JP2014226827A - 成形型用の大気圧プラズマ処理装置及び処理方法 - Google Patents

成形型用の大気圧プラズマ処理装置及び処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】移動式の大気圧プラズマ処理装置を用いて、樹脂成形装置の成形型を取り外すことなく、成形型の型面をクリーニングする、又は、成形品と成形型との離型性を向上させる。【解決手段】樹脂成形装置1とは別に構成された移動式の大気圧プラズマ処理装置11において、プラズマ照射部13を設けたプラズマ照射ユニット14、駆動機構15、高周波電源16、複数のガス供給機構22、23、24、排気機構18等を備える。大気圧プラズマ処理装置11を樹脂成形装置1の周辺に移動させ、駆動機構15によってプラズマ照射ユニット14を樹脂成形装置1の成形型の型面に近接又は密着させる。プラズマ照射ユニット14内に設けたプラズマ照射部13にガスを供給して高周波電圧を印加することによって、大気圧状態でプラズマを成形型の型面に照射する。【選択図】図3

Description

本発明は半導体などの電子部品の樹脂封止装置や樹脂成形装置などが有する成形型を対象にして、成形型の型面をクリーニングする、又は、成形品と成形型との離型性を向上させる成形型用の大気圧プラズマ処理装置及び処理方法に関するものである。
従来、半導体などの電子部品の樹脂成形においては、例えば、樹脂成形装置の成形型に設けられたキャビティに溶融した流動性樹脂を注入し、硬化に必要な時間だけ流動性樹脂を加熱して硬化樹脂を成形している。樹脂成形された成形品は型開きすることによって成形型から離型される。樹脂成形を繰り返して成形品を製造していくと、離型時に樹脂に含まれる成分からなる付着物(有機物系や酸化物系などからなる付着物)が成形型に付着して堆積していく。樹脂成形する毎に成形型に付着物が堆積していくと、成形品と成形型との離型性が低下する。離型性が低下すると離型不良を起こすおそれがある。
樹脂成形装置の成形型に堆積した付着物は、離型性を維持するために定期的にクリーニングして除去しなければならない。樹脂成形装置から成形型を取り外してクリーニングすると生産性や作業性が低下する。したがって、樹脂成形装置から成形型を取り外すことなく、付着物を除去する方法が要望されている。
樹脂成形装置から成形型を取り外さないでクリーニングするする方法として、メラミン樹脂や合成ゴムを主成分としたクリーニング材を用いる方法がある。トランスファ方式やコンプレッション方式(圧縮成形方式)の樹脂成形装置に対応したクリーニング材を用いて成形型をクリーニングすることができる。
ところが、クリーニング材を用いる方法では、作業者が手作業でクリーニングをする必要がある。例えば、トランスファ方式の樹脂成形装置の場合は、作業者が手作業でポットにクリーニング材を入れ、手動でクリーニング材による成形を数回行うことによって付着物を除去している。また、クリーニング材による成形を行った後は、さらに離型回復材を用いた成形も数回行っている。そして、本来の樹脂材料を用いてダミーショットを数回行った後に生産を再開している。このように、クリーニング材を用いる方法では、1台の成形装置をクリーニングして生産を再開するのに数時間から半日を要し、作業性についてはさらなる改善が必要である。また、クリーニング材や離型回復材は成形することによって廃棄物となる。したがって、この廃棄物を処分しなければならないという問題も生じる。
さらに、近年はパッケージが軽薄化する傾向にあり、硬化樹脂とリードフレーム又は基板との接着性を増す必要性が高まっている。そのため、樹脂にも接着性を増す材料が添加される。樹脂の接着性を増すことによって、樹脂が成形型にも付着しやすくなる。また、環境対応の樹脂が普及することによっても、樹脂が成形型に付着しやすくなり、離型不良の発生が増加する傾向にある。したがって、樹脂成形装置の成形型をクリーニングする回数も多くなって、生産性が低下する。成形型に樹脂の付着を防止する技術、及び、成形型に付着した付着物を除去する技術の双方がますます重要になってきている。
成形型に樹脂の付着を防止又は低減する半導体装置の製造装置として、「被成形品から半導体装置を製造する半導体装置の製造装置であって、前記被成形品を型締めして溶融樹脂を注入して成形する成形金型と、大気圧プラズマ処理によって前記成形金型のパーティング面を疎水性に改質する大気圧プラズマ処理装置と、を有することを特徴とする」製造装置が提案されている(特許文献1の段落[0008])。
さらに、上記の製造装置では、「大気圧プラズマ処理装置のノズルの移動機構を既に設けられているローダー又はアンローダーの移動手段が兼ねることができる。大気圧プラズマ処理装置に専用のノズル移動機構を設ける必要がないので、小型化とコストダウンを図ることができる」と述べられている(例えば、特許文献1の段落[0011])。
特開2010−153525号公報
しかしながら、上記の製造装置では、次のような問題点が発生する。大気圧プラズマ処理装置を構成するノズルの部分は既に設けられているローダー又はアンローダーに設けることができる。ところが、大気圧プラズマ処理装置として機能させるためには、ノズル以外にノズルに高周波電圧を印加する高周波電源、ノズルにプラズマを発生させるためのガスを供給するガス供給機構などがさらに必要となる。従来の製造装置の構成に加えて、高周波電源やガス供給機構などを組み込む必要があるので、製造装置全体が大型化して装置の費用も高くなってしまう。
