JP5289357B2 - フォーカルプレーンシャッタ及び光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、フォーカルプレーンシャッタ及び光学機器に関する。
フォーカルプレーンシャッタは、電磁石と、電磁石との間で磁気的な吸着力が作用する鉄片を保持した駆動レバーとを備えている。駆動レバーは、羽根を駆動するためのものである。駆動レバーは、鉄片が電磁石から離れるように付勢部材により付勢されている。鉄片が電磁石に吸着された状態から電磁石への通電が遮断されることにより、駆動レバーは付勢部材の付勢力に従って鉄片が電磁石から離れるように移動する。このように、電磁石により磁気的吸引力と付勢部材の付勢力とを利用して、駆動レバーは羽根を駆動する。
特開2004−029277号公報
駆動レバーが短時間で往復移動を繰り返した場合、鉄片の姿勢を一定に維持することができないおそれがある。鉄片の姿勢にばらつきが生じると、鉄片が電磁石に当接した際の姿勢にもばらつきが生じ、電磁石への通電が遮断され電磁石から鉄片が離れる時のタイミングにもばらつきが生じるおそれがある。
そこで本発明は、鉄片の姿勢を一定に維持できるフォーカルプレーンシャッタ及び光学機器を提供することを目的とする。
上記目的は、電磁石と、開口部を有した基板と、前記開口部から退避した位置と前記開口部の少なくとも一部に重なる位置との間を移動可能な羽根と、一端に鍔部が設けられた軸部、前記軸部の他端に設けられ前記電磁石に吸着可能な鉄片、前記軸部が遊びをもって貫通した貫通孔を有した支持部、前記鉄片に沿って設けられたガイド部、を有し、前記羽根を駆動する駆動レバーと、を備え、前記駆動レバーは、前記鉄片を前記軸部の軸心方向に付勢する第1付勢部材、前記鉄片が前記ガイド部に押し付けられるように前記軸心方向と交差する方向に付勢する第2付勢部材、を有している、フォーカルプレーンシャッタによって達成できる。
鉄片が軸部の軸心方向に付勢されるのみならず、ガイド部に押し付けられるようにして軸心方向と交差する方向に付勢されるので、鉄片の姿勢を一定に維持することができる。これにより、電磁石への通電が遮断され電磁石から鉄片が離れる時のタイミングも一定に維持でき、羽根の走行するタイミングのバラツキを抑制できる。
上記目的は、上記羽根駆動装置を備えた光学機器によっても達成できる。
本発明によれば、鉄片の姿勢を一定に維持でき、羽根の走行するタイミングのバラツキが抑制されたフォーカルプレーンシャッタ及び光学機器を提供できる。
図1は、本実施例のフォーカルプレーンシャッタの正面図である。 図2は、フォーカルプレーンシャッタの動作の説明図である。 図3は、フォーカルプレーンシャッタの動作の説明図である。 図4は、後幕駆動レバーの斜視図である。 図5は、後幕駆動レバーの動作の説明図である。 図6は、後幕駆動レバーの動作の説明図である。 図7は、鉄片周辺の拡大図である。 図8は、鉄片周辺の拡大図である。 図9は、鉄片が第2付勢部材の付勢方向と逆の方向である径方向に移動した状態を示している。
以下、図面を参照して実施例を説明する。
本実施例においては、羽根駆動装置の一例としてフォーカルプレーンシャッタについて説明する。図1は、本実施例のフォーカルプレーンシャッタの正面図である。図1に示すように、フォーカルプレーンシャッタ1は、基板10、羽根21a〜24a、21b〜24b、駆動アーム31a、32a、31b、32b、電磁石70A、70B等を有している。基板10は合成樹脂製であり、矩形状の開口部11を有している。羽根21a〜24a、21b〜24bは合成樹脂製であり、薄く形成されている。また、駆動アーム31a、32a、31b、32bは強度を保つため金属の薄板で形成されている。羽根21a〜24a、21b〜24bは、開口部11から退避した位置と開口部11の少なくとも一部と重なる位置との間を移動する。
