JP6735547B2 - 繊維用アレルゲン低減化組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維または繊維製品に、ダニや花粉等のアレルゲンを低減化させる機能を付与し、さらに耐洗濯性が高く、着色や変色を起こしにくい加工が可能な繊維用アレルゲン低減化組成物に関するものである。
喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患は多くの人が悩まされているものであり、特に近年では増加する傾向となっている。これらのアレルギー性疾患の原因となっているのは環境中に存在する種々のアレルゲンであり、それらの中でも屋内に棲息するダニやペットの毛、花粉、カビは代表的な吸入性のアレルゲンとして、良く知られている。特に家屋内に生息する塵性ダニであるヒョウヒダニ類はアレルゲンの発生源として大きな問題となっている。ヒョウヒダニ類は畳、絨毯、寝具、カーテン等の家屋内の繊維製品、あるいは屋外においても電車や自動車等の移動車両の座席シート生地等が生育の温床となる。ヒョウヒダニ類の中でも、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)とヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)は代表的な種であり、これらのダニの死骸や糞が強いアレルゲン物質となる。また春先に飛散するスギ(Cryptomeria japonica)の花粉を初め、多種の植物の花粉もアレルゲンとなるものであり、特にアレルギー性鼻炎を発症させる原因となっている。飛散する花粉は春先のスギ花粉だけでなく、ヒノキ、ヨモギ、ブタクサ、カモガヤ等、多くの種類があり一年を通じて何らかの花粉が飛散している状態であり、いつの時期でも花粉によるアレルギーを引き起こす危険性があると考えられる。
このようなダニやスギ花粉等のアレルゲンを除去するためには、エアコンや空気清浄機を用いて空気をフィルターに通じる方法があるが、除去できるのは空気中に舞うアレルゲンのみであり、フィルターにアレルゲン物質を集める結果となり、フィルターを交換する際にはアレルゲンが再飛散する危険性がある。また、マスクはスギ等の花粉を吸入するのを防ぐために用いられているが、マスクに付着した花粉はアレルゲン性が消失するわけではないので、再飛散することによって吸収してしまう危険性がある。電気掃除機はアレルゲン除去の方法として有効であるが、吸引したゴミに含まれる多量のアレルゲンは集塵袋に貯蔵されるだけであり、集塵袋の廃棄時にアレルゲンが再飛散する危険性が考えられる。
アレルゲン物質のアレルギー性を低減あるいは除去するための薬剤に関しては、タンニン酸が古くから知られており、タンニン酸を応用する方法が提案されてきた。しかしタンニン酸は褐色に呈色しており、さらに経時的に着色が進行することで用途が制限される短所があった。その後、着色や変色を起こしにくいアレルゲン低減化剤として種々の提案が行われ、例えば亜鉛やマグネシウム等の無機塩を利用した方法が提案された。しかしこのような無機塩は水溶性であり、水によって流脱することから繊維や繊維製品等の耐洗濯性が必要な用途には使用できないという問題点があった(特許文献1)。
水によって流脱しないアレルゲン低減化剤についても、最近ではいくつかの提案が行われている。さらに着色や変色を起こさずに、しかも水によって流脱しないアレルゲン低減化剤としては、非水溶性亜鉛化合物あるいは非水溶性亜鉛・金属酸化物の複合粒子を用いたアレルゲン不活化剤が、さらに二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを用いたアレルゲン不活化剤が提案されているが、耐水性や継続的なアレルゲン不活化性能の点で満足できるものではなかった。またこれらのアレルゲン低減化剤は水溶性ではないが、不織布、繊維、繊維製品、プラスチック製品、木質材料にバインダーとしてアクリルエマルジョン等の樹脂エマルジョンを用いて加工した場合、バインダー量が十分な場合はアレルゲン低減化剤を覆ってしまい、流脱を防ぐもののアレルゲン低減化性能そのものが発揮されず、バインダー量が少ないと流脱を防ぐことができずに効力を維持できないことが多かった(特許文献2〜5)。またアレルゲン低減化剤として光触媒酸化チタンを利用したものも提案されているが、繊維への加工によって耐洗濯性を有するかどうかについては知られていなかった(特許文献6)。