本発明は上記の課題を解決するもので、樹脂成形装置とは別に構成された移動式の大気圧プラズマ処理装置を用いて樹脂成形装置の成形型を取り外すことなくプラズマ処理を行い、成形型の型面をクリーニングする、又は、成形品と成形型との離型性を向上させる大気圧プラズマ処理装置及び処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る成形型用の大気圧プラズマ処理装置は、成形装置に設けられた成形型の型面に大気圧状態でプラズマを照射するプラズマ照射部を有するプラズマ照射ユニットと、プラズマ照射ユニットを運動させる駆動機構と、プラズマ照射部にガスを供給するガス供給機構と、プラズマ照射部に高周波電圧を印加する高周波電源と、プラズマを照射することによって生成された反応生成物を排気する排気機構とを備えた成形型用の大気圧プラズマ処理装置であって、成形装置とは別に構成され、成形装置の周辺を移動することができ、プラズマ照射ユニットを成形型の型面に近接又は密着させて配置し、プラズマ照射部にガスを供給して高周波電圧を印加することによってプラズマ照射部から成形型の型面にプラズマを照射することを特徴とする。
また、本発明に係る成形型用の大気圧プラズマ処理装置は、上述した大気圧プラズマ処理装置において、大気圧プラズマ処理装置は少なくとも成形装置を含む成形装置群の周辺を移動して、成形装置群に設けられた各成形型の型面にプラズマを照射することを特徴とする。
また、本発明に係る成形型用の大気圧プラズマ処理装置は、上述した大気圧プラズマ処理装置において、ガス供給機構は複数個設けられ、複数個のガス供給機構がそれぞれ有機物系の付着物を除去する効果を有するガス、酸化物系の付着物を除去する効果を有するガス、又は、成形型の型面から成形品を離型する効果を向上させるガスのいずれかを供給することを特徴とする。
また、本発明に係る成形型用の大気圧プラズマ処理装置は、上述した大気圧プラズマ処理装置において、プラズマ照射ユニットは成形型に密着し、プラズマ照射部はプラズマ照射ユニット内を移動する機構を有し、プラズマ照射部をプラズマ照射ユニット内において移動させながらプラズマ照射部から成形型の型面にプラズマを照射することを特徴とする。
また、本発明に係る成形型用の大気圧プラズマ処理装置は、上述した大気圧プラズマ処理装置において、プラズマ照射ユニットは成形型に近接し、プラズマ照射部はプラズマ照射ユニットに固定された状態において、駆動機構を用いてプラズマ照射ユニットを移動させながらプラズマ照射部から成形型の型面にプラズマを照射することを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る成形型用の大気圧プラズマ処理方法は、上述した大気圧プラズマ処理方法において、プラズマ照射部を有するプラズマ照射ユニットを成形装置の成形型の型面同士の間に進入させる工程と、プラズマ照射部にガスを供給する工程と、プラズマ照射部に高周波電圧を印加する工程と、プラズマ照射部から成形型の型面に大気圧状態でプラズマを照射する工程と、プラズマを照射する工程によって生成された反応生成物を排気する工程とを含む成形型用の大気圧プラズマ処理方法であって、成形装置とは別に構成されプラズマ照射ユニットを有する大気圧プラズマ処理装置を成形装置の近辺に移動させる工程と、プラズマ照射ユニットを成形型の型面に近接又は密着させる工程とを備え、プラズマを照射する工程では、プラズマ照射部にガスを供給した状態において高周波電圧を印加することによってプラズマ照射部から成形型の型面に前記プラズマを照射することを特徴とする。
また、本発明に係る成形型用の大気圧プラズマ処理方法は、上述した大気圧プラズマ処理方法において、移動させる工程では、少なくとも成形装置を含む成形装置群の周辺に大気圧プラズマ処理装置を移動させ、プラズマを照射する工程では、成形装置群に設けられた各成形型の型面にプラズマを照射することを特徴とする。
また、本発明に係る成形型用の大気圧プラズマ処理方法は、上述した大気圧プラズマ処理方法において、ガスとして複数の種類のガスを用意する工程を備え、複数の種類のガスには、有機物系の付着物を除去する効果を有するガス、酸化物系の付着物を除去する効果を有するガス、又は、成形型から成形品を離型する効果を向上させるガスのうち少なくとも1つを含めることを特徴とする。
また、本発明に係る成形型用の大気圧プラズマ処理方法は、上述した大気圧プラズマ処理方法において、プラズマ照射ユニットを成形型の型面に密着させる工程を備え、プラズマを照射する工程では、プラズマ照射ユニット内においてプラズマ照射部を移動させながらプラズマ照射部から成形型の型面にプラズマを照射することを特徴とする。
また、本発明に係る成形型用の大気圧プラズマ処理方法は、上述した大気圧プラズマ処理方法において、プラズマ照射部を固定したプラズマ照射ユニットを成形型に近接させる工程を備え、プラズマを照射する工程では、プラズマ照射ユニットを移動させながらプラズマ照射部から成形型の型面にプラズマを照射する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、成形装置に設けられた成形型を取り外すことなく、成形装置とは別に構成された移動式の大気圧プラズマ処理装置を用いて、大気圧状態で成形型の型面をプラズマ処理することができる。成形装置の周辺に大気圧プラズマ処理装置を移動させてプラズマ照射ユニットを成形装置の成形型に近接又は密着させてプラズマ処理することができる。したがって、従来の成形装置の構成を維持した状態で、成形型の型面をクリーニングする、又は、成形品と成形型との離型性を向上させることが可能となる。
