JP2014191947A - 二次電池用セパレータの製造方法、二次電池用セパレータおよび電池 - Google Patents

二次電池用セパレータの製造方法、二次電池用セパレータおよび電池 Download PDF

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Abstract

【課題】セパレータ基材の両面に、効率良く、均一な厚さの機能層を設けることができる製造方法を提供する。
【解決手段】長尺状のセパレータ基材を一定方向に沿って搬送する搬送工程と、グラビアロールを用いて、搬送された前記セパレータ基材の両面に塗工剤を塗工して塗工層を形成する塗工層形成工程と、前記セパレータ基材上の塗工層を乾燥させる乾燥工程と、を含み、前記塗工層と前記セパレータ基材とを備える二次電池用セパレータを製造する方法であって、前記グラビアロール上の塗工剤と前記セパレータ基材との接触面は、前記搬送方向下流であって、かつ前記セパレータ基材の幅方向に沿って延びる下流端部を有し、前記下流端部の幅方向中心位置から搬送方向下流に向かって20mmの位置における、前記セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差が100μm以内であって、かつ前記下流端部から搬送方向下流に向かって50mmの位置における、前記セパレータ基材の幅方向への振動幅が10mm以内に制御する振動幅制御工程を含み、前記搬送工程は、前記塗工層形成工程の後で、かつ前記乾燥工程の前に、前記塗工層が形成された前記セパレータ基材を非接触式支持装置にて支持した状態で搬送する。
【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池用セパレータの製造方法、二次電池用セパレータ、およびこの二次電池用セパレータを用いた電池に関するものである。
小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、繰り返し充放電が可能なリチウムイオン二次電池は、環境対応からも今後の需要の拡大が見込まれている。リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が大きく携帯電話やノート型パソコン等の分野で利用されているが、用途の拡大や発展に伴い、低抵抗化、大容量化等より一層の性能向上が要求されていると共に低コスト化も要求されている。
このような背景のもと、リチウムイオン二次電池に用いられる部材であるセパレータを高機能化することが行われており、例えば二次電池用のセパレータに耐熱性を付与するといった目的から、セパレータ基材表面に耐熱の機能を有するアルミナを含有した塗工剤を塗工、乾燥し、セパレータ基材表面に耐熱性の塗工層を設けることが行われているが、さらなる高機能化が要求されている今日では、セパレータ基材の両面に機能性の塗工層を設けることが求められている。ところで、特許文献1には、シート状の基材の両面を塗工する装置が開示されている。
特開2010−221204号公報
二次電池用セパレータ基材の両面に塗工層を設ける場合、セパレータ基材の両面に塗工剤を塗工して両面の塗工層を乾燥する、あるいは、セパレータ基材の片面に塗工剤を塗工して塗工層を乾燥した後、セパレータ基材の塗工層が設けられた反対の面に、塗工剤を塗工して塗工層を乾燥するという方法が挙げられる。
後者の方法では、乾燥工程が2つ必要になり設備・生産コストが掛かるため好ましくない。そこで、前者の方法で、セパレータ基材の両面の塗工層を1つの乾燥工程で乾燥させて効率的に生産を行うことが好ましいが、セパレータ基材の塗工層が未乾燥であると、塗工層と接触式ガイドロールが接した際に、塗工層が荒れてしまうといった問題があり、セパレータ基材の塗工層を乾燥した後に、接触式ガイドロールで支持して搬送することが一般的に行われる。しかし、乾燥工程における風などの影響により、セパレータ基材の厚み方向の振動や幅方向の振動が大きくなり、セパレータ基材に塗工剤を均一に塗工するのが難しいという問題があった。
本発明の目的は、長尺状のセパレータ基材の両面に、効率的に、均一な厚さの塗工層を設けることができる二次電池用セパレータの製造方法、この製造方法により得られた二次電池用セパレータ、およびこの二次電池用セパレータを用いた電池を提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、長尺状のセパレータ基材の両面に塗工剤を塗工して塗工層を形成する塗工層形成工程の後で、かつ塗工層を乾燥させる乾燥工程の前に、塗工層付きセパレータ基材を非接触式支持装置にて支持した状態で搬送する方法を採用し、セパレータ基材の厚み方向及び幅方向の振動幅を特定範囲に制御することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、
(1)長尺状のセパレータ基材を一定方向に沿って搬送する搬送工程と、
グラビアロールを用いて、搬送された前記セパレータ基材の両面に塗工剤を塗工して塗工層を形成する塗工層形成工程と、
前記セパレータ基材上の塗工層を乾燥させる乾燥工程と、を備え、
前記塗工層と前記セパレータ基材とを備える二次電池用セパレータを製造する方法であって、
前記グラビアロール上の塗工剤と前記セパレータ基材との接触面は、前記搬送方向下流であって、かつ前記セパレータ基材の幅方向に沿って延びる下流端部を有し、
前記下流端部の幅方向中心位置から搬送方向下流に向かって20mmの位置における、前記セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差が100μm以内であって、かつ
前記下流端部から搬送方向下流に向かって50mmの位置における、前記セパレータ基材の幅方向への振動幅が10mm以内に制御する振動幅制御工程を含み、
前記搬送工程は、前記塗工層形成工程の後で、かつ前記乾燥工程の前に、前記塗工層が形成された前記セパレータ基材を非接触式支持装置にて支持した状態で搬送することを特徴とする二次電池用セパレータの製造方法、
(2)前記基材の張力が15N/m以上150N/m以下であることを特徴とする(1)に記載の二次電池用セパレータの製造方法、
(3)前記塗工剤の温度23℃、せん断速度領域1000(1/s)時における粘度が2cP以上80cP以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の二次電池用セパレータの製造方法、
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の二次電池用セパレータの製造方法により得られたことを特徴とする二次電池用セパレータ、
(5)(4)に記載の二次電池用セパレータを用いたことを特徴とする電池、
が提供される。
本発明によれば、長尺状のセパレータ基材の両面に、効率的に、均一な厚さの塗工層を設けることができる製造方法を提供することができる。また、この製造方法により得られた二次電池用セパレータ、およびこの二次電池用セパレータを用いた電池を提供することができる。
実施の形態に係る塗工装置の全体を示す構成図である。 実施の形態に係るチャンバードクター塗工装置の構成を示す図である。 実施の形態に係るチャンバードクター塗工装置のグラビアロールの周面に形成されたセルパターンを示す図である。 実施の形態に係る非接触式支持装置の構成を示す図である。
以下、本発明の二次電池用セパレータの製造方法について説明する。この製造方法においては、セパレータを構成するシート状基材である長尺状のセパレータ基材の両面に対して機能性を付与する塗工剤を連続的に塗工する。
