JP3635075B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ用フォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラ用フォーカルプレンシャッタの中には、シャッタ地板,中間板,補助地板と称されている3枚の板部材の間に二つの羽根室を構成し、それらの羽根室内に、先羽根,後羽根と称されている二つのシャッタ羽根を個別に配置すると共に、羽根室外においては、シャッタ地板に、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材を取り付け、それらによって先羽根と後羽根を作動させるようにしたものが知られている。そして、この種のフォーカルプレンシャッタは、銀塩カメラにもデジタルスチルカメラにも採用されている。また、デジタルスチルカメラにのみ採用されるフォーカルプレンシャッタとしては、シャッタ羽根を一つしか備えていないものがあるが、その場合には、上記の3枚の板部材のうち中間板を備えておらず、羽根室は、シャッタ地板と補助地板の間に構成している。そして、当然のことながら、シャッタ羽根を作動させる駆動部材も一つだけとなっている。
【0003】
また、これらのフォーカルプレンシャッタには、各駆動部材を、露光作動開始位置で保持する方法として、係止タイプと称されているものと、ダイレクトタイプと称されているものがある。そのうち、ダイレクトタイプのものは、セット作動時に、駆動部材が、セット部材によって、セット位置へ作動させられると、その駆動部材に取り付けられた鉄片部材を電磁石の鉄芯に接触させるようになっている。このとき、電磁石には通電されていないため、セット部材は、直ちに初期位置へは復帰せず、その接触状態を維持させる。撮影に際しては、先ず最初に、電磁石に通電して、鉄片部材を吸着保持させ、その後に、セット部材を初期位置へ復帰させる。そして、電磁石に対する通電が、露光制御回路によって、所定のタイミングで断たれると、鉄片部材に対する保持力が解かれるため、駆動部材がシャッタ羽根を伴って作動するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このように、少なくとも一つのシャッタ羽根を備えたダイレクトタイプのカメラ用フォーカルプレンシャッタに関するものであるが、このタイプのものは、上記のように、セット状態においては、鉄片部材を電磁石に接触させた状態にしておかなければならない。しかしながら、セット作動時に、鉄片部材が電磁石に接触した瞬間に、駆動部材のセット作動を停止させるように製作するのは、部品加工や組立加工に許容公差が設定されている以上、極めて困難である。まして、シャッタ羽根を二つ備えている場合は、二つの駆動部材を一つのセット部材で作動させるため、それらの駆動部材に取り付けられている二つの鉄片部材を、全く同時に夫々の電磁石に接触させ、且つその瞬間にセット部材と各駆動部材の作動を停止させるようにすることは、至難のことと言わざるを得ない。
【0005】
そのため、従来は、鉄片部材を駆動部材に取り付けるに際し、駆動部材に対して固定するのではなく、ばね部材を介して取り付けるようにし、セット作動時には、鉄片部材が電磁石に接触した後も、駆動部材が、そのばね部材を緊張させて若干作動を継続できるようにしている。そのため、鉄片部材は、電磁石に対して確実に接触させられ、その状態を維持することができるようになるが、その反面、鉄片部材が電磁石に接触してから駆動部材が停止するまでのオーバー作動量は、上記の許容公差によって一定しないものとなる。従って、駆動部材を一つ備えている場合には、製品ごとにオーバー作動量が異ったものとなってしまうし、駆動部材を二つ備えている場合には、両者のオーバー作動量が異なったものとなってしまう。
【0006】
このことは、露光作動時における駆動部材の作動開始位置、言い換えればシャッタ羽根の作動開始位置が所定の位置に定まらず、正確な露光時間の制御が行えなくなることを意味している。何故ならば、上記したように、撮影に際して、電磁石に通電され、セット部材が初期位置へ復帰するとき、駆動部材は、上記の駆動ばねと、ばね部材の付勢力によって僅かに追従し、シャッタ羽根の作動を開始させる位置で停止することになるが、その位置までの作動量は、上記のオーバー作動量と全く同じだからである。
【0007】