特表2004−510717号公報 特開2006−239393号公報 特開2006−241431号公報 特開2010−65114号公報 特開2005−278781号公報 特開2006−265498号公報
不織布、繊維または繊維製品にダニやスギ花粉等アレルゲンを低減化させる機能を付与し、容易に流脱することがなく、さらに着色や変色を起こすことのない繊維用アレルゲン低減化組成物およびこれらの繊維用アレルゲン低減化組成物を加工した不織布、繊維または繊維製品を提供することが、本発明の課題である。
本発明者は、このような課題を解決するため鋭意研究を行った結果、チタニアゾルを含有する組成物を不織布、繊維または繊維製品に加工することによって種々のアレルゲンを低減化することができ、さらに耐洗濯性があり、着色や変色を起こさない加工が可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、(1)チタニアゾルを含有することを特徴とする繊維用アレルゲン低減化組成物であり、(2)チタニアゾルのpH範囲が5〜9である繊維用アレルゲン低減化組成物であり、(3)この繊維用アレルゲン低減化組成物を、バインダーを使用することなく加工した不織布、繊維または繊維製品であり、(4)上記の繊維用アレルゲン低減化組成物を、不織布、繊維または繊維製品に加工し、これらの不織布、繊維または繊維製品に接触するアレルゲンを低減化させる方法である。
本発明の組成物を用いることにより、不織布、繊維または繊維製品に、ダニやスギ花粉等のアレルゲンを低減化させる機能を付与することが可能となり、さらに耐洗濯性を持ち、変色や着色を起こさずにアレルゲンを低減化させる機能を持った繊維または繊維製品、さらにはフィルター材、マスク等に使用できる不織布を提供することができる。
本発明におけるチタニアゾルは、一般に市販されている工業製品を使用することが可能であるが、またすでに公知となった方法で調製することも可能である。チタニアゾルは、四塩化チタンのような水溶性チタン塩の水溶液にアルカリを添加して析出させた水酸化チタンを酸、特に塩酸や硝酸等の強酸で解膠することによって製造することができることが開示されている。
また、硫酸チタニルを水溶液として、加熱等を行うことにより加水分解し、析出した水酸化チタンを中和、濾過、水洗して得られるケーキを、塩酸や硝酸のような強酸で解膠することによりチタニアゾルを製造することも可能である。上記のようなチタニアゾルは強酸性であるため、チタニアゾルを加工した繊維または繊維製品が人の肌に接触する可能性があることや、金属に対する腐食性の抑制を考慮すると、pHを5〜9の中性領域に調整したものが特に好適である。中性のpH領域に調整するためには、種々の安定剤の添加、アルカリ中和、イオン交換、限外濾過、透析等の方法によって行うことができる。またリン酸水溶液をゾルと混合し、水溶液のチタン化合物とリン酸化合物の反応によって生成した水和リン酸チタン化合物によって被覆する方法も開示されている。
チタニアゾルの平均粒子径は、0.01〜2μmの範囲、好ましくは0.1〜1μmの範囲とすることが好ましい。このような平均粒子径を得るために、ガラスビーズやジルコニアビーズを用いた湿式粉砕、ボールミル、サンドミル、ホモミキサー等の方法を使用することが可能である。
チタニアゾルの固形分濃度は、あまり高濃度であると粘性が高くなり取扱いが困難となるため、また低濃度であると経時的な液の分離が起こりやすくなるため、5〜40%、好ましくは10〜30%の範囲とするのが好ましい。