本発明が適用される樹脂成形装置で、装置の概要を示す正面図である。 本発明に係る大気圧プラズマ処理装置の実施例において、装置の概要を示す側面図である。 本発明に係る大気圧プラズマ処理装置の実施例1において、樹脂成形装置の成形型をプラズマ処理する状態を示す概略図である。 図3で示した大気圧プラズマ処理装置におけるプラズマ照射部によって成形型をプラズマ処理している状態を示す部分断面図である。 本発明に係る大気圧プラズマ処理装置の実施例2において、樹脂成形装置の成形型をプラズマ処理する状態を示す概略図である。 図5で示した大気圧プラズマ処理装置におけるプラズマ照射部によって成形型をプラズマ処理している状態を示す部分断面図である。 図6で示した大気圧プラズマ処理装置におけるプラズマ照射部の周辺にプラズマカバーを設けて成形型をプラズマ処理している状態を示す部分断面図である。 本発明に係る大気圧プラズマ処理装置の実施例3において、樹脂成形装置の成形型の両面をプラズマ処理している状態を示す部分断面図である。 プラズマ照射部と高周波電源とガス供給機構との構成を示す概略図である。 プラズマ照射部において、変形した内側電極及び外側電極の形状を示す部分断面図である。
樹脂成形装置とは別に構成された移動式の大気圧プラズマ処理装置において、プラズマ照射部を設けたプラズマ照射ユニット、駆動機構、高周波電源、複数のガス供給機構、排気機構などを備える。大気圧プラズマ処理装置を樹脂成形装置の周辺に移動させ、駆動機構によってプラズマ照射ユニットを樹脂成形装置の成形型の型面に近接又は密着させる。プラズマ照射ユニット内に設けたプラズマ照射部にガスを供給して高周波電圧を印加することによって、大気圧状態でプラズマを成形型の型面に照射する。
本発明に係る大気圧プラズマ処理装置の実施例1について、図1〜図4を参照して説明する。本出願書類におけるいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
図1は、本発明が適用される樹脂成形装置の1例で、装置の概要を示す正面図である。樹脂成形装置1には、基盤2と、基盤2上の四隅部に設けられたタイバー3と、タイバー3の上端部に固定された固定盤4とが設けられている。固定盤4の下面には、上型プレート5が設けられ、上型プレート5内に樹脂成形用の上型6が設けられている。固定盤4の下方には、固定盤4に相対向して可動盤7が設けられている。可動盤7は、固定盤4に対して昇降できるようにタイバー3に取り付けられている。可動盤7の上面には、上型プレート5に相対向して下型プレート8が設けられ、下型プレート8内に樹脂成形用の下型9が設けられている。上型6と下型9とは相対向して設けられ、併せて成形型を構成する。上型プレート5及び下型プレート8には、上型6及び下型9を加熱するためのヒータ(図示なし)が内蔵されている。上型プレート5及び上型6と下型プレート8及び下型9とは100〜185℃程度に加熱されている。上型6及び下型9は、樹脂成形する対象に応じて上型プレート5及び下型プレート8内で簡単に取り替えができるように構成されている。型締め機構10は、型締めと型開きとを行うために可動盤7を昇降させる機構である。例えば、トグル機構や油圧シリンダからなる型締め機構10を用いて可動盤7を昇降させることによって、上型6と下型9とで型締めと型開きとを行う。
図2は、本発明に係る大気圧プラズマ処理装置の実施例1において、装置の概要を示す側面図である。大気圧プラズマ処理装置11は、電動式又は手動式によって複数の樹脂成形装置(例えば、図1の樹脂成形装置1)の近くまで移動して設置できるように構成されている。大気圧プラズマ処理装置11は、床の上を移動して、樹脂成形装置1のそばで停止する。大気圧プラズマ処理装置11において、台車12上には大気圧状態でプラズマ処理を行うために必要な機構が搭載されている。プラズマ照射部13を内部に設けたプラズマ照射ユニット14、プラズマ照射ユニット14を駆動する駆動機構15、プラズマ照射部13に高周波電圧を印加する高周波電源16、プラズマ照射部13にガスを供給するガス供給機構17、プラズマを照射することによって生成された反応生成物を排気する排気機構18、これらの構成要素をすべて制御する制御装置19などが台車12上に設けられている。
図2に示すように、プラズマ照射ユニット14は、駆動機構15によってX方向とY方向とZ方向とにそれぞれ移動できるように構成されている。さらに、プラズマ照射ユニット14は、X方向を軸にして回転できるように構成されている。したがって、樹脂成形装置1(図1参照)の上型6又は下型9の型面のどちらにもプラズマを照射することができる。プラズマ照射ユニット14の移動及び回転する動作は、駆動機構15及び中継器20の駆動機構によって、連結部21を介して行われる。
プラズマ照射ユニット14内に設けられたプラズマ照射部13は、中継器20及び連結部21を介して、高周波電源16に電気的に接続されているとともに、配管によってガス供給機構17に接続されている。したがって、プラズマ照射部13にガス供給機構17から必要なガスを供給し、かつ、高周波電源16から周波数13.56MHzの高周波電圧を印加することによってプラズマを発生させることができる。プラズマ照射部13には、ガス供給機構17から処理する目的に応じたガスが供給される。図2では、ガスを供給するラインとしてガス供給機構17の1ラインのみを示しているが、複数のガス供給機構を設けることができる。複数のガス供給ラインを設けることによってガスの切り替えや最適なガスに混合することができる。複数のガス供給ラインを設けることによって、樹脂成形装置1において成形型に付着した付着物を除去すること、及び、成形型の型面を離型性に優れた型面に改質することが可能となる。プラズマ処理することによって生成された反応生成物は、排気機構18によってダクト(図示なし)に排気される。
