JP2014186126A - フォーカルプレーンシャッタ及び光学機器 - Google Patents

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    • G03B9/00Exposure-making shutters; Diaphragms
    • G03B9/08Shutters
    • G03B9/36Sliding rigid plate

Abstract

【課題】露光期間の誤差の拡大を抑制するフォーカルプレーンシャッタ及び光学機器を提供することを課題とする。
【解決手段】開口を有した基板と、前記開口を開閉する幕と、鉄芯、前記鉄芯を励磁するコイル、を含む電磁石と、前記鉄芯に吸着可能な鉄片を保持し、前記鉄片が前記鉄芯に離接するように移動可能であり、前記幕を駆動する駆動レバーと、を備え、前記鉄芯及び鉄片は、めっき処理が施されており、前記鉄片のめっきは、前記鉄芯のめっきよりもビッカース硬度が高く、前記鉄片のめっきと前記鉄芯のめっきとのビッカース硬度の差は、100HV以上である、フォーカルプレーンシャッタ。
【選択図】図7

Description

本発明は、フォーカルプレーンシャッタ及び光学機器に関する。
フォーカルプレーンシャッタは、電磁石の鉄芯と、この鉄芯との間で磁気的吸引力が作用する鉄片を保持した駆動レバーとを備えている。駆動レバーは、幕を駆動するためのものである。駆動レバーは、鉄片が電磁石の鉄芯から離れるように付勢部材により付勢されている。鉄片が鉄芯に当接した状態で電磁石が通電されると、鉄片と鉄芯との間に磁気的吸引力が発生し、付勢部材の付勢力に抗して鉄片が鉄芯に吸着保持される。鉄片が鉄芯に吸着された状態で電磁石への通電が遮断されると、鉄芯に対する鉄片の吸着力が付勢部材の付勢力よりも低下して、駆動レバーは付勢部材の付勢力に従って鉄片が鉄芯から離れるように移動する。このように、電磁石の磁力と付勢部材の付勢力とを利用して、駆動レバーは羽根を駆動する。特許文献1には、このようなフォーカルプレーンシャッタが開示されている。
特開2004−029277号公報
駆動レバーの鉄片が電磁石の鉄芯に繰り返し当接していると、鉄芯に対する鉄片の吸着力が低下するおそれがある。これは、鉄片が鉄芯に繰り返し当接することにより鉄片の吸着面が磨耗して、この吸着面が凹凸状となったり、又は吸着面に磨耗粉が付着することが関係しているものと考えられる。
このように、鉄芯に対する鉄片の吸着力が低下すると、電磁石への通電を遮断してから吸着力が付勢部材の付勢力よりも低下して鉄片が鉄芯から離れるまでの期間が早くなる。このため、幕速も変化して、予め想定された所望の露光期間と実際の露光期間との誤差が大きくなるおそれがある。これにより、撮影画像の露出に影響を与えるおそれがある。
また、鉄芯に磁石が固定され、無通電で鉄片を鉄芯に吸着可能であり、通電により吸着力が弱められる自己保持型電磁石の場合も、同様の問題が発生するおそれがある。
そこで本発明は、露光期間の誤差の拡大を抑制するフォーカルプレーンシャッタ及び光学機器を提供することを目的とする。
上記目的は、開口を有した基板と、前記開口を開閉する幕と、鉄芯、前記鉄芯を励磁するコイル、を含む電磁石と、前記鉄芯に吸着可能な鉄片を保持し、前記鉄片が前記鉄芯に離接するように移動可能であり、前記幕を駆動する駆動レバーと、を備え、前記鉄芯及び鉄片は、めっき処理が施されており、前記鉄片のめっきは、前記鉄芯のめっきよりもビッカース硬度が高く、前記鉄片のめっきと前記鉄芯のめっきとのビッカース硬度の差は、100HV以上である、フォーカルプレーンシャッタによって達成できる。
上記目的は、上記羽根駆動装置を備えた光学機器によっても達成できる。
本発明によれば、露光期間の誤差の拡大を抑制するフォーカルプレーンシャッタ及び光学機器を提供できる。
図1は、本実施例のフォーカルプレーンシャッタの正面図である。 図2は、フォーカルプレーンシャッタの動作の説明図である。 図3は、フォーカルプレーンシャッタの動作の説明図である。 図4は、後幕駆動レバーの斜視図である。 図5は、後幕駆動レバーの動作の説明図である。 図6は、後幕駆動レバーの動作の説明図である。 図7Aは、本実施例のフォーカルプレーンシャッタの耐久試験前後での、鉄片、鉄芯間に一定の吸着力を発生させるために必要な電磁石への印加電圧の変化を示すグラフであり、図7Bは、比較例のフォーカルプレーンシャッタの耐久試験前後での、鉄片、鉄芯間に一定の吸着力を発生させるために必要な電磁石への印加電圧の変化を示すグラフである。