チタニアゾルを繊維または繊維製品へ処理する方法としては特に制限はされないが、チタニアゾルの希釈液に繊維を浸漬することによる方法、あるいはチタニアゾルの希釈液を繊維または繊維製品に噴霧する方法等が挙げられる。チタニアゾルの希釈液を繊維または繊維製品に加工した後、風乾あるいは加熱により乾燥を行う。乾燥温度には特に制限はなく、室温による風乾または加熱による強制乾燥を行うことができる。加熱する温度については、熱効率から200℃以下が好ましく、また150℃以下がより好ましい。
本発明の繊維用アレルゲン低減化組成物には、物性等の影響を与えない範囲で、すでに公知となっているアレルゲン低減化成分をさらに添加することも可能である。アレルゲン低減化成分としては、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシ安息香酸系化合物またはその塩等、柿渋等が挙げられる。
本発明の繊維用アレルゲン低減化組成物は、屋内塵性ダニのアレルゲン低減化を目的に使用する場合、殺ダニ剤と同時に加工することにより、そのアレルゲン低減化効果をさらに持続させることも可能である。使用する殺ダニ剤は、屋内塵性ダニに対して致死効果や忌避効果のあるものであれば特に限定はなく、例えば、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、サリチル酸フェニル、シンナムアルデヒド、ヒソップ油、ニンジン種子油等を用いることができ、また天然ピレトリン、フェノトリン、ペルメトリン等のピレスロイド系化合物、フェニトロチオン、マラチオン、フェンチオン、ダイアジノン等の有機リン系化合物、ジコホル、クロルベンジレート、ヘキシチアゾクス、テブフェンピラド、ピリダベン、アミドフルメト等を用いることができる。
本発明の繊維用アレルゲン低減化組成物の使用方法としては、不織布、繊維または繊維製品に浸漬、塗布、スプレー等の方法によって加工することができ、繊維または繊維製品としては、衣料品、カーペット、ソファー、壁紙、カーテン等のインテリア類、布団側地、布団カバー、布団中綿、シーツ、枕カバー、マット等の寝具類、カーシート、カーマット、天井材および床材等の自動車部品類、ぬいぐるみ等が挙げられ、不織布としては掃除用ウェットワイパー、マスク、フィルター材料、電気掃除機の集塵袋等があげられる。
本発明の繊維用アレルゲン低減化組成物を加工することができる不織布や繊維には種々のものがあるが、たとえばナイロン、綿、ポリエステル、羊毛、レーヨン、アクリル、絹等が挙げられ、これらの繊維を2種類以上使用した複合繊維であっても差し支えない。またポリエチレンやポリプロピレンを用いた不織布にも使用することが可能である。本発明の繊維用アレルゲン低減化組成物の不織布、繊維または繊維製品への加工方法は特に限定されるものではないが、浸漬処理、スプレー処理、吸尽加工等を行うことが可能である。繊維または繊維製品への加工量は、不織布、繊維または繊維製品の重量に対して、チタニアゾルの固形分量として0.01〜20g/mであり、好ましくは0.1〜10g/mであり、さらに好ましくは0.5〜2g/mである。
本願発明の繊維用アレルゲン低減化組成物を不織布や繊維、繊維製品に加工するときには、バインダーの併用は好ましくないが、限定した範囲で併用しても差し支えない。バインダーの種類については、アクリルやウレタン等のいずれの種類の樹脂エマルジョンでも使用することが可能である。ウレタンバインダーは、エステル型、エーテル型、ポリカーボネート型等いずれの種類でも差し支えなく、イオン性についてもアニオン性、カチオン性、ノニオン性いずれでも差し支えない。バインダーの使用濃度について特に制限はないが、配合される樹脂の量はチタニアゾルの固形分の1/5以下であることが望ましい。バインダーの使用量があまり多くなりすぎると本発明の繊維用アレルゲン低減化組成物を覆ってしまう結果となり効力が発揮されにくくなる。
本発明の繊維用アレルゲン低減化組成物の製剤化に際しては、前述の防ダニ剤の他に、必要に応じて界面活性剤、キレート剤、防錆剤、抗菌剤、香料、スケール防止剤、消泡剤、帯電防止剤、増粘剤、柔軟加工剤等を添加することも可能である。
本発明の繊維用アレルゲン低減化組成物を加工した不織布、繊維または繊維製品等の使用により、不織布、繊維または繊維製品等に接触するハウスダスト中のダニ由来のアレルゲン、イヌやネコ等のペットの毛や上皮、ゴキブリ、羽毛、カビ由来のアレルゲン、およびスギ、ヨモギ、ハルガヤ、ヒノキ、ブタクサ等の花粉、天然ゴムラテックス等の植物アレルゲンを低減化することができ、多種のアレルゲンを実質的になくすことができる。
