JP2014226920A - スクラッチカード - Google Patents

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Abstract

【課題】スクラッチカードにおいて、秘密情報を秘匿する手段はスクラッチ隠蔽層のみであって、不正者が容易にその偽造品を作製したり、覗き見できるという問題を有していた。また、その偽造を防止するため、最上層にホログラム層を設けたスクラッチカードも開発されたが、第三者がそのホログラム層を視認できるため、不正者が容易に類似の光学的効果を持つスクラッチカードを偽造できるという問題があった。【解決手段】スクラッチカードのスクラッチ隠蔽部の下に、ホログラム層を設け、第三者にはそのホログラムデザインを秘匿し、スクラッチして初めて、秘密情報とホログラム再生像を同時に視認でき、その意外性による偽造防止効果を高めたスクラッチカードを提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、カード基材上の秘密情報表示部を隠蔽するためのスクラッチ隠蔽層が設けられたスクラッチカードであって、カード基材上の秘密情報表示部を覆うようにスクラッチ隠蔽層を設けることで、その秘密情報を隠蔽することができ、そのスクラッチ隠蔽層をスクラッチにより削り取ると、その秘密情報を視認できるようになるスクラッチカードに関する。
特に、スクラッチ隠蔽層を削り取ると、秘密情報に重なる形で、鮮明なホログラム再生像が現れ、意匠性に優れるものであると同時に、偽造品や変造品に対する真偽判定を容易とし、且つ、その偽造や変造を非常に困難とすることができるスクラッチカードに関する。
本発明において、「カード基材」とは、秘密情報表示部を設けることができるプラスチックカードそのもの、もしくは、秘密情報を記録可能な種々のシート状、カード状、その他の形状を有するものを意味し、その素材も、プラスチック材料、金属材料、その他あらゆる材料を用いたものでよいが、少なくとも、本発明のスクラッチカードとして、その秘密情報を形成、且つ、隠蔽することができ、さらに、スクラッチ隠蔽層をカード基材内へ埋め込むことができるものである。
また、本発明において、「秘密情報」とは、「その秘密情報を知り得る正当な権利者にのみ開示されるべき情報」を意味し、その「秘密情報」をカード基材上に設ける手段は、適宜な印刷方法や、個別情報を形成できるインクジェット方式を用いた方法、さらには、レーザー印字等、その「情報」としての文字、図形、記号、その他の、少なくとも目視認識可能な、あらゆる「情報」を形成可能な方法を用いることができるものである。
もちろん、そのカード基材上の「秘密情報」と、スクラッチカードが担持する別の「情報」(秘匿されていても開示されていてもよい。)との単なる組み合わせや、それらの「情報」を各種の情報合成手段等(暗号化処理も含まれる。)により合成して、「正当な権利者に開示される情報が形成される」ものであってもよい。
カード基材上に「秘密情報」を設けた部分を、「秘密情報」表示部、「秘密情報」印字部、または、「秘密情報」形成部と、適宜、表現する。
さらに、本発明において、「スクラッチ」とは、コインや爪等によって「対象となる層」を削り取る行為であって、「対象となる層」を部分的、もしくは、全面的に除去する行為を意味する。特に、「対象となる層」の背後にあるものを視認することが目的であるため、「部分的な削り取り」であっても、「削り取った領域」においては、「対象となる層」の全てを、削り残し無く、除去することとなる。(これ以下、このスクラッチ操作を「スクラッチオフ」とも言う。)
また、本発明において、「高屈折率透明樹脂層」とは、「高い屈折率を持つ透明な樹脂層」を意味し、ここでは、屈折率nが1.7を超える透明な樹脂層をいう。
屈折率nは、、真空中の光速度(c)を媒質中の光速度(v)(より正確には位相速度)で割った値であらわされ、特に断らない限り、屈折率の値は、ナトリウムのD線波長589.3nmの光に対するものである。
さらに、本発明の「スクラッチ隠蔽層が、レリーフホログラム形成層を覆うように設けられている」とした、「覆うように設ける」とは、上記した「カード基材上の秘密情報表示部を覆うようにスクラッチ隠蔽層を設ける」場合の「覆うように設ける」ことと、ほぼ同義であるが、「秘密情報」に対しては、スクラッチカードの外観上からは、その「秘密情報」が一切視認できないようにスクラッチ隠蔽層を設けることになるが、レリーフホログラム形成層に対しては、そのレリーフホログラム形成層の上にスクラッチ隠蔽層を設けて、それらの層をカード基材内に埋め込んだだけでは、もちろんスクラッチ隠蔽層の表面からは一切視認できないことは当然であるものの、その「埋め込まれた断面部分の詳細な観察」から、スクラッチ隠蔽層の背後に何らかの「層」が存在することが推認され得ることに対応して、「このレリーフホログラム形成層の断面を秘匿できるように、その断面をも覆い隠すように、より具体的には、スクラッチ隠蔽層がその断面まで回り込むように設け」た上で、カード基材内へ埋め込むことをいう。
従って、レリーフホログラム形成層の断面が隠れるように、レリーフホログラム形成層の面積より、少なくとも、一回り大きく、例えば、0.5mm〜数mm程度大きいサイズで、スクラッチ隠蔽層を設けることを意味するが、敢えて、そのレリーフホログラム形成層の位置を隠蔽する目的で、レリーフホログラム形成層の大きさの2倍〜10倍の大きさのスクラッチ隠蔽層を設けることを排除するものでない。
本明細書において、配合を示す「部」は特に断わらない限り質量基準である。また、「ホログラム」は、回折格子などの光回折性機能を有するものも含む。
(主なる用途)通信網やコンピュータネットワークの普及に加え、データを送受信するコンピュータ端末の普及及びその携帯化が進むとともに、わが国においても第三次産業の占める割合が急速に伸び、様々な業者、さらには、公的機関によっても、様々なサービスの提供が行われている。
第三次産業とは、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究または専門技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育または学習支援業、医療または福祉関連、電気事業、ガス事業、熱供給事業、水道業、公務、理容美容関連、複合サービス業、レジャーサービス、レンタルサービス、アウトソーシングサービス、交通サービス、外食サービス、エネルギー、エンターテインメント、コンサルティング、その他サービス業と位置づけられているが、このような第三次産業に携わる業者や公的機関は、物品の販売のみならず、特定のサービスの提供によっても対価を得ているため、物品を販売する形態とは異なる形態によっても、顧客や消費者へのサービス提供、もしくは、顧客や消費者(以下、顧客等ともいう。)からの料金や対価(以下、料金等ともいう。)の回収を行っていることが多い。
例えば、その料金や対価の回収方法として、顧客等の銀行口座から、利用したサービスに相当する対価を自動的に引き落とす方法や、信販会社に対してクレジット契約を予め締結しておき、信販会社を介して利用料金を決済する方法などは、ごく一般的な料金等の回収の形態であり、電気料金、ガス料金、水道料金などの公共サービスや、種々の情報提供サービスなどにおける料金等の決済の手法として広く利用されている。そして、プリペイドカードの販売という形式により、将来提供されるべきサービスに対して、料金等の回収を先に行ってしまう方法も普及している方法であり、料金や、運賃、その他の対価の回収に広く利用されている。
さらに、販売する「物品」そのものが、データ端末装置、パーソナルコンピュータ、デスクトップパソコン、オンライン対応ゲーム機、電話回線機器、ファクシミリ、モデム等のデータ回線終端装置、ラジオ受信機や、テレビ受像機等の通信機器(情報機器)、特に携帯して利用可能な通信機器である携帯通信機器(端末)や、携帯して利用可能な情報機器である携帯情報機器(端末)、すなわち、携帯音楽プレーヤー、ICレコーダー、ポータブルDVDプレーヤー、ポケットコンピュータ、スマートブック、タブレットPC、PDA、電卓、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ラップトップコンピュータ、ノートパソコン、ハンドヘルドパソコン、携帯プリンター、携帯スキャナ、携帯モデム、電子辞書、電子手帳、電子書籍、ポータブルデータターミナル、携帯電話端末、PHS端末、ポケットベル端末、携帯ラジオ、携帯テレビ、ワンセグ、腕時計、懐中時計、補聴器、ハンドヘルドGPS、防犯ブザー、テレビ電話、GPS受信機、カーナビゲーション端末、リモコン端末、電子マネー、デジタルキー、デジタルロックやポイントカード用のICカード等を用いて顧客に届けられるものとなり、音楽、映画、ゲームソフト等の文字、画像、映像、動画、音声、映画の著作物や、Webアニメ等のマルチメディア関連のコンテンツを、これらの「物品」として、ダウンロード販売、クラウドコンピューティング、音楽配信、IP放送、インターネット放送、インターネットテレビ、インターネット放送ネットワーク、インターネットラジオ、ポッドキャスト、ビデオ・オン・デマンド、動画共有サービス等の手段を用いて配信する方法も広く利用されている。
そして、これらの付加価値の対象である「物品」そのものや、上記した様な種々の「サービス」を受けることができる「資格」や「権利」を顧客に付与するもの、すなわち、それらの付加価値の受領、または、利用を要求している者が、正当な「資格」、または、「権利」を保有している者であるか否かを判定する媒体として、各種のカード類が広く一般的に用いられている。
これらカード類は、身分を証明するIDカード、会員カードや、金銭的価値を有するキャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、定期券、もしくは、回数券等として多くの分野で使用されており、その数は増加の一途をたどっている。この中で、前払い方式でサービスを提供する際の前払証票、いわゆるプリペイドカードは、特に数量的な増加率が高く、一定単位の金額を予め支払い、その金額分の価値情報を利用できるものとして広く普及している。
そして、そのカード上には、価値情報や識別情報が、カード基材に印字または印刷表示した絵柄や文字情報として記録され、また、カード基材上に設けられた磁気記録部または光学記録部、場合によってはICチップに機械読み取り情報として記録されており、用途に応じた様々な情報を保持し、様々な場面でそれらの情報を利用可能とするものである。
そのプリペイドカードの代表とも言えるテレホンカードにおいては、価値情報や識別情報がテレホンカードそのものに記録され、電話端末においてテレホンカードを使用する都度、その通話料金をテレホンカードに記録してある価値情報から減額し、その残金を再びテレホンカードに記録しておくものであったが、その後、テレホンカードの偽造や変造に対処する方式として、テレホンカード上にはランダムな「番号」のみを印字しておいて、テレホンカードの発行、登録、販売、利用、減額処理、登録抹消等を管理しているホストコンピュータ上にその「番号」に対応した価値データを持たせ、テレホンカードの使用者が、そのホストコンピュータにアクセスした時に利用金額分の通話を行うことができるという、いわゆる「スクラッチオフ方式のテレホンカード」、すなわち、秘匿性の許可番号(秘密情報。)を交付する形式のテレホンカードを使用する方式が実用化され、そのカード発行数量も多くなってきている。
この方式では、流通段階において許可番号の漏洩が発生すると、その許可番号を不正に入手した者による不正サービス受給や、正規購入者に対して正当な利用を提供できなくなる等のトラブルを招くのみならず、もはや、「実際にその許可番号を利用した行為」が、正規購入者による行為なのか、もしくは、不正入手者による行為なのかを判別する手段も無くなってしまい、不正行為の特定ができず、従って、その損害額の特定、そして、その特定に基づく損害賠償請求も不可能となる。
このため、テレホンカードにその許可番号を印字した後、その許可番号が第三者に簡単に盗まれることを防止する目的で、削り取り(スクラッチ)が可能な隠蔽層でその許可番号を一旦覆って流通させ、テレホンカード購入者(正規購入者)が、その隠蔽層をスクラッチして除去して、その下に隠蔽されている許可番号を読み取り、その許可番号を利用するという方式である、「スクラッチオフ方式」の採用が必須となっている。
例えば国際電話のアクセス方式として、中継基地となる電話会社(中継会社という。)と契約し、料金先払いで所定の金額(例えば、千円。)を支払うことによりその契約者個有のナンバーが記載されたカードが発行され、国際電話を掛ける際にはカードに表示されたアクセスナンバー(フリーダイヤル。これが秘密情報となる。)を入力して中継会社にアクセスし、次いで契約者個人に与えられた個人ナンバーを入力したのち、相手方の電話番号を入力することによって通話ができるシステムが、国際電話を低料金で掛けられ、且つ、中継会社へアクセスした際に所定秒時コマーシャルを流すことによる宣伝媒体としての利用を図ることができる方式として広く普及しつつある。
このシステムに加入すると、個人に与えられた個人ナンバーはスクラッチ加工(スクラッチ可能な隠蔽処理という意味。)により外部からは完全に見えないように処理されており、このスクラッチ加工部分を削るようにして剥すことにより初めて個人ナンバーが現われるようになされている。
また、従来より、イベントくじやゲーム用カード等において、秘密情報である、例えば、「あたり」又は「はずれ」に相当する絵柄や文字や番号などのくじの結果をスクラッチが可能な隠蔽層で一時的に隠蔽した後、このスクラッチが可能な隠蔽層を爪やコインなどで擦ることで、その隠蔽層の下に表示された秘密情報の内容を見ることができるようにしたスクラッチが可能な隠蔽層付き印刷物は知られている。これらの印刷物は、一般的に複数個所にスクラッチが可能な隠蔽層を設けておき、その中から「あたり」と思われる1ヶ所の隠蔽層をコイン等で削り取ることで、下層に表示された秘密情報の表示を目視で確認するもので、もし仮に2ヶ所以上の隠蔽層を削り取った場合は、無効とするなどの規則とする場合が多い。
さらに、スピードくじや、ファーストフード店等においてサービス的に用いられているチケットは、カード基材に数字や文字等(秘密情報)を印刷した後、その上にスクラッチが可能な隠蔽層を印刷して、下地の印刷が見えないように構成され、くじの購入者やチケットを受け取った者が、爪や硬貨を用いてその隠蔽層を擦り取ると、下地に印刷されている数字や文字等が出現する。この出現した数字や文字を、予め決定されている数字や文字等と比較して、合致した場合には当選が決まるシステム(秘密情報がある意味において暗号情報となっており、他の情報との照合、いわば、解読により、「当たり」が決まる仕組み。)となっている
また、抽せんコードの如き機密の個別データをスクラッチが可能な隠蔽層で隠蔽してあるインスタント抽選付ゲームカードやインスタント抽選付商品等においては、機密の個別データを複雑なゲームにも利用できるものとし、その隠蔽層を擦り取ると、「あたり」の文字や懸賞番号等のメッセージが浮かび上がるように構成されている
このように「スクラッチ方式」は、いわば「簡易くじ」としても用いられており、その用途としては、宝くじなどの各種くじ等の他、商品の購入時の景品提供の手段、教習具や、ケームカード等があるが、より具体的には、携帯電話ショップで、スクラッチ枠を11か所設け、その内5か所だけを擦って、自分の携帯電話番号といくつ一致するかでもらえる景品が決まり、裏面には新規契約の方への特別割引クーポン券がついているもの、大手ドラッグストアで、ポイントカード会員獲得のために、ポイント5倍などのスクラッチに使用するもの、会員登録したその日からクーポン券として利用可能で、クーポン券の利用期間を設けるもの、大手鶏卵メーカーで、大手スーパー量販店様への卵パックの中に封入し、当たりが出たら「当たり券」をハガキに貼って裏面記載の係りあてに応募すると、購入先で使用できる商品券がプレゼントされるもの、住宅展示場、ファーストフードショップ、遊園地、観光スポット、スポーツ観戦に使用されるもの等、さらには、食品業界、ファッション業界、美容業界や医療関係等用の、擦った後に削りカスが出にくいもの等、または、被封くじであって、当せんパターンがスクラッチ印刷され、これを削ることにより抽せんを行う、インスタントくじ、スクラッチ宝くじ等、スクラッチ可能な隠蔽層をパターン状に複数設けて、それらの何れかを削って、所定のマークを出すことができた場合に「当たり」とするもの、そのマークを出すまでの削り回数や、削った軌跡で「当たり」のレベル(例えば商品価格)を定めるもの、そのパターンが、縦横マス目状に設けられ、そのマークがそのマス目どの位置にあるかによって、「当たり」のレベルを定めるもの等がある。
また、抽選用品としてのスクラッチ三角くじやおみくじ用、キャラクター抽選会、おもちゃの抽選会、菓子等食品の抽選会、生活用品の抽選会等の抽選会景品セット用、サイコロを使う景品セット、輪なげや射的景品セット、おもちゃ釣りや千本つり景品セット、穴あけ宝箱景品セット、ガチャガチャやカプセル景品セット、つかみどりやすくいどり景品セット、詰め放題や玉入れ遊び景品セット、季節の抽選セットや景品抽選セット、夏の花火景品セット、夏の縁日景品抽選セット、夏のサマーグッズ抽選セット、クリスマス景品抽選セット、お正月景品抽選セット、年末年始景品抽選セット等のイベント景品セット用として、
さらには、来店促進のためのお買物券や割引券等、店頭でのイベントなどに用いられる名刺サイズやハガキサイズのもの、イベント案内のダイレクトメールにスクラッチを活用するもの、店頭への誘導にハガキだけでなく、V折やZ折などの圧着ハガキDMへスクラッチ印刷したもの等、1日1回で数十回スクラッチすると、その回数に応じて、景品引換券や、家具や洋服等の店頭で販売している商品が手に入るものや、スクラッチカードの四つ角に決まったアイテムが用意され、これを参考にすれば、欲しいアイテムを効率良く集めることができるように構成されているもの等がある。
このような「スクラッチ方式」の普及により、その「秘密情報」として、単純な「あたり」または「はずれ」の文字や、シリアルナンバー等の番号類のみならず、バーコードや二次元バーコード等の機械認識コード類、顧客データ、メッセージ等、あらゆる語句や記号、もしくは特定のマーク等の図形を固定もしくは可変で構成するもの、さらには、これらの「情報」が発色機構や消色機構を利用して浮き出るものや、特定の光源によってのみ、その「秘密情報」を読み取ることができるものなども提案されている。
(先行技術)上記したように、銀行口座からの自動引き落としや、信販会社を介した決済という方法は、非常に堅実な方法ではあるが、事前の手続きが面倒で、また、サービスの利用開始までに時間がかかるという問題があり、公共料金など利用が不可欠なサービスについては、有効な料金回収方法であるとしても、顧客にとって恣意的なサービスについての料金回収方法としては、必ずしも適切ではなく、利用料金の支払いのための手続きが面倒であったり、実際に利用が可能になるまでに何日も待たされたりすれば、顧客はそのサービスの利用に躊躇せざるを得なくなる。
そのため、プリペイドカードを用いた料金回収方法が、非常に手軽な方法であり、サービスによっては非常に有効な方法であることから、すなわち、通常の物品を購入する場合と同じ形態で、サービスに対する対価の支払いを行うことができ、かつ、プリペイドカードを購入した時点からそのサービスを利用できるようになることから、いわゆる「プリペイドカード方式」が拡大したが、その半面、プリペイドカードの偽造や変造という問題が生じるに至り、すなわち、一般的なプリペイドカードは、磁気的に残存対価を記録する方式を採っているため、この磁気的な記録の改竄という方法による不正利用が蔓延する結果となり、従来の磁気記録を利用した「プリペイドカード方式」は、安全性の面で些か問題があるのではないかとの認識が広がった。
このような理由も追い風となり、カードそのものには金額等の記録を保持せず、「認証番号等」のみを「秘密情報」として保持させて、そのカードを購入した者がその「番号等」を「申告する」ことにより種々のサービスを受けることができるという新規な「プリペイドカードサービス」が普及した。この「番号等」は、「秘密情報」として秘匿するために、スクラッチが可能な隠蔽層等により隠蔽されているため、従来の磁気型プリペイドカードに対して、番号型プリペイドカードとも呼ばれる。
この番号型プリペイドカードには、公衆電話用カード、携帯電話用カード、国際電話用カード等の通信系、ゲームソフトや音楽ソフト、その他有料ソフトの決済カード等の決済系、ショッピングカード、ギフトカード、コインカード等の物品購入系等が実用化されている。
本発明のスクラッチカードは、このような、付加価値のある「秘密情報」が設けられたカード等の「カード基材」、すなわち、そのカード等を構成している「カード基材」であってその上に「秘密情報」が設けられているものに対して、その「秘密情報」を覆うようにスクラッチ隠蔽層を設けて、その「秘密情報」を第三者に対して秘匿し、その「秘密情報」の開示を受けられる正当な権利を有する者のみが、そのスクラッチカードのスクラッチ隠蔽層をスクラッチして初めて、その「秘密情報」を確認することができるようにするものである。
