JP2014231572A - 高分子多孔質膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】本願発明は、気体などの物質透過性に優れ、空孔率の高い、相対的に強度が高く、高空孔率にもかかわらず膜厚み方向への圧縮応力に対する耐力に優れる高分子の多孔質膜を提供する。
【解決手段】2つの表面(a)層及び表面(b)層と、表面(a)層及び表面(b)層の間に挟まれたマクロボイド層とを有する三層構造の高分子の多孔質膜であって、マクロボイド層は、表面(a)層及び表面(b)層に結合した隔壁と、表面(a)層と、表面(b)層とに囲まれ、膜平面方向のボイド径が10〜300μmである複数のマクロボイドを有し、マクロボイド層は、表面(a)層側の細孔の平均孔径に対する表面(b)層側のマクロ孔の平均孔径の比率が、5〜20000であり、表面(b)層側のマクロ孔の平均孔径に対する膜平面方向のマクロボイドのボイド径の比率が1〜2であることを特徴とする高分子の多孔質膜。
【選択図】図1
【解決手段】2つの表面(a)層及び表面(b)層と、表面(a)層及び表面(b)層の間に挟まれたマクロボイド層とを有する三層構造の高分子の多孔質膜であって、マクロボイド層は、表面(a)層及び表面(b)層に結合した隔壁と、表面(a)層と、表面(b)層とに囲まれ、膜平面方向のボイド径が10〜300μmである複数のマクロボイドを有し、マクロボイド層は、表面(a)層側の細孔の平均孔径に対する表面(b)層側のマクロ孔の平均孔径の比率が、5〜20000であり、表面(b)層側のマクロ孔の平均孔径に対する膜平面方向のマクロボイドのボイド径の比率が1〜2であることを特徴とする高分子の多孔質膜。
【選択図】図1
Description
本発明は、高分子の多孔質膜に関するものである。
高分子の多孔質膜は、電池用セパレータや電解コンデンサ用隔膜用、集塵、精密濾過、分離、物質充填支持体などに用いられている。例えば、特許文献1には、膜平面方向のボイド径が10〜500μmのマクロボイドを有する多孔膜ポリイミドが開示されている。しかしながら、さらに気体などの物質透過性に優れ、充填量が大きく且つ充填を容易にするために、表面層の片側が微細な多孔層であり、もう片側の表面層の孔径が大きく、ボイド径に近い構造の高分子の多孔質膜が求められることがある。
本発明は、従来の高分子多孔質膜よりも気体などの物質透過性に優れ、空孔率の高い、相対的に強度が高く、高空孔率にもかかわらず膜厚み方向への圧縮応力に対する耐力に優れ、片側の表面層が微多孔で、もう一方の表面層がボイド径に近い孔径を有する高分子の多孔質膜を提供することにある。
本発明は、以下の特徴を有する高分子の多孔質膜を提供するものである。
[1]2つの表面(a)層及び表面(b)層と、前記表面(a)層及び表面(b)層の間に挟まれたマクロボイド層とを有する三層構造の高分子の多孔質膜であって、前記マクロボイド層は、前記表面(a)層及び表面(b)層に結合した隔壁と、前記表面(a)層と、表面(b)層とに囲まれ、膜平面方向のボイド径が10〜300μmである複数のマクロボイドを有し、前記マクロボイド層は、前記表面(a)層側の細孔の平均孔径に対する前記表面(b)層側のマクロ孔の平均孔径の比率が、5〜20000であり、前記表面(b)層側のマクロ孔の平均孔径に対する膜平面方向のマクロボイドのボイド径の比率が1〜2であることを特徴とする高分子の多孔質膜。
[2]前記のマクロボイド層の隔壁、前記表面(a)層、及び前記表面(b)層は、それぞれ、厚さが0.1〜50μmであり、前記表面(a)層及び前記隔壁は、平均孔径が0.01〜10μmの複数の細孔を有し、前記表面(b)層は、平均孔径が5〜200μmの複数のマクロ孔を有し、前記細孔同士が連通し、更に前記細孔及びマクロ孔が前記マクロボイドに連通しており、総膜厚が5〜500μmであり、空孔率が60%以上95%未満である[1]に記載の高分子の多孔質膜。
[3]ガーレー値が30秒以下である、[1]〜[2]のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
[4]前記高分子の多孔質膜を膜平面方向に対して垂直に切断したときの断面において、膜断面方向のマクロボイドの断面積が膜断面積の50%以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
[5]前記高分子の多孔質膜の高分子組成がポリイミドであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
[6]ガラス転移温度が、240℃以上であるか、又は300℃以上で明確な転移点がない、[1]〜[5]のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