本発明を実施例、試験例により更に詳しく説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。なお、下記に示す%はすべて重量%である。
(実施例1)酸性チタニアゾルの調製
イオン交換水600gにヘキサメタリン酸ナトリウム(米山化学工業株式会社製)を2.0gを溶解させ、更に硫酸チタニル(キシダ化学株式会社製)を80g分散させ、沸騰させた湯浴で2時間加熱した。次に70℃まで冷却して25%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製)を用いてpHを6.0に調整し、No.5Cのろ紙を敷いた直径12.5cmのヌッチェを用いて吸引ろ過し、さらにイオン交換水で洗浄してケーキ150gを得た。このケーキをイオン交換水100gに分散させ、塩酸(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)10gを添加し解膠させた。
この分散液を、直径1mmのガラスビーズを用いて20分間、湿式粉砕を行い、チタニアゾル(固形分15%)を得た。このチアニアゾルの平均粒子径を、粒度分布測定装置SALD−2100(島津製作所社製)を用いて測定したところ、平均粒子径は0.8μmであった。またpHを測定した結果、pHは1.2であった。
(実施例2)中性チタニアゾルの調製
イオン交換水600gにヘキサメタリン酸ナトリウム(米山化学工業株式会社製)を3.0gを溶解させ、更に硫酸チタニル(キシダ化学株式会社製)を80g分散させ、沸騰させた湯浴で2時間加熱した。次に70℃まで冷却して25%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製)を用いてpHを6.3に調整し、No.5Cのろ紙を敷いた直径12.5cmのヌッチェを用いて吸引ろ過し、さらにイオン交換水で洗浄してケーキ150gを得た。このケーキをイオン交換水100gに分散させ、塩酸(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)10gを添加し解膠させた。この分散液に四塩化チタン(和光純薬工業株式会社製)10.7gを添加し、さらに85%リン酸(和光純薬工業株式会社製)2.1gを添加した。2時間撹拌を継続し、再び25%アンモニア水を用いてpHを5.5に調整した。No.5Cのろ紙を敷いた直径12.5cmのヌッチェを用いて吸引ろ過し、さらにイオン交換水で洗浄してケーキ185gを得た。このケーキにイオン交換水120gを添加し、直径1mmのガラスビーズを用いて20分間、湿式粉砕を行い、チタニアゾル(固形分15%)を得た。このチアニアゾルの平均粒子径を、粒度分布測定装置SALD−2100を用いて測定したところ、平均粒子径は0.7μmであった。またpHを測定した結果、pHは5.6であった。
(比較例1)
光触媒酸化チタンAMT−600(テイカ株式会社製)45g、ポイズ520(花王株式会社製)2.5g、ヘキサメタリン酸ナトリウム(米山化学工業株式会社製)0.6g、ケルザンS(三晶株式会社製)0.3gおよびイオン交換水270gを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて湿式粉砕を行い、光触媒酸化チタン濃度15%の分散液を得た。この酸化チタン分散液の平均粒子径を、粒度分布測定装置SALD−2100を用いて測定したところ、平均粒子径は0.9μmであった。
(比較例2)
酸化タングステン(無機化学工業株式会社製)30g、ポイズ520(花王株式会社製)2.5g、ヘキサメタリン酸ナトリウム(米山化学工業株式会社製)0.6g、ケルザンS(三晶株式会社製)0.3gおよびイオン交換水270gを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて湿式粉砕を行い、酸化タングステン濃度10%の分散液を得た。この酸化タングステン分散液の平均粒子径を、粒度分布測定装置SALD−2100を用いて測定したところ、平均粒子径は1.0μmであった。