この目的を達成するための技術として、特許文献1には、カードそのものには金額等の記録を保持せず、「認証番号等」のみを秘密情報として保持させて、そのカードを購入した者がその「番号等」を「申告する」ことにより種々のサービスを受けることができる、これらのプリペイドカードサービスとして、この「番号等」を、秘密情報として秘匿するために、スクラッチが可能な隠蔽層等で隠蔽する技術が開示されている。
また、インスタント抽選券、秘密情報伝達カード、クイズカード等で、一時的に秘密にしたい情報をシート上にプリンター等で印字表示し、それらの秘密情報表示部の上層に引っ掻くことで破壊されるスクラッチ可能な隠蔽層を形成させてなる「スクラッチカード」が既に広く用いられているが、これらのスクラッチ可能な隠蔽層は、比較的容易に入手できる原料から形成することが可能であるため、偽造や変造を行うことも容易である。
例えば、販売前の段階において、販売関係者が宝くじ等のインスタント抽選券のスクラッチ可能な隠蔽層を一旦引っ掻いて剥離し、抽選番号を見て当たりの抽選券と外れの抽選券を事前に確認して判別しておき、再度抽選番号の表示部分上にスクラッチ可能な隠蔽層を再形成することで、見かけ上、元の状態に戻しておき不正行為が行われたことを気づかれないようにカムフラージュし、当たりの抽選券を知り合いに販売することで特定の客に儲けさせる等の不正行為を働くことも物理的に可能であるため、この対策として、スクラッチ可能な隠蔽層に香料を含んだマイクロカプセルを入れ、真偽判定をする方法が提案されている。しかし、この方法では、正当な使用者がスクラッチした際、バラの匂い等、嗅覚に訴える販促的効果は期待できるが、不正者が一度スクラッチをした後、再度同様の匂いの香料を含むスクラッチ可能な隠蔽層を設けても、その後入手した正当な使用者にとって、目視にて容易に判読できる不正の痕跡を残すことは困難であった。(例えば、特許文献2参照。)
以上のごとき、カムフラージュ行為を直接的に阻止する方法として、スクラッチ可能な隠蔽層の上、または、スクラッチ可能な隠蔽層とカード基材とに跨るように、ホログラム画像を形成したホログラム層を設け、不正を行おうとする者にホログラム画像の存在を認識させて、「ホログラム層」を形成することの困難さを持って不正行為を阻止しようとする技術も開発されている。(例えば、特許文献3または4参照。)
しかし、これらの技術は、ホログラム層の存在や、そのホログラムデザインが第三者にあらかじめ開示されていることから、そのホログラム再生像に類似した光学効果を有するものを十分な時間を掛けて偽造したり、もともと、この構成自体がホログラム層とスクラッチ可能な隠蔽層を同時に削る仕様となっていることから、「ホログラム層もろともスクラッチ可能な隠蔽層を全て削ってしまった」と偽ることにより、ホログラム層が全く存在しない変造品を持参しながら、あたかも正規品であったの如く振る舞う等の不正を防ぐことができないという欠点を有していた。
特開平10−214320号公報 特開2001−47777号公報 特開平11−34565号公報 特開2005−305844号公報
本発明は、ホログラム層をスクラッチ隠蔽層の背後に設けて、第三者に対してホログラムの存在、及び、そのホログラムデザインを秘匿可能とし、スクラッチ隠蔽層をスクラッチして初めて、そのホログラムの存在を確認できるという高い偽造防止性と、スクラッチ後には、隠蔽した秘密情報とその鮮明なホログラムデザインを重ねて視認できるという高い意匠性、さらには、そのホログラムが存在するか否かを目視によって判定するという真正性判定の簡易性をも併せ持つスクラッチカードを提供する。
そして、本発明のスクラッチカードは、上記した、いわば、「スクラッチカード」となるカード等のカード基材上に設けられた「秘密情報」を覆うようにして、ホログラム層及びスクラッチ隠蔽層をそれらのカード基材上に設け、且つ、埋め込むことにより、「秘密情報が隠蔽されたスクラッチカード等」とすることができる。
本発明のスクラッチカードにおいては、ホログラムデザインを第三者に開示していないことから、不正者が、例え、本発明のスクラッチカードを複数枚入手して、その構造やホログラムの存在を知り得たとしても、そのホログラムデザインが統一された唯一のデザインなのか、複数のデザインを任意に配したものなのか、もしくは、特定の秘密情報に対して特定のホログラムデザインを対応させてあるものかを知ることができないものとしており、この原理によって、入手したスクラッチカード以外の秘密情報を有するスクラッチカードに対しての「偽造品」を作ることを事実上不可能とした、スクラッチカードを提供する。
さらに、ホログラム層を高度なスクラッチ耐性を有するものとして、そのホログラムレリーフ面の凹凸に沿ってスクラッチ隠蔽層を設けた構成としても、スクラッチによるホログラム再生像の鮮明さの劣化を抑制可能とし、且つ、ホログラム層や接着層の屈折率を高いものとして、出現するホログラム再生像をより鮮明なものとし、または、スクラッチ隠蔽層に平均粒径の異なる顔料を配して、不正な目的でシートを湾曲させたりしたときに、その剥離痕を残せる構造とし、その上、スクラッチ隠蔽層をホログラム層を覆い隠すように形成して、ホログラムの存在をさらに秘匿し、その偽造防止性を著しく高めることを可能としたスクラッチカードを提供する。
上記の目的を達成するために、
本発明のスクラッチカードの第1の態様は、
カード基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチカードであって、前記秘密情報を覆うように、レリーフホログラム形成層及びスクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、且つ、前記レリーフホログラム形成層及び前記スクラッチ隠蔽層が前記カード基材に埋め込まれて、前記スクラッチ隠蔽層の最表面が、前記カード基材の表面と面一、または、前記カード基材の表面から凹んだ位置にあり、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするものである。
上記第1の態様のスクラッチカードによれば、
カード基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチカードであって、前記秘密情報を覆うように、レリーフホログラム形成層及びスクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、且つ、前記レリーフホログラム形成層及び前記スクラッチ隠蔽層が前記カード基材に埋め込まれて、前記スクラッチ隠蔽層の最表面が、前記カード基材の表面と面一、または、前記カード基材の表面から凹んだ位置にあり、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチカードを提供することができ、第三者に対してホログラムの存在、及び、そのホログラムデザインを秘匿可能とし、スクラッチ隠蔽層をスクラッチして初めて、そのホログラムの存在を確認できるという高い偽造防止性と、スクラッチ後には、隠蔽した秘密情報とその鮮明なホログラムデザインを重ねて視認できるという高い意匠性、さらには、そのホログラムが存在するか否かを目視によって判定するという真正性判定の簡易性をも併せ持つスクラッチカードを提供することができる。
本発明のスクラッチカードの第2の態様は、
前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とするものである。
上記第2の態様のスクラッチカードによれば、
前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とする第1の態様のスクラッチカードを提供することができ、より鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その意外性と意匠性を高めたスクラッチカードを提供することができる。
本発明のスクラッチカードの第3の態様は、
前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層と接している面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするものである。
上記第3の態様のスクラッチカードによれば、
前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層と接している面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする第1の態様または第2の態様のスクラッチカードを提供することができ、スクラッチ隠蔽層の変造を防止し、より偽造防止性を高めたスクラッチカードを提供することができる。
本発明のスクラッチカードの第4の態様は、
前記レリーフホログラム形成層が高屈折率透明樹脂層であって、前記レリーフホログラム形成層の屈折率が、1.7より大きいことを特徴とするものである。
上記第4の態様のスクラッチカードによれば、
前記レリーフホログラム形成層が高屈折率透明樹脂層であって、前記レリーフホログラム形成層の屈折率が、1.7より大きいことを特徴とする第1から第3の態様のスクラッチカードを提供することができ、鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その意外性と意匠性を高めたスクラッチカードを提供することができる。
本発明のスクラッチカードの第5の態様は、
前記カード基材と前記レリーフホログラム形成層との間に、接着層が設けられていることを特徴とするものである。
上記第5の態様のスクラッチカードによれば、
前記カード基材と前記レリーフホログラム形成層との間に、接着層が設けられていることを特徴とする第1から第4の態様のスクラッチカードを提供することができ、より安定したスクラッチを可能とするスクラッチカードを提供することができる。
本発明のスクラッチカードの第6の態様は、
前記レリーフホログラム形成層の前記ホログラムレリーフ面が、前記カード基材側に設けられていることを特徴とするものである。
上記第6の態様のスクラッチカードによれば、
前記レリーフホログラム形成層の前記ホログラムレリーフ面が、前記カード基材側に設けられていることを特徴とする第1から第5の態様のスクラッチカードを提供することができ、そのレリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面とは反対側の面を、「スクラッチにより引っ掻かれる面」とすることにより、スクラッチ後のホログラムレリーフの劣化を阻止して、ホログラム再生像の劣化を防ぎ、その意匠性と偽造防止性をより安定したものとするスクラッチカードを提供することができる。
本発明のスクラッチカードの第7の態様は、
前記接着層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率より、0.3以上大きいことを特徴とするものである。
上記第7の態様のスクラッチカードによれば、
前記接着層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率より、0.3以上大きいことを特徴とする第6の態様のスクラッチカードを提供することができ、さらに鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その意外性と意匠性を高めたスクラッチカードを提供することができる。
本発明のスクラッチカードの第8の態様は、
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とするものである。
上記第8の態様のスクラッチカードによれば、
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とする第1から第7の態様のスクラッチカードを提供することができ、スクラッチカードを不正に湾曲させると、スクラッチ隠蔽層にその剥離痕が残り、その偽造防止性を著しく高めたスクラッチカードを提供する。
本発明のスクラッチカードの第9の態様は、
前記スクラッチ隠蔽層が、少なくとも前記レリーフホログラム形成層を覆うように設けられていることを特徴とするものである。
上記第9の態様のスクラッチカードによれば、
前記スクラッチ隠蔽層が、少なくとも前記レリーフホログラム形成層を覆うように設けられていることを特徴とする第1から第8の態様のスクラッチカードを提供することができ、ホログラム層の存在をさらに秘匿して、その偽造防止性をより高めたスクラッチカードを提供する。
本発明のスクラッチカードに用いられるカード基材としては、秘密情報表示部を設けることができ、且つ、スクラッチ隠蔽層及びレリーフホログラム形成層をそのカード基材内に埋め込むことができるものであれば、あらゆる材料、すなわち、プラスチック材料、金属材料、セラミック材料、生体材料、それらの複合材料、さらには、それらを多層構造としたものなどを用いることができる。
ここで、「スクラッチ隠蔽層及びレリーフホログラム形成層をそのカード基材内に埋め込む」とは、最終的に、「レリーフホログラム形成層の上に位置するスクラッチ隠蔽層の最表面が、カード基材表面と面一、または、カード基材の表面より凹んだ位置になっている」ことをいう。
一例としては、「10μm厚さのレリーフホログラム形成層と10μm厚さのスクラッチ隠蔽層の2層積層体」であって、総厚さ20μm、幅10mm、長さ30mmのストリップ(「小片」という意味。幅10mm×長さ30mm×高さ20μmの非常に薄い直方体状。)を、クレジットカードサイズで、厚さ760μmの軟質塩化ビニルシートからなるカード基材の表面の中央部に置き、このカード基材を、常温→150度→常温の加熱サイクル(1サイクル30分〜90分。)により、且つ、表面鏡面仕上げステンレス板に挟んだ平板加圧状態で、1.0MPa(メガパスカル。N/平方ミリメートル)の圧力を掛けつづけて、そのストリップの全厚さを、その760μmの軟質塩化ビニルシート内に埋め込むことをいう。
このとき、カード基材表面を、触針式表面粗さ計を用いて、埋め込んだ部分の境界領域を測定し、その境界における段差が、1.0μm以下である状態が「面一」となっている状態である。
また、上記のストリップに、さらに、10μm厚さのポリエチレンテレフタレートを積層した3層積層体とし、上記と同様にして、カード基材内に産みこんだ後、そのポリエチレンテレフタレートを剥離することで、スクラッチ隠蔽層の最表面が、カード基材表面より、10μmの深さだけ、「凹んだ」状態とすることができる。すなわち、上記した触針式表面粗さ計を用いて、凹んだ部分の段差を測定し、その段差が、10μmである状態が、「カード基材表面から10μm凹んだ」状態である。
この「凹み」は、クレジットカード形状のカード基材においては、1.0μm〜30μmとすることが望ましい。この凹みが1.0μm未満であると、凹ませた効果が無くなり、30μmを超えると、この段差の引っ掛かりがスクラッチカードのハンドリングに支障をきたす。
この凹みは、カード基材厚さに対して、1/10以下とし、望ましくは、1/20以下とする。また、凹みのサイズよりもストリップのサイズが小さい場合には、凹みとストリップの間に「隙間」が生じるが、この「隙間の幅」は、その偽造防止性を考慮して、爪先や金属へらを挿入し難い大きさ、すなわち、5.0mm幅以下、望ましくは、1.0mm以下とする。
さらに、「スクラッチ隠蔽層及びレリーフホログラム形成層をそのカード基材内に埋め込む」ために、予め、カード基材表面に、深さ25μm、幅11mm、長さ31mmの凹みを設けておき(プラスチック等であれは、その成形加工時に「凹み」を設けても良いし、カード基材表面を切削加工などにより削り込んで、凹みを設けてもよい。)、その凹みに、上記したストリップを入れて固定することも、その製造安定性から好適である。この場合には、上記したような、高温加熱や、高圧プレスの必要がないため、スクラッチ隠蔽層やレリーフホログラム形成層に対する変形や歪みが発生し難いという利点がある。
但し、偽造や変造を防止する観点からは、加熱及び加圧によりカード基材に埋め込む方式が望ましい。
また、カード基材の形状も、あらゆる形状、すなわち、シート状、フィルム状、板状、立方体状、直方体状、カード状、はがき状、伝票状、封筒状、円盤状、楕円体状、球体状、棒状、及びこれらの組み合わせや、これらに変形、切断、穴あけ、接着等の加工処理を施したものなどを採用することができる。
その厚さも、秘密情報表示部を支持することができ、且つ、ハンドリング可能であればよく、特に制限はないが、通常、3.0μm〜3.0mmの厚さとする。もちろん、封筒状や、箱状のものであれば、その立体形状の寸法は、それぞれの用途に適したものとするため、この範囲内とする必要はない。
但し、これらのカード基材上に設けた秘密情報をスクラッチ隠蔽層で秘匿することとなるが、そのスクラッチ隠蔽層を設けた側とは、反対側から、カード基材に対して、強度の大きい可視光線や、赤外線、紫外線、X線等、さらには、電子線等の粒子線(以上を総称して「光線」と称する。)を照射して、その「透過『光線』」や「反射『光線』」、さらには、特性X線等から、その秘密情報を読み取ろうという試みに対抗するため、そのカード基材の性質として、これらの「光線」を「遮蔽」したり、「反射」、もしくは、「散乱」させる性質を保有することが望ましい。
これらカード基材の代表例としては、いわゆる「プリペイドカード」として用いられているカード基材及び形状や、「プラスチックカード」として用いられているカード基材及び形状、特に、JIS規格やISO規格で定められているものがある。すなわち、その「埋め込み適正」及び「汎用性」(加工汎用性を含む。)から、「JIS規格やISO規格で定められている『プラスチックカード』として用いられているカード基材及び形状」が望ましい。
これらは、既に、全世界に大量に頒布され、普及しているため、そのハンドリングや、保持することに抵抗感がなく、また、それらを携帯したり、使用したりする場合の周辺機器や、関連グッズ等も既に普及しているため、これらのものへの適用もスムースであって好適である。
本発明のスクラッチカードが秘匿する「秘密情報」としては、暗証番号、個人認証番号、口座番号、その他の個人特有の番号または記号や、抽選番号または記号、管理番号または記号等、もしくは、単なる連続番号や記号であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号、さらには、全くの乱数であってスクラッチカードのカード基材を作製するときに発生させ作製者含め誰もその番号の内容を知らないよう工夫した番号等、知ることが許された者(正規な購入者等を意味する。もちろん、スクラッチカードのシステム設計者や、スクラッチカード発行者等が含まれる場合もある。)のみが見ることができ、その他の者は物理的に見ることができないよう設定される番号または記号等がある。
また、そのスクラッチカードの用途により、番号または記号のみならず、文字、図形、マークその他、個人及びそのスクラッチカードの供給者が共通に認識できるもの(この対象は、いわゆる「情報」全てとなる。)であれば何れも用いることができる。そして、その認識方法も、少なくとも目視確認により認識できる情報を有しながら、目視以外の認識方法、例えば、光学読取方法、磁気的読取方法、その他、あらゆる物理的もしくは化学的読取方法を採用することができ、且つ、秘密情報と重ねて視認できるレリーフホログラム再生像の中にも、ホログラム再生原理を利用した光学読取方法を含めることもその偽造防止性を高めるために好適である。
この「秘密情報」をスクラッチカードのカード基材上に設ける方法としては、可変情報を形成する方式として、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、光学的もしくは物理的直接描画方式、電子写真方式及び、インクジェット方式等があり、固定情報を形成する方式としては、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、活版印刷方式、凹版印刷方式、スクリーン印刷方式等がある。
また、カード基材そのものを発色材料や消色材料で構成し、その発色原理や消色原理を用いて、可変情報や固定情報を記録する方法を用いてもよい。
すなわち、電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを含有する感熱発色材料からなるカード基材や、基紙となる紙材料やフィルム材料上に、電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを含有する感熱発色層を設けたもの、さらには、それらの基紙上に、カプセル内包の発色剤と顕色剤とからなる感圧発色層を設けたものを、カード基材として用いることができる。
また、発色と消色を繰り返して操作できる、感温材料等を用いたサーマルリライタブル層や、フルギド系やスピロピラン系などのフォトクロミック材料等を用いる光リライタブル層を設けることも、その意外性や偽造防止性が高まり、好ましい。
特に、これらの「リライタブル層」を設けて、「秘密情報」を表示させると、正規購入者が、その「秘密情報」を確認するときのみ「秘密情報」が現れ、それ以外のときには「非表示」とすることで、不要な第三者による「秘密情報」の視認を阻止することができる。