[7]前記高分子の多孔質膜を構成するポリイミド組成が、表面(a)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(a)層と、表面(b)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(b)層とで、ポリイミド組成が異なることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
[8]表面(a)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(a)層と、表面(b)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(b)層とで、ポリイミド組成が異なる高分子の多孔質膜の破断伸度が、同一ポリイミド組成で作製した高分子の多孔質の破断伸度に比べて1.5倍以上であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
本発明の高分子の多孔質膜は、膜の断面構造は大部分が厚み方向に対して非対称構造であり、各種平膜材料として使う場合に非常に利用しやすく、大きな空孔率を得ることができ、例えば絶縁基板として用いると誘電率を低くすることができ、両表面及び支持層ともに、一方の表面から他方の表面に至る連通孔を有するために、物質の充填や移動が容易であり、マクロボイドを有するために物質の充填量を大きくすることができる。特に、表面層の片側が微細な多孔層であり、もう片側の表面層の孔径が大きく、ボイド径に近いため、充填量が大きく且つ充填を容易にすることができ、かさ密度に比して相対的に強度が高く、高空孔率にもかかわらず膜厚み方向への圧縮応力に対して耐力があり寸法安定性が高く、250℃、15分、0.5MPaの圧縮応力負荷後の膜厚み変化率が小さい、などの優れた効果を有する。
本発明の高分子の多孔質膜の好ましい実施態様について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の高分子の多孔質膜の好ましい一実施態様の平面方向の断面図である。図2は、図1のA−A線に位置する側面方向の断面図であり、図3は図2の拡大側面断面図である。図4は、本発明の高分子の多孔質膜の好ましい一実施態様の側面方向の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図1及び図2に示すように、本発明の高分子の多孔質膜1は、2つの表面(a)層及び表面(b)層と、当該表面(a)層及び表面(b)層の間に挟まれたマクロボイド層2とを有する三層構造の高分子の多孔質膜である。
マクロボイド層2は、複数のマクロボイド3と、マクロボイド3同士を隔てる隔壁4とを有する。マクロボイド3は、前記表面(a)層及び表面(b)層に結合した隔壁と、前記表面(a)層と、表面(b)層とに囲まれた空間である。マクロボイド層2を膜平面方向に対して平行に切断したときの断面は、図1に模式的に示すように、ハニカム構造またはそれに類似する構造であり、所定のボイド径を有する複数のマクロボイドが隔壁を挟んで密接して存在している。すなわち、本発明の高分子の多孔質膜は、いわゆる「ハニカムサンドウィッチ構造」を有する。なお、本明細書における「ハニカム構造」とは、個々に区分された多数の空間部が密集している構造を意味するにすぎず、前記空間部が正確に断面六角形になった構造のみを意味するものではない。マクロボイド3により、本発明の高分子の多孔質膜は大きな空間を有し、空孔率が高い。そのため、例えば絶縁基板として用いた場合には誘電率を低くすることができ、また、物質をボイド中に充填する場合にはその充填量を大きくすることができる。
図3に示すように、表面(a)層及び隔壁4は、それぞれ複数の細孔5、6を有する。また、表面(b)層は、複数の細孔7及び複数のマクロ孔8を有する。細孔5、6、7、マクロ孔8及びマクロボイド3同士は連通しており、物質の充填や移動が容易であり、気体等の物質透過性に優れる。その一方で、表面層(a)及び表面層(b)隔膜に形成された細孔の平均孔径が小さいためマクロボイド中に物質を閉じ込めることができる。
特に図3に示すように、表面(b)層のマクロ孔8の孔径は、表面(a)層及び表面(b)層及び隔壁4の細孔5、6、7に比べて大きく、マクロボイド3のボイド径に近い。隔壁4及び表面(b)層は、表面(a)層を支持する支持部としての役割を有する。このため、フィルタリング機能を有する層が薄い表面(a)層が隔壁4及び表面(b)層によって補強された形態となり、気体等の高い物質透過性とフィルタリング機能の両立に特に優れる。また、高空孔率にもかかわらず膜厚み方向への圧縮応力に対して耐力があり、寸法安定性が高い。
マクロボイド3の膜平面方向のボイド径は、隔壁4により表面(a)層を十分に支持することができ、物質透過性を阻害しなければよく、10〜300μmであり、好ましくは10〜200μm、より好ましくは10〜100μmである。ボイド径が大きすぎると表面(a)層をフィルタリング機能膜として用いる際の支持体として不足するため好ましくない。またボイド径が小さすぎると、物質透過性が低下するため好ましくない。
