JP2014218042A - 透明断熱シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い透明性(具体的には可視光透過率が70%以上)と高い断熱性(具体的には赤外線透過率が30%以下)とを両立し、また、積層数や材料種類が少なく、材料コストないし工数の点でも有利に製造可能である透明断熱シートを提供すること、及び、そのような透明断熱シートを安定的に製造可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】透明な基体シート上に、金属薄膜と、当該金属薄膜の上下に各1層積層されたセラミック薄膜とを含む積層構造を設けてなる透明断熱シートであって、前記金属薄膜はPd、Nd及び/又はNiを0.5〜10wt%ドーピングした銀からなる膜であり、前記セラミック薄膜はアルミニウム及び/又はアルミニウム合金の窒化物膜であり、波長550nmにおける透過率(T550)と波長1000nmにおける透過率(T1000)との比T550/T1000が2.5〜10.0であることを特徴とする透明断熱シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に住居家屋・ビル等の建物や車輌の窓等に使用される、透明な基体シート上にセラミック薄膜と金属薄膜とが積層されている透明断熱シート、及びその製造方法に関する。
透明断熱シートとは一般的に、可視光線を透過する性質のために透明性を有し、かつ、赤外線を透過しない性質のために断熱性を有するシートである。このようなシートは熱線反射フィルム、透明断熱フィルム等とも称呼されて市販されており、様々な多層構造を有するシートやフィルムが提案されている。
例えば特許文献1(特許第2901676号)には、2層の銀層を酸化インジウム層で挟む膜構成、すなわち酸化インジウム層/銀層/酸化インジウム層/銀層/酸化インジウム層の5層をガラス基板上に積層した透明断熱積層体が開示されている。
しかしながら、レアメタルであるインジウムは価格が高く、汎用的・大量に使用される透明断熱シートの材料としてはコストが見合わないという問題があった。
インジウムを使用しないものとして、特許文献2(特開昭63−205609号)には、透明基体上にAlNx膜/Ag膜/AlNx膜(xは0.4以上、1以下)が積層された熱線反射膜が開示されている。
この文献には、TiO膜やITO膜を用いてAg膜を挟み込んだ積層膜では、Ag膜におけるAg原子の酸化やマイグレーションが生じるために、耐久性が十分得られないという課題に対して、Ag膜の上下にAlN膜を配置することで、耐久性に優れた熱線反射膜を得たことが開示されている。
特許文献2の発明ではAgとして純Agが用いられている。しかしながらAgは凝集しやすい性質を有しており、Agの凝集が生じた熱線反射膜は透過性や熱線反射性が低下してしまう。このため、実用上、Agの凝集の無い、表面積の大きな熱線反射膜を得ることは困難であり、AlNとAgの組み合わせのみから実用的な熱線反射膜を得ることは困難と考えられていた。
同じくインジウムを使用しない熱線反射膜である特許文献3(特表2003−509716号)には、透明基板上に、主成分をAgとする少なくとも一つの機能層を二つの誘電材料被膜の間に配置した薄膜の積層構造を備えた、熱反射性基板が開示されている。誘電材料被膜のうち少なくとも一つは主成分がAlNであり、機能層のうち少なくとも一つはAg以外の少量の金属を添加して組成調整することが開示されている。
この文献の発明は、窒化物系誘電体と銀とは接合性が良くないために、積層構造が脆弱であり、剥離の危険性や光学的品質上の問題が生じるという課題に対して、銀及び金属窒化物の一方又は双方の化学組成を僅かに調整することによって両者の親和性が向上することを見出した発明である。この組成調整は、両者間の接合性を大幅に高めるが、両者の所望特性(光学特性及び熱的特性)には悪影響を及ぼさない程度の組成調整とすること、また、銀基層に添加できる金属はアルミニウム、銅又は金であることが開示されている。
しかしながらこの文献には、組成調整されたAlN層とAg層のみからなる積層膜は開示されていない。実施例でも、Ag層が組成調整された例はなく、積層数も5層ないし7層であっていずれも酸化チタン層を含んでおり、AlN層とAg層のみからなる有用な積層膜が得られる示唆は無い。また、光学特性や熱的特性のデータが示されておらず、発明の効果は不明である。
特許第2901676号公報 特開昭63−205609号公報 特表2003−509716号公報
