JP2014203545A - 負極合材 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電サイクル特性が高い全固体リチウム電池を得ることができる新規な負極合材を提供する。
【解決手段】(a)黒鉛、及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有し、下記条件(1)を満たす略球状の複合活物質、及び
(b)固体電解質
を含む負極合材。
(1)加速電圧10kV以下での走査型電子顕微鏡観察により観察される前記複合活物質表面上に露出している前記黒鉛の面積率が95%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、負極合材に関する。
現行のリチウムイオン電池には、電解質として有機系電解液が主に用いられている。
有機系電解液は高いイオン伝導度を示すものの、電解液が液体でかつ可燃性であることから、電池として用いた場合に、漏洩、発火等の危険性が懸念されている。この問題を解決する次世代リチウムイオン電池として、より安全性の高い硫化物系固体電解質を使用した全固体リチウムイオン電池が開発された(特許文献1)。
電気自動車用途等の電池では、高いエネルギー密度を有することが求められる。シリコンは高い理論容量を有し、負極活物質にシリコン系負極活物質を用いた電池の開示があるものの(特許文献2、3)、充放電サイクル特性が十分ではなかった。
また、液系リチウムイオン電池用では新しいシリコン系負極活物質の開示があるものの、全固体リチウムイオン電池としたときの特性は明らかではなかった(特許文献4)。
特開2005−228570号公報 特開2010−003679号公報 特開2003−331828号公報 国際公開第2013/027686号
本発明の目的は、充放電サイクル特性が高い全固体リチウム電池を得ることができる新規な負極合材を提供することである。
本発明によれば、以下の負極合材等が提供される。
1.(a)黒鉛、及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有し、下記条件(1)を満たす略球状の複合活物質、及び
(b)固体電解質
を含む負極合材。
(1)加速電圧10kV以下での走査型電子顕微鏡観察により観察される前記複合活物質表面上に露出している前記黒鉛の面積率が95%以上である。
2.(c)黒鉛、及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有し、下記(2)の製造方法により製造される略球状の複合活物質、及び
(b)固体電解質
を含む負極合材。
(2)比表面積30m/g以上の黒鉛と、リチウムイオンと化合可能な電池活物質とを混合して、混合物を得る混合工程と、
前記混合物に球形化処理を施し、黒鉛及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有する略球状の複合活物質を製造する球形化工程とを有する、複合活物質の製造方法。
3.前記黒鉛が膨張黒鉛である、1又は2に記載の負極合材。
4.前記リチウムイオンと化合可能な電池活物質が、シリコン、スズ、アルミニウム、アンチモン及びインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する、1〜3のいずれかに記載の負極合材。
5.前記複合活物質のタップ密度が0.8g/cm以上である、1〜4のいずれかに記載の負極合材。
6.前記複合活物質の比表面積が5〜100m/gである、1〜5のいずれかに記載の負極合材。
7.前記リチウムイオンと化合可能な電池活物質の平均粒子径が1μm以下である、1〜6のいずれかに記載の負極合材。
8.前記固体電解質がLi、P、及びSを含むリチウムイオン伝導性無機固体電解質である、1〜7のいずれかに記載の負極合材。
9.前記固体電解質が下記式(I)に示す組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質である、1〜8のいずれかに記載の負極合材。
Li ・・・(I)
(式(I)において、Mは、B、Zn、Si、Cu、Ga又はGeから選択される元素を示す。
a〜dは各元素の組成比を示し、a:b:c:dは1〜12:0〜0.2:1:2〜9を満たす。)
10.前記固体電解質がガラスセラミックスである、1〜9のいずれかに記載の負極合材。
11.前記固体電解質が、結晶化度が50%以上のガラスセラミックスである、1〜10のいずれかに記載の負極合材。
12.前記固体電解質が少なくともPとLiSを用いて製造されたものである、2〜11のいずれかに記載の負極合材。
13.比表面積30m/g以上の黒鉛と、リチウムイオンと化合可能な電池活物質とを混合して、混合物を得る混合工程と、
前記混合物に球形化処理を施し、黒鉛及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有する略球状の複合活物質を製造する球形化工程と、
前記複合活物質と固体電解質とを混合する工程と
を有する、負極合材の製造方法。
14.13記載の製造方法により製造された負極合材。
15.1〜12及び14のいずれかに記載の負極合材を含む負極。
16.1〜12及び14のいずれかに記載の負極合材から製造された負極。
17.15又は16に記載の負極を含むリチウム二次電池。
18.17に記載のリチウム二次電池を備える装置。
本発明によれば、充放電サイクル特性が高い全固体リチウム電池を得ることができる新規な負極合材を提供できる。
図1(A)は、実施例1にて作製した複合活物質のXRD回折パターン(*:膨張黒鉛由来のピーク、+:Si由来のピーク)を示す図であり、図1(B)は、膨張黒鉛と標準珪素試料との混合物のXRD回折パターン(*:膨張黒鉛由来のピーク、+:Si由来のピーク)を示す図である。 図2は、実施例1にて作製した複合活物質のSEM(走査型電子顕微鏡)による2次電子像(加速度電圧10kV)であり、図2(A)は倍率:500倍、図2(B)は倍率:2000倍である。
本発明の負極合材の一形態は、
(a)黒鉛、及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有し、下記条件(1)を満たす略球状の複合活物質、及び
(b)固体電解質
を含む。
(1)加速電圧10kV以下での走査型電子顕微鏡(SEM)観察により観察される前記複合活物質表面上に露出している前記黒鉛の面積率が95%以上である。
また、本発明の負極合材の別の形態は、(c)黒鉛、及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有し、下記(2)の製造方法により製造される略球状の複合活物質、及び
(b)固体電解質
を含む。
(2)比表面積30m/g以上の黒鉛と、リチウムイオンと化合可能な電池活物質とを混合して、混合物を得る混合工程と、
前記混合物に球形化処理を施し、黒鉛及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有する略球状の複合活物質を製造する球形化工程とを有する、複合活物質の製造方法。
[複合活物質と製造方法]
以下に、本発明の負極合材に使用する複合活物質とその製造方法について詳述する。
まず、従来技術と比較した本発明の特徴点について詳述する。
本発明の負極合材に使用する複合活物質の製造方法の特徴点の一つとしては、所定の比表面積の黒鉛を使用して、黒鉛及びリチウムイオンと化合する電池活物質の混合物に対して球状化処理を施している点が挙げられる。より具体的には、まず、膨張黒鉛や薄片化した黒鉛(薄片状黒鉛)等の所定の比表面積を有する黒鉛が持つ巨大な空間又は表面積を利用して、黒鉛表面に電池活物質(好ましくは微粒子化した電池活物質)を高度に均一分散させる。その後、得られた電池活物質高分散黒鉛組成物に球形化処理を施すことにより、黒鉛AB面間の高い接着性に基づいて黒鉛と電池活物質との密着性を高めることが可能となる。上記手順によって得られる複合活物質は、大きな比表面積を示す極めて薄い厚みの黒鉛シートで、電池活物質を包み込む形状を有している。よって、本発明の負極合材に使用する複合活物質は、従来のリチウム二次電池用複合活物質と比較して、黒鉛と電池活物質との間の接触頻度と密着性が比較にならない程良好である。その結果、電池活物質に高い導電性を付与し、かつ、充放電サイクルに伴う電池活物質の粒子崩壊による導電パスの欠落をも回避することが可能となり、結果としてリチウム二次電池の高いサイクル特性を実現することができる。
従来、黒鉛と電池活物質とからなるリチウム二次電池用複合活物質は、電池活物質の体積膨張や収縮を緩和するために複合活物質中に膨張緩和の空間を敢えて設けていた。しかしながら、本発明の負極合材に使用する複合活物質は、全く逆の発想で黒鉛と電池活物質とをできるだけ高分散させ、さらに圧着することで、電池活物質の膨張を強固な黒鉛AB面内に封じ込め、導電性の維持と複合活物質の変形を抑制している。