制御装置19によって、プラズマ照射ユニット14の運動、すなわち移動及び回転、高周波電源16による高周波電圧の印加、ガス供給機構17によるガスの供給、排気機構18による反応生成物の排気など、プラズマ処理をするために必要な動作が制御される。なお、プラズマ処理するための動作に必要な信号は、中継器20及び連結部21に設けられた配線を介してプラズマ照射ユニット14及びプラズマ照射部13に伝えられる。
図3は、本発明に係る大気圧プラズマ処理装置11を用いて、樹脂成形装置1の成形型(上型6又は下型9)をプラズマ処理する状態を示す。図3においては、プラズマ照射部13にガスを供給する機構として、ガス供給機構22、23、24の3つのガス供給機構を設けた場合を示す。ガス供給機構22は、主に有機物を除去するために効果のあるガス、例えば、アルゴン(Ar)、酸素(O)、窒素(N)などのガスをプラズマ照射部13に供給する。ガス供給機構23は、成形型の型面を還元する、又は、酸化物を除去するために効果のあるガス、例えば水素(H)などのガスを供給する。水素は爆発する危険性があるので、ガス供給機構22から供給されるアルゴンや窒素などの安定性の高いガスに添加(爆発限界の4%以下)して使われる。ガス供給機構24は、成形型の型面を離型性に優れた型面に改質するために効果のあるガス、例えばフッ素(F)を含有したガス、四フッ化炭素(CF)などのガスを供給する。これらのガスはガス混合器25によってガスの切り替えやガスの混合が行われ、プラズマ照射部13には処理する目的に応じて最適なガスが供給される。なお、ガス供給ラインは3ラインに限らず、さらに追加されてもよい。
プラズマ照射ユニット14は、駆動機構15と中継器20と連結部21とによって上型6と下型9との型面同士の間を進退自在に移動することができ、かつ、X方向を軸にして回転することができる。したがって、プラズマ処理する対象(成形型)によって、プラズマ照射ユニット14が上型6又は下型9の型面から一定の距離だけ離した所定位置に配置され、プラズマ照射部13から成形型の型面にプラズマを照射することができる。
図4は、図3で示した大気圧プラズマ処理装置11におけるプラズマ照射部13によって成形型(下型9)をプラズマ処理している状態を示す部分断面図である。上型6には樹脂成形用の上型キャビティ26が設けられ、下型9には上型キャビティ26に相対向して樹脂成形用の下型キャビティ27が設けられている。プラズマ照射ユニット14は、駆動機構15と中継器20と連結部21(図3参照)とによって上型6と下型9との間の所定位置に配置される。ここでは、下型9をクリーニングするため、プラズマ照射ユニット14は下型9の型面から一定の距離だけ離した所定位置に配置され、プラズマ照射部13は下型9に向けられている。プラズマ照射ユニット14は、プラズマを照射するプラズマ照射部13とプラズマ照射部13の周囲を取り囲むプラズマカバー28とから構成され、プラズマ照射部13はプラズマ照射ユニット14の天井板に固定されている。プラズマ照射ユニット14と中継器20(図3参照)とを連結している連結部21内にはプラズマ処理によって生成された反応生成物を排気するための排気通路29が形成されている。
以下、図3と図4とを参照して本発明の実施例1に係る大気圧プラズマ処理装置11の動作について説明する。図3に示されるように、樹脂成形装置1は、生産を一時停止して、上型6と下型9とが型開きした状態で待機している。大気圧プラズマ処理装置11を樹脂成形装置1近辺の所定位置まで移動させ、ストッパなどで床に固定して動かないようにする。次に、駆動機構15と中継器20と連結部21とによって、プラズマ照射ユニット14の高さ及び方向を調整して、樹脂成形装置1の上型6と下型9との間の所定位置にプラズマ照射ユニット14を移動させる。
図4において、まずプラズマ照射部13を下型9に向かうようにした状態でプラズマ照射ユニット14を下型9の型面から一定の距離だけ離した初期位置に配置する。次に、ガス供給機構22、23,24(図3参照)から処理する目的に応じて必要なガスをプラズマ照射部13に供給するとともに高周波電源16によって高周波電圧をプラズマ照射部13に印加する。このことによって、放電が発生しプラズマ照射部13から下型9に向かってプラズマ30が照射される。プラズマ30中で生じた活性粒子(図示なし)と下型9の型面に付着していた付着物(図示なし)とが化学反応を起こすことによって、付着物は除去される。プラズマ30を下型9の型面に照射しながら、プラズマ照射ユニット14をX方向及びY方向に移動させる。このことにより、下型9の全面にプラズマ照射部13からプラズマ30が照射され、下型9をクリ−ニングすることができる。下型9に付着していた付着物は、プラズマ処理することによって化学反応を起こし、反応生成物として空気中に浮遊する。浮遊した反応生成物を排気機構18(図3参照)によってプラズマカバー28内に引き込み、排気通路29を経由して外部へ排気する。
次に、X方向(図3参照)を軸にしてプラズマ照射ユニット14を180度回転させ、プラズマ照射部13を上型6に向かうようにして、上型6の型面から一定の距離だけ離した初期位置に配置する。下型9と同様にして、上型6をプラズマ照射ユニット14によってクリーニングする。