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、高い透明性(具体的には可視光透過率が70%以上)と高い断熱性(具体的には赤外線透過率が30%以下)とを両立し、また、積層数や材料種類が少なく、材料コストや工程の簡略化の点でも有利に製造可能である透明断熱シートを提供すること、及び、そのような透明断熱シートを安定的に製造可能な製造方法を提供することを課題とする。
金属薄膜は膜厚を薄くすることにより可視光透過性が向上するものの、表面での反射が大きいため、金属薄膜単独では十分な可視光透過率が得られず、透明断熱性が十分でない。本発明者らは、金属薄膜表面の反射を抑えるために、比較的屈折率の高いセラミック薄膜で金属膜を挟み込むことによって、熱線反射性(すなわち断熱性)を確保しながら透明性を向上できることに着目して検討を重ねてきた。
その結果、セラミック薄膜としてアルミニウム及び/又はアルミニウム合金の窒化物膜を用い、金属薄膜としてPd、Nd及び/又はNiをドーピングした銀からなる膜を用いれば、可視光と赤外光との選択透過性に極めて優れた積層膜を得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち本発明は、透明な基体シート上に、金属薄膜と、当該金属薄膜の上下に各1層のセラミック薄膜とを含む積層構造を設けてなる透明断熱シートであって、前記金属薄膜はPd、Nd及び/又はNiを0.5〜10wt%ドーピングした銀からなる膜であり、前記セラミック薄膜はアルミニウム及び/又はアルミニウム合金の窒化物膜であり、波長550nmにおける透過率(T550)と波長1000nmにおける透過率(T1000)との比T550/T1000が2.5〜10.0であることを特徴とする透明断熱シートに関する。
本発明の透明断熱シートは、積層膜において、金属薄膜としてPd、Nd及び/又はNiという異種金属が微量にドープされた銀を用いることによって、従来にない透過光の選択性を、最小の積層数(3層)で実現することができる。特定の理論に拘束されるものではないが、上記に規定した異種金属が微量にドープされた銀を用いると、純銀を用いて極薄の薄膜を作成する際に生じる凝集効果が抑制され、光学特性の低下を招くことなく極薄薄膜を成膜することが可能となったものと考えられている。
また本発明の透明断熱シートは、セラミック薄膜が、窒化アルミニウム薄膜、又は、Cu、Sn及び/又はTiを0.1〜10wt%含む窒化アルミニウム薄膜であるものも好ましい。
本発明では窒化アルミニウム薄膜とPd、Nd及び/又はNiが微量にドープされた銀薄膜とを組み合わせることによって、赤外光の反射性(断熱性)を確保しながら、高い可視光透過性を維持できることが見いだされた。さらにアルミニウムは可視光域で光吸収の少ない金属であるところ、Cu、Sn及び/又はTiを少量含有する窒化アルミニウム合金を用いることで、より良好な特性の透明断熱シートを得ることができる。
また本発明の透明断熱シートは、前記金属薄膜の厚みが5〜50nmであり、前記セラミック薄膜の厚みが10〜100nmであることが好ましい。
上記範囲の金属薄膜とセラミック薄膜とを組み合わせることで、より良好な可視光透過性と赤外線遮蔽性を両立することができる。また、これらを用いた積層膜(金属薄膜とセラミック薄膜の積層膜)は、可視光での反射防止効果に優れる。
また本発明は、波長550nmにおける透過率(T550)が70%〜95%、かつ、波長1000nmにおける透過率(T1000)が5%〜30%である、上記のいずれかの構成を有する透明断熱シートに関する。
この範囲の透明断熱シートは、可視光と赤外光の選択透過性が高いだけでなく、可視光透過率が高いために窓等に貼付した場合に屋内・車内の明るさが損なわれず、かつ、赤外光透過率が低いために屋内や社内の温度上昇等を抑制して快適な環境を提供することができる。
また本発明は、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金をターゲットとし、スパッタガスとして不活性ガスであるアルゴンガス、及び、窒素ガスを含有する反応ガスを用いて、対向ターゲットスパッタ法によってセラミック薄膜を成膜する工程と、Pd、Nd及び/又はNiを0.5〜10wt%ドーピングした銀をターゲットとし、不活性ガスであるスパッタガスを用いて対向ターゲットスパッタ法によって金属薄膜を成膜する工程とを含む、前記のいずれかに記載の透明断熱シートの製造方法に関する。