そこで、このように、ばね部材を介して鉄片部材を駆動部材に取り付けるようにした構成において、駆動部材が、所定の作動開始位置を得られるようにするためには、製作時において、電磁石の取付位置を調整することができるようにするか、駆動部材に対する鉄片部材の取付状態を調整することができるようにすればよいことになる。しかしながら、電磁石の取付位置を調整できるようにすることは、可能ではあっても容易ではない。それは、この種の調整は、調整幅が0.2〜0.01mm程度の微調整であるのに対し、電磁石は、鉄芯やコイルなどから構成された比較的大きな部品であるため、その位置を移動させて微妙な調整を行えるようにするには無理があるからである。他方、駆動部材に対する鉄片部材の取付状態を調整できるようにすることは、ばね部材の存在があることもあって、これまでには好適な構成が提案されていない。従って、従来における調整は、電磁石に対する通電制御のタイミングを変えて行うのが普通であった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電磁石に吸着される鉄片部材が、シャッタ羽根を作動させる駆動部材に対し、ばね部材を介在させて取り付けられているフォーカルプレンシャッタにおいて、撮影時における駆動部材の作動開始位置を、鉄片部材の取付状態を変えることによって極めて好適に調整することができるようにしたカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、セット時には駆動ばねの付勢力に抗してセット部材によって作動させられ撮影時には該駆動ばねの付勢力によってシャッタ羽根を伴って作動させられる少なくとも一つの駆動部材と、軸部と該軸部の一端に設けられた頭部と該軸部の他端に設けられた鉄片部とを有しており前記駆動部材の取付部に対し該軸部の軸方向へ移動可能に取り付けられている鉄片部材と、前記取付部と前記鉄片部との間に配置されていて前記鉄片部と前記取付部を遠ざけるように付勢しているばね部材と、撮影時には前記鉄片部を吸着保持しており露光制御回路からの信号によってその保持力を解除され前記駆動ばねの付勢力による前記駆動部材の作動を可能にする電磁石と、を備えており、前記軸部の外周には雄ねじが形成され、前記鉄片部には該雄ねじに螺合している雌ねじが形成されていて、それらの螺合位置を変えることによって、前記取付部と前記鉄片部との間隔を変え得るようにする。
【0010】
また、上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、セット時には駆動ばねの付勢力に抗してセット部材によって作動させられ撮影時には該駆動ばねの付勢力によってシャッタ羽根を伴って作動させられる少なくとも一つの駆動部材と、軸部と該軸部の一端に設けられた頭部と該軸部の他端に設けられた鉄片部とを有しており前記駆動部材の取付部に対し該軸部の軸方向へ移動可能に取り付けられている鉄片部材と、前記取付部と前記鉄片部との間に配置されていて前記鉄片部と前記取付部を遠ざけるように付勢しているばね部材と、撮影時には前記鉄片部を吸着保持しており露光制御回路からの信号によってその保持力を解除され前記駆動ばねの付勢力による前記駆動部材の作動を可能にする電磁石と、を備えており、前記鉄片部は前記軸部に対して該軸部の軸方向へ移動可能に取り付けられ、前記軸部の外周には雄ねじが形成され、前記取付部には該雄ねじに螺合している雌ねじが形成されていて、それらの螺合位置を変えることによって、前記取付部と前記鉄片部との間隔を変え得るようにしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図示した二つの実施例によって説明する。尚、図1は、被写体側から見て左側の約半分を示した第1実施例の平面図であって、露光作動終了直後の状態を示したものであり、図2は、図1の要部断面図である。また、図3及び図4は、図1と同じようにして示した第1実施例の平面図であって、図3は、セット状態を示したものであり、図4は、露光作動開始直前の状態を示したものである。更に、図5は、一部を断面で示した第2実施例の説明図である。
【0012】
[第1実施例]
本実施例は、銀塩カメラにもデジタルスチルカメラにも採用することのできる二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタである。先ず、本実施例の構成を、主に図1及び図2を用いて説明するが、その説明に際しては、カメラに組み付けた状態において、被写体側を表面側と称し、撮影者側を背面側と称することにする。シャッタ地板1は、略中央部に、長方形を横長にした露光用の開口部1aを形成しているが、図1は、シャッタ地板1の左側の約半分を示したものであるため、その開口部1aも一部分だけが示されている。
【0013】
また、シャッタ地板1の背面側には、図示していない周知の中間板と補助地板とが、所定の間隔を空けて順に取り付けられており、シャッタ地板1と中間板の間に先羽根の羽根室を構成し、中間板と補助地板の間に後羽根の羽根室を構成している。そして、これらの中間板と補助地板にも、略中央部に露光用の開口部が形成されていて、通常は、それらを開口部1aと重ねて配置することにより、被写体光路用の露光開口を形成しているが、本実施例の場合には、開口部1aが露光開口を規制しているものとして説明する。
【0014】