本発明で用いるセパレータ基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や芳香族ポリアミド樹脂を含む微多孔膜または不織布;無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート;など公知のものを用いることができる。例えばポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)、及びこれらの混合物あるいは共重合体等の樹脂からなる多孔膜、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂からなる微多孔膜またはポリオレフィン系の繊維を織ったもの、またはその不織布、絶縁性物質粒子の集合体等が挙げられる。これらの中でも、セパレータ全体の膜厚を薄くし電池内の活物質比率を上げて体積あたりの容量を上げることができるため、ポリオレフィン系の樹脂からなる微多孔膜が好ましい。
セパレータ基材の幅は、特に制限されないが、TD方向で、通常300mm以上5000mm以下である。 セパレータ基材の厚さは、通常0.5μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下である。この範囲であると電池内でのセパレータによる抵抗が小さくなり、また電池作成時の作業性に優れる。
セパレータ基材の基材搬送方向(MD方向)の長さは、特に制限されないが、通常セパレータ基材の幅に対して10倍以上である。
セパレータ基材の強度は、基材搬送方向の引張弾性率で、通常400MPa以上2000MPa以下の範囲である。セパレータ基材の強度が弱いため、必要以上の力が掛かるとセパレータ基材が変形してシワが発生したり、塗工層が損傷するなどの不具合が生じやすい。なお、セパレータ基材の引張弾性率は、引張試験器(オートグラフ AGS−5KNG、株式会社島津製作所製)を用い、23℃において、チャック間50mm、サンプル幅5mm、サンプル厚さ12μm、速度50mm/minで測定した際の、応力−歪み曲線における応力10〜25MPaでの傾きから算出した値である。
本発明において、セパレータ基材に塗工する塗工剤の粘度は、セパレータ基材に均一に塗工できる観点から、好ましくは2cP以上、より好ましくは5cP以上、特に好ましくは15cP以上であり、好ましくは80cP以下、より好ましくは50cP以下、特に好ましくは25cP以下である。塗工剤の粘度は、粘度・粘弾性測定装置(レオストレスHAAKE RS6000、英弘精機株式会社製)を用いて、温度23℃、せん断速度領域1000(1/s)時の粘度である。
塗工剤の粘度が前記下限値未満であると、塗工層付きセパレータ基材が非接触式支持装置で支持される際に、非接触式支持装置からの気体噴出圧力により未乾燥の塗工層が荒れやすくなり、また塗工剤の粘度が前記上限値超過であると、塗工剤をセパレータ基材表面に均一に塗工することが難しくなる。
本発明において用いられる塗工剤には、セパレータに機能性を付与する物質、及び溶媒、必要に応じてその他物質を含む。セパレータに機能性を付与する物質は、二次電池用セパレータに付与したい機能に応じて適宜選択でき、例えば、セパレータに耐熱性を付与したい場合には、塗工剤に耐熱性の物質を含む塗工剤を選択し、セパレータに接着性を付与したい場合には、塗工剤に接着性の物質を含む塗工剤を選択する。
耐熱性の物質としては、例えば無機粒子、有機粒子を使用することができる。 無機粒子としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化チタン、BaTiO2、ZrO、アルミナ−シリカ複合酸化物等の酸化物粒子;窒化アルミニウム、窒化硼素等の窒化物粒子;シリコーン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶粒子;硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の難溶性イオン結晶粒子;タルク、モンモリロナイトなどの粘土微粒子等が用いられる。これらの粒子は必要に応じて元素置換、表面処理、固溶体化等されていてもよく、また単独でも2種以上の組合せからなるものでもよい。これらの中でも、非水系電池を製造した際の電解液中での安定性と電位安定性の観点から酸化物粒子であることが好ましい。
有機粒子としては、その溶融温度は、好ましくは130℃以上、より好ましくは150℃以上、特に好ましくは180℃以上である。具体的には、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、架橋ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体架橋物、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物などの各種架橋高分子粒子や、ポリスルフォン、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミド等の耐熱性高分子粒子などが例示できる。また、これらの有機粒子を構成する有機樹脂(高分子)は、前記例示の材料の混合物、変性体、誘導体、共重合体(ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体)、架橋体(前記の耐熱性高分子の場合)であってもよい。
接着性の物質としては、通常10℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、また、通常110℃以下、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下のガラス転移温度を有する粒子状の重合体を用いる。粒子状重合体のガラス転移温度が前記下限値以上であると、セパレータの保存時、運搬時および取り扱い時において粒子状重合体の軟化を抑制して、ブロッキングを防止できる。また、ガラス転移温度が高い粒子状重合体を用いることにより、接着層の耐熱性が向上する。そのため、二次電池の使用時に当該電池が高温となってもセパレータの剥離を防止でき、電池の安全性を高めることができる。また、粒子状重合体のガラス転移温度が前記上限値以下であると、セパレータを電極に貼り合せる際に、熱により粒子状重合体を容易に軟化させることができる。また、セパレータ基材等の電池を構成する要素を損なわない低温において接着層の熱融着が可能となる。
セパレータに機能性を付与する物質の平均粒子径(体積平均のD50平均粒子径)は、通常0.1μm以上、好ましくは0.2μm以上であり、通常5μm以下、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下である。平均粒子径を前記範囲とすることにより、分散状態の制御と均質な所定の厚さの膜が得られ易くなる。
溶媒としては、塗工剤中の固形分を均一に分散し得るものであれば特に制限されない。溶媒としては、水および有機溶媒のいずれも使用できる。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、クロロホルム、ピリジン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、n−ブチルフタレート、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチルアセテート、二硫化炭素、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサン、N−メチルピロリドン等が例示される。これらの溶媒は単独でも混合溶媒でも使用することができる。