本発明の製造方法によれば、量産化可能なスケール及び手段によって、公知の材料を用いて上記の構成を有する透明断熱シートを製造可能であり、汎用的・大量に使用される透明断熱シートを実用的なコストで得ることができる。
また本発明は、前記対向ターゲットスパッタ法に用いられる装置が、間隔をおいて互いに対向すると共に、一方の側方位置に配置される成膜対象となる基板側に開口するように互いに対向する面を傾斜させて一対のターゲットが配置され、前記一対のターゲットの各々を囲むようにその周縁に沿って配置される筒状の一対の永久磁石を備える補助磁場発生手段を有することを特徴とする対向ターゲットスパッタ装置であることが好ましい。
前記の装置は、対向ターゲットスパッタ法の改良法であるN−MHVS法(後述)に好適に用いられる装置であり、この装置を用いることで適正エネルギー・低温で成膜を行うことができるため、より均一で欠陥の少ない透明断熱シートを形成することが可能となり、膜の不均一性に由来する光学特性の低下を回避して、可視光と赤外光との選択透過性に優れた透明断熱シートを安定的に得ることができる。この成膜工程は、基板を加熱することなく行われることがより好ましい。
本発明の透明断熱シートは、高い透明性と断熱性とを併せ持つ透明断熱性に優れたシートであるとともに、セラミック層はアルミニウム又はその合金を材料として成膜されるため材料コストの点でも優れている。本発明の透明断熱シートは、基体シート上に、1層の金属層とその上下に各1層のセラミック層という3層構造で十分な透明断熱性を実現できるので、材料の量及び工数においても、従来技術と比較して有利である。また、対向ターゲットスパッタ法を用いることで膜の欠陥が少なく、大量生産においても品質安定性に優れたシートを提供することができる。
本発明の透明断熱シートは、高い可視光透過性によって採光性、眺望性、開放感に優れるとともに、可視光での反射率が低く外界等の映り込みも少ないため、例えば、住居、大規模建築物、車両等の窓材や採光部材として広汎に適用することが可能である。
本発明の透明断熱シートの構成を示す模式図である。 本発明の透明断熱シートの製造に使用される、対向ターゲットスパッタ装置の構成の模式図である。 同じ膜厚を有する実施例及び比較例の積層膜の透過率スペクトルを示す図である。
(透明断熱シートの構成)
本発明の透明断熱シートに用いられる透明な基体シートとしては、透光性の良好な各種の高分子フィルム及び/又はシート(いわゆるプラスチックフィルムやシート)を用いることができる。シートを構成する高分子は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)等が挙げられる。
「透明な」基体シートとは、可視光の透過率が極めて高いシートをいい、波長550nmの可視光透過率が85%以上、好ましくは92%以上であるものが好ましく使用される。基体シートの厚みは特に限定されないが、通常は5〜250μmのものが用いられる。基体シートは、透明断熱シートの用途や所望の特性に応じて適宜選択することができ、1層であっても2層以上から構成されていてもよく、コーティング層や保護層等を有していてもよい。また、剥離紙等のその他の構成を有していてもよい。
透明断熱シートに含まれる金属薄膜は、光透過性を阻害しないように、一般に極薄膜と呼ばれる非常に薄い膜で構成されるところ、本発明におけるPd、Nd及び/又はNiを0.5〜10wt%ドーピングした銀の薄膜も同様であり、その膜厚は5〜50nmであることが好ましく、10〜25nmがより好ましい。膜厚が50nmを超えると高い光透過性を確保することが困難となり、また10nm未満では光吸収や散乱が発生して透明性が低下する。
金属薄膜を構成する金属はPd、Nd及び/又はNiを0.5〜10wt%ドーピングした銀であり、ドープ量は0.6〜5%がより好ましく、0.8〜3%がさらに好ましい。ドープ量が10wt%を超えると可視光透過率が低下する点で好ましくない。ドープ量が0.5wt%未満であれば凝集が発生しやすく、酸化が進むため好ましくない。具体的には例えば、1wt%パラジウムドープ銀、1wt%ニッケルドープ銀等を用いることができる。
ドーパントである金属はPd(パラジウム)、Nd(ネオジム)、Ni(ニッケル)のうちの1種でもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。また、本発明の効果を妨げない限り、他種のドーパントをさらに含むこともできる。
