JP2014208427A - 離型フィルム及びフレキシブルプリント基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラミネート時に高温に曝された使用済み離型フィルムの剥離力を新品の離型フィルムの剥離力と同等まで低減する離型フィルムを提供する。【解決手段】フレキシブルプリント基板のフィルム基材とカバーレイフィルムとの熱プレス接着に用いられた使用済みポリブチレンテレフタレート樹脂製離型フィルムを、昇温で示差走査熱量測定を行うと結晶化の際に観察される吸熱温度が185℃以上樹脂の融点未満の範囲内の値を示すようにアニール処理することにより、再利用可能な離型フィルム。【選択図】図3

Description

本発明は、離型フィルム及びフレキシブルプリント基板に関し、特に、フレキシブルプリント基板とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際に用いられた使用済み離型フィルムにアニール処理を施した離型フィルム及び該離型フィルムを用いて熱プレス工程を施したフレキシブルプリント基板に関する。
一般的に、フレキシブルプリント基板は、フィルム基材表面の回路パターン上に、接着剤層を介してカバーレイフィルムが被覆されることにより、回路パターンが保護される。フィルム基材上へのカバーレイフィルムの被覆(ラミネート)は、プレス熱盤による熱圧着により行われる。その際に、カバーレイフィルム表面を保護すると共に、フィルム基板に形成されたスルーホールが接着剤で塞がれることを回避するために離型フィルムが使用されている。
このような離型フィルムとしては、カバーレイフィルムとの剥離性に優れたものが望まれる。すなわち、フィルム基材とカバーレイフィルムとを熱プレス接着した後に、離型フィルムがカバーレイフィルムから簡単に引き剥がせるものが好ましい。離型フィルムの具体的な組成としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂から成るものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
ところで、近年は、省資源による経済性や環境保護の理由から、フィルム基材とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際に一度用いられた離型フィルム(以下、「使用済み離型フィルム」という)を再利用することが望まれている。
特開2005−212453号公報 特開2010−194841号公報
しかしながら、上述したような使用済み離型フィルムは、カバーレイフィルムをフィルム基板にラミネートする際に、離型フィルムが高温(例えば、175°)に曝されることにより、離型フィルムの剥離性が悪化する。すなわち、フィルム基材とカバーレイフィルムとを熱プレス接着した後に、離型フィルムをカバーレイフィルムから引き剥がす際に要する力(剥離力)が新品の離型フィルムと比較して著しく増大する。これにより、離型フィルムをカバーレイフィルムから引き剥がす際の作業性が悪化すると共に、カバーレイフィルム表面に強固に接着された離型フィルムを引き剥がすことでカバーレイフィルム表面にしわや傷等のダメージが生じる虞があるため、使用済み離型フィルムをそのまま再利用することは難しいという問題があった。
そこで、ラミネート時に高温に曝された使用済み離型フィルムの剥離力を新品の離型フィルムの剥離力と同等まで低減するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は、この課題を解決することを目的とする。
本発明者が鋭意研究を重ねた結果、使用済み離型フィルムを通常の熱プレス工程におけるプレス温度よりも高温でアニール処理して体積飽和(フィジカルエージング)させると、樹脂の結晶化と思われる材料変質が生じ、使用済み離型フィルムの剥離性が新品の離型フィルムの剥離性と同等まで改善できることを発見した。
また、本発明者は、アニール処理を施した使用済み離型フィルムに対して示差走査熱量測定を実施すると観察される、ポリブチレンテレフレフタレート樹脂の結晶化のための吸熱ピークの温度(以下、「結晶化のための吸熱温度」という)が、使用済み離型フィルムの剥離力の指標となることを見出した。特に、ポリブチレンテレフレフタレート樹脂の結晶化のための吸熱温度が、185℃以上から樹脂の融点未満の範囲内の値をとる場合には、使用済み離型フィルムの剥離力が、新品の離型フィルムの剥離力と同等まで低減されることを見出した。