その他の物質としては、二次電池用セパレータとしての機能を損なわないものであれば特に制限されないが、バインダー、増粘剤、界面活性剤などが挙げられる。バインダーとしては、ジエン系重合体、アクリル系重合体、フッ素系重合体、シリコーン系重合体、マレイミド−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性多糖類、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
塗工剤の固形分濃度は、塗工剤を塗工可能な粘度となる濃度であれば特に限定されないが、通常10質量%以上60質量%以下である。
塗工剤を均一に混合調整する混合装置は、上記成分を均一に混合できる装置であれば特に限定はされず、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどを使用することができる。
本発明の二次電池用セパレータの製造方法においては、グラビアロールによりセパレータ基材に塗工剤を塗工する方法であれば特に限定されないが、グラビアロールが基材搬送方向に対して同じ方向に進むダイレクト方式と、逆方向に進むリバース方式があり、また、バックアップロールがグラビアロールに対して押し付ける位置に設置されるものや、バックアップロールがないキス方式などがある。またこれら方式を組み合わせて採用することもできる。中でも、高速で塗工してもセパレータ基材に塗工剤を均一に塗工できることから、リバース・キス方式が好ましい。
またグラビアロールに塗工剤を供給する密閉チャンバーを有する塗工ユニットと、密閉チャンバーに形成された塗工剤液溜まり内に塗工剤を供給する塗工剤供給手段とを備え、密閉チャンバーには、塗工液溜まりのグラビアロール回転方向下流部をシールするとともに、グラビアロールに付着した余分な塗工剤を除去するドクターブレードと、塗工液溜まりのグラビアロール回転方向上流部をシールするシールプレートとを備えた、いわゆるチャンバードクター方式を用いることが好ましい。チャンバードクター方式であると、高速で塗工しても、塗工層に気泡が混入し難く、かつ塗工量が安定するため、セパレータ基材に塗工剤を均一に塗工することが可能となる。
グラビアロールのセルパターンとしては、連続した形状のものが好ましく、例えば、ヘリカル環状である凹部、或いは亀甲型、格子型などの連続幾何学模様の凹部等が形成されたものなど用いることができる。セパレータ基材の搬送速度が20m/min以上、好ましくは50m/min以上、より好ましくは100m/min以上となる高速塗工の場合、グラビアロールのセルパターンが、基材搬送方向に対し左右対称である亀甲型、格子型などの連続幾何学模様の凹部であると、基材搬送速度が速くてもセパレータ基材が幅方向に振動し難くのに、セパレータ基材にシワが発生しないため、セパレータ基材に塗工剤を均一に塗工することができるため好ましい。
本発明の製造方法により二次電池用セパレータ基材に塗工する場合、セパレータ基材を搬送する際のセパレータ基材の張力は、好ましくは15N/m以上、より好ましくは30N/m以上、さらに好ましくは50N/m以上であり、好ましくは150N/m以下、より好ましくは130N/m以下、さらに好ましくは100N/m以下に制御する。
セパレータ基材の張力は、張力検出器(形微変位張力検出器LX−015TD−909、三菱電機株式会社製)を用いて測定した。セパレータ基材の張力を測定する場所は、基材搬送方向上流の基材巻き出しまたは送り出しの駆動ロールと、基材搬送方向下流の基材巻き取りまたは引き取りの駆動ロールとの間であれば、測定される張力に変わりが無いため特に制限されないが、具体的には、基材搬送方向上流の基材送り出し(または巻き出し)の駆動ロールと、前記基材送り出し(または巻き出し)の駆動ロールに対して最も近い基材搬送方向下流の接触式ガイドロールとの間のセパレータ基材の張力を測定した。なお、基材の送り出しの駆動ロールを使用しない場合には、基材の巻き出し駆動ロールと、前記基材の巻き出し駆動ロールに対して最も近い基材搬送方向下流の接触式ガイドロールとの間のセパレータ基材の張力を測定する。
なお、駆動ロールとはモーター等の動力によりロールが自ら回転するものであり、接触式ガイドロールとは、モーター等の動力によりロールが自ら回転するものでは無く、基材搬送に際し、セパレータ基材とロールの接触に伴ってロールが回転するものである。
駆動ロールには大きく分けて、基材送り出しや引き取りの駆動ロールと、基材巻き出しや巻き取りの駆動ロールがある。基材送り出しや引き取りの駆動ロールとしては、ロールとロールの間で基材を挟み込んで搬送するニップロールや、ロール表面の多孔性の穴から吸引して基材をグリップして搬送するサクションロールが挙げられ、基材巻き出しや巻き取りの駆動ロールとしては、軸が回転して基材の巻き出しや巻き取りを行う、基材巻き出し、巻き取りの駆動ロールが挙げられる。
セパレータ基材の張力は、基材搬送方向上流の基材巻き出しまたは送り出しの駆動ロールと、基材搬送方向下流の基材巻き取りまたは引き取りの駆動ロールの回転速度を調節することで調整できる。
なお、基材巻き出しの駆動ロールと基材巻き取りの駆動ロールのみを用いて、セパレータ基材の巻き出しから巻き取りまで行うこともできるが、高速でセパレータ基材を搬送する際には、基材送り出しや引き取りの駆動ロールを併用することが好ましい。基材送り出しや引き取りの駆動ロールを併用する場合、基材搬送方向に対し最も上流、下流にそれぞれ基材巻き出しの駆動ロール、基材巻き取りの駆動ロールを配置し、基材巻き出しの駆動ロールに対して基材搬送方向下流に基材送り出しの駆動ロールを配置し、基材巻き取り駆動ロールに対して、基材搬送方向上流に基材引き取りの駆動ロールを配置する。この場合のセパレータ基材の張力を測定する場所は、基材搬送方向上流の基材送り出しの駆動ロールと、基材搬送方向下流の基材引き取りの駆動ロールとの間で行う。
セパレータ基材の張力が前記範囲であると、セパレータ基材の厚み方向及び幅方向の振動を抑制でき、セパレータ基材に塗工剤を均一に塗工することができる。なお、セパレータ基材の張力が前記上限値を超えると、セパレータ基材が伸びてシワが入って塗工層が損傷するおそれがあり、セパレータ基材の張力が前記下限値未満であると、セパレータ基材の厚み方向及び幅方向の振動が大きくなりセパレータ基材に塗工剤を均一に塗工することが困難になる。
本発明の二次電池用セパレータの製造方法においては、セパレータ基材の両面に塗工剤を塗工して塗工層を形成する塗工層形成工程の後で、かつ塗工層を乾燥させる乾燥工程の前に、塗工層付きセパレータ基材を非接触式支持装置にて支持した状態で搬送する。前記塗工層形成工程の後で、かつ塗工層を乾燥させる乾燥工程の前では、塗工層が乾燥していないため、接触式ガイドロールでセパレータ基材を支持すると塗工層が荒れてしまうが、非接触式支持装置を用いることで、塗工層に触れること無く、セパレータ基材を非接触式支持装置により支持できることから、乾燥工程における風や振動などの影響によりセパレータ基材の厚み方向及び幅方向の振動を抑制でき、セパレータ基材に塗工剤を均一に塗工することができる。
非接触式支持装置とは、気体を供給する気体供給部と、前記気体供給部から供給された気体をセパレータ基材の片面に向けて噴出する噴出面を備える噴出部と、を備え、セパレータ基材の片面に向けて前記非接触式支持装置の噴出部から気体を噴出させて、セパレータ基材を非接触で支持する装置をいう。なお、前記噴出面は、その一面に多数の小さな開口部を有している。
また、非接触式支持装置の形状としては、非接触でセパレータ基材を支持できる構造であれば特に限定されず、前記噴出面を搬送面とする円柱状、半円柱状、1/4円柱状などの形状を選択できる。
非接触式支持装置の噴出面の有する開口部の最大開口径、及び通気度を下記のようにすることで、乾燥前のセパレータ基材の塗工層の荒れを抑制しつつ、セパレータ基材を安定して搬送することが可能となる。