さらに、充放電サイクルに伴い電池活物質が微粉化等の物理的変形を受けても、電池活物質は柔軟に層間距離を調節できる黒鉛層間に挟まれた状態で維持されるので、電池活物質の導電性は維持される。
さらには、この複合活物質を球形化した成型材料とすることにより、粉化した電池活物質はそれを内包する薄片状黒鉛の層からの脱落を抑制することができる。又は、球形化処理を施されて得られる複合活物質は、球形化により黒鉛エッジ面を実質的に外表面に露出しない構造を有する。さらに必要に応じて、その表面をCVD炭素で被覆することにより、電池活物質又は黒鉛エッジ面がリチウム二次電池用複合活物質の表面に露出することの無いエッジレス構造とすることができる。このような構造を有する複合活物質は、より優れた安全性を示す。
本発明の負極合材に使用する複合活物質の構造上の特徴を表す特性としては、その形状が略球状であり、10kV以下の低加速電圧で走査型電子顕微鏡を用いて複合活物質の2次電子像を観察すると、複合活物質表面上に露出している黒鉛の面積率が95%以上である点が挙げられる。つまり、電池活物質が実質的に複合活物質中に内包されている。さらに、2次電子像中において、薄い黒鉛層を透過して、黒鉛層内に挟み込まれた状態で内包された電池活物質を直接観察できる。
また、X線回折においては、黒鉛層間にインターカレーションした層間化合物に起因するピークはほとんど認められず、この複合活物質が黒鉛と電池活物質との機械的混合物からなる複合体であることがわかる。このように薄い厚みの黒鉛シートによって微細な電池活物質を包み込むことにより、黒鉛シート間内での電池活物質の高度な分散と密な接着が図られる。その結果、本来、非導電性又は導電性の低い電池活物質から大きな電池容量を引き出し、さらには微細な電池活物質に起因する物質内のリチウムイオンの拡散距離が小さいという特性を生かし、極めて高い充放電レート特性及び良好なサイクル特性を有するリチウム二次電池を作製可能なリチウム二次電池用複合活物質を提供することができる。
まず、本発明の負極合材に使用する複合活物質の製造方法について詳述し、その後製造される複合活物質の態様について詳述する。
本発明の負極合材に使用する複合活物質の製造方法は、所定の黒鉛及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を混合する混合工程と、得られた混合物に球形化処理を施す球形化工程とを備える。
以下に、工程ごとに、使用される材料及びその手順について詳述する。
<混合工程>
混合工程は、比表面積30m/g以上の黒鉛と、リチウムイオンと化合可能な電池活物質(以後、単に電池活物質も称する)とを混合して、混合物を得る工程である。本工程を実施することによって、極めて広い黒鉛表面に電池活物質が均一に混じり合い、極めて高度に電池活物質が分散した混合物を得ることができる。後述するように、黒鉛は大きな面積を有しているため、混合物中の黒鉛表面に分散し付着した電池活物質は、黒鉛に僅かな圧力を加えるだけで黒鉛に挟みこまれる形で、黒鉛間に包み込まれる(言い換えれば内包される)。
まず、本工程で使用される材料(黒鉛、電池活物質等)について詳述し、その後本工程の手順について詳述する。
(黒鉛)
複合活物質に含有される黒鉛は、比表面積が30m/g以上を示す。上記範囲内であれば、高表面積(好ましくは、厚みの薄い)の黒鉛表面に高度に電池活物質が分散した複合活物質が得られる。その結果として、この複合活物質を用いた電池材料は、大充放電容量及び良好なサイクル特性を示す。なかでも、該複合活物質を用いたリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点で、40m/g以上が好ましく、60m/g以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、製造の手順が煩雑となり、合成が困難な点で、比表面積は200m/g以下が好ましい。
黒鉛の比表面積が30m/g未満の場合、黒鉛と電池活物質との混合が不均一となり、成型時の電池活物質の脱落や成型複合物表面への電池活物質の露出等が起こり、結果として、複合活物質を用いたリチウム二次電池の充放電量及びサイクル特性に劣る。
尚、黒鉛の比表面積は、窒素吸着によるBET法(JIS Z 8830、一点法)を用いて測定したものである。
黒鉛中においては、黒鉛面を重ねる方向でグラフェンシートが複数枚重なった層が含まれており、グラフェンシートは主にファンデルワールス力によって互いに結合している。
上記所定の比表面積を示す黒鉛中に含まれる積層したグラフェンシートの層の平均厚みは、複合活物質を用いたリチウム二次電池の充放電量及びサイクル特性がより優れる点で、29nm以下が好ましく、22nm以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、製造手順が煩雑になることから、通常、4.4nm以上である場合が多い。
尚、一般的に、単一のグラフェンシートの厚みは0.34nmという薄さといわれており、平均厚みが18nmより薄い場合には比表面積は約50m/gより大きくなると計算される。また、グラフェン単一シートは、2630m/gに達する比表面積の理論値を有する。
尚、上記平均厚みの測定方法としては、電子顕微鏡観察(TEM)によって黒鉛を観察し、黒鉛中の積層したグラフェンシートの層の厚みを10個以上測定して、その値を算術平均することによって、平均厚みが得られる。
使用される黒鉛の嵩比重の下限は特に制限されないが、黒鉛への電池活物質のより均一かつより高度な分散がなされる点で、0.01g/cm以上が好ましく、0.02g/cm以上がより好ましい。上限は、製造上の問題から、0.05g/cm以下の場合が多い。
尚、嵩比重の測定方法としては、500mlのガラス製メスシリンダーに試料を圧縮しないように挿入し、その試料重量を試料体積で除して求める。
黒鉛としては、市販品を使用してもよいし、公知の方法で製造してもよい。いわゆる膨張黒鉛や、薄片状黒鉛を使用することができる。
膨張黒鉛の製造方法としては、例えば、酸中に黒鉛(例えば、鱗片状黒鉛)を室温で浸漬した後、得られた酸処理黒鉛に加熱処理(好ましくは、700〜1000℃で処理)を施すことにより製造することができる。より具体的には、硫酸9重量部と硝酸1重量部の混酸に鱗片状天然黒鉛を1時間程度浸漬後、酸を除去し、水洗・乾燥を行う。その後、得られた酸処理黒鉛を850℃程度の炉に投入することで膨張黒鉛が得られる。尚、酸処理黒鉛の代わりに、アルカリ金属など黒鉛と層間化合物を形成した黒鉛を使用しても、膨張黒鉛を得ることができる。
上記で得られた酸処理黒鉛の嵩密度は特に限定されないが、酸処理黒鉛が十分に膨張する点で、0.6g/cm以上が好ましく、0.7g/cm以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、製造上の問題から、1.0g/cm以下の場合が多い。
尚、嵩密度の測定方法としては、100mlのガラス製メスシリンダーに試料を圧縮しないように挿入し、その試料重量を試料体積で除して求める。
また、薄片状黒鉛の製造方法としては、上記膨張黒鉛を溶媒に分散後、超音波処理や大きなズリ応力を与える粉砕機(例えば、石臼)等で処理することにより、膨張黒鉛のヒンジ部が破壊され、グラフェンシート枚数で50枚程度(好ましくは、10〜150枚)が積層した薄片状の黒鉛を得ることができる。
尚、上記比表面積を示す膨張黒鉛を構成するグラフェンシートの枚数と、それを解砕した薄片状黒鉛を構成するグラフェンシートの枚数は、基本的にほぼ同一と推測される。
(電池活物質)
本工程で使用される電池活物質としては、リチウムイオンと化合可能な電池活物質(好ましくは、負極活物質)である。言い換えれば、リチウムイオンと化合して、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る物質(例えば、金属、金属の炭化物、窒化物、酸化物等)であればよい。例えば、リチウムイオンの吸収及び放出が可能な金属もしくは非金属、又は、リチウムと合金化可能な金属酸化物である。好ましくは、負極活物質である。
より具体的には、シリコン(ケイ素:Si)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、インジウム(In)、銀(Ag)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)等の金属(リチウムと合金化可能な金属)もしくはこれら金属を含む合金(例えば、Si合金、Sb合金、Sn合金、In合金)、又は、SnO、SnO等の金属酸化物(リチウムと合金化可能な金属酸化物)等が挙げられる。
なかでも、得られる複合活物質を用いて得られるリチウム二次電池の理論容量及びサイクル特性がより優れる点で、電池活物質がSi、Sn、Al、Sb及びInからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが好ましく、Si又はSnの元素を含有することがより好ましい。電池活物質がSiを含有することが最も好ましい。
