JP2015060647A - リチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法およびリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法およびリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、内部抵抗および自己放電性を良好な水準で両立できる、不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法およびリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置を提供することにある。【解決手段】不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン電池セパレータの製造方法および製造装置において、不織布基材に塗工液を付与後、乾燥させるまでの間、不織布基材における塗工液が付与された面とは反対側の面が親水性ゴムロールである搬送ロールによって支持されることを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法および装置。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法およびリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置に関する。
リチウムイオン二次電池(以下、「電池」と略記することがある)は、高いエネルギー密度を有することから、携帯電子機器、電気自動車、電気貯蔵システム等に用いる蓄電デバイスとして注目されている。しかし、リチウムイオン二次電池には、内部に可燃性の電解液や負極が用いられることから、内部短絡等が引き金となって発火する等の危険性がある。とりわけ、リチウムイオン二次電池用セパレータ(以下、「セパレータ」と略記することがある)の小さな穿孔から始まり、「短絡」−「短絡電流による発熱」−「セパレータの収縮による穿孔の拡大」−「短絡電流の増大」のサイクルを繰り返して急激に短絡電流が増大する事象(熱暴走)は、特に危険な事象として知られている。
セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる多孔質フィルムが広く用いられている。しかし、これら多孔質フィルムからなるセパレータは高温下で収縮しやすく、熱暴走防止という観点から好ましいとは言えない。高温下での収縮を抑制するために、多孔質フィルムの表面に耐熱性粒子を主体とする塗工層を設けたセパレータが提案されているが、熱収縮を好ましい水準まで抑制できるには至っていない。
高温下での収縮が少ないセパレータとして、耐熱性の良好な不織布基材に、耐熱性粒子を含む層を形成してなるセパレータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなセパレータは、不織布基材に耐熱性粒子を含む塗工液を付与後、乾燥させることによって連続的に製造される。しかし、不織布基材の目の開きは、一般に塗工層を構成する耐熱性粒子の粒子径よりも大きいため、塗工液が不織布基材を通り抜けて塗工面の反対側にまで回りこみやすく、塗布液を付与後、乾燥させるまでの間の搬送ロールに塗工液がランダムに転写し、さらには搬送ロールに付着した塗工液やその乾固物が不織布基材に再付着する等が繰り返されることによって、不織布基材の面内において、塗工量のムラが生じやすいという問題があった。
一般に、不織布基材に耐熱性粒子を含む層を形成してなるセパレータにおいては、塗工量が少なくなると内部抵抗が低くなり、塗工量が多くなると自己放電が起こりにくくなる。自己放電は、不織布基材の面内で最も塗工量が少ない部分に支配される。そのため、塗工量ムラがある場合、最も塗工量の少ない部分でも自己放電が十分に抑制されるように、全体の塗工量を増加させる必要がある。その結果、内部抵抗の上昇は避けられなくなる。したがって、内部抵抗と自己放電を最も良好な水準で両立するためには、面内での塗工量分布が均一であることが必要である。しかし、不織布基材に耐熱性粒子を含む層を形成してなるセパレータにおいて、従来の技術で製造されたものは、塗工量の面内均一性が十分な水準に達しておらず、内部抵抗と自己放電の両立度合いにも限界があった。
この問題を避けるため、不織布基材の両面から塗工液を付与する製造方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。しかし、このような製造方法を用いた場合、不織布基材の走行速度が速くなると、不織布基材内部のポアに存在する空気が塗工液によって十分に置換されずに、空気が残存し、この残存した気泡に起因するボイドが発生し、耐熱性粒子の存在しない微小空間が形成されやすい。このようなボイドが形成された場合、自己放電が抑制された良好なセパレータを得ることができない。そのため、不織布基材の両面から塗工液を付与する製造方法を用いる場合には、ボイドの形成を避けるために、不織布基材の走行速度を相当に低くせざるを得ず、高い生産性は得られない。具体例として、特許文献1の実施例における走行速度は1.9m/minであり、特許文献2の実施例における走行速度は2m/minであり、どちらもかなりの低速で塗工している。