開口部1aの左側には二つの円弧状の長孔1b,1cが形成されている。そして、長孔1b,1cの下端部には、平面形状が略C字状をしているブチルゴム製の緩衝部材が取り付けられているが、それらの緩衝部材は、周知であって且つ本発明とは直接関係がないので、図示を省略されている。また、シャッタ地板1の表面側には、軸1d,1e,1fが立設されており、それらの先端には、図示していない周知の支持板が、開口部1aの左側の領域において、シャッタ地板1と平行に取り付けられている。そして、その支持板には種々の部材が取り付けられているが、図1においては、シャッタ地板1側の面に取り付けられている先羽根用電磁石2と後羽根用電磁石3だけを、二点鎖線で示してある。
【0015】
シャッタ地板1の軸1dには、合成樹脂製の先羽根用駆動部材4が回転可能に取り付けられている。この先羽根用駆動部材4は、表面側に取り付けられたローラ4aと、背面側に設けられた駆動ピン4bと、表面側に形成された取付部4cとを有していて、図示していない周知の先羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転するように付勢されているが、図1においては、背面側に設けられている駆動ピン4bが、長孔1bの下端部に取り付けられた図示していない緩衝部材に当接して停止させられた状態となっている。そして、駆動ピン4bの先端部は、長孔1bを貫通してシャッタ地板1の背面側に突き出ている。また、ローラ4aを取り付けている面と取付部4cの背面側の面との間には隙間が形成されており、作動時に、後述するセット部材の一部が、その隙間内に入り込んだり通過したりして、両者が干渉しないようになっている。
【0016】
また、取付部4cは、被写体側に大きく隆起して形成されており、その内部には、鉄片部材5が、ばね部材6を介在させて取り付けられている。即ち、図1は、内部を分かり易くするために、取付部4cを断面で示しているが、鉄片部材5は、軸部5aと、その軸部5aの一端に設けられた頭部5bと、軸部5aの他端に設けられた鉄片部5cとを有しており、取付部4cに形成された孔4dに対して軸部5aを緩く嵌合させ、軸方向へ移動可能に取り付けられている。また、軸部5aには、コイル状のばね部材6が嵌装されているが、このばね部材6は、取付部4cと鉄片部5cの間に配置されていて、頭部5bと取付部4cを近付け、取付部4cと鉄片部5cを遠ざけるように付勢している。そして、軸部5aには、頭部5bと取付部4cの間において、調整部材7が着脱可能に嵌装されているが、その形状と着脱方法については後述する。
【0017】
シャッタ地板1の軸1eには、合成樹脂製の後羽根用駆動部材8が回転可能に取り付けられている。この後羽根用駆動部材8は、背面側に取り付けられたローラ8aと、背面側に設けられた駆動ピン8bと、表面側に形成された取付部8cとを有していて、図示していない後羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転するように付勢されているが、図1においては、背面側に設けられている駆動ピン8bが、長孔1cの下端部に取り付けられた図示していない緩衝部材に当接して停止させられた状態となっている。そして、駆動ピン8bの先端部は、長孔1cを貫通してシャッタ地板1の背面側に突き出ている。
【0018】
また、取付部8cは、被写体側に隆起して形成されており、その内部には、鉄片部材9が、ばね部材10を介在させて取り付けられている。即ち、図1は、上記の取付部4cの場合と同様に、取付部8cを一部断面で示しているが、鉄片部材9は、上記の鉄片部材5と同様に、軸部9aと、頭部9bと、鉄片部9cとを有しており、取付部8cに形成された孔8dに対して軸部9aを緩く嵌合させ、軸方向へ移動可能に取り付けられている。また、軸部9aには、コイル状のばね部材10が嵌装されており、頭部9bと取付部8cを近付け、取付部8cと鉄片部9cを遠ざけるように付勢している。そして、軸部9aには、頭部9bと取付部8cの間において、調整部材11が着脱可能に嵌装されている。
【0019】
そこで、取付部8cに対する鉄片部材9とばね部材10との取り付け方を説明する。先ず、頭部9bと一体の軸部9aを取付部8cの孔8dに挿入しておく。次に、その軸部9aにばね部材10を嵌装させる。そして、最後に、鉄片部9cに形成されている孔を軸部9aに挿入し、かしめ加工によって鉄片部9cを軸部9aに固定している。このような取付構成は、上記の取付部4cに対する鉄片部材5とばね部材6との取付け方も同じである。
【0020】
次に、調整部材11の形状と着脱方法を、図2を用いて説明する。図2は、図1の略左下方から、後羽根用駆動部材8の一部だけを示したものであるが、鉄片部材9は、その軸部9aを断面で示しているため、頭部9bの外形を一点鎖線で示してある。この図2から分かるように、本実施例の調整部材11は、円環状の一部を切除した開放部を有していて、全体としてC字状をしている。そして、その内径は、軸部9aの直径よりも若干大きくて、軸部9aの長さ方向に移動可能であり、軸部9aとの接触は270°を大きく超える範囲で可能となっている。また、その内径は、頭部9bの直径よりも小さい。更に、本実施例の場合、この調整部材11は、温度や外力によって厚さが変化し難い材料、例えばポリエステル材料や金属材料で非常に薄く製作されているため、可撓性を有していると共に、一時的に変形されても原形に復し易い部材となっている。