4枚の羽根21a〜24aは、先幕20Aを構成する。4枚の羽根21b〜24bは、後幕20Bを構成する。図1は、先幕20Aが重畳状態であり後幕20Bが展開状態の場合を示している。図1の場合には、先幕20Aは開口部11から退避し、後幕20Bが開口部11を閉鎖している。
先幕20Aは駆動アーム31a、32aに連結されている。後幕20Bは、駆動アーム31b、32bに連結されている。これら駆動アーム31a、32a、31b、32bは、それぞれ基板10に揺動自在に支持されている。
基板10には、駆動アーム31a、32bをそれぞれ駆動するための先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bが設けられている。先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bは、基板10に所定の範囲を揺動可能に支持されている。詳細には、先幕駆動レバー40Aは基板10に形成された軸を中心にして揺動可能に支持されており、基板10に形成された溝の端部に設けられた、後述のバウンド防止用のゴムによりその揺動範囲が規定されている。後幕駆動レバー40Bも同様である。
駆動アーム31aは、先幕駆動レバー40Aに連結されている。駆動アーム32bは、後幕駆動レバー40Bに連結されている。先幕駆動レバー40Aが揺動することにより、駆動アーム31aが揺動し、これにより先幕20Aが移動する。同様に、後幕駆動レバー40Bが揺動することにより、駆動アーム32bが揺動し、これにより後幕20Bが移動する。
先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bは、それぞれ符号は付さないが鉄片を保持している。先幕駆動レバー40Aは、鉄片が電磁石70Aに当接した位置から、鉄片が電磁石70Aから退避した位置の間を揺動可能である。後幕駆動レバー40Bについても同様である。
また、先幕駆動レバー40Aは、不図示のバネにより電磁石70Aから離れる方向に付勢されている。同様に、後幕駆動レバー40Bは、不図示のバネにより電磁石70Bから離れる方向に付勢されている。
先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bには、上述したバネを介して、それぞれラチェット車50A、50Bが係合している。先幕駆動レバー40Aを電磁石70Aから離れる方向に付勢するバネの一端はラチェット車50Aに係合しており、バネの他端は先幕駆動レバー40Aに係合している。ラチェット車50Aの回転量を調整することにより、バネの付勢力を調整することができる。ラチェット車50Bも、ラチェット車50Aと同様の機能を有している。
電磁石70Aは、通電されることにより、先幕駆動レバー40Aの鉄片を吸着可能となる。同様に、電磁石70Bも通電されることにより、後幕駆動レバー40Bの鉄片を吸着可能となる。
次に、フォーカルプレーンシャッタ1の動作について説明する。図1乃至3は、フォーカルプレーンシャッタ1の動作の説明図である。ここで、図2は、フォーカルプレーンシャッタ1の初期状態を示している。この初期状態においては、不図示のセットレバーが初期位置に固定されており、先幕20Aは展開して開口部11を閉鎖し、後幕20Bは重畳して開口部11から退避している。この初期状態において、先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bの鉄片は、それぞれ電磁石70A、70Bに当接し、これに吸着可能な初期位置にセットされている。
撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、電磁石70A、70Bのコイルが通電され、先幕駆動レバー40Aの鉄片は電磁石70Aに吸着され、後幕駆動レバー40Bの鉄片は電磁石70Bに吸着される。その後、セットレバーは、先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bから退避する。ここで、先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bはそれぞれ電磁石70A、70Bに吸着された状態で保持されている。