表面(a)層の細孔5の平均孔径に対する表面(b)層のマクロ孔8の平均孔径の比率は、気体透過性に優れ、充填物を充填する際に、充填が容易であればよく、好適には5〜20000であり、好ましくは5〜10000であり、より好ましくは5〜5000である。比率が大きすぎると、工業的に製造することが困難となり、コストが高くなるため好ましくない。比率が小さすぎると充填物の充填が困難となるため好ましくない。
表面(b)層側のマクロ孔の平均孔径に対する膜平面方向のマクロボイドのボイド径の比率は、フィルタリング機能膜として表面(b)層側のマクロ孔の平均孔径に膜平面方向のマクロボイドのボイド径がより近い径であることが好ましく、1〜2であり、好ましくは1〜1.8であり、より好ましくは1〜1.5である。
表面(a)層及び表面(b)層の厚さはそれぞれ、0.1〜50μmであり、高分子の多孔質膜の強度の観点から、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜9μm、更に好ましくは2〜8μm、特に好ましくは2〜7μmである。高分子の多孔質膜を各種平膜材料として使う観点からは、表面(a)層及び表面(b)層の厚さは略同一であることが好ましい。
表面(a)層及び隔壁4はそれぞれ、複数の細孔5、6を有する。細孔5、6の平均孔径は0.01〜10μmであり、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは1〜5μmである。表面(b)層は、複数の細孔7を有する。細孔7の平均孔径は、0.01〜4μmであり、好ましくは0.01〜3μm、より好ましくは0.01〜2μmである。表面層(b)は複数のマクロ孔8を有する。マクロ孔8の平均孔径は5〜200μmであり、好ましくは5〜150μm、より好ましくは5〜100μmである。当該細孔及びマクロ孔同士は互いに連通し、更にマクロボイド3に連通している。
このように、本発明の高分子の多孔質膜は、一方の表面から他方の表面に至る連通孔を有するために物質の充填や移動が容易であり、気体等の物質透過性に優れる。その一方で、膜表面に形成された細孔の平均孔径が小さいため所定のサイズの物質のみを通過させることができ、本発明の高分子の多孔質膜はフィルタリング機能を有する。また、膜表面に形成された細孔の平均孔径が小さいため、本発明の高分子の多孔質膜の膜表面は平滑性が優れる。
このように、本発明の高分子の多孔質膜は、一方の表面から他方の表面に至る連通孔を有するために物質の充填や移動が容易であり、気体等の物質透過性に優れる。その一方で、膜表面に形成された細孔の平均孔径が小さいため所定のサイズの物質のみを通過させることができ、本発明の高分子の多孔質膜はフィルタリング機能を有する。また、膜表面に形成された細孔の平均孔径が小さいため、本発明の高分子の多孔質膜の膜表面は平滑性が優れる。
本発明の高分子の多孔質膜の総膜厚は5〜500μmであり、力学強度の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは25μm以上であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下である。
また、本発明の高分子の多孔質膜の空孔率は60%以上95%未満であり、物質透過性、力学強度、及び膜の構造保持性の観点から、好ましくは60〜90%、より好ましくは65〜90%の範囲である。
また、通気性の観点から、本発明の高分子の多孔質膜のガーレー値(0.879g/m2の圧力下で100ccの空気が膜を透過するのに要する秒数)は、好ましくは30秒以下、より好ましくは25秒以下、更に好ましくは2秒以下であり、下限値は特に限定されないが、好ましくは測定限界以下である。ガーレー値は、JIS P8117に準拠して測定することができる。本発明の高分子の多孔質膜は、通気性が非常に優れる。
物質透過性の観点から、本発明の高分子の多孔質膜を膜平面方向に対して垂直に切断した断面において、マクロボイドの断面積は、膜断面積に対して好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上である。
高分子の多孔質膜を構成する高分子組成は、表面(a)層の細孔と表面(b)層のマクロ孔の平均孔径の比率を大きくする観点、破断伸度を大きくする観点から、表面(a)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(a)層と、表面(b)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(b)層とで、異なる組成の高分子組成を用いるこが好ましい。
