JP2015043294A - リチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、塗工液の塗工量分布が均一で電池特性が良好なセパレータを、基材が薄い場合でも、長尺で安定的に生産することができるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法を提供することにある。【解決手段】無機粒子または有機粒子を含む塗工液を多孔質基材に付与してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法であって、基材に塗工液が担持された後、少なくとも2枚のベントブレードにより塗工液を絞る工程(A)と、塗工液が担持された基材表面を平滑にする工程(B)とを有することを特徴としたリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用セパレータ(以下、「セパレータ」と略記する場合がある)の製造方法に関する。
近年の携帯電子機器の普及及びその高性能化に伴い、高エネルギー密度を有する二次電池が望まれている。この種の電池として、有機電解液(非水電解液)を使用するリチウムイオン二次電池が注目されてきた。非水電解液は可燃性であるため、発火等の危険性があり、その使用において安全性には細心の注意が払われている。
セパレータとして多く使用されているポリエチレン等のポリオレフィンからなる多孔質フィルムには、電池内部の温度が130℃近傍になった場合、溶融して微多孔を塞ぐことで、リチウムイオンの移動を防ぎ、電流を遮断させる熱ヒューズ機能(シャットダウン機能)がある。しかし、何らかの状況により、さらに温度が上昇した場合、ポリオレフィン自体が溶融してショートし、熱暴走する可能性が示唆されている。このような、セパレータの熱収縮による短絡を防止するため、無機粒子または有機粒子を基材に付与したセパレータが提案されている。基材としては、ポリオレフィンからなる多孔質フィルムが使われる場合や、耐熱性の良好な不織布が使われる場合がある。
このようなセパレータの製造方法として、無機粒子または有機粒子を含む液(以下、「塗工液」ともいう)を基材に付与した後、基材の搬送方向とは逆方向に所定の周速で回転させる互いの回転軸を結ぶ直線が基材の走行方向と直交するよう配置された2つのロールの間に基材を通過させることで、基材上の過剰の塗工液を除去し、塗膜表面を均一にするという提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
また、基材の走行方向とは逆方向に回転するロールに、上記基材の片面のみを接触させるか、または、基材の走行方向とは逆方向に回転する複数のロールであって、該基材を挟んで対するロールの互いの回転軸を結ぶ直線が上記多孔質基材の走行方向と直交しないように配置されている複数のロールに、上記基材の両面を順次接触させることにより、塗膜の厚みを均一化させるという提案もなされている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、特許文献1及び2の技術による場合、塗工液の塗工量分布が幅方向で不均一になりやすく、ピンホールや抵抗の高い箇所がセパレータに存在し、イオン透過性が不均一となり、電池特性が良好なセパレータを得ることが困難であった。さらに、基材が薄い場合には、基材にシワが入って塗布斑が生じてしまうため、厚み均一性の高い長尺のセパレータを連続的に製造することは困難であった。
特開2002−166218号公報 特開2008−179903号公報
本発明の課題は、塗工液の塗工量分布が均一で電池特性が良好なセパレータを、基材が薄い場合でも、長尺で安定的に生産することができるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)無機粒子または有機粒子を含む塗工液を多孔質基材に付与してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法であって、基材に塗工液が担持された後、少なくとも2枚のベントブレードにより塗工液を絞る工程(A)と、塗工液が担持された基材表面を平滑にする工程(B)とを有することを特徴としたリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法、
(2)基材が不織布である(1)に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法、
を見出した。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法により、塗工液の塗工量分布が均一で電池特性が良好なセパレータを、基材が薄い場合でも、長尺で安定的に生産することができ、ピンホールや抵抗の高い箇所が存在しないリチウムイオン二次電池用セパレータを製造することが可能である。