【0021】
調整部材11は、鉄片部材9に対して、このようにして取り付けられているため、本実施例の作動中においては、軸部9aから外れることはない。そこで、製作時におけるこのような調整部材11の着脱方法を説明する。先ず、装着する場合には、鉄片部材9の頭部9bと後羽根用駆動部材8の取付部8cとの間に、調整部材11を差し込み、その開放部を軸部9aに当てておいて強く押し込めばよい。それによって、調整部材11は一時的に変形するが、その後、図2に示したような装着状態が得られる。また、本実施例の場合、頭部9bの直径よりも調整部材11の外径が大きくなっている。そのため、調整部材11を外す場合には、ピンセットなどを用いて開放部を広げるようにすれば、調整部材11を簡単に外すことができる。そして、このような調整部材11の形状と軸部9aに対する着脱方法は、上記の調整部材7の形状と軸部5aに対する着脱方法の場合も同じである。
【0022】
シャッタ地板1の軸1fには、セット部材12が回転可能に取り付けられている。このセット部材12は、押動部12a,12bと、被押動部12cとを有していて、図示していない復帰ばねの付勢力によって、反時計方向へ回転するように付勢されているが、図1は、その回転を図示していない停止手段によって阻止されている状態を示している。以下、セット部材12については、この位置を初期位置と称する。また、このセット部材12は、カメラ本体側の操作部材13によって被押動部12cを押されると、上記の復帰ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転し、操作部材13が被押動部12cから退いていくと、上記の復帰ばねの付勢力によって追従し、初期位置へ復帰するようになっている。
【0023】
最後に、シャッタ地板1の背面側に配置されている先羽根と後羽根の構成を説明するが、本実施例におけるそれらの構成は周知であって、例えば特開2000−122111号公報に記載のものと実質的に同じである。そのため、簡単に説明しておく。先ず、図3及び図4に一部が示されているように、先羽根は、シャッタ地板1の背面側に立設されている夫々の軸に枢着された二つのアーム14,15と、それらの先端に向けて順に枢支された4枚の羽根16,17,18,19で構成されており、最先端に枢支された羽根19をスリット形成羽根にしている。そして、アーム14に形成された孔には駆動ピン4bが嵌合しているため、図3において、先羽根用駆動部材4が時計方向へ回転すると、アーム14も時計方向へ回転し、4枚の羽根16〜19を下方へ移動させるようになっている。
【0024】
他方、後羽根は、先羽根と同じ構成をしているが、羽根室内においては、図3における先羽根を上下方向へ裏返した状態にして配置されている。そのため、二つのアームは、4枚の羽根よりも補助地板側に配置されることになるので、被写体側からは、開口部1aを通して見ることができない。従って、図1においては、それらの先端に向けて枢支された4枚の羽根20,21,22,23だけが示されているが、それらのアームの最先端に枢支された羽根23がスリット形成羽根である。また、それらのアームの一つに形成された孔には駆動ピン8bが嵌合しているため、図1において、後羽根用駆動部材8が反時計方向へ回転すると、そのアームも反時計方向へ回転し、4枚の羽根20〜23を上方へ移動させるようになっている。
【0025】
次に、本実施例の作動を説明する。図1は、露光作動の終了直後の状態を示したものである。このとき、先羽根用駆動部材4と後羽根用駆動部材8とは、それらの駆動ピン4b,8bが、長孔1b,1cの下端に取り付けられている図示していない緩衝部材に当接して、時計方向の回転を停止させられた状態にある。また、駆動ピン4bに連結されている先羽根の4枚の羽根16〜19は、重畳状態となって開口部1aの下方位置に格納されており、駆動ピン8bに連結されている後羽根の4枚の羽根20〜23は、展開状態となって開口部1aを覆っている。そして、セット部材12は初期位置にある。
【0026】
シャッタのセット作動は、図1の状態において、操作部材13が被押動部12cを押し、図示していない復帰ばねの付勢力に抗して、セット部材12を時計方向へ回転させることによって行われる。セット部材12が回転を開始すると、先ず、押動部12aがローラ4aを押して、先羽根用駆動部材4を、先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向ヘ回転させる。それによって、先羽根用駆動部材4の駆動ピン4bがアーム14を反時計方向ヘ回転させるので、先羽根の4枚の羽根16〜19は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしつつ上方へ作動されていく。