大気圧プラズマ処理装置11によって、下型9及び上型6のプラズマ処理が完了した後は、プラズマ照射ユニット14を樹脂成形装置1から引き出す。そして、大気圧プラズマ処理装置11を元の位置まで移動させる。樹脂成形装置1は、停止前と同じ成形型を用いて生産をすぐに再開することができる。樹脂成形装置1とは別に構成された大気圧プラズマ処理装置11を用いて成形型をクリーニングすることによって、樹脂成形装置1から成形型を取り外すことなく、最低限の稼働ロスで生産を続けることができる。
樹脂成形することによって、樹脂の成分からなる付着物が成形型に付着する。樹脂によって異なるが、付着物は有機物や酸化物などを含む成分から形成されると考えられる。したがって、樹脂成形装置1とは別に構成された移動式の大気圧プラズマ処理装置11を用いることによって、成形型に付着した有機物や酸化物などを含む付着物を簡単に除去することができる。例えば、有機物系の付着物を除去するには、ガス供給機構22からアルゴン(Ar)、酸素(O)、窒素(N)などのガスを供給してプラズマ処理することによって有機物を除去することができる。酸化物系の付着物であれば、ガス供給機構23から供給する水素(H)とガス供給機構22から供給するアルゴンや窒素などのガスとを混合器25によって混合し、混合したガスを供給してプラズマ処理することによって酸化物を除去することができる。水素はアルゴンや窒素などの安定性の高いガスに添加して還元剤として使われる。有機物系の付着物や酸化物系の付着物を除去することによって、成形品と成形型との離型性を向上させることができる。
さらに、ガス供給機構24からフッ素(F)を含有したガス、四フッ化炭素(CF)などのガスを供給してプラズマ処理することによって、成形型の型面にフッ素含有層を形成することができる。フッ素含有層を形成することによって成形型の型面を離型性に優れた型面に改質し、離型性をさらに向上させることができる。このように、3つのガス供給機構22、23、24から異なるガスを供給して最適なプラズマ処理を行うことによって、成形品と成形型との離型性を向上させることができる。さらに、他の添加ガスを加えることによって、付着物の除去効果を向上させること、又は、離型性に優れた型面に改質して離型性を向上させることも可能である。
図1〜図4で示したように、本実施例では、樹脂成形装置1に設けられた成形型(上型6及び下型9)を取り外すことなく、樹脂成形装置1とは別に構成された移動式の大気圧プラズマ処理装置11を用いて成形型の型面をプラズマ処理することができる。樹脂成形装置1の周辺に大気圧プラズマ処理装置11を移動させてプラズマ照射ユニット14を樹脂成形装置1の成形型に近接又は密着させてプラズマ処理することができる。したがって、従来の樹脂成形装置1の構成を維持した状態で、成形型に付着した付着物を除去することができる。さらに、離型性に優れた型面に改質して離型性を向上させることができる。また、プラズマ照射ユニット14を成形型の型面から一定の距離だけ離した初期位置に配置した後は、自動で成形型(上型6及び下型9)をプラズマ処理することができる。したがって、メンテナンスの作業性を改善し効率化することによって、樹脂成形装置1の生産性を向上することができる。
図5は、本発明に係る大気圧プラズマ処理装置11を用いて、樹脂成形装置1の成形型を大気圧プラズマ処理する実施例2を示す。実施例2においては、プラズマ照射部31を設けたプラズマ照射ユニット32の構成及び動作が実施例1とは異なる。それ以外の構成や動作は実施例1と基本的には同じである。プラズマ照射ユニット32は、プラズマを照射するプラズマ照射部31とプラズマを照射する領域を取り囲むプラズマカバー33(図6参照)とを有する。プラズマ照射ユニット32は少なくとも成形型に形成されたキャビティを覆う大きさに構成され、プラズマカバー33の端部(図では下端)がいずれか一方の成形型に密着して固定される。ここではプラズマ照射ユニット32が下型9に固定された場合を示す。また、プラズマ照射ユニット32は成形型の一方に固定するだけでなく、成形型の両方に挟まれるようにして固定してもよい。
図6は、図5で示した大気圧プラズマ処理装置11におけるプラズマ照射部31によって成形型(下型9)をプラズマ処理している状態を示す。プラズマ照射ユニット32は、駆動機構15と中継器20と連結部21(図5参照)とによって下型9の所定位置に配置され固定される。プラズマ照射部31は、下型9をプラズマ処理するために下型9に向かって配置されている。実施例1と異なるのは、プラズマ照射部31がプラズマ照射ユニット32(プラズマカバー33)内をX方向及びY方向に移動するように構成されている点である。例えば、プラズマ照射ユニット32内にX−Yテーブルなどを設け、そこにプラズマ照射部31を組み込んで移動させることができる。ここでは、その移動機構については図示を省略している。プラズマ照射ユニット32と中継器20(図5参照)とは連結部21を介して連結しており、連結部21内には反応生成物を排気するための排気通路29が形成されている。
なお、プラズマ照射ユニット32を移動させる場合には、樹脂成形装置1において搬送機構が進退するためのレールにプラズマ照射ユニット32の側部(図では手前側の部分及び向こう側の部分)をはめ合わせてもよい。この場合には、連結部21及び連結部21に設けられた電源ケーブルやガス配管などがプラズマ照射ユニット32の移動に追従できるようになっている。
以下、図5と図6とを参照して本発明の実施例2に係る大気圧プラズマ処理装置11の動作について説明する。図5に示されるように、駆動機構15と中継器20と連結部21とによって、プラズマ照射ユニット32の高さ及び方向を調整して移動させ、樹脂成形装置1の下型9の型面にプラズマ照射ユニット32のプラズマカバー33の端部を密着させる。この状態でプラズマ照射ユニット32を停止させて固定する。
