JP2013175323A - リチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、塗工液の付着量分布が均一で電池特性が良好なセパレータを、基材が薄い場合でも、長尺で安定的に生産することができるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法を提供することにある。
【解決手段】不織布を基材として、無機粒子または有機粒子を含む液を付与してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法であって、基材に過剰の液を付与後、略鉛直方向に搬送しながら、片面ずつ少なくとも1回ずつ直径10mm以上30mm以下の湾曲したスムージングロールに接触させる。
【選択図】図1
【解決手段】不織布を基材として、無機粒子または有機粒子を含む液を付与してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法であって、基材に過剰の液を付与後、略鉛直方向に搬送しながら、片面ずつ少なくとも1回ずつ直径10mm以上30mm以下の湾曲したスムージングロールに接触させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法に関する。
近年の携帯電子機器の普及及びその高性能化に伴い、高エネルギー密度を有する二次電池が望まれている。この種の電池として、有機電解液(非水電解液)を使用するリチウムイオン二次電池が注目されてきた。非水電解液は可燃性であるため、発火等の危険性があり、その使用において安全性には細心の注意が払われている。
セパレータとしては、多く使用されているポリエチレン等のポリオレフィンからなる多孔質フィルムには、電池内部の温度が130℃近傍になった場合、溶融して微多孔を塞ぐことで、リチウムイオンの移動を防ぎ、電流を遮断させる熱ヒューズ機能(シャットダウン機能)があるが、何らかの状況により、さらに温度が上昇した場合、ポリオレフィン自体が溶融してショートし、熱暴走する可能性が示唆されている。このような、セパレータの熱収縮による短絡を防止するため、耐熱性の良好な不織布と基材として、無機粒子または有機粒子を付与したセパレータが提案されている。
かかるセパレータの製造方法として、無機粒子または有機粒子を含む液(以下、「塗工液」ともいう)を多孔質基材に付与した後、多孔質基材の搬送方向とは逆方向に所定の周速で回転させる互いの回転軸を結ぶ直線が基材の走行方向と直交するよう配置された2つのロールの間に多孔質基材を通過させることで、基材上の過剰の塗工液を除去し、塗膜表面を均一にするという提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
また、多孔質基材の走行方向とは逆方向に回転するロールに、上記多孔質基材の片面のみを接触させるか、または、多孔質基材の走行方向とは逆方向に回転する複数のロールであって、該多孔質基材を挟んで対するロールの互いの回転軸を結ぶ直線が上記多孔質基材の走行方向と直交しないように配置されている複数のロールに、上記多孔質基材の両面を順次接触させることにより、塗膜の厚みを均一化させるという提案もなされている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、特許文献1及び2の技術による場合、塗工液の付着量分布が幅方向で不均一になりやすく、ピンホールや抵抗の高い箇所がセパレータに存在し、電池特性が良好なセパレータは得ることが困難であった。さらに、基材が薄い場合には、基材にシワが入って塗布斑が生じてしまうため、厚み均一性の高い長尺のセパレータを連続的に製造することは困難であった。
本発明の課題は、塗工液の付着量分布が均一で電池特性が良好なセパレータを、基材が薄い場合でも、長尺で安定的に生産することができるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)不織布を基材として、無機粒子または有機粒子を含む液を付与してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法であって、基材に過剰の液を付与後、略鉛直方向に搬送しながら、片面につき少なくとも1回ずつ直径10mm以上30mm以下のスムージングロールに接触させることを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
(2)スムージングロールが湾曲している(1)に記載の製造方法。
(3)基材に最初に接触するスムージングロールと基材に液を付与する装置の間の距離が15cm以下である(1)または(2)に記載の製造方法。
を見出した。
(1)不織布を基材として、無機粒子または有機粒子を含む液を付与してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法であって、基材に過剰の液を付与後、略鉛直方向に搬送しながら、片面につき少なくとも1回ずつ直径10mm以上30mm以下のスムージングロールに接触させることを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