高分子の多孔質膜は、高分子溶液を用いて製造することができる。高分子の多孔質膜を製造するのに用いる高分子溶液は、表面(a)層の細孔と表面(b)層のマクロ孔の平均孔径の比率を大きくする観点、破断伸度を大きくする観点から、高分子溶液(A)と高分子溶液(B)を用いて製造することができる。
高分子溶液(A)及び高分子溶液(B)の少なくとも1つは、ポリアミック酸を主成分とする高分子溶液である。ポリアミック酸を主成分とする高分子溶液を用いて高分子多孔質膜を製造する場合、ポリアミック酸の多孔質膜をイミド化することができる。イミド化は熱処理、または化学的に脱水反応を行うことで達成する事ができる。イミド化された高分子の多孔質膜は耐溶剤性、寸法安定性、耐熱性に優れる。
本発明の高分子の多孔質膜は、耐熱性、高温下での寸法安定性の観点から、高分子組成がポリイミドを用いることができる。
高分子溶液(A)及び高分子溶液(B)の少なくとも1つは、ポリアミック酸を主成分とする高分子溶液である。ポリアミック酸を主成分とする高分子溶液を用いて高分子多孔質膜を製造する場合、ポリアミック酸の多孔質膜をイミド化することができる。イミド化は熱処理、または化学的に脱水反応を行うことで達成する事ができる。イミド化された高分子の多孔質膜は耐溶剤性、寸法安定性、耐熱性に優れる。
本発明の高分子の多孔質膜は、耐熱性、高温下での寸法安定性の観点から、高分子組成がポリイミドを用いることができる。
ポリイミドは、好ましくはテトラカルボン酸二無水物とジアミンとから得られるポリイミドからなる。
テトラカルボン酸二無水物は、任意のテトラカルボン酸二無水物を用いることができ、所望の特性などに応じて適宜選択することができる。テトラカルボン酸二無水物の具体例として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)などのビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス〔(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物等を挙げることができる。また、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸を用いることも好ましい。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
これらの中でも、特に、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。ビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を好適に用いることができる。
ジアミンは、任意のジアミンを用いることができる。ジアミンの具体例として、以下のものを挙げることができる。
1)1,4−ジアミノベンゼン(パラフェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエンなどのベンゼン核1つのべンゼンジアミン、
2)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシドなどのベンゼン核2つのジアミン、3)1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−4−トリフルオロメチルベンゼン、3,3’−ジアミノ−4−(4−フェニル)フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジ(4−フェニルフェノキシ)ベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(3−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼンなどのベンゼン核3つのジアミン、4)3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどのベンゼン核4つのジアミン。 これらは単独でも、2種以上を混合して用いることもできる。用いるジアミンは、所望の特性などに応じて適宜選択することができる。
1)1,4−ジアミノベンゼン(パラフェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエンなどのベンゼン核1つのべンゼンジアミン、
2)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシドなどのベンゼン核2つのジアミン、3)1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−4−トリフルオロメチルベンゼン、3,3’−ジアミノ−4−(4−フェニル)フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジ(4−フェニルフェノキシ)ベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(3−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼンなどのベンゼン核3つのジアミン、4)3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどのベンゼン核4つのジアミン。 これらは単独でも、2種以上を混合して用いることもできる。用いるジアミンは、所望の特性などに応じて適宜選択することができる。