(繊維への加工方法)
ナイロンジャージ生地(120g/m)15cm×20cmに対して、実施例1〜2または比較例1〜2の固形分の加工濃度が0.2g/mまたは0.4g/mとなるように所定濃度に希釈して、生地を浸漬し、絞り率約250%で絞った後、100℃にて15分間、加熱乾燥を行った。
また、ナイロンジャージ生地(120g/m)15cm×20cmに対して、実施例1または比較例1の固形分の加工濃度が0.2g/mまたは0.4g/mとなるように所定濃度に希釈し、さらにウレタンバインダーとしてアデカボンタイターHUX−350(アデカ株式会社製、固形分30%)を、実施例1または比較例1の固形分の半分(バインダーの固形分として15%)となるように添加した液に生地を浸漬し、絞り率約250%で絞った後、100℃にて15分間、加熱乾燥を行った。
(洗濯方法)
加工したナイロンジャージ生地の半分(15cm×10cm)を、イオン交換水1.5Lに対してJAFET標準配合洗剤2mLを添加した液200mLに入れ、攪拌機にて200r.p.m.で25分撹拌し、絞り率約250%で絞った。次にイオン交換水200mLに試料生地を入れて同様に200r.p.m.で撹拌し、10分間のすすぎ工程を2回行った。
(試験例1)ダニアレルゲンに対する加工したナイロンジャージ生地の低減化効果の測定
実施例1〜2または比較例1〜2を加工した不織布(加工濃度、固形分として0.2g/mまたは0.4g/m)を5cm×5cmに切り取り、チャック付きポリ袋に投入し標準ダニアレルゲン懸濁液(アレルゲン量900ng/mL、ただし総タンパク量に換算して)1mLを加え、試料とアレルゲンを接触させた。1時間後にチャック付きポリ袋からアレルゲン液を搾り出し、遠心分離後のこれら試料液について Der f2酵素免疫測定法(ELISA)のサンドイッチ法にてダニアレルゲンの低減化効果の測定を行った。
まず、リン酸緩衝液(pH7.4)で2μg/mLに希釈した抗Der f2モノクローナル抗体15E11を、F16 MAXISORP NUNC−IMMUNO MODULEプレート(NUNC社製)の1ウェルあたり100μLずつ添加し、4℃にて3日以上感作させた。感作後、液を捨て、ブロッキング試薬{1重量%牛血清アルブミン+リン酸緩衝液(pH7.2)}を1ウェルあたり200μLずつ添加し、37℃、60分間反応させた。反応後、リン酸緩衝液(pH7.2)にてプレートを洗浄した。次に、ダニアレルゲンと上記ナイロンジャージ生地を接触させて得られた抽出液を1ウェルあたり100μLずつ滴下し、37℃、60分間反応させた。反応後、リン酸緩衝液(pH7.2)にてプレートを洗浄した。
ペルオキシダーゼ標識した抗Der f2モノクローナル抗体をリン酸緩衝液{pH7.2、1重量%牛血清アルブミンおよび0.05重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}で200μg/mLに溶解し、それをリン酸緩衝液(pH7.2、1重量%牛血清アルブミンおよび0.05重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有)で1200倍希釈した液を、1ウェルあたり100μLずつ添加した。37℃、60分間反応させた後、リン酸緩衝液(pH7.2)でプレートを洗浄した。0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH6.2)6.5mLにオルト−フェニレンジアミンジヒドロクロライド(13mg Tablet、和光純薬工業株式会社製)一錠と30%過酸化水素水6.5μLを加えたものを1ウェルあたり100μLずつ添加し、37℃で3分間反応させた。その後直ちに、1mol/L HSOを50μLずつ入れて反応を停止させ、マイクロプレート用分光光度計(テカンジャパン株式会社製)で吸光度(OD490nm)を測定した。結果を表1および表2に示した。
Figure 0006735547