【0027】
そして、先羽根のスリット形成羽根19と後羽根のスリット形成羽根23との重なり量が所定量に達した段階で、セット部材12の押動部12bが後羽根用駆動部材8のローラ8aを押し始める。そのため、後羽根用駆動部材8は、後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向ヘ回転され、駆動ピン8bによって後羽根のアームを反時計方向ヘ回転させるので、後羽根の4枚の羽根20〜23は、隣接する羽根の重なりを大きくしつつ上方へ作動させられていく。そして、後羽根の4枚の羽根20〜23が開口部1aの上方へ退き、先羽根の4枚の羽根16〜19が開口部1aを覆った段階になると、先羽根用駆動部材4に取り付けられている鉄片部材5の鉄片部5cが先羽根用電磁石2の鉄芯に接触し、後羽根用駆動部材8に取り付けられている鉄片部材9の鉄片部9cが後羽根用電磁石3の鉄芯に接触するようになる。
【0028】
ところで、鉄片部材5の鉄片部5cが先羽根用電磁石2の鉄芯に接触した瞬間に、先羽根用駆動部材4の回転を止めるように製作することは極めて難しい。このことは鉄片部材9の鉄片部9cと後羽根用電磁石3の鉄芯との関係においても同じである。従って、鉄片部材5の鉄片部5cと先羽根用電磁石2の鉄芯との関係だけを考えて見たとしても、もし、鉄片部材5が駆動部材4に固定されていた場合には、鉄片部5cが先羽根用電磁石2の鉄芯に接触した後も先羽根用駆動部材4を回転させる力が働くと、関係部材の磨耗や破損につながるし、鉄片部5cが先羽根用電磁石2の鉄芯に接触する前に先羽根用駆動部材4の回転が停止すると、後述の作動段階において、先羽根用電磁石2が先羽根用駆動部材4を吸着保持することができなくなってしまう。
【0029】
まして、本実施例のように、二つの駆動部材4,8を備えている場合には、鉄片部材5の鉄片部5cが先羽根用電磁石2の鉄芯に接触するのと、鉄片部材9の鉄片部9cが後羽根用電磁石3の鉄芯に接触するのとが全くの同時であって、且つその瞬間に、先羽根用駆動部材4の回転と後羽根用駆動部材8の回転を止めるように製作することは不可能といっても過言ではない。従って、鉄片部材5,9が駆動部材4,8に固定されているようにした場合は、仮に、一方の鉄片部材の鉄片部が電磁石の鉄芯に接触した瞬間において、駆動部材4,8の回転を止めるように製作することができたとしても、そのときには、他方の鉄片部材の鉄片部が電磁石の鉄芯に接触していないため、一方の駆動部材については問題ないとしても、他方の駆動部材については吸着保持することができなくなってしまう。
【0030】
そのため、従来からも知られているように、本実施例は、駆動部材4,8と鉄片部材5,9との間に、ばね部材6,10を介在させており、駆動部材4,8は、鉄片部材5,9の鉄片部5c,9cが、電磁石2,3の鉄芯に接触した後も、ばね部材6,10を圧縮させながらしばらく回転したあとに停止するようになっている。このようにして、駆動部材4,8が停止した状態が図3に示されたセット状態であり、後羽根の4枚の羽根20〜23は、重畳状態となって開口部1aの上方位置に格納され、先羽根の4枚の羽根16〜19が開口部1aを覆っている。従って、このとき、撮影時に、駆動部材4,8を回転させる図示していない駆動ばねは、各々オーバーチャージ状態(駆動部材4,8が露光作動開始位置にあるときよりもチャージされている状態)にある。また、鉄片部材5,9は、ばね部材6,10を圧縮させたことによって、頭部5b,9bが図1の状態よりも取付部4c,8cから遠ざかっているが、その変位量は、加工公差に左右されるので、両者間では異なるし、シャッタユニットごとでも異なったものになる。
【0031】
このようなセット状態において、カメラのレリーズボタンが押されると、先ず、先羽根用電磁石2と後羽根用電磁石3に通電され、それらの鉄芯に接触していた鉄片部材5,9が吸着保持される。その場合、予め鉄片部材5,9が電磁石2,3の鉄芯に完全に接触されていないと、充分な吸着保持力が得られないが、本実施例の場合には、経済的な電力消費の下で、確実に吸着保持される。その後、カメラ本体側の部材である操作部材13が上方へ移動し、セット部材12の被押動部12cに対する押圧力を解くので、セット部材12は、図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転し、初期位置へ復帰するが、そのとき、セット部材12の押動部12a,12bがローラ4a,8aに対する押圧力を解いていく。
【0032】