これらの中でも、芳香族ジアミン化合物が好ましく、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びパラフェニレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを好適に用いることができる。特に、ベンゼンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル及びビス(アミノフェノキシ)フェニルからなる群から選ばれる少なくとも一種のジアミンが好ましい。
本発明のポリイミドの多孔質膜は、耐熱性、高温下での寸法安定性の観点から、ガラス転移温度が、240℃以上であるか、又は300℃以上で明確な転移点がないことが好ましい。
ポリイミドの多孔質膜は、耐熱性、高温下での寸法安定性の観点から、ガラス転移温度が240℃以上であるか、又は300℃以上で明確な転移点がないテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを組み合わせて得られるポリイミドから形成されていることが好ましい。本発明の表面(a)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(a)層と、表面(b)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(b)層とで、ポリイミド組成が異なる高分子の多孔質膜の破断伸度が、同一ポリイミド組成で作製した高分子の多孔質の破断伸度に比べて1.5倍以上であることが好ましい。
ポリイミドの多孔質膜は、耐熱性、高温下での寸法安定性の観点から、ガラス転移温度が240℃以上であるか、又は300℃以上で明確な転移点がないテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを組み合わせて得られるポリイミドから形成されていることが好ましい。本発明の表面(a)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(a)層と、表面(b)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(b)層とで、ポリイミド組成が異なる高分子の多孔質膜の破断伸度が、同一ポリイミド組成で作製した高分子の多孔質の破断伸度に比べて1.5倍以上であることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ポリイミド多孔質膜の評価)
1)膜厚
膜厚みの測定は、接触式の厚み計で行った。
2)気体透過性
ガーレー値(0.879g/m2の圧力下で100ccの空気が膜を透過するのに要する秒数)の測定は、JIS P8117に準拠して行った。
3)表面(a)の細孔の平均孔径
多孔質膜表面の表面(a)層の複数の細孔を撮影した走査型電子顕微鏡写真より、200点以上の開孔部について孔面積を測定し、該孔面積の平均値から下式(1)に従って孔の形状が真円であるとした際の平均直径を計算より求めた。
(ポリイミド多孔質膜の評価)
1)膜厚
膜厚みの測定は、接触式の厚み計で行った。
2)気体透過性
ガーレー値(0.879g/m2の圧力下で100ccの空気が膜を透過するのに要する秒数)の測定は、JIS P8117に準拠して行った。
3)表面(a)の細孔の平均孔径
多孔質膜表面の表面(a)層の複数の細孔を撮影した走査型電子顕微鏡写真より、200点以上の開孔部について孔面積を測定し、該孔面積の平均値から下式(1)に従って孔の形状が真円であるとした際の平均直径を計算より求めた。
(式1)
平均孔径=2×(Sa/π)1/2 ・・・(1)
(式中、Saは孔面積の平均値を意味する。)
4)表面(b)のマクロ孔の平均孔径
多孔質膜表面の表面(b)層の複数のマクロ孔を撮影した走査型電子顕微鏡写真より、200点以上の開孔部について孔面積を測定し、該孔面積の平均値から下式(1)に従って孔の形状が真円であるとした際の平均直径を計算より求めた。
平均孔径=2×(Sa/π)1/2 ・・・(1)
(式中、Saは孔面積の平均値を意味する。)
4)表面(b)のマクロ孔の平均孔径
多孔質膜表面の表面(b)層の複数のマクロ孔を撮影した走査型電子顕微鏡写真より、200点以上の開孔部について孔面積を測定し、該孔面積の平均値から下式(1)に従って孔の形状が真円であるとした際の平均直径を計算より求めた。
