続けていると、花粉、ダニ、ダニ死骸等のアレルゲン物質やウイルスが、タフトカーペットのパイル部の根元部分に多く集積すること、そして基布の構造を2層としてパイル植設側の層に抗アレルゲン及び抗ウイルス機能を有する架橋アクリレート繊維を特定量含有させることによって、タフティング後の寸法安定性を維持しながら、タフトカーペットに深く入り込んだアレルゲンやウイルスの影響を持続的に低減させることができることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)の構成を有するものである。
(1)抗アレルゲン及び抗ウイルス機能を有する架橋アクリレート系繊維を5〜40重量%含有する不織布層と、その層に積層されるスパンボンド不織布層とからなる2層構造を有することを特徴とするタフトカーペット基布。
(2)架橋アクリレート系繊維含有不織布層とスパンボンド不織布層がニードルパンチ法で張り合わせられていることを特徴とする(1)に記載のタフトカーペット基布。
(3)A型インフルエンザ感染価減少値が1.0以上であり、且つスギ花粉/ダニアレルゲン質吸着量が1.0mg/m以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のタフトカーペット基布。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のタフトカーペット基布を使用したタフトカーペットであって、架橋アクリレート系繊維含有不織布層の上面にパイルを植設していることを特徴とするタフトカーペット。
本発明のタフトカーペット基布は、抗アレルゲン及び抗ウイルスの機能を有する架橋アクリレート系繊維を含有する不織布層と、スパンボンド不織布層の2層構造を有するので、タフトカーペットとして使用した場合に、良好なタフティングや寸法安定性を維持しながら、抗アレルゲン、抗ウイルス効果を持続的に発揮することができる。
本発明のタフトカーペット基布は、抗アレルゲン及び抗ウイルス機能を有する架橋アクリレート系繊維を特定量含有する不織布層と、その層に積層されるスパンボンド不織布層とからなる2層構造を有することを特徴とし、タフトカーペットの製品に加工するときに架橋アクリレート系繊維を含有する不織布層の上面にパイルが植設されることを意図されるものである。
本発明のタフトカーペット基布で使用する架橋アクリレート系繊維含有不織布層は、紡績糸やマルチフィラメント糸などのタフト糸をタフティングしてパイルを植設するための不織布層であり、抗アレルゲン及び抗ウイルス機能を有するアクリレート系繊維を含有する層である。かかるアクリレート系繊維は、かかる不織布層に5〜40重量%、好ましくは8〜35重量%の割合で含有される。架橋アクリレート系繊維の含有量が上記範囲未満であると、抗アレルゲン及び抗ウイルス機能が十分に発揮されず、上記範囲を超えると、アクリレート系繊維の脱落が容易に起こるため好ましくない。
架橋アクリレート系繊維含有不織布層において架橋アクリレート系繊維以外に使用しうる繊維としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の合成繊維、羊毛、綿、麻等の天然繊維が挙げられる。寸法安定性及び加工の容易性の点で合成繊維を使用することが好ましい。
本発明で使用する抗アレルゲン及び抗ウイルス機能を有する架橋アクリレート系繊維としては、抗アレルゲン及び抗ウイルス機能を有する限り、特に限定されないが、例えばカルボキシル基及び/又はその塩を有する架橋アクリレート系繊維の表面に、銀及び/又は銅が繊維全体の重量の好ましくは2.5〜20重量%、より好ましくは4〜10重量%固着されたものであることが好ましい。固着量が上記範囲未満では、抗アレルゲン及び抗ウイルス機能が十分でない可能性があり、上記範囲を超えると、機能効果の飽和とコスト高を招く可能性がある。