最大開口径は、特に制限されないが、通常500μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは70μm以下、特に好ましくは40μm以下であり、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは15μm以上、さらに好ましくは25μm以上である。
最大開口径は、ASTM F316−86に準拠して、貫通細孔分布測定装置(ROROLUX 1000、日本ベル株式会社製)を用いて測定を行った値である。なお、非接触式支持装置の噴出面を構成する部材から任意に5点の25mmφの試験片を取り出し、上記測定により得られた最大開口径の5点の平均値を最大開口径とする。
前記通気度は、特に制限されないが、通常1000ml/cm2/sec以下、好ましくは350ml/cm2/sec以下、より好ましくは200ml/cm2/sec以下、さらに好ましくは100ml/cm2/sec以下、特に好ましくは70ml/cm2/sec以下であり、通常5ml/cm2/sec以上、好ましくは15ml/cm2/sec以上、より好ましくは25ml/cm2/sec以上、さらに好ましくは35ml/cm2/sec以上である。
通気度は、JIS L 1096 A法(フラジール形法)に準拠して、フラジール形通気度試験機(AP−360S、大栄科学精器製作所製)を用いて行った値である。なお、非接触式支持装置の噴出面を構成する材料から任意に5点試験片を取り出し、上記測定により得られた通気度の5点の平均値を通気度とする。
前記の最大開口径、通気度を満たすものであれば、材質、製法などは特に制限されないが、パンチングメタルのような金属板、金属ワイヤーや繊維等の紐状物を巻回したものや編み込んだもの、多孔質金属板、多孔質合成樹脂板、不織布などが挙げられ、それらを単独で用いても良いし、それらを組み合わせて用いても良い。組み合わせて用いる場合、非接触式支持装置の噴出面の最外面が、前記最大開口径、通気度の範囲である限り、特に制限されない。中でも、不織布は、各種の前記最大開口径、通気度の範囲のものが市場より入手可能であり、また、開口径のバラツキが少なく、塗工層の荒れの影響を小さくできるため、好ましい。
非接触式支持装置の噴出部内部の圧力としては、通常10Pa以上、好ましくは50Pa以上、より好ましくは100Pa以上であり、通常5000Pa以下、好ましくは1000Pa以下、より好ましくは800Pa以下、さらに好ましくは500Pa以下、特に好ましくは300Pa以下である。
非接触式支持装置の噴出部内部の圧力は、非接触式支持装置の噴出部に接続された圧力計(デジタル圧力センサAP−C30、キーエンス株式会社製)によって測定できる。
非接触式支持装置の噴出部内部の圧力を前記範囲にすることで、乾燥前のセパレータ基材の塗工層の荒れを抑制しつつ、セパレータ基材を安定して搬送することが可能となる。なお、前記圧力が、上限範囲を超える場合、基材の塗工層が非接触式支持装置の噴出面からの気流により塗工層が荒れやすくなり、前記圧力が下限範囲を下回ると、セパレータ基材を安定して浮遊させることが難しくなり、塗工層と非接触式支持装置の噴出面とが接して塗工層が損傷するおそれがある。
基材搬送方向下流のグラビアロール上の塗工剤とセパレータ基材との接触面の、基材搬送方向の下流であって、かつセパレータ基材の幅方向に沿って延びる下流端部と、非接触式支持装置の噴出面の基材搬送方向上流端部との距離は、通常10000mm以下、好ましくは1500mm以下、より好ましくは1000mm以下、さらに好ましくは500mm以下、特に好ましくは300mm以下であり、通常10mm以上、好ましくは30mm以上、より好ましくは50mm以上、さらにこのましくは100mm以上である。
この範囲にあると、セパレータ基材の搬送が安定し易くなり、セパレータ基材に塗工剤を均一に塗工することができるため好ましい。前記距離が前記上限値超過の場合には、セパレータ基材の厚み方向及び幅方向の振動が大きくなり、また前記距離が前記下限値未満の場合には、非接触式支持装置の噴出面からの気流によりグラビアロール上の塗工剤が乾燥してしまい、セパレータ基材に塗工剤を均一に塗工するのが難しくなる。
配置する非接触式支持装置の数は一個であっても本願発明の効果を発揮できるが、基材搬送の安定性をより向上させ、セパレータ基材に塗工剤を均一に塗工することができることから、非接触式支持装置を複数個使用することが好ましい。非接触式支持装置を複数使用する場合には、基材搬送方向上流の上流非接触式支持装置と前記上流非接触式支持装置に最も近い基材搬送方向下流の下流非接触式支持装置において、前記下流非接触式支持装置は、前記上流非接触式支持装置の噴出面に対向するセパレータ基材の片面とは反対のセパレータ基材の面に対して、前記下流非接触式支持装置の噴出面を対向するように配置することが好ましい。
グラビアロール上の塗工剤とセパレータ基材との接触面は、基材搬送方向の下流であって、かつセパレータ基材の幅方向に沿って延びる下流端部を有しており、前記下流端部の幅方向中心位置から搬送方向下流に向かって20mmの位置における、前記基材の厚み方向への振動幅の標準偏差を100μm以内、好ましくは50μm以内、より好ましくは30μm以内に制御する。
セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差がこの範囲にあると、セパレータ基材の塗工層が、セパレータ基材の幅方向に平行な凹凸のムラが生じ難く、均一になり好ましい。
セパレータ基材の振動幅は非接触変位計(LK−G3000 LK−G85、キーエンス株式会社製)を用いて測定する。収集周期2ms、収集時間20秒でセパレータ基材の振動幅の標準偏差を求めた。なお、セパレータ基材及び塗工層は薄いため、セパレータ基材の塗工面とは反対側からであっても、グラビアロール上の塗工剤とセパレータ基材との接触面を目視によって確認することができる。
なお、セパレータ基材の両面に塗工剤を塗工するためのグラビアロールは2つあるが、非接触式支持装置に対して最も近い基材搬送方向下流の下流グラビアロールにおいて、前記セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差が前記範囲にあれば、前記セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は前記範囲に収まる。通常、基材搬送方向上流の上流グラビアロールにおいては、上流グラビアロールに対してセパレータ基材の両端は、接触式ガイドロール、駆動ロール、下流グラビアロールのいずれかで接触して支持されているので、セパレータ基材の厚み方向への振動は抑制される。
グラビアロール上の塗工剤とセパレータ基材との接触面は、基材搬送方向の下流であって、かつセパレータ基材の幅方向に沿って延びる下流端部を有しており、前記下流端部から搬送方向下流に向かって50mmの位置における、前記セパレータ基材の幅方向への振動幅を10mm以内、好ましくは5mm以内、より好ましくは1mm以内に制御する。
なお、セパレータ基材の幅方向への振動幅とは、基材搬送中にセパレータ基材が幅方向(TD方向)に移動する幅を指し、前記振動幅が前記範囲にあると、セパレータ基材にシワが発生して塗工層が損傷すること無く、均一な塗工層を形成することができる。セパレータ基材の幅方向への振動幅は非接触エッジ検出センサー(ラインセンサLS−9030、キーエンス株式会社製)を用いて測定する。