特開2008−179903号公報 特開2002−166218号公報
本発明の課題は、不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン二次電池用セパレータを製造するための製造方法および製造装置において、内部抵抗および自己放電性を良好な水準で両立できるリチウムイオン二次電池用セパレータを高い生産性で製造することができるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法およびリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究し、下記手段を見出した。
(1)不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン電池セパレータの製造方法において、不織布基材に塗工液を付与後、乾燥させるまでの間、不織布基材における塗工液が付与された面とは反対側の面が親水性ゴムロールである搬送ロールによって支持されることを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
(2)不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置において、不織布基材に塗工液を付与する塗工装置と乾燥装置までの間の搬送ロールが親水性ゴムロールであり、不織布基材における塗工液が付与された面とは反対側の面が搬送ロールで支持されることを特徴とするリチウム二次電池用セパレータの製造装置。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法およびリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置によれば、内部抵抗および自己放電性を良好な水準で両立するリチウムイオン二次電池用セパレータを高い生産性で製造することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置の一例を示した概略図である。
本発明は、不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法(以下、「製造方法」と略記することがある)およびリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置(以下、「製造装置」と略記することがある)である。耐熱性粒子を含む塗工層を不織布基材に形成してなるセパレータを製造するのに用いる製造方法および製造装置として好適に使用できる。本発明では、不織布基材の片面に、塗工層を形成するための塗工液を付与する工程(塗工工程)後、塗工液を付与したのとは反対面を搬送ロールで支持しながら、不織布基材を乾燥する工程(乾燥工程)にまで搬送する。本発明の製造方法および製造装置は、この搬送ロールが親水性ゴムロールであり、不織布基材における塗工液が付与された面とは反対側の面を該搬送ロールで支持することを特徴とする。「搬送ロール」とは、不織布基材のバタツキや自重による垂れ下がりを防ぎ、走行を安定させるために不織布基材を支持する円筒状の回転機構である。以下、「搬送ロール」と記した場合は、塗工工程から乾燥工程までの間の搬送ロールを示す。
搬送ロールとして、非親水性ロールを用いた場合、不織布基材表面の塗工液が搬送ロールにランダムに転写され、さらに、搬送ロールに転写された塗工液やその乾固物が不織布基材に再転写することが繰り返されることによって、不織布基材の面内において塗工量のムラが生じやすい。このような問題を避けるために、塗工工程を経た不織布基材を、ロールに接触させること無く乾燥工程に搬送することも考えられるが、乾燥用空気の風圧等によって不織布基材がばたつき、塗工工程に振動が伝播することから、面内の塗工量分布が均一にならないという問題が発生する。
また、搬送ロールとして、ゴムロール以外の親水性のロール、例えば、ロール表面にセラミックス溶射したロールや酸化チタンコートをしたロール、ポリビニルアルコールやポリアクリルアミド等の親水性ポリマーに架橋剤を組み合わせた処理剤をコートしたロールを用いた場合には、次のような問題がある。すなわち、セラミックス溶射や酸化チタンコートをしたロールは、その表面に塗工液に含まれる耐熱性粒子が堆積しやすく、安定した塗工が困難である。また、ポリビニルアルコールやポリアクリルアミド等の親水性ポリマーに架橋剤を組み合わせた処理剤をコートしたロールは、コートした処理剤が塗工液に溶解してしまい、ロールの親水性が損なわれて、搬送ロールとして非親水性ロールを用いた場合と同様の問題が生じる。また、塗工液に溶解した処理剤がセパレータに付着し、電池の動作に悪影響を及ぼすこともある。