このようにして、ローラ4a,8aに対する押圧力が解かれていくと、駆動部材4,8は、図示していない駆動ばねがオーバーチャージされた分だけ時計方向へ回転され、取付部4c,8cと鉄片部材5,9の頭部5b,9bとの間隔を、調整部材7,11の厚さ分だけ離した状態にして停止する。従って、このとき、先羽根と後羽根も若干作動して停止することになる。図4は、その停止状態を示したものであって、このときが、各駆動部材4,8と、先羽根及び後羽根にとっての露光作動開始位置である。
【0033】
このような図4の状態になると、次に、先羽根用電磁石2に対する通電が断たれる。それによって、該電磁石2による保持力が失われ、先羽根用駆動部材4は、先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転する。そのため、先羽根用駆動部材4の駆動ピン4bが、アーム14を時計方向へ回転させるので、先羽根の4枚の羽根16〜19は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら下方へ作動して行き、スリット形成羽根19によって、開口部1aを開いていく。そして、スリット形成羽根19が開口部1aから下方へ完全に退いた段階で、先羽根用駆動部材4の駆動ピン4bが、長孔1bの下端に取り付けられている図示していない緩衝部材に当接し、先羽根用駆動部材4と先羽根の作動が停止する。
【0034】
上記のように、先羽根用電磁石2に対する通電が断たれてから所定時間が経過すると、今度は、後羽根用電磁石3に対する通電が断たれる。それによって、後羽根用駆動部材8は、後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転させられ、駆動ピン8bによって、図示していないアームを時計方向へ回転させる。そのため、後羽根の4枚の羽根20〜23は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら下方へ作動してゆき、スリット形成羽根23によって、開口部1aを閉じていく。従って、このとき未だ先羽根のスリット形成羽根19が開口部1a内を作動中である場合には、二つのスリット形成羽根19,23によって形成されたスリットにより露光作動が行われる。そして、スリット形成羽根23が開口部1aを完全に閉鎖した段階で、後羽根用駆動部材8の駆動ピン8bが、長孔1cの下端に取り付けられている図示していない緩衝部材に当接し、後羽根用駆動部材8と後羽根の作動が停止する。その停止状態が図1に示された状態である。
【0035】
ところで、上記の作動説明において、先羽根用駆動部材4が図3の状態から図4の状態に移動した量と、後羽根用駆動部材8が図3の状態から図4の状態に移動した量とは、既に説明したことからも分かるように、製作上の理由から同じではない。各々の移動量はシャッタユニットごとに異なったものとなっているし、両方の移動量の差もシャッタユニットごとに異なったものとなっている。従って、このままでは、正確な露光制御が行えないものとなってしまう。
【0036】
そこで、従来は、このような問題点を補うために、電磁石2,3の通電を断つタイミングを、シャッタユニットごとに電気的に微調整するのが普通であった。ところが、本実施例の場合は、駆動部材4,8の相対的な露光作動開始位置を機械的に変えることによって、そのような調整を行えるようにしている。即ち、例えば、二つのスリット形成羽根19,23によって形成されるスリット幅が、所定の幅よりも広くなってしまう場合には、鉄片部材9の軸部9aに取り付けられている調整部材11を、厚さの薄いものと交換することになる。また、逆に、鉄片部材5の軸部5aに取り付けられている調整部材7を、厚さの厚いものと交換するようにしてもよい。
【0037】
また、二つのスリット形成羽根19,23によって形成されるスリット幅が、所定の幅よりも狭くなってしまう場合には、鉄片部材9の軸部9aに取り付けられている調整部材11を、厚さの厚いものと交換するか、逆に、鉄片部材5の軸部5aに取り付けられている調整部材7を、厚さの薄いものと交換することになる。本実施例の場合は、このように、厚さの異なる調整部材を用意しておき、最適な厚さのものを選択することになるが、既に説明したように、鉄片部材5,9に対する着脱が極めて簡単に行えるので、調整作業のし易い構成となっている。
【0038】
尚、本実施例の場合には、両方の鉄片部材5,9に調整部材7,11を取り付けているが、いずれか一方にだけ取り付けるだけでも調整が可能であることは言うまでもない。また、本実施例の電磁石2,3は、通電すると鉄片部材5,9を吸着保持し、通電を断つとその保持力が失われるタイプのものであるが、このような電磁石に代えてコンビネーションマグネットと称されている、永久磁石を備えた電磁石を採用していても、調整方法には全く影響を受けない。
【0039】
[第2実施例]
次に、図5を用いて第2実施例の要部のみを説明する。図5は、駆動部材に対する鉄片部材の取付構成だけを、一部断面で示したものである。従って、第1実施例のように、二つのシャッタ羽根を備えているフォーカルプレンシャッタの場合には、このような構成を両方の駆動部材に採用してもよいし、一方だけに採用してもよいことになる。また、必要があれば、一方には本実施例の取付構成を採用し、他方には第1実施例の取付構成を採用しても差し支えない。