本発明におけるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法に係わる一部の工程の一例を示した概略図である。 本発明におけるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法に係わる装置の塗工液を絞るベントブレードに関する説明図である。 本発明におけるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法に係わる装置の塗工液を絞るベントブレードに関する断面図である。 本発明におけるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法に係わる装置の塗工液が担持された基材表面を平滑にするスムージングロールと基材の抱き角に関する説明図である。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法を、図面を用いつつ説明する。図1〜図4において、点線矢印は基材2の搬送方向を示している。
図1は、本発明におけるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法に係わる一部の工程の一例を示した概略図である。まず、基材2を巻き取った基材ロール3から、基材2を引き出して搬送しつつ、塗工液を基材2に担持させる。基材2に塗工液を担持させる方法については特に制限はなく、例えば、図1に示すように、塗工液を入れた含浸パッド5中に基材2を通過させる等の方法を用いることができる。図1において、符号4は含浸ロールである。
次に、基材2を挟み込むように、少なくとも2枚のベントブレード1により、基材2の塗工液の担持量を、必要な量を残して均一に調整する(工程(A))。図2は、本発明におけるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法に係わる装置の塗工液を絞るベントブレードに関する説明図である。図3は、本発明におけるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法に係わる装置の塗工液を絞るベントブレードの断面図である。ベントブレード1は幅方向に対してブレードプロファイラーバー8によりクリアランスをコントロールすることが可能であり、塗工液の担持量の微調整をすることができる。余剰塗工液は含浸パッド5に落ち、循環使用される。次に、塗工液が担持された基材2の表面を平滑にする工程(B)では、基材2の表面及び裏面に少なくとも1回ずつ接触するように設置したスムージングロール9により、基材2の極表面の塗工面を均一かつ平滑に均す。これにより、基材2の細かい穴を埋め、ピンホールの発生を抑制することが可能となった。スムージングロール9の作用によって、基材2の幅方向に均一にテンションをかけることが可能であるため、シワの発生が抑制され、イオン透過性の悪化や塗工剥がれによる電池特性の悪化が抑制されたリチウムイオン二次電池用セパレータを長尺で得ることが可能となった。次に、表面が平滑化された基材2は搬送ロール6を通ってドライヤー7により乾燥され、リーラーで巻き取られる。図1〜図3では、2枚のベントブレード1により塗工液を絞っているが、ベントブレード1の枚数は3枚以上でもよい。
本発明において、ベントブレードの材質に特に制限はなく、ポリエステル、ポリプロピレン、軟質塩化ビニル樹脂、低発泡塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン共重合)樹脂、ポリカーボネートなどの各種樹脂板、アルミ、鉄、銅、鋼、SUSなどの各種金属板、その他炭素繊維板などの材料を、使用する塗工液の種類に応じて適宜選択することが好ましい。また、水系塗工液の場合、ベントブレードの塗工液との接触面は摩擦による横段発生を抑止する効果から疎水性であることが好ましい。親水性の場合は必要に応じて疎水化処理を行うことが好ましい。必要に応じて摩耗しにくい材料(例えばセラミック、金属酸化物、金属炭化物など)を被覆しても良い。
本発明において、ベントブレードの厚みは装置幅に応じて0.1mm〜2mm厚のものを適宜選択することが好ましい。ベントブレードはブレードを大きく歪ませて使用することから、ベントブレードの材質に合わせて適宜厚みを変更することが好ましい。ブレードの歪が大きいため、幅方向の力が増すことにより幅方向の圧力分布がより均一になる。また、ベントブレードは、必要に応じて、ブレードプロファイラーバーにより基材両面及び幅方向で塗工量を調整することができる。ブレードプロファイラーバーは、ベントブレードの刃先から1/4から1/2の位置に設置することが好ましい。また。ブレードプロファイラーバーはベントブレードの材質、厚み、硬度により、適宜位置を調整することができる。
本発明において、ベントブレードの幅は、基材幅に応じて適宜調整するが、基材幅よりも10〜20mm広く設定することが好ましい。ベントブレードの長さは、ベントブレードの固定元から基材までの水平距離の概ね2倍にすることが好ましく、40〜70mmであることが好ましく、50〜60mmであることがより好ましい。