尚、該合金については、上記した金属の組み合わせからなる合金の他、リチウムイオンを吸蔵及び放出しない金属を含む合金であってもよい。この場合、合金中の上記リチウムと合金化可能な金属の含有量はより多いほうが好ましい。SEM観察で得られる2次電子像で判断する粒子の均一性やサイクル特性等から判断すると、金属含有量の上限は70質量%であることが好ましく、60質量%以下がより好ましい。
使用される電池活物質の形状は特に制限されず、粉状、板状、粒状、繊維状、塊状、球状等、あらゆる形状のものが使用可能である。
使用される電池活物質の平均粒子径としては、黒鉛と電池活物質との複合化時の電池活物質の脱落やサイクルに伴う電池活物質の膨張破壊等がより抑制される点で、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.1μm以下がさらに好ましい。下限値については、特に制限はなく小さいほうが好ましい。通常の粉砕方法では、平均粒子径0.01μm程度までの微粉末を製造することが可能であり、この程度の粒径の粉末を有効に用いることができる。
尚、平均粒子径の測定方法としては、レーザー回折式の粒度分布測定器が用いられる。
尚、上記所定の平均粒子径の電池活物質を得る方法としては、撹拌槽型撹拌ミル(ビーズミル等)等の公知の装置を用いて電池活物質の粉砕を行うことによって、上記した粒径の小さい粉末を得ることが可能である。
(工程の手順)
上述した黒鉛と電池活物質との混合方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができ、いわゆる乾式処理又は湿式処理等が挙げられる。尚、得られる混合物中での黒鉛と電池活物質とがより均一に混合する点より、湿式処理の態様が好ましい。
乾式処理としては、例えば、公知の撹拌機(例えば、ヘンシェルミキサー)に上述した黒鉛と電池活物質とを加え、混合する方法がある。
湿式処理としては、例えば、上述した黒鉛と電池活物質とを溶媒中に分散させ、得られた溶液を混合撹拌して、溶媒を除去する方法が挙げられる。
湿式処理の際に使用される溶媒の種類は特に制限されず、黒鉛と電池活物質とを分散させることができる溶媒であればよい。例えば、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、アミド系溶媒(例えば、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、エステル系溶媒(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル)、カーボネート系溶媒(例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート)、エーテル系溶媒(例えば、セロソルブ)、ハロゲン系溶媒、水及びこれらの混合物等が挙げられる。
なかでも、得られる複合活物質を用いたリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点で、アルコール系溶媒が好ましい。
湿式処理において、黒鉛と電池活物質とを混合撹拌する条件は特に制限されず、使用される材料に応じて適宜最適な条件が選択される。通常、撹拌時間としては、黒鉛と電池活物質とのより均一に分散する結果、得られる複合活物質を用いたリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点で、1〜2時間程度が好ましい。
また、必要に応じて、撹拌処理時に超音波を加えてもよい。
溶媒を除去する方法は特に制限されず、公知の装置(例えば、エバポレータ)等を使用する方法が挙げられる。
黒鉛と電池活物質との混合比は特に制限されないが、得られる複合活物質を用いたリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点で、黒鉛100質量部に対して、電池活物質を10〜230質量部混合することが好ましく、40〜150質量部混合することがより好ましい。
また、溶媒の使用量は特に制限されないが、より高度な分散が図られる結果、得られる複合活物質を用いたリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点で、黒鉛100質量部に対して、溶媒を3000〜15000質量部混合することが好ましく、5000〜7000質量部混合することがより好ましい。
<球形化工程>
球形化工程は、混合物に球形化処理を施し、黒鉛及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有する略球状の複合活物質を製造する工程である。
本工程を実施することにより、黒鉛のシートがその内部に電池活物質を取り込むように折り畳まれて球形化する。その際、黒鉛のエッジ部は内部に折り畳まれ、形成される複合活物質の表面には実質的に露出しない構造が得られる。
以下に、鱗片状の黒鉛を使用した場合と、比表面積の大きな黒鉛(膨張黒鉛又は薄片状黒鉛)を使用した場合との球形化工程におけるメカニズムの違いについて詳述する。
例えば、特開2008−27897号公報に記載されるように、鱗片状の黒鉛と電池活物質とを高速気流中に置くと、黒鉛の長軸方向、即ち黒鉛のAB面は気流の方向に配列し、気流と垂直に設けられたピン又は衝突板に衝突し、黒鉛AB面は圧縮変形し、結果的に電池活物質を挟み込む形で球形化する。この場合、黒鉛表面に存在する電池活物質の多くは衝突時の衝撃で黒鉛表面から離れ、たまたま黒鉛AB面間に挟まれた状態の電池活物質のみが黒鉛層間に挟み込まれる。
一方、本発明においては、例えば、使用される比表面積の大きな黒鉛が膨張黒鉛の場合、膨張黒鉛の長軸は黒鉛C軸方向であり、高速気流中に該黒鉛が置かれると、黒鉛C軸が気流方向に配列し、ピンや衝突板に衝突する。その結果、まず黒鉛C軸が圧縮され、黒鉛は膨張前の形態に近い状態に変化する。これは黒鉛のAB面に付着した電池活物質が黒鉛で押し潰され、完全に電池活物質が黒鉛層同士で挟み込まれることを意味する。一旦C軸方向に圧縮された黒鉛は、AB面が長軸となる構造に変化し、やがて黒鉛AB面が折り畳まれた球形成型体へと変化する。
また、薄片状黒鉛の場合、黒鉛AB面に平行方向の圧縮と垂直方向の圧縮を同時に受けるが、黒鉛AB面の弾性率が低いため、黒鉛AB面に垂直方向の圧縮により黒鉛AB間で容易に接着して変形し、薄片状黒鉛表面に付着した電池活物質は黒鉛AB面内に挟み込まれる作用が先行する。その後、弾性率の高い黒鉛AB面の変形が起こり、球形化が進行する。
また、膨張黒鉛又は薄片状黒鉛は、それを構成する積層したグラフェンシートの層の厚みが小さいため、より小さなAB面方向の圧縮力でAB面の変形が容易に行われることはいうまでもない。
球形化処理の方法は特に制限されず、主に衝撃応力を加えられる粉砕機であれば特に限定されない。粉砕機としては、例えば、高速回転衝撃式粉砕機が挙げられ、より具体的にはサンプルミル、ハンマミル、ピンミル等を用いることができる。なかでも、黒鉛と電池活物質との混合がより均一に実施され、結果として得られる複合活物質を用いたリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点で、ピンミルが好ましい。
高速回転衝撃式粉砕機としては、高速回転するローターに試料を衝突させて、その衝撃力による微細化を達成するものが挙げられ、例えば、ローターに固定式あるいはスイング式の衝撃子を取り付けたハンマーミルタイプのハンマー型、回転する円盤にピンや衝撃ヘッドを取り付けたピンミルタイプの回転円盤型、試料がシャフト方向に搬送されながら粉砕する軸流型、狭い環状部での粒子の微細化を行うアニュラー型等が挙げられる。より具体的には、ハンマミル、ピンミル、スクリーンミル、ターボ型ミル、遠心分級型ミル等が挙げられる。
尚、本工程を上記高速回転衝撃式粉砕機で行なう場合には、通常100rpm以上、好ましくは1500rpm以上、また、通常20000rpm以下の回転速度で球形化を行うことが好ましい。過度の衝撃力により球形化より粉砕が進行する。従って、衝突速度は20m/秒〜100m/秒程度とすることが好ましい。
粉砕と異なり、球形化処理は低い衝撃力で処理するため、本工程は通常循環処理を行うことが好ましい。その処理時間は、使用する粉砕機の種類や仕込み量等によって異なるが、通常2分以内であり、適切なピン或いは衝突板の配置がなされた装置であれば処理時間は10秒程度で終了する。
また、球形化処理は空気中で行うことが好ましい。窒素気流同処理を行うと、大気開放時に発火する危険がある。
<複合活物質>
上述した工程を経て得られる複合活物質は、略球状であり、黒鉛と電池活物質とを含有する。
以下、得られた複合活物質について詳述する。
複合活物質の形状は、上記処理によって略球状の形状を有する。略球状とは、複合活物質が丸みを帯びた構造を有し、破砕粒に一般的に見られるような鋭いエッジ(峰部や綾部)を有さない形状であることを意図する。
より具体的には、略球状とは、長径と短径との比率であるアスペクト比(長径/短径)が1〜3の範囲程度(本発明の効果がより優れる点で、1〜2がより好ましい)の複合活物質粒子の形状を表す。上記アスペクト比は、少なくとも100の粒子について一つ一つの粒子の長径/短径を求め、それらの算術平均した値(算術平均値)を意味する。