その後、電磁石70Aのコイルの通電が遮断されると、図3に示すように、先幕駆動レバー40Aはバネの付勢力に従って時計方向に回転する。これにより、先幕20Aは開口部11から退避して重畳状態となる。また、所定期間電磁石70Bのコイルへの通電が維持され、後幕20Bは開口部11から退避した状態に維持される。これにより、開口部11は開いた状態となる。図3は、露出中の状態を示している。
レリーズボタンが押されてから所定期間経過後に電磁石70Bのコイルへの通電が遮断され、バネの付勢力により後幕駆動レバー40Bが時計方向に回転する。これにより、後幕20Bは展開して開口部11を閉鎖する。後幕駆動レバー40Bは、基板10に形成された溝の端部に設けられた、後述のバウンド防止用のゴムに当接する。図1は、露光作動を終了した直後の状態を示している。このようにして1回の撮影が終了する。
次に、不図示のセットレバーにより先幕駆動レバー40A、後幕駆動レバー40Bが反時計方向に回転させられる。これにより、先幕20Aは展開されて開口部11を閉鎖し、後幕20Bは重畳して開口部11から退避し、図2に示す初期状態に戻る。
次に、駆動レバーについて説明する。先幕駆動レバー40Aと後幕駆動レバー40Bとは、形状は相違するが略同一の構成及び部品を備えているため、以下では後幕駆動レバー40Bのみについて説明する。図4は、後幕駆動レバー40Bの斜視図である。最初に後幕駆動レバー40Bの概略について説明する。尚、図4においては一部構成を省略してある。
後幕駆動レバー40Bは、板状のベース部41b、ベース部41b上に立設した円筒部41b1、ローラ部41b2、駆動ピン41b8等を含む。円筒部41b1周りには、ラチェット車50Bや、後幕駆動レバー40Bに付勢力を与えるバネなどが配置される。また、円筒部41b1内には、基板10に設けられた軸が嵌合する。後幕駆動レバー40Bは、円筒部41b1が嵌合する軸を中心に所定の範囲を回転する。
ローラ部41b2は、不図示のセットレバーに押されるものである。セットレバーによりローラ部41b2が押されて、後幕駆動レバー40Bは円筒部41b1を支点として回転する。駆動ピン41b8は、ベース部41bから下側に向けて延在している。駆動ピン41b8は、駆動アーム32bに形成された孔に嵌合する。
ベース部41b上には、支持部42bが設けられている。支持部42bは、鉄片46bを支持するためのものである。鉄片46bは、電磁石70Bに吸着される。鉄片46bは、軸部45bに連結されている。軸部45bは金属製である。鉄片46bは、所定の厚みを有して略矩形状に形成されている。支持部42bは、鉄片46bの側面に沿ったガイド部43b、44bを有している。ガイド部43b、44bは、軸部45bの軸心を支点として鉄片46bが回転することを規制している。
ガイド部43bと鉄片46bとの間には第2付勢部材49bが挿入される。第2付勢部材49bは、弾性変形可能な板状のバネである。第2付勢部材49bは、鉄片46bの側面に沿うようにして直線状に延びたベース部49b1、ベース部49b1の上端と連続し側面から見てL字状に延びた係合部49b2を有している。係合部49b2が、支持部42bと係合して支持部42bに保持される。第2付勢部材49bは、鉄片46bを所定方向に付勢するためのものである。詳しくは後述する。
次に後幕駆動レバー40Bの動作について説明する。図5、図6は、後幕駆動レバー40Bの動作の説明図である。図5、図6においては、後幕駆動レバー40Bの構成を一部省略している。図5は、後幕駆動レバー40Bが電磁石70Bから離れた状態を示している。図6は、後幕駆動レバー40Bの鉄片46bが電磁石70Bに吸着された状態を示している。図5、図6において、後幕駆動レバー40Bの右側に開口部11が位置する。