他種のドーパントとしては例えば、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、ゲルマニウム(Ge)、セリウム(Ce)、ガドリニウム(Gd)等が挙げられる。Pd、Nd及び/又はNiがドープされた銀は、純銀よりも再結晶化温度が高くなりかつ耐食性が向上するため、銀本来の高透明性が発揮され、耐久性も向上するものと考えられている。なお、金属薄膜は上記の異種金属ドープ銀を成膜して得られるものであるが、本発明の効果を妨げない限りにおいて、他の成分を含んでもよい。
上述の金属薄膜の上下に各1層のセラミック薄膜が形成されている。なお、金属薄膜の「上」「下」とは、基体シートと金属薄膜との位置関係を見るとき、基体シートにより近い側を「下」、基体シートと反対の側を「上」と称呼するものである。
本発明の透明断熱シートのセラミック薄膜は、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金の窒化膜である。このようなセラミック薄膜は例えば、窒素による反応性スパッタ法で成膜された窒化アルミニウム膜がある。反応性スパッタ法において窒化アルミニウム膜は、ターゲットとしてアルミニウム及び/又はアルミニウム合金、スパッタガスとしてArガスに流量比0.1〜50%の窒素ガスを混入させたガスを用いて成膜することで得られる。アルミニウムへの窒素の導入率は、窒素ガスの分圧やスパッタ電力等の成膜条件で制御することが可能であり、AlNxと表すときxの値が0.7〜1.2程度であることが好ましく、xが1.05〜1.2であるとさらに好ましい。
アルミニウム成分としては、純アルミニウム(例えば純度99.9〜99.999%のもの)やアルミニウム合金を用いる。アルミニウム合金としては、アルミニウムとSn,Tiなどからなる一般的な合金でもよく、アルミニウムにNd,Ni,Ag,Cu、Sn、Pd、Tiから選択される1又は複数の金属を少量(0.1〜10wt%)添加したアルミニウム合金でもよい。これらのうちでも、Cu,Sn及び/又はTiを0.1〜10wt%添加したアルミニウム合金が好ましい。
セラミック薄膜の膜厚は、10〜100nmであり、10〜70nmが好ましく、20〜50nmがより好ましい。セラミック薄膜は光の干渉による反射防止効果によって透過率が向上するため、膜の屈折率に応じた膜厚領域があり、厚すぎても薄すぎても透過率は低下するところ、セラミック薄膜の厚みが10nm未満或いは100nmを超えると、可視光域での反射防止効果が減少するため透過率が低下し、また、赤外領域の透過率が上昇するため好ましくない。
基体シート上に構成された、金属薄膜とセラミック薄膜との積層構造の厚み(基体シートを含まない厚み)は25〜250nmであり、25〜170nmであればより好ましく、さらに好ましくは50〜125nmである。この膜厚範囲は、金属薄膜とセラミック薄膜それぞれの膜厚の最適値から導かれるものであり、厚みが25nm未満、或いは170nmを超えると透過率が低下するため好ましくない。
金属薄膜とセラミック薄膜との膜厚の組み合わせは、上記の範囲内で用途や所望の特性に応じて適宜選択することができるが、例えば、セラミック薄膜を20〜50nm、導電性金属薄膜を15〜25nmとして組み合わせると特に好適な透明断熱性を有する透明断熱シートを得ることができる。金属薄膜とセラミック薄膜との膜厚の組み合わせを変更することにより、可視光全域での透過率を70%以上とする透明断熱シート、導電性に優れシート抵抗値の低い電磁波遮蔽透明断熱シートなど、様々なアプリケーションが想定できる。
本発明の透明断熱シートの模式図を図1に示す。
図1に示す透明断熱シートはプラスチックの基体シート(B)上に積層されており、例えばパラジウムドープ銀薄膜である金属薄膜(AP)の上下両側を、例えば屈折率の高い(屈折率2.1)窒化物半導体膜である窒化アルミニウム薄膜(AN)で挟み込んだ3層構造の積層膜である。
本発明の透明断熱シートは公知技術に従って基体シート(B)上にアンダーコート層を設けて基体シートの保護膜とし、その上に透明断熱積層体を形成してもよい。また、透明断熱積層体の最上層の上に、別のトップコート層を設けて特性向上を図ることや保護機能を与えることも可能である。
(製造方法)
本発明の透明断熱シートは、大略的には、基体シート上に順次、セラミック薄膜と金属薄膜とを成膜することで製造される。セラミック薄膜と金属薄膜の成膜方法としては、真空蒸着法やスパッタ法等の物理的蒸着(PVD)法、及び化学的蒸着(CVD)法等が挙げられる。より好ましい成膜方法として、PVD法の一種であるNew Magnetic Hollow-cathode V型スパッタ法(以下 N−MHVS法という)があり、かかる方法によれば、優れた金属薄膜やセラミック薄膜を安定的に形成することができる。