本発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、請求項1記載の発明は、フレキシブルプリント基板のフィルム基材とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際に用いられた使用済みポリブチレンテレフタレート樹脂製離型フィルムを、昇温で示差走査熱量測定を行うと結晶化の際に観察される吸熱温度が185℃以上かつ樹脂の融点未満の範囲内の値を示すようにアニール処理することにより、再利用可能な離型フィルムを提供する。
この構成によれば、使用済み離型フィルムの結晶化のための吸熱温度が185℃以上樹脂の融点未満の範囲内に現れるように離型フィルムをアニール処理することで、離型フィルム内に材料の結晶化と思われる材料変質が生じ、使用済み離型フィルムの剥離性を新品のものと同等まで改善できる、すなわち、使用済み離型フィルムの剥離力が新品の離型フィルムの剥離力と同等まで低減されることを見出した。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の離型フィルムの構成に加えて、前記アニール処理が、前記使用済みポリブチレンテレフタレート樹脂製離型フィルムをロール状に巻回して加熱されることにより行われる離型フィルムを提供する。
この構成によれば、使用済み離型フィルムがロール状に巻回された状態でアニール処理されることにより、多量の使用済み離型フィルムを一度にアニール処理可能なため、再利用に好適な離型フィルムを効率良く得ることができ、また、使用済み離型フィルムが、ロール周方向への熱膨張を制限された状態で加熱されるため、使用済み離型フィルムが不均一に熱膨張することに起因するしわの発生を抑制して、再利用に好適な離型フィルムの歩留まりを向上させることができる。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の離型フィルムの構成に加えて、前記アニール処理が、前記使用済みポリブチレンテレフタレート樹脂製離型フィルムを酸素遮断状態で加熱されることにより行われる離型フィルムを提供する。
この構成によれば、使用済み離型フィルムをアニール処理する際、使用済み離型フィルムが酸素に曝されることを回避するため、使用済み離型フィルムが高温下で酸素劣化することなく、再利用に好適な離型フィルムの歩留まりを更に向上させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の離型フィルムを用いて、基材フィルムとカバーレイフィルムとを熱プレス接着されたフレキシブルプリント基板を提供する。
この構成によれば、良好な剥離性を維持した離型フィルムを繰り返し使用可能なため、省資源化を実現して環境に優しく、熱プレス接着に要するコストを低減することができる。
請求項1記載の発明は、使用済み離型フィルムの剥離力を新品の離型フィルムの剥離力と同等まで低減して、再利用に好適な離型フィルムを得ることができる。
請求項2記載の発明は、多量の使用済み離型フィルムを一度にアニール処理して、再利用に好適な離型フィルムを効率良く得ると共に、使用済み離型フィルムが不均一に熱膨張することに起因するしわの発生を抑制して、再利用に好適な離型フィルムの歩留まりを向上させることができる。
請求項3記載の発明は、使用済み離型フィルムが高温下で酸素劣化することなく、再利用に好適な離型フィルムの歩留まりを更に向上させることができる。
請求項4記載の発明は、環境に優しく、低コストでフレキシブルプリント基板の熱プレス接着を実現することができる。
フレキシブルプリント基板の熱プレス工程を示す説明図であり、(a)は、プレス熱盤で熱圧着する前の状態を示す図であり、(b)は、プレス熱盤で熱圧着している状態を示す図であり、(c)は、離型フィルムをカバーレイフィルムから剥離する状態を示す図である。 アニール処理を施した離型フィルムにおける結晶化のための吸熱温度の温度特性を示す図。 離型フィルムにおける結晶化のための吸熱温度と剥離力との関係を示す図。 190℃でアニール処理を行った離型フィルムの時間特性に関する示差走査熱量測定の結果を示す図。 180℃でアニール処理を行った離型フィルムの時間特性を関する示差走査熱量測定の結果を示す図。 ロール状の使用済み離型フイルムを示す図。