尚、上記における短径とは、走査型電子顕微鏡等によって観察される粒子の外側に接し、粒子を挟み込む二つの平行線の組み合わせのうち最短間隔になる二つの平行線の距離である。一方、長径とは、該短径を決定する平行線に直角方向の二つの平行線であって、粒子の外側に接する二つの平行線の組み合わせのうち、最長間隔になる二つの平行線の距離である。これらの四つの線で形成される長方形は、粒子がちょうどその中に納まる大きさとなる。
加速電圧10kV以下での走査型電子顕微鏡(SEM)観察により観察されるリチウム二次電池用複合活物質表面上に露出している黒鉛の面積率は、95%以上である。なかでも、98%以上がより好ましく、99%以上がさらに好ましい。上限値は特に制限されず、100%が挙げられる。面積率が上記範囲内であれば、複合活物質の表面上に露出している電池活物質の量が少なく、結果としてサイクル特性等に優れる。
上記面積率が上記範囲外(95%未満)の場合、電池活物質の脱落等が生じやすく、サイクル特性に劣る。
面積率の測定方法としては、加速電圧10kV以下での走査型電子顕微鏡(好ましくは、倍率2000倍以上)によって、少なくとも100個以上の複合活物質を観察し、各複合活物質表面上に占める黒鉛の面積率を測定し、それらを算術平均した値である。
また、加速電圧10kV以下での走査型電子顕微鏡観察により観察されるリチウム二次電池用複合活物質表面上に露出している電池活物質の面積率は、5%以下が好ましい。なかでも、2%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましい。下限は特に制限されず、0%が挙げられる。面積率が上記範囲内であれば、複合活物質の表面上に露出している電池活物質の量が少なく、結果としてサイクル特性等に優れる。
面積率の測定方法としては、加速電圧10kV以下での走査型電子顕微鏡(好ましくは、倍率2000倍以上)によって、少なくとも100個以上の複合活物質を観察し、各複合活物質表面上に占める電池活物質の面積率を測定し、それらを算術平均した値である。
また、複合活物質の特徴として、加速電圧10kV以下での走査型電子顕微鏡観察により観察すると、薄い黒鉛層を透過して黒鉛層内に挟み込まれた状態で内包された電池活物質を直接観察できる。
また、複合活物質の好ましい態様として、黒鉛のエッジ部がその表面上に実質的に露出していない態様が挙げられる。エッジ部が表面に露出していないことによって、充放電サイクル時に発生しやすい電解液の分解や黒鉛の破壊がより抑制され、結果としてサイクル特性の向上がもたらされる。
複合活物質中における電池活物質の含有量は、上述した混合工程における黒鉛と電池活物質との含有量により適宜調整できる。
なかでも、得られる複合活物質を使用したリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点で、電池活物質の含有量は、複合活物質全量に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%がより好ましく、30質量%以上が特に好ましい。上限としては、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
尚、得られる複合活物質において電池活物質の含有量が上記範囲内である場合でも、複合活物質表面に露出する黒鉛の面積率は上記範囲内となる。
尚、電池活物質をSiとする場合、複合活物質中のSiの含有量を30質量%とした場合、Siのみに由来する充放電容量は1200mAh/g程度となる。
複合活物質の粒径(D50:50%体積粒径)は特に制限されないが、得られる複合活物質を用いたリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点で、2〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。
尚、粒径(D90:90%体積粒径)は特に制限されないが、得られる複合活物質を用いたリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点で、7〜30μmが好ましく、10〜25μmがより好ましい。
さらに、粒径(D10:10%体積粒径)は特に制限されないが、得られる複合活物質を用いたリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点で、1〜10μmが好ましく、2〜3μmがより好ましい。
D10、D50及びD90は、レーザー回折散乱法により測定した累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積50%、累積90%の粒径にそれぞれ該当する。
尚、測定に際しては、複合活物質を液体に加えて超音波等を利用しながら激しく混合し、作製した分散液を装置にサンプルとして導入し、測定を行う。液体としては作業上、水やアルコール、低揮発性の有機溶媒を用いることが好ましい。この時、得られる粒度分布図は正規分布を示すことが好ましい。
複合活物質の嵩密度は特に制限されないが、得られる複合活物質の体積当たりの容量をより大きくするため、0.5g/cm以上が好ましく、0.7g/cm以上がより好ましい。上限は特に制限されない。
嵩密度の測定方法は、25mlのメスシリンダーを用いる以外は、上述した黒鉛の嵩密度の測定方法と同じである。
複合活物質のタップ密度は特に制限されないが、得られる複合活物質の体積当たりの容量をより大きくするため、0.8g/cm以上が好ましく、1.0g/cm以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、1.6g/cm以下が好ましい。
タップ密度の測定方法は、試料を25mlメスシリンダーには入れ、タッピングを行い、容量変化がなくなった時点の試料重量を試料体積で除して求める。
複合活物質の比表面積(BET比表面積)は特に制限されないが、得られる複合活物質を用いたリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点で、5m/g以上が好ましく、8m/g以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100m/g以下が好ましい。
複合活物質の比表面積(BET比表面積)の測定方法は、試料を300℃で30分真空乾燥後、窒素吸着1点法で測定する。
必要に応じて、複合活物質の表面を炭素で被覆することができる。該処理を実施することにより、複合活物質の表面積を調整し、電気化学的安定性を高めることができる。
炭素で被覆する方法は特に制限されないが、例えば、CVD法が挙げられる。より具体的には、トルエン等のガスを流し、750〜1100℃でCVD処理を行うことが好ましい。
[固体電解質]
本発明の負極合材に使用する固体電解質は、例えば、酸化物系固体電解質又は硫化物系固体電解質である。
(1)酸化物系固体電解質
酸化物系固体電解質には、LiN、LISICON類、Thio−LISICON類、La0.55Li0.35TiO等のペロブスカイト構造を有する結晶;NASICON型構造を有するLiTi12;これらを結晶化した電解質等が挙げられる。
(2)硫化物系固体電解質
硫化物系固体電解質は、好ましくはLi、P、及びSを含むリチウムイオン伝導性無機固体電解質であり、より好ましくは下記式(I)に示す組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質である。
Li ・・・(I)
式(I)において、Mは、B、Zn、Si、Cu、Ga又はGeから選択される元素を示す。
a〜dは各元素の組成比を示し、a:b:c:dは1〜12:0〜0.2:1:2〜9を満たす。
好ましくは、bは0であり、より好ましくは、a、c及びdの比(a:c:d)がa:c:d=1〜9:1:3〜7、さらに好ましくは、a:c:d=1.5〜4:1:3.25〜4.5である。
各元素の組成比は、後述するように、硫化物系固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
硫化物系固体電解質は、非晶質(ガラス)であっても結晶化(ガラスセラミックス)していてもよく、一部のみ結晶化していてもよい。
ここで、結晶化させると非晶質よりもイオン伝導度が高くなる場合があり、その場合には結晶化させることが好ましい。
硫化物系固体電解質の結晶構造として、例えば、特開2002−109955号公報に開示されているLiPS構造、Li構造、LiPS構造、LiSiS構造、LiSiS構造、特開2005−228570号公報及び国際公開第2007/066539号に開示されているLi11構造が好ましく、これら結晶構造であれば、非晶体よりイオン伝導度を高めることができる。
ここで、硫化物系固体電解質の結晶化された部分は、1つの結晶構造のみからなっていてもよく、複数の結晶構造を有していてもよい。