感熱発色材料としては、発色剤、顕色剤、及び、増感剤からなる系を用いることができ、発色剤としては、ベンゾイルロイコメチレンブルー、クリスタルバイオレットラクトン等のフタリド化合物等、顕色剤としては、4−4´ビフェノール、1−ナフトール等の酸など、さらに、増感剤としては、4−ベンジルビフェニル、フルオレン等を用いる。
感熱記録とは,基紙上の層に分散させた発色剤及び顕色剤を熱により溶融させ、接触させることにより発色させる仕組みである。その高感度化のために、低融点の増感剤を添加するが、様々な酸発生方法とこの発色機構を組み合わせることにより、繰り返しの書き込みや消去が可能なリライタブル感熱記録を実現できるものである。例えば、低い熱エネルギーにて発色する赤色感熱記録層と,高い熱エネルギーにて発色する黒色感熱記録層を積層させることにより,その印加エネルギーを使い分けることで赤/黒2色での記録を可能にする2色発色感熱記録材料を用いてもよい。
これらのロイコ系感熱発色材料や、フォトクロミック系光発色材料は、その発色機構である「紫外領域または赤外領域→可視領域への変化」を、「可視領域→紫外領域または赤外領域への変化」とすべく材料選定をすることにより、消色記録材料として用いることができる。
このような消色機構を用いると、正規購入者が、その「秘密情報」を確認した後、正規購入者の判断により、速やかに、もしくは、適宜なタイミングで、「秘密情報」を消色(消去)することを可能とし、その偽造防止性を高めることを可能とする。
また、カード基材上へ「秘密情報」を設ける位置、もしくは、配置についても、特に制限は無いが、
プリペイドカード等のように、薄く強靭な素材を用いた場合には、そのカード基材を容易に湾曲させることができるため、そのカード基材の中央部分に設けることを避け、その右端、もしくは、左端、さらには、上端、もしくは、下端に設けることが望ましい。(湾曲した際に、スクラッチ隠蔽層にその変形圧力が掛からないように配慮するという意味。)もしくは、湾曲した際の比較的曲がっていない部分に、2箇所またはそれ以上の箇所に分散して設けてもよい。
また、磁気カード仕様や、ICカード仕様上のいわゆる「禁止エリア」(磁気部エリアやIC部エリアのように、印刷やエンボス加工等を禁止しているエリアのこと。所定の機能以外のものを設けることを禁止しているエリアを意味する。)を避けて設けたり、さらには、カードに加える様々な加工処理、例えば、エンボッシング処理、磁気記録処理、接触タイプのICチップ加工処理、非接触タイプのICチップやアンテナ類の加工処理、サインパネル加工処理やホログラム加工処理において、不具合が発生しない位置に設ける。
また、「秘密情報」を一つの位置に設けるのみ(一つの情報として読み取ることができるものが一か所に固まっているという意味。)ならず、カード基材上に、分散して複数の位置に設けたり、カード基材の表裏に設けることも、その秘匿性が向上し好適である。もちろん、その場合には、それぞれの位置に、それぞれのスクラッチ隠蔽層を設けることは言うまでもない。
上記した方法、または、方式により、その「秘密情報」をスクラッチカードのカード基材上に形成し、そして、レリーフホログラム形成層、及びスクラッチ隠蔽層、または、接着層、レリーフホログラム形成層、及びスクラッチ隠蔽層をこの順序で、さらには、反射性薄膜層や、地紋印刷を適宜な位置に、その「秘密情報」を覆うように設けて埋め込んだ後、そのスクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去すると、その「秘密情報」及び、そのレリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となるスクラッチカードを作成することにより、その「秘密情報」を第三者が目視によって判読したり、不正者が盗読することを防ぎ、且つ、正当な使用者がそのスクラッチ隠蔽層をスクラッチして、その「秘密情報」を判読できるスクラッチカードを構成することができる。
ここで、ホログラムとは、一方で、ホログラム再生像として再生したい「3次元物体」に対して、時間的、且つ、空間的コヒーレント性を有する光であるレーザー光を照射(照明)し、その「3次元物体」の表面で、反射し、散乱(回折)した「光」(これが「物体光」と呼ばれる。)を、所定の角度で、感光材料へ入射させ、他方で、そのレーザー光そのもの(これが、「参照光」と呼ばれる。)を、その「物体光」の入射角度とは異なる角度で、同時に、その感光材料へ入射させて、その「物体光」と、「参照光」とを干渉させ、その干渉によって生じた「干渉縞」を、その感光材料に記録したものである。
このホログラム形成方法は、撮影方式によるホログラム形成方法の一つであって、「二光線束干渉法」とも呼ばれる。
その「物体光」と、「参照光」は、互いにコヒーレントであるので、感光材料内に鮮明な干渉縞が発生し、その干渉縞が記録される。
まず簡単な場合として、参照光及び物体光の二つが、ある角度をなす、いずれも平行光である場合を考えると、二つの光の感光材料面までの道筋(光路)の長さの違い、したがって二つの光の位相の違いによって、感光材料面上のある位置では互いに強め合い、また別の位置では弱め合い、結果として感光材料には、参照光、物体光のなす角度によって決まる等間隔で感光材料面に垂直方向に伸びる干渉縞が記録される。
また、この干渉縞のコントラストは、参照光及び物体光の振幅が等しいときもっとも大きく、相違があるほど小さくなる。物体光は、「3次元物体」の立体形状に依存して変化する光であって平行光ではないので、干渉縞は乱れたものになる。
しかし、その乱れは、参照光に対する物体光の位相の変化が干渉縞の横ずれとして、また、振幅の変化がコントラストの変化として生じ、感光材料には、物体光の位相、振幅の情報がすべて記録される。このようにして露光された感光材料を現像処理したものがホログラムとなる。
このホログラムには、普通のカメラで写した写真のようには、物体の像が写っておらず、ただ一様に白濁(屈折率分布として記録されている。)しているように見えるが、光の波長に近い細かさで物体情報が完全に記録されている。
この感光材料として、フォトレジストを用い、フォトレジストの現像時間管理によって、フォトレジストの表面に、所望の深さの凹凸を設けたものが、レリーフホログラムであって、その凹凸が、上記と同様に、その深さや、周期において乱れたものとなっており、その乱れが、物体光の位相や、振幅の情報を含むことになる。
そして、その凹凸面が、ホログラムレリーフ面であって、このときの「凹凸面を有する感光材料層」が、「レリーフホログラム形成層」に該当することとなる。
干渉縞を記録したホログラムを、例えば、上記した参照光と同一のレーザー光で照明すると、感光材料内に記録された干渉縞が、光の進行方向を変える回折格子として作用する。
回折格子に光が入射すると、そのまま透過する直接透過光(ゼロ次回折光)のほかに、格子の間隔、いまの場合は、干渉縞の間隔によって決まる方向にプラス1次、及び、マイナス1次の回折光を生じる。
ホログラム作成時、物体光及び参照光として所定の角度をなす平行光を用いた場合には、このホログラムを照明した際のプラス及び、マイナス1次の回折光は、いずれも平行光であり、前者は元の物体光が感光材料を透過する方向に進む。
実際の干渉縞は物体光の位相や振幅で乱されているので、ちょうどそれに対応するようにプラス1次の回折光は乱され、元の物体光をそのまま再生することになる。ホログラムを通して観察すると、ゼロ次、または、マイナス1次の回折光にじゃまされず、元の位置に物体像が立体的に再生する。この像は直接像とよばれ、あたかも物体から光が出たように、発散する光で見えるので虚像になる。また、マイナス1次の回折光によって、ホログラムの右側に、元の物体と前後が逆になった像が再生する。これは共役像とよばれ、実際に光が集束するので実像になる。
直接像を、見る位置を変えて観察すると、3次元物体の前後の相対位置が変化し、立体的に再生していることを確認できる。
この状況は、レリーフホログラムにおいても同様であって、上記したレリーフホログラム形成層が有するホログラムレリーフ面を、所定の「参照光」で照明すると、所定の角度に直接像(ホログラム再生像)が現れる。
そして、このホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が追従するように接して設けられた場合には、反射性薄膜層の最表面(レリーフ状の凹凸面となっている。)、もしくは、レリーフホログラム形成層と反射性薄膜層との界面が、「ホログラムレリーフ面そのもの」となっており、これらの面が、「反射面」と位置付けられ、その「ホログラムレリーフ面」で「反射した光」が、所定の角度によって決まる反射方向へ、その直接像を出現させる。その共役像である実像も同様である。
これらの「ホログラムレリーフ面」の形状は、その深さが、0.01μm程度であり、ピッチ(凹凸の周期を意味する。)が、1.0μm前後の凹凸が所定の領域内に隙間なく敷き詰められた形状をしており、この凹凸形状の一つ一つがいわば、1.0μm毎に「個々の反射回折光」を発生し、その「個々の反射回折光」が互いに光の干渉現象を生じて、最終的に一つの合体したレリーフホログラム再生像として、視認される。
従って、例えば、この1.0μmの凹凸形状の一つを滑らかな小さな3次元曲面と捉えたとき(ホログラムレリーフの凹凸の断面形状は、しばしば、三角関数曲線のような単調増加や単調減少を繰り返す曲線に例えられる。)、その3次元曲面に、0.001μmオーダーの微細な凹みや突起が生じたり、その曲面そのものが0.001μmオーダーで変形した曲面となったりするような「凹凸形状のわずかな変形」(凹部の深さが0.001μm深くなったり、浅くなったり、もしくは、その直径が0.1μm程度広がったりすることを意味する。このような変化は、極く微細なものと思われがちであるが、それでも「10%の変化」という大きなものとなっている。)、すなわち、「ホログラムレリーフ面形状のわずかな変形」が発生することで、レリーフホログラム再生像の鮮明度に大きな影響を与え、その鮮明度が低下することとなる。
特に、このような変形がホログラム記録領域の中で偏在して発生すると、レリーフホログラム再生像そのものの変形までをも引き起こす。
本発明のスクラッチカードは、スクラッチカードのカード基材上に、「秘密情報」が設けられ、その「秘密情報」を覆うように、レリーフホログラム形成層、スクラッチ隠蔽層、もしくは、接着層、レリーフホログラム形成層、スクラッチ隠蔽層、または、そのスクラッチ隠蔽層上にさらに地紋印刷を設けたもの、及び、そのレリーフホログラム形成層のホログラムレリーフに反射性薄膜層を付加したもので構成され、且つ、その「レリーフホログラム形成層とスクラッチ隠蔽層」、「接着層、レリーフホログラム形成層、スクラッチ隠蔽層、または、そのスクラッチ隠蔽層上にさらに地紋印刷を設けたもの」や「そのレリーフホログラム形成層のホログラムレリーフに反射性薄膜層を付加したもの」などの積層体を、カード基材に埋め込んだものである。
このレリーフホログラム形成層を構成するための透明樹脂層として、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。(電離放射線とは、電子線及び紫外線を意味する。)
レリーフホログラム形成層は、「秘密情報」表示部を溶解したり、変質させたりしない溶剤を用いて、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式や、スピンコーティング方式、カーテンコート方式、フォトレジスト処理方式等の形成手段を用いて、乾燥後の厚さとして、1.0μm〜50μm、さらには3.0μm〜20μmの厚さで形成する。
この厚さが、1.0μm未満であるとレリーフホログラムの形成が困難となり、50μmを超える厚さでは、スクラッチカードのカード基材上のスクラッチ隠蔽部分(「秘密情報」を隠蔽するための、レリーフホログラム形成層やスクラッチ隠蔽層等の積層部分をいう。)の総厚さが大きくなりすぎ、カード基材への埋め込みに支障をきたす。
そして、このレリーフホログラム形成層の露出している面(レリーフホログラム形成層のスクラッチ隠蔽層と接する面を意味する。)に、予め準備した回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版(所定のホログラムレリーフ面を有する原版という意味。)を、複製方式のプレス型(スタンパともいう。)として押し当て、加熱ロールなどの適宜な手段により、両者を加熱して圧着することにより、原版の凹凸模様をレリーフホログラム形成層に複製することができる。この際、形成するレリーフホログラムパターンは単独のパターンでも、複数のパターンの集合体でもよい。
または、上記の原版の凹凸面と、「『秘密情報』を設けたカード基材」との間に、電離放射線硬化性樹脂を充填し、電離放射線にて、その樹脂を硬化させた後、その原版を剥離することで、カード基材上の所定の位置に、より精密なホログラムレリーフ面を有するレリーフホログラム形成層を形成することができる。
このホログラムレリーフ面は、スクラッチ隠蔽層のスクラッチオフによって露出し、空気(屈折率n=1.0)との界面となって、この界面からの反射光によりレリーフホログラム形成層のレリーフホログラム再生像を出現させるものである。
この反射光の強度を十分なものとするには、この界面における屈折率差が大きければ大きいほど望ましく、このため、レリーフホログラム形成層を、「高屈折率透明樹脂層」とする。
ここで、「高屈折率透明樹脂層」とは、「高い屈折率を持つ透明な樹脂層」であって、屈折率nが1.7を超える透明な樹脂層をいう。特に、ホログラムレリーフ面が、レリーフホログラム形成層の下側、すなわち、スクラッチ隠蔽層と接している面とは反対の面(レリーフホログラム形成層と接着剤層との界面を意味する。)にある場合には、この透明性が、直接、レリーフホログラム再生像の鮮明度に影響を及ぼす。
レリーフホログラム形成層を、「高屈折率透明樹脂層」、すなわち、「透明性」を確保しながら屈折率nが1.7〜2.3という高屈折率を示す、透明な樹脂層により構成することで、この界面における屈折率差を、0.7〜1.3、特に1.0〜1.3とすることができ、上記した反射光の強度を非常に大きなものとして、より鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させることを可能とする。
「樹脂材料の光学的透明性を維持した上での高屈折化」については、鋭意、研究が進められているが、ホログラム再生像の観察に悪影響を及ぼさず(「光学的に透明」であることを意味する。)、レリーフホログラム形成層を通して、その配下にある「秘密情報」を十分、且つ、確実に視認できる「透明性」を保持しつつ、「《樹脂層》としての屈折率」を高くすることには限界があり、比較的屈折率の高い樹脂の高分子構造の中に、原子屈折率の高い「硫黄原子」や、塩素原子やフッ素原子等の「ハロゲン成分」、さらには、高屈折率構造を持つ「芳香環基」を分子レベルで導入する方法や、TiOxやZrOx等の高屈折率金属酸化物の超微粒子(平均粒径:0.0003μm〜0.03μm)を樹脂材料に高度に分散させる方法、さらには、高分子材料の分子構造の中に、所定の金属塩を取り込ませる方法等によって、屈折率n=1.9を超える材料を見出したものの、それでも、金属化合物微粒子(または薄膜。)の例であるZnSの屈折率n=2.3を超えるような「透明な」樹脂はまだ発見されていない。
但し、ホログラムレリーフ面が、レリーフホログラム形成層の上側、すなわち、スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との界面にある場合には、この界面での反射光のみが、レリーフホログラム再生像の鮮明度に影響するため、レリーフホログラム形成層そのものには、光学的な透明性の要求は無い。
しかし、反射面の背後であっても、着色していたり、白色となって光を散乱する性質が強いものとなると、「秘密情報」の視認性のみならず、レリーフホログラム再生像の鮮明度にも悪影響を及ぼすことがあるため、あくまで、「秘密情報」の視認性とレリーフホログラム再生像の鮮明度に配慮した範囲内において、比較的透明性を犠牲にすることが可能であって、比較的屈折率の高い透明な樹脂材料に、屈折率の高い顔料(顔料の屈折率が2.0以上、さらには、3.0以上のもの等。屈折率が3.0を超えると、光散乱性や光遮蔽性が発現する。)を30〜70%程度、混入させることで、透明性がやや低下するものの、「高屈折率を有する層」とすることができる。
そして、このレリーフホログラム形成層の上に、スクラッチ隠蔽層を設ける。
レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面は、その凹部や凸部が局所的に埋められたり、削られたりしても、ホログラムの冗長性から、そのホログラム再生像への影響は無いが、比較的広い範囲に亘る「わずかな形状の変化」や、比較的広い範囲に亘る「わずかな表面の変質」が生じると、ホログラム再生像の鮮明度が低下したり、ホログラム再生像の歪みを起こすこととなる。
従って、スクラッチ隠蔽層用のインキ組成物としては、レリーフホログラム形成層を部分的に溶解したり、膨潤させたり、上記のような変形や変質を生じさせないものを用いる。
例えば、ゴム系天然樹脂、ジエン系樹脂、アクリル系樹脂や、ビニル系樹脂の中から選定したものを樹脂成分とし、隠蔽性とスクラッチ性を得るために、金属系微粉末やそれらの酸化微粉末等の顔料成分を固形分全体の20〜80%の割合で含有するものを用いる。また、スクラッチ隠蔽層の隠蔽性を向上させるために、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の隠蔽性の強い顔料成分を1〜10%含有させてもよい。スクラッチ隠蔽層用インキ組成物を以上の組成物から構成することにより、印刷適性とスクラッチ性との双方を満足することができるようになる。
スクラッチ隠蔽層は、このインキ組成物を、レリーフホログラム形成層を部分的に溶解したり、膨潤させたり、上記のような変形や変質を生じさせない溶剤で希釈したもの(以下では、これを含めて、「スクラッチ隠蔽層用のインキ組成物」という。)を、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式を用いて、乾燥後の厚さとして、5μm〜50μm、さらには10μm〜30μmの厚さで、レリーフホログラム形成層上に形成する。
ホログラムレリーフ面が、レリーフホログラム形成層の下面にある場合には、このインキ組成物を、レリーフホログラム形成層の「平坦な面」上に形成することとなるが、この「平坦な面」においても、この「面」をホログラムレリーフ面を照明する光が通過し、また、ホログラムレリーフ面からの反射光(すなわち、レリーフホログラム再生像。)が通過する「面」となるため、上記した「ホログラムレリーフ面」への配慮と同様の配慮が必要となる。
スクラッチ隠蔽層の厚さが5μm未満では、「秘密情報」が透けて見える可能性があり、50μmを超える厚さでは、やはり、スクラッチカードのカード基材上のスクラッチ隠蔽部分の総厚さが大きくなりすぎ、カード基材への埋め込みに支障をきたす。さらにその厚さが、10μm以上あれば「秘密情報」の隠蔽性は十分であり、30μm以下であれば形成作業性に優れ、スクラッチカードを1000枚重ねた際の突出量は皆無であって、自搬送処理等適するものとなる。また、スクラッチ隠蔽層の厚さがこの範囲であれば、コインや、指もしくは爪で容易に粉砕可能である。
但し、このスクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との界面は、「ホログラムレリーフ」面そのものであって、この面からの反射光がレリーフホログラム再生像を出現させるため、この界面を「光学的な鏡面」とする必要がある。
このスクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との界面が、「光学的な鏡面」とならず、いわゆる「粗面」となっている場合には、この「粗面状の界面」を「秘密情報」及びレリーフホログラム再生像を視認するための照明光が照明したときに、その「光の位相」が乱れ、さらには、「散乱光」となってしまい、「秘密情報」に対しては、いわば「擦りガラス」を通して情報を見ているような状態となり、レリーフホログラム再生像にあっては、位相の揃った光の干渉により発生するホログラムの再生そのものを阻害して、レリーフホログラム再生像を確認することすらできないものとなってしまう。
このような「光学的な鏡面」とは、ある「層」の表面の平滑性が、実質的に、平均表面粗さRaで、0.01μm〜0.1μmであることを意味する。また、ホログラムレリーフ面のような三次元曲面において、「光学的な鏡面である」とは、その曲面が、あるべき曲面から逸脱するような不規則な凹凸の無い「滑らかな面」であることを言い、敢えて定義すれば、「その三次元曲面において、微視的領域であってその領域内ではほぼ平面と近似できる極く小さな面領域における平均表面粗さRaの値が、どの微視的領域においても0.01μm〜0.1μmであること」と定義できる。