(式1)
平均孔径=2×(Sa/π)1/2 ・・・(1)
(式中、Saは孔面積の平均値を意味する。)
5)ボイド径
多孔質膜断面の走査型電子顕微鏡写真より、ボイド径を測定した。
6)破断伸度
破断伸度は、JIS C2151に準じて測定した。
平均孔径=2×(Sa/π)1/2 ・・・(1)
(式中、Saは孔面積の平均値を意味する。)
5)ボイド径
多孔質膜断面の走査型電子顕微鏡写真より、ボイド径を測定した。
6)破断伸度
破断伸度は、JIS C2151に準じて測定した。
製造例1
(高分子溶液(A)の調製)
500mlのセパラブルフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒として用いて、酸無水物をジアミンのモル比が1:1で、高分子濃度が8質量%になるように、ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を測り取って投入した。次に、ジアミンに対する酸無水物のモル比が約1:1となるように、酸無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)を測り取って投入した。その後、撹拌羽、窒素導入管、排気管を取り付けたセパラブルカバーで蓋をし、撹拌を開始した。溶液粘度が任意の粘度となるまで、適宜s−BPDAを測りとって投入した。粘度が安定したところで安息香酸をポリアミック酸100質量部に対して30質量部の量を計り取って投入して撹拌操作を継続した。30時間後に撹拌を終了し、フラスコ内のドープを加圧ろ過器(濾紙:アドバンテック東洋(株)製:粘稠液用濾紙No.60)でろ過して、高分子溶液(A)を得た。
(高分子溶液(A)の調製)
500mlのセパラブルフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒として用いて、酸無水物をジアミンのモル比が1:1で、高分子濃度が8質量%になるように、ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を測り取って投入した。次に、ジアミンに対する酸無水物のモル比が約1:1となるように、酸無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)を測り取って投入した。その後、撹拌羽、窒素導入管、排気管を取り付けたセパラブルカバーで蓋をし、撹拌を開始した。溶液粘度が任意の粘度となるまで、適宜s−BPDAを測りとって投入した。粘度が安定したところで安息香酸をポリアミック酸100質量部に対して30質量部の量を計り取って投入して撹拌操作を継続した。30時間後に撹拌を終了し、フラスコ内のドープを加圧ろ過器(濾紙:アドバンテック東洋(株)製:粘稠液用濾紙No.60)でろ過して、高分子溶液(A)を得た。
製造例2
(高分子溶液(B)の調製)
500mlのセパラブルフラスコに、NMPを溶媒として用いて、酸無水物をジアミンのモル比が1:1で、高分子濃度が8質量%になり、ジアミンとしてモル比が1:1となるようにODAと1、3ビス(−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)を測り取って投入した。次に、ジアミンに対する酸無水物のモル比が約1:1となるように、酸無水物としてs−BPDAを測り取って投入した。その後、撹拌羽、窒素導入管、排気管を取り付けたセパラブルカバーで蓋をし、撹拌を開始した。溶液粘度が任意の粘度となるまで、適宜s−BPDAを測りとって投入した。粘度が安定したところで安息香酸をポリアミック酸100質量部に対して30質量部の量を計り取って投入して撹拌操作を継続した。30時間後に撹拌を終了し、フラスコ内のドープを加圧ろ過器(濾紙:アドバンテック東洋(株)製:粘稠液用濾紙No.60)でろ過して、高分子溶液(B)を得た。
(高分子溶液(B)の調製)
500mlのセパラブルフラスコに、NMPを溶媒として用いて、酸無水物をジアミンのモル比が1:1で、高分子濃度が8質量%になり、ジアミンとしてモル比が1:1となるようにODAと1、3ビス(−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)を測り取って投入した。次に、ジアミンに対する酸無水物のモル比が約1:1となるように、酸無水物としてs−BPDAを測り取って投入した。その後、撹拌羽、窒素導入管、排気管を取り付けたセパラブルカバーで蓋をし、撹拌を開始した。溶液粘度が任意の粘度となるまで、適宜s−BPDAを測りとって投入した。粘度が安定したところで安息香酸をポリアミック酸100質量部に対して30質量部の量を計り取って投入して撹拌操作を継続した。30時間後に撹拌を終了し、フラスコ内のドープを加圧ろ過器(濾紙:アドバンテック東洋(株)製:粘稠液用濾紙No.60)でろ過して、高分子溶液(B)を得た。