本発明は、使用済み離型フィルムの剥離性を新品のものと同等まで改善するという目的を達成するために、フレキシブルプリント基板のフィルム基材とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際に用いられた使用済みポリブチレンテレフタレート樹脂製離型フィルムを、昇温で示差走査熱量測定を行うと結晶化の際に観察される吸熱温度が185℃以上かつ樹脂の融点未満の範囲内の値を示すようにアニール処理することにより、再利用可能な離型フィルムにより実現した。
以下に、本発明の実施例について説明する。
まず、使用済み離型フィルムのアニール処理を説明する。
アニール処理を施す使用済みの離型フィルムは、図1に示すような、カバーレイフィルムをフィルム基材にラミネートする通常の熱プレス接着工程を経ることで得られる。すなわち、まず、フレキシブルプリント基板10を構成するフィルム基材11、エポキシ樹脂製接着剤層12、及びポリイミド樹脂製カバーレイフィルム13の順に重ね合わせ、このカバーレイフィルム13の上にポリブチレンテレフタレート樹脂製離型フィルム20(積水化学工業株式会社製、商品名:OTフィルム、融点:223℃)を重ねて、上下から一対のプレス熱盤Pで押圧する。その後、プレス熱盤Pからフレキシブルプリント基板10と離型フィルム20とを取り出し、カバーレイフィルム13から離型フィルム20を引き剥がすことにより、使用済み離型フィルムを得ることができる。本実施例の熱プレス接着工程では、プレス温度を175℃、プレス圧を4MPaに設定したが、各部材の物性に応じて適宜変更して構わない。
使用済み離型フィルムへのアニール処理は、上述した一対のプレス熱盤間に使用済み離型フィルムを挟み、所定温度、所定時間で加熱することにより行う。本実施例では、使用済み離型フィルムに対して、加熱温度195℃、加熱時間10秒の条件でアニール処理を行った。
また、本実施例との比較例として、上述した使用済み離型フィルムに対して温度条件を変えてアニール処理を行った。比較例1は、アニール処理を行わなかったもの、比較例2は、加熱温度175℃、加熱時間10秒でアニール処理したもの、比較例3は、加熱温度185℃、加熱時間10秒でアニール処理したものである。
次に、実施例及び各比較例に係る離型フィルムについて、昇温での示差走査熱量測定で観察される吸熱ピークの温度、すなわち、結晶化のための吸熱温度Tcを測定する手順について説明する。
示差走査熱量測定は、上述した実施例及び各比較例に係る離型フィルムについて、示差走査熱量計(TA Instruments社製、型番:Q200)を用いて昇温速度10℃/minで行った。
実施例及び各比較例に係る離型フィルムの示差走査熱量測定の結果を図2に示す。また、結晶化のための吸熱温度Tcと、比較例1を基準とした吸熱温度Tcにおける単位グラム当たりの熱量であるピーク高さとを表1に示す。
図2及び表1から、アニール処理の処理温度が融点Tmである223℃に近づくに従って、結晶化のための吸熱温度Tcも高くなることが分かる。また、アニール処理の処理温度が融点Tmに近づくに従って、結晶化のための吸熱温度Tcで観察されるピーク高さも大きくなることが分かる。
次に、実施例及び各比較例に係る離型フィルムの剥離力の測定手順を説明する。
離型フィルムの剥離力を測定するにあたっては、まず、これら離型フィルムを用いて通常の熱プレス接着を行う。実施例及び各比較例では、プレス温度185℃、プレス圧4MPaで熱プレスを行い、プレス熱盤からフレキシブルプリント基板と離型フィルムとを取り出す。その後、20秒以内に離型フィルムに対して垂直に当てたプッシュプルゲージで離型フィルム上の3点の最大剥離力を測定する。そして、これら3点の最大剥離力の平均値を、その離型フィルムの剥離力とした。
実施例及び各比較例に係る離型フィルムの結晶化のための吸熱温度Tcと剥離力とを表2に示す。また、実施例及び比較例2、3並びに温度条件を変えてアニール処理を行った離型フィルムの結晶化のための吸熱温度Tcと剥離力の分布を図3に示す。