通常、スクラッチ隠蔽層を上記のような印刷方式を用いて、レリーフホログラム形成層上に形成すると、その最表面は、1.0μm〜30.0μm程度、場合によってはそれ以上の「粗さ」となり、その「粗さ」が、コインや、指もしくは爪で粉砕することを容易なものとし、スクラッチオフ適正という点では望ましいとされている。(スクラッチオフとは、コインや爪によるスクラッチによりスクラッチ隠蔽層を部分的に除去することを意味する。)
しかし、スクラッチ隠蔽層の最表面(レリーフホログラム形成層と接している面と反対の面。)は、まさにそのスクラッチをする面であってそのような粗さとすることが好ましいものの、その反対面、すなわち、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面は、本発明の目的より、上記したように「光学的な鏡面」とする必要がある。
このため、適宜な剥離性フィルム上に、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「光学的な鏡面」以上の平滑な表面を有する、「表面平滑化処理を施した金属板」等を用いて、100〜200℃の加熱、及び、107〜109Paでの加圧をする平板プレス処理、もしくは、「表面平滑化処理を施した金属ロール」等を用いてロール幅1cmに対して1.0kg以上の線圧を掛けるロールプレス処理により、一旦、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面を「光学的な鏡面」とし、この面に、「スクラッチカードのカード基材上の凹部に、「秘密情報」、及び、それを覆うようにレリーフホログラム形成層(その露出面にホログラムレリーフが形成してある。)を設けた積層体のホログラムレリーフ面」を押し付け、このホログラムレリーフ面を「型」として、スクラッチ隠蔽層のその「光学的な鏡面」に、その鏡面性を維持したままで、ホログラムレリーフを形成することができる。(すなわち、スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との界面が、ホログラムレリーフ形状となる。)このとき、剥離性フィルムを付けたまま平板プレス処理を行うと、その剥離性フィルムの厚さだけ、スクラッチ隠蔽層の最表面が、カード基材の表面より凹んだ状態となる。
もしくは、スクラッチカードのカード基材上に、「秘密情報」、及び、それを覆うように設けた接着層とレリーフホログラム形成層(その接着層とレリーフホログラム形成層との界面にホログラムレリーフが形成してある。)を設けた積層体の「平坦な面」を、スクラッチ隠蔽層のその「光学的な鏡面」に、その鏡面性を維持したままで、積層することができる。
しかも、このレリーフホログラム形成層の「ホログラムレリーフ面」、もしくは、「平坦な面」は、本発明のスクラッチカードのスクラッチ隠蔽部分にコインや爪を押し当てて、スクラッチ隠蔽層のみをスクラッチオフした際に、そのコインや爪が直接あたる面であって、このようなスクラッチオフの後においても、上記したような「光学的な鏡面」を可能な限り維持する必要がある。
このため、レリーフホログラム形成層の「ホログラムレリーフ面」、もしくは、「平坦な面」の物理特性を、このようなスクラッチ隠蔽層形成段階や、スクラッチオフ段階において、その面を「光学的な鏡面として維持できるレベル」まで向上させる必要がある。
例えば、レリーフホログラム形成層のインキ組成物に2液硬化性樹脂や、熱硬化樹脂を用いた場合には、ホログラムレリーフ形成時、もしくは、「平坦な面」形成時に、その原版や平板、もしくは、ロール版そのものを加熱して、ホログラムレリーフ面、もしくは、「平坦な面」近傍の硬化度を促進し、完結させたり、レリーフホログラム形成層のインキ組成物に、電離放射線樹脂を用いた場合には、原版での複製後、もしくは、レリーフホログラム形成層形成後、さらに、電離放射線を追加照射(ポストキュア。)して、レリーフホログラム形成層全体の架橋度を98%以上とする。
さらには、その原版や平板、もしくは、ロール版を電離放射線透過性の素材(例えば、樹脂製原版や平板、もしくは、ロール版等。)を用いて作製し、その原版や平板、もしくは、ロール版をレリーフホログラム形成層に押し当てたまま、電離放射線を十分に照射して、ホログラムレリーフの面形状や「平坦な面」形状を高い精度に保ったまま、その物理特性を上記したレベルまで向上させることも好適である。
また、レリーフホログラム形成層中に、シリコン樹脂、シリコンオイル、またはフッ素樹脂等の離型性付与剤を10〜30%含めることで、レリーフホログラム形成層の表面の耐擦傷性を向上させ、且つ、爪やコイン等を滑りやすくすると共に、スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との界面のズレを発生し易くして、スクラッチオフ適正を向上させることができる。
特に、レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面が、レリーフホログラム形成層の上面にある場合には、レリーフホログラム形成層に対する光学的透明性の要求は緩和され、光学的透明性の低下を招くような「離形性付与剤」を、さらに多く、例えば、30%〜60%添加とすることも可能である。
そして、上記の印刷方式のみならず、ロールコーティング方式や、レジスト処理方式を用いることも以上の目的のためには好適である。
または、スクラッチ隠蔽層を、レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面上に、所定の厚さで形成後、「乾燥、さらには、硬化する段階」において、スクラッチ隠蔽層に用いるスクラッチ隠蔽層用インキ組成物の中の顔料成分の移動や、樹脂成分の移動を十分に起こすために、その「乾燥条件や硬化条件」を通常の処理時間の2倍〜10倍の処理時間とすることも、スクラッチ隠蔽層の固まった界面そのものを「光学的な鏡面」として仕上げ(この界面付近に粒径の小さい顔料が集まったり、顔料と顔料の隙間に樹脂成分が十分に充填されることを意味する。)、このスクラッチ隠蔽層をスクラッチオフする際に発生する「スクラッチ隠蔽層内の粒径の大きい顔料等によるレリーフホログラム形成層の「ホログラムレリーフ面」、もしくは、「平坦な面」への傷つけや変形圧力を緩和することができ好適である。
もちろん、予め、その原版、もしくは、「『平坦な面』を持つ適宜なフィルム」上に、スクラッチ隠蔽層を仮形成して、スクラッチ隠蔽層のこの原版、もしくは、「平坦な面」と接している面を「光学的な鏡面」とし、これを適宜な仮転写用フィルム上に仮転写(転移)して、そのホログラムレリーフ面、もしくは、「平坦な面」を露出させ、これを、ある意味で新たな「原版や平板、もしくは、ロール版」と見立てて、レリーフホログラム形成層に押し当てて、複製と同時に、その適宜な仮転写用フィルムから転写(スクラッチ隠蔽層の転移。)して、スクラッチ隠蔽層の「ホログラムレリーフ面」、もしくは、「平坦な面」付近の鏡面性を高めた状態で、レリーフホログラム形成層とスクラッチ隠蔽層の積層体とすることも、また、この積層体のレリーフホログラム形成層側を、カード基材上の「秘密情報」に押し当て、もしくは、接着層を介して、その「秘密情報」を覆うようにカード基材に積層させる方法も、「光学的な鏡面」を高い精度で確実に得ることができる手段として好ましい。
レリーフホログラム形成層をスクラッチカードのカード基材上の「秘密情報」を覆うように設ける際、そのカード基材(及び、「秘密情報」)とレリーフホログラム形成層との間に、接着層を設けることができる。
接着層を設けることで、カード基材及び「秘密情報」と、レリーフホログラム形成層との接着力を高めることができ、スクラッチオフの際や、レリーフホログラム形成層を不正に剥がそうとする場合に、不要なレリーフホログラム形成層の剥がれを防止することができ、且つ、「秘密情報」の改ざんや改変を阻止することができる。
また、スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層からなる「積層体」を予め作成した後、その「積層体」をこの接着層を介して、カード基材及び「秘密情報」上に、加熱、及び加圧プレス処理により埋め込むと同時に固着させる手順とすることもでき、その作成手順の自由度を高めることができる。
さらには、この接着層の露出面に上記したホログラムレリーフを設け、そのホログラムレリーフ面上に、レリーフホログラム形成層及びスクラッチ隠蔽層を順次積層する手順とすることをも可能とする。
接着層は、乾燥後の厚さとして、1.0μm〜30μmの厚さで形成する。
この接着層用のインキ組成物としては、カード基材及び「秘密情報」を部分的に溶解したり、膨潤させたり、変形や変質を生じさせないものを用いる。
そのインキ組成物としては、溶剤系及び水系のいずれの接着剤をも用いることができ、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体や、天然ゴムなどのゴム系樹脂などを挙げることができる。また、自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス等の天然素材から作製されたものを用いることが好適である。
接着層は、1.0μm未満であると、スクラッチカードのカード基材、及び、「秘密情報」との接着性(「秘密情報」との接着性とは、その「秘密情報」形成部との接着性という意味。)が不十分となり、30μmを超えると、やはり、カード基材への埋め込みに支障をきたす。もちろん、カード基材に予め凹みを設ける場合には、その凹みを深くすれば、これらの厚さをより厚く設定可能であるが、カード基材の一部に設ける凹みを深くすればするほど、そのカード基材の物理的強度が損なわれるため、偽造防止媒体として好ましくない。
但し、「秘密情報」をインクジェット方式でカード基材上に設けた際に、その「秘密情報」印字部の高さ(印字部の盛り上がりを意味する。)が、5.0μm〜20μmと高くなった場合には、その「秘密情報」の上に、レリーフホログラム形成層やスクラッチ隠蔽層を設けるときに、接着層が、その「高い」印字部を柔らかく包み込むように適宜な変形を生じ、その「高さ」を吸収して、「秘密情報」印字部の盛り上がりパターンをレリーフホログラム形成層や、スクラッチ隠蔽層の盛り上がりに繋がらないようにすることができ好適である。この目的のためには、接着層の厚さを、インクジェット方式で設けた「秘密情報」の盛り上がり高さ(印字部のカード基材面から印字部表面までの距離を意味する。)の2.0倍〜5.0倍とすることが好適であって、上記した厚さの上限を超えることもやむを得ない。
この厚さが、その盛り上がり高さの2.0倍未満であると、その吸収性が不十分となり、5.0倍を超えると、不必要な厚さとなり、やはり、カード基材への埋め込みに支障をきたしたり、カード基材そのものの物理的強度を低下させることとなる。
接着層の形成方法としては、グラビアコート、ロールコート、コンマコートや、スクリーン印刷などの方法で、塗布し乾燥して形成することができる。
接着層の接着力は、スクラッチカードのカード基材、及び、「秘密情報」形成部との接着力、また、レリーフホログラム形成層との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm巾の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。特に、カード基材及びカード基材上の「秘密情報」形成部との接着力は、本発明の目的より、本発明のスクラッチカードをカード基材及びカード基材上の「秘密情報」形成部から剥がすことが困難となるレベルまで大きいものとする必要があるが、その接着層とカード基材及びカード基材上の「秘密情報」形成部との界面の剥離強度よりも、接着層とレリーフホログラム形成層との界面の剥離強度を、より大きいものとなるように設計する。
このようにして、スクラッチカードのカード基材、その上に設けた「秘密情報」、その「秘密情報」を覆うようにして設けた、レリーフホログラム形成層とスクラッチ隠蔽層からなる本発明のスクラッチカードを得る。
または、スクラッチカードのカード基材、その上に設けた「秘密情報」、その「秘密情報」を覆うようにして設けた、接着層、レリーフホログラム形成層及びスクラッチ隠蔽層からなる本発明のスクラッチカードを得る。
レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面は、レリーフホログラム形成層とスクラッチ隠蔽層との界面、もしくは、その反対面に形成される。
もちろん、そのレリーフホログラム形成層の両面に、同一のホログラムレリーフ、または、異なるホログラムレリーフを設けてもよいし、それらの、配置を、レリーフホログラム再生像を観察する際に、全面的に重なるものとしてもよいし、部分的に重なるものとしてもよい。さらには、それらを重ならないように配置してもよく、ホログラムレリーフを分散させて形成し、その配置を複合的なものとすることも、その意匠性の向上のみならず、偽造防止性を高める意味で好適である。(ホログラム再生像を観察時に、「分散している」、もしくは、「それらが重なる」とは、それぞれのホログラム再生像を出現させる「それぞれのホログラムレリーフ形成領域」が、本発明のスクラッチカードをシート面に垂直上方から観察する観察者から見て、「ぞれらの領域間に隙間がある状態」か、「それらの領域が重なっている状態」かを意味する。)
上記した目的から、このスクラッチ隠蔽層を、一旦、剥離性フィルムに設ける手順とする場合には、その剥離性フィルムの表面を、平均表面粗さRaで、1.0μm〜30μm、もしくはそれ以上の粗さに設定した「粗面」としておくことも、スクラッチ時の破壊性を均一、且つ、容易化することができ、スクラッチオフ適正の向上に寄与する。
もちろん、スクラッチ隠蔽層をレリーフホログラム形成層上に設ける際に、その印刷版に上記した「粗面」を予め設けておいてもよく、さらには、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「粗面」を有する平板やロール版を用いて、加熱、且つ、加圧して、スクラッチ隠蔽層の最表面を所定の「粗面」とすることも好適である。
また、接着層とレリーフホログラム形成層との界面が、レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面となっている構成においては、接着層の屈折率とレリーフホログラム形成層の屈折率との差は、0.1以上とし、この両層の界面、すなわち、ホログラムレリーフ面における、反射光の強度を確保して、その反射光によって再生されるレリーフホログラム形成層によるレリーフホログラム再生像を鮮明なものとすることが必要である。
この両層の屈折率差が、0.1未満であると、上記した反射光の強度が小さくなり、目視ではほとんどレリーフホログラム再生像を視認することができないものとなる。
この構成における接着層は、両層の界面におけるレリーフホログラム再生像の再生に大きな影響を持つが、その界面の背後にあるため、その界面による反射光そのものには直接的な影響を及ぼさず、比較的透明性を犠牲にすることが可能であって(「秘密情報」を視認可能なレベルの透明性は必要。)、比較的屈折率の高い透明な樹脂材料に、屈折率の高い顔料(顔料の屈折率が2.0以上、さらには、3.0以上のもの等。屈折率が3.0を超えると、光散乱性や光遮蔽性が発現する。)を30〜70%程度、混入させることで、透明性がやや低下するものの、高い屈折率を有する層とすることができる。
但し、この反射面の背後であっても、着色していたり、白色となって光を散乱する性質が強いものとなると、「秘密情報」の視認性のみならず、レリーフホログラム再生像の鮮明度にも悪影響を及ぼすこととなることは、接着層においても同様であって、レリーフホログラム形成層に用い得る「高屈折率透明樹脂層」と同様の樹脂を用いることができ、レリーフホログラム形成層に用いる樹脂とのバランスによって、接着層の屈折率をレリーフホログラム形成層の屈折率より、0.3以上大きくすることができ、その界面(反射面)での反射光強度を非常に大きなものとして、より鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させることを可能とする。
特に、レリーフホログラム形成層の上下両面に、それぞれホログラムレリーフを設ける場合には、レリーフホログラム形成層の上下両面が、それぞれのホログラムレリーフの反射面となり、スクラッチオフ後は、レリーフホログラム形成層の上面において、「空気(n=1.0)と、レリーフホログラム形成層の屈折率nHとの差」、そして、レリーフホログラム形成層の下面において、「レリーフホログラム形成層の屈折率nHと、接着層の屈折率nAとの差」が、いずれも、大きくなるように設計する。
例えば、空気n=1.0、レリーフホログラム形成層の屈折率nH=1.5、そして、接着層の屈折率nA=2.0と、0.5ずつ大きくすることで、いずれの界面からも鮮明なホログラム再生像を出現させることができる。
また、この大きさのバランスを調整し、〔n、nH、nA〕の組み合わせを、〔n<nH<nA〕、〔n<<nH<nA〕、〔n<nH<<nA〕、〔n<<nH<<nA〕、〔n<nH>nA〕、〔n<<nH>nA〕、〔n<nH>>nA〕、〔n<<nH>>nA〕等とすることで、レリーフホログラム形成層の上、または下の界面から再生ずるレリーフホログラム再生像の強度(像の明るさを意味する。)を調整することができる。
ここで、〔<〕または、〔>〕とは、その差が、0.1以上という意味であり、〔<<〕または、〔>>〕とは、その差が、0.3以上、さらには、0.5以上という意味である。
一例として、「水」の屈折率n=1.33に近い、「樹脂」としては最も低いものをレリーフホログラム形成層に用いた場合には、接着層に用いられる樹脂の屈折率は、屈折率n=1.83で屈折率差0.5を実現でき、レリーフホログラム形成層として良く用いられるアクリル樹脂(屈折率n=1.47)に対しては、屈折率n=1.97の樹脂をその接着層に用いられる脂層として実現可能である。但し、屈折率差で1.0を超える樹脂の組み合わせを実現することは、その接着層の透明性をある程度犠牲にする以外には方法がない。
また、レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層をそのホログラムレリーフに追従するように接して設けることで、反射性薄膜層そのものをホログラムレリーフ形状として、その反射性薄膜層からの反射光(この反射光がホログラムレリーフの位相を含んでいる。)の強度をより強く、大きいものとし、より鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させることを可能とする。
反射性薄膜層としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、または透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層を用いる場合には、その反射性薄膜層での反射率が非常に高いため、非常に鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させることができるものの、金属光沢反射層を「全面形成」すると、その背後にある「秘密情報」を完全に遮蔽してしまうため、「秘密情報」を視認可能とする目的で、金属光沢反射層の「秘密情報」に該当する領域を開口部とした「部分形成」とする必要がある。透明反射層を設けた場合は、「全面形成」であっても、その背後の「秘密情報」を視認できるため好適である。もちろん、意匠的な効果を求めて、透明反射層をも「部分形成」とすることも好適である。
これらの反射性薄膜層の形成には、真空薄膜法等の物理的薄膜形成方法や、メッキ等の化学的薄膜形成方法を用いることができ、その厚さとして、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるように設けることができる。
さらに、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷を施して、その「地紋」が存在することによる偽造防止性の向上のみならず、不正にスクラッチした際にその「地紋」も同時に削れてしまうことによって、偽造や変造を防止する効果を高めることができる。
但し、スクラッチ隠蔽層上に地紋印刷を設けた場合には、スクラッチ隠蔽層の最表面ではなく、この「地紋印刷の最表面」をカード基材の表面と面一、もしくは、カード基材の表面に対して凹ませることも、上記した理由から好適である。
また、カード基材に埋め込まれたスクラッチ隠蔽層の表面及びカード基材表面に、一様に地紋印刷を施してもよく、さらには、その地紋印刷のデザインが、そのスクラッチ隠蔽層とカード基材表面の境界を跨るものであって、スクラッチ隠蔽層を剥がそうとすると、その境界を跨っている部分が破断されるように設定することも、その偽造防止性を高めることができ、好適である。
この地紋印刷は、主要なデザイン模様の背景となる淡色系のパターンや彩文の印刷のことであり、単色の印刷用インキを使用してもよいが、より偽造防止性を高めるため、多色の印刷用インキを使用することも好ましい。この多色の地紋印刷には、オフセット印刷や、グラビア印刷も使われるが、オルロフ印刷やシムルタン印刷などの特殊な印刷方式もその高い偽造防止性から好適である。