図6においては、プラズマ照射ユニット32のプラズマカバー33の端部を下型9の型面に密着させて固定している。まず、プラズマ照射ユニット32内において、プラズマ照射部31を下型9の型面から一定の距離だけ離した初期位置に移動させる。次に、ガス供給機構22、23,24(図5参照)から必要なガスをプラズマ照射部31に供給するとともに高周波電源16によって高周波電圧をプラズマ照射部31に印加する。このことによって、プラズマ照射部31から下型9に向かってプラズマ34が照射される。プラズマ34を下型9に照射しながら、プラズマ照射ユニット32内において、プラズマ照射部31をX方向及びY方向に移動させる。これにより、下型9に形成されたすべての下型キャビティ27をプラズマ処理することができる。下型キャビティ27に付着していた付着物は、プラズマ処理することによって化学反応を起こし、反応生成物としてプラズマカバー33内に浮遊する。排気機構18によって、プラズマカバー33内に浮遊した反応生成物を排気通路29を経由して外部へ排気する。
次に、プラズマ照射ユニット32を下型9から離してX方向(図5参照)を軸にして180度回転させ、プラズマ照射部31を上型6に向かうようにする。同様にして上型6をクリーニングする。下型9及び上型6のクリ−ニングが終了すれば、樹脂成形装置1は停止前と同じ状態で生産をすぐに再開することができる。
実施例2では、プラズマ照射部31がプラズマ照射ユニット32内をプラズマ34を照射しながら移動することによって、プラズマ処理が行われる。このことにより、成形型に付着した付着物を除去することができる。また、離型性に優れた型面に改質して離型性を向上させることができる。
実施例2においては、駆動機構15と中継器20と連結部21とを用いて、プラズマ照射ユニット32を自動で移動させる場合を示した。これに限らず、プラズマ照射ユニット32を手動で移動させることもできる。手動によってプラズマ照射ユニット32をY方向とX方向とZ方向とに移動させ成形型の型面に密着させて固定する場合について説明する。まず、大気圧プラズマ処理装置11を樹脂成形装置1の近くまで移動させてY方向(図5参照)の所定位置に設置する。この状態で、プラズマ照射ユニット32は少なくとも成形型に形成されたキャビテイ(実施例2の場合は下型キャビテイ27)をすべて覆うことが可能な位置に設置される。次に、プラズマ照射ユニット32を−X方向(図5参照)に移動させて、下型キャビティ27を覆う位置に配置する。例えば、樹脂成形装置1に設けられているレールにプラズマ照射ユニット32をはめ合わせて移動させ、下型キャビティ27を覆う位置に配置することができる。次に、プラズマ照射ユニット32の高さを調整(図5の−Z方向に移動)して、プラズマカバー33の端部(図6参照)を下型9の型面に密着させて固定する。このようにプラズマ照射ユニット32の移動及び位置合わせを手動によって行うことができる。次に、プラズマ照射ユニット32内において、プラズマ照射部31をX方向及びY方向に移動させることによって、プラズマ処理を行う。このようにして、手動によってプラズマ照射ユニット32を移動させて成形型の型面に固定することも可能である。
図7は、図6で示した大気圧プラズマ処理装置11におけるプラズマ照射部31の変形例を示す。プラズマ照射ユニット32内において、プラズマ照射部31の周辺に局所的なプラズマカバー35を設ける。プラズマ照射ユニット32内において、プラズマ処理によって生成された反応性生物をまずプラズマカバー35内に引き込み、プラズマ照射ユニット32内の排気通路(図示なし)及び連結部21に形成された排気通路29を経由して外部へ排気する。このように、プラズマ照射ユニット32内にプラズマカバー35を局所的に設けることによって、より効果的に反応性生物を排気することができる。
図8は、本発明に係る大気圧プラズマ処理装置の実施例3において、樹脂成形装置1の成形型を両面ともプラズマ処理している状態を示す部分断面図である。プラズマ照射ユニット36はプラズマカバー37とプラズマ照射部38、39とから構成されている。プラズマカバー37は、上面及び下面の両面が開口を有するように構成され、連結部21とつながっている。プラズマカバー37はプラズマを照射する領域を取り囲み、上端部を上型6の型面に密着させ、下端部を下型9の型面に密着させて固定している。プラズマ照射部38は下型9に向かうようにし、プラズマ照射部39は上型6に向かうようにして一体化されたプラズマ照射部として構成される。一体化されたプラズマ照射部38、39はプラズマカバー37内をX方向及びY方向に移動するように構成されている。プラズマ照射部38は下型9にプラズマ40を照射し、プラズマ照射部39は上型6にプラズマ41を照射しながら、プラズマカバー37内を移動する。上型6及び下型9を同時にプラズマ処理するので、約半分の処理時間で成形型(上型6及び下型9)をクリーニングすることが可能となる。なお、図7で示したようにプラズマ照射部38、39の周辺に局所的なプラズマカバーを設けることもできる。
実施例2及び実施例3では、プラズマ照射ユニット32及びプラズマ照射ユニット36を成形型に密着させて固定した状態で、プラズマ処理する事例を示した。成形型に固定するプラズマ照射ユニット32、36は成形型の大きさに対応して取り替えることもできるように構成されている。
実施例1〜3においては、主に成形型に形成されたキャビティをクリーニングする事例について説明した。これに限らず、トランスファ方式のポット、カル、ランナ、ゲートなど、溶融した流動性樹脂が流動する樹脂通路に付着した付着物を除去することも可能である。