図3から、結晶化のための吸熱温度Tcが、185℃以上で融点Tmである223℃未満の値を示す場合には、離型フィルムの剥離力が5gを下回っていることが分かる。
新品の離型フィルムの剥離力は、3〜5gに設定されており、結晶化のための吸熱温度Tcが185℃以上223℃未満の範囲の値を示す使用済み離型フィルムの剥離力は、新品の離型フィルムの剥離力と同等まで低減されていることが分かる。
なお、本発明者は、アニール処理の加熱温度を190℃以上に設定すると、離型フィルムを示差走査熱量測定する際に観察される結晶化に起因する吸熱温度Tcが、185℃以上でポリブチレンテレフタレート樹脂の融点Tmである223℃未満の範囲の値をとることが見出したが、結晶化に起因する吸熱温度Tcが185℃以上223℃未満の範囲の値をとるのであれば、加熱温度を190℃以下に設定しても構わない。
次に、上述したアニール処理は、温度依存性が大きく、時間依存性が小さいことを示す。図4は、使用済み離型フィルムに対して、加熱温度を190℃に設定し、処理時間を5秒、15秒と変えてアニール処理を行った各離型フィルムについて、上述した示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minで熱分析を行ったものである。また、これら熱分析により得られた結晶化のための吸熱温度Tc、比較例1を基準としたピーク高さ、及び剥離力を表3に示す。
また、使用済み離型フィルムに対して、加熱温度を185℃に設定し、処理時間を5秒、15秒と変えたアニール処理を行った各離型フィルムについて、同様に示差走査熱量計を用いた熱分析の結果を図5に示す。また、これら熱分析により得られた結晶化のための吸熱温度Tc、ピーク高さ及び剥離力を表4に示す。
図4及び表3から、結晶化のための吸熱温度Tcが185℃以上223℃未満の範囲の値をとる場合には、アニール処理の処理時間の長短に係らず、使用済み離型フィルムの剥離力は、新品の離型フィルムの剥離力と同等まで下がることが分かる。
一方、図5及び表4から、結晶化のための吸熱温度Tcが185℃未満の値をとる場合には、アニール処理の処理時間を長くしても、使用済み離型フィルムの剥離力は、アニール処理を行っていない比較例1に係る離型フィルムの剥離力(15g)よりも若干下回る程度に留まり、また、新品の離型フィルムの剥離力(3〜5g)と比較しても高いことが分かる。
すなわち、使用済み離型フィルムにアニール処理を施しても、昇温での示差走査熱量分析において観察される結晶化のための吸熱温度が185℃以上に達しなければ、アニール処理時間の長短に係らず、使用済み離型フィルムの剥離力は低下しないことが分かる。
したがって、離型フィルムを再利用するために行うアニール処理は、時間依存性が低く、温度依存性が高いことを見出された。
以上、本発明に係る離型フィルムは、使用済みの離型フィルムに上述したアニール処理を施すことにより、離型フィルム内に材料の結晶化と思われる材料変質が生じるため、使用済み離型フィルムの剥離性を新品の離型フィルムのものと同等まで向上させることができる。
また、上述したアニール処理を施した使用済み離型フィルムを用いることにより、フレキシブルプリント基板のフィルム基材とカバーレイフィルムとの熱プレス接着を、環境に優しく、且つ、低コストで実現することができる。
次に、多量の使用済み離型フィルムを一度にアニール処理する手順について説明する。
まず、図6に示すように、シート状の使用済み離型フィルムを心棒31の回りに巻回してロール状の使用済み離型フィルム30を用意する。具体的には、使用済み離型フィルムをペレタイザーでペレット化し、このペレットをダイでシート状に変形させて円筒状の心棒31の周囲に巻回させることで、ロール状の使用済み離型フィルム30が得られる。本実施例では、ロール状の使用済み離型フィルム30の厚みtを53mmに設定した。
次に、ロール状に巻回された使用済み離型フィルム30を容積215Lの恒温炉内に配置し、炉内温度190℃、加熱時間6時間でアニール処理する。恒温炉のオーブンの加熱能力は4.5kWである。本実施例では、図6中のロール状に巻回された使用済み離型フィルム30の内周部分Aが、フィルム表面からの熱伝導により徐々に昇温されるため、炉内温度及び加熱時間は、内周部分Aにおいて結晶化のための吸熱温度Tcが185℃以上で融点Tm未満の値を示す範囲で適宜調整して構わない。