一方、本発明では、搬送ロールが親水性ゴムロールであることで、不織布基材表面から搬送ロールへの塗工液の転写、搬送ロールから不織布基材表面への塗工液の再転写が均一になり、不織布基材面内の塗工量分布が均一なセパレータを製造することができる。すなわち、内部抵抗および自己放電性を良好な水準で両立するセパレータを製造することができる。
本発明では塗工液が付与された面とは反対側の面を搬送ロールで支持することで、不織布基材表面から搬送ロールへの塗工液の転写、搬送ロールから不織布基材表面への塗工液の再転写が生じにくく、不織布基材面内の塗工量分布が均一なセパレータを製造することができる。すなわち、内部抵抗および自己放電性を良好な水準で両立するセパレータを製造することができる。
本発明において、親水性ゴムロールとは、芯金の周囲に円筒状の親水性ゴム素材が設けられてなるロールである。親水性ゴムとしては、ジエン系ゴムに親水性モノマーを共重合して得られるゴム、ジエン系ゴムに親水化剤を混練し得られたゴム、親水性ウレタンゴム等を用いることができる。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム等のゴムを1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。親水性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸等のカルボキシ基を含むモノマー、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の水酸基を含むモノマー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン基を含むモノマー等が利用できる。親水化剤としては、シリカ、水酸化アルミニウム等の親水性無機顔料が例示される。親水性ウレタンゴムとしては、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を、ポリオール化合物を大過剰にして反応させることで得られるウレタンゴムが例示される。芯金の周囲に円筒状の親水性ゴム素材を設ける方法としては、積層方式や注型方式が例示される。積層方式は、混練、カレンダーした未加硫ゴムを、接着剤を塗布した芯金に巻きつけ後、加硫、研磨して製造する方法である。注型方式は金型の中央部に芯金を設置し、混練した未加硫ゴムを注型後、加硫、研磨して製造する方法である。芯金としては、鉄、ステンレス、黄銅、りん青銅、アルミニウム等の金属を用いることができる。
本発明において、搬送ロールの親水性は、以下により判定する。水に綿棒を浸し、その綿棒にてロール表面に水を塗布し、表面に水膜をつくる。その水膜が1秒間以上膜の状態を維持しているものを「親水性」とし、水膜に破れ等が生じたものを「非親水性」とする。
搬送ロールは、不織布基材と連れ回転(連れ回り、不織布基材と搬送ロールとの間の摩擦により、その周速が不織布基材の走行速度と一致して回転すること)するように用いても、本発明の効果を得ることができる。しかし、この場合、長時間連続でセパレータを製造し続けると、搬送ロールに塗工液の凝集物等が堆積し、セパレータに欠陥が生じる原因となる場合がある。これを防ぐためには、搬送ロールを、非等速回転させることが好ましい。すなわち、搬送ロールの周速と不織布基材の走行速度とが異なる速度になるように、外部動力により搬送ロールを駆動することが好ましい。なお、搬送ロールの周速が、不織布基材の走行速度よりも、遅くなってもよいし、速くなってもよい。
図1は、本発明の製造装置の一例を示す概略図である。不織布基材はアンワインダーによって、不織布基材ロールMより引き出される。次に、塗工装置Hで、不織布基材の片面に塗工液が付与される。塗工液が付与された不織布基材は、塗工液が付与された面とは反対側の面を1本または複数本の搬送ロールTに支持されながら走行し、乾燥装置Dによって乾燥される。乾燥は、塗工液の付着量が少ない点および迅速に乾燥することができる点から、塗工液が付与された面とは反対側の面を先に乾燥させることが好ましい。少なくとも溶媒の一部が蒸発し、付与された塗工液が流動性を失った後の不織布基材を支持するために用いる搬送ロールには、親水性ロールを用いる必要はなく、撥水性ロールも用いることができる。
本発明において、塗工装置に特に制限は無い。不織布基材に過剰量の塗工液を付与した後、ドクター装置により過剰分の塗工液の除去および塗工面の平滑化を行う後計量方式の装置、基材に所定量の塗工液を付与しつつ、同時に塗工面の平滑化を行う前計量方式の装置等を用いることができる。後計量方式の装置としては、例えば、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、含浸(ディップ)コーター等が代表的である。前計量方式の装置としては、例えばグラビアコーター、キスロールコーター、ダイコーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、スプレーコーター、ローターダンプニング等が代表的である。