オルロフ印刷とは、凸版多色集合印刷のことであり、それぞれの色のインキに対応する部分版(パターンローラ)に転移したそれぞれの色のインキを中間のローラに集合し、その集合ローラから一つの凸版版面にそれらのインキを同時に着肉する。凸版版面から直接印刷する場合(オルロフ印刷)とゴム胴(ブランケット胴)にインキを転移してから印刷する方法(オフセット・ザンメル)とがある。版面は一つであるが、一つの画線の途中から色を何色かに変化させることが出来るものである。
また、シムルタン印刷とは、複数の版面(平版や樹脂版、もしくは金属版などの凸版版面)を一つのゴム胴(ブラン胴)の周りに配置して、各版面からのインキをゴム胴に集合してから印刷する。印刷位置精度は版胴への版面の取り付け精度でほとんど決まり、カード基材の伸縮などの影響が少ないため、高い見当合わせが安定して可能となるものである。
この地紋印刷のデザインとしては、装飾的効果をあげるための図形であって、規則正しく繰り返される「文様」や、紋章的な感じを含む図文である「紋様」、その他染織等に用いられる「型」として繰り返される意匠等を用いることができる。
特に、スクラッチによって、容易にそのデザインが破壊されることを目的として、それらの画線の幅を非常に細く、30〜100μm程度とした「細線」、もしくは、「細紋」とすることも好適である。
地紋印刷における「地紋」の形成厚さは、1.0〜10.0μmとする。
但し、スクラッチ隠蔽層の表面が「粗い」面であるため、この凹凸に追従して印刷可能なインクジェット方式や、この凹凸に影響され難い感熱転写方式、もしくは、昇華転写方式を用いて地紋印刷を行ってもよい。さらに、このような転写方式を用いて、スクラッチ隠蔽層の凹凸の凸部のみに印刷を行い、不正なスクラッチにより非常に容易に地紋印刷が破壊されるようにすることも好適である。
特に、昇華転写方式は、スクラッチ隠蔽層を構成する樹脂層にのみ浸透し、独特の風合いを醸し出すとともに、同一のものを偽造することが困難であるため好ましい。
また、この地紋印刷を、スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との間にも設け、且つ、そのデザイン及び、形成位置をスクラッチ隠蔽層の上下で同一とすることで、スクラッチ隠蔽層を削った際に、その地紋デザインが、連続したデザインとして視認できるようにすることも、その意外性や偽造防止性を高めるため好適である。
そして、本発明のスクラッチカードのスクラッチ隠蔽層を、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料の両方を含んでいるものとすると、スクラッチカードを不正な目的で曲げたり、湾曲させたりした際に、さらには、そのスクラッチ隠蔽層部分そのものを剥がそうとした際に、スクラッチ隠蔽層に対して、いわゆる「剥離痕」を残すことが可能となり、その偽造防止性を著しく高めることが可能となる。
スクラッチ隠蔽層用のインキ組成物に含める顔料成分としては、上記したごとく、金属系微粉末やそれらの酸化微粉末等(もちろん、窒化物やその他の化合物微粉末でもよい。)の顔料成分を20〜80%含有するものを用いるが、この顔料成分として、平均粒子径1.0μm〜10μmの比較的粒子径の大きい顔料群(「群」とは、複数の顔料を混合することも含める意味。)と、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料群を準備し、これらの混合系を用いることで、粒子径の大きい顔料群の隙間に微粒子顔料群が入り込む構造とし、スクラッチ隠蔽層が極度の変形を受けた際に、微粒子顔料群が粒子径の大きい顔料間の滑り剤の役目を果たして、粒子径の大きい顔料の層内移動を容易かつ不可逆なものとする(塑性変形を生じることを意味する。)。さらに、この「滑り」効果を助長するためにシリコーンオイルやタルク等の滑り性付与剤を1%〜5%添加することも好適である。
スクラッチカードを不正な目的で、90度から180度の「折れ曲がり変形」させると、スクラッチ隠蔽層自体も同様の変形を受け、スクラッチ隠蔽層の一方の面は、カード基材、もしくは、平滑層と固着してズレ変形を生じ難い状態となっていることから、スクラッチ隠蔽層の他方の面にその変形圧力が集中し、上記の塑性変形を大きくして、そのスクラッチ隠蔽層の他方の面に不規則な凹凸や、不規則な裂け目を発生させ、この不規則な凹凸や、不規則な裂け目が、「剥離痕」として視認されることとなる。
このような「剥離痕」をより確実に発生させるためには、粒子径の大きい顔料群と、微粒子顔料群の比率を、10対1〜10対30、特には、10対5〜10対10とすることが好ましい。
粒子径の大きい顔料群10に対して、微粒子顔料群の比率が1未満であると、スクラッチ隠蔽層に「剥離痕」が発生し難くなり、微粒子顔料群の比率が30を超えても、やはり「剥離痕」が発生し難くなる。
さらには、スクラッチ隠蔽層用インキ組成物に用いる樹脂として、凝集破壊し易い脆弱性の樹脂を用いることもこの「剥離痕」の発生を確実なものとするが、この場合には、スクラッチオフ(コインや爪によるスクラッチによりスクラッチ隠蔽層を部分的に除去することを意味する。)を容易とする効果も発現するため好適である。
さらに、スクラッチ隠蔽層と、レリーフホログラム形成層との間に、透明基材を設けることで、スクラッチオフ時に、コインや爪が、直接、レリーフホログラム形成層の表面を削ることを防ぎ、レリーフホログラム形成層の表面の「光学的な鏡面」に対して悪影響を与えることを防止し、且つ、スクラッチ隠蔽層を残渣(削り残りを意味する。)なく、安定して、確実に除去することを容易なものとすることができる。
特に、透明基材として、耐擦傷性が高く、爪等の押圧で変形を生じ難いものを使用することが好ましく、例えば、3次元架橋フィルムのように表面強度が強いもの、または、フッ素系樹脂のような離形性を有して、爪等を滑らせてしまうものを用いると、これらの効果に優れるスクラッチカードとすることができる。
その他については、既に説明した方法を用いて同様に本発明のスクラッチカードを形成することができる。
また、上記した手順において、スクラッチ隠蔽層に対して、直接、ホログラムレリーフの複製を施す場合には、スクラッチ隠蔽層の表面が粗いことから、その表面に原版を押し当てて加熱、且つ、加圧してホログラムレリーフ面を形成しようとすると非常に高い加熱と大きな圧力が必要となり、また、その複製精度も不均一となる。
このため、そのインキ組成物に、粒子径の大きい顔料群と、微粒子顔料群の比率を、10対1〜10対5として配合することで、スクラッチ隠蔽層の塑性変形をし易くすることは、そのような手順においても好ましいものとなる。そして、スクラッチ隠蔽層の最表面を上記したような平圧プレスやロールプレスを用いることにより「光学的な鏡面」とした後に、ホログラムレリーフを複製することで、スクラッチ隠蔽層に形成したホログラムレリーフ面の状態をいわば「鏡面」の状態としたままとすることがより好適である。(ホログラムレリーフ面は、3次元曲面であるため、「平面」に対して用いる「鏡面」という表現は適切ではないが、3次元曲面の状態が「鏡面」のように滑らかであることを例えて「いわば鏡面の状態」と表現した。)
さらに、スクラッチカードのカード基材上に、「秘密情報」を設け、その「秘密情報」を覆うように、レリーフホログラム形成層を設けた後、その上に、スクラッチ隠蔽層を設ける際に、そのスクラッチ隠蔽層をレリーフホログラム形成層をも覆うように設けて、レリーフホログラム形成層の存在をさらに秘匿する。
そもそも、レリーフホログラム形成層上に、スクラッチ隠蔽層を設ける際には、そのレリーフホログラム形成層の上に、同一サイズ(且つ、同一位置。)のスクラッチ隠蔽層を設けて、レリーフホログラム形成層の露出面を全て埋めることとなるが、このとき、レリーフホログラム形成層の断面部分が露出しており(例え、その断面がカード基材内に埋まっていてもそのカード基材そのものが透明性を有していた場合には、そのカード基材を等してその断面を判別することができることを意味する。)、その断面を注意深く観察することで、すなわち、その光沢を観察したり、照明光を当ててその反射光を観察したりすることで、スクラッチ隠蔽層の下に、「なんらかの光学的に透明な層」が存在し、その「層」が「偽造防止目的の光学的な層」であり、もしかしたら、「ホログラム層」であるかもしれないとの推測へと導かれる可能性を否定できない。
もしくは、スクラッチ隠蔽層のサイズを、レリーフホログラム形成層のサイズより、小さく設けた場合には、その可能性をより大きなものとする。この場合には、レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面のみをスクラッチ隠蔽層で覆うように設けてあるか、または、「秘匿すべきホログラムレリーフ」とは異なる、「単なる意匠性目的のホログラムレリーフ」を、第三者が視認できるように設けている。
このような推量を一切させないために、スクラッチ隠蔽層の下は、スクラッチカードのカード基材のみであるかのごとく、レリーフホログラム形成層そのものを覆い隠すように、そのレリーフホログラム形成層の面積より、少なくとも、一回り大きく、例えば、0.5mm〜数mm程度大きいサイズで、スクラッチ隠蔽層を設ける。
特に、「スクラッチ隠蔽層の下にレリーフホログラム形成層が存在する領域」と、「スクラッチ隠蔽層の下にレリーフホログラム形成層が存在しない領域」とにおいて、スクラッチ隠蔽層の形成高さに差がでることで(スクラッチ隠蔽層の表面に段差が現れるという意味。)、やはり、スクラッチ隠蔽層の下に何らかの層が存在するとの推測を招くため、敢えて、レリーフホログラム形成層とほぼ同一の大きさとし、スクラッチ隠蔽層のインキ組成物がその断面に回り込む程度、すなわち、スクラッチ隠蔽層の印刷用製版時、その製版サイズを、0.05〜0.2mm程度を大きくした版を用いて印刷形成する。
または、そのような段差を生じさせないため、スクラッチ隠蔽層の形成を2段階とし、最初のステップにおいて、レリーフホログラム形成層の部分をその領域内に含み、且つ、その部分を除く領域(カード基材上の位置を指す。)に、例えば、レリーフホログラム形成層のサイズの2倍から10倍のサイズのスクラッチ隠蔽層(下層)を、レリーフホログラム形成層の厚さと実質的に同一の厚さ(高さ)で形成し、その上に、今度は、レリーフホログラム形成層の部分を含んで、全体サイズのスクラッチ隠蔽層(上層)を、下層の厚さの1/10〜30/10倍の厚さで設ける。
このように、レリーフホログラム形成層の形成サイズとスクラッチ隠蔽層の形成サイズを異ならせた場合には、レリーフホログラム形成層内の秘匿すべきホログラムレリーフの形成位置と、「秘密情報」形成部の位置は、全面的に重なるものとしても、または、一部重なるものとしてもよい。
このような位置関係の複雑化は、本発明のスクラッチカードを偽造しようとする者に対する牽制となり好適である。
さらに、レリーフホログラム形成層の形成領域以外の領域において、スクラッチ隠蔽層を部分的にスクラッチし難い層として、例えば、「不正」や「開示」等の文字をカード基材上に固着させて、全面スクラッチオフしようとする行為に対する牽制とすることも好ましい。
この場合には、上記した、スクラッチ隠蔽層の下層を設ける際に、予め、スクラッチカードのカード基材面に固着し、且つ、爪等によっては剥がすことができない強度(硬度)を有する樹脂層を用いて、上記の文字パターンの印刷を行っておき、このパターン部分とレリーフホログラム形成層部分を除いて、スクラッチ隠蔽層の下層を設け、それらを全て覆うように、スクラッチ隠蔽層の上層を設ける等の工夫が必要となる。
このようにして得られた、本発明のスクラッチカードを、その外観から観察した場合には、スクラッチ隠蔽層に覆われた「秘密情報」を視認することはできず、また、そのスクラッチカードの中にホログラムが埋め込まれているとは想像もできなかったが、スクラッチカードのスクラッチ隠蔽層をコインで一部削り取ることにより、その削りとった領域から、「秘密情報」と鮮明なレリーフホログラム再生像を同時に視認することができた。
また、スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいる本発明のスクラッチカードのカード基材を湾曲させて、何とかスクラッチ隠蔽層の断面を露出させ、その断面に爪を当てて、スクラッチ隠蔽層を剥離しようとすると、そのカード基材を湾曲させただけで、スクラッチ隠蔽層の表面に「剥離痕」が発生し、不正を働こうとした痕跡を残さずスクラッチ隠蔽層を元の状態に戻すことはもとより、スクラッチカードに何らかの変造を加えようとすることは困難と思われた。
さらには、スクラッチ隠蔽層が、レリーフホログラム形成層を覆うように設けられている本発明のスクラッチカードのスクラッチ隠蔽層を、その下にある「秘密情報」形成部の位置を知らずに一部スクラッチオフしたところ、その領域には「秘密情報」が現れず、結局、やみくもに全てのスクラッチ隠蔽層を剥がすこととなり、正規購入者によるスクラッチオフでないことが一目瞭然となった。このことは、スクラッチカードの正規購入者でない者が、「秘密情報」を覗き見する等の不正を働くことに対する牽制効果を有すると思われた。
本発明の一実施例を示すスクラッチカードH1の断面図である。 本発明の他の実施例を示すスクラッチカードH2の断面図である。 本発明のさらに他の実施例を示すスクラッチカードH3の断面図である。 本発明のさらに他の実施例を示すスクラッチカードH4の断面図である。 本発明のさらに他の実施例を示すスクラッチカードH5の断面図である。 本発明のスクラッチカード9のカード基材1の所定の位置に、「秘 密情報」2を覆うように、接着層7、レリーフホログラム形成層3 、ホログラムレリーフ4、反射性薄膜層6、及びスクラッチ隠蔽層 5を所定の形(図中では「長方形」。)で形成し、カード基材1に 埋め込んだ図である。(図中、「3〜7」で示す。)ここで、(a )は、スクラッチカード9を上から見た図であり、(b)は、その A−A断面図である。(図中、「3〜7」の詳細構成は省略してい る。) スクラッチカード9のカード基材1の上に「秘密情報:12345 678」2を印字した図(「秘密情報」を囲む枠は便宜上記載して あるのみ。) カード基材1の所定の位置に、「秘密情報」2を覆うように、接着 層7、レリーフホログラム形成層3、ホログラムレリーフ4、反射 性薄膜層6、及びスクラッチ隠蔽層5を所定の形(図中では「長方 形」。)で形成し、カード基材1に埋め込んである本発明のスクラ ッチカード9の、そのスクラッチ隠蔽層5上に(最上層に)、さら に、地紋印刷8を設けた図である。(図中、地紋印刷8のみを強調 して図示している。)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(カード基材、及び、「秘密情報」形成部)
本発明のスクラッチカードH1〜H5、及び9に用いられるカード基材1としては、「秘密情報」2表示部を設けることができ、且つ、少なくともレリーフホログラム形成層3及びスクラッチ隠蔽層5をそのカード基材1内に埋め込むことができるものであれば、あらゆる材料、すなわち、プラスチック材料、金属材料、セラミック材料、生体材料、それらの複合材料、さらには、それらを多層構造としたり、さらに複雑に組み合わせたりしたものなどを用いることができる。且つ、その表面や裏面に、本発明のスクラッチカードH1〜H5、及び9の用途に応じた印刷等の手段による適宜な表示を設けたものであってもよい。(図1〜図8参照。図6〜図8では、カード基材1の表面に「☆スクラッチカード☆」などの印刷を施している。)
その形状も、あらゆる形状、すなわち、シート状、フィルム状、板状、立方体状、直方体状、カード形状(磁気カード、ICカード、非接触ICカード、ポストカード、グリーティングカード、名刺、ポイントカード、ライセンスカード、遊戯用カード等の形形状)、はがき形状、リーフ形状、帳票形状、伝票形状、Sメール形状、ラベル形状、シール形状、証券類形状、通帳形状、パスポート形状、郵便物形状、配送物形状、封筒状、袋状、箱状、ケース状、円盤状、ディスク状、楕円体状、球体状、曲面形状、棒状、及びこれらの組み合わせや、これらに変形、切断、穴あけ、接着等の加工処理を施したものなどを採用することができる。さらには、電子端末や、携帯用端末等、あらゆる工業製品やあらゆる商品をもカード基材1として採用することができる。
その厚さも、「秘密情報」2表示部を支持することができ、且つ、ハンドリング可能であればよく、特に制限はないが、通常、3.0μm〜3.0mmの厚さとする。もちろん、封筒状や、箱状のものであれば、その立体形状の寸法は、それぞれの用途に適したものとするため、この範囲内とする必要はない。
但し、これらのカード基材1上に設けた「秘密情報」2をスクラッチ隠蔽層5で秘匿することとなるが、そのスクラッチ隠蔽層5を設けた側、もしくは、その反対側から、カード基材1に対して、1000ルクスを超える強度の大きい可視光線照射や、0.5W/平方センチメートル以上の赤外線照射、0.1W/平方センチメートル以上の紫外線照射、1ギール/分以上のX線照射等、さらには、100kV以上の電子線等の粒子線(以上を総称して「光線」と称する。)を照射して、その「透過『光線』」や「反射『光線』」、さらには、特性X線等から、その秘密情報を読み取ろうという試みに対抗するため、そのカード基材1の性質として、これらの「光線」を「遮蔽」したり、「反射」、もしくは、「散乱」させる性質を保有するものを採用することができる。
すなわち、可視光線照射に対しては、可視光線を遮蔽したり散乱させたりする隠蔽性の高い顔料や、鱗片状の金属材料、さらには、金属板そのもの等をカード基材1中に混入させたり、カード基材1に用いる基紙にコーティングしたり、ラミネートしたり、複合化したりする(以上を総合して、「混在させる」と称する。)。(図示せず。)
赤外線照射に対しては、さらに赤外線吸収剤等を、紫外線照射に対しては、さらに紫外線吸収剤等を、X線照射に対しては、金属板の中でも鉛材料等を、電子線等の粒子線照射に対しては、それらの粒子線を吸収する素材を混在させることで、その効果を増すことができる。
また、これらカード基材1の代表例として、いわゆる「プリペイドカード」として用いられている材料及び形状や、「プラスチックカード」として用いられている材料及び形状、特に、JIS規格(「プリペイドカード JIS X 6310シリーズ」や、JIS X 6301、JIS X 6300シリーズ、JIS X 6320シリーズ、JIS X 6330シリーズ等。)やISO規格(ISO/IEC7810シリーズ、ISO/IEC7816シリーズ、ISO/IEC14443シリーズ、ISO/IEC15457シリーズ等。)で定められているものがある。(図示せず。)
その中でも、その「埋め込み適正」(レリーフホログラム形成層3やスクラッチ隠蔽層5の積層体をそのカード基材1内に安定して埋め込むことができると共に、そのスクラッチ隠蔽層5の最表面とカード基材1の表面とを再現性良く「面一」とすることができる性質をいう。)及び「汎用性」(加工汎用性を含む。この「加工汎用性」とは、「保護層/磁気層/接着層」からなる磁気ストライプをカードカード基材に埋め込む製造ラインや製造条件が確立していることを意味する。)から、「JIS規格やISO規格で定められている『プラスチックカード』として用いられているカード基材及び形状」が望ましい。
これらは、既に、全世界に大量に頒布され、普及しているため、それらをハンドリングしたり、保持することに抵抗感がなく、また、それらを携帯したり、使用したりする場合の周辺機器(入退室用ゲート端末、駅務ゲート端末、クレジットカード端末その他のカード利用機器を意味する。)や、関連グッズ(カードを携帯するためのカード入れや、カード用装飾品等を意味する。)等も既に普及しているため、これらのものに対する適用もスムースであって好適である。
特に、不透明性を有するフィルム状もしくはシート状のプラスチックがその加工適正やコスト面で好ましく、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や耐溶剤性および耐熱性をも有するものが用いられる。例えば、その材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の各種のプラスチックフィルム材料があげられる。そして、これらのプラスチックそのものが透明性を有する場合には、不透明化処理のために、二酸化チタンや炭酸カルシウム等の不透明性付与のための顔料等を適宜練り込むなど、不透明性付与材料を混在させた、フィルム状もしくはシート状のプラスチックを例示することができる。
さらに、これらの材料に、フッ素系樹脂パウダーや、シリコン系樹脂パウダー等を混入したプラスチックフィルムは、耐擦傷性が著しく高く好適である。
そして、少なくともレリーフホログラム形成層3及びスクラッチ隠蔽層5をそのカード基材1内に、加熱温度60℃〜200℃、好適には、80℃〜150℃、且つ、プレス圧力104Pa〜1010Pa(N/平方メートル)、好適には、106Pa〜108Paの条件下で、「面一」に埋め込むことが可能なものが用いられる。
これらのフィルム状もしくはシート状のプラスチック材料からなるカード基材1の厚さは、通常、3.0μm〜1.0mmであるが、スクラッチカードH1〜H5としての加工適正や取り扱い適正から50〜300μmとすることが望ましい。