本発明において、基材を中心にベントブレードにより挟み込むように、少なくとも2枚のベントブレードからなる両面ベントブレードを、ブレードの刃先及び幅が合うように設置して、両面同時に塗工液を絞ることにより、塗工量が均一で、表裏差の少ないセパレータを作製することができる。
本発明において、スムージングロールの直径は7mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上がさらに好ましい。スムージングロールの直径が7mmより細い場合、スムージングロールが応力に耐えられずにひずみが生じ、基材への塗工液の付着が不均一になる場合があり、塗工量ムラ、シワ発生の要因となることがある。また、スムージングロールの直径は30mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましく、20mm以下がさらに好ましい。ロール直径が30mmよりも太い場合、十分な平滑化作用が得られないため、やはり基材への塗工液が不均一になる場合がある。
本発明において、スムージングロールの材質に特に制限はないが、金属もしくはゴムまたは樹脂等の材料を、使用する塗工液の種類に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、水系塗工液の場合、親水性の高い材質が好ましい。ロールの表面形状は平滑であっても、溝を彫刻する、ワイヤーを巻きつける等で表面に凹凸を形成してあってもよく、塗工液の種類や粘度、使用される基材に応じて適宜設定できる。本発明に用いられるスムージングロールは、軸受けに保持される部分とロール本体が一体に形成されていても、別部材として形成されていてもよい。
本発明におけるスムージングロールの断面形状は円形の他に、楕円状であってもよい。
スムージングロールの接触回数としては、薄い基材に均一にテンションをかけるため、片面に少なくとも1回ずつ接触させることが好ましい。また、本発明において、スムージングロールは、回転していても回転していなくてもどちらでもよく、基材や塗工液の物性によって適宜設定される。
図4は、本発明におけるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法に係わる装置の塗工液が担持された基材表面を平滑にするスムージングロールと基材の抱き角に関する説明図である。スムージングロール9と基材2の抱き角は90°以上であることが好ましく、100°以上であることがより好ましく、110°以上がさらに好ましい。170°以下であることが好ましく、160°以下であることがより好ましく、150°以下であることがさらに好ましい。抱き角が90°よりも小さくなると、基材2に過剰なテンションがかかり、基材2の伸びやシワの原因となる。
本発明において、基材としては、多孔質フィルム、不織布、織布、織物などが挙げられる。多孔質フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン、アラミド、ポリイミド、フッ素などの多孔質フィルムを使用することができる。多孔質フィルムは、1層でも良く、2層以上の多層であってもよい。多層の場合、同種の材質の多孔質フィルムを重ねても良いし、異種の材質のフィルムを組み合わせて用いてもよい。また、多孔質フィルム内に、繊維、無機フィラー、有機フィラーなどが含まれていても良い。
本発明において、耐熱性を向上させたり、リチウムイオン二次電池の内部抵抗を低減させたりするためには、基材が不織布であることが好ましい。不織布としては、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリビニルケトン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、微細セルロース等の繊維を含有してなる不織布を使用することができる。これらの繊維は1種類だけでなく、混合して含有させることも可能である。
基材の厚みは、セパレータとしての強度を確保するため、6μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましい。また、電池特性の面から30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下がさらに好ましい。本発明では、6〜30μmという薄い基材であっても、長尺で安定的にリチウムイオン二次電池用セパレータを生産することができる。
基材の坪量は、セパレータとしての強度を確保するため、6g/m以上であることが好ましく、7g/m以上であることがより好ましく、8g/m以上であることがさらに好ましい。また、電池特性の面から、20g/m以下が好ましく、15g/m以下がより好ましく、12g/m以下がさらに好ましい。