オーブンでロール状の使用済み離型フィルム30を加熱する前に、恒温炉内を酸素遮断状態にすること、すなわち、炉内を真空引きして窒素等の不活化ガスで置換したり、不活化ガスを炉内に流入させて酸素を追い出したりすることが好ましい。これにより、加熱時に、ロール状の使用済み離型フィルム30が酸素に曝されることを防止できる。
上述したアニール処理を施したロール状の使用済み離型フィルム30の結晶化のための吸熱温度Tcと剥離力とを表5に示す。結晶化のための吸熱温度Tc及び剥離力の測定は、図6中のAに示す内周部分と、図6中のBに示すロール状に巻回された使用済み離型フィルムの外周部分とで行った。
表5から、ロール状に巻回された使用済み離型フィルム30の内周部分Aと、外周部分Bとは、いずれも結晶化のための吸熱温度Tcが、185℃以上で融点Tmである223℃未満の値を示しており、剥離力が、新品の離型フィルムの剥離力(3〜5g)を下回っている。すなわち、使用済み離型フィル30をロール状に巻回しても一度にアニール処理可能であり、再利用に好適な離型フィルムを効率良く得ることができる。
また、上述したように使用済み離型フィルムをロール状に巻回した状態でアニール処理することにより、例えば、シート状の使用済み離型フィルムをそのまま加熱するとシート長手方向での不均一な熱膨張によってしわが生じ易いのに対して、ロール状の使用済み離型フィルム30では、ロール周方向への熱膨張を制限されるため、熱膨張に起因するしわの発生が抑制されて、再利用に好適な離型フィルムの歩留まりを向上させることができる。
また、ロール状の使用済み離型フィルム30が酸素遮断状態でアニール処理されることにより、使用済み離型フィルムが高温下で酸素に曝されることに起因した酸素劣化の発生を防止されるため、再利用に好適な離型フィルムの歩留まりを更に向上させることができる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
本発明は、アニール処理を施したポリブチレンテレフタレート樹脂製の使用済み離型フィルムの剥離力が5g以下に低減されるものであれば良く、結晶化のための吸熱温度が185℃を若干下回っても構わない。
本発明に係る離型フィルムに対するアニール処理の具体的な方法としては、上述したものに限定されず、例えば、一定の処理温度に加熱したロール間を通過させて連続的に加熱するものであっても構わない。
本発明に係る離型フィルムは、単層構造であっても、複層構造であっても構わない。
また、本発明に係る離型フィルムの具体的組成は、ポリブチレンテレフタレート樹脂単体であっても、ポリブチレンテレフタレート樹脂と他の樹脂との混合樹脂であっても、ポリブチレンテレフタレート樹脂に添加剤を含めたものであっても構わない。
10・・・ フレキシブルプリント基板
11・・・ フィルム基板
12・・・ 接着剤層
13・・・ カバーレイフィルム
20・・・ 離型フィルム
30・・・ ロール状に巻回された使用済み離型フィルム
P ・・・ プレス熱盤

Claims (4)

  1. フレキシブルプリント基板のフィルム基材とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際に用いられた使用済みポリブチレンテレフタレート樹脂製離型フィルムを、昇温で示差走査熱量測定を行うと結晶化の際に観察される吸熱温度が185℃以上かつ樹脂の融点未満の範囲内の値を示すようにアニール処理することにより、再利用可能なことを特徴とする離型フィルム。
  2. 前記アニール処理が、前記使用済みポリブチレンテレフタレート樹脂製離型フィルムをロール状に巻回して加熱されることにより行われることを特徴とする請求項1記載の離型フィルム。
  3. 前記アニール処理が、前記使用済みポリブチレンテレフタレート樹脂製離型フィルムを酸素遮断状態で加熱されることにより行われることを特徴とする請求項2記載の離型フィルム。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の離型フィルムを用いて、前記フィルム基材と前記カバーレイフィルムとを熱プレス接着されたことを特徴とするフレキシブルプリント基板。
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