この厚さが、3.0μm未満であると、このカード基材1上にスクラッチ隠蔽層5を設けたり、もしくは、レリーフホログラム形成層3を設けたりする際の加工適正に劣るものとなり、この厚さが1.0mmを超えると、シート処理や巻き取り処理における取扱いに困難を生じるため好ましくない。(図1〜図8参照。)
具体的には、50μm〜1000μmの厚さの軟質塩化ビニルシートや硬質塩化ビニルシート、もしくは、その組み合わせ(積層体という意味。)が好適である。
カード基材1として、100μmの軟質塩化ビニルシートを用いて、総厚さ30μmのレリーフホログラム形成層3(5μm)及びスクラッチ隠蔽層5(25μm)積層体(幅10mmの帯状。カード基材1の厚さの約1/3の厚さを有する。)を、150℃の加温、及び106Paの加圧にて、3mm厚さの表面鏡面仕上げのステンレス板で挟み込み、「常温→加温→150℃→冷却→常温」の加熱&冷却サイクル(1サイクル30分〜90分。)を通した場合には、積層体が全て、カード基材1内に埋め込まれ、スクラッチ隠蔽層5の最表面とカード基材1の表面が面一となった。
同様の条件下においては、カード基材1の厚さ100μmに対して、5μm〜50μmまでの積層体を「面一」とすることができるが、50μmを超える厚さの積層体に対しては、その境界における段差が、1.0μmを超えるものとなり、「面一」とするためには、より高温、且つ、高圧の条件とする必要が生じる。
しかしながら、上記の条件をより過酷な条件に設定することは、カード基材1の大きな変形や、変質を招き、スクラッチカード9としての用途には不向きであり、カード基材1の厚さに対する埋め込み深さは、「カード基材1の厚さの1/20〜1/2」とする。
また、「面一」の状態とは、上記したように、その境界における段差が、1.0μm以下となった状態を意味するが、「埋め込む小片(上記したストライプ等を意味する。)」のサイズによって、「小片」全体が均一に埋め込まれる場合(「小片」を含むカード基材1の厚さが、「小片」のある個所や、その他の箇所で同一となっている状態。)や、「小片」の埋め込み量に偏りがある場合(「小片」の端部(境界に近い部分)に対して「小片」の中央部の埋め込み量が少なくなっている状態。)、さらには、カード基材1の材料が「小片」の断面を覆い隠すように流動した場合等を含むものとし、結果として「小片」が面一に埋め込まれた状態となることを指す。
さらには、「面一」の状態から「凹んだ状態」とするためには、上記した総厚さ30μm積層体の代わりに「耐熱性を有する剥離性フィルム(10μm)/スクラッチ隠蔽層5(15μm)/レリーフホログラム形成層3(5μm)」の3層積層体を、同一条件下でカード基材1に埋め込み、その剥離性フィルムを剥離することで、スクラッチ隠蔽層5の最表面が、カード基材1の表面より、10μm凹んだ状態とすることができる。
すなわち、この積層体における「剥離性フィルム」の厚さだけ、カード基材1の表面より凹ませることができることとなる。
この「凹み」は、カード基材1の厚さに対して、1/10以下とし、望ましくは、1/20以下とする。
また、このような「剥離性フィルム」は、スクラッチ隠蔽層5の保護層の代用となるため、製造工程中や、流通過程においては残しておき、スクラッチカード9の正規購入者がスクラッチをする直前に剥離するものとすることで、スクラッチ隠蔽層5の最表面の汚れや傷の発生を防止できる。さらに、「剥離性フィルム」は、一旦、剥離すると、もはや、元に戻すことが困難であるため、不正者が接着剤等を塗布して元の状態に戻そうとすると、「剥離性フィルム」の剥離性が損なわれるだけでなく、「段差」が1.0μmを超えてしまい、不正が行われたことを示唆する機能を持つため、「剥離性フィルム」を付加したスクラッチカードとすることも好適である。(凹んだ状態や、「剥離性フィルム」を付加した状態は、図示せず。)
本発明のスクラッチカードH1〜H5、及び9が秘匿する「秘密情報」2としては、文字、図形、記号、模様、マーク、形状、立体、もしくは、これらの結合、または、これらと色彩との結合その他、さらには、識別コード、識別番号、識別文字等のあらゆる識別情報、その他何らかの手段によって識別することが可能なものであれば、特に制限はなく、採用することができる。(図1〜図7参照。)
この識別手段としては、目視識別、携帯カメラ認識やバーコード認識等の光学的識別、機械識別、その他の物理的識別手段等をいう。
識別可能であれば、全てが同一のものであっても、全てが個別のものであってもよく、また、個人や企業、さらには、特定の業界特有のものであってもよい。
また、「意匠」のごとく、物品(物品の部分を含む。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって視覚を通じて美感を起こさせるもの、または、これと類似のものであってもよく、「商標」のごとく、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合であって、業として商品を生産し、証明し若しくは譲渡する者がその商品について使用するもの、または業として役務を提供し若しくは証明する者がその役務について使用するもの、または、これと類似のものであってもよい。その他、「称号」や、「商号」、さらには、種々の場面において照合の対象となるものでもよい。
そして、「文字」には、楷書体、隷書体等のあらゆる書体の文字が含まれ、「記号」には、特殊文字記号、顔文字記号、電気文字記号、地図記号等も含まれ、HTML記号等の限られた業種の限られた場面においてのみ用いられる記号もその特殊性から好ましい。
また、英文字、ギリシャ文字その他各国で使用されている文字や、シンボル、数学記号等も、不正者が瞬間的に覗き見した程度では暗記できないものとなり、好ましい。
さらには、これらの情報の中に、目視等の単なる情報読取手段では判別できない隠し情報や、暗号情報を含ませて、スクラッチカードH1〜H5、及び9の運用を管理する者のみが所定の情報処理手段によって、それらの隠し情報や、暗号情報を判読することができるものとすることも好適である。
このような特殊性を有するものは、正規購入者によってもその登録や照合等の場面で、誤記や誤入力の原因となるため、携帯カメラ認識等の自動認識手段を併用することが好ましい。
以下、これらのものを総称して、「番号等」という。
さらに「秘密情報」2には、暗証番号等、個人認証番号等、口座番号等、その他の個人特有の番号等や、何らかの個別番号等、抽選番号等、管理番号等、もしくは、単なる連続番号等であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号等、さらには、全くの乱数であってスクラッチカードH1〜H5、及び9のカード基材1を作製するときに発生させ作製者含め誰もその番号等の内容を知らないよう工夫した番号等、知ることが許された者(正規な購入者等を意味する。もちろん、スクラッチカードH1〜H5、及び9のシステム設計者や、スクラッチカードH1〜H5、及び9の発行者等が含まれる場合もある。)のみが見ることができ、その他の者は物理的に見ることができないよう設定される番号等を含めることができる。
また、そのスクラッチカードH1〜H5、及び9の用途により、上記した番号等のみならず、文字、図形、マークその他、個人及びそのスクラッチカードH1〜H5、及び9の供給者が共通に認識できるもの(この対象は、いわゆる「情報」全てとなる。)であれば何れも用いることができる。
そして、その認識方法も、少なくとも目視確認により認識できる情報を有しながら、目視以外の認識方法、例えば、光学読取方法、磁気的読取方法、その他、あらゆる物理的もしくは化学的読取方法を採用することができ、且つ、秘密情報と重ねて視認できるレリーフホログラム再生像の中にも、マシンリーダブルホログラム等の、ホログラム再生原理を利用した光学読取方法を含めることもその偽造防止性を高めるために好適である。(認識方法や手段は図示せず。)
これらの「秘密情報」2をスクラッチカードH1〜H5、及び9のカード基材1上に設ける方法としては、可変情報を形成する方式として、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、光学的もしくは物理的直接描画方式、電子写真方式及び、インクジェット方式等があり、固定情報を形成する方式としては、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、活版印刷方式、凹版印刷方式、スクリーン印刷方式等がある。(図1〜図7参照。)
もちろん、電子端末のディスプレー上に「秘密情報」2を表示するものであってもよい。
また、カード基材1そのものを発色材料や消色材料で構成し、その発色原理や消色原理を用いて、可変情報や固定情報を記録する方法を用いてもよい。
すなわち、電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを含有する感熱発色材料からなるカード基材1や、そのカード基材1を構成する基紙となる紙材料やフィルム材料上に、電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを含有する感熱発色層を設けたもの、さらには、それらの基紙上に、カプセル内包の発色剤と顕色剤とからなる感圧発色層を設けたものを、カード基材1として用いることができる。
また、発色と消色を繰り返して操作できる、感温材料等を用いたサーマルリライタブル層や、フルギド系やスピロピラン系などのフォトクロミック材料等を用いる光リライタブル層を同様の目的で、さらには、別の位置に単なる情報表示の目的で設けることも、その意外性や偽造防止性が高まり、好ましい。
特に、これらの「リライタブル層」を設けて、「秘密情報」2を表示させると、正規購入者が、その「秘密情報」2を確認するときのみ「秘密情報」2が現れ、それ以外のときには「非表示」とすることで、不要な第三者による「秘密情報」2の視認を阻止することができる。(カード基材1の種々の構成は図示せず。)
感熱発色材料としては、発色剤、顕色剤、及び、増感剤からなる系を用いることができ、発色剤としては、ベンゾイルロイコメチレンブルー、クリスタルバイオレットラクトン等のフタリド化合物等、顕色剤としては、4−4´ビフェノール、1−ナフトール等の酸など、さらに、増感剤としては、4−ベンジルビフェニル、フルオレン等を用いる。
感熱記録とは,基紙上の層に分散させた発色剤及び顕色剤を熱により溶融させ、接触させることにより発色させる仕組みである。その高感度化のために、低融点の増感剤を添加するが、様々な酸発生方法とこの発色機構を組み合わせることにより、繰り返しの書き込みや消去が可能なリライタブル感熱記録を実現できるものである。例えば、低い熱エネルギーにて発色する赤色感熱記録層と,高い熱エネルギーにて発色する黒色感熱記録層を積層させることにより,その印加エネルギーを使い分けることで赤/黒2色での記録を可能にする2色発色感熱記録材料を用いてもよい。
これらのロイコ系感熱発色材料や、フォトクロミック系光発色材料は、その発色機構である「紫外領域または赤外領域→可視領域への変化」を、「可視領域→紫外領域または赤外領域への変化」とすべく材料選定をすることにより、消色記録材料として用いることができる。
このような消色機構を用いると、正規購入者が、その「秘密情報」2を確認した後、正規購入者の判断により、速やかに、もしくは、適宜なタイミングで、「秘密情報」2を消色(消去)することを可能とし、その偽造防止性を高めることを可能とする。
このようにしてカード基材1上に「秘密情報」2形成部を設け、その「秘密情報」2形成部を覆うように、レリーフホログラム形成層3をカード基材1上に設ける。(図1〜図5参照。)
但し、これらの発色、または、消色機構を用いる場合には、上記したカード基材1への埋め込み条件下ではそれらの変化を示さない材料を使用するか、または、その条件下で変化したとしても、常温に戻すことで元に戻る可逆変化性を有する材料を使用する。
(レリーフホログラム形成層、及び、ホログラムレリーフ)
本発明のスクラッチカードH1〜H5、及び9のカード基材1上に「秘密情報」2形成部を設け、その「秘密情報」2形成部を覆うように、レリーフホログラム形成層3をカード基材1上に設ける。(図1〜図5参照。)
本発明のスクラッチカードH1〜H5、及び9のレリーフホログラム形成層3を構成するための透明樹脂層に用いられる樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。
特には、上記したカード基材1への埋め込み条件下において、変形し難い、耐熱性に優れる熱硬化性樹脂や電離放射線硬化樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、すなわち、ポリメチルメタクリレート(屈折率n=1.49)、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリベンジルメタクリレート(n=1.57)、ポリブチルアクリレート(n=1.44)、ポリイソブチルアクリレート(n=1.48)等、セルロース系樹脂、すなわち、硝酸セルロース(n=1.54)、メチルセルロース(n=1.50)、セルロース・アセテートプロピオネート(n=1.47)等、ビニル系樹脂、すなわち、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)等、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、もしくはポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アクリルウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、メラミン樹脂(n=1.56)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、フェノール樹脂(n=1.60)、シリコン樹脂(n=1.41〜1.60)、もしくは、フッ素化樹脂(n=1.35〜1.38)等が挙げられる。(図1〜図5参照。)
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
また、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコン樹脂やフッ素含有樹脂、さらには、シリコンオイルを混合したもの、または、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂とシリコン樹脂やフッ素含有樹脂を共重合させたものや、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂の分子内にシロキサン結合〔―Si(R1)(R2)−O―〕やフッ素原子〔−F〕を導入したものを用いることができる。
さらには、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコンパウダー微粒子やフッ素パウダー微粒子を分散させたものを用いることもできる。
フッ素化樹脂には、完全フッ素化樹脂として、四フッ素化樹脂、部分フッ素化樹脂として、三フッ素化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フッ素化樹脂共重合体として、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂。四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体などを用いることができる。
さらに、上記の樹脂材料を用いてレリーフホログラム形成層3を形成するには、感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行なって現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作成したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を、上記の樹脂材料をプレス成型や、射出成型、ブロー成型等により作成した透明樹脂層に押し付けることにより、賦型を行ない、ホログラムレリーフ4面を形成する。(図1〜図3及び図5参照。)
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明樹脂層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸がホログラムレリーフ4となる。
なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造(すなわち、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4。)として使用できる。
ホログラムは、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラムなどのレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラムなどの白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーテッドホログラム(CGH)や、ホログラフィック回折格子などがある。また、マシンリーダブルホログラムのように、その再生光を受光部でデータに変換し、「秘密情報」2として、もしくは、「秘密情報」2の一部構成情報として伝達したり、真偽判定を行うものであってもよい。
さらに、微細な凹凸(すなわち、ホログラムレリーフ4。)を精密に作成するため、光学的な方法だけでなく、電子線描画装置を用いて、精密に設計されたレリーフ構造を作り出し、より精密で複雑な再生光を作り出すものであってもよい。このレリーフ形状は、ホログラムを再生する光、もしくは、光源の波長(域)と、再生する方向、及び強度によってその凹凸のピッチや、深さ、もしくは特定の周期的形状が設計される。凹凸のピッチ(周期)は再生角度に依存し、通常0.1μm〜数μmであり、凹凸の深さは、再生強度に大きな影響を与える要素であって、通常0.1μm〜2μmである。
単一回折格子のように、全く同一形状の凹凸の繰り返しであるものは、隣り合う凹凸が同じ形状であればある程、反射する光の干渉度合いが増しその強度が強くなり、最大値へと収束する。回折方向のぶれも最小となる。立体像のように、像の個々の点が焦点に収束するものは、その焦点への収束精度が向上し、再生像が鮮明となる。
また、ホログラムレリーフ4面にホログラム画像の凹凸とは異なる周期や、形状の凹凸が存在すると、それはホログラムもしくは回折格子の再生時のノイズとなり、像を不鮮明にする要因となる。
ホログラムレリーフ4形状を賦形(複製ともいう)する方法は、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記レリーフホログラム形成層3上に、原版を重ねて加熱ロールなどの適宜な手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。形成するホログラムパターンは単独でも、複数でもよい。
上記の極微細な形状を精密に再現するため、また、複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小とするため、原版は金属を使用し、低温、且つ、高圧下で複製を行うことが望ましい。
原版は、Niなどの硬度の高い金属を用いる。光学的撮影もしくは、電子線描画などにより形成したガラスマスターなどの表面にCr、または、Ni薄膜を真空蒸着法、スパッタリングなどにより5〜50nm形成後、Niなどを電着法(電気めっき、無電解めっき、さらには複合めっきなど)により50〜1000μmの厚さで形成した後、それらの金属を剥離することで作ることができる。
高圧回転式の複製に用いるためには、このNi層の厚み精度を高くする必要があり、通常±10μm、好ましくは、±1μmとする。このため、裏面の研磨や、平坦化方法を用いてもよい。
複製方式は、高圧とするため、平板式でなく、回転式を用い、線圧100kg/m〜10000kg/m、好ましくは、5000kg/m以上とする。複製用シリンダーは、その直径が小さいとレリーフの再現性が低下するため、複製シリンダー直径は大きい方が好ましく、通常、直径0.1m〜2.0m、好ましくは、1.0m以上の弧を使用する。
レリーフホログラム形成層3をこの複製用シリンダーに沿って押し当て、裏面より金属製シリンダーにより上記圧力にて複製を実施する。複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小限とするためには、レリーフホログラム形成層3全体を加熱するのではなく、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4面側の一部のみを加熱する方法が望ましい。通常60℃〜110℃に加熱する。さらには、裏面の金属製シリンダーを常温に保つ、もしくは冷却することで、さらにその精度を向上させることができる。