基板10には、駆動ピン41b8の移動を逃すための円弧状の溝13bが形成されている。また、溝13bの端部には駆動ピン41b8のバウンド防止用のゴム13b1が設けられている。電磁石70Bは、鉄芯73bと、鉄芯73bを励磁するためのコイル79bと、コイル79bが巻回されたボビン78bを有している。コイル79bが通電されることにより、鉄芯73bには磁気的吸引力が発生する。
図5に示した状態から、セットレバーにより後幕駆動レバー40Bが円筒部41b1を支点として反時計方向に回転させられる。これにより、駆動ピン41b8は溝13b内を移動して、鉄片46bは鉄芯73bに当接する。その後にコイル79bが通電されて、鉄片46bは鉄芯73bに吸着される。セットレバーが退避した後もコイル79bが通電されている限り、鉄片46bは鉄芯73bに吸着され続ける。コイル79bへの通電が遮断されると、鉄片46bと鉄芯73bとの間に作用していた磁気的吸引力が消え、不図示のバネの付勢力によって後幕駆動レバー40Bは時計方向へと回転する。このようにして後幕駆動レバー40Bは動作する。
次に、後幕駆動レバー40Bについて詳しく説明する。図7、図8は、鉄片46b周辺の拡大図である。尚、図7、図8においては、後幕駆動レバー40Bの構成の一部を省略している。図7に示すように、軸部45bは、鍔部45b1、鍔部45b1と連続し鍔部45b1よりも径の小さい胴部45b3、胴部45b3と連続し胴部45b3よりも径が小さい嵌合部45b5を有している。換言すれば、鍔部45b1は、軸部45bの一端に形成され、嵌合部45b5は、軸部45bの他端に形成されている。嵌合部45b5には、鉄片46bが嵌合している。これにより、軸部45bと鉄片46bとは一体の部品として連結されている。
支持部42bには、軸部45bが貫通した貫通孔42b5、42b7が形成されている。貫通孔42b5、42b7は連続した単一の孔である。貫通孔42b5は、貫通孔42b7よりも径方向に小さい。鍔部45b1の径は貫通孔42b5の径よりも大きい。また、支持部42bは、図7に示すように鉄片46bの背面側と対向する対向面42b1を有している。対向面42b1に貫通孔42b7が形成されている。
支持部42bと鉄片46bとの間には第1付勢部材47bが設けられている。第1付勢部材47bは、コイル状のバネである。第1付勢部材47b内には、軸部45bの胴部45b3が挿入されている。第1付勢部材47bは、図7に示すように、全体として円錐形である。円錐の底辺に相当する部分の第1付勢部材47bの径は、貫通孔42b5の径よりも大きく形成されている。また、第1付勢部材47bの一部は貫通孔42b7内に配置される。第1付勢部材47bは、鉄片46bを軸部45bの軸心方向AD1へと付勢する。
鉄片46bと対向面42b1との間に遊びが設けられている。即ち、第1付勢部材47bの付勢力に抗して鉄片46bを軸心方向AD2に押すことにより、鉄片46bの背面と対向面42b1とが当接するまで鉄片46bは移動可能である。尚、この際に、鉄片46bと共に軸部45bも軸心方向AD2に移動する。軸心方向AD2は、軸心方向AD1の逆方向である。
以上のように、鉄片46bは、軸心方向AD1、AD2に所定の範囲をストローク可能に支持されていると共に軸心方向AD1に付勢されている。これにより、後幕駆動レバー40Bが回転して鉄片46bが鉄芯73bに当接しても、後幕駆動レバー40Bは、鉄片46bのストローク可能な範囲の分だけ更に回転し続けることができる。このように後幕駆動レバー40Bは、鉄片46bが鉄芯73bに当接しても余分に回転するように設定されている。この理由は、製品毎に生じ得る鉄片46bや鉄芯73bの位置精度のばらつきを吸収し、鉄片46bを鉄芯73bに確実に当接するまで後幕駆動レバー40Bを回転させるためである。
図8に示すように、鉄片46bは、嵌合部45b5が嵌合した孔が形成されている中央部46b1、中央部46b1から互いに反対方向に延びた端部46b2、46b3を有している。鉄片46bの正面から見て、中央部46b1の側面は円弧状である。中央部46b1の幅は、端部46b2、46b3のそれぞれの幅よりも大きい。