特にイオン伝導度が高い硫化物系固体電解質の結晶構造としてはLi11が挙げられる。
Li11構造は、X線回折(CuKα:λ=1.5418Å)において、2θ=17.8±0.3deg,18.2±0.3deg,19.8±0.3deg,21.8±0.3deg,23.8±0.3deg,25.9±0.3deg,29.5±0.3deg,30.0±0.3degに回折ピークを有する。
硫化物系固体電解質の結晶化度(非晶体よりイオン伝導度が高い結晶構造の結晶化度)は、50%以上が好ましく、より好ましくは60%以上である。
硫化物系固体電解質の結晶化度が50%未満の場合は、結晶化によってイオン伝導度を高くするという効果が少なくなるためである。
結晶化度は、NMRスペクトル装置を用いることにより測定できる。具体的には、硫化物系固体電解質の固体31P−NMRスペクトルを測定し、得られたスペクトルについて、70−120ppmに観測される共鳴線を、非線形最少二乗法を用いたガウス曲線に分離し、各曲線の面積比を求めることにより測定できる。
硫化物系固体電解質は、以下の方法により製造することができる。
硫化物系固体電解質の原料は、LiS(硫化リチウム)、P(三硫化二リン)、P(五硫化二リン)、SiS(硫化珪素)、LiSiO(オルト珪酸リチウム)、Al(硫化アルミニウム)、単体のリン(P)、単体の硫黄(S)、シリコン(Si)、GeS(硫化ゲルマニウム)、B(三硫化二ホウ素)、LiPO(燐酸リチウム)、LiGeO(ゲルマン酸リチウム)、LiBO(メタホウ酸リチウム)、LiAlO(リチウムアルミネート)等を用いることができる。
好ましい硫化物系固体電解質の原料は、LiS(硫化リチウム)、P(五硫化二リン)である。
以下、硫化物系固体電解質の原料として、LiS(硫化リチウム)、P(五硫化二リン)を用いた硫化物系固体電解質について説明する。
硫化リチウムは、例えば、特開平7−330312号公報、特開平9−283156号公報、特開2010−163356号公報、特開2011−84438号公報に記載の方法により製造することができる。
特開2010−163356号公報では、炭化水素系有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを70℃〜300℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成する。また、特開2011−84438号公報では、水溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを10℃〜100℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成する。
硫化物系固体電解質の製造に用いる硫化リチウムは、特に制限はないが、高純度のものが好ましい。
硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下であり、かつN−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下である。
硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であると、溶融急冷法やメカニカルミリング法で得られる硫化物系固体電解質は、ガラス状の硫化物系固体電解質(完全非晶質)となる。一方、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%を超えると、得られる電解質は、最初から結晶化物となるおそれがあり、この結晶化物のイオン伝導度は低い。さらに、この結晶化物について熱処理を施しても結晶化物には変化がなく、高イオン伝導度の硫化物系固体電解質を得ることができないおそれがある。また、N−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であると、N−メチルアミノ酪酸リチウムの劣化物がリチウムイオン電池のサイクル性能を低下させることがない。
このように不純物が低減された硫化リチウムを用いると、高いイオン伝導度を有する硫化物系固体電解質が得られる。
特開平7−330312号公報及び特開平9−283156号公報に記載の硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩等を含むため、精製することが好ましい。
硫化リチウムを精製する場合、好ましい精製法としては、例えば国際公開第2005/40039号に記載された精製法等が挙げられる。具体的には、上記のようにして得られた硫化リチウムを、有機溶媒を用い、100℃以上の温度で洗浄することで精製する。
尚、特開2010−163356号公報に記載の硫化リチウムの製法で製造した硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩等の含有量が非常に少ないため、精製せずに硫化物系固体電解質の製造に用いることができる。
硫化物系固体電解質の製造に用いる五硫化二リン(P)は、工業的に製造され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
硫化リチウムと五硫化二リンを用いて硫化物系固体電解質を製造する場合、硫化リチウムと五硫化二リンの割合(モル比)は、通常、LiS:P=50:50〜80:20であり、好ましくは60:40〜80:20であり、さらに好ましくは65:35〜78:22であり、最も好ましくは68:32〜76:24である。
硫化リチウム(LiS)と五硫化二リン(P)を用いたガラス状の硫化物系固体電解質の製造方法としては、溶融急冷法、メカニカルミリング法(MM法)、有機溶媒中で原料を反応させるスラリー法等がある。
(a)溶融急冷法
溶融急冷法は、例えば、特開平6−279049号公報、国際公開第2005/119706号に記載されている。具体的には、所定量のPとLiSを乳鉢にて混合しペレット状にしたものを、カーボンコートした石英管中に入れ真空封入する。所定の反応温度で反応させた後、氷中に投入し急冷することにより、ガラス状の硫化物系固体電解質が得られる。
反応温度は、好ましくは400℃〜1000℃、より好ましくは、800℃〜900℃である。
反応時間は、好ましくは0.1時間〜12時間、より好ましくは、1〜12時間である。
反応物の急冷温度は、通常10℃以下、好ましくは0℃以下であり、その冷却速度は、通常1〜10000K/sec程度、好ましくは10〜10000K/secである。
(b)メカニカルミリング法
メカニカルミリング法は、例えば、特開平11−134937号公報、特開2004−348972公報、及び特開2004−348973号公報に記載されている。
例えば、PとLiSを所定量乳鉢にて混合し、各種ボールミル等を使用して所定時間反応させることにより、ガラス状の硫化物系固体電解質が得られる。
上記原料を用いたメカニカルミリング法は、室温で反応を行うことができる。メカニカルミリング法によれば、室温でガラス状の硫化物系固体電解質を製造できるため、原料の熱分解が起らず、仕込み組成のガラス状の硫化物系固体電解質を得ることができるという利点がある。また、メカニカルミリング法では、ガラス状の硫化物系固体電解質の製造と同時に、ガラス状の硫化物系固体電解質を微粉末化できるという利点もある。
メカニカルミリング法は、回転ボールミル、転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル等種々の形式を用いることができる。尚、特開2010−90003号公報に記載されているように、ボールミルのボールは異なる径のボールを混合して使用してもよい。
メカニカルミリング法の条件としては、例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。この際、原料が60℃以上160℃以下になるようにすることが好ましい。
特開2009−110920号公報及び特開2009−211950号公報に記載されているように、原料に有機溶媒を添加してスラリー状にし、このスラリーをメカニカルミリング処理してもよい。また、特開2010−30889号公報に記載のようにメカニカルミリング処理の際のミル内の温度を調整してもよい。
(c)スラリー法
スラリー法は、例えば国際公開第2004/093099号及び国際公開第2009/047977号に記載されている。
具体的には、所定量の五硫化二燐(P)粒子と硫化リチウム(LiS)粒子を有機溶媒中で所定時間反応させることにより、ガラス状の硫化物系固体電解質が得られる。
ここで、特開2010−140893号公報に記載されているように、反応を進行させるため、原料を含むスラリーをビーズミルと反応容器との間で循環させながら反応させてもよい。また、国際公開第2009/047977号に記載されているように、原料の硫化リチウムを予め粉砕しておくと効率的に反応を進行させることができる。この他、特開2011−136899号公報に記載されているように、原料の硫化リチウムの比表面積を大きくするために溶解パラメーターが9.0以上の極性溶媒(例えば、メタノール、ジエチルカーネート、アセトニトリル)に所定時間浸漬してもよい。