Figure 0006735547
(試験例2)
繊維用アレルゲン低減化組成物によるスギ花粉アレルゲンCry j1の低減化効果の測定
実施例1〜2または比較例1〜2を加工したナイロンジャージ生地(加工濃度、固形分として0.2g/mまたは0.4g/m)を5cm×5cmに切り取り、チャック付きポリ袋に投入し標準スギ花粉アレルゲン懸濁液(アレルゲン量12.5ng/mL)1mLを加え、試料とアレルゲンを接触させた。1時間後にチャック付きポリ袋からアレルゲン液を搾り出し、遠心分離後のこれら試料について Cry j1酵素免疫測定法(ELISA)のサンドイッチ法にてスギ花粉アレルゲンの低減化効果の測定を行った。
まず、リン酸緩衝液(pH7.4、0.1重量%NaN含有)で2μg/mLに希釈したCry j1 モノクローナル抗体013を、F16 MAXISORP NUNC−IMMUNO MODULEプレート(NUNC社製)の1ウェルあたり100μLずつ添加し、4℃にて1日以上感作させた。感作後、液を捨て、ブロッキング試薬{1重量%牛血清アルブミン+リン酸緩衝液(pH7.2、0.1重量%NaN含有)}を1ウェルあたり200μLずつ添加し、37℃、60分間反応させた。反応後、リン酸緩衝液{pH7.2、0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}にてプレートを洗浄した。次に、加工不織布と接触させたスギ花粉アレルゲン抽出液試料を1ウェルあたり100μLずつ滴下し、37℃、60分間反応させた。反応後、リン酸緩衝液{pH7.2、0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}にてプレートを洗浄した。
ペルオキシダーゼ標識したCry j1モノクローナル抗体053を蒸留水で200μg/mLに溶解し、それをリン酸緩衝液{pH7.2、1重量%牛血清アルブミンおよび0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}で1200倍希釈した液を、1ウェルあたり100μLずつ添加した。37℃、60分間反応させた後、リン酸緩衝液{pH7.2、0.1重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート含有}でプレートを洗浄した。0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH6.2)13mLにオルト−フェニレンジアミンジヒドロクロライド(26mg Tablet、SIGMA CHEMICAL CO.製)と過酸化水素水13μLを加えたものを1ウェルあたり100μLずつ添加し、37℃、5分間反応させた。その後直ちに、2mol/L H2SO4を50μLずつ入れて反応を停止させ、マイクロプレート用分光光度計(テカンジャパン株式会社製)で吸光度(OD490nm)を測定した。結果を表3および表4に示した。
Figure 0006735547
Figure 0006735547
本発明により、ダニや花粉等のアレルゲンを低減化させることができ、また不織布、繊維または繊維製品に耐洗濯性のある、アレルゲンを低減化させる機能を付与するための繊維用アレルゲン低減化組成物、およびアレルゲンを低減化できる不織布、繊維または繊維製品を提供することができる。




Claims (4)

  1. チタニアゾルを含有することを特徴とする不織布、繊維または繊維製品用アレルゲン低減化組成物。
  2. チタニアゾルのpH範囲が5〜9であることを特徴とする、請求項1に記載の不織布、繊維または繊維製品用アレルゲン低減化組成物。
  3. 請求項1または2に記載のアレルゲン低減化組成物を、バインダーを使用することなく加工した耐洗濯性を有する不織布、繊維または繊維製品。
  4. 請求項1または2に記載のアレルゲン低減化組成物を、不織布、繊維または繊維製品に加工し、これらの不織布、繊維または繊維製品に接触するアレルゲンを低減化させる方法。
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