ガイド部44bは、中央部46b1の円弧状の側面を逃すための凹部44b1が形成されている。同様に、ガイド部43bにも、中央部46b1の円弧状の側面を逃すための切欠部43b1が形成されている。
第2付勢部材49bは、ガイド部43bと鉄片46bとの間に介在している。第2付勢部材49bのベース部49b1は、図8に示すように、部分的に中央部46b1の側面と当接している。これによりベース部49b1は、中央部46b1の側面に沿って湾曲している。第2付勢部材49bがこのように変形することにより、鉄片46bは、径方向RD1に付勢されている。径方向RD1とは、軸心方向AD1、AD2と交差する方向であり、略直交する方向である。径方向RD1は、換言すれば、後幕駆動レバー40Bの回転支点側への方向である。また、後述するが鉄片46bは、径方向RD1、径方向RD1と反対の径方向RD2に移動可能に支持されている。径方向RD1、RD2は、後幕駆動レバー40Bが回転する仮想平面内に含まれる方向である。
鉄片46bが第2付勢部材49bにより径方向RD1へ付勢されることにより、鉄片46bはガイド部44bに押し付けられる。詳細には、端部46b2、46b3の側面がガイド部44bに当接し、中央部46b1の側面はガイド部44bには当接してない。
また、軸部45bの胴部45b3が貫通している支持部42bの貫通孔42b5は、図8に示すように、径方向RD1、RD2に若干延びた形状である。このため、胴部45b3は、貫通孔42b5内で径方向RD1、RD2で若干の遊びがある。これにより、鉄片46bは、径方向RD1、RD2に所定の範囲移動することができる。また、これにより、貫通孔42b5内で胴部45b3の姿勢が変化して、貫通孔42b5の軸心方向に対して胴部45b3が傾くことがある。これにより、鉄片46bは、揺動するように方向SDに移動することができる。尚、方向SDは、後幕駆動レバー40Bが回転する仮想平面内に含まれる方向である。
このように、鉄片46bを径方向RD1、RD2、方向SDに移動可能に支持する理由は次のとおりである。後幕駆動レバー40Bは、所定の位置を支点として回転する。このため、鉄片46bは円弧状の軌跡上を移動して鉄芯73bに当接する。仮に鉄片46bが径方向RD1、RD2、方向SDに移動不能に支持されていると、鉄片46bや鉄芯73bの位置精度によっては、鉄片46bが鉄芯73bに当接する際に両者の当接面が平行にならないおそれがある。これにより両者が密着せずに、鉄片46bと鉄芯73bとの吸着力を確保できないおそれがある。
しかしながら、鉄片46bが径方向RD1、RD2、方向SDに移動可能に支持することにより、鉄片46bが鉄芯73bに当接した際に両者の当接面が密着するように、鉄片46bが移動可能となる。これにより、鉄片46bや鉄芯73bの位置精度に影響されずに、両者を密着させることができる。
鉄片46bを径方向RD1、RD2、方向SDに移動可能に支持した場合、鉄片46bの姿勢を一定に維持できないおそれがある。例えば、短時間で後幕駆動レバー40Bを往復移動させた場合である。鉄片46bの姿勢を一定に維持できない場合、鉄芯73bに当接する際の鉄片46bの姿勢を一定に維持することができないため、当接した際の両者の位置関係にばらつきが生じるおそれがある。
しかしながら、本実施例のフォーカルプレーンシャッタ1においては、鉄片46bは、軸心方向AD1に付勢されるのみならず、ガイド部44bに押し付けられるようにして軸心方向AD1と交差する径方向RD1に付勢される。これにより、鉄片46bは、ガイド部44bと第2付勢部材49bとに挟まれるように保持され、鉄片46bの姿勢を一定に維持することができる。これにより、短時間で後幕駆動レバー40Bを往復移動させた場合であっても、鉄片46bの姿勢を一定に維持することができる。
これにより、鉄芯73bに当接する際の鉄片46bの姿勢を略一定に維持することができる。従って、鉄片46bに鉄芯73bが吸着された状態での両者の位置関係も略一定に維持することができる。これにより、電磁石70Bへの通電が遮断され電磁石70Bから鉄片46bが離れる時のタイミングも一定に維持できる。