実施例1
表面に鏡面研磨を施したステンレス製の20cm角の基板上に、製造例2で調製した高分子溶液(B)を厚さ約100μmで、均一に流延塗布した。次に、流延塗布された高分子溶液(B)上に、製造例1で調製した高分子溶液(A)を厚さ約50μmで均一に流延塗布した。次に凝固浴(水87質量部/NMP13質量部、室温)中に基板全体を投入した。投入後、8分間静置し、基板上にポリアミック酸膜を析出させた。その後、基板を浴中から取りだし、基板上に析出したポリアミック酸膜を剥離した後に、純水中に3分間浸漬し、ポリアミック酸膜を得た。このポリアミック酸膜を温度23℃、湿度40%の大気中で乾燥させた後、10cm角のピンテンターに張りつけて電気炉内にセットした。約10℃/分の昇温速度で150℃まで加熱し、その後20℃/分の昇温速度で380℃まで加熱し、そのまま3分間保持する温度プロファイルで熱処理を行い、ポリイミド多孔質膜を得た。得られたポリイミド多孔質膜は、膜厚みが29μm、ガーレ値が1秒以下であった。結果を表1に示す。
また、ポリイミド多孔質膜の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、基板側の表面には連通する孔を多数有する多孔質構造であり、マクロ孔の平均孔径が50μmであり、また、他方の表面は、細孔の平均孔径が2μmであることを確認した。
ポリイミド多孔質膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、基板側の孔径に近い径のマクロボイドが多数確認でき、ボイド径が100μmであることを確認した。
ポリイミド多孔質膜の破断伸度を測定したところ、8%であることを確認した。
表面に鏡面研磨を施したステンレス製の20cm角の基板上に、製造例2で調製した高分子溶液(B)を厚さ約100μmで、均一に流延塗布した。次に、流延塗布された高分子溶液(B)上に、製造例1で調製した高分子溶液(A)を厚さ約50μmで均一に流延塗布した。次に凝固浴(水87質量部/NMP13質量部、室温)中に基板全体を投入した。投入後、8分間静置し、基板上にポリアミック酸膜を析出させた。その後、基板を浴中から取りだし、基板上に析出したポリアミック酸膜を剥離した後に、純水中に3分間浸漬し、ポリアミック酸膜を得た。このポリアミック酸膜を温度23℃、湿度40%の大気中で乾燥させた後、10cm角のピンテンターに張りつけて電気炉内にセットした。約10℃/分の昇温速度で150℃まで加熱し、その後20℃/分の昇温速度で380℃まで加熱し、そのまま3分間保持する温度プロファイルで熱処理を行い、ポリイミド多孔質膜を得た。得られたポリイミド多孔質膜は、膜厚みが29μm、ガーレ値が1秒以下であった。結果を表1に示す。
また、ポリイミド多孔質膜の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、基板側の表面には連通する孔を多数有する多孔質構造であり、マクロ孔の平均孔径が50μmであり、また、他方の表面は、細孔の平均孔径が2μmであることを確認した。
ポリイミド多孔質膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、基板側の孔径に近い径のマクロボイドが多数確認でき、ボイド径が100μmであることを確認した。
ポリイミド多孔質膜の破断伸度を測定したところ、8%であることを確認した。
比較例1
表面に鏡面研磨を施したステンレス製の20cm角の基板上に、製造例1で調製した高分子溶液(A)を厚さ約150μmで、均一に流延塗布した。次に凝固浴(水87質量部/NMP13質量部、室温)中に基板全体を投入した。投入後は、実施例1と同様にして、ポリイミド多孔質膜を得た。比較例1で得られたポリイミド多孔質膜は、膜厚みが26μm、ガーレ値が1秒以下であった。実施例1と同様にして、各特性を測定し結果を表1に示す。
表1から、高分子の多孔質膜を構成するポリイミド組成を、組み合わせることにより、表面(a)層の細孔と表面(b)層のマクロ孔の孔径の比率を大きくすることが可能であり、破断伸度を大きくすることが可能であることがわかる。
表面に鏡面研磨を施したステンレス製の20cm角の基板上に、製造例1で調製した高分子溶液(A)を厚さ約150μmで、均一に流延塗布した。次に凝固浴(水87質量部/NMP13質量部、室温)中に基板全体を投入した。投入後は、実施例1と同様にして、ポリイミド多孔質膜を得た。比較例1で得られたポリイミド多孔質膜は、膜厚みが26μm、ガーレ値が1秒以下であった。実施例1と同様にして、各特性を測定し結果を表1に示す。
表1から、高分子の多孔質膜を構成するポリイミド組成を、組み合わせることにより、表面(a)層の細孔と表面(b)層のマクロ孔の孔径の比率を大きくすることが可能であり、破断伸度を大きくすることが可能であることがわかる。