本発明で使用する抗アレルゲン及び抗ウイルス機能を有する架橋アクリレート系繊維は、例えばアクリロニトリル由来の単位を70重量%以上含有するアクリロニトリル系繊維に対して、ヒドラジンによる架橋及び加水分解の処理を施した後、銀及び/又は銅を含有する化合物との接触処理を施し、さらにアルカリ処理を施すことによって製造されることができる。この場合、銀及び/又は銅の十分な固着のため、加水分解処理後の架橋アクリレート系繊維のカルボキシル基の量が0.2mmol/g以上であることが好ましい。
上記の架橋アクリレート系繊維は、花粉やダニなどのアレルゲンの不活性化やインフルエンザウイルスなどのウイルスの感染価減少に対して優れた効果を発揮する。架橋アクリレート系繊維に固着される銀及び/又は銅は、超微粒子状で強固に固着されており、洗濯や摩擦等でも脱落しにくく、半永久的にその機能を発揮することができる。
本発明のタフトカーペット基布で使用するスパンボンド不織布層は、架橋アクリレート系繊維含有不織布層の寸法安定性及びバッキングのための不織布層であり、架橋アクリレート系繊維含有不織布層に積層される。スパンボンド不織布層の素材は、特に限定されず、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンなどの長繊維を使用して作られた従来公知のものを使用すればよい。また、その製造方法も従来公知の方法に従えばよく、特に限定されないが、例えば熱可塑性高分子を溶融紡糸して連続フィラメントを形成し、続いてフィラメントを移動捕集面上に堆積させてウェブとした後、フィラメント間を結合して形態保持させて製造することができる。
上述の架橋アクリレート系繊維含有不織布層及びスパンボンド不織布層は、それぞれ別々に製造され、両者を積層一体化して2層構造を形成する。各不織布層の目付は、特に限定されないが、一般的には10〜100g/mである。各不織布層の積層一体化の方法は、特に限定されず、従来公知の方法で行なうことができる。例えば接着剤や熱溶融性樹脂等のバインダー成分の溶融の一体化やニードルパンチ法による張り合わせを行なうことができる。本発明では、工程の簡略化のため、ニードルパンチ法によって両不織布層の繊維をからませて張り合わせることが好ましい。この場合、ニードルパンチの針密度は30〜150回/cmが好ましい。また、前述の方法を併用することも好ましい。
上述のようにして作製されたタフトカーペット基布は、架橋アクリレート系繊維含有不織布層の上面からタフト糸をタフティングすることによってタフトカーペットを製造することができる。タフト糸は従来公知のものを使用すればよい。タフト糸は、架橋アクリレート系繊維含有不織布層にだけ達してもよく、あるいはスパンボンド不織布層中に達してもよく、さらにはスパンボンド不織布層を貫通してもよい。スパンボンド不織布層の外側表面は、必要により滑り止めやパイルの抜け止めのためにラテックス等のバッキング材を塗布することができる。ここで言及される以外の従来公知のタフトカーペットの製造方法も、本発明の目的に反しない限り、適宜採用することができる。
本発明のタフトカーペットは、上述のように作製されているので、以下のようなウイルス感染価減少機能及びアレルゲン不活性化機能を持つことができる。
A型インフルエンザ感染価減少値 1.0以上
スギ花粉/ダニアレルゲンタンパク質吸着量 1.0mg/m以上
本発明のタフトカーペット基布を使用したタフトカーペットの効果を以下の実施例において示すが、これらに限定されない。なお、実施例中の評価は、以下の方法に依った。
(1)A型インフルエンザ感染価減少値(Mv)
ISO 18184法(プラーク法)に従い、試験ウイルス液サンプル0.4g、放置条件:25℃、2時間で評価を実施した。試験対象ウイルスはインフルエンザウイルスで、ウイルス株はA型インフルエンザウイルス(H3N2)A/Hong Kong/8/68:TC adapted ATCC VR−1679、宿主細胞はMDCK細胞(イヌ肝臓由来細胞)ATCC CCL−34とした。抗ウイルス活性値:Mvは下記式にて算出した。
Mv=Log(Vb)−Log(Vc)
Log(Vb):標準布の試験ウイルス液接種直後の3検体の感染価常用対数平均値
Log(Vc):実施例又は比較例のタフティング用スパンボンド(タフトカーペット基布)に試験ウイルス液を接種して2時間放置後の3検体の感染価常用対数平均値