以下、図面を参照して実施例を説明する。
本実施例においては、羽根駆動装置の一例としてフォーカルプレーンシャッタについて説明する。図1は、本実施例のフォーカルプレーンシャッタの正面図である。図1に示すように、フォーカルプレーンシャッタ1は、基板10、羽根21a〜24a、21b〜24b、駆動アーム31a、32a、31b、32b、電磁石70A、70B等を有している。基板10は合成樹脂製であり、矩形状の開口11を有している。羽根21a〜24a、21b〜24bは合成樹脂製であり、薄く形成されている。また、駆動アーム31a、32a、31b、32bは強度を保つため金属の薄板で形成されている。羽根21a〜24a、21b〜24bは、開口11から退避した位置と開口11の少なくとも一部と重なる位置との間を移動する。
4枚の羽根21a〜24aは、先幕20Aを構成する。4枚の羽根21b〜24bは、後幕20Bを構成する。図1は、先幕20Aが重畳状態であり後幕20Bが展開状態の場合を示している。図1の場合には、先幕20Aは開口11から退避し、後幕20Bが開口11を閉鎖している。
先幕20Aは駆動アーム31a、32aに連結されている。後幕20Bは、駆動アーム31b、32bに連結されている。これら駆動アーム31a、32a、31b、32bは、それぞれ基板10に揺動自在に支持されている。
基板10には、駆動アーム31a、32bをそれぞれ駆動するための先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bが設けられている。先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bは、基板10に所定の範囲を揺動可能に支持されている。詳細には、先幕駆動レバー40Aは基板10に形成された軸を中心にして揺動可能に支持されており、基板10に形成された溝の端部に設けられた、後述のバウンド防止用のゴムによりその揺動範囲が規定されている。後幕駆動レバー40Bも同様である。
駆動アーム31aは、先幕駆動レバー40Aに連結されている。駆動アーム32bは、後幕駆動レバー40Bに連結されている。先幕駆動レバー40Aが揺動することにより、駆動アーム31aが揺動し、これにより先幕20Aが移動する。同様に、後幕駆動レバー40Bが揺動することにより、駆動アーム32bが揺動し、これにより後幕20Bが移動する。
先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bは、それぞれ符号は付さないが鉄片を保持している。先幕駆動レバー40Aは、鉄片が電磁石70Aに当接した位置から、鉄片が電磁石70Aから退避した位置の間を揺動可能である。後幕駆動レバー40Bについても同様である。
また、先幕駆動レバー40Aは、不図示のバネにより電磁石70Aから離れる方向に付勢されている。同様に、後幕駆動レバー40Bは、不図示のバネにより電磁石70Bから離れる方向に付勢されている。
先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bには、上述したバネを介して、それぞれラチェット車50A、50Bが係合している。先幕駆動レバー40Aを電磁石70Aから離れる方向に付勢するバネの一端はラチェット車50Aに係合しており、バネの他端は先幕駆動レバー40Aに係合している。バネの付勢力は、フォーカルプレーンシャッタ1の組立て時に、予めラチェット車50Aの回転量を調整することにより、調整されている。ラチェット車50Bも、ラチェット車50Aと同様の機能を有している。フォーカルプレーンシャッタ1の先幕20Aおよび後幕20Bはバネの付勢力に応じた速度で駆動される。例えばラチェット車50Aの回転量を多くすれば、先幕20Aはそれだけ速く駆動される。後幕20Bについても同様である。本実施形態に記載のフォーカルプレーンシャッタ1では、バネの付勢力は組立て時に設定され、それ以降は設定された付勢力に基づいた所定の速さで常に先幕20Aおよび後幕20Bが駆動される。
電磁石70Aは、通電されることにより、先幕駆動レバー40Aの鉄片を吸着可能となる。同様に、電磁石70Bも通電されることにより、後幕駆動レバー40Bの鉄片を吸着可能となる。
次に、フォーカルプレーンシャッタ1の動作について説明する。図1乃至3は、フォーカルプレーンシャッタ1の動作の説明図である。ここで、図2は、フォーカルプレーンシャッタ1の初期状態を示している。この初期状態においては、不図示のセットレバーが初期位置に固定されており、先幕20Aは展開して開口11を閉鎖し、後幕20Bは重畳して開口11から退避している。この初期状態において、先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bの鉄片は、それぞれセットレバーによって電磁石70A、70Bに当接し、これに吸着可能な初期位置にセットされている。
撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、電磁石70A、70Bのコイルが通電され、先幕駆動レバー40Aの鉄片は電磁石70Aに吸着され、後幕駆動レバー40Bの鉄片は電磁石70Bに吸着される。その後、セットレバーは、先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bから退避する。ここで、先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bはそれぞれ電磁石70A、70Bに吸着された状態で保持されている。
その後、電磁石70Aのコイルの通電が遮断されると、図3に示すように、先幕駆動レバー40Aはバネの付勢力に従って時計方向に回転する。これにより、先幕20Aは開口11から退避して重畳状態となる。また、露光時間に基づく所定期間電磁石70Bのコイルへの通電が維持され、後幕20Bは開口11から退避した状態に維持される。これにより、開口11は開いた状態となる。図3は、露光中の状態を示している。
レリーズボタンが押されてから所定期間経過後に電磁石70Bのコイルへの通電が遮断され、バネの付勢力により後幕駆動レバー40Bが時計方向に回転する。これにより、後幕20Bは展開して開口11を閉鎖する。後幕駆動レバー40Bは、基板10に形成された溝の端部に設けられた、後述のバウンド防止用のゴムに当接する。図1は、露光動作を終了した直後の状態を示している。このようにして1回の撮影が終了する。
次に、不図示のセットレバーにより先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bが反時計方向に回転させられる。これにより、先幕20Aは展開されて開口11を閉鎖し、後幕20Bは重畳して開口11から退避し、図2に示す初期状態に戻る。
次に、駆動レバーについて説明する。先幕駆動レバー40Aと後幕駆動レバー40Bとは、形状は相違するが略同一の構成及び部品を備えているため、以下では後幕駆動レバー40Bのみについて説明する。図4は、後幕駆動レバー40Bの斜視図である。最初に後幕駆動レバー40Bの概略について説明する。尚、図4においては一部構成を省略してある。
後幕駆動レバー40Bは、板状のベース部41b、ベース部41b上に立設した円筒部41b1、ローラ部41b2、駆動ピン41b8等を含む。円筒部41b1周りには、ラチェット車50Bや、後幕駆動レバー40Bに付勢力を与えるバネなどが配置される。また、円筒部41b1内には、基板10に設けられた軸が嵌合する。後幕駆動レバー40Bは、円筒部41b1が嵌合する軸を中心に所定の範囲を回転する。
ローラ部41b2は、不図示のセットレバーに押されるものである。セットレバーによりローラ部41b2が押されて、後幕駆動レバー40Bは円筒部41b1を支点として回転する。駆動ピン41b8は、ベース部41bから下側に向けて延在している。駆動ピン41b8は、駆動アーム32bに形成された孔に嵌合する。
ベース部41b上には、支持部42bが設けられている。支持部42bは、鉄片46bを支持するためのものである。鉄片46bは、電磁石70Bに吸着される。鉄片46bは、軸部45bに連結されている。軸部45bは金属製である。鉄片46bは、所定の厚みを有して略矩形状に形成されている。支持部42bは、鉄片46bの側面に沿ったガイド部43b、44bを有している。ガイド部43b、44bは、軸部45bの軸心を支点として鉄片46bが回転することを規制している。
ガイド部43bと鉄片46bの側面との間には第2付勢部材49bが挿入される。第2付勢部材49bは、弾性変形可能な板状のバネである。第2付勢部材49bは、鉄片46bの側面に沿うようにして直線状に延びたベース部49b1、ベース部49b1の上端と連続し側面から見てL字状に延びた係合部49b2を有している。係合部49b2が、支持部42bと係合して支持部42bに保持される。第2付勢部材49bは、鉄片46bをガイド部44b方向に付勢するためのものであり、安定した姿勢で鉄片と鉄芯とを当接させるためのものである。