【0040】
そこで、先ず、本実施例の構成を説明する。第1実施例の場合とは形状が異なるが、駆動部材の一部である取付部24の内部には、鉄片部材25が、ばね部材26を介在させて取り付けられている。即ち、鉄片部材25は、軸部25aと、頭部25bと、鉄片部25cからなっていて、取付部24に形成された孔24aに対して軸部25aを緩く嵌合させ、軸方向へ移動可能に取り付けられている。また、軸部25aには、コイル状のばね部材26が嵌装されており、頭部25bと取付部24を近付け、取付部24と鉄片部25cを遠ざけるように付勢している。
【0041】
そして、本実施例の場合には、鉄片部材25の構成が第1実施例の場合と大きく異なっている。即ち、本実施例の場合には、軸部25aの右側の部位に雄ねじが形成されていて、軸部25aと頭部25bとは、ねじ部材として製作されている。また、鉄片部25cに設けられている孔には雌ねじが形成されていて、軸部25aの雄ねじに螺合させている。そこで、取付部24に対する鉄片部材25とばね部材26との取り付け方を説明する。先ず、頭部25bと一体の軸部25aを取付部24の孔24aに挿入しておく。次に、その軸部25aにばね部材26を嵌装させる。その後、鉄片部25cの孔位置を軸部25aに合わせておき、頭部25bを回転させることによって、鉄片部25cを軸部25aに螺合させる。そして、最後に、軸部25aの右端を潰し、抜け止め部を形成する。
【0042】
このような構成の本実施例において調整作業を行うには、図面上では分かり難いが、鉄片部25cが配置されている取付部24の内側の面が回転止めとなっているので、単に、頭部25bを回転させるだけでよい。即ち、上記の雄ねじ,雌ねじが、右ねじとして形成されている場合には、ドライバーによって頭部25bを反時計方向へ回転させると、鉄片部25cは図5の右方向へ移動する。その結果、上記の第1実施例の説明からも分かるように、駆動部材の露光作動開始位置が、電磁石から遠ざかる方向へ変位させられたことになる。また、逆に、ドライバーで頭部25bを時計方向へ回転させると、鉄片部25cは、図5において左へ移動するので、駆動部材の露光作動開始位置は、電磁石に近付くように変位させられたことになる。このように、本実施例の場合には、ドライバーを用いて簡単に調整できるという利点がある。
【0043】
ところで、これまでの説明からも分かるように、駆動部材の露光作動開始位置を調整するということは、シャッタ羽根が所定のタイミングで露光開口を開閉作動できるようにするために、撮影時に、セット部材が駆動部材から離れた状態、即ち第1実施例の図4の状態において、駆動部材の回転位置を、電磁石の鉄芯に接離する方向へ変位させることである。従って、このことは、常態(図3に示されたセット状態以外のとき)における、鉄片部材の被吸着面と取付部との相対位置関係を、鉄片部材の軸部の軸方向に変えることにほかならない。このような観点から、図5に示した第2実施例をみてみると、この実施例には少なくとも二つの変形例が考えられる。
【0044】
その一つは、第2実施例における軸部25aの雄ねじと鉄片部25cの雌ねじを無くし、鉄片部25cを軸部25aに対して、軸方向へも回転方向へも可動にする。そして、その代わりに、取付部24の孔24aに雌ねじを形成し、軸部25aには、その雌ねじに螺合する雄ねじを形成するようにする。このような構成において頭部25bを反時計方向へ回転させると、その頭部25bは取付部24から離れることになるが、取付部24と鉄片部25c(言い換えれば、被吸着面)の相対位置は、軸部25aの軸方向へ調整されたことになる。
【0045】
もう一つは、上記と同じように、第2実施例における軸部25aの雄ねじと鉄片部25cの雌ねじを無くし、鉄片部25cを軸部25aに対して、軸方向へも回転方向へも可動にする。そして、その代わりとしては、第1実施例と同じ形状をした、厚さの異なる数種の調整部材(7,11)を用意しておき、それらの中から選択したものを、軸部25aの右端に形成された抜け止め部と、鉄片部25cとの間において、軸部25aに取り付けるようにする。それによって、取付部24と鉄片部25cの相対位置は、軸部25aの軸方向へ調整されたことになる。
【0046】
尚、上記の各実施例の説明は、駆動部材(言い換えれば、シャッタ羽根)を二つ備えたフォーカルプレンシャッタを前提にして説明したが、上記のような調整は、基本的には、シャッタ羽根が所定のタイミングで露光開口を開・閉作動できるようにするために行うものであるから、本発明は、デジタルスチルカメラにのみ採用されている、駆動部材を一つだけ備えてたフォーカルプレンシャッタにも適用することができる。また、駆動部材を二つ備えたフォーカルプレンシャッタの中には、二重遮光方式のフォーカルプレンシャッタと称されていて、後羽根用駆動部材が後羽根のアームに直接連結されていないものもあるが、そのようなタイプのシャッタであっても、露光作動時には、後羽根用駆動部材が後羽根を作動させるので、本発明を適用することが可能である。