なお、セパレータ基材の両面に塗工剤を塗工するためのグラビアロールは2つあるが、非接触式支持装置に対して最も近い基材搬送方向下流の下流グラビアロールにおいて、前記セパレータ基材の幅方向への振動幅が前記範囲にあれば、前記セパレータ基材の幅方向への振動幅は前記範囲に収まる。通常、基材搬送方向上流の上流グラビアロールにおいては、上流グラビアロールに対してセパレータ基材の両端は、接触式ガイドロール、駆動ロール、下流グラビアロールのいずれかで接触して支持されているので、セパレータ基材の幅方向への振動幅は抑制される。
乾燥前のセパレータ基材の片面の塗工層の厚さは、乾燥後のセパレータ基材の塗工層の厚さに応じて適宜設定されるが、通常0.1μm以上200μm以下の厚さである。
乾燥工程においては、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。中でも温風による乾燥が効率的に塗工層を乾燥でき、セパレータ基材の収縮が起こり難いことから好ましい。温風の温度は、使用する溶媒の種類や乾燥時間などによって適宜設定されるが、セパレータ基材が熱収縮を起こす恐れがあるため、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下である。
乾燥後のセパレータ基材の片面の塗工層の厚さは、特に限定はされず、二次電池用セパレータに求められる機能などに応じて適宜設定できるが、薄すぎると均一な塗工層を形成できず、又厚すぎると電池内での体積(質量)あたりの容量(capacity)が減ることから、通常0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、より好ましくは1μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下である。
本発明の方法により得られた二次電池用セパレータを用いて二次電池を製造する場合、その使われ方に特に制限は無いが、例えば、正極と負極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法によって二次電池を得ることが出来る。必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をする事もできる。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など何れであってもよい。
図1〜4を参照して、この発明の二次電池用セパレータの製造方法で用いられる塗工装置の一実施形態の説明を行う。図1は、この発明の二次電池用セパレータの製造方法で用いられる塗工装置の全体を示す構成図である。図1に示すように塗工装置1は、長尺状のセパレータ基材100が巻回された基材巻出し駆動ロール2、基材送り出し駆動ロールであるサクションロール8、セパレータ基材100の一方の面に対して塗工剤の塗工を行うチャンバードクター塗工装置3、セパレータ基材100の他方の面に対して塗工剤の塗工を行うチャンバードクター塗工装置4、セパレータ基材100を非接触で支持する非接触式支持装置5、セパレータ基材100に塗工された塗工剤の乾燥を行う乾燥炉6、基材引き取り駆動ロールであるサクションロール9及び塗工剤が塗工されたセパレータ基材(耐熱セパレータ)100を巻き取る基材巻取り駆動ロール7を備えている。
チャンバードクター塗工装置3は、セパレータ基材100の一方の面に塗工剤を塗工するものであって、搬送されるセパレータ基材100に接触してセパレータ基材100の表面に塗工剤を転写するグラビアロール10と、グラビアロール10に塗工剤を塗工する塗工チャンバー11とを備えている。塗工チャンバー11には、図示しない塗工剤供給装置から塗工剤が供給される。
図2に示すように、チャンバードクター塗工装置3はセパレータ基材100の搬送方向と逆方向にグラビアロール10を回転駆動しつつ、グラビアロール10をセパレータ基材100に当接させることにより、セパレータ基材100の一方の面に塗工剤を塗工する。グラビアロール10は、例えばスチール製のパイプ等から構成されるロール本体10aと、ロール本体10aの両端部に設けられた回転軸10bを有している。またロール本体10aの周面には、左右対称の格子状のパターン等、所定のセルパターン10c(図3参照)が形成されている。
塗工チャンバー11は、グラビアロール10の周面に対向する面に、グラビアロール10の回転軸10b方向に延びる開口部が形成された液溜まり11aを備えている。塗工チャンバー11の開口部の上端縁部、即ちグラビアロールの回転方向下流の開口縁部には、ポリエチレン、強化ポリエステル等により形成された板材部材からなる上ブレード11bが取り付けられている。また開口部の下端縁部、即ちグラビアロールの回転方向上流の開口縁部には、ポリエチレン、強化ポリエステル等により形成された板材部材からなる下ブレード11cが取り付けられている。
上ブレード11bの先端部および下ブレード11cの先端部は、それぞれグラビアロール10の周面に圧接されることにより、開口部の上縁部および下縁部をシールして液溜まり11aを密閉状態に維持するように構成されている。上ブレード11bは、液溜まり11a内においてグラビアロール10の周面に塗布された余分な塗工剤をグラビアロール10の回転に応じて掻き取ることにより、グラビアロール10の周面に塗工される塗工層の厚みを均一に設定する機能を有している。下ブレード11cは、グラビアロール10の塗工用パターン10c内に存在する泡をグラビアロール10の回転に応じて掻き出し塗工チャンバー11内の液溜まり11aに泡が浸入するのを効果的に防止するする機能を有している。なおチャンバードクター塗工装置4はセパレータ基材100の他方の面に塗工剤を塗工するものであるが、その構成はチャンバードクター塗工装置3の構成と同一であるため、構成の説明を省略する。
非接触式支持装置5は、エアーを噴出する小さな開口部を複数有する噴出面30に不織布32が張り付けられた非接触式支持装置5a,5b,5cにより構成されている(図4(a)、(b)参照)。非接触式支持装置5a,5b,5cは、セパレータ基材100を搬送方向を変えながら非接触で支持し乾燥炉6に搬送する。
乾燥炉6は、温風循環により乾燥を行うことができ、温風の温度および風量を設定することができる。乾燥炉6おいては、セパレータ基材100をフローティングサポートにより支持して搬送を行いつつセパレータ基材100に塗工された塗工層の乾燥を行う。即ちセパレータ基材100の上下に配置されたフローティングノズル60から圧力50〜350Pa、風速10〜25m/sの温風を噴出させてセパレータ基材100をフローティングサポートし、搬送中のセパレータ基材100に塗工された塗工層の乾燥を行う。
次に、耐熱セパレータの製造方法について説明する。サクションロール8により基材巻き出し駆動ロール2から巻き出されたセパレータ基材100はガイドロール20を介してチャンバードクター塗工装置3に搬送される。この時、巻き出し駆動ロール2は、サクションロール8の送り出し速度に合わせるように、張力制御により速度調整する。チャンバードクター塗工装置3においては、セパレータ基材100の一方の面に塗工剤の塗工を行う。一方の面に塗工剤の塗工が行われたセパレータ基材100は、塗工剤が塗工されていない他方の面がガイドロール20により支持されチャンバードクター塗工装置4に搬送される。チャンバードクター塗工装置4においては、セパレータ基材100の他方の面に塗工剤の塗工を行う。
ここでチャンバードクター塗工装置3,4のグラビアロール10には、セルパターン10cとして左右対称の格子状のパターンが形成されている場合には、グラビアロール10によりセパレータ基材100に塗工剤の塗工を行う際に、グラビアロール10からセパレータ基材100に対して左右方向の力が作用し難い。したがって、チャンバードクター塗工装置3,4においてセパレータ基材100に塗工を行う際に、セパレータ基材100にセパレータ基材の幅方向の振動が生じ難い。