図9は、プラズマ照射部と高周波電源とガス供給機構との構成を示す概略図である。プラズマ照射部42は、内側電極43と外側電極44とを有する。プラズマ照射部42において、内側電極43と外側電極44との間にガス供給機構22,23,24のいずれかから必要なガスを供給するとともに、高周波電源16によって内側電極43と外側電極44との間に高周波電圧を印加する。このことにより、内側電極43と外側電極44との間に放電が起こり、プラズマ45が発生する。発生したプラズマ45は、外側電極44に形成された開口部46を経由して、プラズマ照射部42の外部にスポット状に照射される。ここでは、安全性を考慮して、内側電極43に高周波電圧を印加し、外側電極44を接地する場合を示した。
図10は、プラズマ照射部47において、内側電極48及び外側電極49の形状を変形した場合を示す。内側電極48と外側電極49との対向する面積を大きくすることによってプラズマ50の発生する領域を大きくしている。外側電極49には複数の開口部51(図では5つの開口部)を形成して、各開口部51からプラズマ50を平面的に照射できるようにしている。
実施例1〜3で示したプラズマ照射部13、31、38、39は、図9及び図10で示したどちらの電極形状でも採用することができる。プラズマ処理する時間を短くし、より効率的なプラズマ処理を行うには、図10で示したようにプラズマ50を平面的に照射できるような電極形状を使用するほうが望ましい。
ここまで説明したように、本発明によると、樹脂成形装置1とは別に構成された移動式の大気圧プラズマ処理装置11を用いて、樹脂成形装置1の成形型を取り外すことなく、成形型を昇温した状態のままで、大気圧状態で成形型の型面をプラズマ処理することができる。したがって、樹脂成形装置1に新たな機構を追加することもなく、かつ、成形型を常温に冷却することもなく、簡便な方法で成形型の型面をプラズマ処理することができる。このことにより、成形型の型面に付着した付着物を除去すること、及び、離型性に優れた型面に改質して離型性を向上させることができる。したがって、樹脂成形装置1における成形品の離型性を常に安定に維持することができ、生産性の向上や品質の向上に貢献する。
さらに、1台の大気圧プラズマ処理装置11を用いて複数の樹脂成形装置の成形型の型面をプラズマ処理することができるので、複数台の樹脂成形装置を用いる工場において生産性の向上や歩留まりの向上に貢献することが可能となる。
また、大気圧プラズマ処理装置11は処理する目的に応じて複数のガス供給機構22、23、24を備える。このことにより、成形型の型面に付着した有機物系の付着物や酸化物系の付着物などを最適なガスを用いて除去することができる。また、離型性に優れた型面に改質するガスを用いて離型性を向上することができる。これらの処理を適宜行うことによって、樹脂成形装置1の離型性を常に安定に維持することが可能となる。したがって、樹脂成形装置1の生産性を向上することができる。また、大気圧プラズマ処理装置11を用いることにより簡単に成形型をクリーニングすることができるので、作業性やメンテナンス性が向上する。
また、プラズマ照射部13、31、38、39の周囲にはプラズマカバー28、33、37を設ける。プラズマ処理によって生成された反応生成物は、プラズマカバー28、33、37内に引き込まれ、排気機構18によって外部(ダクト)へ排出される。したがって、反応性生物を大気中に拡散させることもなく、環境に配慮した大気圧プラズマ処理装置11を提供することができる。さらに、プラズマ照射部の周辺に局所的なプラズマカバーを設けることもできる。また、クリーニング材を用いる方法のように廃棄物が生じることがないので、環境への負荷をも低減することができる。
また、本発明は半導体などの電子部品を樹脂成形する樹脂成形装置だけでなく、プラスチック製品やゴム製品などを成形する成形装置の成形型一般にも適用することができる。また、射出成形、トランスファ成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形、真空成形などの様々な成形方式に使用される成形型に対して、本発明を適用することができる。また、樹脂材料として、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂を用いる成形装置のどちらにも適用することができる。したがって、半導体などの電子部品、プラスチック製品、ゴム製品など、成形型を用いて成形する成形装置全般に適用できる。
本発明によれば、1台の大気圧プラズマ処理装置を用いることよって、複数の成形装置の成形型の型面を大気圧状態でプラズマ処理して付着物の除去や離型性を向上させることが可能となる。したがって、本発明は、製品の品質向上、歩留まり向上、生産性向上、及び、装置の費用低減にも大きく寄与し、工業的にも非常に価値の高いものである。
また、本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。
1 樹脂成形装置(成形装置)
2 基盤
3 タイバー
4 固定盤
5 上型プレート
6 上型(成形型)
7 可動盤
8 下型プレート
9 下型(成形型)
10 型締め機構
11 大気圧プラズマ処理装置
12 台車
13、31、38、39、42、47 プラズマ照射部
14、32、36 プラズマ照射ユニット
15 駆動機構
16 高周波電源
17、22、23、24 ガス供給機構
18 排気機構
19 制御装置
20 中継器
21 連結部
25 混合器
26 上型キャビティ
27 下型キャビティ