(2)スムージングロールが湾曲している(1)に記載の製造方法。
(3)基材に最初に接触するスムージングロールと基材に液を付与する装置の間の距離が15cm以下である(1)または(2)に記載の製造方法。
を見出した。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法により、塗工液の付着量分布が均一で電池特性が良好なセパレータを、基材が薄い場合でも、長尺で安定的に生産することができ、ピンホールや抵抗の高い箇所が存在しないリチウムイオン二次電池用セパレータを製造することが可能である。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータ(以下、「セパレータ」ともいう)の製造方法を、図面を用いつつ説明する。図1は、上記工程の一例を示す概略図である。
まず、基材2である不織布を巻き取ったロールから、基材2を引き出して搬送しつつ、塗工液を過剰に付与する。基材2に塗工液を過剰に付与する方法については特に制限はなく、例えば、図1に示すように、塗工液を入れた浸漬浴3中に、基材を通過させる等の方法を用いることができる。図1において、符号4は含浸ロールであり、点線矢印は基材2の搬送方向を示している。
次に、略鉛直方向に過剰の塗工液を付与した基材2を搬送しながら、基材2の走行方向と略直交するよう交互に配置されたスムージングロール1に、片面につき少なくとも1回ずつ接触させる。スムージングロール1とは、基材2上に過剰に付与された塗工液を、必要な量を残して除去し、かつ平滑化するために設けられるロールである。また、スムージングロール1の作用としては、基材2の幅方向に均一にテンションをかけることが可能であるため、シワの発生が抑制され、イオン透過性の悪化や塗工剥がれによる電池特性に優れたリチウムイオン二次電池用セパレータを長尺で得ることが可能となった。さらに、スムージングロール1と接触させることで、塗工液を基材2内に浸透させることができ、乾燥後の塗工剥がれを防止し、ピンホールの発生を抑制することが可能となった。
塗工液を付与させた基材2をスムージングロール1に接触させる際の走行方向は、略鉛直方向であれば、図1に示す上向きや、その逆の下向きのいずれでもよく、基材2における塗工液の保持性に応じて、または粘度や乾燥性など塗工液の物性に応じて適宜選択することができる。重力により液が下方向に落ちることにより、ピンホールの抑制効果が高くなるため、上向きに基材を走行させることが好ましい。
本発明において、スムージングロールの直径は10mm以上であり、15mm以上がより好ましく、18mm以上がさらに好ましい。スムージングロールの直径が10mmより細い場合、余剰塗工液がロールを超えて基材に再付着し、基材への塗工液の付着が不均一になる。また、スムージングロールの直径は30mm以下であり、27mm以下がより好ましく、25mm以下がさらに好ましい。ロール直径が30mmよりも太い場合、十分な平滑化作用が得られないため、やはり基材への塗工液の付着が不均一になる。
本発明において、スムージングロールの材質に特に制限はないが、金属もしくはゴムまたは樹脂等の材料を、使用する塗工液の種類に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、水系塗工液の場合、親水性の高い材質が好ましい。ロールの表面形状は平滑であっても、溝を彫刻する、ワイヤーを巻きつける等で表面に凹凸を形成してあってもよく、塗工液種類や塗工粘度や使用される基材に応じて設定できる。本発明のスムージングロールは、軸受けに保持される部分とロール本体が一体に形成されていても、別部材として形成されていてもよい。
本発明において、スムージングロールを湾曲させることができる。特に基材の厚みが薄い場合には、湾曲に沿って基材を幅方向に広げる応力を生じさせることで、シワや液だまりの発生が抑制され、均一な塗層を形成させるのに有利である。本発明において、スムージングロール1を湾曲させるとは、図2に示すように、スムージングロール1を固定する2支点間を結ぶ直線と、スムージングロールの中心軸が一致しないようにすることである。スムージングロール1の2支点間を結ぶ直線(B)とスムージングロール1の中心軸が最も離れた点(A)は、基材2の幅方向の中心線付近に接触させることが好ましい。基材2を幅方向に広げる応力が過剰であった場合、基材2が裂けることや、ピンホールが発生することがある。また、塗工液が幅方向に流れて塗工密度ムラが発生することもあるので、点(A)と直線(B)の距離は、基材2の幅に対して20%以下であることが好ましい。また、基材2を幅方向に広げる応力が不足し、シワや液だまりを抑制する効果が不十分になることがあるので、点(A)と直線(B)の距離は、基材の幅に対し0.5%以上であることが好ましい。図3に示した点(A)から直線(B)に垂直に降下した直線と、基材2の表面がなす角度が10度以上170度以下であることが好ましい。この角度が10度未満の場合、基材を幅方向に広げる応力が不均一になり、シワが入り、均一な塗層の形成ができない場合がある。また、170度を超える場合、塗層を均一に掻き取ることができず、液だまりが発生し、均一な塗層を得ることが難しい場合がある。図2及び3において、点線矢印は基材2の搬送方向を示している。