両面に塗工剤が塗工されたセパレータ基材100は、非接触式支持装置5を介して乾燥炉6に搬送される。ここで非接触式支持装置5a,5b,5cは、基材搬送面に不織布32が張り付けて噴出面30としているため、面積当たりの風圧を均一にすることができ、非接触式支持装置5a,5b,5cから噴出するエアーによりセパレータ基材100に塗工された塗工層の表面を荒らすことがない。乾燥炉6においては塗工層の乾燥が行われる。ここで乾燥炉6とチャンバードクター塗工装置4との間にセパレータ基材100の搬送方向を上下方向に変えながらセパレータ基材100を非接触で支持する非接触式支持装置5a,5b,5cを有しているため、乾燥炉6においてセパレータ基材100に生じる振動が直接チャンバードクター塗工装置4に伝達されるのを防止することができ、塗工むらの発生を防止することができる。塗工剤の乾燥が終了したセパレータ基材100(耐熱セパレータ)は、ガイドロール20を介して、サクションロール9により引き取られ、基材巻き取り駆動ロール7により巻き取られる。この時、基材巻き取り駆動ロール7は、サクションロール9の引き取り速度に合わせるように、張力制御により速度調整する。
以下に実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものでは無い。本発明における各種測定値の測定方法を以下に示す。
(セパレータ基材の厚み方向の振動幅の標準偏差)
セパレータ基材の厚み方向の振動幅の標準偏差は、非接触変位計(LK−G3000 LK−G85、キーエンス株式会社製)を用いて測定した。収集周期2ms、収集時間20秒でセパレータ基材の振動幅を収集し、その標準偏差を求めた。測定場所は、基材搬送方向下流のグラビアロール上の塗工剤とセパレータ基材との接触面の、基材搬送方向の下流であって、かつセパレータ基材の幅方向に沿って延びる下流端部の幅方向中心位置から搬送方向下流に向かって20mmの地点とした。
(セパレータ基材の幅方向の振動幅)
セパレータ基材の幅方向の振動幅は、非接触エッジ検出センサー(ラインセンサLS−9030、キーエンス株式会社製)を用いて測定した。測定場所は、基材搬送方向下流のグラビアロール上の塗工剤とセパレータ基材との接触面の、基材搬送方向の下流であって、かつセパレータ基材の幅方向に沿って延びる下流端部の幅方向端位置から搬送方向下流に向かって50mmの地点とした。
(セパレータ基材の張力)
セパレータ基材の張力は、張力検出器(形微変位張力検出器LX−015TD−909、三菱電機株式会社製)を用いて測定した。セパレータ基材の張力を測定する場所は、基材送り出しのサクションロール8と、前記サクションロールに対して最も近い基材搬送方向下流の接触式ガイドロール20との間で行った。
(塗工剤の粘度)
セパレータ基材に塗工する塗工剤の粘度は、粘度・粘弾性測定装置(レオストレスHAAKE RS6000、英弘精機株式会社製)を用いて、温度23℃、せん断速度領域1000(1/s)にて測定した。
(セパレータの塗工層の均一性評価)
塗工層の均一性は、ブルーレーザーフォーカス変位計(LT−9510VM、キーエンス株式会社製)を高精度形状測定システム(KS−100、キーエンス株式会社製)に取り付けた装置を用い、50mm×50mmの大きさの試験片の総厚を測定した。測定したMD方向の最も大きい膜厚−最も小さい膜厚(μm)の差を算出した。
A:最大厚みと最小厚みの差が0.5μm未満
B:最大厚みと最小厚みの差が0.5μm以上1.0μm未満
C:最大厚みと最小厚みの差が1.0μm以上1.5μm未満
D:最大厚みと最小厚みの差が2.0μm以上
(耐熱セパレータの耐熱評価)
耐熱層を形成したセパレータから50mm×50mmの大きさの試験片を作成し、試験片を乾燥機に入れ窒素下、150℃、60分間加熱し、加熱前後の試験片の長さから熱収縮率を算出した。なお、熱収縮率の値は、試験片の最も大きい収縮率の値とし、以下の基準で評価を行った。熱収縮率が小さいと、この耐熱セパレータを使用した二次電池はサイクル特性などの電池特性に優れるので好ましい。
A:熱収縮率が1%未満である
B:熱収縮率が1%以上5%未満である
C:熱収縮率が5%以上10%未満である
D:熱収縮率が10%以上である
(塗工装置)
図1〜4に示す塗工装置を用いた。非接触式支持装置5a,5b,5cの噴出面30は、最大開口径20μm、通気度55ml/cm2/secであるポリエステル製の不織布とした。また非接触式支持装置5a,5b,5cの内、基材搬送方向に対し最も上流にある非接触式支持装置5aの噴出面30の基材搬送方向上流端部と、基材搬送方向下流のグラビアロール上の塗工剤とセパレータ基材との接触面の、基材搬送方向の下流であって、セパレータ基材の幅方向に沿って延びる下流端部との距離は、500mmとした。塗工部はチャンバードクター方式とし、グラビアロールは、左右対称の格子連続模様の凹部をセルパターンに有するものを用いた。
(塗工剤の作成)
耐熱性の物質としてアルミナ粒子(体積平均のD50平均粒子径 0.45μm)100部、バインダーとしてマレイミド−無水マレイン酸共重合体の水溶液を固形分基準で1.5部、及び、イオン交換水を固形分濃度が40質量%になるように混合し、水分散液Aを得た。さらに水分散液Aを固形分基準で4部、及び、ポリエチレングリコール型界面活性剤0.2部を混合し、耐熱性の物質を含む塗工剤Aを製造した。また、塗工剤Aの粘度は、23cPであった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
セパレータ基材の片面の耐熱層の厚さが3μmとなるように、グラビアロールに対するセパレータ基材位置を調整し、セパレータ基材にかかる張力100N/m、塗工速度100m/min、非接触式支持装置の噴出部内部の圧力300Pa、乾燥炉温度50℃の条件において、ポリエチレン製のセパレータ基材(厚み12μm、MD方向の弾性率1057MPa、透気度230s/100cc)の両面に対し、塗工剤Aを塗工、乾燥して、セパレータ基材の両面に厚さ3μmの耐熱層を有するセパレータAを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は15μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は1mmであった。セパレータAの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。
なお、表中のセパレータの塗工層の均一性の評価は、セパレータ基材の両面を塗工する2つのグラビアロールの内、基材搬送方向下流のグラビアロールによって塗られた塗工層のものであり、基材搬送方向上流の上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。
また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
Figure 2014191947
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、セパレータ基材の張力を15N/mとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータBを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は100μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は10mmであった。