N−MHVS法は特許4473852号に詳細に説明されているが、通常のマグネトロンスパッタ法に比べ低温・低ダメージで成膜することが可能なスパッタ法である対向ターゲットスパッタ法(FTS法)を高性能化した方法である。
N−MHVS法によると、一般のマグネトロンスパッタ法に比べて、対向二重磁極による高密度プラズマを発生させることにより極めて低エネルギー(−300V以下のスパッタ電圧)で成膜が可能で、金属極薄膜においては、低温プロセスにおいて均一な組成で欠陥の少ない良質な薄膜が得られ、金属薄膜の均一性と膜表面の平滑性を向上することができる。またN−MHVS法による反応性スパッタで成膜されるセラミック薄膜においては、高密度プラズマの下での十分な反応性が確保され、表面が平滑で吸収の少ないセラミック薄膜を形成することができ、金属薄膜やセラミック薄膜の表面に凹凸損傷を与えることなく積層膜を得ることができる。
N−MHVS法の具体装置である、N−MHVスパッタ装置の詳細について図2により説明する。図2のスパッタ装置1は、一対のターゲット10a,10bを先端部に配置するターゲットホルダー11a,11b、真空チャンバー2、スパッタ電力供給用電源3、基板ホルダー4、排気装置5、ガス供給装置6を備えている。
一対のターゲット10a,10bは、例えばアルミニウムAl(純度5N)で構成されている。このターゲット10a,10bは、真空チャンバー2内に対向配置され、対向面(スパッタされる面)10a’,10b’が所定の間隔を有して配置されている。ターゲットホルダー11a,11bは、バッキングプレート12a,12bを介して、それぞれターゲット10a,10bを支持、固定するもので、真空チャンバー2内部にその先端側が位置するよう、絶縁板(図示省略)を介して該真空チャンバー2に取り付けられている。
一対のターゲット10a,10bは、ターゲットホルダー11a,11bによって、真空チャンバー2内で、両対向面10a’,10b’がいずれも基板ホルダー4で固定されている基板Bの被成膜面B’に向くように傾斜して配置されており、例えば傾斜角を5°とすることができる。このように、両対向面10a’,10b’が略V字状になる配置のターゲット10a’,10b’は「V型対向ターゲット」と一般的に称呼される。
ターゲット10a,10bを固定しているバッキングプレート12a,12bの外側面(ターゲット10a,10bが固定されている面と反対側の面)には、ターゲット間磁場発生手段20a,20bが配置されている。ターゲット間磁場発生手段は、ターゲット10a,10b間に磁場空間(ターゲット間磁場空間)を発生させる(形成する)ための手段であり、例えば永久磁石で構成される。ターゲット間磁場発生手段20a,20bは、例えばネオジウム系(例えば、ネオジウム、鉄、ボロン)磁石やアルニコ系磁石等の強磁性体で構成される。
一方のターゲット間磁場発生手段20aは、対向面10a’に対して垂直な方向に磁場を発生させるために一方のターゲット10aの外側面に対してN極が対向するように配置されており、他方のターゲット間磁場発生手段20bは、対向面10b’に対して垂直な方向に磁場を発生させるために他方のターゲット10bの外側面に対してS極が対向するように配置されている。このようにして、ターゲット10a,10bの対向面10a’,10b’間に、磁力線が対向面10a’から対向面10b’へ向かうターゲット間磁場空間Kが形成される。
補助磁場発生手段30a,30bは、ターゲット間磁場発生手段20a,20bと同様に永久磁石で形成されており、ターゲットホルダー11a,11bの外周に沿うような(外嵌可能な)角筒状に形成されている。補助磁場発生手段30a,30bは、磁極がターゲット間磁場発生手段20a,20bと同じ向きで、ターゲットホルダー11a,11bの先端側外周に外嵌するように配置されている。このように配置することで、前記ターゲット間磁場発生手段20a,20bが形成するターゲット間磁場空間に沿うと共に、磁力線の向きが前記ターゲット間磁場空間における磁力線と同方向となるような補助磁場空間が形成される。
スパッタ電力供給用電源3は、DCの定電力を印加可能な電源であり、接地電位(アース電位)にある真空チャンバー2を陽極とし、ターゲット10a,10bを陰極としてスパッタ電力を供給するものである。
基板ホルダー4は、基体シートBを支持すると共に基体シートBの被成膜面B’がターゲット10a,10bにより両対向面10a’,10b’間に形成される空間Kに向くように配置される。