28、33、35、37 プラズマカバー
29 排気通路
30、34、40、41、45、50 プラズマ
43、48 内側電極
44、49 外側電極
46、51 開口部

Claims (10)

  1. 成形装置に設けられた成形型の型面に大気圧状態でプラズマを照射するプラズマ照射部を有するプラズマ照射ユニットと、前記プラズマ照射ユニットを運動させる駆動機構と、前記プラズマ照射部にガスを供給するガス供給機構と、前記プラズマ照射部に高周波電圧を印加する高周波電源と、前記プラズマを照射することによって生成された反応生成物を排気する排気機構とを備えた成形型用の大気圧プラズマ処理装置であって、
    前記成形装置とは別に構成され、
    前記成形装置の周辺を移動することができ、
    前記プラズマ照射ユニットを前記成形型の型面に近接又は密着させて配置し、前記プラズマ照射部に前記ガスを供給して前記高周波電圧を印加することによって前記プラズマ照射部から前記成形型の型面に前記プラズマを照射することを特徴とする成形型用の大気圧プラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載された成形型用の大気圧プラズマ処理装置において、
    前記大気圧プラズマ処理装置は少なくとも前記成形装置を含む成形装置群の周辺を移動して、前記成形装置群に設けられた各成形型の型面に前記プラズマを照射することを特徴とする成形型用の大気圧プラズマ処理装置。
  3. 請求項2に記載された成形型用の大気圧プラズマ処理装置において、
    前記ガス供給機構は複数個設けられ、複数個の前記ガス供給機構がそれぞれ有機物系の付着物を除去する効果を有するガス、酸化物系の付着物を除去する効果を有するガス、又は、前記成形型の型面から成形品を離型する効果を向上させるガスのいずれかを供給することを特徴とする成形型用の大気圧プラズマ処理装置。
  4. 請求項2又は3に記載された成形型用の大気圧プラズマ処理装置において、
    前記プラズマ照射ユニットは前記成形型に密着し、前記プラズマ照射部は前記プラズマ照射ユニット内を移動する機構を有し、
    前記プラズマ照射部を前記プラズマ照射ユニット内において移動させながら前記プラズマ照射部から前記成形型の型面に前記プラズマを照射することを特徴とする成形型用の大気圧プラズマ処理装置。
  5. 請求項2又は3に記載された成形型用の大気圧プラズマ処理装置において、
    前記プラズマ照射ユニットは前記成形型に近接し、前記プラズマ照射部は前記プラズマ照射ユニットに固定された状態において、
    前記駆動機構を用いて前記プラズマ照射ユニットを移動させながら前記プラズマ照射部から前記成形型の型面に前記プラズマを照射することを特徴とする成形型用の大気圧プラズマ処理装置。
  6. プラズマ照射部を有するプラズマ照射ユニットを成形装置の成形型の型面同士の間に進入させる工程と、前記プラズマ照射部にガスを供給する工程と、前記プラズマ照射部に高周波電圧を印加する工程と、前記プラズマ照射部から前記成形型の型面に大気圧状態でプラズマを照射する工程と、前記プラズマを照射する工程によって生成された反応生成物を排気する工程とを含む成形型用の大気圧プラズマ処理方法であって、
    前記成形装置とは別に構成され前記プラズマ照射ユニットを有する大気圧プラズマ処理装置を前記成形装置の近辺に移動させる工程と、
    前記プラズマ照射ユニットを前記成形型の型面に近接又は密着させる工程とを備え、
    前記プラズマを照射する工程では、前記プラズマ照射部に前記ガスを供給した状態において前記高周波電圧を印加することによって前記プラズマ照射部から前記成形型の型面に前記プラズマを照射することを特徴とする成形型用の大気圧プラズマ処理方法。
  7. 請求項6に記載された成形型用の大気圧プラズマ処理方法において、
    前記移動させる工程では、少なくとも前記成形装置を含む成形装置群の周辺に前記大気圧プラズマ処理装置を移動させ、
    前記プラズマを照射する工程では、前記成形装置群に設けられた各成形型の型面に前記プラズマを照射することを特徴とする成形型用の大気圧プラズマ処理方法。
  8. 請求項7に記載された成形型用の大気圧プラズマ処理方法において、
    前記ガスとして複数の種類のガスを用意する工程を備え、
    前記複数の種類のガスには、有機物系の付着物を除去する効果を有するガス、酸化物系の付着物を除去する効果を有するガス、又は、前記成形型から成形品を離型する効果を向上させるガスのうち少なくとも1つを含めることを特徴とする成形型用の大気圧プラズマ処理方法。
  9. 請求項7又は8に記載された成形型用の大気圧プラズマ処理方法において、
    前記プラズマ照射ユニットを前記成形型の型面に密着させる工程を備え、
    前記プラズマを照射する工程では、前記プラズマ照射ユニット内において前記プラズマ照射部を移動させながら前記プラズマ照射部から前記成形型の型面に前記プラズマを照射することを特徴とする成形型用の大気圧プラズマ処理方法。
  10. 請求項7又は8に記載された成形型用の大気圧プラズマ処理方法において、
    前記プラズマ照射部を固定した前記プラズマ照射ユニットを前記成形型に近接させる工程を備え、
    前記プラズマを照射する工程では、前記プラズマ照射ユニットを移動させながら前記プラズマ照射部から前記成形型の型面に前記プラズマを照射する工程とを備えたことを特徴とする成形型用の大気圧プラズマ処理方法。
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