さらに、ホログラムレリーフ4面が、レリーフホログラム形成層3と接着層7との間の界面にある場合も同様の手法を用いて本発明のスクラッチカードH4を作製とすることができ、そして同様の好適な効果を得ることができる。(図4参照。)
この場合には、本発明のスクラッチカードH4のカード基材1上に、「秘密情報」2形成部を設け、その「秘密情報」2形成部を覆うように、接着層7をカード基材1上に設けた後、この接着層7の露出している面に、上記と同様の方法を用いて、ホログラムレリーフ4を複製し、そのホログラムレリーフ4を埋めるように、レリーフホログラム形成層3を、上記と同様の材料、及び、方法を用いて、同様の厚さに形成する。(図4参照。)
この構成の場合には、レリーフホログラム形成層3とその上に設けられるスクラッチ隠蔽層5との界面が、平坦な面となるとともに、スクラッチ隠蔽層5をスクラッチオフする際に、この平坦な面上をコインや爪が引っ掻くこととなり、比較的、スクラッチ隠蔽層5が削れやすく、また、スクラッチカードをの削り残りが発生し難くなって、スクラッチオフ適正に優れるものとなる。
この効果は、レリーフホログラム形成層3中に、シリコン樹脂、または、シリコンオイル等の離型剤を10〜30%の割合で含めていた場合にさらに増幅される。
(スクラッチ隠蔽層、及び、地紋印刷)
本発明のスクラッチカードH1〜H5、及び9のカード基材1上に「秘密情報」2形成部を設け、その「秘密情報」2形成部を覆うように、レリーフホログラム形成層3をカード基材1上に設けた後、そのレリーフホログラム形成層3上に、もしくは、そのレリーフホログラム形成層3を覆うようにスクラッチ隠蔽層5を設ける。(図1〜図5参照。)
本発明のスクラッチカードH1〜H5のスクラッチ隠蔽層5に用いるインキ組成物としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができる。
特には、上記したカード基材1への埋め込み条件下において、変形し難い、耐熱性に優れる熱硬化性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、エチルセルロース、硝酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単独あるいは共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のビニル共重合体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミドや、ポリイミド等を挙げることができる。また、スクラッチオフ性を満足する範囲でこれらの樹脂に硬化剤等を混合して、擦れ等によるスクラッチ隠蔽層5の最表面の不要な剥離や、剥がれを防止してもよい。(図1〜図5参照。)
また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂等をあげることができ、シリコン樹脂として、シリコンゴム(シロキサン結合が5000〜10000の直鎖構造分子。)や、ケイ素樹脂、ゴム系天然樹脂として、天然ゴム、塩酸ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を用いることができる。
さらには、スクラッチオフするという行為における環境影響を考慮して、スクラッチ隠蔽層5に用いるインキ組成物として、生分解性プラスチックを用いることも好適である。
生分解プラスチックとしては、化学合成系として、εーカプロラクトン等のラクトン系樹脂、ポリブチレンサクシネート−アジペート等のポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリ乳酸等、低分子量脂肪族ジカルボン酸と低分子量脂肪族ジオールより合成したポリエステル樹脂等、変性ポリビニルアルコールと脂肪族ポリエステル樹脂と澱粉の混合物等、または、低分子量脂肪族ポリエステルに脂肪族イソシアネートを添加して重合させたものなどが、また、天然物系として、ゼラチンなどの動物性天然物質、セルロースなどの植物性天然物質など、または、ポリヒドロキシブチレート等の微生物生産系物質などが好適である。
スクラッチ隠蔽層5に用いるインキ組成物としては、これらの樹脂成分を含む固形分全体に対して、隠蔽性とスクラッチ性を付与するために、金属系微粉末(アルミニウム粉末、黄銅微粉末、銅微粉末等)やそれらの酸化微粉末、窒化微粉末、その他の化合物微粉末等の顔料成分を20〜80%含有するものを用いる。
また、スクラッチ隠蔽層5の隠蔽性をさらに向上させるために、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の隠蔽性の強い顔料成分を1〜10%含有させてもよい。スクラッチ隠蔽層5用インキ組成物を以上の組成物から構成することにより、印刷適性とスクラッチ性との双方を満足することができるようになる。
スクラッチ隠蔽層5は、この組成物を適宜な溶剤で希釈したものを、レリーフホログラム形成層3上に、もしくは、レリーフホログラム形成層3を覆うように、そして、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4の凹凸を埋めるように、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式を用い、乾燥後の厚さとして、5μm〜50μm、さらには10μm〜30μmの厚さで形成する。(図1〜図5参照。)
さらに、スクラッチ隠蔽層5用インキ組成物として、金属ペースト、樹脂材料及び助剤を、水と低級アルコールに分散せしめて水性エマルジョンインキとしたものも使用でき、特に、レリーフホログラム形成層3の上にスクラッチ隠蔽層5を設ける際に、そのレリーフホログラム形成層3の表面に不要な変形や変質を与えないため好適である。
その金属ペーストの金属としては、銅と亜鉛の合金であるブロンズパウダーや、アルミニウムパウダーを用いる。また、アルミニウムを微粉末化して、脂肪酸等で表面を処理したものを沸点の高い炭化水素溶剤( ミネラルスピリットなど)でペースト状にしたアルミニウムペーストとしてもよい。
これに、一般の印刷インキに使用する黄、マゼンタ、シアンまたは墨用の着色顔料、チタン白等体質顔料を、適宜、含めて着色タイプとしてもよい。
その樹脂材料としては、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂や、ポリアクリル酸系樹脂等を用いることができ、このこれら樹脂材料のエマルジョンをインキ組成物の25 〜50%としてアルミニウムペーストや、着色顔料などに、10〜35%の水と5%未満のイソプロピルアルコールを加えて攪拌して水性のエマルジョンインキとするものである。これに消泡剤や界面活性剤、もしくは防腐剤等の助剤を0.1〜3%添加することもできる。
この水性エマルジョンインキ組成物を用いたスクラッチ隠蔽層5の形成は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法あるいはアニロックスローラーを介して印刷するフレキソ印刷法などが全面印刷あるいは部分印刷に好適な方法として適用され得る。
また、スクラッチ隠蔽層5用インキ組成物として、層内にて凝集破壊し易い脆弱性の樹脂を溶剤に溶かしたものに、隠蔽性の顔料としてアルミニウム粉末(銀色)、真鍮粉末(金色)、銅粉末(赤色)など金属粉末、あるいはタルク、カオリンなどの白色の体質顔料を混合したもの、あるいは、これに適宜色の着色顔料や染料を混合して着色したものを使用できる。
その凝集破壊し易い樹脂としては、異種の樹脂を適宜な配合比率でブレンドしたブレンド樹脂が使用でき、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン系重合体、スチレン−ブタジエンゴム、各種ワックス、ロジン、テルペン系樹脂、テルペン系重合体などの樹脂のうちのいずれか2種以上を適宜比率にて配合したブレンド樹脂が使用できる。
この樹脂を溶解する溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサノン、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体など、又はこれらの混合溶剤が使用できる。
スクラッチ隠蔽層5用インキ組成物に用いられる顔料としては、さらに、有機顔料として、キナクリドン系レッド・マゼンタ、アンスラキノン系レッド・イエロー、ポリアゾ系イエロー、ベンズイミダゾロン系イエロー・オレンジ、フタロシアニン系顔料として、銅フタロシアニンブルー(α型、β型)、銅フタロシアニングリーン、異種金属フタロシアニンブルー、スレン系ブルー、アゾ系顔料として、溶性アゾ顔料(カーミン6B、パーマネントレッド2B他)、不溶性アゾ顔料(ジスアゾ系、モノアゾ系他)、不溶性多環式顔料(赤:キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、橙:ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、黄:キノフタロン、イソインドリノン、緑:フタロシアニン、青:フタロシアニン、インダンスレン、紫:ジオキサジン他)、不溶性レーキ顔料(赤:レーキレッドC、ウォチュングレッド他)等がある。
無機顔料としては、複合酸化物系顔料、微粒子複合酸化物系顔料、紺青、ハイブリッド型顔料等があるが、さらに、弁柄、モリブデンレッド、カドミウムレッド、鉛丹(以上、赤色。)、黄鉛(赤口)、モリブデンオレンジ(橙色)、カドミウムオレンジ(橙色)、群青(ウルトラマリンブルー)、紺青(プルシアンブルー)、コバルトブルー、セルリアン、マンガン青(以上、青色。)、アンバー(茶色。)、黄鉛、カドミウムイエロー、チタン黄、黄色酸化鉄(以上、黄色。)、酸化クロム、コバルトグリーン、ビリジアン、ピーコック(以上、緑色。)、マルス紫、コバルトバイオレット、マンガンバイオレット(以上、紫色。)その他、体質顔料や、金属粉顔料等が用いられる。
これらの顔料の粒径を、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料群、もしくは、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料群として仕上げる。特に、微粒子顔料群は、二次凝集しやすく、再分散処理等を施す必要がある。
さらに、スクラッチ隠蔽層5をレリーフホログラム形成層3上に設ける際、このレリーフホログラム形成層3を覆うように設けて、そのレリーフホログラム形成層3の断面が露出することを防ぎ、レリーフホログラム形成層3の存在をさらに秘匿することができる。(図5参照。)
もちろん、接着層7を設けた構成の場合には、スクラッチ隠蔽層5は、レリーフホログラム形成層3及び接着層7の断面の両方を覆って秘匿することとなる。(図示せず。)
いずれの場合にも、スクラッチ隠蔽層5のレリーフホログラム形成層3からはみ出す部分は、カード基材1面と直接、接着することとなる。
従って、この場合には、スクラッチ隠蔽層5用インキ組成物として、カード基材1、及び、カード基材1上に設けた種々の印刷表示部等との接着性をも考慮して材料選定を行う。
さらに、この「はみ出す部分」は、特にスクラッチオフ適正を持つ必要がないため、カード基材1に強固に接着させて、スクラッチ隠蔽層5のスクラッチオフの際に、カード基材1上に残る部分として設計してよい。
特に、その固着して残る部分を、「所定のパターン状」、すなわち、「不正」、「覗き見」、「削り済み」や「開示」等の「既に削られたことを示す文字や情報を表すパターン状」としてその偽造防止性を高めることができる。
この目的でのスクラッチ隠蔽層5の形成は、上記と同様の印刷方式等を用いることができる。
但し、上記した「所定のパターン状」での固着部分を設けるため、スクラッチ隠蔽層5の形成を2段階に分け、その第一段階として、その「所定のパターン状」にあらかじめ、2液硬化型の樹脂材料における硬化剤等を所定の割合の2倍〜5倍程度添加したスクラッチ隠蔽層5用インキ組成物で、一旦、目的の厚さより薄く設けておき(例えば、目的の厚さの1/5〜3/5等。)、第二段階において、その「所定のパターン状」部分を覆うように(他の部分を埋めるように。)、残りの厚さだけ、スクラッチ隠蔽層5用インキ組成物を上乗せする方法を用いてもよい。
これらのスクラッチ隠蔽層5の上に、本発明のスクラッチカードH1〜H5、及び9の用途に応じたデザインにより、オフセット印刷や、グラビア印刷等を用いて、1.0〜10.0μmの厚さで地紋印刷8を施す。(図8参照。幾何学模様の地紋印刷8を施している。)
スクラッチ隠蔽層5の上に、この地紋印刷8以外の通常デザイン(主要なデザイン模様等)の印刷を施し、その意匠性を高めることができることは言うまでもない。
さらに、スクラッチ隠蔽層5の上に、または、スクラッチ隠蔽層5及び地紋印刷8の上に、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、これらの共重合体さらには電離放射線硬化樹脂等の保護層を、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、インクジェット方式で、1〜3μm厚さに形成して、「秘密情報」2の隠蔽をさらに強化してもよい。(図示せず。)
但し、スクラッチ隠蔽層5の表面が、上記したように、「粗い」面であるため、この凹凸に追従して印刷可能なインクジェット方式や、この凹凸に影響され難い感熱転写方式、もしくは、昇華転写方式を用いて地紋印刷8を行ってもよい。さらに、このような感熱転写方式、もしくは、昇華転写方式を用いて、スクラッチ隠蔽層5の凹凸の凸部のみに印刷を行い、不正なスクラッチにより非常に容易に地紋印刷8が破壊されるようにすることもできる。
特に、昇華転写方式は、スクラッチ隠蔽層5を構成する樹脂層にのみ浸透し、独特の風合いを醸し出すことができる。
また、この地紋印刷8を、スクラッチ隠蔽層5とレリーフホログラム形成層3との間にも設け(この場合には、ホログラムレリーフ4上に地紋印刷8を設け、その上にスクラッチ隠蔽層5を設けるか、または、ホログラムレリーフ4を形成する前に、レリーフホログラム形成層3上に地紋印刷8を設けた後、その上からレリーフホログラム形成層3と地紋印刷8の両方にホログラムレリーフ4を形成する、または、平坦な面であるレリーフホログラム形成層3上に地紋印刷8を設けた後、その上にスクラッチ隠蔽層5を設けるなどの手順となる。)、且つ、そのデザイン及び、形成位置をスクラッチ隠蔽層5の上下で同一とすることで、スクラッチ隠蔽層5を削った際に、その地紋デザインが、連続したデザインとして視認できるようにすることも、その意外性や偽造防止性を高めるため好適である。(図示せず。)
(反射性薄膜層)
本発明のスクラッチカードH3のレリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4に接して、且つ、追従するように反射性薄膜層6を形成する。この反射性薄膜層6は、入射した光を反射する必要があるため、レリーフホログラム形成層3よりも高い屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。(図2参照。)
反射性薄膜層6としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、または透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層の場合には、「秘密情報」2を視認可能(もしくは、所定の識別を可能)とする目的で、金属光沢反射層の「秘密情報」2に該当する領域を開口部とした「部分形成」とする。透明反射層の場合は、「全面形成」であっても、「部分形成」としてもよいが、「秘密情報」2を視認可能な(もしくは、所定の識別が可能な)透明性を持つことが必須である。
反射性薄膜層6の形成には、真空薄膜法等の物理的薄膜形成方法や、メッキ等の化学的薄膜形成方法を用いることができ、その厚さとして、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるように設ける。
透明反射層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がレリーフホログラム形成層3のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できることから、透明なホログラムを作製することができる。
例えば、レリーフホログラム形成層3よりも光屈折率の高い薄膜層には、例として、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITOなどがある。
好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Ti、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Auなどの酸化物または窒化物他はそれらを2種以上を混合したものなど(透明金属化合物)が例示できる。
またアルミニウムなどの一般的な光反射性(可視光波長のほぼ全域にわたる反射、すなわち、「全反射」に近い性質を有する。)の金属薄膜も、厚みが20nm以下になると、透明性が出て使用できる。
透明反射層(透明金属化合物層)の形成は、金属の薄膜と同様、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)などの真空薄膜法などにより設ければよい。特にCVD法はレリーフホログラム形成層3への熱的ダメージが少ない。また、他の薄膜形成法を用いても、形成する薄膜層を薄くしておくと、その熱的ダメージを少なくすることができる。例えば、アルミニウム蒸着層であれば、形成条件によるが、厚さにして、ほぼ20nmのものあたりが、透明性が無くなり全反射性を出現する臨界点である。この厚さは薄膜材料、形成方法、金属加熱温度・真空度等の形成条件により異なる。
(接着層)
接着層7としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。(図3及び図4参照。)
接着層7に用いられる溶剤としては、溶剤類、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン、等。)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液。)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等。)、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチルー3−エトキシプロピオネート等。)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブ等。)等を用いることができる。
接着層7の形成厚さは、1.0μm〜30μmとする。
接着層7の形成方法としては、グラビアコート、ロールコート、コンマコートなどの方法で、カード基材1上、及び、「秘密情報」2上に、塗布し乾燥して形成することができる。また、より精密な印刷を要する場合には、ステンレススクリーン印刷方法や、活版印刷方式、オフセット印刷方式、フォトレジスト処理方式等を用いることができる。(図1〜図5参照。)
接着層7の接着力は、カード基材1、「秘密情報」2、及び、レリーフホログラム形成層3、さらには、反射性薄膜層6と、接着層7との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm巾の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
特に、カード基材1及びカード基材1上の「秘密情報」2形成部との接着力は、本発明の目的より、本発明のスクラッチカードH1〜H5、及び9のカード基材1及びカード基材1上の「秘密情報」2形成部から剥がすことが困難となるレベルまで大きいものとする必要があるが、その接着層7とカード基材1及びカード基材1上の「秘密情報」2形成部との界面の剥離強度よりも、接着層7とレリーフホログラム形成層3または反射性薄膜層6との界面の剥離強度を、より大きいものとなるように設計する。
また、接着層7に高屈折の高い樹脂を用いて、接着層7の屈折率と、レリーフホログラム形成層3の屈折率の差を0.3以上とすることにより、レリーフホログラム形成層3と、接着層7の界面、すなわち、ホログラムレリーフ4の界面からの反射光をより大きくし、この反射光により出現するレリーフホログラム再生像をより鮮明なものとすることができる。(図4参照。)
この場合、接着層7の屈折率を、レリーフホログラム形成層3の屈折率よりも、0.3以上大きくなるように、さらには、その屈折率差が0.5〜1.0となるように設計する。
接着層7を高い屈折率を有する層とする場合には、レリーフホログラム形成層3に用いられる樹脂を適宜選択して用いることができ、その屈折率を大きくするために、微粒子透明顔料や超微粒子顔料を添加する。