本発明におけるスムージングロールの断面形状は円形の他に、楕円状であってもよい。
スムージングロールの接触回数としては、薄い基材に均一にテンションをかけるため、片面に少なくとも1回ずつ接触させる。また、本発明において、スムージングロールは、回転していても回転していなくてもどちらでもよく、基材や塗工液の物性によって設定される。
基材に塗工液を付与させる装置(以下、「塗工液付与装置」ともいう)から、塗工液を付与された基材が最初に接触するスムージングロールとの距離が15cmより大きい場合、過剰の液がスジ状に降下した痕跡が塗工ムラになり、電池特性を悪化させることがある。このため、塗工液付与装置から、最初に接触するスムージングロールまでの距離は15cm以下が好ましく、さらに10cm以下が好ましく、7cm以下が最適である。
本発明において、基材としての不織布は、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリビニルケトン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、微細セルロース等の繊維を含有してなる不織布を使用することができ、これらの繊維は1種類だけでなく、混合して含有させることも可能である。
基材の厚みはセパレータとしての強度を確保するため、7μm以上であることが好ましく、さらに9μm以上であることがより好ましい。また、電池特性の面から30μm以下が好ましく、さらに20μm以下がより好ましい。
基材の密度としては、イオン透過性を十分に確保するため、0.85g/cm3以下が好ましく、さらに0.75g/cm3以下が好ましく、0.70g/cm3以下が最も好ましい。また、基材の平滑性を得ることが難しいため、0.30g/cm3以上が好ましく、さらに0.40g/cm3以上がより好ましく、0.45g/cm3以上が最も好ましい。本発明において密度とは、基材の坪量を基材の厚みで除した値である。
本発明に用いる無機粒子は、特に限定されるものではないが、ベーマイト、SiO2、Al2O3、アルミナ−シリカ複合酸化物等を使用することができる。
本発明に用いる有機粒子は、特に限定されるものではないが、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)系樹脂やアクリル系樹脂、セルロース誘導体、フッ素系樹脂等が挙げられる。
本発明における塗工液用媒体は、特に限定されるものではないが、水や有機系媒体を使用することができる。有機系媒体としては、特にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールといった水酸基を有する溶媒やアセトン、メチルエチルケトンといったカルボニル基を有する媒体等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例1
長尺のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる幅1mの不織布(坪量12g/m2、厚み18μm)を基材として準備し、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造を行った。スムージングロールは、支点間を結ぶ直線(B)に対し点(A)が3cm離れるように湾曲させて使用した。このときのスムージングロールの直径はいずれも20mmであり、最下段のスムージングロールを塗工液付与装置からの距離4cm上のところに設置した。基材を搬送し、ベーマイトとアクリル樹脂を含有してなる塗工液を入れた浸漬浴に浸漬して塗工液を過剰に付与したのち、基材の走行方向と略直交するよう交互に配置された2対のロール間を通過させて過剰の塗工液を除去し、乾燥させてリチウムイオン二次電池用セパレータを作製した。
長尺のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる幅1mの不織布(坪量12g/m2、厚み18μm)を基材として準備し、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造を行った。スムージングロールは、支点間を結ぶ直線(B)に対し点(A)が3cm離れるように湾曲させて使用した。このときのスムージングロールの直径はいずれも20mmであり、最下段のスムージングロールを塗工液付与装置からの距離4cm上のところに設置した。基材を搬送し、ベーマイトとアクリル樹脂を含有してなる塗工液を入れた浸漬浴に浸漬して塗工液を過剰に付与したのち、基材の走行方向と略直交するよう交互に配置された2対のロール間を通過させて過剰の塗工液を除去し、乾燥させてリチウムイオン二次電池用セパレータを作製した。
実施例2
不織布として、坪量10g/m2、厚み12μmのものを用いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
不織布として、坪量10g/m2、厚み12μmのものを用いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
実施例3