(2)スギ花粉/ダニアレルゲンタンパク質吸着量
精製スギ花粉抗原Cry J1(生化学工業社製)20ngを含むリン酸緩衝液200μL中に試料20mgを加えたもの、および、コントロールとして試料を加えないものを30℃×24時間処理し、これらの上澄み液について酵素免疫測定法(ELISA)でスギ花粉アレルゲン量を測定した。
具体的には、まず、一次抗体のモノクローナル抗体013(生化学工業社製)をマイクロプレートの各ウェルに50μLずつ分注して室温で3時間静置させた後、プレートをPBS−T(PBS(リン酸緩衝生理食塩水、0.01mol/l、pH7.2〜7.4)の0.05%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(和光純薬(株)製、Tween20相当品)溶液)で3回洗浄した。続いて、1%BSA(ナカライテスク(株)製、ウシ血清アルブミン(F−V)、pH5.2)を含むPBS−Tを各ウェルに300μLずつ分注し、4℃で12時間静置させた後、PBS−Tで3回洗浄した。次に、上述の上澄み液を各ウェルに50μLずつ分注し、室温で2時間静置させた後、PBS−Tで3回洗浄した。続いて二次抗体のペルオキシターゼ標識したモノクローナル抗体053(生化学工業社製)を各ウェルに50μLずつ分注し、室温で2時間静置させた後、PBS−Tで4回洗浄した。次にTMB試薬(フナコシ(株)製)を各ウェルに100μLずつ分注し、5分間反応させた。その後1Mの塩酸を各ウェルに100μLずつ分注し、反応を停止させてマイクロプレートリーダー(Bio−Rad Laboratories Inc製)で吸光度(測定波長490nm)を測定した。得られた測定値から検量線を用いて上澄み液中のスギ花粉アレルゲン濃度を求め、アレルゲンタンパク質吸着量を次式により算出した。
アレルゲンタンパク質吸着量[mg/m]=(B−A)/C
(A=試料を加えた場合のアレルゲン濃度、B=コントロールのアレルゲン濃度、C=測定サンプル面積)
ダニアレルゲンの場合は、精製ダニ抗原Der fII(生化学工業社製)10ngを含むリン酸緩衝液200μL中に試料20mgを加え、スギ花粉アレルゲンと同様にしてアレルゲンタンパク質吸着量を算出した。
(3)タフティング
タフティングは、1930デシテックスのナイロン捲縮加工糸よりなるパイル糸を用いて、ゲージ10本/2.54cm、ステッチ10本/2.54cm、カットパイルの高さ3.5mmの条件で行った。タフティングの加工性は、タフティング時の繊維脱落性、あるいは形態保持性を目視で評価した。
(4)寸法安定性
タフティング評価後のサンプルからタフトしたパイル糸を抜き取り、基布の寸法変化を評価した。なお、評価結果は、寸法変化が10%未満であるものは○、10%以上の変化があるものは×で表示した。
(実施例1)
スパンボンド製造設備にスパンボンド製造ラインに付随してカードウェブ製造設備があり、製造工程中でスパンボンドにカードウェブを積層、ニードルパンチで一体化成形可能なスパンボンド製造設備を利用した。
・架橋アクリレート系繊維含有不織布層の製造
特開2013−14774に記載の方法により架橋アクリレート系繊維(繊度:3.8dtex、繊維長:48mm)を得た。該アクリレート系繊維10重量部と、ポリエステル繊維(繊度:3.3dtex、繊維長48mm)90重量部をスパンボンド製造設備のカードウェブラインを通過させて80g/mの解繊ウェブを得た。
・スパンボンド不織布層の製造
上記スパンボンド製造設備で繊度4.4dtexのポリエステルフィラメント50重量%と繊度4.4detxのシースコアタイプの融点110℃のイソフタル酸を共重合成分とするコポリエステルフィラメント50%重量%を混繊して、コンベアー上で捕集し、目付120g/mのスパンボンド長繊維不織布を製造した。
・両者の一体化
生産工程で上記解繊ウェブを上記スパンボンド上に積層してニードルパンチを行うことで一体化成形を施した。最終出来上がりのタフティング用スパンボンド(タフトカーペット基布)の目付は200g/mであった。
・タフトカーペットの製造