次に後幕駆動レバー40Bの動作について説明する。図5、図6は、後幕駆動レバー40Bの動作の説明図である。図5、図6においては、後幕駆動レバー40Bの構成を一部省略している。図5は、後幕駆動レバー40Bが電磁石70Bから離れた状態を示している。図6は、後幕駆動レバー40Bの鉄片46bが電磁石70Bに吸着された状態を示している。図5、図6において、後幕駆動レバー40Bの右側に開口11が位置する。
基板10には、駆動ピン41b8の移動を逃すための円弧状の溝13bが形成されている。また、溝13bの端部には駆動ピン41b8のバウンド防止用のゴム13b1が設けられている。電磁石70Bは、鉄芯73bと、鉄芯73bを励磁するためのコイル79bと、コイル79bが巻回されたボビン78bを有している。コイル79bが通電されることにより、鉄芯73bには磁気的吸引力が発生する。
図5に示した状態から、セットレバーにより後幕駆動レバー40Bが円筒部41b1を支点として反時計方向に回転させられる。これにより、駆動ピン41b8は溝13b内を移動して、鉄片46bは鉄芯73bに当接する。その後にコイル79bが通電されて、鉄片46bは鉄芯73bに吸着される。セットレバーが退避した後もコイル79bが通電されている限り、鉄片46bは鉄芯73bに吸着され続ける。コイル79bへの通電が遮断されると、鉄片46bと鉄芯73bとの間に作用していた磁気的吸引力が消え、不図示のバネの付勢力によって後幕駆動レバー40Bは時計方向へと回転する。このようにして後幕駆動レバー40Bは動作する。
尚、鉄片46bは、軸部45bに対して軸方向にストローク可能に係合している。支持部42bと鉄片46bとの間には第1付勢部材47bが設けられている。第1付勢部材47bは、コイル状のバネである。第1付勢部材47b内には、軸部45bが挿入されている。第1付勢部材47bは、鉄片46bを軸部45bの軸心方向、具体的には、電磁石70B側へと付勢する。
ここで、本実施例での鉄片46b、鉄芯73bは、共に純鉄(SUY)製であり、純鉄に無電解ニッケルめっき処理が施された後に熱処理によりめっきの所望の硬度を確保したものである。鉄片46b、鉄芯73bの基材は、軟磁性体であれば純鉄以外であってもよい。
鉄片46bのめっきは、鉄芯73bのめっきよりもビッカース硬度が高い。詳細には、鉄片46bのめっきのビッカース硬度は、950±50HVである。鉄芯73bのめっきのビッカース硬度は、750±50HVである。従って、鉄片46bのめっきと鉄芯73bのめっきとのビッカース硬度の差は、100HV以上、300HV以下である。また、鉄片46bのめっきのビッカース硬度は、900HV以上、1000HV以下である。鉄芯73bのめっきのビッカース硬度は、700HV以上、800HV以下である。尚、先幕駆動レバー40Aの鉄片、電磁石70Aの鉄芯も同様である。
本実施例のフォーカルプレーンシャッタ1の耐久試験前後での鉄片46b、鉄芯73b間の吸着力の変化を検証した。具体的には、本実施例のフォーカルプレーンシャッタ1について耐久試験前後での、鉄片46b、鉄芯73b間に一定の吸着力を発生させるために必要なコイル79bへの印加電圧を測定した。耐久試験では、後幕駆動レバー40Bを複数回往復させて、鉄片46bを鉄芯73bに複数回衝突させた。図7Aは、本実施例のフォーカルプレーンシャッタ1の耐久試験前後での、鉄片46b、鉄芯73b間に一定の吸着力を発生させるために必要な電磁石70Bへの印加電圧の変化を示すグラフである。3つのサンプルを用いて同一条件下で耐久試験前後での電磁石70Bへの印加電圧の変化を検証した。
図7Aに示すように、耐久試験前後では、鉄片46b、鉄芯73b間に一定の吸着力を発生させるために必要となるコイル79bへの印加電圧は大きくは変化しない。これは、耐久試験前後で電磁石70Bに一定の電圧を印加した場合においても、鉄片46b、鉄芯73b間の吸着力は大きく変化しないことを意味する。
次に比較例について説明する。比較例では、めっきのビッカース硬度が共におよそ750HVである鉄片、鉄芯を用いたフォーカルプレーンシャッタを用いて、耐久試験前後での鉄片、鉄芯間に一定の吸着力を発生させるために必要な電磁石への印加電圧を測定した。図7Bは、比較例のフォーカルプレーンシャッタの耐久試験前後での、鉄片、鉄芯間に一定の吸着力を発生させるために必要な電磁石への印加電圧の変化を示すグラフである。
図7Bに示すように、一定の吸着力を発生させるために必要となる電磁石への印加電圧が耐久試験前よりも耐久試験後のほうが増大している。換言すれば、同一の電圧を電磁石に印加した場合には、耐久試験前よりも耐久試験後のほうが鉄片、鉄芯間に発生する吸着力が低下することを意味している。