スムージングロールを3対とした以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
スムージングロールを3対とした以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
実施例4
スムージングロールを1対とした以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
スムージングロールを1対とした以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
実施例5
最下段のスムージングロールの塗工液付与装置からの距離を15cmとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
最下段のスムージングロールの塗工液付与装置からの距離を15cmとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
実施例6
最下段のスムージングロールの塗工液付与装置からの距離を18cmとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
最下段のスムージングロールの塗工液付与装置からの距離を18cmとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
実施例7
アクリル樹脂のかわりに、有機粒子であるSBR樹脂粒子を使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
アクリル樹脂のかわりに、有機粒子であるSBR樹脂粒子を使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
実施例8
湾曲していないロールを使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
湾曲していないロールを使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
実施例9
直径10mmのスムージングロールを使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
直径10mmのスムージングロールを使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
実施例10
直径30mmのスムージングロールを使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
直径30mmのスムージングロールを使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
比較例1
直径9mmのスムージングロールを使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
直径9mmのスムージングロールを使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
比較例2
直径40mmのスムージングロールを使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
直径40mmのスムージングロールを使用した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
比較例3
1本の湾曲したスムージングロールを使用し、基材の片面のみに接触させた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
1本の湾曲したスムージングロールを使用し、基材の片面のみに接触させた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
比較例4
実施例1で使用した塗工液と基材を使用し、塗工液を入れた浸積浴中に基材を搬送させた後、スムージングロールを一切使用せずに乾燥を行い、セパレータを作製した。
実施例1で使用した塗工液と基材を使用し、塗工液を入れた浸積浴中に基材を搬送させた後、スムージングロールを一切使用せずに乾燥を行い、セパレータを作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
[セパレータの膜厚]
作製したセパレータについて、接触式膜厚計(ミツトヨ製、接触端子は底面が直径0.5cmの円柱状)を用いて20カ所測定を行い、最大値と最小値の差が2μm未満のものを「○」、2μm以上3μm未満を「△」、3μm以上のものを「×」で表した。
作製したセパレータについて、接触式膜厚計(ミツトヨ製、接触端子は底面が直径0.5cmの円柱状)を用いて20カ所測定を行い、最大値と最小値の差が2μm未満のものを「○」、2μm以上3μm未満を「△」、3μm以上のものを「×」で表した。
[シワの有無]
作製したセパレータについて、シワの有無について目視にて確認を行った。1m幅中にシワが入っていないものは「○」、1本以上3本以下確認されたものは「△」、4本以上確認されたものは「×」で表した。