得られたタフティング用スパンボンド(タフトカーペット基布)にナイロンのマルチフィラメントをタフティングした後、130℃の熱風循環炉内で5分間の熱処理を行い、タフトカーペット原反を得た。
上記のようにして製造されたタフティング用スパンボンド(タフトカーペット基布)、タフトカーペットについて前述の(1)〜(4)の評価を行なった。実施例1のタフトカーペットの詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例2)
架橋アクリレート系繊維の含有量を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にタフトカーペットを製造し、評価した。実施例2のタフトカーペットの詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例3)
架橋アクリレート系繊維の含有量を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にタフトカーペットを製造し、評価した。実施例3のタフトカーペットの詳細と評価結果を表1に示す。
(比較例1)
架橋アクリレート系繊維の含有量を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にタフトカーペットを製造し、評価した。比較例1のタフトカーペットの詳細と評価結果を表1に示す。
(比較例2)
架橋アクリレート系繊維の含有量を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にタフトカーペットを製造し、評価した。比較例2のタフトカーペットの詳細と評価結果を表1に示す。
(比較例3)
スパンボンド不織布層を作成せずにカードウェブ単独でニードルパンチを実施した以外は、実施例2と同様にタフトカーペットを製造し、評価した。比較例3のタフトカーペットの詳細と評価結果を表1に示す。
(比較例4)
タフト糸に架橋アクリレート系繊維を20重量%の割合で使用した以外は、比較例1と同様にタフトカーペットを製造し、評価した。比較例4のタフトカーペットの詳細と評価結果を表1に示す。
Figure 2017039290
表1からわかるように、抗アレルゲン及び抗ウイルス機能を有する架橋アクリレート系繊維を適切な量で含有する不織布層とスパンボンド不織布層を積層した2層構造を持つ基布(実施例1〜3)は、抗アレルゲン及び抗ウイルス機能の持続性に優れ、タフティングや寸法安定性に問題を生じなかった。一方、架橋アクリレート系繊維を含有していないか又は適切な量からはずれる基布や架橋アクリレート系繊維をタフト糸に使用した基布は、抗アレルゲン及び抗ウイルス機能が不十分であるか、又はタフティングや寸法安定性に問題を生じた。
本発明のタフトカーペット基布は、抗アレルゲン及び抗ウイルス機能の持続性に極めて優れるので、カーペットに付着したアレルゲンやウイルスに起因したアレルギー疾患やウイルス感染の抑制に大きく貢献することができる。

Claims (4)

  1. 抗アレルゲン及び抗ウイルス機能を有する架橋アクリレート系繊維を5〜40重量%含有する不織布層と、その層に積層されるスパンボンド不織布層とからなる2層構造を有することを特徴とするタフトカーペット基布。
  2. 架橋アクリレート系繊維含有不織布層とスパンボンド不織布層がニードルパンチ法で張り合わせられていることを特徴とする請求項1に記載のタフトカーペット基布。
  3. A型インフルエンザ感染価減少値が1.0以上であり、且つスギ花粉/ダニアレルゲンタンパク質吸着量が1.0mg/m以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタフトカーペット基布。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のタフトカーペット基布を使用したタフトカーペットであって、架橋アクリレート系繊維含有不織布層の上面にパイルを植設していることを特徴とするタフトカーペット。
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