また、鉄片46bのがたつきも防止できる。これにより作動音を低減できる。また、軸部45b、鉄片46bのがたつきを防止できるので、がたつきに起因してガイド部43bやガイド部44b、貫通孔42b5が削れてゴミが発生することを防止できる。
第2付勢部材49bは、図7、図8に示すように、軸部45bと開口部11との間に位置している。これにより、仮に、ガイド部43b、44b、貫通孔42b5が削れてゴミが発生したとしても、そのゴミが後幕駆動レバー40Bの往復運動に伴い開口部11側に飛散することを防止できる。これにより、画質の低下も防止される。
第2付勢部材49bは、板状であるため後幕駆動レバー40Bの小型化が達成されている。また、鉄片46bは、ガイド部44bに押し付けられているので、軸部45bの軸心を支点として回転することが防止される。
図9は、鉄片46bが第2付勢部材49bの付勢方向と逆の方向である径方向RD2に移動した状態を示している。鉄片46bが鉄芯73bに当接した際や、鉄片46bに何らかの衝撃が加わった場合には、鉄片46bに、径方向RD2の力が作用するおそれがある。このような場合には、端部46b2、46b3の側面はガイド部44bから離れ、中央部46b1がベース部49b1を外側に更に押し付けるようにして鉄片46bが移動する。ベース部49b1は、鉄片46bに作用した径方向RD2の力によって更に湾曲して切欠部43b1から外側に突出する。このように径方向RD2への鉄片46bの移動が許容される。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、変形・変更が可能である。
本実施例において、羽根が薄く形成された合成樹脂製である場合を説明したが、羽根は薄く形成された金属製であってもよい。また、第2付勢部材の一例として板状のバネを例に説明したが、コイル状のスプリングであってもよい。鉄片46bを径方向RD1へ付勢する例を説明したが、径方向RD2方向へ付勢してもよい。
本実施例のフォーカルプレーンシャッタは、スチールカメラやデジタルカメラなどの光学機器に採用できる。
1 フォーカルプレーンシャッタ
10 基板
11 開口部
20A 先幕
20B 後幕
21a〜24a、21b〜24b 羽根
31a、32a、31b、32b 駆動アーム
40A 先幕駆動レバー
40B 後幕駆動レバー
41b ベース部
42b 支持部
43b、44b ガイド部
45b 軸部
45b1 鍔部
45b5 嵌合部
46b 鉄片
47b 第1付勢部材
49b 第2付勢部材
AD1、AD2 軸心方向
RD1、RD2 径方向

Claims (3)

  1. 電磁石と、
    開口部を有した基板と、
    前記開口部から退避した位置と前記開口部の少なくとも一部に重なる位置との間を移動可能な羽根と、
    一端に鍔部が設けられた軸部、前記軸部の他端に設けられ前記電磁石に吸着可能な鉄片、前記軸部が遊びをもって貫通した貫通孔を有した支持部、前記鉄片に沿って設けられたガイド部、を有し、所定の軸心周り所定範囲回転することにより前記羽根を駆動する駆動レバーと、を備え、
    前記駆動レバーは、前記鉄片を前記軸部の軸心方向に付勢する第1付勢部材、前記鉄片が前記ガイド部に押し付けられるように前記軸心方向と交差する方向に付勢する第2付勢部材、を有し
    前記第2付勢部材は、前記軸部には触れずに前記鉄片を付勢し、板状であり、前記鉄片及び軸部よりも前記軸心の径方向外側に設けられ、前記軸心側に前記鉄片を付勢する、フォーカルプレーンシャッタ。
  2. 前記第2付勢部材は、前記軸部と前記開口部との間に位置している、請求項1のフォーカルプレーンシャッタ。
  3. 請求項1又は2のフォーカルプレーンシャッタを備えた光学機器。
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