【0047】
また、上記の各実施例においては、鉄片部材の鉄片部は、少なくともその一部が、常に、駆動部材の取付部内に収容されているように構成されているが、これは、鉄片部材が、その軸部において回転してしまわないようにしているからである。従って、何らかの回転止め手段を講じた場合には、鉄片部が一時的又は常に取付部の外にあるように構成しても差し支えない。更に、上記の各実施例においては、コイル状のばね部材を鉄片部材の軸部に対して圧縮可能に嵌装させているが、このばね部材は、駆動部材の取付部から鉄片部を遠ざけるように付勢するためのものであるから、各実施例のようなコイルばねには限定されず、板ばねであっても差し支えない。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、電磁石に吸着される鉄片部材が、シャッタ羽根を作動させる駆動部材に対し、ばね部材を介在させて取り付けられているフォーカルプレンシャッタにおいて、撮影時における駆動部材の作動開始位置を、鉄片部材の取付状態を変えることによって簡単に調整することができるという特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】被写体側から見て左側の約半分を示した第1実施例の平面図であって、露光作動終了直後の状態を示したものである。
【図2】図1の要部断面図である。
【図3】図1と同じようにして示した第1実施例の平面図であって、セット状態を示したものである。
【図4】図1と同じようにして示した第1実施例の平面図であって、露光作動開始直前の状態を示したものである。
【図5】一部を断面で示した第2実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c 長孔
1d,1e,1f 軸
2 先羽根用電磁石
3 後羽根用電磁石
4 先羽根用駆動部材
4a,8a ローラ
4b,8b 駆動ピン
4c,8c,24 取付部
4d,8d,24a 孔
5,9,25 鉄片部材
5a,9a,25a 軸部
5b,9b,25b 頭部
5c,9c,25c 鉄片部
6,10,26 ばね部材
7,11 調整部材
8 後羽根用駆動部材
12 セット部材
12a,12b 押動部
12c 被押動部
13 操作部材
14,15 アーム
16,17,18,19,20,21,22,23 羽根
Claims (2)
- セット時には駆動ばねの付勢力に抗してセット部材によって作動させられ撮影時には該駆動ばねの付勢力によってシャッタ羽根を伴って作動させられる少なくとも一つの駆動部材と、軸部と該軸部の一端に設けられた頭部と該軸部の他端に設けられた鉄片部とを有しており前記駆動部材の取付部に対し該軸部の軸方向へ移動可能に取り付けられている鉄片部材と、前記取付部と前記鉄片部との間に配置されていて前記鉄片部と前記取付部を遠ざけるように付勢しているばね部材と、撮影時には前記鉄片部を吸着保持しており露光制御回路からの信号によってその保持力を解除され前記駆動ばねの付勢力による前記駆動部材の作動を可能にする電磁石と、を備えており、前記軸部の外周には雄ねじが形成され、前記鉄片部には該雄ねじに螺合している雌ねじが形成されていて、それらの螺合位置を変えることによって、前記取付部と前記鉄片部との間隔を変え得るようにしたことを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- セット時には駆動ばねの付勢力に抗してセット部材によって作動させられ撮影時には該駆動ばねの付勢力によってシャッタ羽根を伴って作動させられる少なくとも一つの駆動部材と、軸部と該軸部の一端に設けられた頭部と該軸部の他端に設けられた鉄片部とを有しており前記駆動部材の取付部に対し該軸部の軸方向へ移動可能に取り付けられている鉄片部材と、前記取付部と前記鉄片部との間に配置されていて前記鉄片部と前記取付部を遠ざけるように付勢しているばね部材と、撮影時には前記鉄片部を吸着保持しており露光制御回路からの信号によってその保持力を解除され前記駆動ばねの付勢力による前記駆動部材の作動を可能にする電磁石と、を備えており、前記鉄片部は前記軸部に対して該軸部の軸方向へ移動可能に取り付けられ、前記軸部の外周には雄ねじが形成され、前記取付部には該雄ねじに螺合している雌ねじが形成されていて、それらの螺合位置を変えることによって、前記取付部と前記鉄片部との間隔を変え得るようにしたことを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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