本発明の高分子の多孔質膜は、気体などの物質透過性に優れ、気体用フィルタ、液体用フィルタ、通気部品などの用途に好適に用いることができる。また、本発明の高分子の多孔質膜は、表面層の片側が微細な多孔層であり、もう片側の表面層の孔径が大きく、ボイド径に近いため、充填量が大きく且つ充填を容易にすることができ、耐熱性に優れ、250℃以上の使用温度領域でも使用することができ、音響部品保護膜、耐熱フィルタ等の用途にも好適に用いることができる。
1 高分子の多孔質膜
2 マクロボイド層
3 マクロボイド
4 マクロボイド3同士を隔てる隔壁
5 表面(a)層の細孔
6 隔壁4の細孔
7 表面(b)層の細孔
8 表面(b)層のマクロ孔
A−A線 側面方向の断面図を示す高分子の多孔質膜の平面方向の位置。
(a) 表面(a)層
(b) 表面(b)層
2 マクロボイド層
3 マクロボイド
4 マクロボイド3同士を隔てる隔壁
5 表面(a)層の細孔
6 隔壁4の細孔
7 表面(b)層の細孔
8 表面(b)層のマクロ孔
A−A線 側面方向の断面図を示す高分子の多孔質膜の平面方向の位置。
(a) 表面(a)層
(b) 表面(b)層
Claims (8)
- 2つの表面(a)層及び表面(b)層と、前記表面(a)層及び表面(b)層の間に挟まれたマクロボイド層とを有する三層構造の高分子の多孔質膜であって、
前記マクロボイド層は、前記表面(a)層及び表面(b)層に結合した隔壁と、前記表面(a)層と、表面(b)層とに囲まれ、膜平面方向のボイド径が10〜300μmである複数のマクロボイドを有し、
前記マクロボイド層は、前記表面(a)層側の細孔の平均孔径に対する前記表面(b)層側のマクロ孔の平均孔径の比率が、5〜20000であり、前記表面(b)層側のマクロ孔の平均孔径に対する膜平面方向のマクロボイドのボイド径の比率が1〜2であることを特徴とする高分子の多孔質膜。 - 前記のマクロボイド層の隔壁、前記表面(a)層、及び前記表面(b)層は、それぞれ、厚さが0.1〜50μmであり、
前記表面(a)層及び前記隔壁は、平均孔径が0.01〜10μmの複数の細孔を有し、
前記表面(b)層は、平均孔径が5〜200μmの複数のマクロ孔を有し、
前記細孔同士が連通し、更に前記細孔及びマクロ孔が前記マクロボイドに連通しており、
総膜厚が5〜500μmであり、空孔率が60%以上95%未満である請求項1に記載の高分子の多孔質膜。 - ガーレー値が30秒以下である、請求項1〜2のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
- 前記高分子の多孔質膜を膜平面方向に対して垂直に切断したときの断面において、膜断面方向のマクロボイドの断面積が膜断面積の50%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
- 前記高分子の多孔質膜の高分子組成がポリイミドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
- ガラス転移温度が、240℃以上であるか、又は300℃以上で明確な転移点がない、請求項1〜5のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
- 前記高分子の多孔質膜を構成するポリイミド組成が、表面(a)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(a)層と、表面(b)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(b)層とで、ポリイミド組成が異なることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
- 表面(a)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(a)層と、表面(b)層側に結合したマクロボイド層の隔壁及び表面(b)層とで、ポリイミド組成が異なる高分子の多孔質膜の破断伸度が、同一ポリイミド組成で作製した高分子の多孔質の破断伸度に比べて1.5倍以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高分子の多孔質膜。
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JP2013113475A JP2014231572A (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 高分子多孔質膜 |
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- 2013-05-29 JP JP2013113475A patent/JP2014231572A/ja active Pending
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