基材の密度としては、イオン透過性を十分に確保するため、0.85g/cm以下が好ましく、さらに0.75g/cm以下が好ましく、0.70g/cm以下が最も好ましい。また、基材の平滑性を得ることが難しいため、0.30g/cm以上が好ましく、さらに0.40g/cm以上がより好ましく、0.45g/cm以上が最も好ましい。本発明において密度とは、基材の坪量を基材の厚みで除した値である。
本発明に用いる無機粒子は、特に限定されるものではないが、ベーマイト、SiO、Al、アルミナ−シリカ複合酸化物等を使用することができる。
本発明に用いる有機粒子は、特に限定されるものではないが、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)系樹脂やアクリル系樹脂、セルロース誘導体、フッ素系樹脂等が挙げられる。
本発明における塗工液用媒体は、特に限定されるものではないが、水や有機系媒体を使用することができる。有機系媒体としては、特にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールといった水酸基を有する溶媒やアセトン、メチルエチルケトンといったカルボニル基を有する媒体等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例1
基材2として微多孔質ポリエチレン(PE)フィルム(坪量10g/m、厚み18μm、幅250mm)を準備し、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造を行った。2枚のベントブレード1として、高密度ポリエチレンフィルム(厚み0.2mm、幅300mm、長さ100mm)を、基材2を中心に挟み込むように、基材2の両面にそれぞれ設置した。ブレードプロファイラーバー8はベントブレード1の刃先から28mmの位置になるように調整して取り付けた。
スムージングロール9は、SUS304材質の直径はいずれも15mmのフラットロール(固定)を基材2の表側及び裏側に接触するように100mmの間隔をあけ、スムージングロール9と基材2の抱き角がそれぞれ150°になるように2本設置した。基材2を搬送し、ベーマイトとアクリル樹脂を含有してなる塗工液を入れた含浸パッド5に浸漬して塗工液を基材に担持させた後、ベントブレード1で塗工液を均一に絞って塗工量を調整した(工程(A))。基材表面の平滑性を上げ、ピンホールができないように、基材2の表面側及び裏面側にそれぞれあたるように2本のスムージングロール9を通過させた後(工程(B))、乾燥させて、リチウムイオン二次電池用セパレータを作製した。
実施例2
基材2を長尺のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる不織布(坪量8g/m、厚み15μm、幅250mm)にした以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
比較例1
スムージングロール9を除いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
比較例2
2枚のベントブレード1を除いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
比較例3
スムージングロール9及び2枚のベントブレード1を除いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
<評価>
実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表2に示した。
[セパレータの膜厚]
作製したセパレータについて、接触式膜厚計(ミツトヨ製、接触端子は底面が直径5mmの円柱状)を用いて20カ所測定を行い、最大値と最小値の差が2μm未満のものを「○」、2μm以上3μm未満を「△」、3μm以上のものを「×」で表した。
[セパレータの坪量]
作製したセパレータについて、200mm×250mm角にカットし、電子天秤(METTLER製、AJ150)を用いて質量測定を行い、20倍して坪量(g/m)とした。
[シワの有無]
作製したセパレータについて、シワの有無について目視にて確認を行った。250mm幅中にシワが入っていないものは「○」、1本以上3本以下確認されたものは「△」、4本以上確認されたものは「×」で表した。
[セパレータのインピーダンス測定]
イオン透過性の均一性について評価するため、インピーダンス測定を行った。電解液に1M LiPF/EC:DEC(30:70 vol%)を使用し、市販の組み立て式電池評価セルに各実施例、比較例のセパレータを組み込み、20kHzにおけるインピーダンスを各サンプル20カ所について測定した。最大値と最小値の差が0.5Ω未満のものを「○」、0.5Ω以上1.0Ω未満のものを「△」、1.0Ω以上のものを「×」で表した。膜厚が厚い箇所や粒子が緻密に充填されている箇所は、電極間のイオン移動距離が長くなるため、値が大きくなる。一方、膜厚が薄い箇所や粒子の充填が粗な箇所は、イオン移動距離が短くなるため、値が小さくなる。このため、最大値と最小値の差が大きいということは、塗工量が不均一であり、イオン透過性が不均一であることを意味している。