作製したセパレータについて、シワの有無について目視にて確認を行った。1m幅中にシワが入っていないものは「○」、1本以上3本以下確認されたものは「△」、4本以上確認されたものは「×」で表した。
[セパレータのインピーダンス測定]
イオン透過性の均一性について評価するため、インピーダンス測定を行った。電解液に1M LiPF6/EC:DEC(30:70 vol%)を使用し、市販の組み立て式電池評価セルに各実施例、比較例のセパレータを組み込み、20kHzにおけるインピーダンスを各サンプル20カ所について測定した。最大値と最小値の差が0.5Ω未満のものを「○」、0.5Ω以上1.0Ω未満のものを「△」、1.0Ω以上のものを「×」で表した。膜厚が厚い箇所や粒子が緻密に充填されている箇所は、電極間のイオン移動距離が長くなるため、値が大きくなる。一方、膜厚が薄い箇所や粒子の充填が粗な箇所は、イオン移動距離が短くなるため、値が小さくなる。このため、最大値と最小値の差が大きいということは、塗層が不均一であり、イオン透過性が不均一であることを意味している。
イオン透過性の均一性について評価するため、インピーダンス測定を行った。電解液に1M LiPF6/EC:DEC(30:70 vol%)を使用し、市販の組み立て式電池評価セルに各実施例、比較例のセパレータを組み込み、20kHzにおけるインピーダンスを各サンプル20カ所について測定した。最大値と最小値の差が0.5Ω未満のものを「○」、0.5Ω以上1.0Ω未満のものを「△」、1.0Ω以上のものを「×」で表した。膜厚が厚い箇所や粒子が緻密に充填されている箇所は、電極間のイオン移動距離が長くなるため、値が大きくなる。一方、膜厚が薄い箇所や粒子の充填が粗な箇所は、イオン移動距離が短くなるため、値が小さくなる。このため、最大値と最小値の差が大きいということは、塗層が不均一であり、イオン透過性が不均一であることを意味している。
[セパレータのピンホール検出]
セパレータのピンホールの有無について評価するため、光をセパレータ裏面よりあて、光透過箇所について目視で確認を行った。20cm×20cm角内に透過箇所がないものを「○」、透過箇所が1カ所以上10カ所未満のものを「△」、10カ所以上のものを「×」で表した。
セパレータのピンホールの有無について評価するため、光をセパレータ裏面よりあて、光透過箇所について目視で確認を行った。20cm×20cm角内に透過箇所がないものを「○」、透過箇所が1カ所以上10カ所未満のものを「△」、10カ所以上のものを「×」で表した。
[評価用電池の作製]
(1)マンガン酸リチウム粉末89.5質量部、アセチレンブラック4.5質量部、PVdF6質量部及び溶剤としてのN―メチルピロリドンからなる正極剤ペーストを、2.0mAh/cm2の容量が得られるように厚み20μmのアルミ箔上に塗布・乾燥後プレスして、厚さ97μmの正極板を得た。
(2)メソフェーズカーボンマイクロビーズ粉末87質量部、アセチレンブラック3質量部、PVdF10質量部、及び溶剤としてのN―メチルピロリドンからなる負極剤ペーストを、2.1mAh/cm2の容量が得られるように厚み18μmの銅箔上に塗布乾燥後プレスして、厚さ90μmの負極板を作製した。
(3)電解液として、1M LiPF6/EC:DEC(30:70 vol%)(キシダ化学製)を使用した。
(4)セパレータとして、実施例と比較例で作製したセパレータを使用した。
(5)正極及び負極(3cm×5cm)を、セパレータ(4cm×6cm)を介して対向させた。これに電解液を含浸させアルミラミネートフィルムからなる外装に真空封入して、設計容量30mAhのリチウムイオン二次電池を作製した。各セパレータにつき5個の電池を作製した。
(1)マンガン酸リチウム粉末89.5質量部、アセチレンブラック4.5質量部、PVdF6質量部及び溶剤としてのN―メチルピロリドンからなる正極剤ペーストを、2.0mAh/cm2の容量が得られるように厚み20μmのアルミ箔上に塗布・乾燥後プレスして、厚さ97μmの正極板を得た。
(2)メソフェーズカーボンマイクロビーズ粉末87質量部、アセチレンブラック3質量部、PVdF10質量部、及び溶剤としてのN―メチルピロリドンからなる負極剤ペーストを、2.1mAh/cm2の容量が得られるように厚み18μmの銅箔上に塗布乾燥後プレスして、厚さ90μmの負極板を作製した。
(3)電解液として、1M LiPF6/EC:DEC(30:70 vol%)(キシダ化学製)を使用した。
(4)セパレータとして、実施例と比較例で作製したセパレータを使用した。
(5)正極及び負極(3cm×5cm)を、セパレータ(4cm×6cm)を介して対向させた。これに電解液を含浸させアルミラミネートフィルムからなる外装に真空封入して、設計容量30mAhのリチウムイオン二次電池を作製した。各セパレータにつき5個の電池を作製した。
[電池特性:セパレータのCレート放電試験(放電容量)]
評価用電池に対して、1Cで3サイクルエイジングを行った後、1C、4.2Vで定電流定電圧充電(1/10Cカット)した後、5Cで定電流放電試験(2.8Vカット)を行い、放電容量の各平均値を算出した。単位は、mAhである。
評価用電池に対して、1Cで3サイクルエイジングを行った後、1C、4.2Vで定電流定電圧充電(1/10Cカット)した後、5Cで定電流放電試験(2.8Vカット)を行い、放電容量の各平均値を算出した。単位は、mAhである。