スラリー法に用いる有機溶媒としては特に制限はないが、非プロトン性有機溶媒が特に好ましい。
非プロトン性有機溶媒は、非プロトン性有機溶媒(例えば、炭化水素系有機溶媒)、非プロトン性極性有機化合物(例えば、アミド化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、有機イオウ化合物、環式有機リン化合物等)を含み、単独溶媒として、又は混合溶媒として、好適に使用することができる。
非プロトン性有機溶媒である炭化水素系有機溶媒としては、飽和炭化水素溶媒、不飽和炭化水素溶媒又は芳香族炭化水素溶媒が使用でき、飽和炭化水素溶媒としては、ヘキサン、ペンタン、2−エチルヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等が挙げられ、不飽和炭化水素溶媒としては、ヘキセン、ヘプテン、シクロヘキセン等が挙げられ、芳香族炭化水素溶媒としては、トルエン、キシレン、デカリン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。これらのうち炭化水素系溶媒のうち、特にトルエン、キシレンが好ましい。
炭化水素系溶媒は、あらかじめ脱水されていることが好ましい。具体的には、水分含有量として100重量ppm以下が好ましく、特に30重量ppm以下であることが好ましい。
尚、必要に応じて炭化水素系溶媒に他の溶媒を添加してもよい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エタノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類等、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
原料の有機溶媒への添加量は、原料である硫化リチウムと五硫化二燐が、溶液又はスラリー状になる程度であることが好ましい。通常、有機溶媒1リットルに対する原料(合計量)の添加量は、0.001kg以上1kg以下程度であり、好ましくは0.005kg以上0.5kg以下であり、より好ましくは0.01kg以上〜0.3kgである。
スラリー法において、反応温度は、好ましくは20℃以上80℃以下、より好ましくは20℃以上60℃以下である。また、反応時間は、好ましくは1時間以上16時間以下、より好ましくは2時間以上14時間以下である。
溶融急冷法、メカニカルミリング法及びスラリー法の温度条件、処理時間、仕込み料等の製造条件は、使用設備等に合わせて適宜調整することができる。
結晶性の硫化物系固体電解質の製造方法は、特開2005−228570号公報、国際公開第2007/066539号、特開2002−109955号公報に開示されている。
具体的には、上述の方法で得られたガラス状硫化物系固体電解質を所定の温度で熱処理することで、結晶性硫化物系固体電解質が得られる。
ガラス状硫化物系固体電解質の加熱は、露点−40℃以下の環境下で行うことが好ましく、より好ましくは露点−60℃以下の環境下で行うことが好ましい。
加熱時の圧力は、常圧であっても減圧下であってもよく、加熱時の雰囲気は、空気であってもよく、不活性雰囲気下であってもよい。さらに特開2010−186744号公報に記載されているように溶媒中で加熱してもよい。
Li11結晶構造を有する硫化物系固体電解質を製造する場合の加熱条件としては、以下が挙げられる。
熱処理温度は、好ましくは180℃以上330℃以下、より好ましくは200℃以上320℃以下、特に好ましくは210℃以上310℃以下である。180℃より低いと結晶化度の高い硫化物系固体電解質が得られにくい場合があり、330℃より高いとイオン伝導度の低い結晶構造を有する硫化物系固体電解質が生じるおそれがある。
熱処理時間は、熱処理温度が180℃以上210℃以下の場合は、3時間以上240時間以下が好ましく、特に4時間以上230時間以下が好ましい。また、熱処理温度が210℃より高く330℃以下の場合は、0.1時間以上240時間以下が好ましく、0.2時間以上235時間以下がより好ましく、0.3時間以上230時間以下がさらに好ましい。
熱処理時間が0.1時間より短いと、結晶化度の高い硫化物系固体電解質が得られにくい場合があり、240時間より長いと、結晶化度の低い硫化物系固体電解質が生じるおそれがある。
LiPS結晶構造、Li結晶構造、LiPS結晶構造、LiSiS結晶構造、又はLiSiS結晶構造を有する硫化物系固体電解質を製造する場合、これら結晶構造を有する硫化物系固体電解質は公知の方法で製造することができ、例えば、特開2002−109955号公報に開示されている方法が挙げられる。
[その他の成分]
本発明の負極合材は、リチウム二次電池用複合活物質及び固体電解質に加えて、例えば、バインダー等のその他の任意成分を含んでもよい。
バインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。
また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。
[負極合材の組成]
本発明の負極合材に含まれるリチウム二次電池用複合活物質と固体電解質の重量比は、例えば90:10〜30:70(重量比)であり、好ましくは80:20〜40:60(重量比)である。
本発明の負極合材は、リチウム二次電池用複合活物質及び固体電解質のみからなってもよく、又はリチウム二次電池用複合活物質及び固体電解質から実質的になってもよい。本発明において「実質的になる」とは、負極合材中のリチウム二次電池用複合活物質及び固体電解質の含有量が、例えば90重量%以上、95重量%以上、97重量%以上、又は99重量%以上であることをいう。
[負極合材の製造方法]
本発明の負極合材は、複合活物質及び固体電解質を含む材料を混合することにより製造することができる。
材料の混合方法は、特に制限なく使用することができ、例えば、乳鉢、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、ピンミル、サンドミル、カッターミルを用いて混合する乾式混合;及び有機溶媒中に原料を分散させた後に、乳鉢、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、ピンミル、サンドミル、フィルミックスを用いて混合し、その後溶媒を除去する湿式混合を適用することができる。
[リチウム二次電池]
本発明の負極合材は、リチウム二次電池の負極層の材料として好適に用いることができる。本発明のリチウム二次電池は、正極層、電解質層及び負極層をこの順に備える全固体電池であり、負極層が本発明の負極合材を含む。
上述した複合活物質は、リチウム二次電池で使用される電池材料(電極材料)に使用される活物質として有用である。
上記複合活物質を用いた電池材料の特徴として、電池材料の理論値に近い容量が得られること、サイクル特性が良好なこと、レート特性が優れていることが挙げられる。電池材料の理論値に近い容量が得られる理由としては、微細化した電池活物質の周囲に導電性の優れた黒鉛が十分に存在できることが挙げられる。また、サイクル特性が良好な理由としては、サイクルに伴い電池活物質が粉化しても、電池活物質は薄い黒鉛層に密着して包まれているために導電パスを失うことがないことが挙げられる。さらに、レート特性が優れている理由としては、電池活物質が微細化している結果、Liイオンの拡散距離が小さいことが挙げられる。特に、レート特性は粒子径が小さくなるほど良好になることは理論的に明らかであるが、サイクルに伴いさらに微細化した電池活物質が脱落することなく、薄い黒鉛層に確実に保持された環境下で十分に導電パスが確保されて初めて達成されるものである。
以下、本発明のリチウムイオン電池の各層について説明する。
(1)負極層
負極層(以下、単に「負極」ともいう)は、本発明の負極合材を含む層又は本発明の負極合材から製造された層である。
負極層は、本発明の負極合材を含めばよく、本発明の負極合材のみからなってもよい。
負極層の厚さは、100nm以上5mm以下が好ましく、1μm以上3mm以下がより好ましく、5μm以上1mm以下がさらに好ましい。
負極層は公知の方法により製造することができ、例えば、塗布法、静電法(静電スプレー法、静電スクリーン法等)により製造することができる。
(2)電解質層
電解質層は、固体電解質を含む層である。電解質層を構成する固体電解質としては、上述した酸化物系固体電解質が挙げられ、また硫化物系固体電解質の他に、ポリマー系固体電解質が挙げられる。
ポリマー系固体電解質としては、例えば特開2010−262860号公報に開示されているように、フッ素樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、及びこれらの誘導体並びに共重合体等の、ポリマー電解質として用いられる材料が挙げられる。