[セパレータのピンホール検出]
セパレータのピンホールの有無について評価するため、光をセパレータ裏面よりあて、光透過箇所について目視で確認を行った。200mm×200mm角内に透過箇所がないものを「○」、透過箇所が1カ所以上10カ所未満のものを「△」、10カ所以上のものを「×」で表した。
[評価用電池の作製]
(1)マンガン酸リチウム粉末89.5質量部、アセチレンブラック4.5質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)6質量部及び溶剤としてのN−メチルピロリドンからなる正極剤ペーストを、2.0mAh/cmの容量が得られるように厚み20μmのアルミ箔上に塗布・乾燥後プレスして、厚さ97μmの正極板を得た。
(2)メソフェーズカーボンマイクロビーズ粉末87質量部、アセチレンブラック3質量部、PVdF10質量部、及び溶剤としてのN−メチルピロリドンからなる負極剤ペーストを、2.1mAh/cmの容量が得られるように厚み18μmの銅箔上に塗布乾燥後プレスして、厚さ90μmの負極板を作製した。
(3)電解液として、1M LiPF/エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)(30:70 vol%)(キシダ化学製)を使用した。
(4)セパレータとして、実施例と比較例で作製したセパレータを使用した。
(5)正極及び負極(30mm×50mm)を、セパレータ(40mm×60mm)を介して対向させた。これに電解液を含浸させアルミラミネートフィルムからなる外装に真空封入して、設計容量30mAhのリチウムイオン二次電池を作製した。各セパレータにつき5個の電池を作製した。
[電池特性:セパレータのCレート放電試験(放電容量)]
評価用電池に対して、1Cで3サイクルエイジングを行った後、1C、4.2Vで定電流定電圧充電(1/10Cカット)した後、5Cで定電流放電試験(2.8Vカット)を行い、放電容量の各平均値を算出した。単位は、mAhである。
表1は、使用した基材、絞り手段、平滑化手段を一覧にまとめたものである。
表2について詳細に説明を行う。実施例1及び2では、基材に塗工液が担持された後、少なくとも2枚のベントブレードにより、基材に過剰に担持された塗工液を適正量にかき落として絞り、スムージングロールによって基材表面を平滑にすることによって、塗工面が綺麗で、シワが発生しにくく、イオン透過性にムラが少なく、ピンホールも少ないセパレータを製造することができた。実施例1と2の比較では、どちらもセパレータの性能としては良好であったが、電池特性において不織布を用いた実施例2の方が若干優れていた。
実施例1及び2と比較例1との比較から、スムージングロールの効果により、ピンホールがなく、適正な厚みへの調整が可能で、イオン透過性にムラが少なく、シワの発生が抑制できることがわかる。比較例1では、セパレータとしては比較的良好であったが、多少のピンホールが見られたため、電池特性に差が生じた。実施例1及び2と比較例2との比較から、ベントブレードの効果により、ピンホールがなく、適正な厚みへの調整が可能で、イオン透過性にムラが少なく、シワの発生が抑制できることがわかる。比較例2では、厚みムラ、若干のシワの発生、イオン透過性のムラ、若干のピンホールの発生があり、電池特性に大きく差が生じた。
実施例1及び2と比較例3との比較から、ベントブレード、スムージングロール双方の効果により、ピンホールがなく、適正な厚みへの調整が可能で、イオン透過性にムラが少なく、シワの発生が抑制と全てに対して優れていることがわかる。比較例3では、塗工液を担持後、余剰の塗工液をかき落とさなかったため、厚みが不均一で坪量が多く、イオン透過性にムラが多く、電池特性に大きく差が生じた。
本発明は、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法として好適に使用できる。
1 ベントブレード
2 基材
3 基材ロール
4 含浸ロール
5 含浸パッド
6 搬送ロール
7 ドライヤー
8 ブレードプロファイラーバー
9 スムージングロール

Claims (2)

  1. 無機粒子または有機粒子を含む塗工液を多孔質基材に付与してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法であって、基材に塗工液が担持された後、少なくとも2枚のベントブレードにより塗工液を絞る工程(A)と、塗工液が担持された基材表面を平滑にする工程(B)とを有することを特徴としたリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
  2. 基材が不織布である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
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