真空チャンバー2には、排気装置5が接続されると共に、放電用ガスのガス供給装置6が接続されている。ガス供給装置6は、ターゲット10a,10bの近傍にそれぞれ配置される、不活性ガスであるスパッタガスを供給するためのスパッタガス導入供給口6’,6’、反応性ガスを供給するための反応ガス供給口6’’、6’’を含んでいる。
この装置においては、ターゲット背面のターゲット間磁場発生手段20a,20b及びターゲットを囲むようにその周縁に沿って配置される補助磁場発生手段30a,30bとの二重磁極により、両対向面10a’,10b’間に形成される空間Kに高密度プラズマを形成させることができる。そして、対向ターゲットの基板反対面に配置されたスパッタガス供給口6’,6’と、基板近傍の両側に配置された反応ガス供給口6’’、6’’から、スパッタガスと反応ガスがそれぞれ供給される。そのため、反応性スパッタを行う場合には、スパッタターゲット近傍ではターゲット材料(金属)のみのスパッタが行われ、酸化、窒化等のプラズマ反応によるセラミック薄膜の形成は、基板近傍側で活性なスパッタ粒子が反応ガスと反応して化合物膜が形成されるようになっている。このため、ターゲット表面は酸化や窒化等のプラズマ反応に曝されることがなく、安定した反応性スパッタが持続する構造となっている。
上記装置は、このような構成のターゲット構造のため、ターゲット磁極と補助磁極の二重磁極によって発生する強力なターゲット間磁場空間により、圧力の低い状態で、且つスパッタ電圧を非常に低下させることができる。また、強力な二重磁極により、プラズマの閉じ込め効果、及び二次電子等の荷電粒子の閉じ込め効果がより良好に発揮され、低温・低ダメージの成膜が可能となっている。
このN−MHVスパッタ装置を用いてセラミック薄膜を成膜する際には、窒化物となる金属材料をターゲット10a,10bに用い、成膜しようとする基体シートBを基板ホルダー4にセットし、真空チャンバー2を所定の真空度まで真空排気を行い、スパッタガス(Arガス)及び反応ガス(N)を所定量加えて、所定のスパッタパワーとスパッタ時間によるスパッタを行う。このスパッタによって、基体シートB上に所定の膜厚のセラミック薄膜が形成される。金属薄膜を成膜する場合は、反応ガスは供給せずスパッタガス(Arガス)のみの供給によりスパッタを行う。
成膜工程は基板シートBや真空チャンバー2内を加熱することなく(室温において)行うことが可能であり、基板を加熱することなく成膜を行うことで良好な薄膜を得ることができる。基板を加熱せず、室温(20〜50℃程度)で成膜を行うことによって、低ダメージ成膜が可能となり、より均一で欠陥の少ない薄膜が得られ、可視光と赤外光との選択吸収性の高い透明断熱シートを得ることができる。
次の手順で本発明の実施例及び比較例の透明断熱シートを作成した。
基体シートとして、100mm×100mm×100μmのPETフィルム(波長500nmの可視光透過率92%)を脱脂・洗浄・乾燥した。当該フィルム上に、図2に示すN−MHVスパッタ装置によって、所定の薄膜を成膜した。各種の薄膜は次の条件で成膜した。
1.AlN膜の成膜
アルミニウムAl(純度5N)、125mm×300mmをターゲットとして用いた。
当該Alをターゲットホルダーに設置し、前記PETフィルムを基板ホルダーにセットした。続いて真空チャンバー内を10−5Pa以下に真空排気した後、スパッタガスであるArガス及び反応ガスであるNガスを順次供給して、真空チャンバー内を、Arガス0.3Pa、Nガス0.15Paとした。スパッタ電力は500Wとし、所望の膜厚に応じてスパッタ時間を調整し、所定の膜厚のAlN薄膜を得た。
2.1%パラジウムドープ銀薄膜の成膜
パラジウムPdを1wt%含有する銀(以下AgPdと表記する)、125mm×300mmをターゲットとして用いた。当該AgPdをターゲットホルダーに設置し、前記PETフィルム(表面にAlN膜が成膜されたもの)を基板ホルダーにセットした。続いて真空チャンバー内を10−5Pa以下に真空排気した後、スパッタガスとして流量99sccmのArガスを供給して、真空チャンバー内をArガス1.0Paとした。スパッタ電力は500Wとし、所望の膜厚に応じてスパッタ時間を調整し、所定の膜厚のAgPd薄膜を得た。
[実施例1]AlN/AgPd/AlN積層膜
上記の成膜条件に基づき、AlN(20nm)/AgPd(18nm)/AlN(20nm)の積層膜を作成した。AlN20nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は4分、AgPd18nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は90秒とした。