この理由は以下のように考えられる。比較例の鉄片及び鉄芯はビッカース硬度が同じであり、また比較例の鉄片は本実施例の鉄片46bよりもビッカース硬度が低いため、比較例の鉄片は磨耗しやすい。このため、磨耗粉が鉄片の吸着面に付着したり、吸着面が変形して凹凸状になったりするなどして、鉄片と鉄芯との間にエアギャップが生じたり、吸着面の面積が減少したりするため、空間磁束密度や表面磁束密度が減少して吸着力が低下したものと考えられる。
従って、実際のカメラにおいては電磁石へは同じ値の電圧が印加されるので、比較例のフォーカルプレーンシャッタを採用したカメラを長期間使用すると、吸着力が低下して、電磁石への通電を遮断してから付勢部材の付勢力により鉄片が鉄芯から離れるまでの期間が減少する。これにより、幕の移動開始のタイミングが早くなり、露光期間に影響を与えるおそれがある。
本実施例のフォーカルプレーンシャッタ1では、耐久試験前後での吸着力は大きくは変化しない。この理由は、鉄片46bのめっきは、鉄芯73bのめっきよりもビッカース硬度が高いことにより、鉄片46bが磨耗しにくくなったことが原因と考えられる。このため、本実施例のフォーカルプレーンシャッタ1では、長期使用によっても吸着力の低下が抑制される。これにより、フォーカルプレーンシャッタ1を長期使用した場合であっても露光期間を一定に維持することができ、露光期間の誤差の拡大が抑制される。
実験結果から、鉄片46bのめっきと鉄芯73bのめっきとのビッカース硬度の差は、100HV以上ある場合に、鉄片46b、鉄芯73b間の吸着力が低下しにくいとわかった。また、製造コスト等を考慮すれば、鉄片46bのめっきと鉄芯73bのめっきとのビッカース硬度の差は、300HV以下であることが望ましい。また、鉄片46bのめっきのビッカース硬度は、900HV以上、1000HV以下であることが望ましい。鉄芯73bのめっきのビッカース硬度は、700HV以上、800HV以下であることが望ましい。
尚、自己保持型電磁石に本発明を適用してもよい。自己保持型電磁石では、鉄芯に磁力を付与する永久磁石が固定されており、無通電で鉄芯は鉄片を吸着保持できる。鉄芯周囲に巻回されたコイルに通電されることにより、永久磁石の磁力が弱められるようにコイル周囲に磁界が発生する。これにより、鉄芯、鉄片間に発生していた吸着力が低下して付勢部材の付勢力に従って鉄芯から鉄片が離れるように駆動レバーが駆動する。このような自己保持型電磁石においても、本実施例のような鉄片46b、鉄芯73bを採用することにより、通電開始から鉄芯73bから鉄片46bが離れるまでの期間を一定に維持でき、露光期間を一定に維持することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、変形・変更が可能である。
本実施例のフォーカルプレーンシャッタは、スチールカメラやデジタルカメラなどの光学機器に採用できる。
1 フォーカルプレーンシャッタ
10 基板
11 開口
20A 先幕
20B 後幕
21a〜24a、21b〜24b 羽根
31a、32a、31b、32b 駆動アーム
40A 先幕駆動レバー
40B 後幕駆動レバー
41b ベース部
42b 支持部
43b、44b ガイド部
45b 軸部
46b 鉄片

Claims (6)

  1. 開口を有した基板と、
    前記開口を開閉する幕と、
    鉄芯、前記鉄芯を励磁するコイル、を含む電磁石と、
    前記鉄芯に吸着可能な鉄片を保持し、前記鉄片が前記鉄芯に離接するように移動可能であり、前記幕を駆動する駆動レバーと、を備え、
    前記鉄芯及び鉄片は、めっき処理が施されており、
    前記鉄片のめっきは、前記鉄芯のめっきよりもビッカース硬度が高く、
    前記鉄片のめっきと前記鉄芯のめっきとのビッカース硬度の差は、100HV以上である、フォーカルプレーンシャッタ。
  2. 前記鉄片のめっきと前記鉄芯のめっきとのビッカース硬度の差は、300HV以下である、請求項1のフォーカルプレーンシャッタ。
  3. 前記鉄片のめっきのビッカース硬度は、900HV以上で1000HV以下である、請求項1又は2のフォーカルプレーンシャッタ。
  4. 前記鉄芯のめっきのビッカース硬度は、700HV以上で800HV以下である、請求項1乃至3の何れかのフォーカルプレーンシャッタ。
  5. 前記鉄芯及び鉄片は、無電解ニッケルめっき処理が施されている、請求項1乃至4の何れかのフォーカルプレーンシャッタ。
  6. 請求項1乃至5の何れかのフォーカルプレーンシャッタを備えた光学機器。

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