本発明において、乾燥装置にも特に制限は無く、不織布基材の表面に熱風や乾燥空気を吹きつけて乾燥するエアドライヤー、加熱した金属製円筒の表面に不織布基材を接触させることで加熱乾燥するシリンダードライヤー、赤外線により不織布基材を加熱する赤外線ドライヤー等の乾燥装置を用いることができる。
本発明において、不織布基材は、直径が3.5μm以下の繊維を50質量%以上含むことが好ましい。これによって、面内の塗工量分布が不均一になることをより確実に防止することができる。また、不織布基材の厚みは、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは15μm以上である。これによって、面内の塗工量分布が不均一になることをより確実に防止することができる。一方、不織布基材の厚みが厚すぎる場合は、セパレータの厚みが厚くなりすぎることから、不織布基材の厚みは好ましくは30μm以下であり、より好ましくは25μm以下である。
本発明において、塗工液としては、耐熱性粒子として、不定形シリカ等の珪素酸化物、αアルミナ、γアルミナ、ベーマイト等のアルミナ水和物、ダイアスポア、ギプサイト等のアルミニウム酸化物およびその水和物、アルミナ−シリカ複合酸化物、チタン酸バリウム等の耐熱性無機粒子;架橋ポリスチレン、架橋メタクリル酸メチル等の耐熱性有機粒子を用いることができる。スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル系ポリマー等のバインダー、各種の界面活性剤、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサイド等の液性調整剤等の各種添加剤を加えたものを用いることができる、溶媒としては、水を用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例1
[不織布基材]
繊度0.1dtex、カット長3mmの延伸結晶化ポリエチレンテレフタレートステープル70質量部および繊度0.2dtex、カット長3mmの非延伸ポリエチレンテレフタレートステープル30質量部からなり、表面温度200℃の熱カレンダーにより繊維間を融着させつつ、厚み調整を行った、坪量10g/m、厚み18μmの湿式抄造不織布を不織布基材として用いた。
[塗工液]
固形分の質量構成比が、アルミナ水和物(ベーマイト):アクリル系ポリマーのラテックス:マレイン酸−アクリル酸共重合体のナトリウム塩:1質量%水溶液の粘度が7000mPa・secであるカルボキシメチルセルロース=40.0:2.0:0.4:0.2である、固形分濃度40質量%の塗工液を調製した。
[搬送ロール]
搬送ロールTとして、芯金に直径30mmのアルミニウム製中空ロールを用い、5mm厚の親水性ゴム(アクリル酸共重合ニトリルゴム)層を設けたゴムロールを用いた。
[搬送ロールの親水性評価]
前記の通り作製した搬送ロールについて、以下のように、親水性を評価した。水に綿棒を浸し、その綿棒にて、製作した搬送ロール表面に水を塗布し、表面に水膜をつくり、その水膜が1秒間以上水膜の破れを生じず、膜の状態を維持しているものを「親水性」とした。水膜に1秒未満で破れが生じたものは、「非親水性」とした。前記のゴムロールは「親水性」であった。
[セパレータの製造]
塗工装置Hとしてリバースダイレクトグラビアコーターを備えた、概要を図1に示した製造装置を用いて、幅300mmの前記不織布基材に、前記塗工液を、乾燥後の塗工量が10.0g/mになるように塗工し、塗工液が付与された面とは反対側の面を搬送ロールTによって支持し、乾燥装置Dによって乾燥して、セパレータを得た。不織布基材の走行速度は15m/minであった。
実施例2
搬送ロールTとして、直径30mmのアルミニウム製中空ロールに親水性ウレタンゴムを注型法でライニングした後、表面を研磨し、親水性ウレタンゴムの厚み5mmの直径40mmのゴムロールを作製した。このゴムロールを搬送ロールTとして用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。なお、この搬送ロールについて、前記の方法で親水性評価を行ったところ、「親水性」であった。
比較例1
搬送ロールTとして、直径40mmのアルミニウム製中空ロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。なお、この搬送ロールについて、前記の方法で親水性評価を行ったところ、「非親水性」であった。
比較例2
搬送ロールTとして、直径40mmのアルミニウム製中空ロールを厚み0.5mmのフッ素系樹脂で被覆したゴムロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。なお、この搬送ロールについて、前記の方法で親水性評価を行ったところ、「非親水性」であった。
比較例3
搬送ロールTとして、直径40mmのアルミニウム製中空ロール表面に厚み0.5mmの親水性セラミックスを溶射したロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。なお、この搬送ロールについて、前記の方法で親水性評価を行ったところ、「親水性」であった。
比較例4