[実施例2]
AlN膜を30nm(スパッタリング時間6分)とする以外は実施例1と同様に積層膜を作成した。
[実施例3]
AlN膜を30nm(スパッタリング時間6分)、AgPd膜を20nm(スパッタリング時間100秒)とする以外は実施例1と同様に積層膜を作成した。
[実施例4]
AlN膜を40nm(スパッタリング時間8分)とする以外は実施例1と同様に積層膜を作成した。
[実施例5]
AlN膜を40nm(スパッタリング時間8分)、AgPd膜を20nm(スパッタリング時間100秒)とする以外は実施例1と同様に積層膜を作成した。
[実施例6]
AlN膜を40nm(スパッタリング時間8分)、AgPd膜を22nm(スパッタリング時間110秒)とする以外は実施例1と同様に積層膜を作成した。
[実施例7]
AlN膜を50nm(スパッタリング時間10分)とする以外は実施例1と同様に積層膜を作成した。
[実施例8]
AlN膜を50nm(スパッタリング時間10分)、AgPd膜を20nm(スパッタリング時間100秒)とする以外は実施例1と同様に積層膜を作成した。
[実施例9]
AlN膜を50nm(スパッタリング時間10分)、AgPd膜を22nm(スパッタリング時間110秒)とする以外は実施例1と同様に積層膜を作成した。
実施例1〜9で得られた透明断熱シートの波長550nmでの透過率(T550、%)及び波長1000nmでの透過率(T1000、%)、及びそれらの比T550/T1000を下表1に示す。
透過率は、朝日分光株式会社製、分光光度計HUS−100Sを用い、各基材でのリファレンスにて測定を行った。
Figure 2014218042
上表のとおり、本発明の透明断熱シートはいずれも、T550が70%以上かつT1000が30%以下であり、またT550/T1000はいずれも2.5を超えた。すなわち、本発明の透明断熱シートは可視光透過性と赤外線遮蔽性とを両立し、高い選択透過性を有することがわかる。
[比較例]
金属薄膜層として、1%パラジウムドープ銀の代わりに純銀(純度5N)を用いた以外は実施例の成膜条件と同様に積層膜を作成した。
[比較例1]
AlN(20nm)/純Ag(18nm)/AlN(20nm)の積層膜を作成した。AlN20nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は4分、純Ag18nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は90秒とした。
[比較例2]
AlN(30nm)/純Ag(20nm)/AlN(30nm)の積層膜を作成した。AlN30nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は6分、純Ag20nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は100秒とした。
[比較例3]
AlN(40nm)/純Ag(20nm)/AlN(40nm)の積層膜を作成した。AlN40nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は8分、純Ag20nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は100秒とした。
[比較例4]
AlN(40nm)/純Ag(22nm)/AlN(40nm)の積層膜を作成した。AlN40nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は8分、純Ag22nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は110秒とした。
[比較例5]
AlN(50nm)/純Ag(20nm)/AlN(50nm)の積層膜を作成した。AlN50nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は10分、純Ag20nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は100秒とした。
[比較例6]
AlN(50nm)/純Ag(22nm)/AlN(50nm)の積層膜を作成した。AlN50nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は10分、純Ag22nm薄膜の成膜(スパッタリング)時間は110秒とした。