セパレータBの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、基材の張力を30N/mとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータCを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は40μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は5mmであった。
セパレータCの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、基材の張力を50N/mとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータDを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は28μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は1mmであった。
セパレータDの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(塗工剤の作成)
実施例1において、加えるイオン交換水の量を固形分濃度が50質量%になるように変えた以外は実施例1と同様にして、耐熱性の物質を含む塗工剤Bを製造した。また、塗工剤Bの粘度は、50cPであった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、塗工剤Aに替えて塗工剤Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてセパレータEを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は15μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は1mmであった。セパレータEの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(塗工剤の作成)
実施例1において、加えるイオン交換水の量を固形分濃度が30質量%になるように変えた以外は実施例1と同様にして、耐熱性の物質を含む塗工剤Cを製造した。また、塗工剤Cの粘度は、5cPであった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、塗工剤Aに替えて塗工剤Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてセパレータFを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は15μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は1mmであった。セパレータFの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例5において、セパレータ基材の張力を30N/mとした以外は、実施例5と同様にしてセパレータGを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は50μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は5mmであった。セパレータGの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(塗工剤の作成)
実施例1において、加えるイオン交換水の量を固形分濃度が36質量%になるように変えた以外は実施例1と同様にして、耐熱性の物質を含む塗工剤Dを製造した。また、塗工剤Dの粘度は、15cPであった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、塗工剤Aに替えて塗工剤Dを用い、セパレータ基材の張力を30N/mとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータHを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は60μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は5mmであった。セパレータHの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例6において、セパレータ基材の張力を30N/mとした以外は、実施例6と同様にしてセパレータIを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は65μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は5mmであった。セパレータIの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(塗工剤の作成)
実施例1において、加えるイオン交換水の量を固形分濃度が10質量%になるように変えた以外は実施例1と同様にして、また、塗工剤Eの粘度は、2cPであった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、塗工剤Aに替えて塗工剤Eを用い、セパレータ基材の張力を15N/mとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータJを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は100μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は10mmであった。セパレータJの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例6において、基材搬送方向に対し最も上流にある非接触式支持装置5aの噴出面30の基材搬送方向上流端部と、基材搬送方向下流のグラビアロール上の塗工剤とセパレータ基材との接触面の、基材搬送方向の下流であって、セパレータ基材の幅方向に沿って延びる下流端部との距離を800mmとし、セパレータ基材の張力を130N/mとした以外は、実施例6と同様にしてセパレータKを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は40μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は3mmであった。セパレータKの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例5において、基材搬送方向に対し最も上流にある非接触式支持装置5aの噴出面30の基材搬送方向上流端部と、基材搬送方向下流のグラビアロール上の塗工剤とセパレータ基材との接触面の、基材搬送方向の下流であって、セパレータ基材の幅方向に沿って延びる下流端部との距離を800mmとし、セパレータ基材の張力を30N/mとした以外は、実施例6と同様にしてセパレータLを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は50μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は5mmであった。セパレータLの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、非接触式支持装置の内、セパレータ基材の搬送方向に対し最も上流にある非接触式のガイドロールの搬送面の基材搬送方向上流端部と、塗工部の塗工剤とセパレータ基材との接液部の基材搬送方向下流の接液端部との距離を1500mmとし、セパレータ基材の張力を100N/mとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータMを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は100μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は1mmであった。