その微粒子透明顔料や超微粒子顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、クレー、カオリン、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、珪藻土、石膏、タルク、珪石粉等の体質顔料を細かく粉砕したものや、マイクロシリカ等の無機微粒子、シリコン樹脂やフッ素樹脂粉末等の微粒子樹脂紛体、その他、平均粒径で、0.1μm〜0.01μmとした微粒子顔料や、0.01μm以下とした超微粒子顔料を使用する。
具体的には、天然に産する方解石、氷州席、アラゴナイト、石灰岩、大理石、貝殻、チョーク、重晶石、石膏、ギブス石などを微粉砕したものや、その合成物において平均粒径を調整したもの、さらには、一般的に用いられる無機顔料、や有機顔料においても、超微粒子酸化チタンや超微粒子酸化ジルコニウム等、その平均粒径を、0.01μm以下としたもの等は、適宜な樹脂材料との混合において、透明となるため、好適である。特に、顔料そのものの屈折率が2.0〜3.0であるものが好ましい。この屈折率が3.0を超えるものは、金属光沢が発現し始めるため、その透明性に欠けるものとなるため好ましくない。
具体例としては、超微粒子酸化チタン(石原産業株式会社製TTO−55N:屈折率n=2.4)を適宜な樹脂に分散した場合に、高屈折率樹脂層3としての屈折率は、1.9〜2.0であり、また、超微粒子酸化ジルコニウム(動的光散乱法における平均粒径0.0001μm〜0.05μm)を適宜な樹脂に分散した場合に、「層」としての屈折率は、1.7〜1.9となる。
但し、この粒径のものは、二次凝集しやすく、ニーダー等の適宜な分散処理機に繰り返し通すなどの再分散処理等を施す必要がある。添加量は、屈折率の向上度合いと透明性とのバランスで決められるが、通常1%〜20%添加が好適である。
その形成方法、及び、厚さは、上記した方法、及び、厚さとする。
また、高な屈折率を有する層に使用される樹脂は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
用いる樹脂の屈折率は、例えば、熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47)、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、ニトロセルロース樹脂(n=1.54)、酢酸ビニル樹脂(n=1.47)、もしくは、ポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、ウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、もしくはフェノール樹脂(n=1.60)等である。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート(n=1.55)、ウレタンアクリレート(n=1.54)、アクリル変性ポリエステル(n=1.64)等である。
さらに、環境に配慮して、上記したと同様の生分解性プラスチックを用いることもできる。
このようにして形成した本発明のスクラッチカードH1〜H5、及び9を、通常の照明光下で、観察したところ、「スクラッチカード」であると判断できたが、そのスクラッチ隠蔽層5の下に隠されていると推定される「秘密情報」2は、全く視認できず、また、このスクラッチ隠蔽層5の下にレリーフホログラム形成層3まで埋め込まれているとは、到底、想像すらできないものであった。(図1〜図6参照。)
この際、カード基材1上の所定の位置に、「秘密情報」2として、連続数字1〜8が印字されており(図7参照。図7には、その所定の位置を示す枠が便宜上表示されている。)、その「秘密情報」2を覆うように、接着層7、レリーフホログラム形成層3及びスクラッチ隠蔽層5、さらには、反射性薄膜層6が設けられ、そして、埋め込まれることとなる。(図1〜図6参照。)
また、本発明のスクラッチカード9のスクラッチ隠蔽層5上に、幾何学模様からなる地紋印刷8を施した。(図8参照。)
いずれの場合も、目視では、スクラッチ隠蔽層5で覆われた「秘密情報」2を、視認することはできず、また、これらの外観からは、そのスクラッチカードH1〜H5、及び9の中にレリーフホログラム形成層3が存在することはとても知り得ない状態であった。
そして、本発明のスクラッチカードH1〜H5、及び9のスクラッチ隠蔽層5、もしくは、地紋印刷8とスクラッチ隠蔽層5を、コインを用いて部分的に削り取ると、その削り取った領域から、その下に隠れていた「秘密情報」2を視認できたが、同時に、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4から再生されるレリーフホログラム再生像が出現し、その高い意匠性を確認するとともに、このようなスクラッチカードH1〜H5、及び9を偽造することは非常に困難であると思われた。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)
スクラッチカード9のカード基材1として、厚さ560μmの硬質塩化ビニルシートを、厚さ100μmの軟質塩化ビニルシート2枚で挟み込み、総厚さ760μmの3層積層塩化ビニルシート(クレジットカードサイズ)を用いる。
所定のデザイン印刷は、その硬質塩化ビニルシート上にオフセット印刷にて施した後、所定のラミネート条件にて、3層積層体とした。(図1及び、図6参照。カード基材1の積層状況は図示せず。)
このカード基材1の所定の領域に、インクジェットプリンターにて、「秘密情報」2として、「12345678」の番号(各数字文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mmm。)を印字した。(図1及び、図7参照。)
そのカード基材1上の所定の位置に、且つ、その「秘密情報」2を覆うように、下記組成のレリーフホログラム形成層3用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、タテ10mm×横30mmのサイズで形成し、乾燥後の厚さとして、レリーフホログラム形成層3を5.0μmの厚さで形成した。(図1参照。図1は、既に「埋め込み」処理が完了した状態を示している。)
<レリーフホログラム形成層3用インキ組成物>
メラミン樹脂 30部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
ここで、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(レリーフホログラム)を備えたNi原版を用意し、上記したレリーフホログラム形成層3に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力2000kg/m、複製速度10m/分)にて、ホログラムレリーフ4(Ni原版のレリーフ形状)をレリーフホログラム形成層3上に形成した。(図1参照。)
次いで、このレリーフホログラム形成層3上に、そのホログラムレリーフ4を埋めるように、下記組成のスクラッチ隠蔽層5用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、スクラッチ隠蔽層5を15μmの厚さで形成し、表面を鏡面仕上げしたステンレス板に挟みこみ、120℃、106Pa、及び60分の加熱、加圧、及び冷却処理を施して、スクラッチ隠蔽層5の最表面とカード基材1の表面を「面一」として、実施例1のスクラッチカードH1、もしくは、9を得た。(図1及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5」となる。)
<スクラッチ隠蔽層5用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
この実施例1のスクラッチカードH1、もしくは9を、通常の蛍光灯下で観察したところ、スクラッチカードH1、もしくは9上にて、「銀色の埋め込まれた印刷層」を観察できるのみであり、その下、及びその中に形成されている、「秘密情報」2や、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。(図1及び図6参照。)
次いで、このスクラッチカードH1、もしくは9上の「銀色の埋め込まれた印刷層」をコインで引っ掻くと、スクラッチ隠蔽層5が部分的に削れ、その削れた部分から、「秘密情報」2の一部を視認でき、同時に、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」が出現して、このスクラッチカードH1、もしくは9を偽造することは、困難と思われた。(図示せず。)
(実施例2)
実施例1のホログラムレリーフ4面上に、電子線加熱式真空蒸着機を使用して、TiOx薄膜を、200nmの厚さで形成して、反射性薄膜層6とし、その反射性薄膜層6の上に、スクラッチ隠蔽層5を設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のスクラッチカードH2を得た。(図2及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜6」となる。)
このスクラッチカードH2、もしくは、9上のスクラッチカードH2を実施離1と同様に評価したところ、レリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」がより鮮明に出現し(図示せず。)、このシートを偽造することは、より困難と思われたこと以外は実施例1と同様の良好な結果を得た。
(実施例3)
実施例1のスクラッチ隠蔽層5のレリーフホログラム形成層3と接している面とは反対の面(スクラッチ隠蔽層5の露出している面)上に、昇華転写プリンターにて幾何学模様からなる黄色の地紋印刷8を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のスクラッチカードH1、もしくは9を得た。(図1、図6及び図8参照。図1において、地紋印刷8は図示していない。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5」となる。)このとき、昇華転写プリンターの印字部分、すなわち、地紋印刷8の部分はスクラッチ隠蔽層5に浸透しており、スクラッチ隠蔽層5の最表面と、地紋印刷8の表面は同一面を形成している。
このスクラッチカードH1、もしくは9を実施離1と同様に評価したところ、地紋印刷8が独特の風合いを呈して金色に観察されたこと、及び、コインでスクラッチしたところ、地紋印刷8とスクラッチ隠蔽層5が同時に削れ、このシートの偽造が、より困難と思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例4)
実施例1において、レリーフホログラム形成層3を下記組成のレリーフホログラム形成層3用インキ組成物を用いて形成し、屈折率n=1.71の高屈折率樹脂層としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のスクラッチカードH1、もしくは、9を得た。(図1及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5」となる。)
<レリーフホログラム形成層3用インキ組成物:>
ウレタン樹脂(屈折率n=1.63) 30部
超微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.001μm、屈折率n=2.10)
5部
トルエン 5部
イソプロピルアルコール 34部
ブチルセルソルブ 25部
このスクラッチカードH1、もしくは9を実施離1と同様に評価したところ、コインでスクラッチしたときのレリーフホログラム形成層3のホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明に出現したこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例5)
実施例1において、そのカード基材1及び、その「秘密情報」2を覆うように、下記組成の接着層7用接着剤組成物をステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、接着層7を3.0μmの厚さで形成し、(図3参照。)その上に、レリーフホログラム形成層3を設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のスクラッチカードH3、もしくは9を得た。(図3、及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5、及び7」となる。)
このスクラッチカードH3、もしくは9を実施離1と同様に評価したところ、「秘密情報」2が接着層7で、カード基材1以上にしっかりと固定されており、スクラッチオフ適正に優れると思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
・<接着層7用接着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30部
イソホロンジイソシアネート 0.1部
トルエン 10部
イソプロピルアルコール 20部
酢酸エチル 30部
エチルセルソルブ 10部
(実施例6)
実施例5のレリーフホログラム形成層2、及び、接着層7として、下記組成のインキ組成物を用いたこと、さらに、ホログラムレリーフ4の複製を、レリーフホログラム形成層3上にではなく、接着層7上に施したこと、そして、その接着層7上のホログラムレリーフ4を埋めるようにレリーフホログラム形成層3を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のスクラッチカードH4もしくは9を得た。(図4及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5、及び7」となる。)
<レリーフホログラム形成層3用インキ組成物>
ポリブチルアクリレート(n=1.44) 30部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
・<接着層7用インキ組成物:屈折率n=1.85の高い屈折率を持つ層>
ウレタン樹脂(屈折率n=1.60) 30部
超微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.001μm、屈折率n=2.10)
6部
トルエン 5部
イソプロピルアルコール 34部
ブチルセルソルブ 25部
このスクラッチカードH4もしくは9を実施離5と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、コインがレリーフホログラム形成層3の平坦な面上を擦ることとなり、スクラッチ隠蔽層5の削り残りが発生することなく、きれいに除去することができ、スクラッチオフ適正に優れると思われたこと、及び、ホログラムレリーフ4によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと以外は、実施例5と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例7)
実施例1において、下記組成のスクラッチ隠蔽層5用インキ組成物を用いて、同様の方式、同様の厚さで、スクラッチ隠蔽層5を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7のスクラッチカードH1、もしくは9を得た。(図1及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5」となる。)
<スクラッチ隠蔽層5用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料アルミペースト アルミニウム微粉末(平均粒径8μm) 30部
微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.01μm) 20部
シリコーンオイル 5部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 5部
このスクラッチカードH1、もしくは9を実施離1と同様に評価し、さらに、そのスクラッチ隠蔽層5を剥がすべく、カード基材1を90度近く湾曲させたところ、実施例1と同様の良好な結果に加え、スクラッチ隠蔽層5のスクラッチオフしていない部分に「剥離痕」状のシワが発生し、そのシワがカード基材1を再び平らな状態に戻しても消えず(逆に、シワが発生した部分に、一部、裂け目まで発生。)、固定化してしまったことから、このシートの偽造が非常に困難であると思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例8)
実施例1において、スクラッチ隠蔽層5の印刷サイズを、タテ12mm×横32mmのサイズで、レリーフホログラム形成層3の天地左右に1mmずつはみ出すように形成したこと、及び、レリーフホログラム形成層3の厚さを3.0μmとし、且つ、スクラッチ隠蔽層5の厚さを20μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8のスクラッチカードH5、もしくは9を得た。(図5及び図6参照。図6において、「秘密情報」2を覆う層は、「3〜7」でなく、「3〜5」となる。)
このスクラッチカードH5、もしくは9を実施例1と同様に評価したところ、スクラッチカードH5、もしくは9上において、レリーフホログラム形成層3の断面を視認すべく、斜め上方から照明光を当てたり、拡大鏡を用いて観察したが、一切、その断面を視認することができず、レリーフホログラム形成層3の秘匿性が増したと感じたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。
(比較例)
実施例1において、レリーフホログラム形成層3を設けず、スクラッチカードを形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例のスクラッチカードを得た。
このスクラッチカードを実施例1と同様に評価したところ、スクラッチオフにより、「秘密情報」2を視認することはできたが、ホログラム再生像は出現せず、通常のスクラッチカードと判明し、容易に偽造が可能と推定された。
H1〜H5、9 スクラッチカード
1 カード基材
2 「秘密情報」(「秘密情報」2として、「12345678」が形成さ れており、それを模式的に示している。)
3 レリーフホログラム形成層
4 ホログラムレリーフ
5 スクラッチ隠蔽層
6 反射性薄膜層
7 接着層
8 地紋印刷

Claims (9)

  1. カード基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチカードであって、
    前記秘密情報を覆うように、レリーフホログラム形成層及びスクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、且つ、前記レリーフホログラム形成層及び前記スクラッチ隠蔽層が前記カード基材に埋め込まれて、前記スクラッチ隠蔽層の最表面が、前記カード基材の表面と面一、または、前記カード基材の表面から凹んだ位置にあり、
    前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチカード。
  2. 前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスクラッチカード。
  3. 前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層と接している面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクラッチカード。
  4. 前記レリーフホログラム形成層が高屈折率透明樹脂層であって、前記レリーフホログラム形成層の屈折率が、1.7より大きいことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスクラッチカード。
  5. 前記カード基材と前記レリーフホログラム形成層との間に、接着層が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のスクラッチカード。
  6. 前記レリーフホログラム形成層の前記ホログラムレリーフ面が、前記カード基材側に設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のスクラッチカード。
  7. 前記接着層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率より、0.3以上大きいことを特徴とする請求項6に記載のスクラッチカード。
  8. 前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のスクラッチカード。
  9. 前記スクラッチ隠蔽層が、少なくとも前記レリーフホログラム形成層を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のスクラッチカード。
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