比較例1〜6で得られた透明断熱シートの波長550nmでの透過率(T550、%)を下表2に示す。なお、表の右欄に、同じ膜厚を有する本発明の実施例膜の透過率を示す。
透過率は、朝日分光株式会社製、分光光度計HUS−100Sを用い、各基材でのリファレンスにて測定を行った。
Figure 2014218042
上表2に示されるとおり、金属薄膜として純Agを用いた比較例1〜6の透明断熱シートはいずれも、T550が70%未満であった。同じ膜厚の、本発明の積層膜と比較例の膜とを比較すると、本発明の積層膜は15〜25%程度高いT550が得られたことがわかる。
また、データは示していないが、T550/T1000についても、本発明の積層膜は同一膜厚の比較例の積層膜に対して3〜30%(平均12.5%)高いT550/T1000を有することがわかった。
図3に、同じ膜厚を有する実施例及び比較例の膜の透過率スペクトルを示す。いずれの膜もAlN層は40nm、金属薄膜は20nmである。図3に示されるとおり、実施例の膜の透過率は、可視光域においては比較例の積層膜よりも顕著に高く、赤外域においては比較例の積層膜と同等又は低い。すなわち実施例の膜は、透明断熱シートとして優れた特性を有することがわかる。
1 スパッタ装置
2 真空チャンバー
3 スパッタ電力供給用電源
4 基板ホルダー
5 排気装置
6 ガス供給装置
6’ スパッタガス導入供給口
6’’ 反応ガス供給口
10a,10b ターゲット
10a’,10b’ スパッタ面(対向面)
11a,11b ターゲットホルダー
12a,12b バッキングプレート
20a,20b ターゲット間磁場発生手段
30a,30b 補助磁場発生手段
K プラズマ発生空間
B 基体シート
B’ 被成膜面
AP 導電性金属薄膜
AN 窒化物半導体薄膜

Claims (7)

  1. 透明な基体シート上に、金属薄膜と、当該金属薄膜の上下に各1層設けられたセラミック薄膜とを含む積層構造を設けてなる透明断熱シートであって、
    前記金属薄膜はPd、Nd及び/又はNiを0.5〜10wt%ドーピングした銀からなる膜であり、前記セラミック薄膜はアルミニウム及び/又はアルミニウム合金の窒化物膜であり、
    波長550nmにおける透過率(T550)と波長1000nmにおける透過率(T1000)との比T550/T1000が2.5〜10.0であること
    を特徴とする透明断熱シート。
  2. 前記セラミック薄膜が、窒化アルミニウム薄膜、又は、Cu、Sn及び/又はTiを0.1〜10wt%含む窒化アルミニウム薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の透明断熱シート。
  3. 前記金属薄膜の厚みが5〜50nmであり、前記セラミック薄膜の厚みが10〜100nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明断熱シート。
  4. 波長550nmにおける透過率(T550)が70%〜95%、かつ、波長1000nmにおける透過率(T1000)が5%〜30%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の透明断熱シート。
  5. アルミニウム及び/又はアルミニウム合金をターゲットとし、不活性ガスであるスパッタガス及び窒素ガスを含有する反応ガスを用いて、対向ターゲットスパッタ法によってセラミック薄膜を成膜する工程と、
    Pd、Nd及び/又はNiを0.5〜10wt%ドーピングした銀をターゲットとし、不活性ガスであるスパッタガスを用いて対向ターゲットスパッタ法によって金属薄膜を成膜する工程と、
    を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の透明断熱シートの製造方法。
  6. 前記対向ターゲットスパッタ法に用いられる装置が、
    間隔をおいて互いに対向すると共に、一方の側方位置に配置される成膜対象となる基板側に開口するように互いに対向する面を傾斜させて一対のターゲットが配置され、
    前記一対のターゲットの各々を囲むようにその周縁に沿って配置される筒状の一対の永久磁石を備える補助磁場発生手段を有することを特徴とする対向ターゲットスパッタ装置である、請求項5に記載の透明断熱シートの製造方法。
  7. 前記成膜工程が、基板を加熱することなく行われることを特徴とする、請求項5又は6に記載の透明断熱シートの製造方法。
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