セパレータMの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、非接触式支持装置を1つとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータNを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は40μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は1mmであった。セパレータNの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、非接触式支持装置を2つとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータOを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は30μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は1mmであった。セパレータOの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。なお、基材搬送方向上流のグラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、基材搬送方向上流のグラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
(塗工剤の作成)
実施例1において、アクリル酸ブチル/メタクリル酸/スチレンの架橋重合体(ガラス転移温度76℃、体積平均粒子径D50は0.15μm)の粒子状の接着性の物質を100部、バインダーとしてマレイミド−無水マレイン酸共重合体の水溶液を固形分基準 で4部、イオン交換水を固形分濃度が20%になるように混合し、接着性の物質を含む塗工剤Fを得た。また、塗工剤Fの粘度は15cPであった。
(接着セパレータの製造・評価)
実施例1において、塗工剤Aに替えて塗工剤Fを用いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータPを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は15μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は1mmであった。セパレータPの接着層の均一性の評価、および接着性の評価を表1に示す。なお、上流グラビアロールによって塗られた塗工層の評価は「A」であった。また、上流グラビアロールにおいても、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差、及び幅方向への振動幅は、本願発明の範囲であった。
比較例1
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、セパレータ基材の張力を200N/mとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータQを得た。得られたセパレータQは、塗工時にセパレータ基材が伸びて、シワが発生していた。この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は検出限界以上、セパレータ基材の幅方向への振動幅は30mm超過であった。セパレータQの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。
比較例2
(耐熱セパレータの製造・評価)
実施例1において、セパレータ基材の張力を5N/mとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータRを得た。なお、この時のセパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差は200μm、セパレータ基材の幅方向への振動幅は20mmであった。セパレータRの耐熱層の均一性の評価、および耐熱性の評価を表1に示す。
表1の結果から、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差及び、幅方向への振動幅が本願発明の範囲にある実施例1〜15の耐熱セパレータの塗工層は両面とも均一性に優れ、耐熱性にも優れることが分かる。また、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差及び、幅方向への振動幅が本願発明の範囲にある実施例16の接着セパレータの塗工層は両面とも均一性に優れ、接着性にも優れることが分かる。
一方、セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差及び、幅方向への振動幅が本願発明の範囲から外れる比較例1、2の耐熱セパレータの塗工層は均一性に劣り、耐熱性も劣ることが分かる。
1…塗工装置、2…基材巻き出しの駆動ロール、3,4…チャンバードクター塗工装置、5…非接触式支持装置、6…乾燥炉、7…基材巻き取りの駆動ロール、8…基材送り出しの駆動ロール(サクションロール)、9…基材引き取りの駆動ロール(サクションロール)、10…グラビアロール、11…塗工チャンバー、100…セパレータ基材。

Claims (5)

  1. 長尺状のセパレータ基材を一定方向に沿って搬送する搬送工程と、
    グラビアロールを用いて、搬送された前記セパレータ基材の両面に塗工剤を塗工して塗工層を形成する塗工層形成工程と、
    前記セパレータ基材上の塗工層を乾燥させる乾燥工程と、を含み、
    前記塗工層と前記セパレータ基材とを備える二次電池用セパレータを製造する方法であって、
    前記グラビアロール上の塗工剤と前記セパレータ基材との接触面は、前記搬送方向下流であって、かつ前記基材の幅方向に沿って延びる下流端部を有し、
    前記下流端部の幅方向中心位置から搬送方向下流に向かって20mmの位置における、前記セパレータ基材の厚み方向への振動幅の標準偏差が100μm以内であって、かつ
    前記下流端部から搬送方向下流に向かって50mmの位置における、前記セパレータ基材の幅方向への振動幅が10mm以内に制御する振動幅制御工程を含み、
    前記搬送工程は、前記塗工層形成工程の後で、かつ前記乾燥工程の前に、前記塗工層が形成された前記セパレータ基材を非接触式支持装置にて支持した状態で搬送することを特徴とする二次電池用セパレータの製造方法。
  2. 前記基材にかかる張力が15N/m以上150N/m以下であることを特徴とする請求項1記載の二次電池用セパレータの製造方法。
  3. 温度23℃、せん断速度領域1000(1/s)時における前記塗工剤の粘度が2cP以上80cP以下であることを特徴とする請求項1または2記載の二次電池用セパレータの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータの製造方法により得られたことを特徴とする二次電池用セパレータ。
  5. 請求項4記載の二次電池用セパレータを用いたことを特徴とする電池。
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