表1について詳細に説明を行う。実施例1〜10では、基材に過剰の液を付与後、略鉛直方向に搬送しながら、片面につき少なくとも1回ずつ直径10mm以上30mm以下のスムージングロールに接触させていることから、シワが発生しにくく、イオン透過性にムラが少なく、ピンホールも少ないセパレータを製造することができた。
実施例1と比較例3より、過剰に塗工液を付与した基材をスムージングロールに接触させる場合、片面だけ1回のみ接触させた場合、テンションが不十分であるため、シワが発生した。また、接触していない面の塗層は不均一になり、セパレータの膜厚にムラが発生し、インピーダンスや電池特性が悪化した。
実施例1と比較例4より、スムージングロールがなかった場合、塗層が厚くなり、電池特性を悪化させた。また、基材が薄いため、塗工液を付与された基材がばたつき、シワが発生した。さらに、スムージングロールと接触していないため、基材に塗工液が浸透せず、乾燥後塗工剥がれが発生し、ピンホールが多発した。
実施例1、9、比較例1より、スムージングロールの直径が小さくなると、スムージングロールと基材との接触面積が小さくなるため、シワが発生しやすい傾向が見られた。スムージングロールの直径が10mmより小さい比較例1では、塗工液が基材とは反対側に回り、ロールや塗工面を汚してしまうため、ピンホールが発生しやすくなり、インピーダンス特性が悪化した。実施例1、10、比較例2より、直径が30mmよりも大きい比較例2では、スムージングロールと基材との接触面積が大きいため、接触面に液だまりが発生しやすく、セパレータの膜厚にムラが発生し、イオン透過性にムラが生じた。
実施例1、8より、スムージングロールは湾曲していた方が基材に均一にテンションがかかり、シワの発生を抑制した。また、塗工液も均一に基材面に広がることから、セパレータの膜厚が均一化し、ピンホールの発生やイオン透過性の悪い場所が存在しないため、電池特性も良好の結果となった。
実施例1、5、6より、最下段のロール位置が塗工液付与装置との距離は15cm以下であることが好ましく、この距離が小さい方が、スムージングロールにより均された液がより細かなスジ状になりにくく、セパレータの膜厚ムラが発生しにくく、インピーダンスや電池特性の点で好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法はリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法として好適に使用できる。
1 スムージングロール
2 基材
3 浸漬浴
4 含浸ロール
2 基材
3 浸漬浴
4 含浸ロール
Claims (3)
- 不織布を基材として、無機粒子または有機粒子を含む液を付与してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法であって、基材に過剰の液を付与後、略鉛直方向に搬送しながら、片面につき少なくとも1回ずつ直径10mm以上30mm以下のスムージングロールに接触させることを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
- スムージングロールが湾曲している請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
- 基材に最初に接触するスムージングロールと基材に液を付与する装置の間の距離が15cm以下である請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
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JP2015088460A (ja) * | 2013-09-26 | 2015-05-07 | 三菱製紙株式会社 | リチウム二次電池用セパレータ用基材及びリチウム二次電池用セパレータ |
CN106463675A (zh) * | 2014-06-27 | 2017-02-22 | 日本瑞翁株式会社 | 非水系二次电池功能层用组合物、非水系二次电池用功能层和非水系二次电池 |
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2012
- 2012-02-24 JP JP2012038234A patent/JP2013175323A/ja active Pending
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JP2015088460A (ja) * | 2013-09-26 | 2015-05-07 | 三菱製紙株式会社 | リチウム二次電池用セパレータ用基材及びリチウム二次電池用セパレータ |
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CN106463675B (zh) * | 2014-06-27 | 2019-04-19 | 日本瑞翁株式会社 | 非水系二次电池功能层用组合物、非水系二次电池用功能层和非水系二次电池 |
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