搬送ロールTとして、直径40mmのアルミニウム製中空ロール表面に厚み0.2mmのポリビニルアルコール系親水性ポリマー皮膜を設けたロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。なお、この搬送ロールについて、前記の方法で親水性評価を行ったところ、「親水性」であった。
比較例5
塗工装置Hとして、リバースダイレクトグラビアコーターの代わりに、過剰の塗工液を付与した後、ロッドを用いて過剰の塗工液を除去しながら塗工面を平滑化するロッドコーターを用い、かつ塗工液の付与面を反対面にして、塗工液が付与された面を搬送ロールTによって支持した以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
比較例6
塗工装置Hとして、不織布基材の両面に塗工液を付与しながらロール間を通過させて塗工量を調整するスクイズコーターを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
<評価>
各実施例および各比較例で作製したリチウムイオン二次電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
[評価用電池の作製]
正極活物質がマンガン酸リチウム、負極活物質がメソフェーズカーボンマイクロビーズ、電解液がLiPFの1M EC:DEC(30:70 vol%)溶液であり、セパレータが各実施例および比較例のセパレータである、設計容量30mAhのパウチ型リチウムイオン二次電池を作製した。各評価用電池につき、下記[評価用電池の充電]による充電→30mAの定電流放電(端子間電圧2.8Vで放電終了)を3回繰り返し、以降の試験に用いた。
[評価用電池の充電]
評価用電池に対して、30mAで定電流充電を行った。正負極間の電圧が4.2Vに達した後は、この電圧で定電圧充電を行った。充電電流が3mAに低下した時点で充電終了とした。
[内部抵抗の測定]
充電済みの各評価用電池について、30mAの定電流放電を行い、放電開始6分後の電圧E30(V)を記録した。次いで各評価用電池を再度充電した後、60mAで定電流放電を行い、放電開始3分後の電圧E60(V)を記録した。内部抵抗R(Ω)=(E30−E60)/0.03(A)を算出した。
[自己放電性]
各評価用電池について、上記の条件で再度充電を行い、45℃で14日間保存後端子間電圧(V)を測定した。保存後の端子間電圧が高い程、自己放電が少なく良好な電池である。
Figure 2015060647
表1に示されるように、不織布基材に塗工液を付与後、乾燥させるまでの間、不織布基材における塗工液が付与された面とは反対側の面が親水性ゴムロールである搬送ロールTによって支持される実施例1および実施例2により、15m/minという高速で、内部抵抗が低く、自己放電も少ないリチウムイオン二次電池を製造することが可能になった。これに対し、搬送ロールTとして非親水性のゴムロールを用いた比較例1および比較例2では、内部抵抗・自己放電共に大きくなった。また、搬送ロールTとして、ゴムロールではない親水性ロールを使用した比較例3、比較例4でも、内部抵抗・自己放電共に大きくなった。比較例3では、搬送ロールTの表面に塗工液のアルミナ水和物が堆積したために、塗工量が不均一となったためと考えられる。比較例4では、親水性ポリマー部分が溶け出し、搬送ロールの親水性が損なわれたためと考えられる。また、塗工液が付与された面を搬送ロールTで支持した比較例5や、基材の両面から塗工液を付与し、塗工液が付与された面を搬送ロールTで支持した比較例6でも、自己放電が大きかった。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法はリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法として好適に使用できる。
D 乾燥装置
H 塗工装置
M 不織布基材ロール
T 搬送ロール

Claims (2)

  1. 不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン電池セパレータの製造方法において、不織布基材に塗工液を付与後、乾燥させるまでの間、不織布基材における塗工液が付与された面とは反対側の面が親水性ゴムロールである搬送ロールによって支持されることを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
  2. 不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置において、不織布基材に塗工液を付与する塗工装置と乾燥装置までの間の搬送ロールが親水性ゴムロールであり、不織布基材における塗工液が付与された面とは反対側の面が搬送ロールで支持されることを特徴とするリチウム二次電池用セパレータの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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