ポリマー系固体電解質であるフッ素樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)や、これらの誘導体等を構成単位として含むポリマーが挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のホモポリマー;、VdFとHFPの共重合体(以下、この共重合体を「P(VdF−HFP)」と示す場合がある。)等の2元共重合体や3元共重合体が挙げられる。
電解質層は、固体電解質のみからなってもよく、さらにバインダーを含んでもよい。当該バインダーとしては、本発明の負極合材のバインダーと同じものが使用できる。
電解質層の厚さは、0.001mm以上1mm以下であることが好ましい。
電解質層の固体電解質は、融着していることが好ましい。融着とは、固体電解質粒子の一部が溶解し、溶解した部分が他の個体電解質粒子と一体化することを意味する。また、電解質層は、固体電解質の板状体であってもよく、当該板状体は、固体電解質粒子の一部又は全部が溶解し、板状体になっている場合も含む。
電解質層は、公知の方法により製造することができ例えば、塗布法、静電法(静電スプレー法、静電スクリーン法等)により製造することができる。
(3)正極層
正極層(以下、単に「正極」ともいう)は、正極活物質を含む層である。
正極活物質は、リチウムイオンの挿入脱離が可能な物質であり、電池分野において正極活部質として公知のものが使用できる。
正極活物質としては、例えばV、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、Li(NiCoMn)O(ここで、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LiNi1−YCo、LiCo1−YMn、LiNi1−YMn(ここで、0≦Y<1)、Li(NiCoMn)O(0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LiMn2−ZNi、LiMn2−ZCoZO(ここで、0<Z<2)、LiCoPO、LiFePOが挙げられる。
硫化物系正極活物質では、硫化チタン(TiS)、硫化モリブデン(MoS)、硫化鉄(FeS、FeS)、硫化銅(CuS)及び硫化ニッケル(Ni)等が使用でき、好ましくは、TiSである。
酸化物系正極活物質では、酸化ビスマス(Bi)、鉛酸ビスマス(BiPb)、酸化銅(CuO)、酸化バナジウム(V13)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)等が使用できる。尚、これらを混合して用いることも可能である。好ましくは、コバルト酸リチウムが使用できる。
また、LiCoO,LiNiO,LiMn,LiFePO,LiCoPO,LiMn1/3Ni1/3Co1/3,LiMn1.5Ni0.5等も使用できる(Xは0.1〜0.9である。)
上記の他、セレン化ニオブ(NbSe)、以下に示す有機ジスルフィド化合物、以下に示すカーボンスルフィド化合物、硫黄、硫化リチウム、金属インジウム等を正極活物質として使用でき、好ましくは、硫黄、硫化リチウムである。
(式(A)〜(C)において、Xはそれぞれ置換基であり、n及びmはそれぞれ独立に1〜2の整数であり、p及びqはそれぞれ独立に1〜4の整数である。
式(D)において、Zはそれぞれ−S−又は−NH−であり、nは繰返数2〜300の整数である。)
(式中、n、mは、それぞれ1以上の整数である。)
正極層は、さらに固体電解質及び/又は導電助剤を含んでいてもよい。
正極層が含む固体電解質は、負極層及び電解質層の固体電解質と同様のものが挙げられる。
導電助剤は、導電性を有していればよく、その電子伝導度は、好ましくは1×10S/cm以上であり、より好ましくは1×10S/cm以上である。導電助剤としては、炭素材料、金属粉末及び金属化合物から選択される物質、及びこれらの混合物が挙げられる。
導電助剤の具体例としては、好ましくは炭素材料、ニッケル、銅、アルミニウム、インジウム、銀、コバルト、マグネシウム、リチウム、クロム、金、ルテニウム、白金、ベリリウム、イリジウム、モリブデン、ニオブ、オスニウム、ロジウム、タングステン及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む物質であり、より好ましくは導電性が高い炭素単体、炭素単体以外の炭素材料;ニッケル、銅、銀、コバルト、マグネシウム、リチウム、ルテニウム、金、白金、ニオブ、オスニウム又はロジウムを含む金属単体、混合物又は化合物である。
尚、炭素材料の具体例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック;黒鉛、炭素繊維、活性炭等が挙げられ、これらは単独でも2種以上でも併用可能である。なかでも、電子伝導性が高いアセチレンブラック、デンカブラック、ケッチェンブラックが好適である。
正極の厚さは、0.01mm以上10mm以下であることが好ましい。
正極層は、公知の方法により製造することができ、例えば、塗布法、静電法(静電スプレー法、静電スクリーン法等)により製造することができる。
(4)集電体
本発明のリチウム二次電池は集電体をさらに備えてもよく、当該集電体は、公知の集電体を用いることができる。
集電体は、例えばAu、Pt、Al、Cu等のように硫化物系固体電解質と反応する金属からなる層を、さらにAu、導電性カーボン等で被覆した層である。
[リチウム二次電池を備える装置]
本発明の負極合材を用いたリチウム二次電池は、各種の装置に備えることができる。具体的には、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを電力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電池として用いることができる。
製造例1 固体電解質の製造
(1)硫化リチウムの製造
硫化リチウムの製造及び精製は、国際公開第2005/040039号の実施例と同様に行った。具体的には、以下のとおりである。
撹拌翼のついた10リットルオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpmで撹拌しながら、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。
続いて、この反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した硫化水素の一部を脱硫化水素化した。昇温するにつれ、硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮し系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。脱硫化水素反応が終了後(約80分)反応を終了し、硫化リチウムを得た。
(2)硫化リチウムの精製
上記(1)で得られた500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。さらにNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌し、その温度のままNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下、230℃(NMPの沸点以上の温度)、常圧下で、硫化リチウムを3時間乾燥した。得られた硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。
尚、亜硫酸リチウム(LiSO)、硫酸リチウム(LiSO)及びチオ硫酸リチウム(Li)の各硫黄酸化物、ならびにN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)の含有量は、イオンクロマトグラフ法により定量した。その結果、硫黄酸化物の総含有量は0.13質量%であり、LMABは0.07質量%であった。
(3)固体電解質の製造
固体電解質は以下の方法で得た。国際公開第2005/040039号に記載された方法に従い、上記(1)及び(2)で製造された高純度LiS0.6508g(0.01417mol)と、P(アルドリッチ製)1.3492g(0.00607mol)をよく混合し、混合粉末をアルミナ製ポットに投入し完全密閉した。このポットを遊星型ボールミル機に取り付けた。初めに、出発原料を十分に混合するために数分間低速回転(85rpm)でミリングを行った。その後、徐々に回転数を上げ370rpmとし、20時間メカニカルミリングを行った。
X線測定により、得られた粉末がガラス化していることを確認した。次に、この粉末を300℃で2時間熱処理して固体電解質を得た。
イオン伝導度を交流インピーダンス法(測定周波数100Hz〜15MHz)により測定したところ、室温で1.0×10−3S/cmであった。
製造例2 黒鉛−Si複合体の製造
(1)膨張黒鉛の調製
平均粒子径1mmの鱗片状天然黒鉛を、硫酸9重量部、硝酸1重量部の混酸に室温で1時間浸漬後、No3ガラスフィルターで混酸を除去して酸処理黒鉛を得た。さらに酸処理黒鉛を水洗後、乾燥した。乾燥した酸処理黒鉛5gを蒸留水100g中で撹拌し、1時間後にpHを測定したところ、pHは6.7であった。乾燥した酸処理黒鉛を850℃に設定した窒素雰囲気下の縦型電気炉に投入し、膨張黒鉛を得た。酸処理黒鉛の嵩密度は0.78g/cmであった。膨張黒鉛の比表面積は42m/g、嵩比重は0.023g/cm、積層したグラフェンシートの層の平均厚みは21nmであった。
(2)混合工程
平均粒子径0.23μmの金属Si(15質量部)をビーカー中で3000質量部のエタノールに投入し、2分間の撹拌を行った。
金属Siが分散したエタノールに上記膨張黒鉛(35質量部)を加え、膨張黒鉛と金属Si微粉末を含む均一混合スラリーを調製した。エバポレーターを用い、このスラリーからエタノールを回収し、粉末の混合物を得た。
(3)球形化工程
ピンミル(フリッチュ社製)(ローター直径10cm、回転速度:8000rpm、処理時間:2分)を用いて、上記で得られた粉末の混合物を球形状に造粒成形して、黒鉛の含有量70質量%、金属Siの含有量30質量%からなる略球形の複合活物質を得た。
その物性は以下のとおりである。嵩密度:0.65g/cm、タップ密度:1.15g/cm、粒度分布D90:25μm、D50:12μm、D10:4.5μm、XRD:図1A参照、比表面積:10.7m/g、形状:図2のSEM参照、アスペクト比:1.45であった。
図1Aに示すように、上記で得られた複合活物質のXRDには、黒鉛と結晶性Siの回折パターンが認められる。このことから、金属SiはSiC等に変化することなく、黒鉛層に分散して存在していることが明らかである。
また、図1BにSiとの複合化前の膨張黒鉛と標準珪素物質の混合材料の回折パターンを示す。図1Aと図1Bとを比較すると、複合化した後の膨張黒鉛の回折パターンに変化は見られない。このことから、黒鉛の層間には金属Si微粒子がインターカレーションすることなく、折りたたまれた黒鉛によって金属Si微粒子が内包された状態であることが分かる。
図2は、10kV以下の低加速電圧にて、SEMを用いて複合活物質の2次電子像を観察した図である。該図から分かるように、黒鉛表皮を透過して電池活物質Si金属の粒子を明瞭に観察することができる。
このことから、複合活物質においては、薄い黒鉛層で電池活物質を挟み込んだ構造であることを直接観察することができる。また、表面に露出する電池活物質が極めて少ないこと、黒鉛エッジ面が複合材の表面に存在しないことも同時に確認できる。
より具体的には、SEM観察により観察される複合活物質表面上に露出している黒鉛の面積率は98%であり、露出しているSi金属の面積率は2%であった。尚、複合活物質中における金属Siの平均粒子径は、混合工程時の平均粒子径とほぼ同じであった。
実施例1
[負極合材を用いたハーフセルの作製]
(a)負極合材の調製
負極材料(負極活物質)として、製造例2で調製した黒鉛−Si複合体を用いた。この負極材料と製造例1で調製した固体電解質を質量比70:30で混合しこれを負極層の材料(負極合材)とした。
(b)ハーフセルの作製
製造例1で調製した固体電解質ガラスである無機固体電解質粉末60mgを直径10mmのセラミック製の円筒に投入し、加圧成型して電解質層(電解質シート、無機固体電解質粉末目付け量:76.4mg/cm)とした。
次に(a)で調製した負極合材(黒鉛−Si複合体量:3.3mg、負極合材目付け量:6.0mg/cm)を電解質層と接触するように加圧成型することで、作用極とした。作用極の反対側から、参照極かつ対極として、LiIn合金箔を貼合し加圧成型した。最後にセルの周囲を90度おきに4か所ネジ締めを行うことで、積層方向に加圧した。このようにして、3層構造の2極式ハーフセルを作製した。尚、LiIn合金は原子数比Li/Inが0.8以下であれば、Li脱挿入の反応電位が一定(0.62Vvs.Li/Li+)に保たれるため、参照極として使用することが可能となる。
[負極合材を用いたハーフセルの評価]
作製したハーフセルを、1.0mA/cmで、電位が0.01Vvs.Li/Li+になるまで、その後0.01Vvs.Li/Li+で、0.127mA/cmになるまでLiイオンを挿入し、1.0mA/cmで電位1.52Vvs.Li/Li+までLiイオンを脱離させた。この条件で充放電サイクルを繰返し、50サイクル後のLiイオン脱離容量維持率[%](50サイクル目のLiイオン脱離容量/1サイクル目のLiイオン脱離容量×100)を算出した。結果を表1に示す。
比較例1
Si粉末(SIE19PB、粒径45μm以下、99.9%、高純度科学研究所製)を負極活物質として用いたほかは、実施例1と同様にハーフセルを作製し評価した。結果を表1に示す。
表1のとおり、導電性物質である黒鉛とSiの複合体を用いた実施例1は、Si単体である比較例1と比べてサイクル特性が向上した。
本発明の負極合材を用いた電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを電力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電池として用いることができる。

Claims (18)

  1. (a)黒鉛、及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有し、下記条件(1)を満たす略球状の複合活物質、及び
    (b)固体電解質
    を含む負極合材。
    (1)加速電圧10kV以下での走査型電子顕微鏡観察により観察される前記複合活物質表面上に露出している前記黒鉛の面積率が95%以上である。
  2. (c)黒鉛、及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有し、下記(2)の製造方法により製造される略球状の複合活物質、及び
    (b)固体電解質
    を含む負極合材。
    (2)比表面積30m/g以上の黒鉛と、リチウムイオンと化合可能な電池活物質とを混合して、混合物を得る混合工程と、
    前記混合物に球形化処理を施し、黒鉛及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有する略球状の複合活物質を製造する球形化工程とを有する、複合活物質の製造方法。
  3. 前記黒鉛が膨張黒鉛である、請求項1又は2に記載の負極合材。
  4. 前記リチウムイオンと化合可能な電池活物質が、シリコン、スズ、アルミニウム、アンチモン及びインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の負極合材。
  5. 前記複合活物質のタップ密度が0.8g/cm以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の負極合材。
  6. 前記複合活物質の比表面積が5〜100m/gである、請求項1〜5のいずれかに記載の負極合材。
  7. 前記リチウムイオンと化合可能な電池活物質の平均粒子径が1μm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の負極合材。
  8. 前記固体電解質がLi、P、及びSを含むリチウムイオン伝導性無機固体電解質である、請求項1〜7のいずれかに記載の負極合材。
  9. 前記固体電解質が下記式(I)に示す組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質である、請求項1〜8のいずれかに記載の負極合材。
    Li … (I)
    (式(I)において、Mは、B、Zn、Si、Cu、Ga又はGeから選択される元素を示す。
    a〜dは各元素の組成比を示し、a:b:c:dは1〜12:0〜0.2:1:2〜9を満たす。)
  10. 前記固体電解質がガラスセラミックスである、請求項1〜9のいずれかに記載の負極合材。
  11. 前記固体電解質が、結晶化度が50%以上のガラスセラミックスである、請求項1〜10のいずれかに記載の負極合材。
  12. 前記固体電解質が少なくともPとLiSを用いて製造されたものである、請求項2〜11のいずれかに記載の負極合材。
  13. 比表面積30m/g以上の黒鉛と、リチウムイオンと化合可能な電池活物質とを混合して、混合物を得る混合工程と、
    前記混合物に球形化処理を施し、黒鉛及びリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有する略球状の複合活物質を製造する球形化工程と、
    前記複合活物質と固体電解質とを混合する工程と
    を有する、負極合材の製造方法。
  14. 請求項13記載の製造方法により製造された負極合材。
  15. 請求項1〜12及び14のいずれかに記載の負極合材を含む負極。
  16. 請求項1〜12及び14のいずれかに記載の負極合材から製造された負極。
  17. 請求項15又は16に記載の負極を含むリチウム二次電池。
  18. 請求項17に記載のリチウム二次電池を備える装置。
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